戸隠の「戸隠堂」さんでいただいた「そばがき」が少々腹には重かったようで、お昼時になっても蕎麦をいただこうという気分にならないことから、朝食と昼食の間隔を空けるために、水芭蕉の宝庫である山深い鬼無里まで移動してきました。
そして、手元にある信州そばのお店を紹介している雑誌とインターネットの口コミサイトの情報を基にお蕎麦屋さんを調べ、「観音そば」という古民家を改築したお蕎麦屋さんへ向かうことにしました。
ところが、「この辺りにあるはず」という地点に到着してもそれらしきお店は見当たりません。
広く複雑な場所でもなく、道路1本の両側にポツポツと民家が点在している場所なので、車で走っていても見落とすことはありません。
そんな状況の中、「もしかして・・・」と思い道路から奥まったところにある茅葺屋根の古民家へ向かってみると、そこがお蕎麦屋さんだったという面影は何ら残っていませんが、インターネット上に公開されている写真の建屋と同じ建屋であることから、今は廃墟(?)になっているこの古民家が目的のお蕎麦屋さんのようです。
ということで、残念ながら蕎麦をいただくことはできません。
と、閉店を残念に思っていましたが、時計を見ると13時半になろうという時間であることから、のんびりしている場合では無く、「14時まで」となっている『十割そば処・おに屋』さんへと急いで向かいます。
お店に到着し、顔を出した奥さんに「まだ、大丈夫ですか?」と確認すると「大丈夫です」とのこと。
その一言を聞いてから駐車場に車を停め、再び暖簾を潜ります。
「こちらが席になっています。」と案内された先は一般民家の大広間のような座敷で、「どちらでもどうぞ」と案内されたことから、窓際の明るい座卓を使わせていただくことにします。
座敷に座り、テーブルの上に置かれているメニューなどを眺めると、山と山菜採りの好きなご主人が営んでいるお蕎麦屋さんであることが伺える内容です。そして、注文を取りに来た、山が似合いそうな(?)ご主人に「野菜天ざる」をお願いします。
蕎麦を待っている間に改めて座敷を見渡すと、2つの座敷をつなげた広い部屋に座卓がゆったり5卓配置されていて、さらに古い家具が置かれているなど一般の民家といった感じです。
そんな、山里にある知人の家を訪れたような雰囲気に浸っていると、「野菜天ざる」が運ばれてきたので、まず蕎麦をいただいてみると、十割蕎麦らしい食べ応えのある蕎麦で、まずまずではないかと思います。
また、天婦羅は素材の良さが生かされていて、とても美味しいです。
きっと、季節が春ならば、ご主人自ら採った美味しい山菜の天婦羅がいただけるのではないかと、山菜の天婦羅は好物なだけに、訪れた季節が春では無いことがとても残念です。
さらに、鼻にツーンとくる山葵の辛さに新鮮さが感じられ、美味しいです。
そういえば、戸隠のお蕎麦屋さんでいただいた山葵も美味しい山葵でしたが、地元産の新鮮な山葵でも使用しているのでしょうか?。
さて、美味しい天婦羅と食べ応えのある蕎麦をいただき、ようやく蕎麦を食べることが出来るようになった腹具合を再び満腹にして、一路菅平高原へと向かいました。
ごちそうさまでした。