英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝 その2

2018-10-31 16:47:15 | 将棋
(プロ野球の「日本シリーズ」で検索して、このページに辿りついてしまった方、ごめんなさい)
「その1」の続きです。


 図は△4四歩と桂取りに歩を突いた局面。
 しかし、先手の渡辺棋王が黙って桂を取らせてくれるはずがなく、激しく攻めてくることは必至。3三に飛車と桂が利き、持駒も角と歩が6枚も。さらに玉頭歩を突いたことによりに隙が生じている。しかも、△4五歩と桂を取り切ったとしても、4三、4四に空洞ができ、玉頭が涼し過ぎる。
 と言っても、△6五桂や△6五銀と攻め合い出る手は、▲6三歩の利かしが生じる。△4四歩は桂取りを見せることによって、先手を急かし、手一杯に動いてもらおうという意図かもしれない。

 ▲3三歩。……やはり来た!
 △3三同桂に、▲6七歩△7五角と、後手角の利きを3三、4四ラインから外させ、▲3四歩(第5図)。

 単純に▲3三桂成と清算せずに、「“拠点を残す”手筋」プラス「“後手から4五の桂を取ってもらい、▲4五同歩(銀)と手順に攻め駒を進める”手筋」の歩打ち。………≪なんかヤバそうだなぁ≫
 このまま3三の桂を取られては駄目なので、△4五歩か△4五桂とするしかなさそうだ。
 羽生竜王は△4五歩。…しかし、「△4五歩は▲5五角が厳しいように見えますね」と井上九段のコメントが棋譜中継の解説欄に紹介されている……。△4五桂の方が、先手から▲3三歩成と王手で桂を取られない分、得なように見えるが、もしかしたら、空いた3三に角を打たれる手が嫌だったのかもしれない。

 案の定、△4五歩に▲5五角!

 先手の飛、角、歩の集中砲火を浴びせられそう……≪これなら、▲3三歩に△2二金と辛抱した方が良かったかも≫と後悔。(私が後悔しても、意味はないのだが)
 実際、△2二金と辛抱した変化図1は、意外と難しい。

 図以下、▲6三歩△同銀▲6四歩の対処が悩ましく、無条件に4五の桂を取り切ることは難しそうだが、一気につぶされることはなさそうだ。

 本譜は▲5五角(第6図)に△3一飛(第7図)と転回させて迎え撃つ。

 △2一桂や△4一桂の受けも考えられたが、▲3三歩成に△同桂と受けた時に3四の地点が薄いのが気になる。その点、飛車の利きは3四の地点をカバーでき、更に、3五や3六など3筋全体にも利いている。
 反面、3三の地点で総交換されやすくなる。桂で受けた場合、「先手…金桂桂、後手…飛角歩」の交換に対し、飛車で受けるのは、「先手…飛金桂、後手…飛角歩」と大きく違う。
 実際、第7図以下、▲3三歩成△同金▲同角成△同飛▲同飛成△同玉と単純に総交換した後、▲3五桂(変化図2)と絡まれると、先手の攻めを振り払うのは難しいように思われる。



 本譜は、△3一飛(第7図)以下、▲3三歩成△同金に▲3二歩△同飛▲4四桂と手順を尽くして猛攻撃。

 図で△3一飛なら▲3二歩△2一飛▲5二桂成で先手の攻めが決まる(3三の金が浮いている)。
 そこで、仕方なく△4四金と桂を取る。金桂交換の先手の駒得になりそうだが、この瞬間、飛車が向かい合っているので単純に▲4四同角は△3六飛と飛車を取られてしまう。と言って、普通に▲3二飛成△同銀▲4四同角と進めるのは、後手の働きの弱い2三の銀が3二で働いてしまうのでつまらない。なので、▲3三歩と叩く。


 △3三同飛は▲3三同飛成△同玉▲4四角△同玉▲4二飛が厳しそうだ(でも、以下△3三玉▲6二飛成△3九飛で“意外に”難しい。▲4で九金打△1九飛成▲4五銀には△3二歩がしぶとい受けだが、後手苦戦は否めない)。
 それで△5五金と角を取り▲3二歩成による飛角交換を甘受。さらに、と金を取らずに(取れずに?)△5二玉と逃げる。
 △3二同銀とするのは、後々、▲3二飛成と銀を取って飛車を成り込まれる筋が生じるので玉をかわしたと思われるが、△5二玉に▲4二とと押し売りされる手がありそうだ。△4二同玉は▲2二飛が厳しいので△6三玉とかわすことになるが、この2手を決めてから▲5五銀と金を取っておいた方が良かったようだ(渡辺棋王もブログで▲4二とを決めておくべきだったと記している)
 このタイミングで▲4二とを利かす手があるなら、▲3二歩成には△同銀とするほうが良かったかもしれない。ただし、△同銀とした場合、▲5五銀に本譜と同様に△5六桂と攻めると、▲同歩と取られて△4八角成に▲3二飛成で後手玉が詰んでしまう。

