英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

更新が滞っていた理由

2015-06-30 16:25:00 | 日記
 1週間以上更新していません。これだけのブランクは、これまでなかったかもしれません。
 さて、その理由は?

①仕事が忙しい
②体調不良
③離婚調停でそれどころではない
④気力減退、情熱減少
⑤書くネタがない
⑥その他


【解答・解説】
このパターン、以前もあったなあと思った方は通です。
①例年、6月は売り上げが少ないです。今年も、残念ながら同じような数値でした。
 正確に言うと、儲からない仕事が多く、忙しかったのですが、生活に影響するほどではありません。

②体調は良好ではなく、どちらかというと不良です。でも、生活に影響するほどではありません。

③円満ではありませんが、離婚するほどではありません。(と思っているのは、私だけかもしれません)

④精神的に著しく落ち込んでいるわけでもありませんし、肉体精神的なストレスで消耗しているわけでもありません(無自覚なだけかもしれません・後者)

⑤ドラマの切り替わり期で、ドラマネタがないという理由は成り立ちます。
 しかし、ドラマ以外に「自衛隊派遣(集団的自衛権)」「将棋雑感(竜王戦など)」「名人戦第4局」「歳時記(写真)」「気象(エルニーニョ・3か月予報)」等、記事ネタはいろいろ頭に浮かびます。まあ、今一つ、書き始められなくて、流れて行ってしまっているという状況です。
 流れてしまった理由には、心当たりがあります。それは、大きなネタを少なくとも2つ抱えてしまっているという精神的圧迫です。
 その大きなネタとは、Stanleyさんから紹介された「騎士道 羽生善治」という記事に触発された「羽生名人考」「2014年度棋士活躍度ランキング」です。
 「羽生名人考」は6月15日時点で序章から第1章辺りまで書いたのですが、「将棋雑感 ~棋聖戦第2局、銀河戦珍記録?など~」「プロの将棋としてはどうなのか? …女流王座戦・2次予選…」「『捜査一課9係 season10』 第8話「3つの捜査線」」「『アイムホーム』 最終話」を、先回しにしたため、考察が中断してしまい、そのままになっています。ネタが大きなだけに、一旦休止すると、なかなか動き出せません。
 「2014年度棋士活躍度ランキング」については、全く手付かずです。4月中にはと思っていたのですが、もう3か月も経ってしまいました。
 それから、「14-15 Wリーグ プレイオフ・ファイナル」も第1戦のみしか書けていないのも、心に引っ掛かっています。これらを先にしなければという思いが、新たな記事を書くブレーキになっているのかもしれません。

⑥金曜~日曜にかけて、陸上競技の日本選手権があり(各2時間)、LPGAのゴルフ中継(土曜、日曜、各3時間)があり、その観戦に時間を取られたということが一番の要因かもしれません。録画する容量確保のため、未見の2時間サスペンスを視聴しなければならなかったということもあります。
 多忙や体力消耗は、気力でカバーして記事を書けますが、テレビ視聴しながら記事は書けません(ドラマレビューは書けますが)。私が才能豊かか、脳幹の太い女性で「ながら仕事」が得意なら可能かもしれませんが……

 あと、3回忌や菩提寺の住職が亡くなられたことなどの諸事があったことも、少しばかりの言い訳にできそうです。


 そんなわけで、取りあえず、元気です。
 今日で一年の半分が終了(早いですね)。明日から7月、気分を一新して頑張りたいところですが、7月上旬は割と忙しいので、更新はゆっくりとなるかもしれません。
 でも、先に書きましたように、多忙と記事執筆力はあまり関係しないので、それなりに、更新していくつもりです。
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『アイムホーム』 最終話

2015-06-22 17:23:07 | ドラマ・映画
(初回を見ていないので、今一つ把握できていませんが)
爆発事故以前の久の性格・行動をかんたんにまとめると
 ……上昇志向が強くバリバリの仕事人間で、家庭を顧みず、他人の気持ちを思いやることはない“人非人”(人でなし)


☆各エピソードで明かされた多少の弁護と真相
・前妻の連れ子・すばるには優しかった
・前妻の父を尊敬していた
・息子・良雄に厳しかったのは、シビアな考えによる英才教育を目指したことによるものだった
・実家には金銭的な支援をしていた
・元社長秘書の愛人(吹石一恵)がおり、そのことで左遷された(表向きの理由)
・土地取引の損失を、妻の父に押し付けた
・良雄が山野辺(田中直樹)との間でできた子供ではないかと疑いDNA鑑定をしていた
・妻・恵から離婚を切り出されたが、別れたくないと思っていた
・妻と息子の顔が仮面に見えるのは、爆破事故前に恵に「わたしには久さんが仮面に見える」と言われたのが原因
・自分の知らないところで損失隠しの片棒を担がされて、そのことで左遷されたが、証拠をちらつかせ社長と取引をしていた

 「人を信用できず、また、自分の気持ちを表すのが苦手で、妻を愛していたが、妻の優しさに甘えての身勝手な行動だった」というような久の心情的言い訳を全編に亘りしていたが、説得力は皆無と言って良い。
 前妻の人格(生き方)を認めようとせず、妻の父に損失を押し付け、愛人を作り、家庭を顧みない最低の“人でなし”で、前妻にしろ、恵にしろ、なぜ久を好きになったのかが分からない。


 それに、久が自分の悪行を詫びてマンションを去っていったが、それを引き留めなかった恵の心情もよくわからない。
 事故後の久は、以前とは全く正反対の人と真正面から向き合い思いやる性格であった。それを最も感じたのは恵ではなかったのだろうか?
 あの場面で引き止めないと、10回にわたるストーリーが意味を失ってしまう。
 久のリハビリを必死で助ける恵は何だったのだろうか?
 そのことを、覚えていない久もおかしい。


 家が火事になり、恵を助けに行く。病院で意識を回復し、恵を求めて取り乱す……こういう“いかにもな”盛り上げエピソードを使用したのは残念だ。
 ひとり、ベンチに腰掛け、自分の気持ちと向き合い、≪帰るのは我が家しかない≫と家路に向かう……そういうラストでよかったと思う。

 最終話で、久の心象風景で新旧の久が対峙するシーンがあったが、結局、どちらが本当の久なのか分からなかった。
 事故のショックで、現在の久に変貌したのなら、また、元の久になってしまう可能性もある。
 それとも、もともとは現在の久が本来の姿で、父の失踪が因となり、現実主義、利己主義の久になってしまったと解釈すればいいのだろうか?
 もしかしたら、父とのエピソード(第7話)で、そう言ったことが語られていたのかもしれないが…



 面白かったとは思うが、軽井沢のエピソード(第6話)あたりからはストーリーがスローダウンし、損失隠しが明らかになった以外は、後半は面白さが半減。
 第十三営業部のメンバーも中途半端であった。帳簿に挟まっていた不審なメモが、部長の小机の仕業かと思ったのだが。
 渡辺いっけいさんは帰ってこなかったなあ……

 

【ストーリー】番組サイトより
 「わたしには久さんが仮面に見える。あなたの本当の顔がわからない」

 妻の恵(上戸彩)から思いもよらない告白をされ、衝撃を受ける家路久(木村拓哉)のもとを本城剛(田中圭)が訪ねてくる。本城から、恵と再会した経緯、その頃の恵の様子などを聞いた久は、結婚以来、恵ときちんと向き合ってこなかったことを改めて痛感する。
 一方、恵は野沢香(水野美紀)の病室を訪ねていき…?

