英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「袈裟固め」(中田七段作詰将棋)の解答 【補足あり】

2015-01-30 21:38:48 | 詰将棋
「袈裟固め ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年10月号」の解答です。



 初手は普通に▲5三香と打ってみます。


 これに対し、5二に合駒をすると(何を合駒しても同じですが、図では歩を合駒しました)

 5二の利きは攻め方の方が多いので、▲5二同○成と取っていけば詰みます(取る順は厭いません)。

 そこで、王手をかわして△4一玉と銀を取ります。


 ここで▲4二歩と打ちたいところですが、打ち歩詰になってしまいます。
 ん?じゃあ、その前に工夫が必要?
 初手に戻って、▲5二歩と打ってみます。

 これを△5二同銀とするのは▲同○成として参考図2と同様に詰み、また、▲5二歩に△4一玉なら今度は香が残っているので、▲4二香で詰みます。
 しかし、▲5二歩に△6一玉と逃げられて、詰みません。


 そこで、再び▲5三香△4一玉と進んだ第2図を考えます。

 打ち歩詰め打開の手法として主に、①攻め駒を弱くする ②玉の逃げ道を作るがありますが、この場合は………


 ▲5二馬!
 攻め駒を捨てるので①にも適合しますが、

 △5二同銀とさせて5三の香の利きを遮断させて、5一への逃げ道を作るのが主眼です。

 勇躍、▲4二歩と打ち、△5一玉と進みます。


 ここで▲3一龍とすれば、何と詰んでいます。


 4一に合駒が利きそうですが、5二の銀は5三の香が玉を睨んでいるので、4一の合駒は▲4一龍とされると取られるだけで、無効と見なされます。

  攻め方から打ち歩詰の局面に誘導し、馬を捨て△同銀と取らせることによって、初手に打った香者の利きを遮断し、その上、最後に間接的に香車の利きで合駒を無効にするという、見事な作品でした。

詰手順……▲5三香△4一玉▲5二馬△同銀▲4二歩△5一玉▲3一龍まで7手詰

【補足】無駄合について

 詰め上がり図で合駒が利きそうな感じがしますし、打つこと自体は反則ではありません。
 ここで、「無駄合」について考えてみます。


 図は1四のと金を2三に入って王手をしたところです。
 玉の逃げ場はないので、合駒をして王手を防がなければなりませんが、1筋のどこに合駒しても▲同香とされて詰みます。詰将棋では、「合駒をしても取られて大筋の詰手順は変化しない無意味な合駒」を『無駄合』と見なして、詰手順に入れません。
 もちろん、反則ではないので、実戦では指し手もかまいません。悪あがきで“見苦しいやつ”とは思われるでしょう。ただ、「(時間)切れ負け将棋」で、相手の残り時間が数秒なら、実行すれば時間切れの勝利も可能性が大きいです。人格が疑われると思いますが。
 個人的には『無駄合』という言葉は完全ではないように思います。王手を掛けられて無意味でない合駒をして、攻め方が正しく攻めれば詰む場合も、“無駄”と考えることができます。
 分かりやすい表現を求めるなら『悪あがき合』ですが、直接的過ぎるので、『無意味合』でいかがでしょうか?

 では、次の図の場合はどうでしょう。

 △1二合▲同と(香成、桂成)△同金、▲同桂成(香成、と金)で詰みます。
 この場合の合駒も無駄(無意味)に思えますが、一般的には有効な合駒と見なされているように思います。
 実際には、このように単純な詰みが詰手順になる作品はないので、深く考えたことはありません。
 実戦ではよくあり、解説では「以下簡単な○手詰」と表記されている場合、手数に数えられている記憶があります。


 これは、本記事の詰上がりと原理は同じで、1二への合駒は『無駄合』です。


 さて、再び詰め上がり図に戻ります。


 この図まで、あるいは一歩手前まで読んで、合駒が利かないことに気づかず、迷宮に入ってしまった方も多いようです。それだけ、『無駄合』の言葉で完了してしまうのが勿体ないほどの詰上がりの素晴らしさでした。
 それに、実戦なら

 と合駒され、詰んでいることに気づかない可能性や、▲4一同歩成としてしまう可能性が低くはないように思います。
 (実戦なら、飛車成りよりも歩成りの方が本筋です)



 △6一玉と逃げられて、大魚を逃がすことになってしまいます。


 実戦なら、“無駄”にはならないかもしれませんね。




 タイトルの『袈裟固め』ですが

 柔道の抑え込みの技のひとつです。
 龍が玉を腹部から支配し、香車が龍とは垂直方向から玉を牽制する感じが、袈裟固めを彷彿させないでしょうか?
 
コメント (6)
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『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』 第3話

2015-01-30 13:27:55 | ドラマ・映画
忍布のジャーナリストとしての信念、
被害者の教授・浜島朝子と共同研究者の学生・遠藤北斗との関係

などが描かれ深みのあるストーリーだったが、
その信念が自己中心的で共感はできず、事件の真相も雑で残念なモノだった


浜島教授の転落死
アルツハイマー病を根治できる新たな酵素を発見したと華々しく発表した。だが、その後すでに海外で発見されていた物質と同一のものと発覚、研究者にあるまじきミスと激しいバッシングを受けていた。ほどなく世間の興味は薄れ、騒動はおさまったが、忍布だけはある疑問を抱き、彼女への取材を続けていた


                        …………という状況だった

忍布の信念
①捜査一課・二宮警部補の問いかけ
「3か月も経つと世間の興味は薄れ教授の生活も落ち着きを取り戻していた。
 だがお前だけが、治りかけた傷口を押し広げるような無神経なお前の取材攻勢が、彼女を追い詰めていったんだ」
対する忍布の主張
「そう遺書に書いてあったのか?
 (遺書はなかった)……あたしのせいとは限らないんじゃない

②しつこく教授を取材していたことが露見し、マスコミから追い回される
 忍は逃げる

③忍が教授をしつこく取材した理由
 慎重過ぎる教授が急いで結果を出そうとして失敗をした理由が知りたかった

④教授の失敗の真相を記事にせよという古林デスクに対して
「死者のプライバシーに関わることだから、記事にしない」
 デスク「散々教授に付きまとって追いつめておきながら、プライバシーも何もないでしょう!」
    「あんた首よ」
 忍布「やっぱりそう来るかぁ」
 デスク「当たり前でしょ!会社に甚大な被害をもたらした問題児。他の新聞社だって雇いはしないわよ。
     あんたの“ブンヤ”生命は終わったの。最後の餞に記事を書かせてやると言ってやってんのに」
 忍布「結構です。私は書かない!」

⑤週刊誌の記者の「なんで謝らないか?」という糾弾に対して
「新聞社を首になったことで、責任を取ったつもりですか?
 あなたの強引な取材のせいで教授は自殺した。なのに謝罪の言葉もない。
 なんで謝らないんですか?≪自分は悪くない≫とでも思ってるんですか?」
忍布「あなたは今、≪悪いことしてるなぁ≫と思いながらあたしを取材してる?
   思ってないでしょ。取材対象者がいれば、食らいつく。それがブンヤの本能。
   世間から見れば、恐ろしく非常識な行動でも、本能には逆らえない。
   あんたも私も“同じ穴のムジナ”ってことよ」


確かに
 真実の追及、死者のプライバシー、ブンヤの本能という忍布の主張は理解できるが、
 ①自殺の原因が自分にあるのかどうかが問題であるという態度、②追及される立場になると逃げ、
 ④死者のプライバシーだけ尊重する理屈、そして⑤悪いことをしているかどうかではなく、ブンヤの本能に従うという主張には、まったく共感できない。
 特に、悪いことをしているかを考えない取材態度は糾弾されるべきである。

 自分に非があるかどうかは別にして、亡くなった教授に対して手を合わせるとか焼香するという気持ちにはならないのは、人間としてどうなのだろうか?
   


雑な事件の真相(真犯人)
 犯人は教授の夫の浮気相手の岡村仁美だった。
 教授の夫から妻の酵素発見の情報を知り、関連会社の株を買いあさり、発見が勇み足が判明して大暴落してしまったことによる恨みと、教授が死ねば自分が妻の座に座れるという浅はかな動機だった。

 借金を解消するため株を買いあさったのなら、株価が上がった時点で売ると思うのだが。
 しかも、株価が暴落して3か月も経ってから妻を殺害するのはおかしい。まるで、忍布が窮地に陥るタイミングを見計らっていたかのようだ。


捜査もザル
 遺書もないし、発作的に突き落とした状況なのに、自殺が有力と見るのはどうか?
 科捜研のマリコや特命係の右京や鑑識課の米沢さんでなくても、突き落とされた現場も痕跡、落下地点や遺体の状況、死亡時の服装などから不審に思うはずである。
 刑事ではなく、記者が主人公なのでやむを得ないのかもしれない。


 事件の構造は面白いが、主人公に共感できないのが、このドラマの痛いところ。
 突っ込みどころが多いという理由で、視聴継続を決定した私も性格が悪いです。



【ストーリー】番組サイトより
 京南大学医学部教授の浜嶋朝子(渡辺梓)が、大学構内で転落死体となって見つかった。状況から自殺と思われ、夫でホテルチェーン社長の亮輔(大河内浩)は、妻が自殺したのは京都タイムス社会部記者・鉄 忍布(観月ありさ)がしつこくつきまとったせいだと証言。「あの女が朝子を殺した!」と怒りをあらわにする。
 実は、朝子は半年前、ヒトの脳内神経細胞の中にアルツハイマー病を根治できる新たな酵素を発見したと華々しく発表した。だが、その後すでに海外で発見されていた物質と同一のものと発覚、研究者にあるまじきミスと激しいバッシングを受けていた。ほどなく世間の興味は薄れ、騒動はおさまったが、忍布だけはある疑問を抱き、彼女への取材を続けていたのだ。

 すぐにライバル紙やワイドショーが、朝子を自殺に追い込んだ原因は忍布の執拗な取材だと報じ、忍布は自宅に帰ることができないほど記者たちに追いかけられる。
 しかも怒りがおさまらない亮輔は、京都タイムスとの大口購読契約をキャンセル。大学の記者クラブ担当記者・加瀬達夫(小林健)からは責任を問われ、オーナーの磯村憲吉(小林稔侍)からもプレッシャーをかけられた社会部デスク・古林千華子(財前直見)はイライラ! 忍布に対し、朝子の自殺の原因はほかに存在するという記事を書いて挽回するよう命じる。
 ところが、忍布は死者のプライバシーに関わるため記事は書かないと拒否。苛立つ千華子は忍布に京都タイムスへの“出入禁止”を言い渡すと共に、自ら大学に出向いて取材。忍布が、朝子と共同研究者である学生・遠藤北斗(細田善彦)の密かな関係をつかんでいたことを知るが…!?

監督:藤岡浩二郎
脚本:真部千晶
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相棒 season13 第13話 「人生最良の日」

2015-01-29 16:39:46 | ドラマ・映画
タイトルは「人生最良の日」

エンディングの花火は何だったのか?(どういう事情(何かのイベント)なのか詮索する野暮なことを言っているのではありません)
・夫にこき使われ、姑からはいびられる日々に擦り切れ、夫の病死を機に、過去の思い出に縋って上京して、さらに騒動に巻き込まれた女性・淑子
・覚せい剤犯罪に巻き込まれ、暴力団に追われ、淑子を巻き込んだ元一発屋の売れないミュージシャン・四宮
・売人の女が急死したせいで覚せい剤を押収され、それを埋め合わそうとしたあげく、捕まってしまった暴力団員
・「メガネザル」と罵倒され、切れて暴れた“暇か課長”と仲間たち
・右京たちに振り回され、訳の分からないまま四宮を確保したイタミン&芹沢
・不思議な縁で引き寄せられた月本幸子
右京&享

皆が花火を見上げ、花火の輝きが顔を照らしていた。
色々ある人生、そして色々あった一日……『最良の日』とは言えない一日ではなかったかもしれないが、「いいこともあるよ」「人生最高の日は未来にあるのかもしれない。頑張れ」と、
励まし、労い、慰める
………そんなメッセージが込められていたのではないだろうか?



 でもねえ……暴力団員たちがあまりにもチャチ、四宮も落ちぶれたミュージシャンぶりが典型的、ライブハウスに突入する右京や伊丹たちらの悠長さ、角田課長の暴れ方の異常さなど、“茶番”さが充満してしまった。
 淑子の青春時代の夢を語らせるため、無理やり月子に出会わせたのも強引すぎる。偶然に出会うだけならともかく、思い出の店の名前が『花の里』という二重の偶然のファンタジーさ
 ストーリーの粗を、最後の花火で“いい感じ”にしてごまかしてしまったように感じた。

 淑子の人生に関する人間ドラマとしては評価できるかもしれないが、『相棒』としてはどうなのか?
 推理は淑子に関しての洞察力ぐらいで、四宮を救うための人質劇を見破ったのも、淑子の靴に着目してのモノだったが、ほとんど想像に近いものだった。ホテルの変死体&暴力団に関しては推理なしだった。
 こういうドラマの造り(テイスト)を否定はしないが、私は好きではない。
 こういう回も、たまにはいいのかもしれないと思うべきなのだろうが、あまりにも茶番的だった。
 先述した暴力団(これは演出の問題かも)や、ライブハウスが実際に開かれる雰囲気(準備、スタッフは2人だけ)はまったくなかったし、いくら売れてないとは言っても、まったく他の客が来る様子もなし。これらが気になって仕方がなかった。

 脚本は『ゲゲゲの女房』『八重の桜』を書いた山本むつみ氏。
 『ゲゲゲの女房』は未見なので評価できないが、『八重の桜』の脚本には相当疑問を感じた。
 でも連続テレビ小説や大河ドラマを書き上げるのは相当な実力が必要なはず。
 となると、前回手掛けた「見知らぬ共犯者」(season12・ 第15話)も今作も残念さを感じてしまう。

 
【ストーリー】番組サイトより
 茨城県郊外の小さなガソリンスタンドで、経営者の男性の遺体が見つかり、現場から現金が持ち出される事件が発生した。
 その頃、都内で危険ドラッグの摘発に協力していた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、大金を隠し持った挙動不審な中年女性・淑子(床嶋佳子)を見かけ、尾行することに。
 一方、伊丹(川原和久)をはじめとする捜査一課の面々は、ホテルで若い女性の変死体が発見された事件を捜査していた。バッグから大量の覚醒剤が見つかり、女は麻薬の売人と思われた。警察は、殺人の可能性も視野に入れ、現場から消えた男の行方を追う。しかし、姿をくらませた男・四宮(湯江健幸)は、暴力団関係者に拉致され、押収されてしまった覚醒剤の穴埋めをしろと脅迫されていた。

右京と享が追う中年女性は何者なのか?
麻薬絡みの変死事件の真相は?
茨城と東京で起きたふたつの事件が、思わぬ形で繋がっていく!

ゲスト:床嶋佳子 湯江健幸

脚本:山本むつみ
監督:橋本一
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2015全日本総合バスケットボール選手権大会 決勝 JX-ENEOS サンフラワーズ×デンソー アイリス

2015-01-26 02:10:32 | スポーツ
 昨年度のWリーグのファイナル(第1戦第2戦第3戦)と同じ顔合わせとなった。
(今大会の準決勝はこちら…JX-富士通【その1】【その2】デンソー-トヨタ自動車
 この時と比べて、JXは完調ではないが吉田が復帰している点がプラス材料。マイナス材料は寺田が故障中、準決勝を見る限り、大沼が不調、木林は不出場という状態。
 デンソーは伊集がチームを引っ張る存在に成長し、高田汐織も成長著しい。他のレギュラーの高田真希、牛田、伊藤も充実している。大庭が故障中、藤原も完調ではないが、チーム力はアップしている。


第1ピリオド
 スターティングメンバーは、JX…吉田、岡本、宮澤、間宮、渡嘉敷。デンソー…伊藤、伊集、高田汐織、牛田、高田真希。
 立ち上がり、互いに相手ディフェンスを破ることができず、開始2分半余りまで伊集が吉田を振り切ってドライブシュートを決めたのみ。
 しかし、その後は硬さが取れ、徐々にオフェンスがディフェンスを上回り始める。JXは渡嘉敷、間宮にマークが集まる間隙をついて宮澤がミドルシュートを決める。それほど楽なシュートではなかったが、タイミングさえ合えばシュートを決める選手だ。
 デンソーは伊集を中心に思い切りよく攻める(3ポイントシュート(高田汐、伊藤、伊集)を含む。伊集が7得点)。5分弱経過して、JX8-13デンソー。
 この後の5分は、互いのオフェンスが停滞し、JXは宮澤のゴール下のシュートと渡嘉敷のフリースロー1本の3点、デンソーも伊集のミドルシュートの2点のみで、第1ピリオドはJX11-15デンソーで終了

 スチール→ドリブルシュートミス→リバウンド→イージーシュートミスというガックリするJXのオフェンスもあったが、デンソーはツインタワーを、JXは間宮が高田真をよく抑えていた(高田は0得点)。
 故障上がりのJX・吉田が6分12秒でベンチに下がった(新原がインコート)。吉田は動きにややキレがなく、フィールドゴールは0/3、アシスト1、リバウンド1。代わって入った新原だが、攻守の切り替えが早かったので、攻撃を組み立てる機会がなく評価は下せない。
 宮沢が4/8のフィールドゴール。意識的に宮澤で攻めているのか、デンソーがツインタワーを優先してディフェンスしているのか私には判断がつかない。ただ、ツインタワーの攻撃機会が少なすぎるように感じた(ふたり合わせて1/2)
 デンソーは、伊集がフィールドゴール4/5で9得点を上げたが、2ポイントシュートが0/6と全く入らなかった(3ポイントシュートは3/7)。ディフェンスはよくツインタワーを押さえていた。

JX・佐藤HC
「相手スリーポイントが4本入っている。しっかりチェックに行ってドライブをさせろ。そうすると、シュートのリズムも狂ってくる」
と指示。
 いや、第1ピリオドのままでいいのではないだろうか?
 そもそも、3ポイントシュートは3本しか入っていない。まあ、ドライブへの対策がしっかりできているのなら、そういう指示もありなのかもしれないが、JXのディフェンスは有効に働いていたように思う。



第2ピリオド
 開始直後は、ファンブルなど互いにターンオーバーの後、シュートをミスした高田真が自らリバウンドを取ってシュート。この試合、初得点。
 JXは新原が起用されたが、デンソーディフェンス・伊藤は、シュート力のない新原から離れ気味のポジションで渡嘉敷をマークして守るこのディフェンスを打開できず、開始1分17秒で早くも吉田を投入。ここはもう少し新原を使って突破口を探るか、宮崎を投入してオフェンスを変えるかすべきだろう。(JX、新原→吉田、岡本→大沼、 デンソー、伊集→阿部)
 吉田に代わっても、デンソーの変わらずペイント重視のディフェンスで得点を防ぐ、この間、高田が24秒ギリギリで3ポイントラインの付近からジャンプシュートを決め、JX11-19デンソー、8点差。JXは開始3分過ぎても無得点。
 ようやく渡嘉敷がオフェンスリバウンドからシュートでファールをもらい、2スローを成功させる。高田真の2回目ファール。
 この後、互いにシュートが入らず膠着状態。JXは吉田の2本のジャンプシュートは外れ、間宮がようやくペイントでボールをもらいステップで高田をかわしてシュートするが外れる。デンソーはパスを回してフリーでジャンプシュートを放つが入らない。
 このピリオド5分経過して、JX2点、デンソー4点のロースコア。JXは未だにフィールドゴールなし。
 5分12秒、吉田をベンチに下げる。オフェンスが停滞していたので良い判断。(JX、吉田→新原、阿部→藤原、高田→伊集)
 新原がフローター気味のバンクショットを決め、JX15-19デンソー(5分22秒)。
 しかし、新原、伊藤のドライブで簡単に置いていかれ、JX15-21デンソー(5分45秒)
 タイムアウト、JX。
 「デイフェンスはしっかり1対1で守る。オフェンスはドライブしてキックアウト」と指示。これに対し、解説の萩原美樹子氏か大山妙子氏か分からなかったが、「デンソーはインサイドを固めているので、ドライブするスペースがない」と疑問視。
 ゲーム再開、JXはドライブの隙を窺いながらパスを回すが、突破口を見いだせず24秒オーバータイム。
 デンソーもオフェンスが機能せず、オーバータイムになりかけたが、伊集が苦し紛れの3ポイントシュートを放ちネットに沈める。
 JXも宮澤がデイフェンダーをかわしドライブシュート。JX17-24デンソー(6分54秒)
 ディフェンスリバウンドを取った新原に、デンソー・藤原が衝突(どちらかというと新原の方からぶつかった)。フリースロー2本中1本決める。
 デンソーのジャンプシュートが外れ、JXは素早くボールを運ぶ。ペイントゾーンでボールを受けた間宮が高田真をかわしてシュートJX20-24(7分55秒)高田は2ファールなので厳しいチェックはできない。だったら、先ほどのタイムアウトで、間宮で高田真を攻める指示を出せばよかったのでは。
 今度は高田が間宮と1対1で攻めるが、間宮がこれをよく防ぎシュートミス。
 解説者「デンソーは上の方でしかパスを回してばかり。切り込む縦の動きがあれば、オフェンスが機能してくるのでは」と指摘。
 この後も、互いにターンオーバーを犯し、デンソーがタイムアウト。(残り1分)

デンソー・小嶋HC
「ボールの逆サイドの選手がもっと動くように。高田のスクリーンを利用してドライブしろ」

 ゲーム再開、しかし、デンソー吉田がトラベリング。
 JX新原がドライブからサイドの岡本にキックアウト。岡本の3ポイントは外れたが、渡嘉敷がリバウンドからシュート。JX22-24デンソー、2点差(残り26秒)デンソータイムアウト。
 ここでJX、吉田を投入。
 え?なぜ?残り26秒でデンソーボール。確かにデイフェンスは新原より上手いが、吉田の消耗を少なくする方が重要ではないのか?デイフェンスだけなら宮崎でもいいだろう。
 期待に応えて、吉田は24秒バイオレーション間際でボールをもらった伊集を押さえ切ったが…


 吉田は前半のプレータイムは10分33秒とほぼ予定通り。佐藤HCにしては辛抱した。
 フィールドゴールは0/5で0得点。アシストも1、リバウンド2。動きにキレを書いていた。前半終了後、控室に戻る際、若干、足を引きずり気味だった。
 JXオフェンスは、デンソーのインサイドを固めたディフェンスを攻略できず、デンソーオフェンスもパスを回してフリーを作りシュートを放つが、肝心のシュートが決まらない。縦の動きからのインサイドアウトのパスがないのもシュートがずれる一因だろう。
 フィルドゴール成功率は、共に約30%、個人スタッツはJXは宮澤10点、渡嘉敷5点・デンソーは伊集12点、伊藤5点。好調の伊集を第2ピリオド、4分間もベンチに下げていたのは疑問。
 JX・渡嘉敷と間宮、デンソー高田真、ともに押さえられていた。後半はそれぞれのディフェンスをどう攻略するかが見所である。



 
第3ピリオド
 スターティングメンバーに変更は無し。
 開始直後、吉田の機敏なパスを受けた渡嘉敷がゴールを決め、ワンスロー(牛田のファール)。JX25-24デンソー、JXが初めてリードを奪う。
 デンソーはペイントで高田真がジャンプシュートを放つが、間宮に加え、渡嘉敷もブロックショットで防ぎ、外れる。
 JXは岡本、吉田が3ポイントシュートを放つが外れる。吉田に対してはやはり引き気味ディフェンスでインサイドを固める。これが奏しているが、リバウンドを立て続けに取られてしまう。吉田がシュートを外した後も、渡嘉敷リバウンドからシュート、さらにリバウンドを間宮が取り、結局、間宮に対し牛田がファール、これが牛田3つ目のファール。フリースローは1本成功でJX26-24デンソー(57秒)
 ハーフタイム後、デンソー小嶋HCが「リバウンドやルーズボールを取られてしまっているのが気になる」と話していたが、嫌な展開だ。
 この後も、互いにシュートミスやターンオーバーを繰り返すが、デンソーオフェンスの方が機能不全の重篤度が大きい。それでも、ディフェンスは間宮にボールが入ると、素早く収縮しスティールするなどして踏ん張る。
 互いに辛抱の時間だが、3分2秒、吉田がゴール下の渡嘉敷にパスを高く通したプレーに対し、牛田が4つ目のファール。デンソー吉田をコートに入れるが、スローインにボールを受けた渡嘉敷が難なくゴール。JX28-24デンソー(3分4秒)
 デンソーのオフェンス。しかし、依然、JXのディフェンスを攻略できず、高田の苦しいシュートが外れる。第3ピリオド、4分近く経過して未だに得点なし。
 JXは岡本のスリーポイントを間宮がリバウンドからゴール。30-24(4分9秒)、このピリオドここまで、早くもJX6本のオフェンスリバウンド(デンソーは1本)。得点も8-0と、完全にJXペース。
 デンソーは高田真がジャンプシュートを決め、ようやく得点。続いて、厳しいディフェンスで伊集がパスをスティール、流れを変えるかと思われたが、吉田が猛追、伊集のシュートを阻止、さらに、フォーローに入った伊藤にも間を詰め、オフェンスファールを取ったかに思えたが、惜しくもディフェンスファール。しかし、この辺りはさすが吉田である。結局、この後のオフェンスはデンソーのターンオーバー。
 JXも宮澤がトラベリング。ここで、デンソー・吉田がドライブから逆ステップでの見事なシュートを決め、踏みとどまる。JX30-28デンソー(5分30秒)
 しかし、オフェンスリバウンドを取った間宮に対し、高田真が3つ目のファール。牛田4ファール(ベンチに)に加え、高田真3ファールと苦しい。間宮が2投とも沈め、JX32-28(5分40秒)
 デンソーのオフェンス、ペイントゾーン中央付近でもらった高田真がジャンプシュートを決めJX32-30デンソーと2点差に(5分54秒)。先ほどのジャンプシュートもそうだったが、ゴールを背にしてボールを受け、振り向いてシュートは難しいと思うが、ネットにスポスポ入れる高田、シュートが上手い。
 6分36秒、ここまで8本連続シュートを外してきた吉田が、3ポイントを決める。JX35-30デンソー。吉田にシュートタッチが戻ると、デンソーのディフェンスも難しくなる。
 この直前、新原が交代の為スタンバイしていたが、吉田のシュート成功を見て佐藤HC、交代を思いとどまる。しかし、ここは5点リード、ピリオド残り3分なので、吉田を休ませるべきだろう。

 デンソー、高田が柔らかいタッチでジャンプシュートを決め、JX35-32デンソー(7分22秒)。この直前、デンソーは伊藤に代え阿部を起用。伊集をポイントガードを任せたが、見事なパスだった。
 間宮も負けずに高田真を攻める。3ファールの高田は積極的にディフェンスできない。37-32(7分31秒)
 デンソー・吉田の3ポイントシュートが外れ、JXは岡本がペイント内へ巧みなパス。これを宮澤がうまく合わせそのままシュート。39-32(8分2秒)
 デンソー・伊集の3ポイントシュートが外れる。デンソーの外のシュートがほとんど入らない。
 8分25秒、JX吉田が新原とようやく交代。デンソーも阿部を下げ、伊藤をコートに戻す。

 伊集が、ドライブからバンクシュッとを決め、39-34(8分55秒)。「宮崎でなく新原を使うのは、宮崎の守備に不安があるから」と解説者は言うが、デンソーは新原をドライブで攻めてくる。高田真のスクリーンを利用してはいたが、新原のディフェンスは良くないと思うがどうなのだろう。
 JX・岡本がターンオーバー。デンソー・伊集、今度は宮澤相手にドライブを決め、39-36と3点差に詰め寄る(残り35秒)
 さらに、JXゴール下の渡嘉敷への新原のパスがターンオーバーになり、このピリオド、最後のオフェンス、デンソーは伊藤でなく伊集がボールを運ぶ。そして、そのまま、高田真のスクリーンを利用して、またも新原を振り切り、ブザービーターのドライブシュート!JX39-38デンソーと1点差で第4ピリオドへ

 このピリオド、JXは間宮7点、渡嘉敷5点。デンソーは高田真、伊集が6点。
 第3ピリオドまでの通算得点は、JXは宮澤12点、間宮11点、渡嘉敷10点、吉田、新原3点。
 デンソーは伊集18点、高田真10点、伊藤5点、高田汐3点、吉田2点。
 JXでは岡本が無得点、デンソーは牛田がファールトラブルもあって無得点。


 それにしても、完全に7点差でJXペースだったが、吉田がベンチに下がった残り1分35秒で1点差に詰め寄られてしまうとは。


第4ピリオド
 デンソーは牛田、高田汐に代わって吉田と藤原がコートに。
 お互いターンオーバーの後、岡本が3ポイントシュート。しかし入らず、これをJXがリバウンド。吉田がジャンプシュートを決め、JX41-38デンソー(57秒)
 デンソー・藤原が3ポイントシュートを放つが、外れる。そろそろ、3ポイントシュートの優先順位を下げてもいいのではないだろうか。
 吉田がボールを運び、マークが甘いのを見て、再びジャンプシュート。43-38(1分24秒)
 たまらずタイムアウト、デンソー。

 ここでの小嶋HCが面白かった。
 高田真希に、「ローポストでボールをもらうのと、スクリーンを使って入るのと、どっちがいいか」を尋ねて、「スクリーン」という要望に、「今のままのスクリーンではうまく行かないから、スクリーンの角度を変えよう」と指示。

 しかし、その後2回のオフェンス(JXも1回オフェンス失敗)はうまく行かなかった(高田真が良い位置でボールをもらえない)が、リバウンドを粘って、3度目の攻撃で伊藤がドライブで切り込んで、サイドの高田真にナイスパス。しかし、あまりにフリーになり過ぎたせいか、高田のジャンプショットが外れる(残り7分29秒)。
 JXのオフェンス、吉田からパスをもらった渡嘉敷が、マークするデンソー・吉田を押しのけるようなドライブを決め、45-38(残り7分18秒)
 さらに、ボールを運ぶデンソー・伊藤に対し、ハーフライン付近で間宮と吉田がダブルチーム。苦しいパスを岡本がスティール、そのままドリブルシュート、47-38と瞬く間に9点差(残り7分7秒)

 デンソータイムアウト。吉田と藤原を下げ、牛田と高田汐を投入。
 小嶋HC、いろいろ指示を出したが、オフェンスは機能せず、高すぎる位置でボールをもらった高田真がドライブするが吉田がスティール、そのままドリブルシュート。49-38(残り6分44秒)
 デンソー・牛田のシュートミス。JX・吉田が中央サークル付近から、虚を突いてゴール下の渡嘉敷にパスを通し、13点差。
 デンソー・伊集のドライブも外れ、JX宮澤がゴール下へドライブ&ターンアラウンドシュートで15点差(残り5分40秒)

 デンソー、タイムアウト。
 小嶋HC、ディフェンスにオフェンスに関して、あれこれ早口で指示を出すが、おそらく、その前のタイムアウトも、選手は頭に入ってないのだろう。ちょっと、指示が多すぎるのではないだろうか。

 JX、吉田をベンチに下げ、新原がコートに。
 指示が功を奏したのか、伊集からゴール下にカットインした高田汐にパスが通り、53-40(残り5分30秒)
 JX、岡本ターンオーバー、新原シュートミスと、デンソーにチャンスが来るが、高田汐の3ポイントシュート、高田真のジャンプシュートが外れ、点差が縮まらない。
 さらに、JX・新原がターンオーバーを犯し、デンソー・高田汐が3ポイントシュートを決め、53-43(残り4分8秒)。残り4分で10点差は逆転可能だ。

 JX、タイムアウト。
 吉田をコートに戻す。新原には申し訳ないが、ほとんど、ポイントガードの役割を果たせていない(この試合だけではなく、ここ数年である)。
 「ボール運びは岡本に任せ、フロントコートに入ったら吉田にボールを渡す」という指示。さらに、「まだ4分もある。気を抜いちゃダメだ」と締める。

 指示通り、岡本がボールを運ぶが、デンソーは岡本に2人で寄りつき、パスを出させない。岡本はドリブルで二人を振り切りドライブシュート。しかし、流石に体勢が崩れミス。
 デンソーのオフェンス。JXの激しいプレッシャーの中、高田真に何とかボールを回し、ミドルシュート。しかし、これが外れ、吉田がリバウンド。そのまま、ドリブルでゴール下にドリブルシュート。高田真のファール(4ファール)をもらい、フリースロー。2本目を外したが、渡嘉敷がオフェンスリバウンド(カメラの角度が悪くて見えなかったが、渡嘉敷が牛田を引っ張ったような、牛田の転び方ではあった)からシュートで再び、13点差(残り3分35秒)
 デンソーは高田真がロングシュート(2ポイント)を決め、あきらめない。56-45(残り3分25秒)
 しかし、JXはショットクロックいっぱいまでパスを回し、宮澤がバンクシュート。58-45(残り2分58秒)
 デンソーも、高田汐が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-48(残り2分50秒)
 さらに、渡嘉敷のゴールが外れた後、デンソー・吉田が3ポイントライン1m後方から、3ポイントシュートを決め、58-51と7点差(残り2分10秒)

 JX、タイムアウト。
「ドライブをされてもいいから、3ポイントを打たせるな」と指示。

 試合再開、エンドラインのスローインからボールを受けた吉田が、一気に加速度をつけハーフラインに持ち込み、エンドライン付近の間宮にジャンピングパス。間宮がカットインしてきた宮澤にパスして宮澤がシュート。60-51(残り2分3秒)
 デンソー・伊集が3ポイントシュートを放つが外れ、ボールを運んだ吉田がコーナーで待つ岡本にパス。岡本が3ポイントシュートを沈め、63-51(残り1分37秒)
 残り56秒で、高田真がシュートを決め、63-53
 この後、JX吉田が激しいデンソーのプレッシャーを掻い潜ってボールをキープし、2度のファールをもらうが、試合中断時には、足を引きずって、相当きつそう。
 JX、24秒ギリギリ使って、間宮がゴール下でシュート。ファールをもらい、3点プレー。66-53(残り17秒)
 最後は、デンソー・吉田のシュートを、渡嘉敷がブロックショット。
 JX66-53デンソー、JX2年連続19回目の優勝!



個人スタッツ
JX
得点 宮澤18、渡嘉敷16、間宮14、吉田10、岡本5
リバウンド 渡嘉敷21、間宮13、吉田7、宮澤4、岡本3
アシスト 吉田6、岡本3、宮澤3、(新原0)
スティール 岡本2、宮澤2、新原2
ブロックショット 渡嘉敷2

デンソー
得点 伊集18、高田真14、高田汐11、伊藤5、吉田5、(牛田0)
リバウンド 高田真10、高田汐6、吉田5、伊集3
アシスト 伊集4、伊藤4、高田汐2
スティール 高田汐3、牛田2




 第4ピリオド27点と、“勝ち方を知っている”JXの強さを見せつけた試合だった。
 デンソーのインサイドを固めたディフェンスに手を焼いたが、第4ピリオドは、それに怒ったかのような気迫あふれる吉田のプレーだった。
 渡嘉敷、間宮、吉田が抑えられていた時、宮澤が得点して繋いだのも勝因のひとつであろう。
 デンソーは、渡嘉敷、間宮のJXツインタワーに対して、インサイドを攻めることができず、外郭シュートに頼ったが、中盤、これが決まらなくなったのが痛かった。
 牛田や高田汐を絡めて、ペイント内での高田真を起点とするプレーが、対JX戦では必要に感じた。牛田がファールトラブルに陥ったせいもあるが、その牛田と高田汐、伊藤の得点が少なくては勝てない。
 
 JX・吉田のプレータイムは27分24秒。
 吉田の負担を軽減するポイントガードの育成が急務。
 能力のある若手が多数いるのに、育てる意志がないのか、使う度胸がないのか?



 最後に、試合後のインタビューで吉田を長時間使ったことに対しての佐藤HCの言葉をバッシングしたい。
「点数が離れるまでは、吉田を使っていこうと思っていたので。あとは、本人が“どうしても無理だ”と言うのであれば、その時に代えようと思っていた」
 吉田は限界が来るまで頑張ることを知っているはず。なのに、この言葉………
 ≪吉田が潰れるまで使い続ける≫……この人がヘッドコーチであっていいものなのか。
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2015全日本総合バスケットボール選手権大会 準決勝 トヨタ自動車 アンテロープス×デンソー アイリス

2015-01-23 21:32:23 | スポーツ
第1ピリオド
 互いにパスが軽く、オフェンスが良く機能した。
 トヨタは近藤の3ポイントシュートがよく決まり、デンソーは高田真希を中心に得点を重ねる。
 近藤の4本目の3ポイントシュートで22-16と抜け出し掛けたが、鈴木、水島の安易なシュートで波に乗り切れない。残り2分22秒で久手堅に替えて水島を起用したのがどうだったか?
 高田は動作は鈍いように見えるが、パワーもありシュートも上手い。シュートもシチュエーションが豊富なのが強味である。
 第1ピリオドは、トヨタ24-21デンソーで終了。


第2ピリオド
 立ち上がり、デンソーは伊藤がボールを持ちすぎるきらいがあるが、牛田と高田真のシュートでなんとか得点につなげる。トヨタはパスの周りがよく、外郭のシュートが気持ちよく打てている。川原が3本シュート(内3ポイント2本)を沈めるなど、7点差に広げる。
 4分0秒、デンソー・伊藤がゴール下の高田真に送ったロングパスがそのままネットに吸い込まれる。これをターニングポイントにするのはどうかと思うが、肩の力が抜けたのか次のオフェンスもボールがよく回り、フリーの状態でインサイドアウトのパスを受けた伊藤が、気持ちよく3ポイントシュートを沈め、1点差。
 さらに、久手堅をディフェンス二人が挟み、スチール。これをゴール下へ向かう伊集に素早くパスし、ドリブルシュートで逆転。
 トヨタは外郭のジャンプシュートが徐々に決まらなくなった。ドライブやポストプレーもほとんどない(時折、試みるが失敗)
 ピリオド後半は、お互いにオフェンスが停滞し、のこり4分42秒からは2点ずつ得点しただけ。
 前半は、トヨタ37-38デンソーで終了。



第3ピリオド
 一進一退の攻防が続くが、デンソーの方がインサイドを攻め、オフェンスリバウンドも競り合うなど、アグレッシブ。トヨタはペイント陣がやや小柄、さらにデンソーには高田真がいるので、なかなかインサイドを攻めることができず、外郭からのシュートが中心で単調になりがち。
 開始4分、トヨタ44-46デンソー。ここからゲームが動いた。
 ダブルチームディフェンスのプレッシャーに久手堅が苦しいパス。矢野の緩慢な処理を突いた牛田がそのままドリブルシュート。次のトヨタのオフェンスが矢野の3ポイントシュートがエアボールに終わったのに対し、デンソーは高い位置でボールを持った高田が、ゴール下に飛び込んだ伊集にパスを通しシュート、バスケットカウントも得、3点プレー。44-51とデンソー7点リード。
 この後も、ドライブあり、ジャンプシュート、速攻とバランスよく積極的に攻めるデンソーに対し、ペイントを攻められないトヨタはパスを外で回すだけのジャンプシュートが決まらず、開始6分20秒で44-55と11点差に広がる。
 たまらずトヨタ、タイムアウト(遅い!)。この後、鈴木のミドルシュート、森のペイント中央付近からのフェイドアウェイシュートなどで反撃し7点差に詰めるが、結局、トヨタ50-57デンソーで第3ピリオドを終了。

 デンソーは伊集、牛田がボールへの執着心が強く、トヨタのオフェンスに対してのプレッシャーも強かった。オフェンスも足が動き、積極的プレーが目立った。リバウンドもトヨタの7本に対し13本と優位。
 一方、トヨタのオフェンスは停滞し、停滞を打開できるプレーヤーもいない状況。頼みの3ポイントシュートもこのピリオドは1/6。


第4ピリオド
 トヨタ・鈴木がドライブシュートを決める。積極的プレーで5点差にせまり、追い上げののろしを上げたと思えたが、ゾーンディフェンスの裏を回り込んだ伊藤を全くのフリーにしてしまい、コーナーから難なくジャンプシュート(2P)を決められてしまった。
 この後のトヨタオフェンスは2回連続、3ポイントシュートを外す。一応、マークをを外してのシュートではあったが、中に切り込むなどの動きが欲しい。
 この直後、伊集に難しい3ポイントシュートを決められ、10点差。(1分40秒)
 この後も、外からシュートを外すトヨタに対し、デンソーは積極的かつバランスよく攻め、52-66と14点差(3分42秒)。
 さらに、トヨタオフェンス、ゴール下でデンソー・伊藤とミスマッチになった鈴木がイージーシュートをミス。そのうえ、スティールした久手堅がドリブルシュートをミス。辛くもリバウンドを拾いファールをもらうが、フリースローの1投目をミス。意気消沈。
 牛田にジャンプシュートを決められ、トヨタの24秒オーバタイムの後、伊集に3ポイントシュートを決められ、53-71と17点差(残り4分17秒)
 勝負あり。逆転の要素は全くなし。

 この後、オールコートプレスディフェンスなどで、バックパスバイオレーションや8秒オーバータイムなどを誘発、また、3ポイントシュートを2本決めるなど、10点差(残り1分)に詰める抵抗を見せたが、結局、トヨタ61-75デンソーで試合終了


 もともと、トヨタの3ポイントシュートはスクリーンを利用してのもので、外だけのプレーが多いが、シュートの成功率を考えるとインサイドアウトのパスも欲しいところだ。とにかく、ドライブや速攻、そしてペイント内でのプレーが少なすぎた。なので、ディフェンスもしやすく、トヨタはデンソーのディフェンスのプレッシャーをどんどん受けることになってしまった。
 後半は3ポイントシュート3/17、フィールドゴールも27.3%では敗戦も仕方がない。
 従来なら、久手堅が相手ディフェンスを切り崩したり、矢野の個人技で得点を上げるなどで流れを変えることもできたが、今回はそれもなかった。矢野はともかく、久手堅のボールへの執着心がこれまでより薄れているように感じた。

 デンソーはディフェンスではトヨタにプレッシャーを掛け続けた。オフェンスもアグレッシブで、動きもボールも泊まることはなかった。リバウンドやルーズボールなども集中力が高かった
 全員がバランスよくオフェンスするうえ、個人でも得点を上げることができる高田真が要所を締める。決勝戦はJXが苦戦するのではないかと思った。



個人スタッツ
デンソー
得点 高田真希21、伊集20、伊藤14、高田汐織10、牛田8
リバウンド 高田真15、牛田9、高田汐6、伊集3
アシスト 伊集8、伊藤6
スティール 伊藤3

トヨタ
得点 近藤21、鈴木12、川原10、矢野6
リバウンド 近藤7、久手堅4、矢野3、鈴木3
アシスト 久手堅、矢野3、鈴木3
スティール 久手堅3、矢野2 
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『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』 第2話

2015-01-23 12:37:59 | ドラマ・映画
 シングルマザー・恭子の一人娘・真理が誘拐されたが、犯人から何の要求もなく、1日半後に娘は解放された。
 実は、真理は大会社の社長・高城の隠し子で、身代金は高城が支払った模様。
 誘拐犯は、高城の娘・杏奈と恭子の勤め先のスナックのママ・小久保唯だった。
 動機は、唯の息子の心臓手術の為だった。
 ことをうまく収めるため、忍布は高城に「真理の歳の離れた義理の姉が勝手に連れ回しただけの騒動だった」と言及するよう懇願する。


 ストーリーには奥行きがあり、特ダネを棒に振ってまで騒動を収拾するというドラマ性もあった。
 しかし、1時間ドラマ枠では詰め込み過ぎで、スムーズにストーリーが進み過ぎた感が強い。
 たとえば、「身代金の要求もなく、解放されたのはなぜ?」と考える間もなく、デスクの千華子が真理の父親が誰かをつかんでいた。しかも、その社長については忍布が過去に密着取材をしていたという偶然。同じ偶然にしても、忍布が過去の取材により、真理が社長の隠し子ではないかと推理したのなら、納得できる。千華子役の財前直美の顔を立てねばならなかったのだろうか?
 誘拐の動機についても、千華子がスナックママの息子の病気の情報をキャッチしており、忍布同様、視聴者も思考をスキップさせられてしまった。
 ストーリーとしては面白かったはずだが、“エスカレーター”、時には、“どこでもドア”で話が進められ、せっかくのゲスト出演の水野真紀も持ち味が発揮されなかった。

 それと、私だけかもしれないが、やはり、主人公・忍布に魅力が感じられない(他のキャラクターもそれほど魅力を感じない)。それが一番の問題のように思う。

 

【ストーリー】番組サイトより
 5歳の女の子・日野真理(山本彩葉)が誘拐される事件が発生し、報道協定が結ばれた。だが、京都タイムス社会部記者・鉄 忍布(観月ありさ)は、デスクの古林千華子(財前直見)から、ライバル社に隠れてなんとか母親・恭子(水野真紀)に接近し、手記を取ってくるよう指示される。
 真理は、近くのケーキ店に立ち寄る恭子を公園で待っている間に、何者かに連れ去られたという。恭子は、真理の大好物である“豆乳プリン”を買いに行っていたらしい。
 シングルマザーの恭子は、弁当店やスナックなど複数のアルバイトを掛け持ちして生計を立てていた。忍布は“働くシングルマザー”の記事のためと偽って、スナックのママ・小久保唯(中込佐知子)ら、彼女の周辺人物への取材をスタート。だが、皆一様に彼女が働き者だと証言するだけで、特に恭子の周囲にトラブルは見当たらなかった。
 翌朝、駅前にひとりたたずむ真理の姿を警察官が発見! 無事、身柄が確保されたことから、報道協定も解除された。忍布はすぐさま取材のルールを破って警察署内に潜入し、恭子のもとへ。彼女の信頼を獲得し、手記の内諾を取り付ける。
 そんな中、忍布は突然、千華子から情報通信業界の雄、高城信三社長(中丸新将)の取材に同行するよう命じられる。実は、千華子は誘拐犯から一切要求がなかったことを怪しみ、裏取引があったのではないかと勘繰っていた。そして、恭子、高城の繋がりを探っていたのだが…!?
 その直後、忍布は高城のひとり娘・村上杏奈(近野成美)の姿を意外な場所で見かけたことを思い出す…! やがて、忍布の執念の取材により、秘められたシングルマザーの真実が明らかになっていくが…!?

監督:田竜太
脚本:西岡琢也
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相棒 season13 第12話 「学び舎」

2015-01-22 20:33:26 | ドラマ・映画
確かに、観ている最中は面白かった。
番組サイトの謳い文句
「孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
 彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
 複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!」

と、複雑に入り組んだ謎解き、特に「これ(書物)は道標」と、目印(道標)で導き、宝にたどり着かせる教授の遊び心には感心してしまった。
 しかし、複雑に入り組ませた為いろいろ粗が出てしまい、視聴後にはモヤモヤしたものが漂ってしまった。

複雑な要素である「注意人物」
①探究心旺盛で他のことは二の次という根っからの学者。また、探究しようとする者を支援していた。【被害者】
②自分の生活の為、学生を脅し奇行をさせ注目を浴び、自分の抗議に対する大学の評価を上げようとした非常勤講師
③金儲けの為、大学の資金を運用し失敗。その穴埋めのため、大学の知的財産を売り渡した。大学を私物化した理事長(学長だったかも)
④かって金儲けがすべてであったが、破産した。しかし、探究心に目覚め、教授の支援を受けていたホームレス
⑤探究心は旺盛だが、大学が自分の先行する文学部を切り捨てることを恐れ、教授を殺害。証拠隠滅の為、学生を脅して奇行を強いた自分本位な女子学生

①~⑤をうまく繋げ、それぞれに必然性を持たせようとしていたが………
 ②の講師は恥ずかしい画像をネタに学生を脅して、奇行を強要した。その被害者の一人が⑤の学生で、これにより、女子学生は右京たちの目に留まることとなった。
 また、実際にそういう脅迫を受けた女子学生は、それを証拠隠滅に利用した(現場を荒らして証拠品を見つかりにくくした)
 殺害と奇行による大騒ぎの現場から、④のホームレスが姿を消し、捜査一課に目を付けられ、右京たちの目にも留まった。
 ホームレスは探究心を教授から応援され、逆に大学のファンド運用失敗を教授に指摘した。
 教授が殺害された一因は、③の理事長の知的財産の横流しだった。
   …………ストーリーを展開するために材料の意味の方が強かった

詰め込みすぎたため、いろいろと齟齬が……
・学生を脅迫し奇行をさせたが、その奇行が講義の人気に結びつく因果関係が薄い。
 奇行を制する様を見せて、人望を得ようとしたのだろうか。
 それより「ネット上での悪評が、どのように拡散するかを分析したかった」という方が、奇行を強いる動機が強いように思えるし、学者としての対比もできる。
・女子学生のストリップパフォーマンスの方が、過去の裸写真より傷が大きいように思うし、性格的に彼女が応じないように思えた。
 他の学生も、すでにネットに流出してしまった画像で、脅迫に応じるのものなのか?
・発作的な殺害の割には、大学の仲間を脅しての証拠隠滅を咄嗟に思いつき実行するとは、なかなかズル賢い。
 しかも、恩師を殺害しておいて、素知らぬ顔で勉学に励むとは、非道である。
・漱石の伝説を立証できる書簡を売られてしまったことを嘆くのは分かるが、あれだけ勉学者を支援する意志が強い教授が、女子学生を絶望させる言葉を吐くのは不自然過ぎる。
 殺されるためのセリフとしか思えない。
・さらに、その教授の言葉に怒り、恩師を殺害してしまうのは短絡的すぎる
・漱石の教え子の書簡は、買い戻せると思うが。
・図書館の空箱を見つける右京の嗅覚は凄い

 思うに、②の非常勤講師は登場させず、他の4人で構成できたように思う。その方が、焦点がはっきりして良かったのではないだろうか。

【その他の感想・疑問】
・教授は虫にしか興味がないのかと思ったが、漱石の伝説まで知っているとは恐るべし
・対する理事長は、「月が綺麗ですね」と漱石の伝説を仄めかされても何の事だかわからない。
 書簡の価値を理解していないのに、高額で売れると思ったのだろうか(漱石に関するモノだから、それなりにと思ったのかもしれない)
・“二股告白学生”の場所の誤認識云々の理屈が理解できなかった。
 実際は校庭だったが、「講義室」と指示した講師は講義室だと思い込んだというものだったと思うが、それで「あなた(講師)が指示した」と断言できるものなのか?
・「I LOVE YOU.」を「月が綺麗ですね」と訳する(表現する)のは、ロマンを感じる。
 今度、女性に使ってみよう(「妻に」とは言わない)


【ストーリー】番組サイトより
 公園でホームレスと見られる男性の死体が発見された。前夜、付近で若者たちが騒いでいたという情報があり、捜査一課は不良グループによるホームレス襲撃事件と目測を立てるが、右京(水谷豊)は、遺体の状況から身元を見抜く。男性は、池本(長谷川公彦)という私立大学の生物学教授で、研究のための虫を採取していたらしい。池本の研究室を訪れた右京と享(成宮寛貴)は、そこで彼の研究とは無関係の本の山を目にする。助教によると、それらの本は読みもしないのに借りてこさせていたらしく、「図書館で大発見をした」などとも言っていたらしい。 そんな中、右京と享は、大学の一角で女子大生が大声をあげながら大勢の前で服を脱ぐ、不可解な行動を目の当たりにする。騒ぎはすぐ収まったものの、不審に思った右京たちが彼女を問い詰めるとパフォーマンスをせざるをえなかった驚くべき理由が明らかに!教授殺害事件との関連は!? そして真犯人は誰なのか?

孤高の生物学者は誰に、なぜ殺されたのか?
彼が口にしていたという図書館での“大発見”とは?
複雑に入り組んだ事件の真相を、特命係が解き明かす!


ゲスト:早織 長谷川公彦 内田滋 中林大樹

脚本:藤井清美
監督:橋本一
コメント (4)
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佳境に入った順位戦

2015-01-21 19:50:12 | 将棋
いよいよ順位戦も佳境に入ってきた。

A級……阿久津は陥落決定。他は大激戦
 阿久津八段が、七回戦で三浦九段に敗れ、七戦全敗で降級が決定してしまった。
 せっかく、残留の可能性を計算したのに、少しも踏ん張れずに早々と降級が決定してしまったのは残念。
 七回戦の結果は次の通り(対局日順、左側が先手番、勝敗は7局終了時点)
●行方八段 (2位・5勝2敗)- 渡辺二冠○(3位・4勝3敗)
○森内九段 (1位・3勝4敗)- 佐藤九段●(4位・3勝4敗)
●阿久津八段(10位・0勝7敗)- 三浦九段○(6位・3勝4敗)
●広瀬八段 (9位・5勝2敗)- 久保九段○(7位・5勝2敗)
●深浦九段 (5位・4勝3敗)- 郷田九段○(8位・3勝4敗)

 阿久津-三浦戦を除いて成績下位者が勝利したので(三浦九段にしても成績は8番手だった)、残り1名の降級を巡る争いと挑戦権争いが熾烈になった。

 成績を整理すると、
【5勝2敗】行方八段(2位)、久保九段(7位)、広瀬八段(9位)
【4勝3敗】渡辺二冠(3位)、深浦九段(5位)
【3勝4敗】森内九段(1位)、佐藤九段(4位)、三浦九段(6位)、郷田九段(8位)
【0勝7敗】阿久津八段(10位)

 渡辺二冠が3連敗から4連勝と盛り返し、名人挑戦の目まで出てきた。強敵揃いのA級で残り2局とも勝つのは難しいが、2敗者は3名もいるので、誰か一人は2敗で踏みとどまる可能性も低くはない。とにかく、誰が挑戦権を獲得するか予測が困難な状況だ。
 残留争いは更に混戦。7回戦で敗れると相当首筋が涼しくなった三浦、郷田の両九段だったが勝利し、現在は4人が3勝4敗で並ぶ状況。順位の関係で、郷田、三浦、佐藤、森内の順に危ないが、こちらも2局残っているので、予想は困難。

 残りの対戦相手は
行方八段……深浦、森内
久保九段……阿久津、渡辺
広瀬八段……佐藤、三浦
渡辺二冠……三浦、久保
深浦九段……行方、佐藤
森内九段……郷田、行方
佐藤九段……広瀬、深浦
三浦九段……渡辺、広瀬
郷田九段……森内、阿久津
阿久津八段……久保、郷田
 敢えて現在の調子から対戦相手を判別すると、難敵…渡辺、易敵…阿久津となる。私の個人的な実力判断を加味すると……
………挑戦権争いは広瀬八段がやや有利、残留争いは三浦九段が不利のように感じる。8回戦の森内-郷田戦は大一番だ。

B級1組……佐藤天七段昇級、もう1席は次局屋敷-木村戦が大一番
 佐藤天七段が競争相手の屋敷九段に勝ち。A級昇級を決めた。(八段に昇段)
 空き番が12回戦と対局消化が早く残り1局で、最終局に敗れたとしても9勝3敗。現ランクが12位ながらも、現在3敗は屋敷九段と木村八段のみでこの両者の対局が残っているため、佐藤天七段を上回るのは最大1人のため、A級への昇級が決定した。

 現在の上位成績は
7勝3敗……屋敷九段(1位)、木村八段(8位)
7勝4敗……山崎八段(6位)
6勝4敗……松尾七段(4位)、橋本八段(7位)
 屋敷九段が次局の木村戦に勝てばA級復帰が決定。木村八段が勝てば、昇級は最終局に持ち込まれる。
 他の棋士は、屋敷-木村戦で木村勝利、さらに最終局も屋敷九段が敗れないと昇級の目はない。松尾七段が4位と順位が良く、最終局に木村戦を残しているので、屋敷九段が木村8段に敗れると、やる気が出てくる。
 私が期待していた山崎八段は、7勝1敗から3連敗(対戦相手は屋敷、橋本、松尾)と失速。
 期待していたもう一人の豊島七段も5勝5敗と残念な星。電王戦、王座戦と奮闘した成果が、来期に現れると信じている。

 降級は飯塚七段が星に恵まれず決定。
 もう一人は3勝7敗の藤井九段(10位)、谷川九段(2位)、4勝6敗の畠山七段(9位)、丸山九段(5位)の順に危ない。
 と言っても、次局に谷川-藤井戦が組まれており、藤井九段は破れると降級が決定する。丸山九段と畠山七段は、谷川九段が敗れた場合に降級の可能性があるが、残り2局で1勝すれば助かり、例え2局とも敗れたとしても、畠山七段は谷川、藤井がそろって勝たないと、丸山九段は谷川、藤井、畠山がそろって勝たないと降級はしない。
 畠山七段と谷川九段はここ2局に連勝し、藤井九段より有利な状況に持ち込んだ。藤井九段は苦しい状況だが、次局に勝てば視界が開けてくる。とにかく、次の谷川-藤井戦が大一番である。

B級2組……稲葉七段、先崎九段が昇級マジック1
自力の観点で並べると
7勝1敗……稲葉七段(11位)
7勝2敗……先崎九段(4位)
6勝2敗……北浜八段(13位)、阿部隆八段(15位)
7勝2敗……糸谷竜王(21位)
5勝3敗……戸辺六段(7位)、田村七段(18位)
 一応、戸辺六段まで昇級の可能性がある。糸谷竜王は9回戦で先崎九段を破って望みをつないだが、順位が悪く届かない可能性が高い。
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『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』 第1話

2015-01-19 11:40:57 | ドラマ・映画
今クールは、刑事ドラマが少なくて寂しいです。
そんなわけで、『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』の初回を視聴。

「そんなわけで」とわざわざ書いたのは、この『木曜ミステリー』(テレビ朝日)は、
・継続中と思われるシリーズ
『科捜研の女』(1999年〜、14シリーズ継続)主演-沢口靖子
『おみやさん』(2002年〜、9シリーズ継続)主演-渡瀬恒彦(未視聴)
『京都地検の女』(2003年〜、9シリーズ継続)主演-名取裕子
『刑事110キロ』(2013年〜、2シリーズ継続)主演-石塚英彦(未視聴)

・終了と思われるシリーズ
『京都迷宮案内』(1999年〜2008年、全10シリーズ)主演-橋爪功
『女刑事みずき〜京都洛西署物語〜』(2005年・2007年、全2シリーズ)主演-浅野ゆう子
『その男、副署長』 (2007年〜2009年、全3シリーズ)主演-船越英一郎
(私が未視聴のモノは除いてあります)

・今のところ1シリーズのみのドラマ
『捜査地図の女』(2012年)主演-真矢みき
(私が未視聴のモノは除いてあります)

 と、『科捜研の女』、『京都地検の女』、『京都迷宮案内』以外は、残念なものが多いからです。
 また、観月ありささん主演の刑事ドラマとしては『Answer〜警視庁検証捜査官』(水曜日21:00 - 21:54…『相棒』と同じ枠)を思い出しますが、残念感が残っています。



 今回の『出入禁止の女〜事件記者クロガネ〜』の主人公の新聞記者・鉄忍布(くろがね しのぶ)は、

 偏見や先入観に惑わされず、真実をつまびらかにするという信念を持つ忍布は、特に権力による情報操作や隠ぺいに厳しい目を持ち、弱き声を救い上げた記事を多々手がけ、輝かしい受賞経験も持っています。
 しかし、執念の取材によって失うものは多く、取材先から“出入禁止デキン”を言い渡されることもしばしば。しかも、無愛想で物怖じしない性格から、職場でも取材先でも軋轢ばかり…。


 だそうだ(番組サイト・イントロダクションより)

 『Answer〜警視庁検証捜査官』の時と、役職は違うが、「強い信念を持って真実を追求する」「他者との妥協を許さず、マイペース」といった共通部分が多い。
 ≪こういった性格のヒロインは観月ありさが適役≫と見込まれて起用されるのか、観月ありさが演じるとこういうキャラが前面に押し出されてしまうのか……

 いずれにしても、私的には≪ちょっと苦手なヒロイン≫である。


 また、ドラマの見どころ(セールスポイント)として

『事件記者が暴く、意外な真相! 果敢な取材によって浮かび上がる、切なくも哀しい結末!!』
 ドラマは、鉄 忍布ら京都タイムス社会部の記者たちが体当たりで事件を取材し、時に葛藤し時に憤慨しながらも、隠された真相に迫る姿を描いていきます。
 取材の末に明らかになるのは、意外な真犯人だけではありません。事件関係者の秘めた思いや、許しがたい巨悪の存在…。事件が解決に至る爽快感にプラスして、地道な取材によってたどり着いた切なくも壮絶な人間の生き様をも描く
番組サイト・イントロダクションより)

 番組のテーストとしては、『京都迷宮案内』が近いか。


 視聴の感想は………“今二つ”
脇を固めるキャストは、「含みの多い新聞社オーナー」小林稔侍、「ヒロインに振り回され気味の女性上司」財前直美、「教科書通りの面白味のない記事を書くライバル同僚」甲本雅裕、「ヒロインの“使いっ走り”記者」宅間孝行、「京都府警捜査一課警部補」益岡徹、「ヒロインの反抗期の息子」前田旺志郎。
 俳優さんに問題はないが、ありがちで面白味のないキャスティングである。

事件の真相既視感が充満

大きな疑問として、人気キャスターの南条(西村雅彦)が逮捕された理由がわからない
 確かに、被害者が殺害される前、被害者と揉めて突き飛ばした結果、気絶させたが、「傷害罪」が適用されるか微妙。
 この場合、故意の暴行(突き飛ばしたこと)ではあるが、故意に負傷させよう(傷害しよう)としたわけではなさそう。
 それに、被害者はその後、別人により殺害されてしまったので、立件も難しそうだ。
 それなのに、公衆の面前で逮捕されるものなのか?
 あとは、捜査をかく乱させるような証言をしたかどうか……。
 事件を誘発させる原因を作ったが、真犯人の妻と共謀したわけでもないし、誘導したわけでもない。

大きな不満として
 ヒロインが、記事作成に頭を悩ませるシーンがあり、キーワードが画面を飛び交っていたが、発行された新聞は見出しが読み取れる程度で、オーナーが評価したシーンのみ。
 ヒロイン・忍布がどのように事件を捉え、分析したのか。さらに、何を読者に伝えたかったのかは、まったく不明。
(『京都迷宮案内』では、記事をエピローグ・ナレーション風にして、ドラマを締めていて、よかったが……)

 上記で「今二つ」と評価したが、「今三つ」に訂正


【ストーリー】番組サイトより
 実業家・磯村憲吉(小林稔侍)に買収され、“京都新報”からの急な社名変更に追われる“京都タイムス”本社――。しかも、京都市内のマンションでホスト・栗原誠の死体が発見されたという事件の報を受け、社会部は慌ただしい朝を迎えていた。 
 そんな中、悠々と出勤してきた社会部遊軍記者・鉄くろがね忍布しのぶ(観月ありさ)は、デスクの古林千華子(財前直見)から新人記者の美馬健作(宅間孝行)の取材に付き合うよう命じられる。しかし、それは殺人事件ではなく、殉職した警官の愛犬を同僚たちが交替で育てているという、いわば“ヒマネタ”。内容を聞いた忍布は突然、「それ、あんたに任せる」と美馬に取材を押し付け、踵を返す。「その所轄署、ワタシ、出禁だから」――。すたすたと去っていく先輩の後ろ姿に、美馬は「忍布さん、出禁なところばかりじゃないですか!」とあきれ果てる。
 ひとりになった忍布は、大阪のテレビ局のスタジオを訪れていた。京都新報時代の先輩記者で現在、在阪局のワイドショーの司会をこなす人気キャスター・南条夏生(西村雅彦)に会うためだ。実は最近、忍布のもとに何通も南条の脱税や裏の顔を告発する差出人不明の手紙が舞い込んでおり、気にかかっていたのだ。久しぶりに会った南条は忍布に爽やかな笑顔を向け、このほど東京のテレビ局から声がかかり、いよいよ全国区に打って出ることを打ち明ける。忍布は、新聞社時代から南条を支え続けてきた妻・みちる(中山忍)の姿が彼のそばにないのを不思議に思う…。
 しかも、南条はなぜかホスト殺人事件の捜査に興味を抱いているようだった。嫌な予感を抱いた忍布は美馬をホストクラブに潜入取材させ、殺されたホスト・栗原に年上の恋人がいたという情報を仕入れる。その女性、中山香織の名に、忍布は聞き覚えがあった…。彼女は7年前に起きたストーカー殺人事件の被害者の姉だった。そしてその事件は、当時社会部のエース記者だった南条が京都新報を退職するきっかけになった、因縁の事件だった――。

監督:田竜太
脚本:西岡琢也
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2015全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝 JX-ENEOS×富士通 【その2】

2015-01-17 22:32:46 | スポーツ
2015全日本総合バスケットボール選手権大会 女子準決勝 JX-ENEOS×富士通 【その1】の続きです。

第3ピリオド
 開始1分30秒まではバタバタした展開で、渡嘉敷のフリースローの1点のみで、JX36-42富士通。
 ようやく、篠原がドライブからのフックショットを決め、JX36-44富士通。
 JXも岡本がゴール下へ動いた渡嘉敷にパスを通し2点。富士通もすかさず町田がマークの岡本を置き去りにするドライブでJX38-46富士通(1分56秒)。
 さらに、JX・間宮のシュートが外れたのを反転速攻。山本→町田→篠崎と一気にゴール下まで運ぶが、辛くも吉田が手を出して、アウトオブバウンド。吉田が相手の動きを察知してマークを外さなかったのだが、今のところ、吉田の動きは悪くはない。
 ここでJXはゾーンディフェンスに切り替え、対する富士通は3ポイントシュートを連続で2本放つ(←リバウンドを取って)が、リング強く当たる外れ方で不正確だ。前半ほど3ポイントは期待できないのかもしれない。
 JXはオフェンスリバウンドを取り、イン→アウトのパスを岡本が3ポイントシュートを決め5点差に迫る。(41-46、2分56秒)
 プレス気味のゾーンディフェンスに、ここも長岡が3ポイントを放つが、これも決まらない。対するJXは高い位置でボールを受けた間宮が、ディフェンスを押しのけるような力強いドライブを決め、43-46と3点差(3分26秒)。
 マンツーマンディフェンスに戻したJXに対し、篠崎がペイントにカットインしてパスを受け、ボールを浮かせるシュートを放つが外れる。JXは宮澤がライン際をドライブで抜こうとするが、ディフェンダーに行く手を阻まれる。ここでしぶとくディフェンダー越しにフック気味のシュートを決め、1点差(45-46、3分49秒)。
 焦った町田の不用意なパスを宮澤がカット、ドリブルでボールを運び、追従してきた渡嘉敷にパス。これを渡嘉敷がゆうゆうドリブルシュート。JX47-46富士通、ついに逆転!(4分12秒)
 この後、両チームが1回ずつオフェンスを失敗し、アウトオブバウンドとなったところで、吉田がベンチに下がり、ルーキーの宮崎がコートに。富士通も長岡に代わり三谷が出場(4分53秒)。聖カタリナ女子時代はシューティングガードだったらしい。
 富士通、篠原が上手いターンでディフェンスをかわしシュート。イージーシュートだったが、これをミス。富士通は3ポイントシュートを3本連続外した後、2ポイントシュートも4本連続外し、7本連続シュートミス。町田のパスミスを合わせると8連続のオフェンス失敗。
 JXは岡本が果敢にドライブを試み、フリースローを得、2本とも沈め、49-46。第3ピリオドはここまで、JX14-4富士通と、完全にJXペース。
 篠崎がマークの宮崎を振り切り、ドライブシュートを決め、約3分半無得点の悪い流れをようやく歯止め(49-48、5分22秒)。
 JX・宮澤のパスを渡嘉敷がキャッチミス。ふたりの意思の疎通がないままのオフェンス。吉田がベンチに下がったのと、逆転したという心の緩みが出たのかもしれない。
 さらに、ボールを得た山本から篠崎、そしてゴール下の町田へ素早くパスを回しイージーシュート。49-50富士通、再逆転(5分42秒)。
 ここで、JX、タイムアウト。良いタイミングだ。

 JX・間宮、富士通・三谷が共にシュートを外した後、宮澤がやや距離のあるジャンプショットを決め、再び逆転。宮澤の得点が増えるとJXは展開が楽になる。(JX51-50富士通、6分44秒)
 対する富士通は、マークが空いた三谷が3ポイントシュートを放つが外れる。オフェンスの形は悪くないが、シュートが入らない。
 この後、ルーズボールがジャンプボールシチュエーション(富士通ボール)となったところで、吉田がコートイン(6分59秒)。吉田は約2分間(タイムアウトを除く)休んだことになる。宮崎は、言葉は悪いがビビり気味で、オフェンスを主導することなくベンチに下がってしまった。宮崎に経験を積ませる為にも、吉田を休ませる為にも、もう少し、宮崎で引っ張っても良かった。
 この直後、篠崎の3ポイントが外れ、吉田が早いドリブルで運び、コーナーに開いた宮澤がジャンプショットを決めたので、“結果オーライ”となってしまったが……(53-50、7分14秒)

 ここから富士通も反撃。山本→三谷→山本のパス&ランで1点差。(53-52、7分33秒)
 さらに、吉田の厳しいディフェンスをかわした篠崎がジャンプシュートを決め逆転。(8分11秒)
 岡本の3ポイントシュートにもチェックしてエアボールにし、山本のインサイドアウトのパスを受けた篠原が、確実にジャンプシュートを決め、53-56(8分44秒)。
 JXの攻撃、岡本がサイドに開き、宮澤にパスを要求する。しかし、気づくのが一瞬遅れた宮澤、構わずパスを送るが、町田がこれをカット。ここ数プレー吉田が主導しないオフェンスが続く、何のために吉田を投入したのだろう
 しかし、このチャンスを富士通も生かせない。三谷の3ポイントシュートに託すが外れる。このピリオド、三谷の外角のシュート感覚に狂いが生じていたのが痛かった。
 JXのオフェンス、吉田がジャンプシュートを放つが外れる。これが大きく跳ねて、宮澤がリバウンド。再び、吉田がジャンプシュート。富士通・テーブスHCの指示だろうか、吉田のジャンプシュートは比較的フリーに打たせるが、流石に2本続けては外さない。しかし、解説の萩原氏「吉田選手の体力的なものが気になる。少ししんどい感じが」と懸念を示す。確かに、画面を通して吉田の疲労の色が感じられてきた。(55-56、9分10秒)
 富士通・山本がドライブから浮かせるシュートを決め、JX55-58富士通と3点差。(9分40秒)
 間宮のシュートを三谷がブロックして、JX55-58富士通で、第3ピリオ終了。

 このピリオド、流れをつかんだJXが逆転、一気に走るかと思われたが、逆に反動が出てオフェンスがぎこちなくなってしまった。吉田を投入しての崩れ。3点ビハインドは痛いが、≪一度逆転した≫という感覚があるのは心理面で大きなプラス。
 富士通は、ジャンプシュートが決まらなかったのが痛い。特に、3ポイントシュートは7-0は第4ピリオドに引きずりそう。それでも、残り3分は、よく盛り返した。
 個人では、JX・宮澤が6得点と彼女が機能し始めたのが、攻撃の幅を広げる上で大きい。間宮はシュートはよくないが、6リバウンドと奮闘。
 富士通は山本が4得点、1アシスト、2リバウンド、1スティールと活躍。町田、篠崎、篠原も4得点とバランスが良かった。