 渡辺棋王が▲5五銀と金を取った局面、駒割りは「先手…飛金、後手…角桂歩」と先手に分がありそう。さらに、と金と5五の銀がじんわり後手玉を包囲。飛車も成り込めそうな上、持駒も「飛金歩」と事欠かない。
 後手の持ち駒も「角桂2歩4」と豊富だが、金気がないので何となく頼りない。
 しかし、5六の銀が動いたことにより、△5六桂が生じた。


 先手陣は壁銀で狭く、▲7九玉に△4八桂成で意外に迫れている?しかも、△5七角成の追撃も利く。
 しかし、中継解説では「(▲8七銀が)壁形を解消して大きな手」とあり、△5六桂(第10図)▲7九玉△4八桂成▲8七銀△5七角成▲8八玉(第11図)と進んだ解説では

 「後手が攻め込んでいるが、先手の銀冠が堅い。先手は手番が回れば反撃が楽しみだ」
 「後手は忙しい。どこから手をつけるか」
と、先手が良さそうな表現。
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2018アジア大会雑感 その6【終】「男子マラソンの進路妨害の考察」

2018-10-29 12:04:12 | スポーツ
“今更感”があり過ぎですが、「2018アジア大会雑感 その6」です。

 男子マラソンは日本の井上大仁選手とバーレーンのエラバッシ選手の熾烈な競り合いが続き、競技場トラックの最後の直線勝負になった。
 両選手ともラストスパートに自信を持っているようで、ふたりの一騎打ちになってからは、いつ?どこで?どちらが仕掛けるのか?あるいはトラック勝負か?…手に汗握る展開になった。
 ……しかし、それは残念な決着になってしまった。

 勝負は最後の直線にもつれ込んだ。
 1レーン内に二人が並走。先行していた井上選手がやや前で2レーン寄り、わずか後ろをイン側にエラバッシ選手。
 両者ともスパートをかけ、身体が接触しそうなほど激しい競り合いが続き、ゴール目前で両者が接触。エラバッシ選手がバランスを崩し、減速。その後、エラバッシ選手も立て直し追うが、井上選手が胸の差で先着ゴールイン。


 競技後、エラバッシ選手サイドから、「押しのけられて金メダルを阻まれた」と井上選手の走路妨害を主張した。
 これに対し、巷では「(ビデオ検証した結果)エラバッシ選手が右手で井上選手をかき分けるような動作を起こして接触。その反動で、エラバッシ選手がバランスを崩しただけで、エラバッシ選手のほうこそ走路妨害で、自業自得だ」とする意見が大多数。


 私も何度もビデオを確認したが、確かにエラバッシ選手は上記のような動作を行っていた。ただ、その直前、最終コーナーを回って直線に入った直後に、エラバッシ選手がスピードを上げ、井上選手はその気配を感じ、わずかではあるがイン側に走路を変えた。そのせいで、エラバッシ選手の進路がやや狭くなってしまった。
 それでも、抜くだけの幅はあるように見えたが、エラバッシ選手はそう感じなかったのではないだろうか?それで、上記の行為に至ったと思われる。
(あくまで、私の想像)


【走路妨害についての考察】
 トラック競技(セパレートコースで行われる100m、200m、400m以外)の走路(走行)妨害についての詳細は分からないが(「だったら記事を書くな」という突っ込みはご容赦ください)、
①原則として、追い抜くときは外側から
②イン側にスペースがあれば、イン側から追い抜いても妨害行為とはならない
 ・①を絶対化すると、極端な場合、前の選手が3レーンを走っていたら、そのアウト側に回り込んで追い抜かなければならなくなる
 ・1500mなどはかなりの人数で密集して走るので、①を絶対化するのは無理。多少のスペースがあればイン側から抜いても問題視されない。その際、軽度の接触は許容されるようだ。
③妨害を目的とした走路変更や幅寄せ・接触は失格
 ・故意でなくても、理由なく進路を変えて、その結果、他選手に対する著しい妨害になった場合も失格
 ・意図しない不意の進路変更(周囲の走者の店頭などを避けようとした場合など)によって、他の走者を妨害した場合は、責任を問われない

【走路(走行)についてのマナーや暗黙のルール】
・オープンコースの場合、どこを走っても(3レーンでも6レーンでも)かまわないが、トラックを走る場合はアウト側の方が走行距離が長くなるので、インコース寄りを走る
・後方の走者から抜かれる時、抜かれまいとアウト側に進路を変え、斜行するのは妨害行為に該当する可能性があるが、多少の幅寄せは許容されているようだ
・周回遅れの選手は、トップ選手たちの邪魔にならないよう、抜かれる少し前にアウトレーンに退避する(マナーで絶対ではない)
・トップ走者を風除けやペースメーカーとして利用するのは卑怯だが、「賢い走り方」と評価する解説者が多い。
  ※接近しすぎて、足が絡んで転倒するケースも多いので、注意する必要がある。過去に、駅伝で福士選手が他チームのランナーにピッタリマークされたあげく、足が絡まって大転倒。苦痛に顔を歪めながらも残りを走り切り、タスキを渡したが、重傷だった。

 今回のアジア大会の場合、井上選手のインコースへの幅寄せは、わずかであり、エラバッシ選手の走行を大きく妨害したとは言えない。わずかな幅寄せは、ランナーの本能的な行為で、ある程度は許容されるものであろう。(42km以上も走ってきて、本能を律するのはかなり困難)
 また、エラバッシ選手のかき分け行為も、井上選手のわずかな幅寄せが起こしたもので、酌量の範囲内と考えたい。

 両者とも失格にならなくてよかった。


 アジア大会の記事はこれで終わりです。旬は過ぎてしまいましたし、私の記憶もあやふやになっています。
 まあ、もともと、この記事で最後のつもりで「その5」まで書いていたのですが、なんだかんだで先のばしているうちに、ずるずると今日に至りました。ずっと、心の片隅に引っかかっていて、完結することができ、良かったです。
 本当は、もう一記事「総論(心に残るシーン、出来事)」があったのですが、ほぼ忘れてしまっています。
 ただ、これだけは今でもはっきり印象に残っているのが……
………≪池江選手のスーパーな活躍≫!
 パンパシフィック水泳に引き続いてのビッグな大会で、疲労もあったはずですが、素晴らしかったです!

 

その1「至極残念な中継 ①温度差がありすぎる中継」
その2「至極残念な中継 ②浅いインタビュー」
その3「至極残念な中継 ③勝手に大会終了」
その4「男女混合種目の問題点」
その5「甘い“技あり”判定」
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相棒 season17 第2話「ボディ ~二重の罠」

2018-10-25 23:22:16 | ドラマ・映画
(うっかりして、今話の冒頭15分を視聴できませんでした。番組サイトの「あらすじ」で補完、さらに「今までのパターン」(窮地にも動じない右京と、首席監察官・大河内(神保悟志)の時間稼ぎ)を想像して、本記事を書いています。訂正と補足をするかもしれません)

 ≪一度、捜索された箇所に隠す≫という細工。捜索が大がかりであればあるほど、再捜索されにくい。
 この前後編では、離れ家を徹底的に解体し、その再建築の基礎(セメント)の下に死体と被害者のスマホを隠そうとした
……しかし、この展開は『刑事コロンボ』の「パイルD3の壁」とほぼ同展開。
 パクリと言えないこともないが、今話ではそれだけが主眼ではなく、殺人、死体遺棄に絡む3人の心内と殺害の真相がミソだという言い訳が成立するかもしれない。


【面白かった点】
・≪殺人の罪を犯したのは祥(谷村美月)でないと、冨貴江(とよた真帆)が死体遺棄に加担しない≫という右京の論理展開
・死体が発見されることを想定して、富貴江には土器で撲殺したと思わせ、事実(窒息死)とは違う証言をさせ、陥れようとした

【疑問点】
・アライグマを飼っていたという設定が都合良過ぎ。殺害を計画し、その細工の為にアライグマを捕まえたというのなら分かるが…
・右京は、撲殺に見せかける為、小動物の血を利用したと考え、小動物に拘ったが、死体が見つかっていない段階では、富貴江の証言(撲殺された遺体を見た)は得られていない。
・被害者の若・祥(谷村美月)妻の殺害動機が弱い。「お金を自由に使わせてくれない」と言っても、殺人のリスクを考えると、リスクが大きすぎる。そもそも、祥は衝動的に殺人(しかも、窒息死)を犯すタイプではなさそう。(やるなら、階段から突き落とす方がよさそう)
・後編に唐突に登場した変な弁護士。意味深な言動(演技)だったが、単なる進行役で深い意味はなかった。コロンボを意識していたのかなあ(コロンボのパクリを逆手に取る)

 ドローンは単に遊んでいただけ?それとも、遺体を隠した付近を監視していた?
 おかげで、前話で変な推理をしてしまった……

“良い人”化している峯秋
「僕はね……しくじりに対して、どんどん寛容になっている
 それこそ、前は、しくじる人間は許せなかった。失敗する奴は、それまで。そこで終わり。やり直せるなんて思っちゃいなかったんだよ。
 再チャレンジすることを、進めたいと思う。心底ね。
~~《享(成宮寛貴)とのシーンを回想》~~
 ふ…ふふっ(←自嘲)……勝手なもんだね、人間て」


第1話「ボディ」

【ストーリー】番組サイトより
右京が推理を外して辞職の危機に!?
女たちの暗躍が特命係を追い詰める!