 そんな中、久は手元にある鍵束の中にトランクルームの鍵が残っていることに気づく。
 トランクルームを訪れた久は、そこにトレジャーランドの“お宝ボックス”と、良雄とふたりで撮った写真が置かれているのを発見。トレジャーランドには行っていないはずなのに、何故…? 疑問に思う久の脳裏に、ある衝撃的な事実がよみがえる…!!
 すべてを思い出した久は、恵に真実を告白。そして、これ以上は一緒にいられない、とひとり静かにマンションを出て行くのだった…。

 一方、葵インペリアル証券の損失隠しに関する記憶も取り戻した久。すみやかに所持しているデータを社長の上王子悟史(沢村一樹)に渡すよう小机幸男(西田敏行)に迫られる久だったが…!?

 果たして久が思い出した衝撃の過去とは何だったのか? そして離れてしまった家族は元に戻ることができるのか? 恵と良雄の仮面は外れるのか?
 すべての謎が解ける衝撃の結末…!

ゲスト:沢村一樹 佐々木希

原作:石坂啓
脚本:林宏司 山浦雅大
監督:七高剛
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『捜査一課9係 season10』 第8話「3つの捜査線」

2015-06-21 21:30:07 | ドラマ・映画
 『捜査一課9係』は9係の面々が個性豊かで彼らのやり取りがまず面白い。そして、その彼らが思い思いに多方面に捜査し最後に収束していくという面白さも大きな特長である。事件も深みや捻りもある。
 しかし、ここ数年は、キャラクターをうまく使おうとして事件そのものをひねり過ぎてしまうことも多くなってきている。長期シリーズドラマにおける、マンネリ打開、あるいは、もう一段階上を目指す制作サイドの苦労があるのだろう。

 それでも、不満や疑問を感じることはあるが、安定して楽しませてもらっているドラマである。まあ、記事に取り上げる時は、不満が大きい時が多いようである。
 で、今回の記事アップの動機も不満や疑問が大きかったからであるが、それとは別の理由もあった。

 私は、感じるものが大きかったドラマや記事を書くドラマについては、他の方のドラマレビューサイトを見て、納得したり確認したりしています。
 そういったブログの中で、やたら記事(ドラマレビュー)の数が多くて記事アップが早いブログがある。これだけのドラマを観て、しかも記事を書いている……≪いったいどういう生活をしているのだろうか?≫と常々疑問に思っています。
 観るドラマの数が半端でないので安定した視聴力(読解力)を持っている方ですが、私と重視する視点が違うので、ドラマの評価は正反対になることが多いのです。
 氏が重視するのは、登場人物の役割、例えば主役の刑事、脇役の刑事、上層部がきちんとその役割を果たしているかがである。
 私は、犯行の動機、事件の経緯の必然性などを重視し、登場人物がその役割を果たしているかは重視しません(組織の動きに整合性があるかは重視する)。
 不思議なことに、氏と私の重視する点の出来が反比例することが多く、評価も正反対になってしまいます。
 まあ、それはそれで、ドラマの評価は人それぞれなので文句を言うつもりはありません。(多少、いえ、かなり氏の主張が断定的で上から目線と感じてはいます)

 で、今回の「3つの捜査線」ですが、あらすじにも書いてあるように、狭い地域で立て続けに殺人事件が起こり、9係が3つに分かれて捜査を開始する。
 で、その結果、容疑者が浮かび上がり容疑者の下へ向かうが、3コンビが鉢合わせするという話。まあ、いつもは同じ事件をバラバラに捜査して、それが一点に収束しているので、別の事件という違いはあるが、いつものパターンと言えなくもない。
 さらに、その容疑者はダミーであり、3つの殺人事件は殺人請負組織の犯行であった。実行者と依頼者が第1発見者となりアリバイを偽装したのだった。その上、ダミー容疑者と係長の人情話にまで発展させた。

 「かなり頑張った脚本ではあるが、頑張り過ぎてストーリーに破綻してしまったという罠に陥ってしまった」というのが私の評価です(面白いことは面白いが…)。
 で、氏のレビューを読むと…案の定というかそれ以上の評価でした。

「際だつ6人の刑事たちが存在し、チームで行動する“9係”でしか成立することがない物語
だと言っても良いでしょう。
 それぞれの活躍の場も与えられているし、刑事らしい動きも魅せている。
 最終的に“まとめ役”である加納倫太郎が、事件を。。。。

 色々なカタチのある今作《9係》ですが。
 こういった物語を生みだしたのは、凄いですね。
 若干、違和感のある部分もありますが、

 今シリーズどころか、全シリーズ上、最高傑作の1つと言って良いかも」
 


 引用した前半部分(ドラマの構成の評価)は私も同意しますが、とても傑作とは思えません。
 別に、氏に反対するのが主旨ではありませんが、≪『捜査一課9係』をレビューするブログは少なく、“最高傑作”という評で評価がプラスに傾いてしまうことは避けたい≫という意味で記事を書くに至ったわけです。


 細かい点は後述するとして、大きな疑問点は2つ。
1.不合理な依頼殺人の手法
①実行者が第1発見者

 依頼者に嫌疑が向かないように、実行者と口裏を合わせて第1発見者を装い、アリバイ工作をする。実行者と依頼者は初対面である事実を強調。
 一見、巧妙な手法のようだが、第1発見者には疑いを向けられ、その身元等を調査され足が付く可能性が高い。実行者と被害者とは旧知の仲(同業者、友人)という設定も、破綻が生じそう。

②遺留品提供者の報酬が高額
 架空の犯人をでっちあげるため、無関係者の所持品を犯行の遺留品にした。実行者や依頼者への嫌疑をそらすためであるが、3件分としても1000万円というのは高額すぎる。依頼料は一体いくらだったのだろうか?
 実行者のリスクは相当高いので、遺留品提供者が1件当たり333万円よりはかなり高額でなければならないはず。


2.倫太郎(渡瀬恒彦)と小谷(蟹江一平)の強引な人情話
 介護を担当した老女に会うため、海外逃亡を遅らせた小谷。
「ぼくはずっと、無意味な感情に振り回されてきた。
 弱いんです。だから、自殺寸前まで追い込まれたんだろうなあ。
 現に僕はホームレスで、人の事なんか考えない。奴らが金持って良い生活してんだよっ!(妬んでいた)
 岡本…あのやくざの話に乗ったのだって、弱い自分を殺すためなんです。
 弱い自分を殺して、生まれ変わって、今度こそ、強い人間になるって思ったんだ。なのに、なぜ…」


