英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season14 第7話「キモノ奇譚」

2015-12-03 22:06:19 | ドラマ・映画
愛(西原亜季)は多重人格で、自分と双子の姉の人格を持ち、二重生活で2人分の人生を歩んでいた

 現実に多重人格が起こり得るのか?症例がどのくらいあるのか?医学的な見地など分からないが、ドラマでは使い古されたネタ。
 視聴者は、愛と幸子を画像でずっと追っているし、ネタとして二重人格が頭の隅にあるので、≪愛と幸子は二重人格によるもので、同一人物ではないだろうか?≫と推察しやすい。
 ところが、右京や冠城目線では、二重人格と言う結論に到達し難い。右京は特別なので、割とすんなり到達できた(視聴者に“じれったさ”溜めさせない点では良かった)。

 ただ、真相があまりにもストレート(予想通り)だったのが残念。いや、別にストレートでもいいが、それなら上條一家の葛藤に踏み込んでほしかった
悪戯で姉を死に至らしめた愛、二重(多重)人格になったのは………
 姉の分まで生きるという“償い”か?
 姉の死を認めたくない、姉が生きていると思いたい“逃避”か?
 刑法上の殺人の“罪を逃れる”ためなのか?



そもそも、上條一家の心情や行動が不可解であり、不可能
母親が救急車を呼ばなかったのは、≪救急車で運ばれて、もし蘇生しなかったら、もう一人の娘は姉を殺した妹として生きていかなければならない≫…そう考えた時、もはや息をしていない娘の処置よりも、もう一人の同じ顔をした娘の将来を選んだ
 愛には、“悪い夢を見た”と言い聞かせたのは、姉殺しの人生を歩ませたくない気持ち故だったが、そのまま罪をうやむやにしてしまっては、心の重荷から解放されることはない(罪の意識から心が崩壊しないためかもしれないが)。
 それに、いくら娘のためとはいえ、もう一人の娘の遺体を竹藪に埋め、存在を抹消してしまうのは、非道過ぎる
・社会人になってからなら可能かもしれないが、小学生から二重生活は相当困難。
・長年、罪の意識を持ち続けていたはずだが、現在の愛には罪の意識は感じられない。
 罪の意識の為、多重人格になったと考えることもできるが、それでも、愛の人格の時は、もう少し蔭りがあるのではないだろうか?
 あるいは、愛の人格は幸子の陰に隠れてしまい、めったに出現しないように思える。
 実は、愛と名乗っていたのが本当は幸子の人格だったとか、第3の人格だったとか……そういうひねりがあるのかと思ったが……


上條一家の家族構成や設定も不思議
・双子姉妹と弟・吏玖の年が離れすぎ
・幸子が死んだとき、そして、2重生活を始めた後も、父親は全く関与しなかったようで、既に離別していたのかと思ったが、長い間の後に吏玖が誕生。しっかり子作りだけしたみたいだ。でも、その後、また、存在感無し。
・吏玖の存在意義は、右京たちに愛の多重人格のヒントを与えるためと、ラストシーン(吏玖とジュンが遊ぶシーン)の為なのかもしれない。

今週の捜一コンビ
 捜一コンビは、特命係(主に冠城)の見張り役に転落
 伊丹は、冠城に“顔の長いオッサン”と揶揄されるし…


 なぜ、タイトルを「着物奇譚」ではなく、「キモノ奇譚」とカタカナにしたのだろうか?「死に神」「はつ恋」と同様、タイトルを捻るのが流行りなのだろうか?
 今シリーズは、「序盤、何とかよくしようと、あれこれ工夫するが、その結果失敗する」今期の竜王戦の糸谷竜王みたいで、事件の設定に工夫をするが、それが空回りするか、消化することができずに、空中分解してしまっている。
 今話も、がっかりの出来だったが……

右京がテレビゲームに興じるシーンと、
西原亜季が第3の人格を演じたシーン、「バカっていう方が、ぶぁっかっなんだよ~~だ!」とふざける“やんちゃ坊主ぶり”を見ることができたのが、救いか。

【雑感】
・生地に「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」
と書かれていたが、私は「おまえが誰かを殺したように、あたしもお前を殺したい」という意味だと思ってしまった。
 「いつかおまえがあたしを殺したしたように、あたしもおまえを殺したい」と書くのが普通じゃないのかな。

・西原亜季さんは、石田ゆり子さんに似ていると巷で言われているが、同感。
あと、卓球の石川佳純選手とも似ていると思う。

・鈴木杏樹さんの和服姿…いつも思うが、“似合わない”というか、「服(着物)に着られている」と感じるのは私だけ?

【ストーリー】番組サイトより
 花の里の女将・幸子(鈴木杏樹)が、不審者として身柄を拘束されたという連絡を受け、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は身元引受人として所轄署に出向く。
 事情を聞くと、原因は最近購入した一着の着物だという。その胴裏を張り替えようと剥がしたところ、生地に「いつかおまえがそうしたように、あたしもおまえを殺したい。でも、できない。もどかしい…。幸子」という一文が口紅で書かれていたという。幸子は、この不穏な文章と“幸子”という自分と同じ名前に胸騒ぎを覚え、元の持ち主のマンションまで行ったものの、話をどう切り出したものかわからず周囲をうろついてしまい、不審者と間違えられたらしい。
 この話におおいに興味をひかれた右京と亘は、共に背景を調べ始める。元の持ち主は上條愛(西原亜希)という着付け教室の講師で、双子の姉である上條幸子は、2人の母親が営んでいる高級クラブで働いていることが分かる。実際、幸子に会って話を聞くと、文章は単なるポエムだというが、右京はこの双子の姉妹の言動に引っ掛かるものを感じる。

“ついてない女”月本幸子が再び事件を呼び寄せる
着物に残された不気味なメッセージの真相とは…!?
美人双子姉妹に隠された驚がくの“秘密”が明かされる!

ゲスト:西原亜希

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暖冬だと言うけれど | トップ | 『将棋世界』12月号の杜撰... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ドラマ・映画」カテゴリの最新記事