 右京(水谷豊)が進退を懸けて臨んだ鬼束家の離れ家の捜索が空振りに終わり、退職はもはや既定路線になっていた。しかし、右京は“残務処理”という名目のもと、亘(反町隆史)と共に捜査を続行。鋼太郎(利重剛)がいまだ手放せないでいる鐵太郎(中田博久)の携帯電話を足掛かりに、隠蔽に荷担している祥(谷村美月)ら鬼束家の面々に心理的な圧力を掛けていく。
 ところが、「週刊フォトス」の楓子(芦名星)が、警察の横暴な捜査で家一軒が破壊されたというセンセーショナルな記事を掲載したことで風向きが変化。「それでも国家公安委員として警察への信頼は揺るがない」という冨貴江(とよた真帆)のしたたかなコメントにより、警察は動きを封じられる。それと共に、右京は正式に辞表の提出を求められ、絶体絶命の窮地に。いっぽう、国家公安委員長である鑓鞍(柄本明)は、委員の一人である冨貴江の動向を静観していたが…!?

週刊誌の記事を受け右京の辞職が確定的に…
国家公安委員による完全犯罪がついに成立!?
策謀渦巻く難事件が驚きの結末に向けて加速する!


ゲスト:とよた真帆 利重剛 谷村美月 芦名星 柄本明

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
コメント (2)
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2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝

2018-10-22 20:57:56 | 将棋
(プロ野球の「日本シリーズ」で検索して、このページに辿りついてしまった方、ごめんなさい)

 10月17日(木)A級順位戦(大阪)、21日(日)JT日本シリーズ(名古屋)、23日(火)24日(水)竜王戦第2局(福岡県福津市)……ハードスケジュール過ぎない?
 今日(22日)も前夜祭があるだろうし……

 昨日の日本シリーズの対渡辺戦は攻め倒されそうなところを、切っ先をかわしながら反撃するという将棋。難解で面白い将棋だった。難解な将棋を勝ち切るという将棋が続いており、『羽生衰退説』の声を打ち消すような最近の羽生竜王だ。
 将棋については書きたいことが山積しているにも拘らず、予定外の本記事を書いている。≪私の執筆(←たいそうな言い方だなあ)のエネルギーは、やはり、“○しさ”なんだなあ≫と、改めて実感。(勝敗は既にご存知の方の方が多いと思われますが、敢えて明記しないのは、初見の方や、この先、何かの間違いで、この記事に辿りついた方にとっては、勝敗を知らない方が楽しめると思ったからです。私の記事で楽しめるかどうかは疑問は残りますが)


 第0図の局面は、図に至る手順は違うが竜王戦第1局(10月11日、12日・羽生-広瀬)と同一局面。ただし、竜王戦では羽生竜王が先手で、本局は後手を持っている。また、渡辺棋王も▲渡辺棋王-△豊島八段戦(2017年12月、順位戦A級、肩書は当時)で、この局面を経験していている(渡辺勝ち)。
 
 対豊島戦も本局も渡辺棋王は図から▲3五歩と仕掛ける。「△8一飛とされては仕掛けにくくなります」と対豊島戦での感想がある。
 一方、竜王戦では羽生竜王は▲5六銀と上がり、以下△8一飛に▲6六歩△同歩▲同銀と動いている。(以下△5四銀▲5八玉△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲7五歩と進行)

 本局は▲3五歩以下、△同歩▲4五桂△2二銀▲2四歩△同歩▲7五歩(第1図)と大きく動くが、これは対豊島戦と同じ手順。

 第1図で豊島八段(当時)は△8四飛。以下▲7一角△5二金▲7四歩△同銀▲2四飛△4四角▲同飛△同歩▲6四角△4五歩▲7三角成△8一飛▲8二角成△同飛▲同馬と大きく振り替わる展開(渡辺棋王は“互角”の感触)

 本局の羽生竜王は△8一飛。以下▲7四歩△同銀に渡辺棋王は▲2四飛と保留していた2四の歩を取る。この手は後手の7四の銀当たりになっている。
 これに対し、羽生竜王は△4四角と反撃の味を見せながら、飛車の横利きを遮って銀取りを受ける。

 本局の△4四角は銀当たりを受けるのが第一の角打ちだが、羽生竜王は攻めておきながらぼんやりとした(特に厳しい狙いがあるわけではない)角を打って、手を渡すことが多い。
 後に効いてくる味のある角打ちであることが多いが、働かずに負担になることも多いような気がする……。「盤上の角」対「持ち角」は、持ち角に分があると言われている。(手番であれば)“いつでも”“どこでも”打てるという潜在能力が大きい。もちろん、盤上の角の働きが素晴らしく局面をリードできることもあるが、実戦的には、角を持たれている側は、角打ちに対して常に注意を払う必要があり、大変である。

