英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

大晦日……いろいろと雑感を

2013-12-31 16:18:46 | 将棋
 昨日、ちょっとしたハプニングがあり、防寒対策もなしに1時間ほど野外で作業することになり、風邪を引いたのか、やや熱があり、喉も痛いです。
 仕事は今日の午前中までで何とか終了、そのあと、ガラス吹きとエアコンのファイルターの掃除をして、「もう、何もせえへんぞ」状態です。
 ちょっと、ぼお~としていますが、一年を振り返ってみます。

★将棋界
 森内竜王・名人、強かったなあ。
 羽生三冠も名人挑戦は失敗したjけれど、その後、よく立て直したなあ。棋聖、王位、王座は防衛、王将位挑戦権獲得、順位戦全勝は流石だ。魅せた将棋も多かった。
 NHK杯3回戦敗退、日本シリーズ決勝敗退、棋王戦挑戦権獲得ならずは残念だった。
 今考えると、竜王位挑戦者決定トーナメントでの対局が、無茶苦茶大きい一局だった。
 渡辺二冠も、昨年秋からの竜王、王将、棋王、NHK杯など無敵、最強モードの反動があったのかもしれない。棋聖挑戦失敗、竜王失冠は痛いが、その後はしっかり立ち直りつつあるのは流石である。
 A級順位戦は、降級争いが熾烈。谷川九段大ピンチだが、幸い、降級争い(しまった!「残留争い」だった。こてくんが指摘)のライバルが多いので残り全勝は難しいにしても、2勝1敗の3勝6敗で終わったとしても、残留の可能性がある程度残っているのが救いだ。

6勝0敗…羽生(1)
4勝2敗…渡辺(4)、深浦(7)
3勝3敗…佐藤康(6)、行方(9)、久保(10)
2勝4敗…三浦(2)、郷田(3)、屋敷(5)
1勝5敗…谷川(8)

( )内は順位
 7回戦は、羽生-久保、三浦-郷田、渡辺-谷川、屋敷-深浦、佐藤-行方戦が組まれている。A級安定勢力の三浦-郷田戦、ともに2勝4敗でこれに敗れると相当寒い状況になってしまう。恐ろしいリーグ戦だ。
 ただ、現在の棋力(調子)を考慮すると、降級は谷川九段、行方八段と見ている。

★どうでもいい話題
 DNA鑑定の結果、大沢樹生の実子じゃなかった……サスペンスドラマで、こういう事実を隠すため殺人の動機となってしまう重大事項。
 鑑定することの是非はともかく、こういう事実を公にさらす当事者、さらに、平気で報道のネタにしてしまうマスコミ……一体どうなっているのだろう!

★フィギュアスケート日本選手権、女子シングル
 浅田選手の不調は残念だった。
 しかし、鈴木選手のフリーの140点越えはあり得ない。素晴らしい出来だったと思うが、ジャンプの難易度・質はそれほど高くなく、ほとんどのスピンは軸がぶれグラついていた。すべてが最高に近い演技でないと140点を超えるのはおかしい。
 とにかく、フィギュアスケートの採点は妙なことが多すぎる。もっと厳正にしないと競技自体の価値が下がってしまう。
 技の実況しかしない解説者、軸がぶれていたりスピード不足のスピンも高く評価する解説者、低空飛行のジャンプを「高い」と評価する解説者。テレビ局も、もっと解説のレベルを上げるよう要求すべきである。
 できれば、独自の審判団を用意し、競技終了後独自の採点を算出してはどうか。

★2013年ドラマ、個人的ベストテン
1位 空飛ぶ広報室
2位 ダンダリン
3位 半沢直樹
4位 リーガルハイ
5位 幽かな彼女
6位 妻はくのいち
7位 救命病棟24時
8位 泣くな、はらちゃん
9位 確証~警視庁捜査3課
10位 真夜中のパン屋さん
次点 相棒、ガリレオ2

 9位以下は流動的で、明日考えると違うランキングになっているかもしれません。(相棒とガリレオは失望感が強いのでベストテンには入れません)

★不満いっぱいの政治家、政策
 一度政局の中心から転落した自民党だが、「国民はどうでもよい、自分たちが潤えば良い」「選挙が一番大事」という傲慢さは、少しも改まらない。
 問題点だらけの原発を継続、企業優遇措置、靖国参拝問題……書き始めたらキリがない。

 池上先生に総理大臣か東京都知事になっていただきたい。

★私事では、忙しかったなあ
 忙しくても儲かったのなら文句は出ない。お金は貯まらず、溜まるのはストレスと疲労だけ……
 夏から今日まで一日も休みがなかったが、割と体調は良い(今日は別にして)。
 明日から3日まではゆっくりできると思うが、その貴重な時間のうちの半分近くを駅伝(実業団駅伝、箱根駅伝)観戦で消費してしまうのはどうかと思うが、やはり、中継を観てしまうのだろう。成人の日辺りにして欲しいが、交通事情などから無理であろう。


 こうやって一年を振り返り?記事を書くことができるのは幸せなことなのだろう。
 また来年も、いろいろ駄文を並べますが、見捨てることなくお付き合いください。
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初積雪

2013-12-28 21:39:37 | 気象
 今年は、晩秋から気温は低めに経緯し、特に12月12日以降は寒気が南下傾向で、これまでにも2、3度、真冬並みの寒気が襲来していた。しかし、福井県は初雪は記録したものの、平野部ではほとんど積雪はなかった。

 今回の寒波はこれまでと同程度のものであったが、綺麗な縦じま模様の西高東低の冬型の気圧配置となったため、この冬初めての積雪らしい積雪となった。
 午後九時現在、福井市3センチ、越前市10センチ、大野市21センチ、南越前町今庄31センチ、敦賀市15センチ、小浜市14センチと福井県嶺北南部から嶺南地方(若狭)中心の降雪となった。
 ただ、今回の寒気の大きさはそれほどではないので、日曜日には冬型も緩み始める見込み。とは言え、低気圧がオホーツクで、950ヘクトパスカルと波の台風以上に猛烈に発達しているので、北日本は大変かもしれません。

 と、堅い話はここまでにして、この冬、最初の雪景色をご覧いただきます。

 大虫町(越前市)から安養寺(越前市)に抜ける峠道です。写真の場所は大虫の滝への入り口付近です。この道を数百メートル上ると、2011年5月25日記事「シャガとキンポウゲ」の付近となります。
 割と深い谷なので10時~3時ぐらいしか日が当たりません。なので夏は少し神々しい雰囲気があり、冬は路面が凍結しやすく油断ができない道です。


 ちなみに、越前市に向かう方向は

こんな感じです。

 帰り道でも撮りました。大虫の滝付近から上って峠の頂上付近です。

 本当は、この2地点の中間付近の雪景色が綺麗なのですが、車を停める場所がないのが残念です。

 昼間は雪が薄っすらという程度でしたが、夕方から雪が強く気温も低いので積もり始めました。


 出来れば、年内は雪かきはしたくないです。
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自分の思いを優先させた安倍首相、一国の元首としてはどうなのか?

