英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第72期名人戦 第2局

2014-04-30 23:20:51 | 将棋
羽生×森内 31番勝負?
 森内竜王・名人が棋聖戦挑戦者決定戦で村山慈明七段を降し、羽生棋聖(王位・王座)への挑戦権を獲得した。
 森内名人(竜王)は現在、羽生三冠と名人戦7番勝負を戦っており、合わせて12番勝負となった。

 さらに、森内竜王・名人は王位戦挑戦リーグ紅組で広瀬七段、千田四段と3勝1敗で並んでいる。運が良いとあと2勝、運が悪いと4勝で挑戦権を獲得。王座戦は挑戦者決定トーナメントに残っており(シード)、1回戦から決勝まで4勝で挑戦権獲得。
 その上、羽生三冠も竜王戦1組ランキング戦決勝に駒を進め、挑戦者決定トーナメントに進出を確定させている。こちらもあと4勝で挑戦権獲得。

 名人戦、棋聖戦、王位戦、王座戦、竜王戦死闘31番勝負だ!



 少し遅くなりましたが、第2局を振り返ってみます。


 先手後手は入れ替わっているが、第1局に続いて相掛かり戦。


 前局は先手の森内名人は端歩を受けずに▲2七銀だったが、羽生三冠が端歩を受け第1局と別の展開となった。“別の展開”とは言っても、こちらの方が遥かに前例が多い。
 お互いに飛車先の歩を交換後に下段まで飛車を引き、相腰掛け銀になるかと思われたが……


 鎖鎌銀!
 昭和……しかも30年代。
 中継サイトによると 
「同一局面では2011年に指された▲田中魁秀九段-△阿部隆八段戦(王将戦一次予選)がヒット。△8八角成▲同銀△3三桂▲1五歩と進んでいる。結果は後手勝ち」

 ▲3六銀と出るのなら、▲4七歩と突かずに2七~3六のルートの方が1手速いし4七の空間も生じないので良いように思えるが、▲3六銀は後手の△8二飛に呼応した手。
 8二飛型は腰掛け銀に対して有効(8四飛型は何かの拍子に飛車当たりになる)ではあるが、先手銀が2五に進出する棒銀系の将棋に於いては、飛車の横利きでく受けることができる8四飛型の方が向いている。


 思惑通り?銀を2五に進出した第2図、縁台将棋のような局面。
 縁台将棋なら、次の▲3四銀が受からず、≪してやったり≫とニヤリ。

 森内名人、顔面蒼白……とは、ならず(当たり前)、△8八角成▲同銀△4七角と打ち込む。
 これに対しては▲3八角と合わせ馬作りを阻止するのが通常で、「△同角成▲同金と先手の金を上ずらせ、それから先手の▲3四銀に対応」という流れになるのかと思いきや、羽生三冠は構わず▲3四銀と進出。
 NHKのBS中継の山崎七段の解説よると「△4七角に単に▲3八角と合わせると、一例ではあるが、△3八同角成▲同金△5五銀▲3四銀△4六銀▲2三銀成△2七歩▲同飛に△4七銀不成(変化図)▲同金△3八角という罠があったのかもしれない」とのこと。(△4七銀不成では△4五角もあるかもしれない)


 実戦は△4七角▲3四銀△2二銀▲3八角△同角成▲同金△4四歩▲6八玉と進む。(△2二銀では△7四角成▲2三銀成△同金▲同飛成△2二飛も有力)
 森内名人、ここで△2四歩と“銀ばさみ”の最強の受け!(▲2四同飛には△3三歩で先手の駒損必至)


 以下▲3五角△3三銀▲同銀成△同金▲2四角△同金▲同飛△2二歩▲2三歩と進む。(この手順中も多岐の変化がありますが省略)

 金角交換の駒損の先手だが、2筋を半分突破という状態。ただ、若干▲2三歩が重く、後手からはいろいろ手段がありそう。この▲2三歩では他に▲3四飛や▲1七桂なども考えられたが、わずか7分の着手。研究範囲なのだろうか?
 森内名人は1時間26分考えて、手を封じた。
 候補手は①△1三角、②△9二角、③△7四角、④△3三銀。
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電王戦雑感 その6「電王戦のシステムなど」

2014-04-29 20:40:40 | 将棋
第2回電王戦からの変更点
①統一ハードウェア
 出場ソフトは主催者が用意した東一のハードウェアを使用する
②対戦ソフト研究
 プロ棋士が、本番と同じソフト&ハードで事前に練習対局できる環境を主催者側が用意する。開発者はソフト提供後、プログラム変更ができない。
③持ち時間
 プロ棋士とコンピュータの持ち時間は、それぞれ5時間のチェスクロック方式。使い切ると1分将棋。


