HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

なんでいつももの悲しいの?

2006年10月16日 | 吉井和哉/イエローモンキー
カテゴリーをイエローモンキーのままにしていいのか・・・って事になりますが、元メンバーなので吉井さんはここに入れます。

『39108』は全体的にはやっぱりイエローモンキー時代から私が感じる昭和の香りが漂う。洋楽っぽいところもあるんだけど、やっぱり「昭和」がそこに顔を出す。

「人それぞれのマイウエイ」はどことなくレディオヘッドを思い浮かべてしまうけど、でもやっぱり甘酸っぱい昭和の東京の町がちらつく。なんなんだろうな。昭和の東京のイメージ。私は幼少の頃しか住んでいないんだけど、吉井さんと同じ世代だからかきっと同じ風景を見ていたんだろうな。どこか高度成長期なのにもの悲しい時代。コギャルとかガングロとかそういう人たちはいなくて、なんか暗い若者が多いイメージ。幼心に大学生は危険だって思っていた時代。ベトナム戦争の影が日本にまで落ちてきていた時代。

洋楽を聴いている人は妙に怪しげなオーラが漂っていて、ジミヘンやジャニスみたいな格好のお兄さんやお姉さんを銀座あたりで見かけてぼけ~っと見ていたら、親が遠ざけようとしたそんな時代。デパートに行くのは大変なお出かけで、フリフリの、でもそんなに派手ではないワンピースにリボンでくくったポニーテイル。白いレースのついた靴下に黒のエナメルのベルト付き靴を履いて小さなパラソル型のカバンを持ってでかけるのが親が私にさせるお出かけの格好だった。そんな格好が好きだったわけではなく、成長するにつれて、ロックバンドのロゴの入ったTシャツとジーパンという格好がふつうとなった私を見て、母はとても嘆いた。それもすべて昭和・・・

「黄金バット」だって昭和が誇る(笑)ヒーローものの子ども用アニメのタイトル。うっすらとしか記憶がないけど、幼心に「なぜに金色の骸骨なんだ」って思った。これって「恐いもの」と違うの?って・・・「お化けが正義の味方なの?」って・・・無気味なアニメだな~って今振り返っても思うけど、人気があったみたい。きっと吉井さんも見ていたんだろうね。

それにしても、どうしていつも哀愁が漂うんだろう。彼の歌には・・・時にそれはアイルランドの民謡と重なったりする。晴天の空よりどんよりと曇った空の方が似合う。そして、室内は安っぽい光がきらめく、場末の劇場が似合う。



でも、日本の「昭和」だけじゃないんだよね。それは異国の地のもの悲しい場所も想像させてくれる。モノクロの映画のようなシーンを勝手に思い浮かべてしまったり・・・行ったことがないのに・・・そう前世の記憶みたいにいろんな場所が彼の曲を聴いているとぐるぐる頭の中で回って行く。頭の中が投影機になる。

このアルバムラストの曲『BELIEVE』がせつなく胸に響く。

そうなんだよね。「振り向いても後ろには通り過ぎた景色があるだけ」



君はいない。そして私もいない。

ごめんね。私はもうとっくに消え失せてしまったの。君の世界から・・・

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