 第2図以下▲2九飛に△7六歩と打って▲8八銀と銀を引かせて壁形を強いる。4四角の効果だが、図に乗って△7五銀と出ると▲7四歩と桂頭に打たれる手が痛い。そうでなくても7四の銀自体、浮き駒であるし、後手の2二の銀が壁銀、さらに、▲3三歩の叩きがいつでもある。
 そこで△2四歩。

 先手飛車の利きを遮断して、過激な攻めを予防した手であるが、只だ。もちろん、うっかりではなく、▲2四飛に△2三銀と先手を取り、▲2九飛に△2四歩と1歩を犠牲に銀冠を構築させようというのだ。本譜もそのように進んだ。
 これに対し、渡辺棋王は▲5六銀。≪後手からは“腰の入った攻め”はない≫と見切って、銀を進出させ、“腰の入った攻め”を目指す。
 後手も▲5六銀には△8六歩▲同歩▲同飛と飛先交換して△8四飛と桂頭をカバーしておくのが味が良いが、現地に帯同していた井上慶太九段が「(8筋の歩交換には)▲3三歩△同桂▲同桂成△同角▲5四桂△同歩▲6四角という王手飛車の筋を気にしたのかもしれません」と指摘している。
 確かに、上記のように進むのは後手が悪そう。かと言って、▲5四桂に△5二玉▲6二桂成△同玉と辛抱するのも嬉しくない。また、最初の▲3三歩に△3一金や△2二金とかわすのも勝てる気がしない。
 そこで、羽生竜王は△3六歩と揺さぶりを掛ける。対して▲3九飛とこの歩を取りに行く渡辺棋王。形勢はほぼ互角だと思われるが、渡辺棋王の指し手は自然さ、悠然さを感じる。

 歩取りを見せられて、羽生竜王は△6六歩▲同歩△同角と動く。渡辺棋王は▲3六歩。歩を取られては、羽生竜王も行かざるを得ない。△8六歩▲同歩と8筋の突き捨てを入れて、△4四歩。歩交換をして角を6六に移動させ、角の居た地点に歩を突いて桂取りを掛ける(第4図)。手順の動きだが、“目一杯”の動きに見える。

 3三に飛車と桂が利き、持駒も角と歩が6枚も。いよいよ、“腰の入った攻め”が開始されそう。嫌な予感しかしなかった。 
コメント (5)
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相棒 season17 第1話「ボディ」  【補足あり】

2018-10-18 16:24:26 | ドラマ・映画
初回には楽しみな感覚がある。
メインのふたりは別にして、他のレギュラー陣が、ぽつぽつと顔を見せる。……懐かしさと安心感が入り混じった感覚に包まれる。

 伊丹(川原和久)&芹沢(山中崇史)の“捜一コンビ”、内村(片桐竜次)&中園(小野了)の“日和見コンビ”、“暇か?課長”の角田課長(山西惇)、意外と良い人の甲斐峯秋(石坂浩二)、“ツイテいない女”の月本幸子(鈴木杏樹)などなど。
 そして、“大小コンビ”の大木(志水正義)&小松(久保田龍吉)のふたり。毎度、特命係を怪訝そうな顔で覗き込んでいるおなじみのシーン(あまりセリフはないが、今話の最後の方では、かなり喋った)だが、感慨深く観た相棒ファンが多いだろう。………志水正義さん、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 前後編構成の前編で初回スペシャルの30分拡大版。(後編も拡大枠らしい)
 相棒に限らず、前後編モノは間延び感が強く、面白くないが、特に、相棒ではその傾向が著しい。今話も、残念ながら退屈でつまらなかった。
 推理らしい推理はほとんどなく、初回スペシャルの見せ場である右京の首を懸けての家宅強制捜査の家屋破壊(薄っぺらな“離れ”だったが)も、それを行う推理や根拠もほとんど示さなかった。右京の暴挙?には、何か訳があるのだろうが、私には現段階では見えてこない。

・面白かったのは、国家公安委員長の鑓鞍兵衛(柄本明)の意地の悪いスマホ着信の振動音の指摘と、三上冨貴江(とよた真帆)とっては無茶苦茶ありがた迷惑な甲斐のお節介ぐらい。
・殺害された鬼束学園の理事長・鬼束鐵太郎(中田博久)の後妻・祥(谷村美月)と鬼束鋼太郎・鐵太郎の息子(利重剛)と冨貴江が並んでソファーに腰掛けるシーンは何かのパロディなのだろうか?
・週刊誌の報道で、冨貴江が路上で好奇の目で見られるが、そこまで露骨に観るものだろうか?スカートの後ろのファスナーが下がっているような観られ方だった。

 後編の興味は、死体の在りかと鐵太郎殺害の真相(鋼太郎が語った動機は本当なのか?祥は関わっていないのか?)


