英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

残念な対局放棄

2013-01-31 20:44:03 | 将棋
 対局放棄は非常に残念。
 日本女子プロ将棋協会(LPSA)と日本将棋連盟と軋轢があったわけだが。対局放棄はどちらに非があるか以前の愚かな行為である。

 昨日、マイナビ女子オープン戦の準決勝の2局を覗いてみようと中継サイトを開くと、なぜか甲斐智美女流四段―鈴木環那女流二段の一局だけ。
 ページを見渡してみると、下の項があった。

第6期マイナビ女子オープン
準決勝 里見―石橋戦のお知らせ

 里見-石橋戦は行われません

 1月29日に日本女子プロ将棋協会から、現行第6期の契約解除と、代表理事である石橋女流四段棄権の発表がありました。30日に予定されていた里見香奈女流四冠-石橋幸緒女流四段の対局は行われませんので、ご了承ください。



さらに、別の項で

第6期マイナビ女子オープン
里見女流四冠不戦勝のお知らせ

 1月30日に予定されていた里見香奈女流四冠-石橋幸緒女流四段戦は、里見女流四冠の不戦勝となり、挑戦者決定戦進出が決まりました。
 1月29日に日本女子プロ将棋協会は、現行第6期の契約解除を発表し、代表理事である石橋女流四段は対局を棄権しました。


 とある。


 棋士は将棋を指すのが本分である。
 将棋を生業とするのなら、将棋ファンを大切にし、スポンサーに礼を尽くさなければならない。
 今回の対局放棄は、里見-石橋戦を楽しみにしていたファン、その舞台を用意したマイナビ社を蔑ろにした行為である。
 LPSAは連盟に対していろいろな不満があったと思うが、その不満をファンやスポンサーにぶつけただけの対局放棄と行為に走ってしまった。その他のスポンサーや将棋ファンのLPSAへの信用を失墜させてしまった。
「LPSAへの来季の契約打ち切りが不満なら、
 石橋代表よ、挑戦者になって、女王位についてしまえば良かったじゃないのか!」


 そもそも、マイナビオープン戦へのLPSA所属の渡部愛ツアー棋士の参加資格問題で折り合いがつかずこじれた。マイナビ社は2団体の話し合いに任せると第3者の立場を取っていた。
 参加資格問題から、時期契約問題に発展し、マイナビ社がLPSAとの次期の契約打ち切りを通知した。
 それを受けたLPSAが「契約打ち切りの方針変更をしない場合は出場を取りやめる」とマイナビ社に通知した(1月25日)。

【参照】
◆LPSA
「マイナビ女子オープン準決勝対局、断念の背景と経緯説明」
「次期マイナビ女子オープンへの弊協会不出場について(ご通知)」(マイナビ社宛)
◆日本将棋連盟
「日本女子プロ将棋協会(LPSA)による マイナビ女子オープン対局放棄についての記者会見の模様」

また、詳細な経緯や分析が、日本経済新聞の「クローズアップ」の『女流将棋界で対局ボイコット騒動 プロ資格巡り対立』 でまとめられています。

 渡部さんの女流棋士としての地位を確保したいという気持ちはわかるが、大人げない行為だった。
 女流棋士育成という志も立派であるし、理解できるが、現在のLPSAの認定基準は甘く、その上、連盟が関与しないところで女流棋士を増産されるのは困るというのはもっともな主張である。第一、LPSA所属棋士でまともな戦績を上げているのは中井女流六段と石橋女流四段のみと言ってよい体たらくである。
 そもそも、「LPSA公認プロ制度」を立ち上げる際、連盟の確認を取ったのだろうか?もし確認や了承なしで動いたとしたら、非常に無責任だ。若い女流棋士志望者の将来の一翼を担う責任があるはずだ。将棋連盟から独立当時からLPSAは見込み発進が多かったように感じる。
 また、今回の経緯を見ると、LPSAは文書でのやり取りしか行っていない。私はこういう契約面での現場は知らないが、文書では綿密なやり取りはできず、誠意や熱意も伝わりにくい。LPSAは本気で交渉するつもりがあったのだろうか?
 LPSAは公益社団法人認定取得を誇っているが、LPSAが公益社団法人認定取得できたのは、「将棋」の伝統と素晴らしさ、そして将棋連盟の信用があったからなのではないだろうか?今回の行為は公益社団法人認定取得の認定基準が適正なものか?という疑問さえ感じさせるものだ。
 
コメント (26)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ビブリア古書堂の事件手帖』 第3話「論理学入門」

2013-01-28 23:20:39 | ドラマ・映画
 ある一冊の本と出会うことによって人生観が変わる。…そういう経験のある人は少なくないと思います。
 そこに綴られた言葉には、それだけの力が宿っているということです。
 そんなかけがえのない一冊を、敢えて手放す理由があるとしたら……どんな理由が考えられるでしょうか?



いい夫婦の話だった。

 受刑者脱走のミスリードや真相に至る推理についてはスルーするとして(それが、不要とか稚拙だという意味ではなく、今回記事の主眼とは離れるものだから)
 『論理学入門』はある夫婦にとって、二人の大切な思い出の本である。ドラマの冒頭の言葉(本記事の最初に挙げた言葉)のように、なぜ売ろうとしたのか?

