風月庵だより

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くも膜下出血

2006-09-05 22:48:26 | Weblog

9月5日(火)晴れ残暑【くも膜下出血】
姉がめまいがひどく救急車で入院したという。長兄がくも膜下出血で亡くなっているので心配したが、姪からの電話ではたいしたことはないようだ、というので安心した。しかし顔を見るまでは心配であった。病院に行ったところ、ベッドの上に坐っている姉を見たので本当に一安心であった。

この暑いのに、畑の草取りを夢中でしたからではないかと姉は言った。しかし油断は禁物である。めまいで起きれなかったというし、血圧が上は180近くあったという。兄弟がくも膜下出血という場合、他の兄弟にも脳動脈瘤がある可能性がある、と新聞で読んだことがある。よく検査をして貰った方がよい、と姉に頼んで病院から帰ってきた。

長兄がくも膜下出血で倒れたとき、あまりにいろいろと不運が重なってしまい、残念であるので、お読みになる方の参考になるかもしれないので、兄のくも膜下出血の顛末について書いてみたい。兄が倒れたのは三月のまだ寒いときであった。関越自動車道を運転中に半身が動かなくなった。今ほど携帯電話が普及していなかったのは残念だが、三芳のドライブインまで何とか運転して行き、公衆電話で家に電話を入れたのだという。ところが義姉が生憎の留守で、電話を受けた者が義姉が帰ってくるのを待ってから、三芳の兄を迎えに向かったのだという。

これが第一と第二の不運である。救急車でなく家に電話したことの第一の不運。発作を起こしている兄を迎えに来るまでに2時間以上が経過した不運。そして三芳から家の近くの病院まで義姉と友人で運んだのだという。これが第三の不運。すぐ近くに大きな大学病院があるというのにまた一時間かけて近くの病院まで連れて行ったとは。

ようやく病院についたとき、車椅子に自力で兄は乗れたのだという。そして内科のかかりつけの医者に「先生、助けてください」と話すことができたのだという。すぐに脳の写真を撮ったその医者は、「軽い出血ですから、リハビリのことを考えて、專門の病院に行って貰いましょう」と、すぐに2時間以上もかかる脳外科の専門病院に向けて救急車で搬送させたのだという。これが第四の最たる不運で、それも医者という専門家が下した最悪のミスであった。兄は搬送の途中で脳死状態になってしまった。

実はこの前にも残念であった不運があった。これが第一の不運と言うべきかもしれない。亡くなる三ヶ月ほど前に兄に会ったのだが、(これが最後の別れとなってしまった)あまりに顔色が悪いので、お医者さんに診て貰った方がよいと勧めた。この頃考え事をすると頭痛がひどいとも言っていたそうだ。そして知人の脳外科医に診察を頼んだところ、学会があるのでそれが終わるまで待ってくれ、と言われてしまったのである。これが不運でなくて何であろう。診察を予約していたその前の日に発作が起きてしまったのだ。

知人になど頼って数ヶ月を待つ余裕など、脳の病気にはない。すぐに脳外科のあるどこでもよいから病院に行き、検査を受けていれば、脳動脈瘤の小さな出血を発見できたであろう。脳の病について知識のある筈の医者が、兄のケースの場合、取り返しの付かない判断ミスをしているのである。脳の不調は絶対に甘く見てはならないのである。

読者の方も頭が変な時は、即、救急車で病院に連れて行って貰ってください。また大きな発作が起きる前、何でもないような不調が前触れとしてある場合もあるので、これは変だ、と思ったら、即、病院に行ってください。くも膜下出血でも、すぐ病院に行って手術をしたので、今はなんともありません、という人ともその後何人にも会った。ちょっと片方の目がよく見えない程度で、ほかにはどこにも後遺症は残っていないという人にも最近あった。

慢性病も恐いですが、突発性の病は本当に恐いので、お互いに注意して、一日でも長くこの世を味わいましょう。残暑が厳しいですから、皆さんお体ご自愛ください。

くも膜下、要注意の症状:
突然の頭痛/ もうろうとする/ 吐き気/ 日常の頭痛/ 手足の麻痺/ ろれつがおかしくなる/
首筋がこわばる。