第4ピリオド
 吉田は最初からコートに。最初のオフェンス、その吉田のジャンプショットが外れ、富士通はパスを回した後、篠崎の1オン1に託す。篠崎もこのプレーの重要性を理解したのか、硬くなりトラベリング。マークした岡本が隙を見せなかったのも一因であろう。
 次のオフェンスは渡嘉敷。大きなステップでディフェンダーをかわすが、シュートはリムを舐めて外れる。富士通、反転速攻。ゴール下の長岡にパスが通るが、イージーミス。
 JX・岡本、富士通・篠崎のジャンプシュートも外れ、1分30秒経過しても、両チーム無得点。
 さらに宮澤のやや遠いジャンプシュートが外れ、JXはオフェンスリバウンドを取ったものの、オフェンスが機能しない。高い位置の吉田には引き気味のデイフェンスで、ペイント内を絞り中にパスを入れさせない。しかし、渡嘉敷が高い位置でボールを受け、ジャンプシュートと見せかけて、フリーになった宮澤にナイスパス。これを決めて1点差。(1分57秒)
 富士通はペイント内に押し込んだ篠原がフックシュート。しかし、やや強引で外れる。
 JX、外に開いた宮澤がジャンプシュートを外すが、渡嘉敷がリバウンドを手に引っ掛け、拾った間宮がシュート。逆転。JX59-58富士通(2分25秒)。
 富士通、全員が開いてペイントにオープンスペースを作り、そこに走り込んだ篠原に町田がパス。篠原が決め、59-60と逆転(2分47秒)。
 JXは間宮が1対1を仕掛けるが、篠原に守られ、吉田にボールを戻す。ここで、渡嘉敷をスクリーンに使い、吉田が3ポイントシュートを放つ。これが決まり、62-60と逆転(3分10秒)。
 この後、互いに1回ずつオフェンス失敗し、富士通のオフェンスだが、2度のシュートチャンスを躊躇した挙句、長岡がトラベリング。
 さらに、渡嘉敷のドライブも決まらず、富士通・山本、開いて待ってオープンになった岡本の3ポイントシュートも外れる。
 両チームとも、出ずっぱりの選手が多く疲労が蓄積、オフェンスがうまく機能しない。吉田も辛そうな動きだ。
 JXのタイムアウト(残り5分23秒)。解説・萩原氏「少し早い」と。私は、もう少し早くても良かったと思うが。

 タイムアウト後、富士通・山本の3ポイントシュート……これにチェックに行った宮澤が、山本に接触。3本のフリースローが与えられたが、1本外して、62-62の同点(残り5分12秒)。無理にチェックにいきファールしてしまったのは痛いが、単に3ポイントを決められるよりは良い。もちろん、富士通のロングシュートの調子を考えると外す確率も高いが、フリースローを1本落としたので、結果的にはJXにとって良かったのかもしれない。
 JXのオフェンス。相変わらず機能しない。宮澤が安易にジャンプシュートを放つが外れ、リバウンドに渡嘉敷が飛び込むが、富士通も長岡と篠崎が体を張って対抗。アウトオブバウンドで富士通ボール(残り4分55秒)
 富士通のオフェンス、町田がペネトレイトからオープンの篠原にパスアウト。しかし、篠原のジャンプシュートはエアボール(間宮のチェックも素早かった)。富士通はシュートが決まらない。
 JXは吉田がドライブで切り込むが、これは強引、無謀に近かった。
 富士通、ペイントに走り込む篠崎に山本がパス。そのままシュートだが、惜しくも外れる。間宮のマークを外すため、身体を外に流し過ぎたようだ。(残り4分20秒)

 ここ2分半ほど、膠着状態だが、富士通の方がオフェンスは機能している。JXは吉田の動きが落ちオフェンスの形にならない。これまでの吉田を無駄に使った佐藤HCの罪は重い。同点の今なら、吉田を攻守1回分だけベンチに下げ、呼吸を整えさせる。オフェンスはナンバープレーを試みる。この際、渡嘉敷、間宮も下げてしまうのはどうか。
 JX、ペイント中ほどでパスを受けた渡嘉敷がドライブするが、富士通の寄りつきが早く自由にシュートが打てない。しかし、リバウンド争いの際、篠原が4つ目のファール!(残り4分4秒)
 エンドラインからのスローイン、宮澤が走り込んでボールを受け、そのままシュート。JX64-62富士通(残り4分3秒)。
 得点が止まっていたJX、大きな得点。富士通の篠原の4ファールと、流れはJXか。

 富士通・山本がドライブからボールを浮かせる巧みなシュートを決め、流れを押しとどめる。64-64(残り3分46秒)。
 JX・吉田が岡本にボールを渡し、出来れば岡本の外角からのシュート、あるいは、オフェンスの立て直しを図ったが、岡本がファンブル(残り3分27秒)。
 JX、オフェンスの流れが悪い。しかし、富士通・町田のジャンプシュートも外れる。
 ここで、ボールを運んだ吉田が、ペイントゾーンの間宮へ渾身のバウンドパス。間宮がシュートを決め、66-64、2点リード(残り3分9秒)。
 富士通も反転速攻。ゴール付近でパスを受けた山本に、宮澤がファール(4ファール)。
 山本がフリースローを2本とも決め、同点。(66-66、残り3分2秒)

 JXのオフェンス。吉田はオフェンス停滞を打開できない。他の選手も、自ら切り開く意志が薄い。その象徴的プレーが出た。渡嘉敷からボールを受けた岡本。この時、岡本をマークしていた町田に対し、渡嘉敷がスクリーンを掛けた形となった。渡嘉敷をマークしていた長岡もドライブに備えゴールに寄った。この後、渡嘉敷が外に動いたため、フリー。岡本が意図したのかどうかは不明だが、ちょうど岡本&渡嘉敷のピック&ロールの形となった。
 そこで、岡本は渡嘉敷にパス。しかし、渡嘉敷はそのまま岡本がドライブすると思い、リバウンドに備えた。ボールは転々とコートの外へ……。
(残り2分42秒)

 富士通もJXのディフェンスを突破できず、ショットクロックぎりぎりで苦しいシュート。これが外れたが、富士通がリバウンド。詰めた吉田がファール。JXチームファール4。富士通、タイムアウト(残り2分13秒)。
 富士通・テーブスHCは、次のプレーの細かい指示。JX・佐藤HCは「受け身に回るな。とにかく最後まで積極的に行け」という応援(笑)

 富士通・町田がドライブで切り込むと見せかけて、3ポイントラインの外に移動したスクリナーの長岡にパス。長岡が3ポイントシュートを綺麗に沈める。富士通、3点リード!(JX66-69富士通、残り2分2秒)
 JX、ペイントゾーンでボールを受けた渡嘉敷がドライブ。これを長岡、篠原、山本が両手を上げて阻止。渡嘉敷が回り込んで篠原の上からシュートを放つが落とす。このリバウンドを渡嘉敷が取り、岡本へパス。岡本、3ポイントシュート……しかし、外れ、富士通がリバウンド。(残り1分39秒)
 このプレー、渡嘉敷にディフェンダーが集中する分、間宮がフリーになっていた。JXベンチはこの状態を予測できたはず。応援などしていないで、「間宮へのパスも視野に入れろ」と渡嘉敷に指示を出すべきだろう。
 1、2年前は、このツインタワー同士のパスがよく機能していたが、この大会はほとんど見られなかった。間宮の動きも悪い。


 JX、ピンチ!
 富士通は時間を掛けて攻撃して、出来れば2点を取りたい。しかし、この意識が動きを消極的にした。24秒いっぱい使ったものの、ほとんど、オフェンスにならなかった。
 おそらく、このプレーが明暗を分けた。ここで、今までどおり攻めていれば、JXは浮足立っていたので、2点かファール(フリースロー)をもらえたであろう。


 残り1分17秒、3点差。同点は十分に可能だ。
 リバウンドを取った吉田がドリブルで持ち込む。引き気味になる富士通ディフェンスを見て、ドリブルしながら決めたのだろう。迷わず、ジャンプショット。綺麗にネットを揺らした。1点差、残り1分10秒。

 富士通、町田と長岡のピック&ロールから、町田のジャンプシュート。しかし、若干、時期尚早。これが外れ、リバウンドはJX。シュートタイミングが早かったため、このリバウンドに富士通は誰も絡めず、充分な体制でJXのオフェンスに臨むことができた。(残り49秒)
 吉田がペイントの間宮にパス。間宮に対しディフェンスが収縮。すかさず、間宮が渡嘉敷へアンダーパス。これを渡嘉敷が落ち着いて決め、逆転!JX70-69富士通、残り36秒。
 富士通・山本がペネトレイトからパスアウトを試みるが、渡嘉敷の足にぶつける。痛い、ターンオーバー。パスミスと言うより、パスのスペースがなく、オフェンスそのもののミスだった。(残り19秒)
 時計を止めたい富士通がファール。JX、タイムアウト。

 残り15秒、富士通はチームファールが3。ファールゲームをするにしても、まず、1つファールをしなければならない。
 町田ファール(残り13秒)。
 スローインのJXに、富士通がファールを手間取る。残り8.3秒でようやく吉田にファール。

 吉田がフリースローを2本とも決め、72-69。残り8.3秒、富士通は3ポイントシュートを決めなければならない。
 町田がドリブルで運び長岡にパス。長岡が篠原にパス(残り4秒)。3ポイントライン付近でフリーだが、篠原には3ポイントシュートはない。コーナー付近の山本にパス(残り3.4秒)。
 残り2.9秒でパスを受けた山本、マークをずらしつつタイミングを取るようにサイドステップをして、3ポイントシュート!(残り2.2秒)
 ボールは大きな弧を描いてリングに向かう。………しかし、リングに当たり、大きくバウンド………万事休す、試合終了のブザー。
 JX、8年連続の決勝進出。

 富士通は3点差になったところでは、勝利の女神の微笑みが見えたのかもしれない。
 しかし、修羅場の経験値の差が出てしまった
 最終盤、富士通は三上を出していればという気もするが、後半、三谷のシュート感覚が狂っていたので使いづらかった。それに、最後はレギュラーに託すと言うのが正道なのだろう。

 JXは個人の力で勝った。しかし、もう少し戦術・戦略を磨かないと勝てないし、選手も潰れてしまう。


個人スタッツ
JX
得点 渡嘉敷21、間宮17、吉田14、岡本10、宮澤10
リバウンド 間宮14、渡嘉敷11、岡本7、吉田5、宮澤5
アシスト 吉田8、渡嘉敷3、間宮2、宮澤2
スティール 岡本3、宮澤2
ブロックショット 渡嘉敷4

富士通
得点 山本22、長岡11、篠崎11、町田9、三谷8、篠原8
リバウンド 篠崎10、篠原8、長岡6、町田4、山本4、三谷3
アシスト 町田6、篠崎3、山本3
スティール 町田2
ブロックショット 三谷1

 第4ピリオド、吉田の7点は凄い。しかし、プレータイムは予定を大幅に超える32分39秒だった。 
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