 そう、「手放す」のではなく「売る」のがポイントで、謎だった。
 手放すだけなら捨てればよい。高値で売れるのなら「売る」のにこだわる理由があるが、店頭価格500円、買い取り価格100円である。

男「すべての本を手放すことで、目が見えなくなるという現実を受け入れ……今まで黙っていてすまなかった」
妻「なんか、よくわかんない。結局、どうして本を売ろうとしたの?」
男「だから、目が見えないという現実を…」
妻「そこぉ、そこがわかんないの」
男「本というものは、読まれるためにあるんだ。いくら自分の手元に残したとしても、何の役にも立たない。だったら、ほかの誰かに(読んでもらいたい)」
≪なるほど、だから売ることにこだわったのか!≫
私が納得した瞬間にかぶせるように
妻「あたしが読めばいいじゃない、声に出して」
≪おお、その手があった!≫目から鱗である。
妻「あたしが毎日読んであげる。朗読なんかしたことないから、たぶん、すごく下手くそだけど。でも、それでいいでしょう。
 まさしくんの目が見えてても、見えていなくても、そんなのどうでもいいの。あたしがずっとそばにいるから。なんか話したくなったら、いつも声が聞こえるところにいるから。
 だって、その方が絶対楽しいんだから!」


 このドラマのテーマのひとつが「本は読むためだけにあるのではなく、本そのものにその人の思いが込められている」というようなものだったと思う。しかし、そこを突っ込むのは、この素敵な夫婦にとって野暮なことなのであろう。

 そのあとの夫の前科を「知っていた」とうそをつく妻。
 そのうそに気づいていたが、その嘘のやさしさを受け止めた。
いい夫婦ですねえ。


 でも
「わかってたよ、そんなのこと。
 バカじゃなければわかるよ。あたしはバカじゃないんでしょう?だから、ずっと前から分かっていた。
 これも三段論法?」
 あ、その、≪え?バカじゃなかったの?≫とびっくりしてしまった。

 今回は面白かった。


【その他の疑問点、感想など】
①3人がブックパレスに向かう時に、栞子は変な気配を感じていたようだが、なんだったのだろう?
笠井菊哉の視線だったのだろうか?タイミングよくブックパレスに現れたのもつじつまが合う。

②栞子が男の目が良くないことに気が付くヒントの月刊誌のスリップ(注文カード)を見せないのはアンフェア(最初に五浦が手にしたときは、強調したのでフェアかも)。本の傷み具合でも、未読かどうかは判断できると思うが。
③男が本を売るのをやめ、100円を返し本を受け取ろうとした時、栞子が「いえ、500円です」というんじゃないかとドキドキした。
④やはり、栞子の設定に疑問。剛力さんのキャラや演技力ではなく、年齢に無理がある。今回のような話の場合、栞子が若すぎて違和感が拭えない。


【ストーリー】番組サイトより
 篠川栞子(剛力彩芽)と五浦大輔(AKIRA)が「ビブリア古書堂」にいると、ひとりの男性(中村獅童)が買い取り希望だとやって来る。手にしていたのは、ヴィノグラードフ・クジミンの『論理学入門』という本だった。買い取り表からはみ出す字で「坂口昌志」と書いた怪しげな風貌の男性は、明日また来ると言うと店をあとにした。栞子は、最後のページに貼られた「私本閲読許可証」を見つける。それは刑務所の受刑者が私物として刑務所に持ち込んだ、ということを示すものだった。
 そんな折、「ビブリア古書堂」に来ていた藤波明生(鈴木浩介)が、近所の刑務所から受刑者が脱走した、さっきの男性がそうなのでは、と話した。実際、報道された脱走犯の人相は坂口そっくりだったため、心配した志田肇(高橋克実)は栞子に店頭には出ないようにと命じる。
 そんなところへ、派手な服を着た女性(佐藤江梨子)が来て、自分は坂口の妻でしのぶと言うが、坂口が売りに来た『論理学入門』を返して欲しいと言った。ホステスをしているというしのぶは、一方的にまくし立てると本を持って帰ってしまう。大輔からそう報告を受けた栞子は、妻であっても坂口本人の許可なく本を返してしまったことは問題だと指摘。責任を感じた大輔は志田とともに、クラブにしのぶを訪ね、本を返して欲しいと頼み込む。
 同じ頃、テレビのニュースでは脱走犯が依然逃走中だと伝えていた。弟の文也(ジェシー)とともにそれを見ていた栞子は…。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雪、現況

2013-01-28 11:09:09 | 気象
 私の気象に関する記事は、目的は3つあって、
1.愚痴
2.気象情報(天気予報)に対する突っ込み(批評)
3.記録、メモ
 その時々によって、3つの比重は変化しますが、過去を振り返る際に便利ですね。雪かきや雪道運転のシーンはフラッシュバックできるのですが、それが昨年だったのか、一昨年だったのかがあやふやになります。(何月で上旬か下旬かは大概覚えていますが)


 今朝の時点の積雪は28センチ。「まあ、これくらいなら仕方がないか」という程度です。雪かきは30分強で終わります。
 40センチを超えると、生活に支障がちらほら出てきて、60センチを超えると大変感が大きくなります。
 今冬は冬の訪れが早く、11月下旬からずっと真冬(12月下旬~1月上旬並み)の寒さが続いていました(季節予報では当初、「暖冬」と言われていたんですけどねえ)が、幸い武生は雪がたくさん積もることはほとんどありませんでした。12月10日に積雪12センチ、1月4日に16センチを記録し、この日(4日)に1度だけ雪かきを20分ほどしただけです。
 ただ、小浜市は40センチ、坂井市(三国)も30センチを記録したことはあり、北陸3県では富山市が2、3度40センチを超えたようです。

 今冬、福井県嶺北南部(越前市近辺)が降雪(積雪)が少なかったのですが、何度か一級の寒気が南下しており、その時は雪雲が運よく発達しなかっただけです。
 今回は、今冬最強の寒気が金曜日(25日)に来襲し、土曜日(26日)はほぼ真冬日で降雪量17センチ、積雪が1センチ→15センチと増えました。幸いなことに27日(日曜日)の午前10時から雪雲が途切れ、日中は時折日差しもありました。
 夜の10時ぐらいから寒冷渦による雪雲が来襲し、20センチぐらい雪が降りましたが、日中雪が止み日も差したおかげで、それほど積もらずに済みました。この緩衝期がなかったら、積雪は50センチを超えていたと思います。

 ところで、寒冷渦ですが、強い寒気の芯(規模は小さい)が南下する際、規模が小さいので却って周囲のやや暖かい空気とまじりあって発達する低気圧です。
 小規模ながら、渦となって雪雲が発達するので、通常の筋状の雪雲より雪が激しく降ります。昨日の午後に山陰沖に発生し、それが福井県から石川県にかけて通過しました。特に強い雪雲が午後11時ごろと午前3時~4時にかけて通過したようです。

27日午後7時、寒冷渦は山陰沖にあります。


27日午後11時、福井県沖に到達し、そう南側の雲が福井県に掛かっています。


28日午前1時30分、渦の中心は福井県と石川県の県境付近で、雪雲は福井県全域から能登半島にかけて掛かっています。


28日午前4時、雲は内陸に移動しつつあります。


 この後、弱まりながら東日本に抜けていきました。迷惑な奴ですね。

 レーダーナウキャストのレーダー降水量合成画像が残っていました。
27日午後11時25分


28日午前1時


 渦の中心は能登半島先端の西側にあるのですが、それを取り巻く渦状の雲が回転しながら西からやってきています。午前1時の画像の若狭湾から丹後半島にある雲が午前3時から4時ごろにかけて通過したと思われます。
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『八重の桜』 第4話 「妖霊星」

2013-01-27 22:24:38 | ドラマ・映画
 西郷頼母の必死の訴えと松平容保(綾野剛)の理解によって、覚馬の禁足も解かれ、西洋砲術指南役、蘭学所教授に復職するとともに、軍事取調役と大砲頭取に抜擢された。
 早くから覚馬の才を認めていた林権助も後押ししたようで、さらに勘定方・樋口の娘・うらとの婚礼も行われた。


 国の動きも緊迫度を増す。
水戸の一橋慶喜を推す徳川斉昭の一橋派 対 紀州の徳川慶福(後の徳川家茂)を推す井伊直弼の紀州派

 薩摩藩・島津斉彬の命で西郷吉之助を遣い、京の有力公家を抱き込むなど一橋派が有利に進めていたが、突如として井伊直弼が大老に就任。時代は春嶽の思惑とは反対に動き始めた。……というナレーションで事態は急変。なんで?

井伊直弼が独断で日米修好通商条約を締結
どういう意図で日米修好通商条約に固執するのか?
 まず、慶喜の追及を13代将軍・家定の不快(体調不良)とかわし、
 「清に侵攻する英・仏を恐れて米との和親を進めた」と徳川斉昭ら水戸家・尾張家に釈明し、違勅調印の件の非を詫びる意思を示したが、「押しかけ登城はご法度」の件を持ち出し「重いご処分覚悟で御登城された割にはさしたるお話でもござりませんでしたな」と反撃。

徳川斉昭…謹慎、松平春嶽…隠居謹慎、一橋慶喜…登城停止の処分が下され、政治の表舞台から排除された。
 そして、反直弼派の動きを抑えるため安政の大獄が始まった。

国を思う人々、それぞれの思い
島津斉彬(一橋派)「門閥に囚われず、有為の人材を登用してこそ国は強うなれる。わしはその望みを一橋慶喜公に託しておる」……薩摩の人間は優れており、薩摩藩こそ国政を取り仕切るべき

松平春嶽(一橋派)「あなた様(慶喜)がお世継ぎとなれば、我らの手で幕政改革が一気に進みましょうぞ」……国政をわが手で行いたい

勝麟太郎(中立派?)「どなたがお世継ぎとなられても、天下のことは公明正大。公然と議せられるべきと存じます」……まさに公明正大。覚馬と気が合いそう。

そして、井伊直弼(紀州派)
「物事の筋目は通さねばなりませぬ。御家紋であろうと、法に背けば処分を受ける。その秩序が国を治めるのです」
「そもそも、鎖国などは幕府が定めた措法にござる。天下の政は幕府が執り行うものと、調停よりご一任いただいておるのですぞ。
 臨機応変の判断を誤り、国を滅ぼしては、却って不忠となります。無断調印の咎めは我が身一身に背負えば済むこと」
「命を捨てる覚悟なくては、国事に当たれませぬ」
………誰であろうと、法を守り、法によって律されるものである。命を懸けて国を守るかくごである。素晴らしいことを言っているようであるが、「臨機応変」に法を解釈しているだけに思える。無断調印よりも押しかけ登城の方が罪が重いのか?処分が早いのか?……そして、安政の大獄が始まった。

 なぜ、直弼が大老に就任できたのか?
 無断調印や御三家を処分できたのは、大老職の権力ゆえなのか?
 直弼が米との条約調印に固執した理由は?


