風月庵だより

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ちょっと一言:雨からテレビゲームまで

2006-09-01 11:21:42 | Weblog
9月1日(金)雨【ちょっと一言:雨からテレビゲームまで】

今日は久しぶりに雨が降っている。朝の出勤途中で、傘がなくて雨に濡れている人の姿も見かけた。「気の毒なるは雨の中の傘無し」『たけくらべ』の中の一文が浮かんだ。信如と美登利の淡い恋の物語であるが、明治のころの吉原界隈にまで思いが馳せた。かつて吉原の松葉屋という元遊郭を訪れたことも思い出した。そういえば東大の近くに、美登利が住んだ大黒屋はこんなだったろうかという感じの木造の家屋があったような気がするが、それは今から40年も前の話しである。

いかにも樋口一葉が住んでいた頃の家のようね、と話しをした友人のことにまで思いが馳せた。久々の雨から頭の中で次々に思いが連鎖反応を起こして、朝の出勤時を楽しんだ。中学生の頃、高校生の頃、熱心な国語の先生に恵まれて、多くの名作を暗記をさせられた。『奥の細道』『方丈記』『徒然草』『枕草子』等々。全文暗記をさせられて、その頃は大変な気がしたが、今になって思えば有り難いの一言である。

この頃あまりに短絡的な事件が多く、人の命が軽視されているというだけでなく、なぜ母を、なぜ友を、殺すことができるのか理解に苦しむ事件が多すぎる。一筋縄にその原因を述べることは困難であるが、テレビゲームの影響は大きいのではなかろうか。安直な殺人ゲームや戦闘ゲームは販売に規制をかけるべきであろう。

そしてせめて名作の暗記ゲームでも考えたらどうなのか。前頭葉の発達に役立つゲームを考え出してほしい。いや、ゲーム自体前頭葉の発達には役立たない代物かもしれない。殺人ゲームを生み出し、多額の利益を手に入れている人々は世俗的には恵まれているように見えるだろうが、実は大いに徳を損じた行為をしていることを自覚して頂きたい。久々の雨からこんな事にまで思いが至った朝であった。ちょっと一言の風月庵だより。