 ①については、プログラム等に関する知識は皆無なので、見当違いのことを言っているのかもしれない(用語も誤用の可能性あり)が、あえて述べさせていただく。
 「人間対コンピュータ」という視点においては、コンピュータのマシンパワーに制限を設けるのは公正じゃないような気がする。ただ、あまりにもコンピュータのパワーが強大だと、抵抗を感じてしまう。今回供給されたマシンでは1秒間に400万局面、手の深さとしては20手~30手先に相当とのこと(YSSに於いて)なので、人間にとっては十分すぎる脅威なので、適正に感じる。
 横道に逸れるが、「コンピュータソフト対コンピュータソフト」だと、使用するコンピュータに差があるのは「ソフトを競う」という観点で公平ではないように思える。ただ、「クラスタを組んで読みのスピードを上げるというのも、プログラムの技術である」という考え方も一理ある。ただ、将棋ソフトのプログラムとは別の技術のような気がする。
 ちなみに、統一ハードウェアにした主旨は「ソフトが再現できること」だそうだ。かつてチェスの世界チャンピオン・カスパロフを破ったディープブルーは、その後解体されてしまい、再戦は実現しなかった。ある程度のコンパクトさがあれば、たとえば、2020年の小学生名人が「2014年に屋敷九段を破ったポナンザ」に挑戦という企画も可能である。
 もっと突き抜けて考えると、羽生三冠とコンピュータソフトとの対戦が実現し羽生三冠が勝利したとして、その30年後に21世紀最高の天才が表れて、そのコンピュータソフトと対局する……なんてことも可能である。

 ②については、この制限はソフト開発者にとってはかなりのプレッシャーになったようだ。
 ソフトを徹底的に研究されて、ソフト(プログラム)の弱点や穴を見つけられてしまったらアウト。それは避けるため、指し手にランダム性を加えたい。しかし、「電王トーナメント」から1週間でうまく組み込めない(バグが生じる可能性がある)。そもそも、指し手のランダム性は対勝負強さにおいては有効だが、将棋の強さにおいては必要ない要素であろう。
 主催者としては、電王トーナメントとで勝ち上がったものと別物のソフトとなってしまっては、トーナメントの意義が薄れてしまうと考えたからのようだが、どんな世界でも予選を勝ち抜いてからの進歩が大きな要因なので、こだわる必要はない。
 今回、立候補した棋士から選出している。立候補してソフトの穴を突くようなことはしないとは思うが、対人間用の調整期間をしっかり設けるほうが良いように思える。
 棋士にとっては、本番と同じソフトを事前に体験できるというのは、相手の棋風やクセ、得意な戦型などを研究できるのは有難い。戦型を絞り込めるのも大きい。

 ③については、変更の動機は、「ソフトは設定すれば上手に切り捨ての59秒を利用できるので不公平になる」というものだが、これは真剣に考えなくてもいいだろう。59秒にこだわると、読みを打ち切って妥協する回数が増えるのではないだろうか。
 チェスクロック制にすると、その心配は解消できるが、正味の時間が減ってしまう。そこで、考慮時間を1時間増やしたわけだ。持ち時間が1時間増えたと言っても、チェスクロック使用(1分未満の切り捨てなし)なので、実質はそれほど変わらない。棋士は普段と時間の減り方の感覚が違うので、変更なしでもよかったのではないだろうか。
 「持ち時間は長い方が有難い」という考えが多数派のようだが、渡辺二冠は、「人間同士だと自分がミスしても相手もそのあと間違えるから、その1回のミスが致命傷にはならない。しかし、ミスのないコンピュータ相手だと、その1回が許されない。その緊張感が夜まで続くかどうか」という理由で昨年の4時間でも長いくらいだと述べている。
 余談になるが、渡辺二冠は
「自分は夜の9時、10時までは無理(集中力が続かない)。遅くとも7時には終わってほしいし、それ以上は続けてもパフォーマンスは落ちると思う。
 終局が夜7時を過ぎるのなら、2日制にした方が人間のパフォーマンスは上がると思います。いったん読みは途切れてしまうけど、しっかり休んで翌日を迎えれば、また中盤から終盤を乗り切れる集中力が戻るので。朝から夜遅くまで、ノーミスで乗り切れっていうのはきついですよ」
 これは「人間対コンピュータ」の一般論を言ったものだと思うが、なんとなく、渡辺二冠が竜王戦七番勝負に強くて、順位戦はそれほどではないという現象に合点がいく。

 その他の電王戦のシステム(ルール)であるが、対局場が適当であったかどうか?
 興業的には人目を引き成功と言えるが、プレッシャーを感じているうえ、指し慣れていない環境、しかも、相手は“電脳手くん”(ロボット)。長時間、この環境では、プロ棋士とはいえ、平常心で指し続けるのは難しかったのではないだろうか。

 出場棋士の選出についても不満が残る。
 今回、対局場の設定はあるものの、前回よりは棋士に緩めのシステムであった。なので、連盟としては何としても勝つ必要があったはずだ。
 なので、最強メンバーとまではいかなくても、豊島七段クラスの若手トップを並べるくらい必勝を期すべきであった。前回も不満だったが、全盛期を過ぎた九段というのは悪手である。世間的には「九段」=「将棋がものすごく強い大御所」である。その辺り、連盟は認識が甘いと言わざるを得ない。

 出場棋士がすでに決定していた竜王戦の解説の場で、「リレー質問」というコーナー(前日の解説者からの質問を答える)があって、解説者の羽生三冠に、田中寅彦九段から「電王戦へはいつ出たいですか?」という質問があり、
「分かりません!ハハハ…」
とやや強い口調で答えた。さらに、
「そんなこと聞かれても、わかるわけないじゃないですか?ハハ、ハハハ…」
と重ねて述べた。聞き手の藤田女流が
「羽生先生の意思だけでは、決められないことも多いですからね」
と、とりなそうとした言葉に
「それはそうでしょうね。谷川先生に聞いた方がいいかもしれませんね」
とにこやかに答えていたが………

 邪推すると……
 羽生三冠、電王戦に立候補したのじゃないかな?
 これを理事会は止めたか、スルーして選出しなかった。
 なのに、理事会の立場にいると目される田中九段(前専務理事)にこんな質問をされて、羽生三冠もムッとした。
 藤田女流の話の向け方もせいもあったが、谷川会長の名も出してしまった……


 すごく悩ましい問題ではあるが、
現在の羽生三冠、森内竜王・名人、渡辺二冠とコンピュータソフトとの将棋を見たい
気がする。
 羽生三冠がコンピュータに敗れ去るなんて絶対見たくはないが、どんな将棋が繰り広げられるか……好奇心が強い。羽生三冠が敗れるのなら、仕方がないんじゃないか。

 「その3」でも触れたが、ボナンザ開発者の保木氏が、渡辺竜王が電王戦出場の意思をほのめかした場面で
「それは今すぐにもやってほしいですね。今年ならまだ渡辺先生がガチンコでやれば勝つ可能性が高いですから」
と、不敵?意味深?な発言をしていた(対談は今年の1月16日)。
 だとすると、ここ1、2年しかチャンスはない。


 もう、この際、棋士20人、将棋ソフト20の対抗勝ち抜き戦にしてはどうだろうか?
 
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腰痛 その5…否、「その後」

2014-04-28 21:36:12 | 日記
 病院に行ってきました。
「軽い(腰椎)捻挫。(椎間板)ヘルニアにはなっていないね」と言われました。
ま、軽い捻挫で良かったです。
 でも、≪か、軽い捻挫なのか?≫……

 これで「軽い」のなら、≪椎間板ヘルニアの痛みってどんだけなんだ?≫
 でも、この医者(私の友達です)、レントゲンを診て、あとは足を持ち上げたり木づちでたたいたりして反応を見るだけで、「いつから?」「何をしたとき?」「どんな痛みか?」とか一切聞かない。
 こういう問診で得られる情報の蓄積って大事なんじゃあないだろうか?

 おまけに「運動不足が原因。ジョギングでも始めたら」って言われてしまいました。
 いやぁ、うちの仕事って、結構大変なんです。30kgの荷物はざらだし、倉庫は狭いので、体を傾けながら運んだり、かなり腰を酷使します。
 相当、エネルギーを消費するのに、この上、ジョギングって………

 それはともかく、chamingさんやかみしろさんのアドバイスのおかげ、そして、koumamaや将棋を知らない母さん、こてくんの温かい言葉のおかげで、症状は軽減しました。
 土曜の夜に比べ、今日(月曜)の朝の段階では、痛みは3分の1くらいに軽減していたので、土曜の夜にレントゲンを撮っていたのなら、違う診断がされたのかもしれません。

 現在は、腰の痛みよりは、坐骨神経痛の症状の右足全体の軽い麻痺のほうが重症で、右足の反射速度が半分になり、上手に歩けないのが悩みですが、こうして記事を書けるので、大丈夫なんだと思ってください。
 ご心配をおかけしました。ありがとうございました。
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『軍師官兵衛』 第17話「見捨てられた城」

2014-04-28 15:24:57 | ドラマ・映画
いろいろ見せ場が多い回だったが、
詰め込みすぎて、どんどんシーンが流れていき、
印象に残らなかった
………


①上月城を見捨てろという信長
②援軍を送れないという状況を嘆く官兵衛
③策を弄して上月城に潜入、尼子勝久と鹿介の別離
④勝久の自害と鹿介の最期
⑤迷い多き殿・政職、迷う
⑥半兵衛、「ただ最良の策を考え、今やれることを実行するのが軍師」と、泣き言をいう官兵衛を諭す
⑦官兵衛、やるべきことはやる(毛利を調略し揺さぶる)
⑧織田信忠の陣での反省会で仙千代が、神吉藤太夫の降伏を受け入れたうえ、逃げられてしまった荒木村重を非難する
⑨「同じ外様同士、頑張ろう」と村重を励ます光秀
⑩白々しい宇喜多直家を信用せず、撤退する毛利軍
⑪毛利撤退、見捨てられた志方城主・左京進「我らは播磨男子、意地を貫け、良いかぁ!」の0.1秒後、白装束、自害。
⑫左京進の子供らに、又兵衛、「黒田家ホームドラマ」を伝授
⑬「天下泰平」「新しき世を作る」ためと誓い合う秀吉と官兵衛
⑭仙千代の告げ口を受けた信長から「呼び出し」をくらい、青ざめる村重
⑮お紺の死

 ざっと、これだけのシーンがあった。
 これだけ詰め込むくらいなら、先週の不要なシーンをカットして、④ぐらいまでと差し替えた方が良いのではないだろうか。
 しかも、②では官兵衛の嘆きを④では愚痴をと、官兵衛の未熟さを露呈させるので、それが気になって、今後に影響を与えるであろうシーン(⑤⑨⑭⑮)が頭に残らない。(③の「官兵衛殿、ここまでよくやってくださった」「来世で云々」も要らない)
 
④などは官兵衛が義を重んじるのを強調させるため
「目の前の兵を見殺しにしては、織田家は失うことしかございません」
「利用するだけ利用して、捨てるおつもりかっ!」
と叫けび「横須賀小六らにたしなめられる
 しかし「軍師」を強調するなら、そろそろ、「たしなめられる」のではなく、「たしなめる」側になってほしい。

 笑ってしまったのは⑩。ドリフのコントのような志方城の秒殺。
 最後の方だけは、左京進を綺麗に散らせたかったのかもしれないが、ここまでずっと彼を貶めていて虫のいい話である。左京進には申し訳ないが、逃げ惑って「官兵衛の言うことを聞いて。織田に付けばよかったぁ」と叫ばせてほしかった。


 さて、今回、悩んでしまったのは、「上月を見捨てよ」という信長の決断
 ドラマの上では
信長「700を救うために5万と戦い兵を失う。何の理がある?」
秀吉「失うのは兵ではございませぬ。播磨での織田の信用にございます」
信長「今大事なのは、織田の信用ではない。毛利を倒し、新たな世を作ることだ。もはや上月はいらぬ、上月を見捨てよ」

 この会話で「700の兵より5万と戦って失う兵の数」「播磨での信用より天下統一」という信長の合理性を述べているが、秀吉の「兵より信用が大事」という方が正しいように思える。「大事なのは新たな世を作ることだ」という信長の言葉は、秀吉の訴えに対する答えにはなっていない。平清盛(松山ケンイチ)が乗り移ったのか、と思ってしまった。

 腑に落ちないので、軍師でもなく、武将でもなく、歴史学者ではない私ではあるが頭を絞ってみた

上記の会話の最後に
「上月城を救うなど、そんな面倒くさいこと、誰がする?」
という信長の言葉が省略されていたのだ。
 そう、面倒くさかったのだ。
 面倒くさいと言うと言葉が悪いが、「リスクが大きい」という意味である。
 5万の毛利軍と戦うには、秀吉、村重の兵に加え、あと3万の兵を投入しなければならない。三木城や神吉城など播磨の反抗勢力の制圧は急を要するものではなく問題はないであろう。
 問題なのは、それだけの大軍を播磨の西の奥まで移動するのは大変(移動時間、兵糧)だということ。援軍が到着する前に、たった700の兵しかいない上月城が陥落する可能性の方が高い。そんなリスクを犯すのは馬鹿馬鹿しい。……乞う信長は判断したのではないだろうか。

 今回、信長が上月城を見捨てたことは、「信長の非情さ」を示す効果はあったが、これでは信長が単なる「非情で我儘な男」になってしまう。上記の私の想像の真偽はともかく、「信長の深い思慮」を濃姫との会話で披露してほしかった。それでこそ、今大河ドラマの「解説役・濃姫」の存在価値である。


【ついでの疑問】
・官兵衛が毛利軍に行った調略って、具体的にどうしたんだろう?
 4人が『孫子』を暗唱(合唱)してごまかしたような気が………

・官兵衛らが上月城に潜入し、鹿介らと対面し、
 「逃げましょう!場外の手筈は整えてあります。あきらめるのは、まだ早うございます!」
 と進言した時、≪そうだ、あきらめるな≫と思ったが、
 「動けぬ兵たちを置いて、わしらだけ逃げるわけにはまいらん」
 えっ、兵たちは存命だったのか?
 だったら……「目の前の兵を見殺しにしては、織田家は失うことしかございません」と秀吉に訴えたあの言葉は、いったい………



【ストーリー】番組サイトより
 官兵衛と秀吉は、毛利の大群に包囲された上月城を救おうとするが、信長の厳命により見捨てることを余儀なくされる。官兵衛は城に潜入し、断腸の思いで鹿介に別れを告げる。信長のあまりの非情さに、村重や政職は動揺する。
 一方、宇喜多直家の動きを警戒した毛利方の小早川隆景は、撤退を決断。光の兄・左京進の志方城も見捨てられてしまう。孤立無援の状態となった左京進は、切腹した。その後、秀吉は平井山に本陣を移し、三木城攻めに取り掛かった。
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電王戦雑感 その5「コンピュータ将棋の傾向と対策」

2014-04-27 21:25:14 | 将棋
「序盤でリードして、中盤でその差を縮められてもリードして終盤に持ち込み、逃げ切る」が対コンピュータ将棋のパターンだと言われている。特に、第3戦の豊島七段の将棋は序盤のリードを短い中盤でリードを減らされることもなく、消耗も少なく、しっかりと勝ち切った理想的な勝ち方であった。

 コンピュータ将棋の序盤は、膨大な棋譜や定跡のデータベースを備えているとはいえ、プロ棋士と比べるとまだまだ甘い。

 これは棋士同士の序盤(2011年順位戦C級1組)だが、
 ここでの先手の指し方は①棒銀、②早繰り銀、③腰掛け銀が考えられるが、先手の稲葉五段(当時)は▲7七銀と態度を保留。後手糸谷五段(当時)の△6四歩を見て▲2七銀と棒銀戦法を選択した。
 棒銀には早繰り銀(7三銀型)で後に▲1五銀に△5四角と反撃するのが有力だが、▲7七銀で棒銀は1手遅れるが△6四歩と腰掛け銀に限定させて△5四角をなくしているのである。(と言っても、先手が有利になったわけではない)
 このように、相手の動きを見極め手を進めていく駆け引きは、まだコンピュータ将棋は不得手で、相手の細かな動きには無頓着(明らかに隙がある場合は別)で目指す陣形に突き進んだり、定跡と評価関数の折り合いがつかず不自然な手順になることがある。
 ちなみに、この将棋、▲7七銀△6四歩▲2七銀以下、△6三銀▲2六銀△1四歩▲3六歩△4四歩▲3五歩と進み

 激しい戦いとなっている。

 中盤は、「その3」で述べたように、コンピュータ将棋は恐ろしく強い。もちろん、「その3」の終盤戦についてで述べたコンピュータ将棋の射程距離を上回る先で落とし穴が見えずに間違うということは中盤戦でも起こりうるが、コンピュータ将棋の強い中盤はできるだけ短くした方が得策である。
 形勢を損なう可能性だけでなく、次の渡辺二冠の言葉が切実な人間の心理を語っている。
「人間同士だと自分がミスしても相手もそのあと間違えるから、その1回のミスが致命傷にはならない。しかし、ミスのないコンピュータ相手だと、その1回が許されない。その緊張感が夜まで続くかどうか」
 その上、「その4」で述べたような、棋士の思考やこれまでの常識を超えたコンピュータの指し手に読みや心理を揺さぶられるのだ。
 中盤戦が長いと、例えリードをして終盤戦を迎えても、その消耗度は大きく、第5局の屋敷九段をはじめ敗れた棋士のように、最後に致命的なミスを犯してしまう可能性が高くなる。

 終盤は、リードしていないと厳しいが、逆転の可能性がないわけではない。
必要なのはリードよりも、終盤を正確に指す棋力と、その棋力を発揮できる余力を持っているかの方が重要なように思われる。
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腰痛 その2

2014-04-27 18:59:45 | 日記
 昨夜は「痛くて座っていられず、テレビもPCもできないので早く寝よう」でしたが、実は「寝ていても痛くて眠れませんでした」昼間に病院に行かなかったことを、心の底から後悔しました。
 仰向けでも、横向きでも、うつ伏せでも痛くて、体の置き場がない状態でした。せめて、座っている時にいたくないのなら、この際、徹夜でビデオを見るという選択肢もあったのですが……

 実は、昨日の記事のコメント欄でcharmingさんに教えていただいたのですが、
「横になった時は、仰向け厳禁で、横向きえびみたいにからだを丸くしていれば、自然に治癒することが多いです」
ということで、それを実践したところ、横向きになった時点では痛みが来るのですが、しばらくじっとしていると、痛みが治まってきます。
 今日は、痛みが強くなると、横向きになるを繰り返し、快方に向かってきました。とにかく、明日は病院に行きます。

 腰の痛みが主なのですが、美技足全体にしびれが来ました。「坐骨神経痛」という症状らしいです。坐骨神経痛というのは病名ではなく症状らしいです。頭痛や腹痛と同じですね。
 で、私の場合は右足全体に鈍いしびれが出ました。半分マヒ状態で、うまく歩けません。右足に力が入らず、自分の意思が半分しか伝わらない状態です。ちょっとびっくり。それでも、いちごの散歩に3度付き合いましたが……
 痛くてどうしようもない状況は脱出したので、テレビとブログ記事を頭の中で練れるようになりました。ご心配をおかけしました。
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腰痛

2014-04-26 20:24:17 | 日記
 先週の土曜日、ちょっとした作業中、腰に違和感を感じました。その後、右腰に重く鈍い痛みがまといつくようになりました。
 痛みは翌日(日曜日)も続いたのですが、そこをピークに徐々に軽くなってきました。

 ところが、今日になって徐々に痛みが増してきて、昼過ぎからは座っていられないほどになりました。(立っているより座っている方が辛いです。寝ていても腰の位置によっては、痛くて寝ていられません)

 月曜日に病院に行くつもりです。
 原因は、長時間、床に座った状態でパソコンを操作したり、テレビを見たりしていたことだと思います。
 今夜は早く休みます。
 
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今クールドラマ、感想

2014-04-25 21:14:50 | ドラマ・映画
 本当は前クールのまとめをしてからと思ったのですが、ぐずぐずしていたら旬をとうに過ぎてしまいました。
 ぎりぎり時節に間に合いそうな「今クールドラマの感想」を取りあえず。
(今週分はほとんど観ていませんが)

『BORDER』
 ~死者と対話する能力を身につけた主人公の刑事が正義と法など様々な境界で命と向き合うヒューマンサスペンス~


 「霊と対話できる」というのは刑事としては最強の反則技。「誰にやられた?どうやって?」と聞いてしまえば、あとは証拠だけ。もちろん、被害者自体がどういう状況で殺されたか把握していない場合や、謳い言葉にある「正義と法など様々な境界で命と向き合うヒューマンサスペンス」のテイストがあるのかもしれない。しかし……
 もっともガッカリした点は、情報屋の存在。しかし、情報屋というよりは「お助けマン」と言ったほうが良い。主人公は彼の助けを借りて事件を解決するのだが、(2話現在)その依頼度が高すぎで、自力で事件を解決していない。
 また、第2話は、監禁された少女を救出する話だが、犯人の霊に振り回されっぱなし。あちこち走り回るだけの主人公で、監禁場所を絞り込んでいったのは情報屋が派遣したハッカー。最後に、場所を特定したのが主人公というだけで、まったく面白くなかった。
 今後、面白くなるかもしれないが、第3話を見て視聴継続かを決めよう。


