風月庵だより

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脳の活性化

2006-04-23 23:15:16 | Weblog
4月23日(日)曇り夕方より雨【脳の活性化】

今日は埼玉の都幾丘陵の方まで、納骨を頼まれたので、関越を走って行って来た。日曜日のお陰で、一度も渋滞に遭わなかったので、予定より一時間も早く墓所に着くことができた。お陰で東京では味わえない山の空気をゆっくり楽しむことができた。辺りの木々は新緑に彩られて、いかにも新鮮な空気が山中に満ちているようだった。

息を吐くことに集中すると、セロトニン神経を活性化することができる、というので自然のエネルギーが満ちた中で実行することにした。日頃の疲れた脳が蘇えってさらに元気になれることを期待した。セロトニン神経が活性化すると、心のバランスを保つのに役立つそうである。いつも心が保たれていれば、落ち着いて何事にも対処できるであろう。坐禅の効用もそのようなことがあると、言いたいところであるが、道元禅師のお説きになる坐禅は、そのような効用を求めるものではないので、セロトニン神経を活性化するには、深く息を吐くことに集中する呼吸法を二,三十分続けることがよいであろう。

さて新緑の爽やかな木々に囲まれて、私の脳はフレッシュになったかというと、知らない間に深い眠りに入っていた。でも運転の疲れもとれてスッキリとしたようである。

今日の納骨の方は、ご病気であったのでやつれた姿を見せたくないとの配慮から、ご葬儀は身内で済ませたので、四十九日の今日が、参列の方にとっては故人とのお別れの儀式であった。それは母親孝行のお見送りの方法だと、私も思う。この頃私自身のこととして考えるのであるが、自分のデスマスクを誰にでも見られるのは、どうも嫌だ、ということである。

私自身どのような最期を迎えるかわからないが、できれば動かなくなった姿はあまり人様に見られたくないものだと思う。まして病気になってやせ細ったとしたら、なおさらそのような姿を見られたくはない。しかし動かなくなった私はそれを主張することはできないのだから、生きているうちに頼んでおかなくてはならない。今日の家の子供さんのように、親思いの子供を持った人は幸せというものだろう。

新緑に囲まれた墓所の納骨を済ませて風月庵に帰ってきた。体は疲れているようだが、脳は活性化しているような感じがしている。そこで机に積んである一冊の本を手に取った。ちょっと数頁読むつもりが、五百頁以上の作品なのに最後まで読んでしまった。まさか全部一度で読み終えられるとは思ってもいなかったのであるが、作品の魅力に引きずられて読まずにはおれなかったのである。

作家にとっては、長い時を費やして書き上げた労作であるのに、一日で読んでしまっては申し訳がないようだが、魅力ある作品のなせる罪であろう。新井満氏『エッフェル塔の黒猫』という作品である。作曲家エリック・サティ(1866~1925)を主人公にした小説である。私はあまり文学については深くは論じられないが、「ほんもの」というのはこういう作品のことをいうのであろう。

小説を読んだり、たまには映画をみたりするような私は、本当の出家者とは言えないだろう。いつも仏教書だけを参究しているだけでは、私は自分をコントロールできかねるのである。私にとっては、呼吸法だけではなく、文学や映画によって活性化されることが、必要である。そうはいってもこの二年間で見た映画は二作だけであるが、忙しくて見る暇がなかっただけのことである。

私は不良の尼僧なので、このブログをお読み下さる方は、私は、そのような者ですが宜しく。
話は変わりますが、深く息を吐くことに集中する、という呼吸法は心身の健康にも確かに良いと思います。これから新緑の美しい季節です。どうぞセロトニン神経を活性化してフレッシュな気持ちで日々をお送り下さい。お子さんのいらっしゃる方は是非ご一緒にお試し下さい。子供がキレルのを防ぐ効果があるそうです。

*セロトニン神経活性化呼吸法:息を吐くことに集中する。できる限り長く、お腹から吐く。呼気は口から、吸気は鼻から。長く吐けば自ずと息を吸い込むことになる。下腹部、丹田に吸い込む。時間は30分ぐらいが望ましいが、もっと短時間でもよいだろう。
この呼吸法については『曹洞禅グラフ』96号2006年春号13頁に、有田秀穂氏(東邦大学医学部教授)の詳しい話が掲載されている。

*次の文は、有田氏の著作「セロトニン欠乏脳」(有田秀穂著、NHK出版)をもとにした、インターネットの情報を要約しました。身心の健康について参考になりますのでご参考にして下さい。

★セロトニン神経のはたらき

セロトニン神経は、目覚めと共に活発化する交感神経に影響し、覚醒後の行動を活発にするために、体を適度なスタンバイ状態にするはたらきをします。

心の面では、平常心を保つはたらきをします。快感や陶酔感を増幅する「ドーパミン神経」と、様々なストレスによって覚醒反応を引き起こす「ノルアドレナリン神経」に対して抑制作用を及ぼし、興奮と不安のバランスを図り、心の状態を中庸に保つはたらきをします。


★セロトニン神経が弱まるとどうなるか

中枢神経系のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こします。覚醒状態をうまくコントロールできなくなるため目覚めが優れず、その後もなかなか調子がでません。また、うつ状態やパニック発作、摂食障害(過食や拒食を繰り返す)など、俗に「現代病」と呼ばれている症状の多くが起きる可能性があります。また、ストレスが加わった時に過激な行動が抑えられなくなる「キレる」という状態も、セロトニン神経が弱まった時に起こる症状と重なります。

★セロトニン神経は、どうして衰えるか
セロトニン神経には、歩行、呼吸、咀嚼などの基本的なリズム運動によって活性化するという特性があります。毎日の生活の中で、こうしたリズム運動を自然に繰り返していれば、セロトニン神経は正常レベルに保たれます。したがって、こうした運動を極端に抑えた生活を継続することは、セロトニン神経の減弱を招きますので、注意が必要です。
● あまり外出をしない こと。
● 移動にクルマを頻用し、歩くことが少ないこと。
● コンピュータ操作などで1日数時間にわたって同じ姿勢をとり続けること。
● 夜ふかし、朝寝坊の昼夜逆転生活をすること。


セロトニン神経の活性には太陽の光も影響しますから、インドア指向の最近の子供たちの生活、とくに連日、息をつめてゲームをやり続けるという習慣などは、セロトニン神経が減弱しやすくなるのです。

★セロトニンを鍛えるには

まずは、①セロトニン神経の活性化を妨げる生活習慣を改善すること。②朝起きて太陽の光を浴びる。③適度な運動とバランスのよい食事を摂る④規則正しい生活。その上で、意識的な呼吸法やリズム運動を実践すると効果的です。