2013-12-27 22:33:43 | 時事
「戦場に散った英霊の為にご冥福を祈り、リーダーとして手を合わせる。
 これは、国際社会共通のリーダーの姿勢ではないかと思う」(安倍首相)
「ひたすら祖国の為を思い殉ぜられた方々に尊崇の念を表し慰霊をするということですから、
 その総理の真意を分かっていただければ、中国、韓国にも総理の思いをご理解いただき、
 冷静な対応をするということを期待します」(石破幹事長)

 この安倍首相や石破幹事長の上手な弁明を聞くと、
「個人の信仰・宗教観・思想で参拝するのだから、他人(他国)がとやかく言うことではない」
という、みんなの党・水野政調会長の意見を代表する容認の考えも一理ありそうだが……(こういう考えで容認する一般の人々も多い)

 靖国神社参拝は、いくつかの問題が絡み合っている。
 まず、
1.首相の立場にいながら、個人の思想を優先してしまってよいのだろうか?
 上記の首相や幹事長の主張を、日本を敵視する、あるいは敵視することで国論をまとめようとしている中国や韓国に理解してもらうことは現段階では非常に難しい。これは、近年の政情から分かり切ったことである。
 なのに、何もわざわざ靖国神社参拝をして、日本非難の材料を提供する……一国の首相であるにもかかわらず、自分の思いを優先させて国益を損なう行為を犯してしまう。それこそ、一国のリーダーとしてはどうなのか?!
 靖国参拝の波紋が小さくないと予測できたはずなのに強行したのは、個人の思いもあるかもしれないが、大きな要因としては
「“決意を持って行動する首相”というものを演出しようとしている感じがする」(一橋大学大学院・吉田裕教授(日本の近代史が専門))という説。一理あるとおもうが、そうだとしたら、首相の人間的傲慢さを感じる。
中国・韓国の激しい反発、アメリカの遺憾の意志までは汲み取れなかった。
 この一年の安倍政権は、かなり時流が後押しした幸運があったが、それを自分の手腕だけの結果と勘違い。もともと、甘目の先の見通しを立てる政治家で、自分の予想の通り事が進むと思ってしまった。
 話が横道に逸れるが、社会保障のための消費税アップなのに、増収分の多くを景気対策に回すという迷走ぶり(余計に課税して集めた税金を、偏った産業や国民の層にばらまくだけ)。強い意志を示すのなら、消費税アップの本来の目的を見失わず断行して欲しい。
保守の支持層との約束を果たしたいという思いがあったというが、この“保守の支持層”とはどういう人たちなのか?国民一般の支持者を指しているのか、そてとも、自民党、あるいは政治家の“後ろ盾”なのだろうか。

2.靖国神社参拝の意味
 やむを得ない当時の事情があったかもしれないが、A級戦犯者は多くの戦死者を出してしまった責任がある。その彼らがが一般の戦死者と合祀されていること、そのことが正しいか間違いかは難しい(私も分からりません)が、それを多くの国民が容認している。
 日本人はつくづく寛容な国民性だと思う。日本人の良さとも言える。
 ただ、そういう思いを他の国の人が理解してくれない、あるいは、理解しようとしてくれないという現実もある。

 安倍首相が自分の思いを優先したいのなら、総理大臣を辞めて堂々と参拝すればよい。
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「取り敢えず警戒情報を出しておこう」……『大雪に関する異常天候早期警戒情報』

2013-12-25 14:29:46 | 気象
 昨日(24日)、『大雪に関する異常天候早期警戒情報』が出されました。
 何だか仰々しい情報ですが、週間予報より先の天気に対して警戒を呼び掛けるモノとのことです。
 具体的には週間予報より先というと来年の1月1日以降ということになりますが、その内容は
「12月29日(日)~1月4日(土)の1週間、降雪量が平年よりかなり多く(10年に1回のレベル)なる可能性がある」というものです。
 まず、この「平年より」という表現がくせ者で、確かに年の瀬から新年に掛けても大雪になる例は珍しくないのですが、まだ寒(小寒、大寒)に入っていないので、「平年値」としては降雪や積雪はそれほどのものではありません。
 なので、1月下旬に「平年より降雪量が多い」と言うのと、年の瀬に「平年より降雪量が多い」というのでは、実際の降雪量はかなり違うということになります。今年の年の瀬は、ある程度の20~30センチは積もるかもしれませんが、その仰々しさから感じられるほどの大雪にはならないと考えられます。
 この「平年に比べて」という考え方は、誤った印象を与えます。雨や雪の少ない月に、そこそこの雨や雪が降った場合、気象情報は「○月としては過去最高の降水(雪)量」とか「平年の2倍の積雪量」と表現することが多いです。
 たとえば、12月24日の福井市の平年の積雪は7センチで、普通よりは多い雪が降り積雪が15センチになったとしたら、「平年より2倍以上の積雪となりました」となります。15センチの積雪は嫌ですが、「大雪」と言うには到底届かない雪です。
 これが1月下旬だと「平年より2倍以上の積雪」は、46センチ以上の積雪tろなり、かなり大変な雪です。

 そもそも、日常は平均値ではなく刻一刻の状況なので、それを平均値(平年値)を尺度として表現することがナンセンスなのです。

 今回の警戒情報の詳細(気象庁ホームページ)を見ると、
「12月29日~1月4日、その地域に降雪量が「かなり多い」確率が30%以上ある」(北陸、長野県北部・群馬県北部、岐阜県山間部、近畿日本海側、山陰)
ということでした。
 
 「降雪量がかなり多い」「確率が30%以上」……不確か過ぎます。
 NHK福井では「降雪30センチ」という表記があったように思いますが、大げさな割には曖昧すぎます。
 それに、たとえ雪が大して降らなくても、確率が30%なので「外れた」という批難は受けません。
 警戒するに越したことはありませんが、平年と比べての評価や、その表現のあいまいさ、さらに情報発信の責任の無さを感じます


 それはともかく、今週末の28日(土)、29日(日)は寒くて日本海側は雪が降りそうです。
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『ダンダリン 労働基準監督官』 最終話

2013-12-21 22:31:07 | ドラマ・映画
何のために働くのか?
 一般的にはお金を得るためである。ただ、それが最終目的になってしまうと、あさましい人生になってしまう。
 人は幸せになりたい。幸せになるためには(悲しいかな)お金が重要な要素であり、そのために働くのが通常の人々。仕事そのものに生きがいを見出せるのが望ましいが、なかなか難しいのが現状。辛いことの方が多い……
 「楽して儲ける」あるいは「金儲けが目的になる」状況に陥りがちであるが、自分の職業(仕事)の本質をしっかり見極め、その仕事の本分を尽くすのが大切である。

 今回、「楽して儲けよう」としたのが胡桃沢、「金儲けが最終目的」になってしまったのが飯野(旧姓・御子柴)社長)の二人を反面教師として、このテーマを展開し、ビシッと凜が言及して、気持ちよかった。理想主義のきらいがあるが、ドラマだからこのくらい言い切ったほうがよいだろう。(若干、飯野社長を糾弾するシーンは切れを欠き、冗長感があったのが不満)
 南三条を罠にかけた美月の父・小西(布施博)のエピソードもよかった。凜の糾弾によって会社がなくなり職を失ってしまったが、「当時より現在の方が幸せだ」という小西の言葉に、凜の心が少し軽くなったという面もあるが、今回のテーマの説得力を増した。

 また、窮地に陥った南三条や凛を救おうと署長や監督官の奮闘ぶりもよかった。
 ただ、小宮が多数の男友達に協力させるのはどうなのか……。男たちが勝手に親密度をランク付けしているのだろうが、それを容認(利用)している小宮は、やはり好きになれない。
 あと、胡桃沢の目を欺くため官舎から凜の荷物を運び出すシーンをドラマの初回、中盤、最終回と3度も見せたのは、思わせぶり過ぎ。(しかも、ストーリーの流れとは言え、喪服(礼服)姿)


 最終回というか、このドラマの大きな要素であった凛の親友で社労士だった岸本の死については疑問が大きい
 凜が労働基準監督官の職務に燃えていて、親友ならそういう凜を理解しているはずで、その凛の気持ちを曲げさせる「見逃してくれ」という言葉を吐いてしまった岸本の方が罪が大きい。
 そもそも、会社をそんな状態になってしまったのは岸本に一因があるはずで、岸本が死を選んでしまった責任をすべて凜が背負ってしまっているのはおかしい。
 その会社社長、そして上司であった相葉もかなり責任があるように思う。



 私の個人的な好みとしては、この凜の過去云々の話は無しにして、労働問題に絞って掘り下げてほしかった。また、他の署員ももう少し魅力的にして、凜と個々を関わらせてほしかった。
 とはいえ、今クールの中で一番面白かった。視聴率が低かったのは残念。


【ストーリー】凛(竹内結子)が、遂に監督官を辞める決意を固めた。厳しくも頼れる“指導係”に辞められるわけにはいかないと凛を引き留めようとする南三条(松阪桃李)に、凛は心の傷を告白する。新人時代、社会保険労務士だった学生時代の親友・岸本(金井勇太)が担当していた会社を凛が倒産に追い込み、その責任を感じた岸本が凛の目の前で自殺してしまったのだ。そして1年前、飯野(柄本明)が経営していた御子柴電機を凛が倒産させたせいで、今度は南三条を苦しめている。凛は、それに耐えられなくなってしまったのだ。

しかし、そんな凛を南三条が叱り飛ばした。飯野が再び経営者としてアプリドリームの労働者を苦しめているなら、彼らを救うことこそが凛の仕事だからだ。南三条の思いを受け止めた凛は、翌日、ある決意を持って出社。そして、南三条の無実を証明するために、真鍋(佐野史郎)や土手山(北村一輝)ら全員一丸となって各所に聞き込みにあたることになる。同じ頃、相葉(賀来千香子)は、凛を巡る陰謀に胡桃沢(風間俊介)が関係していることを感じ、不安を覚えていた。

そんな中、アプリドリーム社員で南三条を罠にはめた美月(石橋杏奈)が、かつて御子柴電機の窮状を訴えてきた小西(布施博)の娘だと気付いた凛の言葉を受け、土手山が小西のもとへ。しかし美月と絶縁状態の小西が、美月の居場所を知るはずもなく…。

南三条の送検まで1時間を切った。胡桃沢に行動を監視されていた凛は、遂に真鍋に退職届を提出。南三条の被害届が取り下げられたのを見届けて、凛は監督署を去って行った!!南三条たちは凛の退職届を破棄するよう真鍋に迫るのだが、既に労働局から凛の公務員宿舎の立ち退き命令が出ていて…。このまま凛は、労働基準監督官を辞めてしまうのか!?
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猪瀬都知事辞任は仕方ないとしても

2013-12-18 23:56:02 | 時事
「裏金」「賄賂」……
 辞任は仕方がないにせよ、稚拙な借用書、一貫しない、説得力ゼロの釈明と、都知事の資質も疑われてしまう。
 心配なのは、東国原氏がしゃしゃり出てきて当選してしまったら嫌だな。東京五輪を東国原氏が仕切る画は観たくない。東京都民、都知事の資質をしっかり見極めてほしいものだ。(氏は、前々回知事選で東京五輪に反対していたが、それを仕切りたくて議員を辞職したに違いない)
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『八重の桜』 最終話 「いつの日も花は咲く」

2013-12-18 20:55:44 | ドラマ・映画
レコーダーが不調で録画できず……
最初の10分間は未見です。録画できなかったので、レビューを書くにあたっての検証もできず、セリフもあいまいです。


まず、未見の10分間。番組サイトによると
「1894(明治27)年、八重(綾瀬はるか)は従軍篤志看護婦として広島陸軍予備病院で日清戦争の負傷兵たちを看護していた。院内ではコレラや赤痢などが発生し危険な状況だったが、八重は感染にひるむことなく勇敢に看護に従事、若い看護婦たちを見事に統率する」
 男性衛生兵に邪険にされ、感染の危険も顧みず、敵味方の隔てなく看護に励むシーンが展開されたと思われる。

 この広島で、徳冨蘇峰に遭い、富国強兵(国家膨張主義)に傾倒する彼を諌めた。(この点について、後述)

 看護活動の功績がたたえられ、皇族以外の女性では初となる宝冠章を受章した。

最終話の主題は八重礼賛、会津の名誉回復
 叙勲の意義は大きい。皇族以外の女性では初めての受章で、「朝敵」の汚名を着せられていた会津出身者の叙勲は、名誉回復の象徴の一つで会津者にとってはこのうえもない喜びであったと思われる。
 (最終回ということで、“懐かしの顔”総出演!(山川兄弟は準レギュラーだが))
 ドラマでも、この報に藤田五郎(おお、そういやぁ居たなあ)、時尾(もっと登場するかと思ったけれど。藤田夫妻は番組サイトの第46回以降の登場人物欄から消えていた)、山川二葉(逆に思ったより登場した)、山川浩(山本家の身内以外では最多登場?)、山川健次郎(腕相撲での兄弟で声を張り上げたのが印象的)らも自然に登場し、その叙勲の意義を表現した。

 彼らに比べ、久栄の死はナレーションだけ。あいつ(徳冨蘆花)はちゃっかり登場し、蘇峰を批判し、「人間の真実を描く」と偉そうなことを言っていた。キミに「人間の真実」を語ってほしくないなあ。

 徳川慶喜も登場。
 「江戸、無血開城」で「江戸を守った」と自ら手柄を主張したが、しっかり勝海舟に訂正されていた。
 この人の頭からは会津のことは消し去られていたのね。容保がこの場に居たら、首を絞められたことだろう。勝も静かに訂正するのではなく、激怒して欲しかった(無理だろうけれど)
 慶喜役の小泉孝太郎は、かなり痩せていたように見えた。老いと時の流れを表現するために痩身したのだろうか?

仙人・頼母
「新政府がどんな世の中をつくるのか、見届けてやろうと思った。しかし、戊辰戦争以来、目に焼き付いたのは、苦しい時でも懸命に生きようとする人の姿、笑おうとする人の健気さだった」
「あの戦から立ち上がって、勲章まで頂くとは…。
 立派な会津の女子だ」
「八重! にしは桜だ。花は散っても、時が来るとまた花を咲かせる。
 何度でも、何度でも花咲かせろ」
 東北へのメッセージとヒロイン礼賛だ。

ラストボスは蘇峰
 蘇峰は国民の士気を鼓舞する記事を書くのを優先すべきと主張、同志社の精神は置き去り
「国家の為、愛する国の為」
「言論が人を動かす」

 報道者が思想を持つのは良いが、まず、第一の使命は真実を伝えること。その上で、客観的に状況を分析して意見を述べるべきである。
 初めから世論の誘導が目的の報道は絶対あってはならない。八重も襄の思想を蘇峰に説いたが、今一つ弱い。
 挙句の果てに、最後の銃弾を撃つとしたら……
 暗雲垂れこめた天(困難)に向かって撃つ。雲が開き、光が差し込む。空に数多くの傘(希望)が開く。
「わたすは、あきらめねえ」


 感動のラストシーンだったと思われる。
 個人的には、確かに八重は激動の時代、苦難を切り開いて突っ走った。
 ただ、ドラマでは八重の慟哭や葛藤が描かれてこなかったので、共感は薄い。
 実際の八重はともかく、「鉄砲を撃ちたい」(本能、血統?)、「これからは学問は力だ」(覚馬の教え)、「同志社(大学)を創ろう」(襄の意志)「看護を学べ」(覚馬の命令)「茶道」(趣味)と、眼前にある目標に突き進んでいき、その時々で主人公らしい良い台詞を言い放っただけのように思える。「えっ、この台詞を八重が言って、場を締めるの?」と思ったことが多かった。まあ、主人公なのでそれでよいのだろう。
 最終話も、ラストもうまく締めくくったが、やはり、その場その場で八重を立ち回らせた感がある。「あきらめない」というメッセージはすごく良い。しかし、蘇峰との議論の答としてはおかしかった。

 

 ドラマの最後は蘇峰はあまりの扱いだったと思う。もちろん、「事実と違う」とドラマを否定するつもりは全くなく、蘇峰を擁護するつもりもない。
 ただ、実際は八重は茶道の為、高価な茶器や道具を買い続け、襄の遺産を浪費し、同志社にまで寄付(借金)を求めた。これではいけないと、同志社に新島邸を買い取らせた。
 表向きは、「新島八重が新島邸を同志社に寄付し、同志社は寄付に感謝して新島八重が死ぬまで毎年600円を支給した」ことになっている。

 俳優さん、スタッフのみなさま、おつかれさまでした。


【ストーリー】番組サイトより
 1894(明治27)年、八重(綾瀬はるか)は従軍篤志看護婦として広島陸軍予備病院で日清戦争の負傷兵たちを看護していた。院内ではコレラや赤痢などが発生し危険な状況だったが、八重は感染にひるむことなく勇敢に看護に従事、若い看護婦たちを見事に統率する。
 その功績がたたえられ、皇族以外の女性では初となる宝冠章を受章した。このことは新聞にも取り上げられ、二葉(市川実日子)や時尾(貫地谷しほり)は自分のことのように喜ぶ。そんななか、再び日本はロシアとの戦に向け動き出す。戦が起こらない世を願う八重の胸中は複雑だった。そして、晴れない気持ちを抱いたまま帰郷した会津で、八重は頼母(西田敏行)と久しぶりの再会をする。頼母に励まされ元気を取り戻した八重は、また新たな道に向かって歩み続けていくのだった。
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『相棒season12』 第9話「かもめが死んだ日」

2013-12-14 20:13:19 | ドラマ・映画
ブラックボックス的推理
A群=過去の出来事
①皆子は“性質(たち)の悪い女”だった(外面は良いが、借金を踏み倒すような女)
②坂田は、皆子にぞっこんだった
③皆子の昔の男の古畑が皆子の勤めるスナックにやってきた(追いかけて探し出した)
④皆子は古畑から逃げていた
⑤その場に、坂田も居合わせた
⑥その出来事の後、皆子は店を辞めた
⑦坂田も店に来なくなり、皆子とも切れたらしい
⑧古畑は、その後、現れなかった

C群=最近までの出来事
Ⅰ錦糸町(昔の居住地)から向島(現在の居住地)は、それほど離れておらず、逃亡にしては中途半端な距離
Ⅱ近いにもにもかかわらず、6年間一度も古畑は現れず、消息も不明
Ⅲ坂田は4年前、結婚した
Ⅳ“悪そうな男が付きまとう女とは付き合えない”と別れた女と、結婚一年後にかかわらず仲が復した
Ⅴ皆子の方から、誘いの電話が掛かった
Ⅵ再会した皆子からも、坂田の方からも、古畑についての話題は出さなかった
Ⅶ皆子は、6年前に高級マンションを一括購入(男に貢がせたと皆子は言った)、現在も贅沢な生活をしていた

A群⇒B群(=6年前から最近までに起きたこと)⇒C群
 B群がブラックボックスに相当し、A群とC群からブラックボックスの中身を推理する


1.A群とC群のⅠ、Ⅱより、古畑は死亡している
2.C群のⅦのマンション購入費は、坂田が払ったものであろう。
  マンション購入の頃(6年前)、ふたりが別れた(A-⑦、6年前)ので、貢がせたというよりは手切れ金的なもの
3.過去に大金を払ってまで別れた女からの誘いに、妻帯者となっている坂田がノコノコ出向くものなのか?手切れ金としては額が大きい(C群Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ)


ここで、右近はブラックボックスの中身が分かったらしい。
「キミは、心底愛した女性の為に、人を殺すことができますか?」

4.皆子とヨリを戻すうえで、災いとなるであろう古畑の存在を気にしないのは、その心配がないこと(死亡していること)を知っていたからである。
 さらに、皆子との会話で古畑の話題が出なかったのは、古畑死亡の共通認識があったからである。(C群Ⅴ)

5.二人が古畑殺害においt共犯関係にあるのなら、ふたりの関係が親密になるはずだが、実際には関係が切れており、手切れ金まで払っていた。
 つまり、ふたりは対等ではなく、坂田が実行し、皆子はその事実を知る立場にあった。しかも、皆子は殺害には関与しておらず、坂田の単独で自発的犯行だった。(C群Ⅶ)

「あんた、バカじゃないの?
 女の為に人殺しなんて…。
 ねえ、このこと黙っていてほしい?
 警察に捕まりたくないでしょう?」



「とんでもなく悪い女に、魅入られたもんだなあ」(by伊丹)
300万の無心を断られた皆子は、古畑の件を、(警察に言わずに)妻に言うと脅す。
(警察に言われれば、それで終わることができるが、妻に話した方が坂田が苦しみ、効果的なのを皆子は知っていた
「そう、用意できないんだ。
 (坂田の頬を平手打ちし)
 あたしのことを甘く見ないでね。
 明日、奥様にお会いできるのが楽しみだわ」



「そこまでにしましょう。
 気持ちは分かりますが、警察官のキミが言うべき言葉ではありません」
「ただ……彼がひどく哀れに思えて」
「(坂田が)供述を翻すようであれば、改めて僕が対処します」
「杉下さんなら、あそこ(橋脚)をぶち壊しそうですね」

 享は古畑殺害の証拠は坂田の供述だけで、立証するには橋脚に埋められた死体を掘り起こさなければならなず、不可能に近いと言及し、坂田は皆子殺害の罪だけで充分ではないかと、杉下につぶやく。
 甘酸っぱい初恋の思い出が、無惨にへし曲げられ、砕け散ってしまった享だった。

 いつもは、物分かりの良い単なる助手だったが、今回は自らの意思で動き、親に遺体引き取りを拒否されるほどの皆子の人生を検証するため新潟(長岡)にまで行った。右京とも意見を少し衝突させた。
 遺体の引き取りを拒否する親っているのだろうか?かなり疑問を感じたが、確かに“とんでもなく悪い女”だった。
 ただ、親がそこまで思ってしまうほどの皆子の悪行の描写はなかった。それに、皆子から両親へのハガキは享に皆子の足取りを追わせるためだけのモノだったように思えた。皆子が、わざわざ自分の行方を知らせるような女とは到底思えず、非常に不自然に感じた。

 それにしても、享の思い出の中では純真な少女だった皆子であったが、いつから、性悪女に変わってしまったのだろうか?彼女をここまで変えてしまった原因は何だったのだろうか?古畑が原因だとは思えない。
 そもそも、あの「淡い結婚の約束」は……彼女の本心だったのだろうか?
 生まれつきの悪女で、あの約束も偽りのもので、このころから男をたぶらかす術を身に着けていたと考えた方がスッキリする。


 今回のオチは、お互いのペア(右京&幸子、享&悦子)が「似合いのカップル」と感想を述べ合うものだったが、それより、皆子の葬儀で、小学校の同級生の男子が何人もやってきて、「お前も結婚の約束をしたのか?」と言い合う方が面白いと思う。

【ストーリー】番組サイトより
 都内の老舗料亭の庭で芸者の小鹿こと皆子(三津谷葉子)の他殺体が発見された。なじみ客の源(外波山文明)のトイレのお供に出たまま姿を消していたが、その間に殺害されたらしい。

 被害者の皆子は、実は享(成宮寛貴)とかつて結婚を約束した仲だったのだ。いてもたってもいられず享は独自に捜査することに…。享は新潟へ行き、皆子の過去を調べるがとんでもない事実が次々と明らかになる! そんな享に引きずられるように右京(水谷豊)も東京で事件の捜査に乗り出す。

 かつて享と結婚を約束した皆子が転落したような人生を送り、挙句の果てになぜ殺されなければならなかったのか? 彼女をめぐる3人の男たち、その中に意外な犯人がいるのか!? それとも…。

ゲスト:三津谷葉子、高橋洋、外波山文明、入来茉里

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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ワールドグランドチャンピオンズカップ2013 その3「新戦術“MB1”の再考察」

2013-12-12 00:48:05 | スポーツ
(ドラマレビューや日常に流されて、ずるずると今日に至ってしまいました)
 ワールドグランドチャンピオンズカップ2013でベールを脱いだ日本の新戦術“MB1”!
当初私は、「その2」においてかなり否定的な記事を書いた。
 その記事のコメント欄で、懇意にさせていただいているエスカルゴさんに“対抗意見”をいただきました。“対抗意見”という言葉があるかは知りませんが、私の記事を否定するのではなく、≪同意するところもあるけれど、これこれこういう点では異を感じる≫というニュアンスです。
 “十人十色”と言いますが、ある人が意見を言えば、それに対して、全面的に賛成する方もいれば、少し違うと思うけど賛成、どちらかと言えば賛成、う~んどうなんだろう、ちょっと違うだろう、お前何言うてんねん!と、0度~180度多種多様です。
 エスカルゴさんは、精度の高い分析力と深い考察力で論理を展開される方で、私は1目も2目も置いている方です。そのエスカルゴさんに、「私はこう思うよ」と意見をいただくと、私もくるりと向きを変えて、「ええ、確かにそうですよねえ。おっしゃる通りです」と言ってしまいそうです。
 実際、いただいたコメントも私の考えをぐらつかすに十分なものでした。まず、そのコメントをご紹介します。

【引用】=================================
さて、MB1ですが、ネーミングのセンスはおいといて、その戦術の発想は私は素晴らしいと思っています。確かにこれは正攻法の戦術ではなく、奇襲、あるいは野村克也監督の言う「弱者の戦法」という面があると思います。つまり、普遍的にどのチームにも通用する王道
の戦術ではなく、日本女子の現状を考えた上で、日本女子の現状に合わせて生み出された戦術だということです。

もちろん英さんもおわかりになっていらっしゃると思いますが、ずっと続いている日本女子の問題点は、強力なミドルブロッカーが存在せず、はっきり言ってコートに入っていてもミドルブロッカーが機能していない状態になっている、その結果、ウイングスパイカーに相当な負担がかかっている、ということです。

世界の強豪チームのMBと比べれば、その差は歴然としていますが、ブロック得点が少ない、というかほとんどないMB、クイック攻撃の得点も少なく、場合によっては相手のブロックがマークしてこないMB、というのが、現状の日本女子のMBの姿です。

それに比べ、日本のウイングスパイカーは木村、江畑、新鍋、迫田、石井、長岡など、世界でも十分に通用する選手がだぶついています。MBを2人使っていても、たいしてブロックやクイックによる得点が期待できないのであれば、WSを一人増やした方が、得点力が増す可能性はかなり高いと言えます。(そして実際にそうなりましたね)一説によると、真鍋監督はMB0をも視野に入れているとか。懸念材料としては、ブロック力の低下が考えられますが、迫田はよく頑張ってワンタッチを取っていましたし、もう一人、本来起用されるはずだった(途中のケガで迫田と交代)長岡も、ブロックはそこそこ跳べると思います。

それより何より、現在のMBである岩坂と大竹の働きが、やはり目に見えて貧弱だと言わざるを得ません。昔の日本女子は全員がクイックに跳べる選手だった時代がありましたが、真鍋監督はそうした発想をも視野に入れているのかもしれません。要は今いる選手の特長を最大限に生かすチーム作りをする、ということです。

もう一点、セッターについてですが、私もリオでは宮下遥(又は狩野舞子)を使って欲しいと思っています。というか、たぶんほとんど誰もがそう思っていますよね。しかし、この間8、9月に行われたワールドグランプリや世界選手権アジア予選では、宮下のプレーはブロックやレシーブなどに高い能力を見せたものの、肝心のトスは不安定さを露呈し、スパイカー陣を困惑させる場面もしばしばありました。今回のMB1お披露目の大会では準備期間も短く、今までにない新しい布陣のため、セッターのトスの安定は絶対条件だったと思います。そのため、中道とその控えに永松が選ばれていたのは当然の選択だったと思われます。

宮下に対する期待は大きいだけに、今は基礎体力の強化や基本となるトスの安定のための練習に打ち込んで欲しいところです。

MB1は、まだまだ始めたばかりでまだまだ進化する可能性を大きく秘めた戦術だと思います。強力なMBが新たに出現すればまた考え直す必要もあると思いますが、現状では今のチームに合った戦術だと思われます。何よりも、リオ、東京五輪で銀、金メダルを目指して行くのであれば、ブラジル、アメリカの2強に対抗する手段としては、これが最上ではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。
=================================【引用 終】


 エスカルゴさんの意見を要約すると、ミドルブロッカーが弱い日本チームが世界と戦うのに、“MB1”は有効な戦術である」
(以後、ミドルブロッカーを“MB”、ウイングスパイカー(レフトプレーヤー、ライトプレーヤー)を“WS”と表記)
 近年の日本チームはMBが弱く、WSは人材豊富。攻撃が機能しないMBを2人使うより、1人に減らしWSを増やした方が攻撃力がアップするという理屈で、「確かにそうだ」(笑)。←嘲笑ではないです。
 私の「MB1否定論」は、世界トップ水準チーム(MBも強い)に於いては正しいかもしれないが、日本チームに於いては、当てはまらないかもしれない。(「トップ水準チームにおいては有効ではない」という持論は、今でも譲れません)
 しかし、私も「その2」を書いた時、WGCC(“グラチャン”という略称が嫌いなのでこう表記します)を観ての考察だったはず。となると、≪私の目は節穴だったのか?≫……そうかもしれない。

 と言う訳で、今一度、日本チームの現状を意識して、再考察します。
1.日本チームのMBの機能状況
 確かにMBは日本チームの弱点である。ただ、MB陣の名誉の為に言っておくと、日本のMBが日本のWSのバレーボール力に於いて劣ってはいない。ただ、MBはネット中央から攻撃を行うのでブロックを合わせられやすい。高さが互角以上なら攻撃が読まれても何とかすることができるが、高さに劣る日本のMBがマークされた場合はシャットアウトを食らいやすい。
 なので、よほどレシーブがAパスになり、相手のマークが甘くなっていないとセンター攻撃は使えない。

2.スパイク力が弱く、レシーブの良い日本チーム
 スパイク力がなくレシーブが良い日本は、ラリーになりやすい。一昔前の大型チームはレシーブが下手でラリーが続けば日本が有利になったが、最近はレシーブをつなげて大砲が強烈なスパイクを打ち込みラリーを制してしまうことも多い。とは言え、レシーブを繋げてラリーに競り勝つというのが、日本の主張点であることには変わりはない。
 ラリー中はレシーブをAパスにすることは難しく、日本の場合はMBの攻撃を駆使し難い。
 また、MBは足元のレシーブや、トスを上げるのは苦手なので、ラリー中はそういった繋ぎのプレーが重要となる。
 ラリーの多い日本チームの現状を考えると、MBプレーヤーに替えてWSプレーヤーを起用した方が、機能的であると言える。
 ただ、ひとこと言わせていただくと、WSを多くして相手のマークを分散させても、ラリー中はオープントスが主体となり、相手のブロッカーもマークしやすくなるので、Aパスに近いレシーブが上がったら、無理してでもクイックやブロードのセンター攻撃を見せないと、WSがスパイクを決めることが難しくなる。

3.WGCCでの効果
 MBの代わりに入った迫田選手が、相当な得点を挙げていたことを考えると、“MB1”はかなり機能したと言える。1、2で考察したMBの弱い日本チームの欠点をカバーしたように思う。
 前記事で「MB1を採用しても、攻撃の幅は広がらない」と述べたが、攻撃の選択肢は増えていると考えられる。
 ただ、MBポジションの迫田は全力でしかも相当の回数ブロックに跳ばなければならなかった。さらに、後方から走り込むバックアタックのような“スコーピオン”攻撃も負担が大きいのではないだろうか?
 ラリー中、相手のオープン攻撃もマークしやすいので、日本もブロックを決める可能性が高くなるので、通常のMBならシャットアウトできたのではないかと思うことも多かった。
 とにかく、ブロック数が極端に少なかったのも事実で、ブロックは1点以上の効果を相手に与えることを考慮すると、ブロック力が低下したのは数字以上に大きかったと考えられる。

4.日本チームのMBのポテンシャル
 岩坂は2011年のワールドカップで大活躍。個人成績ではサーブが2位、ブロックが5位にランク。スパイクが少ないので、総得点は木村180点(4位)、江畑160点(7位)、荒木89点(35位)、岩坂73点(45位)と、同じMBの荒木より少ないが、岩坂のブロックで試合の流れが変わったことが多かった。(この時は、世界戦初登場だったので、マークが甘かったことを差し引く必要があるが)
 今回のWGCCでは、第2戦のアメリカ戦で途中出場した際、明らかのゲームの流れを変える働きをしている。
 大竹選手はブロック力が低い。機動力はあるので、ブロード、クイックなどは岩坂以上である。
 そこで、今回、迫田が果たした役割を大竹もできるのではないかと期待している。その上で、もう少しブロックを頑張ってくれれば、言うことはない。

5.“MB1”採用の今後の不安
 このまま全日本での戦術にMB1が採用されると、中学、高校の有望な長身選手はMBタイプのプレイヤーを目指さなくなる。
 このMB1採用が一過性のもの(眞鍋采配の時だけ)か、今後も継続するかのだろうか。今後、若い世代での悲劇が起こる可能性がある。
 高校バレーにおいては、“MB1”戦術を使う必要はなく、身長の高い選手は従来のMBタイプのプレーが求められる。しかし、将来も日本チームにおいて“MB1”戦術が採られるとすると、有望なMBプレーヤーは現実と将来のプレースタイルのすり合わせで悩むことになるのではないだろうか?


 かなり、駆け足になってしまいました。
 本来は数値を出して詳細に検証したかったのですが、時間と体力に余裕がなくなってしまいました。ドラマレビューをもう少し減らせばいいと思うのですが、書き始めたものは最後まで書かないと気が済まない性格なのです。
 ご容赦ください。
コメント (3)
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『八重の桜』 第49話 「再び戦を学ばず」

2013-12-09 23:12:54 | ドラマ・映画
『教育勅語』≒『会津家訓十五箇条』

『教育勅語』
 親への孝行、兄弟への友愛など、日本古来の道徳心を重んじるとともに、「国家の危機には忠義を持って天皇に尽くすべし」との一条があった


 なんだか、以前の会津を思い出すなぁと思っていたら
覚馬は憂う
「教育の名のもとに、人を縛るようなことがあってはなんねえが」
 会津の“家訓”が頭をよぎったのだろう。

『会津家訓十五箇条』
 これは、徳川家を支えるための武士の心構えを説いたものであるが、「徳川家を支える」という第一条が絶対厳守の大前提という掟であった。
第一条
大君(たいくん)の義……一心大切に忠勤を存ずべし。列国の例をもって自ら処(お)るべからず、若し二心を懐かば、則ち我が子孫にあらず、面々決して従うべからず」、つまり「将軍家には忠勤を励むこと。他の藩を見て判断するな。もし将軍家を裏切ろうとするならば、(藩主は)私の子孫ではないから、家臣はそれに従ってはならない」という徳川家への絶対的忠節を命じたものであった。

(「歴史は繰り返す」と言うか、かつての会津のように日本は戦争への道を歩み始めており、
 『会津家訓十五箇条』と『教育勅語』の思想が符合する。
 この時期(最終回直前)にタイミングよく?会津戦争を振り返る契機がくるとは。
 もちろん、この一致点を脚本家はドラマ構築の際見出し、構想を練っていたのだろう)


 覚馬は過去を顧みて
「大君の義…“一心大切に忠勤を存ずべし”、御家訓のこの一条に会津は縛られてしまった。
 いくつもの不運があった。
 謀に乗せられもした。

 それでも、まだ引き返す道はあったはずだ」


この言葉は、「殿の名誉を挽回せねばならぬ」という山川浩の使命に共感し、京での経緯を聞きに来た山川健次郎との議論での覚馬の言葉である。
 いくつもの不運とは、薩摩に西郷隆盛という傑出した人物がいたこと、孝明天皇が急逝したこと、勝手に錦の御旗を掲げるという悪知恵の働く岩倉具視がいたことなどが挙げられるが、最も不運だったのは、忠義を尽くした徳川家の宗主が慶喜だったこと。単に凡才や愚君というのならよかったのだが、なまじ頭が切れて身勝手なので始末にを得ない)

 この覚馬と健次郎との議論は会津戦争を総括するモノであった。
「命を懸けて、都をお守りしていたのに」(八重)
「書き残さなければ…。会津がいかに勤王の志が高かったかを」(健次郎)
「……勤王の志は、薩長も持っていた。薩摩の西郷、長州の木戸、彼らにも思い描く日本の見取り図はあった。
 戦をせず、国を滅ぼさぬ道もあったはずなのだ!」(覚馬)
「望んで戦をしたわけでねえ。私たちの御城下に敵が土足で踏み込んできたのだし」(八重)

「大君の義…“一心大切に忠勤を存ずべし”、御家訓のこの一条に会津は縛られてしまった
 いくつもの不運があった。謀に乗せられもした。
 それでも、まだ引き返す道はあったはずだ」(覚馬)
「覚馬先生!あなたは忠勤を尽くした大殿と会津の人々を貶めるのか!
 会津には…義がありました」(健次郎)
「向こうも同じように思っていたろう。
 誠意を尽くすことは尊い。
 それだけでは、人を押しつぶす力を跳ね返すことはできねえ」(覚馬)
「繰り言など聞きたくない!
 覚馬先生は、会津魂を忘れてしまったのではありませんか」(健次郎)
「健次郎さんは長州の人たちの助けで学問を修めた。捨松さんは薩摩の大山様に嫁いだ。
 皆、恨みばっかり抱いてるわけでねえ。
 んだけんじょ……亡くなった仲間たちを思うと、会津が間違っていたとは決して言えねえ!」(八重)