 ……慶喜とのやり取りで将軍・家定が直弼の傀儡であること、容保とのやりとりで直弼の信条や覚悟は理解できたが、もう少し深く描いてほしかった。
 主人公が会津にいるので仕方がないとも言える。前作は京(朝廷)と神戸(福原)の世界だけ描けばよかったが(あとは広島と福岡と鎌倉)、今回は国全体とヒロイン周辺を描かなければならないので難しい。


 さて、そのヒロイン周辺だが、
うら(長谷川京子)、登場!
「“西向いてろ”と言われれば、一年でも西向いているような女子」で、
 貞淑で内助の功に努める“良い嫁”“良くできた嫁”、「やをたてず、黙って夫と姑に従うのが女の道」という教えに則った“嫁の鏡”であった。

 その女の道と対極にいる八重には「嫁に行くって、つまんねえことだな」と。


柔の尚之助 剛の覚馬
 覚馬は慎重派(完璧主義者)であるが、「剛直」「短気」の一面も強いのは、先週の通り。
 「柔の尚之助」については、意識して描かれているかは不明だが、そういう印象を受ける。
 黒船乗り込み計画の際、会津の蘭学所開設前に押しかけるなど猛進タイプではあるが、「居候」という肩身の狭い身分も意に介さず、覚馬禁足の折りも深刻にならず、飄々としている。
 今回、覚馬の祝儀の際にも、士官の件がうまくいかないことを詫びる八重に対し、
「身分や立場など、どうでもよいのです。ここにいれば、私のやりたいことができる。それで充分です」
 尚之助の行動の素は、「好奇心」のような気がする。


【ストーリー】番組サイトより
 1858(安政5)年、西郷頼母(西田敏行)の松平容保(綾野剛)への働きかけが実り、覚馬(西島秀俊)の禁足が解かれ、八重(綾瀬はるか)もわがことのように喜ぶ。さらに、尚之助(長谷川博己)の教授方就任もかない、覚馬はうら(長谷川京子)をめとることになった。
 一方、幕政では大老になった井伊直弼(榎木孝明)が、水戸藩主・徳川斉昭(伊吹吾郎)ら一橋派に無断で日米修好通商条約を締結。激怒した斉昭らは井伊のもとへ押しかけるが…。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013年王将戦第2局 渡辺竜王、圧勝

2013-01-25 16:29:44 | 将棋
 渡辺竜王の圧勝、佐藤王将の惨敗でした。 


【同じ図が2枚ならんでいますが、左がjpg形式で右がpng形式で、共に約13.5kb。デスクトップで見ると全く差を感じませんでしたが、携帯電話で見ると、pngは線がとぎれとぎれに見えました】
 さて、第1日の記事で、
「ニコニコ生放送の解説の塚田九段が最善策とする△4五同桂▲同桂に△3二飛は、後手の攻撃目標である3七の桂を捌かせてしまうので指す気になれない。
 私は△5五銀と指したい。以下▲3六金△同歩▲5五銀△3七歩成でどうか。駒割りは先手・角銀対後手・金桂歩とやや先手に分があるが、後手はと金を作っており、飛車取りの先手を握っている。また、先手は歩切れ。私は後手を持ちたい」

と、力説しましたが、局後の感想によると
「△5五銀は▲3六金で先手よし」
と、一刀両断されていました。

 とは言うものの、「佐藤王将の仕掛け・△1四角(28手目)が強引だった」ようで、対する歩を取らせてもかまわないと▲3八金が素晴らしかったらしく、封じ手では佐藤王将がやや苦しかったようだ。
 二日目は、やや苦しいどころか、渡辺竜王のいたぶるような指し回しに、ボロボロになってしまった感がある。

 重いと見られた▲2二銀に△同飛と刺し違えたが、その銀が3七にいて働きが薄い。1四の角も陽の目を見るのは遠そう。
 後手は美濃囲いは9筋が突き越されているので耐久性が低い。


 何とか1四の角を働かせようとするが、4七に成れるところを我慢して6五に引いたが、▲5六桂と打たれ封じ込まれ、△6三銀と少ない手駒の銀を投入せざるを得ないのは辛すぎる。


 銀を4六に成り返り、と金も作り、顔を立てたが、6筋の拠点が大きく、先手は後手陣を削っていくだけで良い。


 投了図。
 △5三同金は▲4二馬△5二金打▲5三馬△同金▲6二金。他の手も一手一手で見込みなし。
 渡辺竜王の圧勝。
 第一局は終盤、角不成の妙手が実現すればという際どい変化もあったようだが、二局ともに佐藤王将の指し手が空中分解しているように感じる。第三局以降の、立て直しを望みたい。
コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『相棒 eleven』 第13話「幸福な王子」

