蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『あおやま長寿庵@青山一丁目』さんの「焼明太子」

2015-02-10 17:35:00 | 東京23区(港区)

六本木での仕事が17時丁度に終わり、そのまま六本木付近にあるお蕎麦屋さんに立ち寄ってみても良かったのですが、時間も早かったことからてくてくと青山一丁目まで歩き、平日のみの営業となっていることからなかなか訪れる機会に恵まれない『あおやま長寿庵』さんの暖簾を潜ってみることにしました。

六本木から青山一丁目までは随分と距離があるようにも見えますが、徒歩25分程度の距離であり、お店の開店時間が17時半ということを踏まえるならば、時間調整を兼ねて丁度良い距離と言えます。

ということで、青山一丁目交差点で予定外の寄り道をしてしまったため予定より遅い時間の到着となりましたが、それでもまだまだ早い時間なので問題も慌てることも無く、「ようやく訪れることが出来たか!。」という思いを胸に早速扉を開けてみると・・・。

4人掛けのテーブル席と大きなカウンター席がゆったり配置されている、先客のいない清潔感漂う明るいフロアが目の前に広がります。そして、花番さんに案内されて、大きな花瓶を囲むように作られているコの字形のカウンター席に着き、冊子になっているメニューを広げます。

喉が渇いている訳でもないことからビールはパスして最初から日本酒をいただこうかと思いましたが、「喉を潤す程度、少しだけあれば良い。」というような時にとても重宝する瓶ビールの小瓶があったことから、まずはその小瓶の瓶ビールと一緒に、「おひたし」と「焼明太子」をお願いします。


ビールを飲みながら料理を待っていると、お蕎麦を目的とした年配の御夫婦がポツポツと来店します。
というより続々と来店するという感じで、しばらくすると馴染みのサラリーマンと思われる方々も訪れ始め、開店後それほど時間が経過している訳ではありませんが、テーブル席がそこそこ埋まってしまいます。

その様子に、「へぇ~、そうなんだ。」と予想外の展開に少々驚いていると、「菜の花のおひたしです。」との一言が添えられて、目の前に「おひたし」が置かれます。

驚くほど量の多い「おひたし」は、降り掛けられている鰹節がなかなか美味しく、サッパリ爽やかな食感と併せてまずまずでした。


次にいただいた程良い温かさの「焼明太子」は、噛むとホロホロと崩れる柔らかい食感も良く、辛子明太子ではないので辛くはありませんが、日本酒が似合いそうな美味しい料理でした。


「焼明太子」をいただいている途中で瓶ビールが空になったことから、日本酒をいただこうと思い再びメニューを開きますが・・・。

確かに、「どの日本酒を選んでも美味しい、十分な品揃え」と思いますが、正直、「問題の無い、メジャーで無難な品揃え」という印象は拭えず、迷った結果、「その日により銘柄が変わります」と書かれている静岡県の地酒「磯自慢」をお願いすることにします。そして、「おひたし」が残ってはいますが、蕎麦の前にもう少し料理をいただきたいと思い、「にしん」を一緒にお願いします。


いただいた「磯自慢」は、その日によって銘柄が変わるとのことなので種類は分かりませんが、ベタベタ感の無いスッキリした辛口で、穏やかでありながらもしっかりした旨味と爽やかな余韻の感じられる、「磯自慢ってこんなに旨かったっけ?。」と思ってしまうほど美味しい「磯自慢」でした。

また、価格についても「銘柄により変動します」と書かれていましたが、帰宅後確認してみたところ、驚くような価格では無く、「この美味しさならこれくらいかな?。」という納得の価格でした。

なお、綺麗に盛り付けられた「にしん」は、やや薄味の、普通と言ってしまえば普通ではありますが、スッキリした辛口の「磯自慢」と一緒に美味しくいただきました。


さて、いつの間にかテーブル席も埋まり、随分と賑やかになってきたことから蕎麦をお願いします。
ここ『あおやま長寿庵』さんでは、「鴨せいろ」の蕎麦を茶そばに変えた「茶そばの鴨せいろ」(メニューにはありません。)があるとのことですが、昼のみのメニューらしいことから、少々興味深い蕎麦ではありますが確認することもせず「せいろ」をお願いします。


少々盛りが少ないかな?という印象の「せいろ」は、細麺の食べ易い蕎麦でした。
また、出汁の味わいが感じられる穏やかな蕎麦汁は、やや濃い目という感じでしたが、蕎麦湯を注いでも味が崩れることはなく、蕎麦湯を美味しくいただくことの出来る蕎麦汁でした。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『あおやま長寿庵』さんは、扉を開けることを躊躇してしまいそうな高級な店構えで、明るい店内には立派な花が生けられた大きな花瓶が置かれているなど、お店に入った瞬間、「価格は少々高めかな?。」と思ってしまいそうですが、メニューを見ると料理も蕎麦も庶民的な価格に設定されていて、実際に支払った金額も「漏れてない?。」と思ってしまう金額でした。

また、花番さんの接客も丁寧で親しみ易く、女将さんと思われる方も、馴染みのお客さんに限らず席を回って気軽に声を掛けるなど接客に当たっていて、親しみ易さと居心地の良さがお店全体から感じられる、庶民派蕎麦屋と言われている「長寿庵」さんらしいお蕎麦屋さんでした。

ごちそうさまでした。


なお、余談ではありますが・・・。
『あおやま長寿庵』さんを訪れたこの日、青山一丁目にあるホンダ本社ビルで、ホンダの2015年F1参戦に向けた記者会見が開催され、併せて本社ビル前に歴代のF1マシンがズラリと展示されました。

そのことは事前に知らず、たまたまホンダ本社ビルの前を通りかかったらF1マシンが展示されていたという状況でしたが、今は無きF1ドライバー、A・セナが乗っていた「27」番を付けたV10エンジン搭載のMP4/5Bを見ることが出来るなんて・・・。と感動的な出来事でした。