 会津も薩長も勤王の志や義を持っていた。
 しかし、薩長は勤王は大義名分的な意味が強く、倒幕主義だった。これに対し、会津は律儀すぎた。帝への忠心、そして、徳川家への忠節も通そうとした。帝の崩御を機に、薩長が朝廷と結託し倒幕の勅命を立て、徳川家に忠節を誓う会津は徳川家に殉ずることになってしまった。
 会津が利己主義だったら、京都守護職も引き受けず、引き受けたとしてもいい加減に職務をし長州の恨みを買うこともなかった。徳川家を見限ることもできた。会津が義を重んじたばかりの悲劇だった。

 戦で京の街を焼き、会津も失った。その罪は重い。たとえ、正義の為であったとしても。立場違えば義も違う。情勢が変われば正義も変わる。
 もし、会津の正義が貫かれ、会津が薩長を破ったとしても、必ず戦禍が起こる。
 決して戦を起こしてはいけない。


卒業式の訓示
「その剣を打ち変えて鋤となし、その槍を打ち変えて鎌となし、国は国に向かいて剣を上げず、
 二度と再び戦う事を学ばない


「二度と再び戦う事を学ばない」
 「二度と再び」……重複表現?
 それはさておき、「戦うことを学ばない」というのは分かりにくい……
 戦うことで、戦うことの罪、悲しみ、あやふやな義などを学んだが、そういう学びは一度だけでよい(過去だけでよい)。戦を絶対に起こしてはならない。ということだと思う。


 覚馬と同じ考えを容保も抱いていた。
 会津が逆賊でないことの証の御宸翰(しんかん)を世に出さずにいた。
「都の争いでは、勅を得たものが正義となった。ならば、御宸翰が再び戦の火種となる。それだけは避けねばならぬ」
「武士の忠義を貫き通した代わりに、儂は会津を死地へと追いやった」


 ここで、会津藩士の代表格と言うべき山川浩が
「殿、あの時、会津までもが徳川を見捨てていたならば、この国に真の武士などはいなかったことになります」
と、殿の行為を肯定した。殿の後悔・苦悩も少しは和らげられたか。
 会津藩士は≪徳川家を支える≫という掟に縛られてはいたが、≪容保の為に命を懸ける≫という思いの方が強い。


 最終回直前の総括の回としては、相当良かったと思う。しかし、2つの不満点がある。
「ヒロイン活躍主義」が発動したのが残念
 覚馬、健次郎の議論で、「健次郎さんは長州の人たちの助けで学問を修めた……」と健次郎を諌める主旨の発言をしたが、これは覚馬が言うべき言葉だろう。
 それに、「亡くなった仲間たちを思うと、会津が間違っていたとは決して言えねえ!」と覚馬にも反論。
 いや、反論するのは良いのだが、会津戦争の八重の動機は、「弟の復讐」「会津を守るため」「鉄砲撃ちになるという夢」「容保への忠心」など多く抱えていて、ここまでそれを完全に消化していない。
 確かに、薩長に恨みを抱く女性や、戦場跡地での襄の説得(プロポーズ)など、いくつかの消化エピソードはあったが、エピソード主体でヒロインの心の葛藤は従であった。たとえば、女学校の女生徒の父親を八重が戦で撃って失命させてしまったと判明するシーンがあったが、過去(第39話レビュー)にも書いたように、「この時まで鉄砲を撃って人の命を奪うことの罪に向かい合わなかったのか」と大いに疑問を感じたことがあった。ヒロインを描かず、エピソードを描く短所が出た顕著な例である。
 脚本が八重の人間性を確立していないから、今回の議論での八重の言葉も、その時々で補足的なことを言わせたり、他のものが言うべき“良い言葉”を八重に言わせてしまっている。しかも、あの場面、八重の言葉で締めさせた。その後の別のシーン(研究室での八重と健次郎の会話)で、健次郎の考えの変化を述べさせたのも、「ヒロイン第一主義」である。
 さらに、「人間の知恵や知識で戦を避けられねえなら、学問は無駄なのか?」と弱音を吐かせ、八重が覚馬を立てつつ励ます(説教)。
 そのため、卒業式の覚馬の名言も八重が言わせたように感じてしまい、色あせてしまった。

会津戦争の意義を総括するならば、頼母を出さないのは不十分過ぎる
 役柄的には最終回に残したいのは理解できるが、殿への忠義心も人一倍ながら、会津の為に「京都守護職辞退」や「停戦」を提言した頼母は絶対はずせないはず

(最終回を観てからでないと、言及できない可能性はあります)

 この後、八重が赤十字の看護婦として従軍することになったが、この決心や大山を説得するシーンがあったが、これについての感想は省略します。(力尽きました)


☆その他の感想
むちゃくちゃ怖い、山川浩の「何?」
健次郎の「会津と薩長……義はどちらにもあった」に対し
とても静かに健次郎の方を見やりながら、問う山川浩。
むちゃくちゃ怖い……雷鳴は轟くし。

いつ改心した(洗脳された)んだ?スタークウェザー先生
 今話の冒頭、襄の教えを実践するかのような授業を行っていたのは、なんとスタークウェザー先生だった。襄が帰国する際の演説の内容を紹介し、更に、「私たちも新島校長の夢を受け継ぎます」
 「新島襄は校長ではない」と言い切ったスタークウェザー先生を、いったい、いつ改心させたのだろうか?(襄は募金活動ばかりしていたし、八重が銃で脅した?それとも薙刀か?)


【ストーリー】番組サイトより
 1890(明治23)年に教育勅語が発表されると、覚馬(西島秀俊)は天皇への忠義を課す一節に懸念を抱く。
 そんな覚馬のもとに、山川健次郎(勝地涼)が訪ねてきた。健次郎は兄・浩(玉山鉄二)に代わって川崎尚之助(長谷川博己)の会津戦記を仕上げるために、京都でどのように薩長と戦っていたか覚馬に詳しい話を聞く。しかし、覚馬が薩長にも勤王の志はあったと語ったことに、健次郎も八重(綾瀬はるか)も激しく反論する。
 その後、覚馬は同志社の卒業生たちに不戦の精神を説くと、すべての荷を下ろしたかのように病床に就き、息を引き取った。
 覚馬の死後しばらくして、日清戦争が勃発。八重は赤十字の若い看護婦たちを率いて、再び戦へと赴くことになる。
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