これに対し、倫太郎が、病室で老女が何度も折っていた折り紙を見せ
「あなたは、弱いんじゃない。優しいんです。その優しさが、すずさん(老女)の気持ちにそのまま伝わった。
 あなた、強く生きたいと思うんだったら、あなたの中にある優しさをもっともっと大事にするべきなんです。
 あなたが弱いとしたら、その優しさを一度は捨てようとしたことです」

と、優しく諭していた。
 しかし、小谷は殺人に加担した。直接は手がけなくても、殺人が行われることを容認したのである。
 “優しさを捨てた”というレベルではないはず。右京さんなら、つばを飛ばして激高したに違いない。


【その他の疑問点】
・3件の殺人事件を迅速に捜査しなければならなかったので、不自然に情報提供者が9係のメンバーに近寄ってきた
・小谷が逃亡を遅らせてまで会いに行ったという行為に免じて、折り紙なんて回りくどい表現をせずに、老女が笑顔で反応してあげて欲しかった。
・ガラス工場の事務室にいた後姿が美人風な事務の女性が気になったが、単なるエキストラだった。

【ストーリー】番組サイトより
 ごく狭い範囲で立て続けに3件の殺人事件が発生した。
 第一の事件の被害者はエステ会社の社長・絵里子。財布から現金が抜き取られているので金目当ての犯行と思われたが、倫太郎(渡瀬恒彦)と直樹(井ノ原快彦)はそこから絵里子には似つかわしくないインターネットカフェの割引券を見つけ、不審を抱いた。
 第二の事件の被害者はデイトレーダー・西。青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)は現場から1か月前のスーパーのレシートを発見した。掃除は施されているはずなのに、なぜ?
 そして第三の事件の被害者は資産家の木崎。どうやら庭石で殴られたらしい。志保(羽田美智子)と村瀬(津田寛治)は現場で、何かがプリントされたガラスの破片を見つけた。

 奇妙な遺留品と、怪しいがアリバイのある関係者たち。3組はそれぞれ捜査を進めた。
 倫太郎と直樹は割引券の購入者から、小谷(蟹江一平)という男にたどりついた。彼が勤めていた介護サービス会社に赴いた2人は、なんと志保と村瀬、青柳と矢沢と鉢合わせる。彼らもそれぞれのルートで、小谷にたどりついたのだ。

 小谷は濡れ衣を着せられて会社を辞めさせられていた。3つの現場の場所と時刻から、彼ひとりでの犯行は可能だ。物証はすべて小谷の犯行を示していたが、確保された彼は無実を訴えた。
 やがて事件当日のアリバイが証明され、小谷は釈放される。まさかの誤認逮捕…。ということは、小谷の犯行に見せかけようとした真犯人がいるはず!
 そして事件は、倫太郎が奇妙な点を見出したことで、意外な展開を見せはじめる…!

ゲスト:蟹江一平

脚本:徳永富彦
監督:田村孝蔵
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プロの将棋としてはどうなのか? …女流王座戦・2次予選…

2015-06-20 17:08:55 | 将棋
目くじらを立てるのは変なのかもしれませんが、“プロの将棋として、疑問、残念感が大きすぎる将棋”だったので書かせていただきました。気が咎めるのでイニシャル表記としました(中途半端な小心者です。)


 一局全体については後述するが、やはり、際立つのがこの局面。
 直前の後手の△7八飛が△4八金の1手詰めと7九の角取りになっていて、▲5七角打とそれを両方受けようとした手だが(打たずに▲5七角とかわす手も大差なし)、受けになっていなかった。
 後手のI女流初段は1分の考慮時間で△5八金と打った。この手も王手角取り(角はヒモ付きだが)でまず第一に浮かぶ手だ。“次の一手”のように意識しなければ、アマの有段者でもこう指してしまうかもしれない。しかし、ここでは△4八銀▲同角△5八金▲3九玉△4八金以下の追い詰があった。
 もちろん、△5八金も勝ちに近づく手なので、取り立てて批判しなくてもいい気もするが、プロ棋士の公式戦で、俗にいえば“銭の取れる将棋”なのかを問われる指し手である。残り時間38分(持ち時間3時間)もあったので、時間切迫という酌量もない。
 中盤から楽勝になった気の緩みが同情の理由に挙げられるが、△7八飛(考慮時間0分…1分未満は切り捨て)と打った時点で、この手がどのくらいの“詰めろの深度”(受けにくさ)…「角を利かせても受けにならない」を読み切らなければならなかった。


 まあ、この緩みだけなら、“ポカ”ぐらいで記事に取り上げて非難するほどではないようにも思う。
 実は、この詰みを逃したことよりも、先手のK女流1級の指し方に問題を感じている。


 後手は中飛車左穴熊。I女流初段は公式戦では1局のみの経験だが、序盤の差し回しは準備充分に思われた。
 局面は、▲6五歩△同歩と突き捨てて7八の飛を6筋に転換した手に対し、△5六歩と反発したところ。この手に26分考え、I女流の考慮時間は1時間3分、対するK女流は先の▲6五歩に7分考えた以外は考慮時間は0分か1分。
 この△5六歩に対しても1分で▲3三角成。以下△5七歩成(7分)▲2二馬(6分)△同金(0分)▲5七金(0分)△同飛成(0分)▲4六角(0分)と大決戦となった。
 ここまでのI女流の時間の使い方(使わなさと言った方がよいかも)は疑問に感じるが、▲3三角成にも1分しか考えず、△5七歩成とされて▲2二馬に6分というのは△5七歩成が考慮外にあったと考えられる。
 さらに、△5一龍(1分)に、6分の小考をして反撃の▲6五銀したものの、第2図の△6七歩(6分)と飛頭を叩かれ長考(19分)に沈んでしまった。


 ▲6七同飛は△7八角があるので取れない。この際、▲5八飛と勝負をかけるのかとも思ったが、▲9八飛と辛抱。
 以後も苦しい局面が続いた。



 図の直前、△5八金に▲4九金と受けた手に対し、△7五角の王手が痛打。
 ▲2八玉と逃げるのは△4九金で受けなしなので、▲6六飛と根性の飛車合。▲4九金では▲2八玉としたほうが良かった(“まし”という程度)。△4八金の寄り付きには▲4九金と抵抗できる。

 第3図以下、△4九金▲同玉△6六角▲同銀△7八飛△5七角打と進んだのが冒頭の第4図。

 詰みを逃しての△5八金▲3九玉△4八銀(第5図)


 普通に指して良ければそれが一番良いと思うが、先手玉を2八に逃がしての後手の飛車金銀はさすがに重過ぎ。
 それでも、▲2八玉に△5七金▲同角△3九角▲1八玉△3七銀成の必死を掛ける手があったが、流れからいって△5七銀成▲同角△4八角(第6図)とするのは仕方がないのかもしれない。


 後手の変調で、第6図では先手にチャンスが訪れていた。
中継解説を引用すると
「これは▲6七銀が結構嫌ですよ」(佐藤七段)
▲6七銀に(1)△5七金は▲7八銀、(2)△5七角成は▲同銀△同金▲7八銀。
「ただ、▲6七銀には(3)△5六歩がありまして、やはり後手の勝ちですね」(佐藤七段)
△5六歩に▲4六角などでは、△3九角成▲同玉△4八金以下先手玉が詰む。


 正しく応対すれば後手の勝ちは動かないが、指し手の流れからすると、後手のI女流が間違える可能性は低くはないように思える。
 しかし、第6図の△4八角に▲同角(5分)と応じてしまい、後手の変調を通してしまった。以下は△同金に▲3九銀△同金▲同玉△4八角に投了と、指してみただけ。


 詰みを逃したI女流初段よりも、見えた手を短慮で指してしまい、苦しくなってから考えるK女流1級の指し方に問題を感じる。
 ≪勝ちたい≫≪負けたくない≫という気持ちは感じられるが、『一生懸命考えている』ようには思えないのである。
 指し手の内容、将棋に向かう姿勢、ともに疑問を感じた将棋だった。
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将棋雑感 ~棋聖戦第2局、銀河戦珍記録?など~

2015-06-17 17:23:57 | 将棋
棋聖戦 羽生棋聖VS豊島七段
 第2局は後手番の豊島七段が競り勝ち1勝1敗のタイにした。
 矢倉先手番の苦戦と言われているが、これは主力の4六銀-3七桂型が後手の新たな対抗策に苦戦しているのが主因。
 この棋聖戦も2局とも矢倉後手番が勝利し、ますますその評は強くなったかのように思われるが、矢倉戦全般において先手が苦戦しているわけではない。ただ、主力戦法の指しやすさに依存してきた分、他の戦型での熟練度が不足しているためと考えられる。そのうち、先手矢倉が盛り返すと見ている。また、4六銀-3七桂型においても先手の新工夫が開発される可能性も低くはない。

 実際、昨日の第2局は、作戦的には成功の感触があった。先手の羽生棋聖は早いタイミングで▲3五歩と突く最近では珍しい手法を採り、△3三桂と跳ねさせられた辺りでは、豊島七段もやや自信がないようであった。
 しかし、△4二角と上がって先手の7五の銀にプレッシャーを掛けたのが巧妙で、羽生棋聖の攻撃にカウンターを決めた。6六の歩の垂らしと跳ねさせられた桂が4五で威力を発揮、また、角も1五角へと気持ちの良い活用ができ、豊島七段の会心譜となった。
 羽生棋聖はやや前掛かりの攻撃となってしまった感がある。左の銀を犠牲にと金を作ったものの、そのと金を守るためにと金の尻に歩を打つのでは変調。また、5五に出た角も△5四銀に対し2八に引き、直後の△4六歩の突き捨てに▲同角と引き寄せられ、後手のカウンターを受ける因となってしまった。素人考えだが、△5四銀には▲6四銀と決戦に出た方がよかったように思う。
 第3局は大きな一局となるが、戦型も注目される。

王位戦 羽生王位VS広瀬八段
 挑戦者決定戦で菅井六段を破った広瀬八段が挑戦権を獲得した。
 深浦王位を4勝3敗の激闘の末、新王位についたのが5年前。翌年、挑戦者に羽生二冠(当時、王座・棋聖)を迎え、これまた3勝4敗の激闘の末、失冠している。
 当時も攻守の玉の距離感の見極めが鋭く、羽生二冠をあっという間に土俵の外に持っていったり、深浦王位との玉と玉とが対峙する接近戦を制した強さが印象に残っている。
 現在は居飛車党に転身したが、終盤の妖気漂う強さは健在。羽生王位にとって油断のできない相手である。


竜王戦 第27期竜王 糸谷哲郎
 決勝トーナメントの顔ぶれが出そろった。4~6組は4月29日記事時点での顔ぶれからすると、一番の有力棋士が勝ち上がった。
 竜王戦でのこれまでの戦歴に注目すると、1組3位の豊島七段…6組・5組・3組優勝、2組優勝の稲葉七段…6組・5組・4組・2組(今年度)優勝、4組優勝の永瀬六段…6組・5組・4組(一昨年度、今年度)と、各組で優勝する棋士が多い。永瀬六段は一昨年度4組で優勝し3組に昇級したものの、昨年度は連敗し4組に降級し、今年度再び4組優勝するというエレベーターぶり。
 羽生名人は第1期では4組で参加し優勝。翌期は3組で優勝、挑戦者決定トーナメントを勝ち上がり、島竜王を4勝3敗1持将棋の末、竜王位に就いている。翌3期に谷川王位の挑戦を受け1勝4敗で失冠。4期は1組に参加し、ランキング戦1回戦で脇七段に敗れ、出場者決定戦1回戦で南王将に敗れ、さらに、残留決定戦で加藤九段に敗れ、2組に降級している。翌期、2組で優勝し、決勝トーナメントも勝ち上がり、谷川三冠を4勝3敗で破り雪辱を果たしている。以降は1組以上をキープ、16回目の本戦トーナメント進出。優勝は4組~1組まで経験している。竜王獲得は6期。
 羽生名人に次ぐ出場回数15回を誇るのは1組4位の佐藤九段(竜王位1期)。3番目は1組5位の藤井九段(竜王3期)と豊島七段の5回と減り、常連の森内九段、郷田九段、丸山九段、深浦九段らの顔が見られない。出場4回は、1組2位の阿久津八段、3組優勝の真田七段(第10期挑戦者)、2組優勝の稲葉七段、4組優勝の永瀬六段。
 2組2位の渡辺棋王は、何と2回目。竜王を9期も獲得している(永世竜王)のが原因だが、『週刊将棋』の「11期ぶり2回目」という表記は何とかならないのだろうか?
 初出場は5組優勝の斎藤六段と6組優勝の千田五段。

 トーナメントの左の山は、パラマス方式でスーパーシードの羽生名人が待ち受ける。
 まず、6組千田、5組斎藤、4組永瀬の若手つぶし合い戦。以前も述べたが、この方式、何とかならないモノだろうか?物理的に、6~4組の優勝者のうち一人しかベスト8ラインに進めないのは、おかしいと思う。
 その生き残り者が、藤井九段、佐藤九段と対戦するのだが、この2棋士を連破するのは難しそう。羽生名人にとっては、佐藤九段、藤井九段とは相性が良いので、羽生名人の挑戦者決定戦進出の公算は大きい。
 右の山だが、やはり、渡辺棋王が最有力、対抗は豊島七段、次いで稲葉七段。2組のランキング戦の決勝で、渡辺棋王は稲葉七段に敗れているが、仮に渡辺棋王が稲葉七段に勝っていたら、初戦で豊島七段とぶつかっていた。2組の優勝賞金は350万円、準優勝は90万円と差が大きいが、組み合わせ的には豊島七段と稲葉七段がつぶし合ってくれるので幸運だったかもしれない。(阿久津八段、真田七段を軽視してしまい、申し訳ありません)

 話が脇道に逸れるが、1組優勝賞金450万円、準優勝110万円と比較すると、2組の賞金が高いと思う。
 あと、不満なのが、中継サイトが怠慢すぎる!
 未だに、昨年のトーナメントを張り付けたまま。毎年のことだが、やる気なさ過ぎ!



王座戦 第62期王座 羽生善治
 決勝トーナメント1回戦は、
○丸山九段×屋敷九段、○佐藤天八段×阿久津八段、○渡辺棋王×永瀬六段、○稲葉七段×中村太六段、
○久保九段×深浦九段、○佐藤康九段×佐藤紳六段、○山崎八段×森内九段、○豊島七段×三浦九段
 森内九段が敗れた以外は順当に近い。(丸山×屋敷戦と稲葉×中村太戦はどちらが勝っても不思議はないが)

 準々決勝は
丸山九段×佐藤天八段、渡辺棋王×稲葉七段、久保九段×佐藤康九段、山崎八段×豊島七段
 いずれも楽しみな顔合わせ。
 この中で、既に渡辺棋王が稲葉七段を破り、ベスト4に進出している(竜王戦2組決勝の雪辱)。
 棋聖位への挑戦権を争った佐藤天八段、豊島七段はここでも勝ち上がっている。


銀河戦 第22期優勝 渡辺明
 トーナメントの各ブロックが大詰めを迎えている。
 注目はAブロック。2回戦から登場した西尾六段が村中六段、高見五段、大平五段、脇八段、片上六段、畠山成七段、中田宏八段、橋本八段、谷川九段をなぎ倒し、九人抜きを果たし、残るは渡辺棋王のみ。もちろん、決勝トーナメント進出は連勝者枠で決定している。
 実は、注目しているのは西尾六段ではなく、西尾六段が最終戦で渡辺棋王を破った場合の本戦出場者。
 規定では、決勝トーナメント進出者は最終戦の勝利者と最終戦勝利者を除く最多連勝者(連勝数が同じ場合は上位者)となっており、渡辺棋王が勝てば最終戦勝利者となり本戦出場、西尾六段は最多連勝者で本戦出場。
 西尾六段が最終戦で勝った場合、西尾六段以外の最多連勝者は……1回戦で中島灯希アマを破った村中秀史六段となる。Aブロックランク11位(下から2番目)で1勝したのみで決勝トーナメント進出となってしまうのである。
 最終戦・渡辺×西尾戦はすでに5月8日に行われているが、その結果が気になる。
 ちなみに、ランク最下位者が最終局まですべて勝った場合はどうなるのだろうか?
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2015NBAファイナル(第4戦まで)

2015-06-14 22:23:22 | スポーツ
ゴールデンステイト・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズによる2015NBAファイナル第4戦、イグドラをスターターに起用してスモールラインアップ策を用いたウォーリアーズが103-82でキャブズを下し、対戦成績を2勝2敗のイーブンとした。

 スモールラインナップにしたことで、
①スペースを広く使うことで、カリーが動きやすくなる
②ボール運びが早くなり、ファーストブレークも増え、オフェンスの回数が増える(スピードが要求され、移動距離も増える)
 これによりチーム状態のよくないキャブスの疲弊が進む


 キャブスは、レブロン・ジェームス、カイリー・アービング、ケビン・ラブの“ビッグ3”のうち、プレーオフ1回戦でラブが肩脱臼、ファイナル第1戦でアービングが膝蓋骨骨折、この他もレブロン、シャンパートなど完調でないプレーヤーが多い。
 それでも、レブロンの超人的能力やJ・R・スミスの遊撃的活躍、トリスタン・トンプソンのリバウンド力、デラベドバのしつこいディフェンスやアグレッシブな動きで勝ち上がってきた。これは、第1戦途中でアービングが離脱した後も、それをカバーするような効力を発揮していた(もともとアービングは完調でなく、カンファレスファイナルではアービングを温存していた)。
 しかし、さすがに第4戦はレブロンの動きも重く、疲労の色が濃かった(その上、ゴール下でもつれベースライン付近のカメラに激突、頭部に裂傷を受けた)。デラベドバも疲労がかなり足に来ていた。

 このキャブスの苦境は、アクシデントが発生した不運もあるが、ヘッドコーチ、デビッド・ブラットの手腕不足によるものと考えられる。
 第1戦はオーバータイムの末敗戦、第2戦もオーバタイムにもつれ込む勝利という激戦であった。
 しかし、第1戦は第4Q残り24秒、同点でキャブスのオフェンスという有利な状況。。残り10秒切ってからアービングがレブロンにパス。レブロンが左コーナーに向かってドリブルし左30度、3ポイントライン付近からジャンプシュート。しかし、これが外れ、リバウンドを拾ったシャンパートの右コーナーから放ったシュートも外れ、タイムオーバー。オーバータイムへ。
 疑問なのは、レブロンにアイソレーションで任せたが、その割には時間がなく、ジャンプシュートになってしまった点。もっと早い時点でレブロンに渡し、ドライブで得点する方が確率が高い。それに最低、ファールを貰えたように思える。
 オーバータイム2分40秒でアービングが左膝を負傷!
 “かもしれない”は勝負においては禁句だが、第4Qで決めていればアービングの故障もなかったかもしれない。

 第2戦は、第4Q残り3分13秒で83-72と11点リード。しかし、ウォーリアーズの“ハッカートンプソン”と3ポイント攻勢で残り7秒で87-87で追いつく。
 それでも、最後の7秒でキャブスが点を取れば勝利という有利な状況。残り5秒でぼるをもらったレブロンが、ゴールへドライブ。しかし、ゴールならず、ファールも貰えず、オーバータイム。
 この試合、アービングの代わりにスタメンのポイントガード・デラベドバがしつこいディフェンスでカリーを封じ、また、レブロンの“ポイントフォーワード”を務めトリプルダブルの活躍で終始キャブスペースだった。
 しかし、アービングを欠いたこともあり、あまりにもレブロン頼りのオフェンスでワンパターン。レブロンさえマークすれば抑えられるという状況。他のメンバーもオフェンス機会が減ったことがあるが、消極的になってしまった。
 レブロンは自己の能力任せのワンマンプレーヤーでなく、クレバーな選手だが、チームの勝利の為に身を粉にしチームを引っ張るという気持ちが強い。それが、災いしただけで、責めることはできない。
 この傾向を解消するのがヘッドコーチの役目だと思うが、何の打開策もなし。1年目のコーチの限界かもしれない。
 この試合、ゲーム序盤はセンターのモズコフがいい働きをしていた。しかし、後半は彼を起用しなかったのは大いに疑問。このゲームでもモズコフがいれば、オフェンスのバリエーションも増えたはずだ。
 この試合はオーバータイムで勝利したものの、2ゲーム連続、延長戦を戦うことになり、キャブスの消耗が進んでしまった。うまくいけば、キャブスの2連勝。少なくとも、第2戦は楽勝だったように思える。
 ただ、キャブスも、この第2戦でカリーを押さえたデラベドバが自信を深め、第3戦の大活躍に繋がった。対照的にカリーは第2戦、デラベドバのしつこいディフェンスに調子を乱した。

