自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆メディアの信頼度

2013年01月05日 | ⇒トピック往来
  きょう(5日)のコラムの内容は、新聞やテレビでは大々的に報じられていない話だ。扱ったとしても、新聞各社はとも控えめに、紙面の片隅に掲載されていた。「メディアに関する全国世論調査(2012年)」の記事だ。公益財団法人「新聞通信調査会」が毎年行っている調査。昨年11月24日に公表された調査結果(調査は9月)によると、メディアの情報を「全面的に信頼している」場合を100 点、「普通」50 点。「全く信頼をしていない」は0 点、として点数をつけてもらったところ、平均点が最も高かったのは「NHK テレビ」で70.1 点、次いで「新聞」が68.9 点、「民放テレビ」が60.3 点となっている。新聞は初めて70点を割り込んだ。

  前年(2011)に比べNHKは4.2点、新聞3.1点、民放テレビは3.5点それぞれ下げたことになる。新聞、テレビ、ラジオ、インターネットの情報信頼度が、いずれも調査を始めた2008年以来最低となった。気になるのはメディアとしてのインターネットは53.3点取っている。ラジオは58.6点なので、その差は5点。民放テレビとも7点差だ。年代別の結果で、20代、30代ではインターネットとラジオ・テレビの差がさらに縮まる。これは、テレビ・ラジオの経営者としてはショックだろう。「信頼度がインターネットとそれほど変わらないのであれば、われわれの存在価値はどこにあるのか」などと自問せざるを得ない。

  新聞にしても然りだ。百数十年の歴史を有し、報道の王道を歩んできた新聞各社が、60年のNHKの後塵を拝している。ただ、調査項目で「情報源として欠かせない」「情報が役立つ」「情報量が多い」の3つでは、新聞がNHKや民放テレビを上回っている。

  調査では、新聞離れ、テレビ離れが進んでいることも裏付けている。新聞の朝刊や夕刊を読む人は3.9点減少の79.2%で、初めて80%を切った。朝刊を読む人は70代以上を除く全ての年代で減っている。電子新聞の利用は前年より3.6点増の5.2%の増えている。新聞離れというより「紙離れ」なのかもしれない。「インターネットニュースを見るサイトは?」の問いでは、ポータルサイトが85%、新聞社の公式サイトは26%だった。

  今回初めての調査項目として原発関連があった。「原子力発電に関する新聞の報道は?」の項目で、「政府や官公庁、電力会社が発表した情報をそのまま報道していた」の問いで「そう思う」63%を占めた。逆に、「いろいろな立場の専門家の意見を比較できた」の問いで、「そう思わない」が47.6%を占めた。読者の率直な視線だろう。新聞と原発の在り様が問われいてる。

 調査内容は30項目。調査は18歳以上の5000人を対象に実施し、3404人(68.1%)から回答があった。調査方法は訪問留置法(調査員が対象者を訪問して調査票を渡し、後日再訪して記入済みの調査票を回収)。

⇒5日(土)夜・金沢の天気   はれ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする