英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第41話「義盛、お前に罪はない」

2022-11-01 11:58:01 | ドラマ・映画
どうして…こうなった?……
・“泉親衡の乱”の企てに加わらせられた和田胤長ら
・何とか和解して事を収めたかと思った義盛、実時、義時、政子たち
・その他、和田一族、北条一族など多くの者
・そして視聴者(私)
 ……冒頭の思いを抱いた今回


 まあ、和田合戦が起こってしまったのは、仕方がないとしても……
 義時が騙し討ちで義盛を討ち取ったのは、“なぜ?”という思いが強い

 義盛に対しても、そして、特に実朝に対しての裏切り行為……彼らの思いを踏みにじってまでも、行わねばならなかったのか?
理由としては
①《御家人たちに人気があり、担ぎ上げられると乗ってしまう性格の上、強い》……そんな義盛や和田一族は、北条にとっての危険因子
②和田一族を謀反人として滅ぼしたい(大義名分が欲しい)
 三善康信の進言「詔(←正式な名称は忘れました)を出せば、《北条と和田の戦》ではなく、《鎌倉殿と和田の戦》となってしまう」に実朝は従おうとしたが、義時は「和田が御所に攻め入ったことは“謀反”に相違ないと主張。このままでは鎌倉が火の海になる(実朝の命となれば、他の一族も従い早く鎮圧できる)」と主張。結局、実朝は花押(署名)をした。
③義盛があの場で死ななければ、助命嘆願を退けて、後に、処刑できたとしても、何かと軋轢は残り、尾を引きそう。また、義盛が投降したことによって、和田一族が存続することになれば、後々の禍根になる恐れがある

 ……というところか。
《世を納める最も有効な手段は、力……他の者を怖れさせるほどの力だ》←意訳です。(余裕があれば、正確に記します)
  と、実朝に言い放った。

 しかし、思いを踏みにじられた実時。義盛を討ち取った(しかも、騙し討ちで)義時に対して
《自分は道具として義時に利用され、義盛は討ち取られたしまった。義時は北条(義時)の為の物(道具)としか、自分を思っていない》
 完全に義時とは心が離れ、“西の者”(京・後鳥羽上皇)にすがることにした。

 実時だけでなく、政子、泰時らも嫌悪の気持ちを強く持たれたであろう。


【脚本的な考察】
上記の理由①、②を果たすには、合戦で義盛を討ち取り、和田一族を一網打尽にすればよい。当然、③のような騙し討ちの理由も不要となる。
ところが、(史実がどうなのかは知らないが)《和田合戦後、実朝と後鳥羽上皇が接近する》という流れがある(流れにしたい)
騙し討ちは、義時が闇に堕ちた心情を表すエピソードと同時に、実朝が後鳥羽上皇に接近する分岐点(きっかけ)が欲しかったのではないだろうか?

 あと、脚本の三谷氏は、《義時を徹底的に闇に落とし、周囲からは嫌われる》……そんな状況にして、“驚愕の最終回”を描く……そんな心づもりなのかもしれない

【ドラマ(心情的)な考察】に再びに戻る
 前話から、さらに、実朝の説得、義盛の投降のやり取りを見た義時は、二人の心の通い合いに嫉妬した
 義時は義盛を討ちたくはなかった(特に、あんな騙し討ちで)。しかし、嫉妬心が優り、あのような凶行に至ってしまった。

……そんな気がする。

思いもよらぬ見せ場だった……大江広元
“すべてはここから始まった”という偽髑髏を御所から取ってくると危険を顧みず、申し出た広元。
御台所から感謝され“ほわほわ状態”

 御所で大勢の敵と遭遇、絶体絶命か?
 ところが、軽快なBGMが流れ、ばったばったと斬り倒していく。強い、強すぎる!
 軽快なBGMに乗って大立ち回りする様は、まるで『マリオカート』の無敵状態を思わせ、やられる気がしない。
 本来なら、はらはらするシーンのはずだが、格好良さに見惚れてしまった



【その他の感想】
・泰時は優しくまじめだが、少し、幼稚すぎる
・のえの二枚舌は面白い
・北条朝時もいいかも?
 

第1話「大いなる小競り合い」  第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」     第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」      第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」    第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」       第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」     第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」     第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」     第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」      第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」     第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」      第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」      第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」     第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」    第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」     第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」     第32話「災いの種」
第33話「修善寺」        第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」        第36話「武士の鑑」
第37話「オンベレブンビンバ」  第38話「時を継ぐ者」
第39話「穏やかな一日」     第40話「罠と罠」
第41話「義盛、お前に罪はない」 第42話「夢のゆくえ」
第43話「資格と死角」      第44話「審判の日」


【ストーリー】番組サイトより
鎌倉を守るために大江広元(栗原英雄)とも共謀し、反北条の旗頭となった和田義盛(横田栄司)の転落をもくろむ義時(小栗旬)。戦を回避するべく源実朝(柿澤勇人)と政子(小池栄子)が奔走する中、三浦義村(山本耕史)、八田知家(市原隼人)ら有力御家人は、義盛の陣営に集い情勢を見定めていた。そんな中、父・義盛の安否を心配する朝比奈義秀(栄信)らが打倒北条を目指して決起。一方、失意に暮れる泰時(坂口健太郎)は……

脚本:三谷幸喜

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4 コメント

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無敵モード ()
2022-11-03 21:44:55
こてくん、こんばんは。

広元と政子の“ほわほわ”感は面白いですね。
そして、広元の無敵モード。軽妙なBGMと相まって、やられる気が全くしなかったです。あのBGMの選択には感心しました。(良く選んだなと)

義時は“まっくろくろすけ”です。
最終回がどうなるのか、楽しみです。
義盛が亡くなり、13人→5人になったのでしょうか(善村を政子が宿老に採り立てると6人)。寂しくなりました。
返信する
さすが毛利家の祖先。 (こてくん)
2022-11-03 19:02:43
英さんこんばんはっ。

大江広元さんがかっこ良すぎました。
さすがは毛利元就の祖先。
いいですねぇ~~~~。

>義時

・・・・。しゅ、主人公が
こんなことして・・・・。

珍しく腹が立っているわたしなのでした。
ああ、鎌倉が・・・・。

それにしても義時さん。

昔の頼朝の立場と
まったくおんなじ立場に立って
しまうなんて・・・・。

読めんかったなぁ~~~~。

ではではっ。
返信する
なるほど、そう言う考え方も ()
2022-11-03 10:27:58
marumoriさん、こんにちは。

> 争いが起きないためにはどうすればよいか突き詰めた結果、御家人たちが歯向かえないようにすればよいという結論にたどり着いてしまった、それが狂信的なレベルになりつつあるように思います。

 なるほど、一理も二理もあります。
 でも、最初の頃は、頼朝の意思で《鎌倉(頼朝)のため》(頼朝に都合のいいように)、そして、今(実朝時代)は《鎌倉(義時)のため》(義時が思うままにする為)にという、私欲で動くことになっています。
 そして、それは、鎌倉殿・実朝をも道具としか扱わない強権ぶり。
 でも、あの場を立ち去る表情からは、marumoriさんの仰る「争いが起こらない世にするため」という思いからなのでしょう。

 まあ、その争いを怒らないようにする目的で、争いという手段を用い、御家人が不幸に死んでいくという事態になっていますが。

>「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」という言葉が一番当てはまるのは、実は義村なのではないかと思います。

 確かに。
返信する
最も恐ろしいのは (marumori)
2022-11-03 08:45:09
英さん、こんにちは。

 義時と義村のアイコンタクトを見て「やる気だな」思いました。まさに鬼の所業でした。

 私は、義時が事あるごとに口にする「鎌倉のため」という言葉は偽りのない本心だと思います。しかし、これまで思いとは裏腹に御家人同士の争いが次々と起こりました。

 争いが起きないためにはどうすればよいか突き詰めた結果、御家人たちが歯向かえないようにすればよいという結論にたどり着いてしまった、それが狂信的なレベルになりつつあるように思います。

 一方で、息子の突き刺すような視線を背に受けながら去っていくときは、苦悶の表情を浮かべていました。本心ではこんなことはしたくない、無理してるんだなとも思います。

 今回、三浦義村という男の恐ろしさも再認識しました。損得勘定をすべてに優先させるのは一貫していますが、得になると判断すれば、非道な行いに手を染めることにも全く躊躇いがない。

 「最も頼りになる者が、最も恐ろしい」という言葉が一番当てはまるのは、実は義村なのではないかと思います。
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