2013-01-24 21:10:44 | ドラマ・映画
 今回のストーリーのモチーフになった童話の邦題は『幸福の王子』。本によっては『幸福な王子』と題しているものもあるようである。
 今回の相棒のサブタイトルは『幸福王子』となっている。右京たちも『幸福な王子』と訳していた。
童話の内容からすると『幸福の王子』の方が合致している気がするが、『イル プリンチぺ フェリーチェ』を正確に訳すと『幸福な王子』なのだろうか?文法的な問題、あるいは感覚的な問題で、深い意味はないのかもしれない。
 容疑者の野間が、その幸福な王子のごとく「他人の幸せが私の幸せ」という考えを実行していて(有望な人物に出資する)、富豪であるが現金はない状況。そんな状況の中、死期が近いので娘が相続税を払えないというきゅちに追い込まれることが予想でき、投資した金について債権放棄をして相続税を減らす手段を採っていた。
 被害者の濱田は、野間から5000万円もの借金をしていたにもかかわらず、野間が下手に出ているのを良いことに、増長した態度をとったので殺されてしまったわけなのだが、実際に手を下したのは、野間の支援により成功した坂本であった。
 しかし、野間にしろ坂本にしろ、かっとして人を突き落す人物ではないように思えた。このように今回の話は、あちこちで話に粗さが感じられたが、今回の魅せどころはこの『幸福な王子』のモチーフと、妻が好きな童話の彫刻が庭の雨ざらしになる場所に置かれていた真意が、妻の病室から彫刻が見えるようにした野間の愛情ゆえだったということであった。

 その他の魅せどころとしては
ついに登場、陣川君!である。

 相変わらず思い込みの激しさと惚れっぽさであった。
 右京のイメージとしては「二枚目なのに、ちょっと何か抜けてる人」(享の評価でもある)で、新相棒の候補として、まるで思いつかない人物だったようである。
 新相棒として享が選ばれたことへの、陣川のやっかみと悔しがり方は面白かったが、せっかく登場した割には、右京と享を振り回すパワーはなく、存在感は薄かった。
 唯一光ったのは、
「お父さんのことを、そういうふうに悪く言うもんじゃないよ。
 白いパンツにブルージャケット着てる人に、悪い人はいないんだから」

という台詞ぐらいだった。
 「あずみも自分を好いている」という思い込みは、いったいどこから来るのか。粘着性はないのでストーカーにはならないと思うが、彼を落としすぎである。

 逆に、享を持ち上げすぎている。
 すでに右京の相棒としてそつなく行動しすぎで、若さゆえの先走りもないし、経験や知識のなさも未熟さもあまり感じられない。
変な表現だが、呼吸が「あうん」過ぎ。

 先にストーリーに粗さを感じたと述べたが、その最たるものは、コーヒーカップに残された唾液が野間のモノであるかをDNA鑑定するのに、野間が渡した封書を都合良く秘書が落とし、それを都合よく右京たちが拾い、雑用で整理していた切手を陣川を介して、たまたま享が持っていた。
 しかも、廊下で拾った封書を「まるで調べてくれっと言っているようなものじゃあありませんか」と右京が言い、「(切手を)都合よく持ってますねえ」と言って、都合のよい展開を茶化してごまかしている。

 母を一人で死なせたという思い(先入観)から、父の気持ちが理解できないでいたあずみが、彫刻の置き場所の真意が理解できたというのも都合よすぎに感じる。
 母とは親密に過ごしていたので、母の様子から夫婦間の愛情があったことは感じられたはずだと思う。

 不出来なストーリーだったように思う。

【ストーリー】番組サイトより
 特命係の部屋に陣川(原田龍二)がやってきた。が、あいにく右京(水谷豊)は留守。応対する享(成宮寛貴)を見て露骨に不機嫌になる陣川だが、享にはなにがなにやら訳がわからない。

 そのころ右京はアートイベント企画会社社長・濱田(佐々木研)の殺害現場にいた。倉庫を調べると、高値がつけられるであろう作家の作品が5点なくなっていることが判明。社員の証言から濱田が借金をしていた添野(森岡弘一郎)という人物が浮上する。

 享は悦子(真飛聖)の知り合いのあずみ(足立梨花)の自宅へ。自宅の庭から消えた彫刻を探してほしいという依頼を受けてのものだが、なぜか陣川も同行。あずみから話を聞いた享は他部署へ連絡しようとするが、陣川が自ら探すと勝手に約束してしまう。どうやら例によってあずみに一目ぼれしてしまったらしい…。

 消えた彫刻に秘められた謎とは?

ゲスト:原田龍二 足立梨花 山下規介
脚本 :徳永富彦
監督 :近藤一彦
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駆け込み退職教師……「教師」「先生」と呼びたくない

2013-01-23 21:39:18 | 時事
「 2月1日から退職金が削減される埼玉県で、教職員による、大量の「駆け込み退職」の動きが起きている。
 3月末で定年退職する公立校の教職員のうち、110人が、1月中の退職を希望しているという。
 その中には、4人の教頭と30人のクラス担任も含まれているという。」