『MOZU』
 ~妻を失った公安のエース。記憶を失った殺し屋。激しくぶつかりあう魂は、一体どこへ向かうのだろうか?~


 TBSとWOWOWの共同制作のハードボイルドドラマ。(ハードボイルド風にするため、画面の色の彩度を落としているような気がする)
 謎が多く、登場人物、それぞれの視点で描くので、マルチサイトのアドベンチャーゲームを観ているようだ(私は好き)。
 取りあえず、視聴継続。(最終回でガッカリしている可能性もあり)
 『八重の桜』の準主役級で親友役だった西島秀俊と長谷川博己が敵対しているのが目を引いた。


『ホワイト・ラボ~警視庁特別科学捜査班~』
 ~かっこいい科学オタクたちが日本の犯罪捜査を大きく変える~


 『科捜研の女』の刑事版。まあ榊(沢口靖子)はほとんど刑事みたいだけど……
 メンバーが刑事だけに、あちこちの現場で科学捜査をするので、展開がスピーディーだ。
 ただ、「0.25秒の頬の緊張、右上への視線移動」など心理学で嘘を見破るのは、面白くない。
 執念や根性で現場で証拠を拾い上げる奥貫(宮迫博之)は好みではない。
 個性豊かなメンバーのまとめ役の班長は、(ドラマのお約束通り)彼らに引っ張り回されるのだが、所々で存在価値を示すので良かった。和久井さんは好きです。
 第2話で、白骨遺体だと思われた人物が実は犯人だったという筋は良いが、その犯人、内部告発しようとした強い正義感を持っていたはず。その彼が、不注意で交通死亡事故を起こしてしまい、事故を隠滅するため被害者に薬品を掛けて白骨化させてしまうのは、不自然過ぎる。
 興味深い科学現象を見せてくれるのは楽しみなので一応視聴

【補足】
 この科学捜査班の捜査での立ち位置がわからない。
 3人目の班長(和久井)ということなので、新たに発足したチームというわけではなく、認知はされているみたいである。
 科捜研のように、遺留品などの分析で捜査を支援するわけではなく、独自で捜査している。
 捜査一課と独立して捜査し、捜査の客観性を高めるという狙いかもしれないが、せめて、お互いに情報交換しないと、効率が悪いうえ、誤った結論を導きかねない。
 かなり疑問を感じる「化学捜査班」の設定である。



『ビター・ブラッド』
 ~最悪で最強な親子バディ刑事が誕生!!!本格的な刑事ドラマをコメディータッチで描く!~


 やや青臭さはあるが、正義感にあふれる主人公(佐藤健)には好感を持てる。
 ダンディを気取る父親刑事(渡部篤郎)は微妙。
 あだ名「スカンク」刑事、「本人に自覚はないが、口臭がひどい」というキャラ設定はやめてほしい。性格も鬱陶しい。
 気になるのは「大事のために小事(被害者)を切り捨てる」など警察の正義を振りかざされるのは嫌だなあ。
 まだ、1話しか見ていないので今後は未定。


『トクボウ 警察庁特殊防犯課』

 伊原剛志さんはあまり好きではない(ごめんなさい)。主人公のキャラも好きになれない。
 で、視聴開始2分で視聴停止。申し訳ありません。


『TEAM ~警視庁特別犯罪捜査本部~』

 小澤征悦さんはあまり好きではない(ごめんなさい)。主人公のキャラも好きになれない。
 録画してある第2話は一応観るが、たぶん視聴停止。
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電王戦雑感 その4「羽生将棋とコンピュータ将棋の類似点」

2014-04-24 21:46:43 | 将棋
「これで負けたらねぇ。△1六香は人間には絶対考えないですからね。観戦記者の方に△1六香を聞かれたら、そんな手はないでしょうと答えますからね。普通に考えると悪い手です。だから、これがもしいい手だったらコンピュータは相当強いという事になります」
 ポナンザの△1六香を見て、渡辺二冠が発した言葉だ。
(『ものぐさ将棋観戦ブログ』の記事「電王戦第五局 人間屋敷伸之の将棋とコンピュータの将棋」より引用)


 先手玉を追い詰めるのに有効な攻め駒となりそうな香車を、1九の角を取るために投入。
 確かに、1九の僻地にいる角ではあるが、先手の端攻めを後押しする大駒で、この駒を攻めるのは有効かもしれない。しかし、玉を攻めるのに役立ちそうな香車を投入するのは勿体ない。しかも、ストレートに取れたとしても、その香車は1九の隅っこにいることになり、活躍は望めない。
 プロ棋士ならば「香車を消費する上に、香車を打つ手、角を取る手の2手を費やす」ことに抵抗を感じて、この手が浮かんだとしても、1秒未満で排除してしまうはずだ。
 あり得る手として読んだ場合、角を逃げた場合もその後の進展がはっきりしない。

 実戦は、屋敷九段が角を逃げ、ポナンザがその角を追い掛け回した結果、

 後手は先手の角を詰めたものの、金が1六のそっぽに行ったうえ、持駒の桂と歩を消費することになった。しかも、角得ではなく、角桂交換に過ぎない。さらに△4六桂▲同歩と交換した時、4五の桂取りになってしまう(3七に成ることはできるが)。
 一見、このように割の合わないこと後手がしているようだが、1六に打った香は2九で成香になっている。通常、それほど働く位置ではないが、4九に銀がいるので△3九成香と一手掛ければ銀取りになる。先手は角を逃げただけなので、その角が取られてしまうと、桂角交換の損だけすることになる(角は先手の攻めの後ろ盾の重要な駒だった)。
 だらだらと書いたが、筋の悪さに伴うマイナス要素が大きく感じられるが、先手も桂角交換のマイナス要素があり、それぞれのマイナス要素を比較して、悪くはないと計算したのではないだろうか。

