朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

日本が大災害なのに、円高とは?

2011-03-19 | 東日本大震災
「円高」とは、1米国ドルをたった76円で買える(昨日のピーク値)。1ヶ月前には84円くらいだったので、8円=9.5%も円の価値が上昇しました(ドルが値下がり)。現在は80円前後。

私も含め一般市民の「常識」では、経済が強い国の通貨=価値が高い、と思うのですが。

この地震は大々災害ですから、少なくとも数年から十数年間は日本の国家経済は大赤字となるでしょう。それでも、なぜ、米国ドルに対して円が値上がりするのでしょうか。




実際、日本企業の株価、例えば「日経平均」は大震災前の1万円以上(10,891円 2/17株価)から、一挙に9206円(3/18)と約15%下落しました。

??

ファイナンス専門家の解説では、
「今後、日本再興のためにインフラ建設や生産設備の資金需要が急増すること、生命保険や損害保険・地震保険の支払いも急増する。日本企業(生保・損保を含む)は過去の蓄積資産が大きくその多くを外国債券等で所有している。それら企業は当面の資金需要が大きくなりそのため海外資産を売り払って「円」に換金して国内に持ち帰る」
「すると、「円」を求める(日本)企業が増えるので、円は高くなる(需要と供給の関係=買いたい人が多いと値上がりする)。つまり今、円を仕入れておけば近いうちに、値上がりするだろう=投機筋の思考」
 だそうです。

つまり、日本は「債権国」(外国に金を沢山貸している)であり、そして日本産業の基本能力の損傷は見かけほど大きくない(再建能力とそのスピードは大)と予測している。

この「火事場」を利用して、外国通貨取引で一儲けを意図する投機筋(ハイリスク、ハイリターンを狙う投資グループ、例えば産油国の王族などかな)が仕掛けてきたようです。

自由経済主義で、国際的にも許容された投資(投機)なので非難できません。
しかし放置すると、高い円のために日本の輸出企業(例、自動車、エレクトロニクス)が大きな損失を蒙ります。為替取引はゼロサムゲーム(だれかの得は、だれかの損に等しい)です。日本の大不幸にかこつけて、大もうけをたくらむ投機は感情的、モラル的に許容しがたい。

幸い、先進国G7で緊急の合意ができ、協調介入(7カ国の政府・中央銀行の資金を使って円高を防ぐ=円を買う取引に、国家の銀行が大量の円を売る。日銀は手持ちの円を積極的に売る。いざとなったら円の紙幣を増刷すればいい)しました。その途端に、1USドルが76円から80円まで、約5%円安に戻りました。

G7先進国の政府
ドイツ
イギリス
アメリカ合衆国
フランス
イタリア
カナダ
の支援に感謝します。

~~

※別の話題です。...日本の航空会社が中国に空輸した貨物が彼の地の空港当局により、放射能汚染を理由に荷降ろしを拒否されて、日本に持ちかえらされたとの報道があります。その際、空港当局に拒否理由を書面で求めたがその交付もなかったとか。科学的理由、準拠する法律の明記など書面での記録、こんな基本ルールを理解できない隣国の役人に怒りを感じます

※※「禁じ手」でしょうが、上記記事を書いていて思いついたこと、円高投機筋に冷や水を浴びせることからの発想です。日銀総裁がその権限内で銀行券の印刷の増加を命令すること。その結果、その度のインフレが起こります。円の投機家は儲け損ないますが、副産物として国債が減価し、公的年金の実質的負担が減少します。千年に一度の国家存亡の時です。
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