FNNニュースより)
 この現象は埼玉県だけではなく他県でも、また、教職だけでなく警察官などたの職務についても起こっているらしい。

(後で、違う視野からの考えも述べますが、先に言いたいことを言わせてください)
 いろいろ事情があると思うが、もう「教師」「先生」と呼びたくない。
 受験シーズンまっただ中、そして卒業式もあるというのに、その責任と150万円(2月3月と職務を全うしその給与を差し引くと70万円)を天秤にかけて、後者を選んだことになる。
 公的には「教員」と言うのかもしれないが、一般的には「教師」と呼んでいる。「師」という言葉には敬意が込められている。
 また、呼びかけの言葉として「先生」が使用されている。もちろん、敬意が込められている呼称である。まあ、広い意味の敬意でそう呼ぶこともありそうだ。教師のほかには、医師、弁護士、議員、師匠(教える人)などがそう呼ばれる。
 「聖職者であれ」とは言わないが、ある程度の覚悟を持って職についてほしい。逆に「教師だってサラリーマン(人間)だ」ともよく言われる。
 私の兄が公務員で、昔、よく愚痴を聞いたことがある。そういうことがあったので、私も公務員がうらやましいという妬みも込めて自分の仕事の愚痴を言ったことがある。その時の兄の言葉が
「そう思うなら、公務員になればいい」
 弾みで言った言葉だろうが、私は忘れられない。その後、一度も兄に対しては仕事の愚痴は言っていない。
 そう、「教師だってサラリーマン」という人は、教師にならなければいい。嫌なら辞めればいい。
 教師は多くの子どもに影響を与える職業。しかも、通常、子どもは教師を選べないのである。さらに、教師は給与的には恵まれている。今回の退職金減額も民間との格差を減らすという目的だったと聞く。
 どんな職業だって大変であろう。消防士なら火傷あるいは命の危険さえある。警察官だってそうだろう。しかし、現場や職務を投げ出さないのは、職業意識を持っているからであろう。

 2か月を残して、受験、卒業式を投げ出して退職する「学校で授業をしてきた人(教師と呼ばれるらしい)」は、自分が長年就いてきた仕事、あるいは人生を否定するようなものだ。

 ニュースやワイドショーでキャスターたちは「責めることはできないが」という言葉を発していた。そうかもしれないが、誰か一人ぐらい、はっきり否定して欲しい(私が目にしなかっただけかもしれないが)。
 そのせいもあって、きつい論調になってしまった。

★教員の立場で考えると
 いきなり(告知は1か月前)、「退職金が150万円ほど減額されます」と言われても、もろもろの事情(家のローンや子どもや孫の婚礼など)で、退職金を当てにしていたかもしれない。そういう事情がなくても、150万円も減らされるのは、堪ったものではない。3月一杯、2か月働いても、約70万円損するでは、ばかばかしくて教師などやってられない。
 私も同じ立場なら、同様なことを思うに違いない。上記で「150万円と職務を天秤にかけた」という表現をしたが、「もらう」と「損する」では事情が違う。
 最近は、子どもたちも素直じゃないし、モンスターペアレンツとまではいかないが、うるさい親も多い。ネットなどの情報も早いので気が抜けない。そんな心理状態で今回の退職金減額を告げられたら、ぐらっと来てしまうかもしれない。

★行政の考え足らず
 国からの「速やかに」実施しろという要請を鵜呑みにし、さらに、39億円の予算削減になるという皮算用があったのだろう。
 しかし、こういう損得計算が生じてしまう時期にこの措置を取ることは、教員におかしな選択を与えてしまい、結果的に現場の混乱を招いてしまった。
 期限内に退職する者は多くないと考えたのだろうか?私は退職者が一人でもいたらダメだと思う。「自分の担任が受験や卒業式を放棄してしまった」と思うことは重大な不幸である。
 また、この時期にこういう選択を迫ること自体、あってはならないことである。

 埼玉県の上田清司知事は
「個人の自由ですから、そこは、とやかく言うわけにはいかないですが、やっぱり、学級担任を持っている方々には、頑張ってほしかったな」
「(2月から減額しなければ)われわれは39億円(負担が生じる)。今度は逆に、国民から『あなたたちは、わざと遅らせている』という批判を受けます」

と述べているが、こういう混乱を招いた浅慮も責められるべきだ。
コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013年王将戦第2局 第1日

2013-01-23 21:33:30 | 将棋
 佐藤康光王将に渡辺明竜王が挑戦する第62期王将戦七番勝負。渡辺先勝で迎えた第2局の1日目。

 後手番の佐藤王将は、角交換から2筋に直接飛車を振るいわゆる「ダイレクト向かい飛車」。4筋に飛車を途中下車させないので、先手から▲6五角と馬を作る筋もあるが、渡辺竜王は急戦を仕掛けず駒組みが進んだ。渡辺竜王が9筋を突き越したので、佐藤王将はアナグマにするかと考えられたが、美濃囲いにし、左銀を四段目に繰り出した。

【同じ図が2枚ならんでいますが、「間違いさがし」でも「アップロードミス」でもありません。
 ファイル形式の違いで画質に差が出るのかを知りたかったからです。
 左がjpg形式で右がpng形式で、共に約13.5kb】


 さて、上図は第1日の差し掛け図。
ニコニコ生放送の塚田九段の解説によると
「この▲4五歩で後手が困っているのではないか。△4五同桂▲同桂に△3二飛(▲7四桂△同歩▲5五角の王手飛車取りを避ける飛車寄り)が後手の最善策のような気がします。
この局面で封じ手になりました。私は(1)△4五同桂を予想します。あとの候補手としては(2)△5五銀か、(3)4七角成ぐらいだと思います。形勢判断ですが、先手の渡辺竜王の方が少し優勢になっていると思います」


 とあるが、塚田九段が最善策とする△4五同桂▲同桂に△3二飛は、後手の攻撃目標である3七の桂を捌かせてしまうので指す気になれない。
 私は△5五銀と指したい。以下▲3六金△同歩▲5五銀△3七歩成でどうか。駒割りは先手・角銀対後手・金桂歩とやや先手に分があるが、後手はと金を作っており、飛車取りの先手を握っている。また、先手は歩切れ。私は後手を持ちたいが、どうなのだろう。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ビブリア古書堂の事件手帖』 第2話「落穂拾ひ・聖アンデルセン」