 渡辺二冠が「人間が否定した手で負かされるのは辛い」とつぶやいたように私は聞こえたが、この△1六香が実は最善手であったなら、人間が長年培ってきた感覚(常識、法則)を覆されてしまったことになる。その3でも触れた「飛車先の歩交換の大きな得が実は得ではなかった」と人間の定理が否定されたようなものだ。

 その3で菅井五段の「中盤では見たこともない手順を指す」という言葉を挙げたが、この△1六香はコンピュータ将棋ソフトが人間とは異質な感覚(読み筋)を持っている典型的な例であると言えよう。


 そこで、羽生将棋とコンピュータ将棋の類似点だが、私の感触で述べるのは甚だ僭越ではあるが、「羽生三冠なら△1六香の指し手の可能性を考える」ような気がする。
 実際、私はあの辺りだけ生放送を観ていたが、あの局面で≪△1六香はないのかな?≫と思っていた。私の読み筋は△1六香▲2八角△3六金と金の活用と、次に△3七桂成と成桂作りと先手角の抑え込みが狙いという稚拙なものであるが、羽生三冠は、筋(常識)にとらわれず、「自分のマイナスが目立つ筋の悪い手でも、相手にさらに大きなマイナスを強いる指し手を選択する」ことがある(ような気がする)。

 羽生三冠本人も、かなり前に「1手前、あるいはそれまでの構想にこだわらず、局面を断片的に考えることも大切」と述べている。
 たとえば、飛車先の歩を突く手は▲2六歩、▲2五歩と突かないと、相手陣に脅威とはならない。だから、1手前に▲2六歩と突いた手が緩手であっても、その手を活かして▲2五歩と突く手が成立しないだろうかと模索する。
 しかし、1手前の▲2六歩がまったく無駄になったとしても、その手を引きずらずに、その局面を新たな目で捉えて最善手を検討すべきでるというのだ。
 これは、人生においても正しいような気がする。ここまで努力(投資)したのだから、その努力を無駄にしないために、もう少し頑張るというのは、その気持ちはよく分かるが、深みにはまって傷が大きくなってしまうことが多いのではないだろうか。

 この考えに同意して行っているわけではないと思うが、結果的にコンピュータ将棋はそれを徹底的に実践している。ちょっと悔しいが「羽生将棋はコンピュータ将棋に似ている(ところがある)」と言える。
 「電王戦 雑感その2」のコメントで、Stanleyさんが『ものぐさ将棋観戦記』さんの
『コンピュータ将棋には偏見や先入観がないと再三再四述べてきた。羽生善治は人間ではもっともクセのない棋士である。無個性が個性であって、決して指し手が固定した形にとどまらない。いわゆる「羽生マジック」も決して奇をてらっているのではなく、単に先入観で指し手を決めないだけである。・・・』
をご紹介してくださいましたが、私も「指し手を固定しない」のが羽生三冠の特長だと思っている。
 しかし、この「先入観にとらわれない」ということを他の棋士も実践しているように推測できる。とすると、羽生三冠の手が他の棋士の盲点や意表を突くことは、そう度々起こらないように思える。

 もちろん、「羽生マジック」は羽生三冠の発想の柔軟性や読みの射程距離の深さによるものかもしれない。しかし、最近、別の要因があるような気がしてきた。
 十数手先の局面を読む場合、そこに至るまでの手順を頭で辿るため、そこまでの手順に思考が引っ張られる傾向があるはずだ。
 しかし、誰かから「この局面、どう思う?」と図面を見せられた時のように、羽生三冠はまっさらな目でその十数手先の局面も考えられるからなのではないかと、そんな気がするのである。
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電王戦雑感 その3「コンピュータ将棋の特徴」

2014-04-23 19:57:52 | 将棋
⑤コンピュータ将棋の特徴と強さ
 さも理解していそうな表題をつけていますが、「ストックフィッシュ」(コンピュータチェスのオープンソースのソフト)や「ボナンザメソッド」などのイデアや理論は理解できていませんし、「700台のコンピュータを繋げて1人間と勝負するのは不公平」と考える古い人間であることを、お断りしておきます。

 さて、その強さや特徴だが(『第3回将棋電王戦公式ガイドブック』を参考にしています)
Ⅰ読むスピードが恐ろしく速く、解析する局面が半端でないほど多い
 第3回電王戦の統一ハードにおいては、「習甦」開発者の竹内氏は「1秒間400万局面、読む深さは20~30手」と答えている。「YSS]開発者の山下氏も同様な回答をしている。また「ponanza」開発者の山本氏は200万~400万局面と答えている。

Ⅱ膨大な棋譜(棋士やアマトップ)や定跡のデータベースを備えている
 この点で、「コンピュータ将棋ソフトは、人間の技術や研究をを使用しているので、棋士に勝っても人間を凌駕したとは言えない」と主張する考えもある(私じゃないですよ)。

Ⅲコンピュータソフトに対する棋士が感じる手ごたえ
 「序盤は隙があり、中盤は恐ろしく強く、終盤は強いがミスが出ることもある」が、共通の認識。
【序盤】
「序盤はかなり囲いを優先させる。不自然な形(手順)で玉を囲ってくることがある」(豊島七段)
「ソフトは評価関数によって形勢判断はできるが、大局観(全体の大まかな指針)がない」(勝又六段)

