自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆石垣島から-下

2015年09月22日 | ⇒トピック往来
   ラムサール条約登録の湿地「名蔵アンパル」を見学できるというので、隣接する「石垣やいま村」というテーマパークに立ち寄った。八重山の古い民家も移築して保存されている。沖縄の民謡を三線(さんしん)で生演奏している家などあり、にぎやかな雰囲気だった。入口から東に向かって、途中、カンムリワシのケージを横目で見て、さらに坂を下りていく。ウッドデッキがあってマングローブの群生林に入っていく。

   ちょうど潮が引いていた状態で、砂泥の中にマングローブの樹木が林立している。木の根っこのようものが泥の上にボコボコと出ている。ウッドデッキをさらに進むと途中で途切れ、広い川が見えくる。これが名蔵アンパル。不思議なもので、マングローブの群生林を見ただけで内なる冒険心がかき立てられる。この川でのカヤックツアー(大人4340円)もあったが、とりあえずこの目で見たことで満足感が漂ってきて、カヤックツアーはパスした。また、今回は西表島をコースに入れてなかったが、島のほぼ90%が亜熱帯ジャングルで覆われる西表島に渡島したくなった。石垣島は表玄関、西表島は奥座敷、そんな感じだろうか。今度は奥座敷へ。

   22日付の朝刊をホテルで読むと、琉球新報と沖縄タイムスの一面の見出しが躍っていた。琉球新報「新基地は『人権侵害』 知事、国連で演説 辺野古阻止 国際世論へ訴え」、沖縄タイムス「反辺野古 国連で訴え 知事、人権理で声明」と。沖縄県の翁長知事が21日午後(日本時間22日未明)、スイスの国連欧州本部で開かれている国連人権理出席し、「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と述べ、アメリカ軍普天間飛行場の県内移設反対を訴えたという記事だ。両紙ともジュネーブに同行の記者を送っていて、署名記事だ。チカラが入っている。

   紙面を読むと、翁長知事は各国代表の外交官やNGOメンバーらを前に2分間、英語で発言した。沖縄に在日アメリカ軍専用施設が集中する現状を挙げ、事件や事故、環境問題が起きていると訴え、「自国民の自由、平等、人権、民主主義を守れない国が、どうして世界の国々と価値観を共有できるのか」と日本政府を批判した。普天間飛行場の辺野古への移設計画を「あらゆる手段を使って新基地建設を止める」と述べた、という。

  そして社会面も圧巻だ。沖縄タイムスの見出しは「沖縄差別 知事告発 政界から激励 次々」、琉球新報は「世界に沖縄伝えた 共感広がりへ期待」と。安保法成立でも、国連人権理事会演説でも、2紙は競うようにボルテージを上げている。この2紙の論調のたどり着く先はどこか。

⇒22日(火)夜・那覇市の天気   はれ

   
   
コメント
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