2013-01-21 21:54:25 | ドラマ・映画
「想像してみてください」

「お誕生日、おめでとう」
「お前になんか言われたくねえよ、ば~か」


 傷つきますよね。
 あ、冒頭のフレーズの使い方、違いました。

栞子の推理法のひとつだと思うが、何か、企業の新システムのプレゼンテーションに使わるような切り口みたいだ。
 それにしても、あの男子高生、心の卑しい奴だ。そもそも、一見で高校生に見えないが…


 それはともかく、栞子の勿体ぶりには、少々イラつく。確かに、小出しにしてくれた方が、推理する楽しみはあるが……
 それに、
「あなたは、そのスピンが欲しくて……本を盗んだんです」
パッパッパパ~パ♪パッパッパパ~パ♪
やかましいぞ!


 う~ん、すごい推理力である。
本を売るためでもなく、本を読むためでもなく、
盗む理由があるとしたら、それは……一体なんなのでしょうか?

という、栞子の言葉で始まるオープニング、まさに『鍵のかかった部屋』であるが、
それはさておき、
盗んだ理由が大きなカギであった。
 しかし、それと
志田の話…≪紙袋の中身を確かめる様子、何かを探す様子≫
笠井の話…≪バス停の方に走って行った、はさみを借りた、はさみに水滴がついていた、客を乗せたバスが走り去って行くところで、バス停のところに彼女は残っていた≫(よく、はさみを持っていたなあ)
≪残された古書のラインナップ≫
という情報で、あの結論が導き出せるのか?

 親切にも五浦(視聴者)に、バスを乗らなかった真相を明かし、“本を構成するパーツは?”と問いかけ、
 男子高生の話…≪その時の女子高生の言動と間柄≫

 ここまでヒントを出されると、おおよその事の次第は想像できる。
 視聴者は、映像で彼女のしぐさや紙袋の形態で、紙袋は誕生日のプレゼントで中身はケーキ類と見当がつく。彼女の欲しかったものは、本を構成するパーツの一つの“スピン”ではさみとつながる。
 でも、リボンの固定するための紐までは、なかなか想像できないなあ、男性は。


 さて、このドラマのもう一つの見どころ、
≪本にまつわるストーリー≫

「この話って願望全開だよね。こんな女いねえよ。
 でも、願望だって分かってて、敢えて書いてる。
 それがはっきりしてるから、いい話なのかなと思った」


 これは女子高生の感想だったが、志田と感性が同じだったようだ。
 小説の良さは理解できるが、志田の話やエンディングでの本の紹介を読んでも、よく話が分からない。
 本の主人公の誕生日に爪切りと耳かきのプレゼントをもらって、おしまいって。
 どこが、「願望全開の女性」なのか?これは、実際に読んでみないとわからないのだろうが、だいたい、誕生日のプレゼントに爪切りと耳かきって、現代では(少なくとも私には)理解不能。

【補足】
 通りすがりさんから
「願望全開の女なのではなくて
実際貧乏小説家だった作者の小山が、貧乏小説家が
優しい古書店の若い娘と知り合いになって優しくされる
という現実にはありえない願望を、小説にしたという
作者の願望全開な小説という話かと」

というご指摘をいただきました。
 全くその通りです。未熟でした。
 
 本の中の女性が、主人公の誕生日が、『落穂拾い』を描いたミレーと同じ誕生日だと教えたのは、励ましだったように思うが、私的には、この小説のタイトルの由来が最後に明かされるというオチだったのでではないかとひねくれて考えてしまう。

 志田のこの本そのものへの思いもあったが、省略。


「かわいそうになあ。……本のことじゃねえ、あんたのことだよ。
 こんなこと(本を盗む)まで頑張ったのに、プレゼント、受け取ってもらえなかったんだろ」
「どうでも良かあねえよ。あんたは気持ちを踏みにじられて傷ついた。………
 ……もし良かったら、俺に話してみねえか」

“何かの役に立つということを抜きにして、
 僕たちがお互いに必要としあう間柄になれたら、
 どんなにいいことだろう”


「甘ったるいけれど、胸に沁みる言葉じゃねえか……なあ」

この言葉に、彼女は堰を切ったように泣き出し、心の傷が洗われていった。

 でもね、志田さん。
 あなたがあの場所に自転車を放置したから、この騒動が起こったのだよ。
 彼女が怪我しなくてよかったよね。

 たぶん、推理パーツと人情パーツが相まって、非常に面白いのだろう。
 しかし、ヒロインにイマイチ魅力を感じず、女子高生も盗んでおいて態度が悪すぎなので、共感が少ない。これは、脚本のせい?それとも演出?それとも女優のせい?

「大丈夫です。彼女は、また、戻ってきます」
って、無表情で言っていたが、ここはにこやかに言う方が魅力的なのではないだろうか?
 ここだけでなく、真相を明かす説明も、無表情すぎて魅力を感じない。



「意外でした、『落穂拾ひ』のこと。
 五浦さんが、あんなに一生懸命になるなんて」


 え?五浦の人となりを認めて、雇ったのではないの?

 その五浦であるが、
「ストーカー?……893?」
と、男子高生に勘ぐられるが、正体はダンサーである、いや、古書店員である。
 今回、栞子のことを根掘り葉掘り聞いていたが、同居していない母親のことを、ずけずけ訊くものだろうか?