 棋士は相手の動きを見ながら流動的に駒組みを決めることができるが、ソフトは大まかな指針を立てられず、定跡や過去の棋譜を頼りに指し手を決めるので、不自然な手順や形になりやすい。 
 なので、少し前だと定跡を外すとソフトはうまく対応できないという傾向が強かった。

【中盤】
「中盤では見たこともない手順を指す」(菅井五段)
「中盤力に関してはかなり強い」(豊島七段)
「ゴチャゴチャした局面で正しい手を指す能力がすごく高い」(渡辺二冠)(…終盤にも該当)

 渡辺二冠が述べていたが、人間は二つの候補手の比較は正確にできるが、候補手が5つあると、一番悪い手を指してしまうこともある。
 コンピュータはそういう多面的に考えることを苦にしない。

【終盤】
「終盤で人間なら踏み込めない順を選んでぎりぎり勝つ」(菅井五段)
「中盤に比べたら終盤の方はまだ(人間も)戦えるかな」(豊島七段)
「たまに不自然な手を指して、ウッカリしているなと感じることがある」(豊島七段)
「ソフトだから終盤は絶対に間違えないということはない」(遠山五段)

 詰将棋を解く能力が非常に高いので、コンピュータの終盤は恐ろしく強いように思いがちだが、そうではないようだ。
 これに関しては、棚瀬氏(世界コンピュータ将棋選手権4度優勝者)が次のように解析している。
「人間はほぼ確実に起きる十何手後の局面において詰みのあるなしが大事だと思えば、それが長手数だろうが絶対に読むが、コンピュータは十何手後の二十数手詰め何て読んでいたら、リソースが足りなくなる」
 詰みだけではなく、出現する可能性が高い30手以上先の局面を、人間は察知して考えることができるが、万遍なく読むコンピュータは現段階では無理ということなのだろう。

 また、頓死も時々あるようで
「長手数の詰み筋では頓死することもある」(遠山五段)
「基本的に20手以上の詰みはなかなか読み切れず、15手詰めくらいでも無駄合いが入れば(無駄合いを考えてしまうので)手数が伸び、意外と頓死する」(遠山五段)
 なるほど、無駄合いも考えてしまうのか。

Ⅳコンピュータソフトの癖
「飛車先の歩交換を重く見ていない」
「数十手先を見通せない」→「飛車先の歩交換を軽視するなど、すぐに得が見えないものの判断が苦手」(ボナンザ開発者・保木氏)

 ただ、この飛車先の歩交換についての認識は多様である。
「飛車先歩の交換による手損より、歩が持駒になる得の方が大きい。
 その歩を攻めに使うだけでなく、その1歩があるために、相手の攻めを牽制できたり、相手の桂馬が跳ねてこられないということもある」(渡辺二冠)…飛車先歩の交換の得は揺るがない
「人間の方が若干正しい(飛車先の歩交換は得)と思うが、何でもかんでも得というわけではない」(船江五段)…戦型によっては、飛車先の歩交換を許しても構わない
「歩交換を許しても意外と悪くならない。人間が悪いと思い込んでいるだけ」(「ponanza」開発者・山本氏)

「コンピュータは対振り飛車の戦いが非常に強い」
「コンピュータ同士の将棋だと、居飛車対振り飛車戦は居飛車が圧倒的に勝ち越す」(「激指開発メンバー・鶴岡氏)だそうです。

 「もしかしたら本当に振り飛車が不利という可能性もありますし、コンピュータが振り飛車らしい指し方が苦手なのかもしれない」(鶴岡氏)とのことです。

 ただ、
「角交換振り飛車に対しては、あまり強くない。角交換振り飛車は飛車先を逆襲していくのが狙いの一つだが、その価値判断を誤って受け損なうことが多い」(船江五段)
だそうで、「角交換振り飛車は最近出てきた戦法なので、サンプルが少ないことも大きな要因」(船江五段)という理由も考えられる。同じ理由で「コンピュータは相振り飛車系の将棋が比較的苦手と言われている」と考えられている。


「コンピュータはこちらが居玉だと凄く無理攻めをしてくる(無理攻めをしてくることが多い)」(船江五段)
「ボナンザ以降の機械学習を行っているソフトは、居玉に対するマイナス評価が凄く高くなっている」(世界コンピュータ将棋選手権4度優勝・棚瀬氏)
 その原因として
「何万局というサンプルの総意として5九玉は良くないという評価が下される」(棚瀬氏)と機械学習の弱点かもしれないと語っている。

 渡辺竜王の言葉は、ボナンザ開発者の保木氏との対談で語られたものだが、この対談において、保木氏はコンピュータ将棋ソフトに関する解説役と、渡辺二冠の考えを引き出すことに徹していたように感じたが、最後に不敵な言葉を。

渡辺「いつか棋士、プログラマー双方が互いの腹を探り合い、そうした上での世紀の頂上決戦を見たいですね」
進行役記者「(渡辺二冠は)見られる側では?」
渡辺「もしその時、出るべき立場にいたら出ようかなという思いはあります」
保木「それは今すぐにもやってほしいですね。今年ならまだ渡辺先生がガチンコでやれば勝つ可能性が高いですから」
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