 第3戦、カリーは前半絶不調。後半、復活し大活躍で21点あった差を1点差まで詰め寄った。
 キャブスはなんとか逃げ切り2勝1敗とリード。デラベドバがカリーを押さえ、20得点と大活躍。しかし、レブロン頼りのオフェンスで、デラベドバを除くと、決して良いオフェンスではなかった。

 キャブスは、スタメンの5人以外では、J・R・スミスとジョーンズのみ。ベテランのミラーも起用されたが往年の活躍は望めそうにない。その他の控えメンバーは、敗戦処理以外の起用はない。
 確かに、故障者続出の不運はあるが、7人だけでチャンピオンリングを手にするほどNBAは甘くはない。膝を故障しなくても完調ではなかったアービングのことを考慮すると、控え選手を起用し、うまく機能させることを模索しなければならなかった。レブロンの消耗を避ける起用が必要だったはずだ。

 これに対し、ウォーリアーズのカーヘッドコーチは巧みで計画的な選手起用であった
 エースのカリーやクレイ・トンプソンも得点のリード、ビハインドに関わらず、きっちり休ませるし、充実したリザーブプレーヤーもきっちり使いこなしている。
 もともと豊富なタレント集団であったのかもしれないが、計画的に多くの選手を起用し、個々の実力やチームとしてのオフェンス力も伸ばしてきたのではないだろうか?

 第4戦のキャブスの消耗、ベンチワークを見ると、第5戦、第6戦もウォーリアーズの勝利は揺るぎそうにない。
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2015春ドラマ雑感 その3

2015-06-09 19:17:24 | ドラマ・映画
 シリーズものにするつもりはなかったのですが、その3です。
「2015春ドラマ雑感 その1」「2015春ドラマ雑感 その2」
 「その2」が5月11日アップで、ほぼ1か月経っていたことに、かなり愕然としています。


土曜ドラマ『64(ロクヨン)』(原作:横山秀夫 脚本:大森寿美男)
 思いっきり見誤ったドラマだった。
 原作が横山氏なので要チェック。≪外れはないだろう≫と思ったが、第1話があまりにも陰鬱だった。不幸やストレスが主人公の県警の広報官・三上(ピエール瀧)に圧し掛かってきて、視聴を継続するのに抵抗が大きすぎた。その元凶のひとつが警務部長の赤間。これが陰湿で嫌な奴で、おまけに演じる平岳大の滑舌が悪くて聞き取りにくいのがストレスに輪を掛けた。
 実は第2話、第4話の録画が失敗。第1、第3、第5話(最終話)しか観ていない。それでも、非常に面白かった
 細かい点では疑問や納得のいかないところがあるが、第3話では三上の覚悟に感動し、最終話で明かされる真相が≪ああそうだったのかぁ!≫と感心させられた
 さすが横山秀夫である。


 平均視聴率が4%を切るという悲惨な数字で、再放送があるのか微妙だが、もし機会があれば、視聴することをお奨めします。中途半端に観てしまったことを、非常に後悔している。
 来年、映画(2部構成)も公開される。

『ヤメゴク ~ヤクザやめて頂きます~』(脚本:櫻井武晴)
 (毎回、斡旋、または、暴力団との縁切りがメインだが)第6話は、元暴力団員・小牧の就職を斡旋するもののうまくいかず、まず、生活保護を受給させようと奔走する話だったが……
 この元団員、まったくやる気なし、それでも、翔(北村一輝)と佐野(勝地涼)らの懇切さに感激し改心しかけるが、「労働可能な身体能力があるのに、一般市民の税金を使うことは許せない!」という麦秋(大島優子)の横槍によって受給が叶わなくなり、それなら、罪を犯して刑務所に入って食事にありつこうと考え、親身になってくれていた交番勤務の岩井田(金田明夫)を刺してしまう。
 全く以って、小牧はクズである。麦秋の主張は当然である。麦秋の横槍が原因で岩井田が刺されたが、このことで『麦秋の考えが足りない』と責めるのはどうなのか?生活保護を受けさせようとした“足抜けコール”のやり方が間違っていたのではないだろうか!

 その後、7話、8話と進み、麦秋が暴力団員、特に関東貴船組の組長・橘勲(遠藤憲一)と麦秋の母・由美子(名取裕子)を憎む理由も明らかになったが、当事者でないせいか、今一つ、ピンとこない。
 病気で亡くなった大好きな父が望んだ警察官を続けられなくなりそうになったことが要因だが、独房のようなところで単純作業を強制し、辞職させようとした警察上層部の方が恨みが大きいように思える。
 また、そのことをネタに、警察上層部に影響力を持てたというのも、納得しかねる。
 まあ、深く考えなければ、ドラマとしては面白い


『アイムホーム』(脚本:林宏司、原作:石坂啓)
 第5話は、久の実家のコンビニエンスストアの窮地を救うのと母との思いがテーマ
 第6話は、別荘に遊びに行き、親子、夫婦関係の修復がテーマ
 第7話は、音信不通の父・洋蔵が突如現れ、その父へのわだかまりが、多少解消されたかという話
 第8話は、妻の浮気疑惑と、久自身の不倫が判明

 なんとなく緩やかな流れだったが、「表情が分からない」という告白、元妻の病気、久が左遷された訳、赴任地から本社に立ち寄っていた事実が分かり謎の手掛かりをつかむなど、上手くエピソードを絡めていた。
 しかし、第5話で母の病状が絶望的と沈ませておいて、6話で長期戦になるが頑張るという弟の電話がある。いったい第5話の終わり方はなんだったのか!という憤懣と、その電話をドラマの不吉な電話風に演出して、盛り上がりに利用した“あざとさ”に憤りを感じた。


 あとは、
・第6話の地元の八百屋(農家?)でのゲスト出演の神保悟志氏が、気の毒なほど脇役だった
・『華麗なる一族』での父役、ソフトバンクモバイルの犬のお父さんの北大路欣也が、ジグソーパズルがぴったりはまったような感触
・久の娘、いきなり人を呼びつけといて、笑顔から泣き顔……かなりめんどくさい
・それにしても、第十三営業部って、ひま過ぎ。働け!