 甘味処のマスターとの変な会話は要らない。


【ストーリー】番組サイトより
 篠川栞子(剛力彩芽)は、小山清の『落穂拾ひ』を盗まれ気落ちする「せどり屋」の志田肇(高橋克実)を五浦大輔(AKIRA)に紹介した。すると、志田はあいさつもせず、本を盗まれたときの状況を話し始めた。
 志田は古書堂へ来る前、ある寺に用があり自転車で向かった。ところが着いたとたんに腹痛がし、荷物を残したままトイレへと駈けだした。そのとき、音がして振り返ると女子高生らしい少女(水野絵梨奈)と自転車が倒れているのが見えたので、戻って声をかけた。しかし、少女は見向きもせず自分の紙袋の中身を確かめていた。志田は気になったが、自転車を起こしておいてくれと頼むとその場を立ち去った。それでトイレから戻ると、『落穂拾ひ』だけが紛失していた。少女が盗ったのは間違いないと志田は言う。
 栞子は、少女が『落穂拾ひ』を盗った理由こそが少女を探す鍵になると言い、トイレから戻ったとき、自転車とほかの本はどうなっていたのかと聞く。自転車も本もその場に放置されていたが、本は仲間の笠井菊哉(田中圭)が拾い集めてくれていた、と志田は答えた。また笠井は、寺からバス停へと走り去る少女を目撃していたという。
 栞子の提言で笠井と会った大輔は、あの日、笠井が少女に頼まれ、ハサミを貸していたと聞く。さらに、バス停まで走った少女が、バスには乗らなかったとの証言も得た。それを聞いた栞子は、少女が盗むのは『落穂拾ひ』でなければならなかったのだと言い…。
コメント (11)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『八重の桜』 第3話 「蹴散らして前へ」

2013-01-20 20:26:38 | ドラマ・映画
「何かを始めようとすれば、何もしない奴が必ず邪魔をする。
 蹴散らして、前へ進め!」(象山)


 確かにそうだ。
 文化的、産業的には革新は必要である。
 「変わらなければならない」
 しかし、それが地球的となるとどうなのか?はなはだ疑問に感じてしまう今日この頃。
   
(……ドラマとは関係のないことを)


「(藩には)お暇を戴いてきました。紐付きのままでは、会津で働けませんからね。一先ず、浪人です。
 戻る?それは考えてなかったなあ」(尚之助)


 熱いながらも慎重派の覚馬と対照的な尚之助の言葉で、蘭学所がまだ開設される前に行動を起こしてしまう猛進型だ。(前話の黒船乗り込み計画の際も、二人は対照的であった)
 覚馬は、蘭学所開設前に講義の練習、講義に必要な機材等を準備するなど慎重な一面。ただ、それでも旧態派の会津藩では革新過ぎて反発も買ってしまう。
 通りで武士二人に嫌がらせを受け刀に手を掛け、抜き差しならぬ状況に。……そこは、卑怯な行いはしないという会津武士、道場で1対1の槍の試合で決着。

 ……強かった(それに、肉体美)。
 「慎重派」という言葉を用いたが「完璧主義者」と言った方が良いのかもしれない。鉄砲や学問だけでなく、しっかり鍛えていた。

意外に人格者の頼母
「遺恨を含んで、槍を振るう奴があっか!この馬鹿もんが」
「代々、弓・槍・刀でご奉公してきたんだ。それを鉄砲が強いと言われれば、誰だって腹立てるのが道理だと思わねえか」
「覚馬、聴く耳を持て。声高に“鉄砲が強い、鉄砲が強い”って言ってたんでは、敵が増えるばっかりだぞ」
 庄之助の師範採用がままならぬ苛立ちと、自分の信じる鉄砲をけなされて熱くなる覚馬を諭す。


しかし
 弓・槍・剣など古来の武芸を重んじ、新式兵器の導入を訴える山本覚馬の意見書を退ける重臣たちに
「古い……。あなた方は世界を知らぬ、まるで、井の中の蛙だぁ!………やっつまった」
           ……禁足の処分
                              腐る、覚馬


「わたすは、続けやす。人に笑われても構わねえ。
 あんつぁまが、もうあきらめると言っても、わたすはあきらめねえ。
 鉄砲を極めるまで、一人でも続けやす」

 実弾を撃つのが初めての八重だったが、目を瞑る欠点も克服して、的に命中!
 初回冒頭に「命中」と呟いたのは、尚之助の助言を守っていたからだったのか。

 八重の心意気に、覚馬の心の霧も晴れ
「よし、蹴散らして、前に進むかぁ」


 八重の作った銃弾が暴発しなくてよかった。



【ストーリー】番組サイトより
 八重(綾瀬はるか)の兄・覚馬(西島秀俊)は、佐久間象山(奥田瑛二)の塾で会津藩に先んじて西洋の技術を貪欲に習得していく他藩の動きを知り、焦っていた。そのころ会津では、八重が両親から砲術への思いを断つよう厳しく諭されていた。
 そんな折、吉田寅次郎(=松陰・小栗旬)がアメリカへの密航を企て、象山がそれをそそのかしたとして捕縛される事件が勃発。仕方なく会津へ戻った覚馬は、大きな米俵を持ち上げて男と競争に興じる八重(綾瀬はるか)の姿を見て驚く。さらに、八重が砲術の知識を深く習得していることを知った覚馬は胸を打たれ、思いを断ち切らなかった八重に砲術の手ほどきするのだった。
コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする