蕎麦前で憩う

お蕎麦屋さんで蕎麦前をいただきながら憩いの一時を過ごさせていただきました。

『吾妻橋やぶそば@浅草』さんの「わさび芋」

2013-08-30 23:47:51 | 東京23区(墨田区)

今日は社会人ラグビー「トップリーグ」の開幕日で、青山にある秩父宮ラグビー場で開幕試合が行われます。
試合は19時キックオフなので、仕事が終わり次第急いで移動すれば試合開始にはギリギリ間に合いそうですが、開幕日は開場時間(17時)に試合会場へ行きたいし、おまけに開幕カードが応援しているチームの試合ということもあり、休暇を取ることしました。

ということで、中途半端な時間に遅い昼食を取ってから試合会場へと向います。
そして昼食を取るお店(お蕎麦屋さん)ですが、折角の平日なので、「平日しか営業していないお店」または「土日に営業はしているものの常に混雑しているので平日に訪れたいお店」、という条件であれこれ検討した結果、浅草の駒形橋を渡って直ぐのところにある『吾妻橋やぶそば』さんへ行ってみることにしました。

ちなみに、「駒形橋」を渡った所にあるお蕎麦屋さんなのに、お店の名前に「吾妻橋」と付いているのは、以前は「吾妻橋」で営業していて、その後「駒形橋」に移転したことによるものらしいです。

さて、都営浅草線・浅草駅から東京スカイツリーを眺めながら隅田川に架かる駒形橋を渡ると、こじんまりとした静かな佇まいのお店が目の前に現れます。「営業中」の札が掛かっていることを確認し、「藪そば」のお店独特の看板(?)と外観の写真を撮らせて頂いてから、予定よりやや早く14時少し前に暖簾をくぐります。

「14時前だとまだまだお客さんも多いかな?。」と思いながらお店に入ると、新聞を読むなど1人静かに過しているお客さん2名とお酒(日本酒)を飲みながら楽しい一時を過している大人な男女1組が昼下がりのお蕎麦屋さんを楽しんでいるのみで、全体的にのんびりした雰囲気が漂っています。

「(空いていて)良かった!。」と思いながら2人掛けのテーブル席について早速メニューに目を向けます。
メニューを見ると、蕎麦も料理もお酒もけして多いとは言えない品数で、丼物などはありませんが、お蕎麦屋さんらしいメニューで、「これがお蕎麦屋さんのメニューだよな~。」と一人勝手に納得してしまうメニューです。


今日は、その「お蕎麦屋さんらしいメニュー」の中から、瓶ビールの大(中は無いのかな?)と、お蕎麦屋さんの定番料理「わさび芋」、藪蕎麦のお店では珍しい(?)「玉子焼」、そして「あい焼」をお願いします。

料理を待っている間に店内を見渡すと、小さなお店ではありますがゆったりしたテーブル配置で、シンプルかつサッパリした雰囲気です。また、テーブルの上にはメニューしかなく七味も醤油も爪楊枝もありませんが、それがまたサッパリした良い雰囲気を演出しているようにも思います。


そんなことを思っていると、「わさび芋」が瓶ビールと一緒に運ばれてきます。
「並木藪蕎麦」さんでいただいてからすっかりお気に入りの一品になってしまった「わさび芋」を、まずは醤油を入れずにいただいてみると、「そうそう、これこれ。」と思ってしまう弾力とネットリ感が何とも言えず美味しいです。
次に醤油を少々垂らしていただいてみると、醤油が良いアクセントになってこれまた美味しいです。

で、ここまでは良かったのですが、この後、出された醤油を全て掛けてしまい、「うっ!、(醤油が)多い。」と思った時は既に手遅れで、折角の美味しい芋がおもいっきり醤油味となってしまいました。お蕎麦屋さんでいただく芋はそれだけで十分美味しいので、味にアクセントを付ける程度の醤油で十分と思います。


次に運ばれてきたのは「あい焼」(鴨肉とネギ)で、荒塩と七味が一緒に運ばれてきます。
「荒塩か・・・。」と興味津々ではありますが、まずはそのままいただいてみると、鴨肉の柔らかさがとても良い感じです。そして「荒塩」を付けていただいてみると、「なるほど、こりゃいいや。」と納得の美味しさです。
七味については、まぁ、予想できる味わいといったところでしょうか。


そして大小2種類ある「玉子焼」。
今回は「小」(小さい方)をお願いしましたが、運ばれてきた「玉子焼」は2人で食べても十分な大きさです。また、「玉子焼」は切られておらず、そのままかぶりつきたくなる塊になっています。
なお、味は明確な甘口で、優しさの感じられる昔懐かしい「玉子焼」です。


今日の瓶ビールは大瓶でしたが、陽気も暑いことからゴクゴクいってしまい、料理がまだまだ残っているのに空いてしまいました。「時間もあるし、今日はもう1本ビールをもらおうかな?。」とも思いましたが、折角、藪蕎麦の素晴らしいお蕎麦屋さんに来ているので、ここはやはり菊正宗をいただくことにします。

とは言え、やはり暑さが厳しいので常温ではなく冷えた菊正宗があるか聞いてみたところ、「ありますよ。」とのことなので、その「冷えた菊正宗」と「わさび漬」を追加でお願いします。

呑みきりサイズの冷酒(瓶)ではなく白い徳利で運ばれてきた「冷えた菊正宗」は、冷え具合も程良く、美味しい「わさび漬」と、まだ食べ終えていないお通しの柔らかい「蕎麦味噌」と一緒に美味しくいただきました。


さて、時間は十分にありますが、そろそろ蕎麦をいただこうと思います。
ここ『吾妻橋やぶそば』さんでは、「もりそば」も「玉子焼」同様サイズが選べるようになっていて、大中小の3つのサイズから蕎麦の量を選べるようになっています。

実際の量を見ないと何とも言えませんが、インターネット上でも「小で十分」という書き込みが多くあり、また、価格からも「小」が普通盛りと思われることから「もりそば(小)」をお願いします。

そして、見た感じ普通盛りの「もりそば(小)」が運ばれてきます。
いつものようにまず蕎麦汁をなめてみると、「うっ!、辛い。」と感じる蕎麦汁で、「並木藪蕎麦」さんの辛さに比べたらまだまだですが、「池の端藪蕎麦」さんや「かんだやぶそば」さんに比べると辛いです。
まぁ、「藪」なので「これぞ藪!」といったところでしょうか?。

また、麺はしっかりした歯応えの感じられるツルツルの細麺で、何の抵抗感も違和感も感じること無く、更には辛い蕎麦汁の辛さを感じることも無くスルスルっと喉を通り過ぎていく美味しい蕎麦です。


今日、蕎麦前と蕎麦をいただいた『吾妻橋やぶそば』さんは、女将さん(?)のキビキビとしながらもおおらかで落ち着きのある接客が好印象で、清潔感の感じられるお店の雰囲気と併せて気持ちよく蕎麦前と蕎麦をいただくことの出来るお蕎麦屋さんでした。

また、料理にしても蕎麦にしても特別な物は何一つとして無い、ごくごく普通の、ごくごく当たり前のお蕎麦屋さんで、「そう、これがお蕎麦屋さんだよね。」という、基本に帰ることの出来る素晴らしいお蕎麦屋さんでした。

そして、気分良く「秩父宮ラグビー場」へと向うことができました。
ごちそうさまでした。