『美女と男子』(脚本:田渕久美子)
 上から目線の言い方だが、“まずまず面白い”
 沢渡一子(仲間由紀子)、向坂遼(町田啓太)がレッドカーペットに向かって進み出す。1話ごとにテーマ(ステップ)を上っていく感触が良い。
 一子が左遷されたひのでプロが詐欺に遭い、倒産。次回(第9話・今夜)から第2部に突入。


『京都人情捜査ファイル』(脚本:吉本昌弘、李 正姫、松本美弥子)
 犯人の動機や事件関係者の行動に不可解な点が多いが、『土曜ワイド劇場』や『暴れん坊将軍』を見ているつもりになれば許容範囲かも。
 いちいち突っ込んでいたらキリがないので、ひとつだけ。
 真犯人を出会いがしらにぶつかりそうになった顔は見なかったと言っていたが、真犯人役は徳井優さん。顔は見なくても体型(思いっきり小柄・158㎝)で特定できるような気がする。
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名人戦考察 ~こちらとの距離感を見切られていた(行方八段)~ 【補足・羽生将棋について】

2015-06-06 23:17:48 | 将棋
「その1」「その2」の補足です。

 記事をアップしてから、また、Stanleyさんのコメントを読んでから、新たに感じたこと、思い出したことがあったので、もう少しだけ書きます。


 第3局の△5八馬は≪一気に差を詰めようとした≫のではなく、≪取りあえず射程距離で付いていく≫という印象である。
 こう書くと、後の逆転に懸けた勝負的意味の強い勝負手のようだが、①△6九馬②△7六歩を読んだが思わしくなく、消去法で△5八馬を選択しただけのように考えている(「その1」参照)。

 羽生将棋の特長のひとつに、「これまでの将棋の流れは遮断して、断片的に局面を考える」がある。(将棋の流れを遮断するのであって、流れを無視するわけではない)
 例えば、▲2六歩と飛車先の歩を突いた場合、▲2五歩と突いて初めて手の価値が高くなる場合、この羽生名人はこの▲2六歩と突いたことは思考から外して、単に▲2六に歩があるという認識で、局面の最善手を考える。
 また、3七に銀が遊んでいたら、通常、この銀を働かせようと▲4六銀と活用する手はないかとか、後に玉をそちらの方に逃げる可能性を考える。羽生名人も≪この銀を働かせたい≫と考えるものの、それに拘らず、その銀のマイナスはマイナスと評価して、その他の部分でカバーすればよい。3七の銀にこだわらないのである。
 なので、羽生名人の将棋を観ていると、≪えっ!そっちなの?≫と驚くことが多い。この感触については、コンピュータ将棋と対した時に受ける意表の突かれ方と似ている。確かにこの羽生名人の思考法はコンピュータ将棋によく似ていて、過去に「電王戦雑感 その4“羽生将棋とコンピュータ将棋の類似点”」で、述べたことがある。
 もちろん、羽生名人の指し手が死角から飛んでくることが多いのは、それだけではなく、柔軟な思考多角的な視点で局面を捉えるという要素も強い。

 今期名人戦、第3局の△5八馬第5局の△2七銀は光を放っているが、“勝負手”というより“最善手を求めた結果の手”という意味が強い。先日の棋聖戦第1局の対豊島戦の△9二飛も、△7六香と寄せに行くのが危険と自重したのではなく、△9二飛が最善手と考えただけであろう。

 さて、この羽生名人の客観性はどこから来るのだろうか?
 観戦者が指し良いと思っている局面でも、「難しいと思っていた」と羽生名人が感想戦でよく口にするが、正直な気持ちなのだろう。
 羽生名人は「将棋は難しく、簡単には勝てない」と考えている。つまり、「楽をしては勝てない」「怖い変化があるのは当たり前」と、非常に踏み込んだ手を指す。
 結論を急がず、勝負を急がず、最善手を追求する。……これが羽生将棋である!……と言えるかもしれない。
 
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名人戦考察 ~こちらとの距離感を見切られていた(行方八段)~ 【その2】

2015-06-04 17:06:20 | 将棋
「その1」の続きです。

 後手の羽生名人が防戦一方に追いやられ辛抱し続けた第5局。
 先手は持駒がないものの、6一の角や3四の歩、3七の桂、2八の飛が要所に利き、2三歩成と王手で金を取れそうな局面。
 羽生名人は攻撃の軸のひとつの飛車を押さえ込むべき2七に銀を打ったのが第7図。

 △2七歩だと▲3八飛と逃げられ、後で▲4五桂と金当たりに跳ねると同時に飛車の利きが通る手が強力で受けきれない。そこで、銀で押さえ込もうとしたわけだが、▲2七同飛と切られる手があり、非常に怖い。
 対する行方八段はこの銀打ちを軽視していたという。実際、先手の攻めのもう一つの軸である6一角の利きが強力で、飛車の代償として銀が手に入れば何とかなりそうだと思っていたはずだ。

 羽生名人とて大丈夫という確信があったわけではなく、≪これしかない≫という思いだったのだろう。しかし、行方八段にしてみれば、≪自分が何とかなるとタカをくくった△2七銀に羽生名人は踏み込んできた≫と。
 これまで攻め続けたが決定打を奪えない本局に加え、第3局、第4局で勝ち切れなかった勝負の流れ……、そこへ、飛んできた△2七銀!………≪自分の攻めの射程距離を見切られている≫と感じたのかもしれない。




 将棋を図式化すると、「“相手の玉を詰める”というそれぞれのゴール地点に先に到着するゲーム」と見ることができる。
 対局者は定跡や過去の棋譜データなど地図、大局観という磁石、読みの力のレーダー、手筋などのドライブテクニックなどを駆使するのである。
 また、単純に速さを競うだけでなく、妨壁や障害物を設置して相手がゴールするのを妨げることも有効で、重要な戦術である。
 地図や磁石やレーダーは正確・精巧なものがよく、テクニックは高度で多彩な方がよい。ただ、それだけでなく、それらを場合場合によって使い分け、使いこなす、判断力や精神力、体力なども重要である。

 羽生名人の場合、そのどれもが秀でていて、磁場が多少乱れても方角を見失わず道を間違えず、狭くて曲がりくねった道もドライブテクニックですり抜けてしまう。危険察知能力も長けていて、天候の変化や路面変化にも敏感である。
 また、相手がゴールにたどり着くのを遅らせることも巧みである。踏み入れるのに躊躇しそうな路地も精巧なレーダーや巧みなテクニックでバック走行で切り抜けたり、急勾配の坂も上り切ってしまう。