========================================
【補足①・面白かった点】
・副総監との会話で、峯秋が「“出来の悪い子ほどかわいい”……僕もその気持ちは分かるよ」と呟いたシーン
・冨貴江(とよた真帆)の「何なら、契約書(依頼書、申請書かも)をお見せしましょうか?」の言葉に、右京が真顔で「是非お願いします」と乗り、冨貴江に呆れられ、冠城(反町隆史)に揶揄され、右京が拗ねるシーン

【補足②・死体の在りかの推測】
・冨貴江らが「竹林」という言葉に過敏な反応
・鋼太郎(利重剛)がドローンを操っていて、その最中に右京たちの姿を発見し、ドローンを落下させてしまった

これらから、死体をタケノコに突き刺し、そのタケノコが成長し、遥か頭上に……なんてことはないよねえ。

 タケノコの成長は急速で、私有地なので、頭上に行くまで発見されるリスクは意外と少ないかもしれない。しかし、見上げれば目にしてしまうし、死体に見下ろされているという感覚は、耐えられないと思う。
 

【ストーリー】番組サイトより
資産家一族が起こした恐るべき完全犯罪…。
“3人体制”の特命係が疑惑の権力者に挑む


 国家公安委員を務める大学教授・三上冨貴江(とよた真帆)の自宅で殺人事件が発生した。殺害されたのは、鬼束学園の理事長・鬼束鐵太郎(中田博久)。副理事長を務める鬼束鋼太郎(利重剛)が、妻である冨貴江のために父を殺したというのだ。というのも、冨貴江の不貞の証拠を掴んだ鐵太郎が、冨貴江を鬼束家から追い出す算段を進めていたので、それを阻止するためだったという。冨貴江は、自身の社会的立場を守るため、鋼太郎に促されるまま事件の隠蔽を手伝うことに。
 数日後、殺害の裏事情を知る鐵太郎の若い後妻・祥(谷村美月)によって失踪届が出されるが、写真誌「週刊フォトス」の記者・風間楓子(芦名星)が、鐵太郎の失踪と祥の放蕩を面白おかしく書き立てたことで世間が注目。
 記事を読んだ右京(水谷豊)と亘(反町隆史)、そして特命係に“左遷”された青木(浅利陽介)は、失踪に端を発する一連の経緯に興味を持ち、独自に調べ始める。国家公安委員長の鑓鞍兵衛(柄本明)にまで事情聴取の網を広げた右京は、鐵太郎がすでに殺害されていると確信し、自身のクビを懸けて鬼束家を捜索するが…!?

隠蔽に走る知謀の公安委員vs特命係の3人
事件解決の鍵になるのは消えた遺体の発見!?
右京が自身のクビを担保に危険な賭けに出る!


ゲスト:とよた真帆 利重剛 谷村美月 芦名星 柄本明

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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不吉な2018王将戦2次予選

2018-10-17 16:56:03 | 将棋
(“不吉”という穏当ではない表現をしてしまい、申し訳ありません)

 今期は羽生竜王が2次予選で敗退して、興味がやや薄れている。
 王将位挑戦者決定リーグ戦(以下“王将リーグ”と表記)は7名総当たりで行われるが、毎年、実力者が揃い、A級順位戦よりも濃密なリーグ戦となることが多い。
 一昨年は、羽生三冠(2勝4敗・陥落)、久保九段(5勝1敗・挑戦・奪取)、糸谷八段(4勝2敗・残留)、深浦九段(1勝5敗・陥落)、渡辺竜王(3勝3敗・残留)、豊島七段(4勝2敗・残留)、近藤誠也四段(2勝4敗・陥落)。
 昨年は、郷田九段(昨期失冠、3勝3敗・残留)、糸谷八段(3勝3敗・残留)、豊島八段(5勝1敗・挑戦)、渡辺竜王(3勝3敗・残留)、佐藤天名人(1勝5敗・陥落)、深浦九段(3勝3敗・陥落)、斎藤七段(3勝3敗・陥落)
  (タイトル・段位は当時のもの。同成績の場合、昨期リーグ戦成績による順位で決定。上記氏名の後ろ3名は2次予選通過者でランクは同率5位)

 メンバーが濃くなるのは、2次予選でシード棋士が優遇されているうえ、1次予選通過枠が6名(阿部隆八段、飯島七段、千葉七段、西尾六段、村田顕六段、八代六段)と狭き門であることが原因。
 今期の場合、昨期リーグ陥落者の佐藤天名人、深浦九段、斎藤七段が二次予選の二回戦から。他のシードは二回戦からが菅井王位(当時)、中村太王座、羽生竜王の3名。
 残りの2次予選からの棋士(1次予選免除棋士)は稲葉八段、広瀬八段、佐藤康九段、三浦九段、行方八段、屋敷九段の6名。非常に上位が厚いシステムになっている。

 今期の王将リーグ入り決定戦は、広瀬八段-羽生竜王、佐藤天名人-菅井王位、中村太王座-斉藤七段(左者が勝ち)で、王将リーグのメンバーは、豊島二冠、郷田九段、糸谷八段、渡辺棋王、佐藤天名人、中村王座、広瀬八段とそうそうたるメンバーが揃った。リーグ入り決定戦で敗れた羽生竜王、菅井王位、斉藤七段も豪華メンバー。
 ちなみに現リーグ戦の状況は、豊島二冠…1勝1敗、郷田九段…0勝2敗、糸谷八段2勝0敗、渡辺棋王1勝1敗、佐藤天名人1勝1敗、中村王座1勝1敗、広瀬八段1勝1敗と混戦の気配。

 で、何が“不吉”なのかというと
リーグ入り決定戦の組み合わせと結果が……
 広瀬八段-羽生竜王
 佐藤天名人-菅井王位
 中村太王座-斎藤七段(左が勝者)

 つまり、上記6名のうち5名が、タイトル戦展開中か予定者となっていた。しかも、広瀬-羽生は竜王戦、中村-斎藤は王座戦の組み合わせである。
 菅井王位(当時)はこの決定戦後、王位失冠。王座戦は昨日、中村太王座が勝って2勝2敗のタイ。竜王戦は羽生竜王の1勝0敗。
 これで王座戦の最終局を中村太王座が制すると、リーグ入り決定戦の勝敗がタイトル戦の結果を暗示していたことになってしまう。非常に不吉……

 書きたくはないが、仮に、ひょっとして、もしかして、中村王座が防衛、広瀬八段が竜王位奪取すれば、王将リーグに久保王将を加えると、八大タイトルのうち七タイトルが集結することになり、これはこれで壮観である。私としては、リーグの中に羽生竜王が名を連ねていない時点で、壮観でも何でもないのであるが……
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【歳時メモ】セイタカアワダチソウ

2018-10-17 11:31:56 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 セイタカアワダチソウが満色(色づきが最高潮で満開状態。“満色”……私が勝手に命名)状態のモノが多いです。これから満色になるものも多くあり、言わば、“今が旬”。
 今年は例年より草丈が高く、個体数も多いように思います。開花(色づき状況)の時期は、例年より、若干早いような気がします(個体数が多く、色づきが目立っているだけかもしれません)




 画像は2009年のモノですが、ここまで実って?いるモノが少なくなったような気がします。
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2018女子バレーボール世界選手権 第3次ラウンド 日本×イタリア

2018-10-16 15:47:35 | スポーツ
惜しかった。
本当に頑張ったと思う。


 強烈なスパイクをよくレシーブし、ブロックもタッチしてラリーに持ち込み、スパイクもブロックアウトやコースを打ち分け、ポイントを上げた。
 サーブも利いており、心理的効果の大きいブロックも決めていた。

 気持ちよくスパイクを決められないイタリアは、徐々にフラストレーションが大きくなり、ムキになり力んだスパイクが多くなった。
 第5セット中盤に、もう1点取っていたら、勝利もあったかもしれない。


 長岡の出番が少なかったのは勿体ないなあ。新鍋のサーブレシーブ力は必要なので仕方がないが……
 彼女のスパイクサーブやバックアタックは強力なので、後衛で使う手もあった気がする。


 これで日本はアメリカと5位決定戦を戦うことになった。
 正直、この試合の中継よりも準決勝を観たいのだが……
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2018女子バレーボール世界選手権 第3次ラウンド 日本×セルビア

2018-10-15 16:29:41 | スポーツ
昨夜のセルビアは、第2次ラウンドとは全く別のチームだった。
・ボシュコビッチの高さも威力も十分なスパイクが日本の守備を粉砕
・レシーブや繋ぎに≪床に落とさない≫という執念を感じた
・ミスが少なかった

対する日本は、精彩を欠いた
・≪決まった!≫と思った瞬間に集中力を切らし、その後のラリーをモノにすることができなかった
・サーブレシーブを崩されたり、ミスが多かった。
・繋ぐ執念が薄かった

★ブラジル戦の逆転負けの影響が少なからずあるように思えた
 第2次リーグまでで9試合、かなり疲労が蓄積しているはずだ。なので、第2次リーグ最終ののブラジル戦は3セットで終了できずにフルセットにもつれ込み、しかも、敗戦。余分な疲労と精神的マイナスを受けてしまった。
 確かに、セルビアはボシュコビッチが復活し、攻撃の威力や厚みが増し、日本の守備はそれに対応するのに精いっぱいになってしまったということもある(多少乱れたトスでも、ボシュコビッチは強烈なスパイクを叩きこんでいた)。しかし、全体的に動きが重かった。集中力を切らしたのも、≪これで決まってほしい≫という希望的観測によるものだろう。

 あと、やはり、田代のトスが短かったり低かったりすることが多く、バックトスも不正確だった。
 トスが短くなるのは、疲労のせいかもしれない。

 黒後は、トップクラス相手ではまだ荷が重いのかもしれない。


 セルビアに勝つのは、戦力的にも体力的にも厳しかった。
 トップクラスに勝つには、最初から≪5セットかけて勝つ≫という戦略が必要かもしれない。
 体力消耗の中で酷な要求だが、第1、第2セットは失っても良いから、とにかく、拾って繋ぎまくり、相手を消耗させ、根負けさせる。
 第3セットになれば、相手の高さも威力も落ちてくるので、そこからが勝負……という具合。


 ストレートで負けてしまったので、セット率で2位通過は難しい状況で、イタリアに3-0で勝利したいところではあるが、とにかく、フルセットでもいいから勝って欲しい。イタリアがセルビアに負ける可能性もあるし。
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2018女子バレーボール世界選手権 日本×セルビア

2018-10-12 19:06:17 | スポーツ
みんな、すげえな!
 特にスパイクレシーブが素晴らしく、セルビアの強力スパイカーたちも辟易するぐらいだった。
 日本より一段階上回るセルビアの攻撃力を、二段階上回る日本の守備力で押さえ込んだ。

 リベロの井上、小幡の食らいつくようなレシーブ。セッター田代も拾い上げた。
 攻撃面では、長岡は、絶頂時の頃のスパイクを放ち、石井も良かった。古賀も要所で決めて、奥村もブロックが冴えた。荒木は安定したプレーでメンバーに安心感を与えていた。


★勝利のポイント
①第1セット終盤の立ち直り
 第1セット中盤から、サーブで崩され、何とか繋いでスパイクを打ってもブロックでシャットアウトを食らったり、レシーブからスパイクを叩き込まれたりと、8連続失点を喫するなど、手も足も出ない状態となってしまい8-19。
 さらに、9-20から3連続ポイントを上げられ9-23。ここで相手のサーブミスが出て、≪ああ、なんとか10点に届いた≫という大劣勢。
 しかし、ここで長岡のサーブ。もともと強烈なスパイクサーブだったが、現状はコートに入れるのが最優先で、1本来の威力はない。それでも、気迫を込めたサーブで、セルビアに100%の攻撃をさせず、ラリーに持ち込んだ。日本もチーム一丸でボールを繋ぎ、ラリーをものにして3連続得点で13-23。セットポイントを握られた後も、2得点を上げ、15-25で終えた。
 この粘りが大きかった。≪完膚なきまで叩きのめされそう≫というムードから、≪行けるかもしれない≫という感触をつかんだ。
 一方、セルビアはネーションズリーグでも3-0で圧勝していることと、序盤の一方的展開から楽勝ムードが漂った。

 しかし、第2セットになるとゲームが一変。冒頭に挙げたような日本のプレーで、チーム一丸となって立ち向かい、互角の展開。
 とにかく、スパイクがなかなか決まらない。≪おかしい≫≪調子が悪いのか?≫といった不安がじわじわ広がり始めた。得点は互角でも、完全に日本ペースになった。

②素晴らしいスパイクレシーブからチーム一丸となったプレー
 冒頭のリード文や上記の①でも述べた通り、素晴らしかった。

③サーブが良かった
 点を先行する場面が多かったので、サーブを思い切り打て、相手の攻撃を100%にさせなかった。
 先攻されたセルビアは、逆にサーブが弱くなった。(オグニェノビッチのサーブには手を焼いたが)
 
④劣勢になっても、それを跳ね返す気迫
 地元の応援もあるが、気迫が素晴らしかった。第1セット終盤もそうだったが、第2セット16-12からセルビアの追い上げに遭い19-19になっても、踏みとどまり、22-22、23-23から常に先行し第2セットを25-23でモノにし、第3セットは5-1のリードから連続失点で5-4に迫られ、その後逆転を許したが、中盤以降に逆転、その後、一進一退を繰り返したが、勝負どころで点を挙げ、25-23で第3セットも取った。
 第4セットも11-9から11-15に一気に逆転されたが、14-18と大崩れせず持ちこたえ、17-18まで追い上げると、セルビアが浮足立ってしまった。結局、第4セットも25-23で取り、セットカウント3-1で勝利。
 
⑤精彩を欠いたセルビア
 第3次ラウンド進出が決定しており、第1セットの楽勝ムードで、心に隙が生じたのか、プレーに精彩を欠いた。
・繋ぎのプレーが淡泊で、ネット際などミスが多かった
・ボシュコビッチの温存(開始直後、プレーが始まる前に交代した……温存のさせ方がやや不可解)
・オグニェノビッチも第4セットはベンチに。オグニェノビッチのサーブを受けなくても良かったのも大きかった。
・ミハイロビッチの動きは重かった


 正直、セルビアに勝利するのは難しく、1セット取れるか、出来れば2セット取って勝ち点1を上げたいと思っていた。まさか、勝つとは!しかも3-1.勝ち点3を獲得できたのは大きく、ブラジル戦で1セットでも取れば、第3次ラウンド進出が決まる。
 今大会のブラジルなら、勝利の可能性は大きいと思うが、はたして…?
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