 一見、平坦で最短に見える直線道路が伸びているが、足を踏み入れてみると、凍結していたりぬかるんでいたりと、なかなかゴールにたどり着けない。そのうち、行方八段のタイヤが摩耗し、燃料の残量もわずかとなり、エンジンの出力も落ちてくる。こちらの到達速度の低下を見切られている。届きそうで届かない羽生玉までの距離……
 羽生名人の攻めを跳ね返し、相当リードを奪ったはずだが、路地をすり抜けて差を付けられずに追走してくる。そのうち、タイヤが摩耗してきて……


 と、行方八段が口にした“距離感”に強引に結び付けて脚色してしまったが、そんな風に想像させる今期の名人戦だった。
【補足】追加しました)
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名人戦考察 ~こちらとの距離感を見切られていた(行方八段)~ 【その1】

2015-06-03 23:23:53 | 将棋
先日の記事「羽生名人、防衛(第73期将棋名人戦、通算9期)」で、Stanleyさんから、
「名人戦終局直後、「羽生名人と対戦して何を感じたか」と問われた行方は、しばしの沈黙の後に、「こちらとの距離感を見切られているなと感じた」と答えられたそうです。この「距離感を見切られた」、とは少し分かりにくい表現ですね。具体的にどういうことを言っているのか、英さんはお分かりになりますでしょうか?もし可能でしたら具体的な指し手など引用して、英さんの感想やコメントを再度わかりやすく書いていただければ有難いです。(最終局でいえば、▲2七銀、第3局の△5八馬などでしょうか?)」
というリクエストを頂きました。

 何となく行方八段の言わんとすることは判るのですが、「具体的な指し手など引用して、英さんの感想やコメントを再度わかりやすく」……ですか…難易度高すぎです。


 今回の七番勝負、短絡的に「距離感」「見切られた」という言葉に結びつけて表現すると、
 第3局は、相手の攻めをかわして切り込み追い詰め、致命傷を与えるべく狙いを定めた切っ先の▲2七香だったはず。しかし、羽生名人はふんわりと△5八馬。斬りつけられる前に斬りつけるのではなく、≪その切込みなら何とか踏みとどまれそう。持ちこたえたら、今度は行きますよ≫という手であった。
 第4局は、羽生名人の攻めを鋼鉄の縦で跳ね返し続けた。ようやく受け切ったかと思ったところで、堅固に思えた鋼鉄の縦に金属疲労が表れ崩れ落ちてしまった。
 第5局は、鎖鎌のような攻撃を浴びせ続けたが、△2七銀打で鎖鎌の扱い手である飛車が羽交い絞めに遭い頓挫。


 届きそうで届かない羽生名人の懐の深さ、そんな距離感を行方八段は感じ、「距離感を見切られた」……自分の攻撃の射程距離や盾の強度を見切られていたと感じたのではないだろうか。


 図は上述した第3局の▲2七香。馬取りと同時に、羽生名人の玉頭にも狙いを定めており、57分の長考で着手された。行方八段としても、勝利を確信する手ごたえがあったはずだ。

 馬取りなので、馬をかわすか、馬取りに匹敵する厳しい手が要求される。
 まず、目につくのは先手玉の懐に入り込む△6九馬(変化図1)。
 次に、△7六歩▲同銀を利かせての△5八馬が有力とされた(変化図2)。
 しかし、羽生名人の指し手は、そのどちらでもなく、△5八馬(第2図)であった。


 変化図1は馬が先手玉の守りの要の7八の金や8七の玉頭に狙いをつけている。また、変化図2は馬が7六の銀当たりになっている。両図とも第2図の△5八馬より先手玉に肉薄している。
 馬をかわせば、2七の香の利きが後手玉頭に直射してしまい、先手から▲4三歩△3二金▲4二金や、▲3一銀△同玉▲2三香成や、▲4三銀△同金▲4一角成など厳しい手段が見えているので、後手としてもより厳しい手で迫りたいはずだ。
 しかし、変化図1の△6九馬は▲6八金打と固められて後続手段に乏しい。以下△2九飛と攻めの継続を図っても▲4三歩△3二金に▲4一銀が効果的。後手の馬が質駒になっているのが大きいという。
 また、変化図2を目指す△7六歩もこの瞬間に▲2五香と馬を取られて、△7七歩成と銀を取っても▲7七同玉で先手良し。

 羽生名人も予定は△6九馬だったらしい。
(この周辺の変化は、『将棋世界』7月号大川慎太郎氏観戦記による)


 このぼんやりとした△5八馬、行方八段も意表を突かれたが、ありがたいと思ったはずだ。
 しかし、意外と難しい、はっきりとした寄せが見えない。行けそうだが、怖い変化もある(第2図周辺の変化はこちら「第73期名人戦第3局」)……61分の長考、選んだ指し手は▲6八金打。

 この手自体は悪い手ではなく、リードを維持する手であった。しかし、▲2七香での57分の考慮とは方向転換……振り上げた刀を降ろす守りの手であった。この方針変更における心の消耗と時間の消費(残り32分)が勝敗の大きな分岐点だったように思う。


 第3図では△4九馬と香取りに逃げる手も考えられたが(行方八段は△4九馬が読みの本戦)、羽生名人は△7六歩と攻め合い、以下▲5八金△7七歩成(第4図)と進む。

 この△7七歩成に行方八段は▲7七同玉。
「▲7七同玉がポカで、指した瞬間△6九飛(第5図)に気づいて呆れました」(局後のインタビュー・行方八段)

 この▲7七同玉の考慮時間は0分。ノータイムとは限らないが、フラフラと取ってしまったのではないだろうか。それ以前の変化で≪△6九飛は大丈夫≫という感触が残っていたということも微妙に影響していたらしい。

 ▲7七同玉では▲7七同金が正着だった(詳しくははこちら「第73期名人戦第3局」)が、ポカというほど致命傷ではなかったように思う。
 この点については、大川氏も行方八段に疑問をぶつけている。
「▲7七同金が最善なのは疑いはないが、▲7七同玉でも形勢を損ねたわけではない。実際は95手目の▲7六銀で苦しくなり、▲7一銀が致命傷になった」と。



 これに対し行方八段は
「▲7七同玉以降は勝ち目がない。第6図で▲3六銀は△1三桂でダメ。先手玉は△7六歩▲8八玉(▲同玉は△6五銀)に△9六歩で受けが難しい」

と答えている。
 しかし、継ぎ歩で後手玉を釣り上げた手順は、却って後手玉を安全にし歩を与えただけのように思える。
 第5図では、7六歩の筋もあり銀を渡すのは怖いが、▲3一銀△同玉▲2三香成と迫った方が良かったのではないだろうか。
 形勢の是非はよく分からないが、「▲7七同玉をポカ」「それ以降、勝ち目がない」と断じた精神状態が、真の敗因だったのではないだろうか。
 そして、行方八段をそこまで追い詰めたのが△5八馬だった。


「その2」へ続く。 
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