英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『鍵のかかった部屋』 第3話「盤端の迷宮」

2012-04-30 23:47:56 | ドラマ・映画
 今回の密室を解く上で、最も重要なのは、動機だと思います。
 犯人が何故、殺人を犯してしまったのか?それは本来、容疑者を絞り込んだり、犯行の裏付けを行ったりする際に考えることで、密室と直接関連付ける意味はあまりないと言えるでしょう。
 しかし、この部屋で起きた殺人事件においては、この鍵やドアに掛けられたチェーンと同じように、動機そのものが密室を構成する一つのアイテムとしなっているのです。(榎本径)




≪以下、いきなり密室トリックのネタばれですので、お気をつけ下さい≫

 今回の密室トリックは、被害者自身が密室を完成させてしまうというパターン。
 この場合、よくあるのが、被害者が犯人を庇って、死ぬ直前に最後の力を振り絞って密室を完成させるということが多いが、この事件はダイイングメッセージを保持するための行為だった。

 犯行の動機は、不正対局で強請られていた犯人・来栖奈穂子女流三段(相武紗季)が、その証拠品の携帯電話を取り戻すためというものだった。
 しかも、その携帯電話が犯人に直結する証拠となっており、ダイイングメッセージはその携帯電話の存在を示すものだった。
 そのダイイングメッセージは、竜王戦の毒島竜王(貴志祐介)が妙手を指した局面のマグネット将棋盤。被害者が犯行時刻にこの局面を並べるには、ネット中継をパソコンや携帯電話で知ることしかできないという状況であった。現場にそれらがないことから、携帯電話を或いはノートパソコンを犯人が持ち去ったということが推測されるというもの。
 将棋ファン以外だとちょっと理解できない推理かもしれない。
 しかし、死ぬ間際にとっさにマグネット盤がダイイングメッセージになると考え、それを犯人が気づくと考え、それを保持するためにドアチェーンを掛けるとは、何という悪知恵、知恵の働く奴。
 さらに、殺人を犯すというギリギリの状況で、マグネット盤が竜王戦の局面が並べられていると気づき、それがダイイングメッセージになると気づき戻ってくるとは、来栖奈穂子も恐るべし。
 そこまでの洞察力や頭の回転があるのなら、将棋ソフトによるカンニングなどせずとも奨励会を突破できると思う。被害者の竹脇伸平五段(ゆうぞう)にしても、もう少し実績を残せたのではないのだろうか。


 さて、今回は書くことが多くなりそう。
 まず、ドラマとは離れてしまうが、この不正行為(将棋ソフトや協力者によるカンニング)は、実際に充分可能なのでちょっと怖い。
 ご存知の方も多いと思うが、将棋ソフトの実力はプロレベルにまで達していて、特に終盤、とりわけ詰みの検証については速さも正確さも人間はかなわないレベルである。さらに、最近は携帯電話(スマートフォン)モバイルPCの発達によりトイレなどで将棋ソフトを使用が容易である。
 私は過去に2009年11月14日記事「『週刊将棋』驚きの記事」、2010年11月15日記事「ソフト指しについて」で、この不正行為について書いているので、興味のある方はご覧ください。ただ、現在、対局に置いて、そういった不正行為防止について、将棋連盟がどのような対策や処置を取っているのかは把握していません。

 それにしても、原作者の貴志さん、将棋が好きなんでしょうね。奨励会やネット中継やソフト指しなどに詳しいそうです。しっかり毒島竜王として出演していますし。


★今回はさらに榎本(大野智)の独壇場
 将棋が強く、将棋界(情勢)に詳しくないと、解明できない密室(もちろん、鍵についても)だった。榎本の将棋に詳しいことが更に彼の活躍度を高めたと言える。
 さらに、今回は芹沢(佐藤浩市)が捜査にほとんど関わっておらず、ドラマの面白さは半減。彼の見せ場は自分が窮地に陥っても守秘義務を貫いたが、美人には洩らしかける。しかも、守秘しようとした依頼というのが仕様もない内容だったということぐらいか。
 青砥(戸田恵梨香)も、早とちりと来栖奈穂子に入れ込み過ぎと稚拙な推理ぐらいしか活躍?できなかった。

★感想、疑問点
・青砥に「彼女、います?」と聞かれ、榎本はうろたえ、彼女の有無と事件とが関係あるのか尋ねる。
 心酔していた来栖奈穂子の不正行為と殺人に落ち込む青砥に、「青砥さん、彼氏いますか?」と突然話題を変える。それは、以前、女性は何故恋愛話をするのかと聞いた時に、青砥が面白いからだと答えたのを思い出したからだった。青砥に、その妙な榎本の気の利かせようを面白がられ、げんなりして「もういいです」と言う榎本が面白かった。
・青砥が来栖を弁護したいと言いだしたが、芹沢が「たとえ殺人を犯したとしても、君には弁護は頼まないよ」と言うように、依頼する気にはならないだろう。
・事件直前に通話記録があったということだけで、あそこまで疑うものなのだろうか?
・来栖が被害者の持ち物確認に来た時、マグネット盤をいじったのは、滅茶苦茶怪しい。もっとも、この行為がないと、榎本が密室の秘密にたどり着くのが困難になってしまう。
・棋士や奨励会員の着手の手つきが素人っぽい
・級位者と有段者は持ち時間が違うので、対局時刻にずれはあるが、完全に別時間に指すことはないと思う。
・最後の榎本と来栖の対局は来栖の勝ちだったが、その局面を見ると、あまりに榎本の指し手(攻め方や守備)がヘボ過ぎ。
・将棋ソフト「激指」の宣伝をし過ぎ。スポンサー?

・不正行為をすることで、棋力の伸びはストップしてしまう。不正とプライド、その辺りを厳しく追及するのが、青砥の役目だと思う。あるいは、冷静に本末転倒の行為だと榎本が指摘してもよいと思う。

 今回の記事でも、棋士の不正行為の可能性を指摘したが、棋士のプライドがその不正を抑止すると考えたい。



【ストーリー】(番組サイトより)
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)と刑事・鴻野(宇梶剛士)とともに、プロ棋士・竹脇伸平五段(ゆうぞう)が殺害されたホテルの一室にやってきた。そこはビジネスホテルで、竹脇は背中を包丁で一突きにされドアを頭にして倒れていたという。現場は、窓もドアも施錠されチェーンまでかけられた密室で、室内には携帯用の将棋盤、棋書、将棋新聞、飲みかけのコーヒーカップが残されていた。




榎本は、部屋を開けた時ドアが遺体に触れたかどうかを遺体発見者のスタッフに尋ね、スタッフはチェーンがかかっていたため遺体までは届かなかったと証言した。

そこへ、来栖奈穂子女流三段(相武紗季)が入ってきた。鴻野は竹脇の恋人だという奈穂子に遺留品の財布などを見せていると、奈穂子は将棋盤にあった駒をひとつ動かした。

奈穂子が最近話題の女流棋士だと知った純子は盛り上がる。そして名刺を差し出すと、自分の上司・芹沢豪(佐藤浩市)が竹脇から法律相談を受けていた関係で、今回の事件の捜査協力をすることになったと説明した。

その後、女流四段昇格をかけたリーグ戦がはじまり奈穂子が勝ち進む。美人棋士の勝利とあって報道陣の注目も奈穂子に集まる。その様子を見ていたプロ棋士・中野秀哉四段(忍成修吾)は、竹脇の死後ますます奈穂子の人気が高まり、竜王戦で八連覇を成し遂げた毒島薫竜王(貴志祐介)がかすんでしまい気の毒だ、と漏らした。

依然、犯人像が浮かび上がってこないなか、榎本と純子はプロ棋士・谷二郎八段(児玉頼信)を訪ねると、谷は竹脇を恨んでいる人間は腐るほどいて、毒島もそのひとりだと証言。それを聞いた榎本は…。
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『平清盛』 第17話「平氏の棟梁(とうりょう)」

2012-04-30 13:27:40 | ドラマ・映画
平氏の棟梁、一家の長


清盛(松山ケンイチ)「平清盛であるっ!」
盛国(上川隆也)「みな……存じております」


 突っ込んだらあかんやろ!
 平氏の棟梁となった清盛、一族の前に颯爽と登場!(小奇麗になっている)

 緊張の中の第一声!
 緊迫の静けさ?固まる空気?
 何を当たり前のことを……清盛としては、一族の棟梁となったことを宣言したかったのであろうが、言葉が足りなかった。「棟梁となった清盛である。一族の繁栄のために務めるゆえ、そなたらもわしを支えてくれ」とか言えばよかったのに。
 でも、盛国よ、突っ込んだらあかんやろ!

 とにかく、清盛のふがいなさを良く知る身としては、一族の棟梁をしっかり務められるか、はらはらドキドキである。
 そんな清盛であるが、意気は高く、やる気満々であり、棟梁の仕事をこなそうとするが、あまりにも多岐にわたり、今までそれをこなしてきた亡き忠盛(中井貴一)の偉大さを知る。……というが、忠盛がしていたようには見えない。
 棟梁は方針を決め、決裁や指示を出すのが役目だと思う。具体的な段取りは重役(責任者)たちが行わないと、組織は成り立たないであろう。(このドラマでも実際に、西国や明との貿易は家盛の盛り役の平維綱(尾美としのり)が管理していたような描写があった)
 家貞(中村梅雀)や忠正(豊原功補)や盛国らは「殿!」とか「はっ」と言っている役立たずだったら、平氏はこれほどの力を持たなかったはず。
 取ってつけたような、エピソードだと感じた

★やはり、ふがいない清盛
 藤原家成(佐藤二朗)が平氏の棟梁の清盛を披露するための歌会を催す。そこで、春の歌を一首詠んで欲しいと頼まれる。
 棟梁の仕事の多さに困惑していたうえ、苦手な歌の課題が与えられ、「いっぱいいっぱい状態」になる。
 一族の宴の準備や、琵琶の演奏、三男の反抗に、「子どものしつけや、家内としての務めが果たせていない。先妻の明子棟梁の妻のつとめをもっとうまく果たせたはず」と言ってはいけないことを言ってしまう。
 その時、義弟・時忠(森田剛)は、時子が琵琶を弾かなくなったのは、結婚する前に清盛が「耳に残る明子の琵琶の音色をかき消されたくない」と言ったことを時子が覚えているからだと告げた。清盛、反省。

★清盛、歌会で名誉挽回
まず、前座?の崇徳院(井浦新)の歌
  朝夕に 花待つころは 思ひ寝の 夢のうちにぞ 咲き始めける
家成「さすが上皇さま。なんとも雅なお歌にごさりまする」
忠通(堀部圭亮)「花の開くうちに寝入り、夢の中で桜が咲く…美しくも儚げにおじゃりまする」
得子(松雪泰子)「まこと、上皇さまのお心のこもったお歌。きっと夜毎夢の中で政をなさっておいでなのでござりましょうなぁ」

 座布団を三枚ぐらいあげたくなるほどの、得子の皮肉が絶妙!


  重盛に 基盛それに 清三郎 清四郎みな われらの子なり

 進行役の藤原成親(家成の子:吉沢悠)が詠むのをためらうほどの、わけの分からなさ。雅仁親王(松田翔太)には大うけであったが。

頼長(山本耕史)「お題は“春”ぞ。春らしいものが何一つ詠み込まれておらぬ」
崇徳院「いや・・その前にもはや歌ではない」
 風紀委員の頼長の弾劾はともかく、崇徳院の突っ込みは「って言うか、○○じゃねえし」という今風。しかも、自分の歌を揶揄された腹いせのように思え、おかしかった。

 後の流れはベタなので、サイトのあらすじをそのまま引用。
「あきれる人たちに向かい清盛は、自分が家族や家人たちをなにより大事に思っていること、歌会よりケンカした妻に一刻も早く謝りたいという思いを述べた。堂々とした清盛の態度は歌会の客たちにさまざまな波紋を広げた。得子は清盛を「もろ刃の刃のごとき男」と評し、鳥羽院は「われらにもっとも足りぬものを持っている」と評した。
 清盛が帰宅すると、時子は重盛らに請われて琵琶を弾いていた。そして重盛や基盛は時子が大事な母であり、傷つけることは父でも許さないと訴える。清盛はほほえんで時子の琵琶に耳をかたむけた」
       ……一件落着!めでたし。

☆その他の感想、突っ込み
・源氏については、端折り過ぎ。義朝(玉木宏)、常盤(武井咲)を側室に、手が早っ!
 為義(小日向文世)、唐突にひねくれ過ぎ!
 ドラマ初回から、ライバルの義朝、軽く扱われすぎ!

・時忠、ひど過ぎ。
 時忠「お前(清三郎)の父は先の奥方様にそれは惚れておられたゆえな。お前よりも重盛と基盛がかわいいのだ。おまえはいずれ邪魔になって寺へでもやられよう。それゆえお前は文も武もわきまえずともよいのじゃ」
 もしかしたら、清三郎を拗ねさせて、清盛の時子への扱いを改めさせようと計ったのかもしれないが、甥っ子にその言葉はなかろう。
 打算的だが、物事を冷静に分析、行動するキャラらしいが、かなり不可解な今回の行動。あとで、清盛に鋭く忠告したことで、脚本的につじつまを合わせたように感じる。

【ストーリー】(番組サイトより)
 忠盛(中井貴一)がこの世を去り、清盛(松山ケンイチ)が正式に平氏の棟梁となった。清盛は忠盛の館に移り住む。その館に一族郎党が集まり、清盛は「亡き父上の固き志を継ぎ、武士の世を目指す!」と宣言する。
 棟梁の仕事は多岐にわたっていた。清盛は父の偉大さを改めて痛感するのだった。一方、棟梁の妻となった時子(深田恭子)は宴でふるまう膳の数を誤り、琵琶の演奏を頼まれても断るなど、清盛の機嫌を損ねることばかりを起こす。

 そんな折、藤原家成(佐藤二朗)が訪ね、自身の別邸で催す歌会で清盛に一首詠んでほしいと依頼する。歌が苦手な清盛は信西(阿部サダヲ)を頼るが、あっけなく断られる。そのうえ、歌会でのふるまいが平氏一門の未来を左右すると言われ、清盛は重責を感じる。
 そんな清盛の前に現れた源義朝(玉木宏)は、拍子抜けするほどさわやかに棟梁就任を祝い、側室となった常盤(武井咲)を紹介。驚く清盛に常盤が自分の心の支えだと言う。一方、義朝の正室・由良(田中麗奈)はさびしげに一人で過ごす日々が続き、鬼武者(のちの頼朝)はそんな母を見て心を痛めていた。
 そのころ、源氏の棟梁・為義(小日向文世)は、義朝の異母弟・義賢(阪本浩之)に源氏に代々伝わる太刀・友切を授け、東国に行き、義朝に対抗できる力をつけろと命じる。

 朝廷にも暗雲がひろがっていた。もともと丈夫ではない近衛帝の体が思わしくなく、しかもお世継ぎもいなかった。帝の健康を気遣う崇徳上皇(井浦新)にむかい雅仁親王(松田翔太)は、帝が亡くなれば崇徳の子・重仁が帝となり、崇徳が政治に復帰できるのでは、とその心を見透かしたように言う。

 相変わらず歌の宿題に悩む清盛は、三男・清三郎が書の稽古を怠けていると知り、時子のしつけを叱りつけた。そして先妻の明子なら棟梁の妻のつとめをもっとうまく果たせたはずと言い、時子を深く傷つけてしまう。
 そんな清盛に義弟・時忠(森田剛)は、時子が琵琶を弾かなくなったのは、結婚する前に清盛が「耳に残る明子の琵琶の音色をかき消されたくない」と言ったことを時子が覚えているからだと告げた。その言葉は清盛の心に深くつきささる。

 歌会の当日、家成の別邸には鳥羽院(三上博史)、得子(松雪泰子)、崇徳院、雅仁親王、摂関家や、信西らが集まった。それぞれの思いが渦巻く政治の場の様相をおびて歌会は進み、やがて清盛の歌が詠まれる番になった。
 その歌を見て、進行役の藤原成親(家成の子:吉沢悠)が詠むのをためらうと、清盛自ら大声で詠みあげた。「重盛に 基盛それに 清三郎 清四郎みな われらの子なり」あきれる人たちに向かい清盛は、自分が家族や家人たちをなにより大事に思っていること、歌会よりケンカした妻に一刻も早く謝りたいという思いを述べた。堂々とした清盛の態度は歌会の客たちにさまざまな波紋を広げた。得子は清盛を「もろ刃の刃のごとき男」と評し、鳥羽院は「われらにもっとも足りぬものを持っている」と評した。
 清盛が帰宅すると、時子は重盛らに請われて琵琶を弾いていた。そして重盛や基盛は時子が大事な母であり、傷つけることは父でも許さないと訴える。清盛はほほえんで時子の琵琶に耳をかたむけた。

 一方、義朝は源氏の長の証である名刀・友切が弟に与えられたと知り、為義に詰め寄る。すると為義は、父の誇りを踏みにじる義朝に源氏を背負わせることはできないと断言し、義朝とたもとを分かつことになる。源氏も平氏も、世の大きな流れに、いやおうなく身内を巻き込んでいくことになる。
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『カエルの王女さま』 第3話

2012-04-27 17:21:35 | ドラマ・映画
ロックは反抗心だ!
 一番激しい感情は「怒り」である。
(忍の激情にややビビった澪は「ょぉのなか」と発音したが)
 世の中や現状に腹が立つなら、今みたい、にこぶしを握りなさいっ!
 屈辱から目を離していても、風向きは一生変わらない。
 でも、風向きを変えたいなら、自分で風を起こすしかないの。

 ロックとは、反抗心!
 闘うの!ダメな自分と!



 初回はどん底の状態から這い上がろうと決起、第2回はショークワイアへの挑戦と、現状の停滞した生活での苛立ち・不安・妥協から脱却し、そこから一歩踏み出すという姿勢であった。
 今回は、ロックへの挑戦ということで、冒頭に挙げた澪(天海祐希)の教示となったが、初回2回を振り返ってみると、基本的には同じのような気がする。ただ、改めて、それを強調したということか。
 まあ、それはこのドラマのテーマのようなので、いいのかもしれない。ただ、一希(玉山鉄二)をメンバーに引き入れるための展開と勘ぐってしまうのは、私がひねくれているからなのだろうか?

 今回の主役はその一希と忍(千葉雄大)。
 忍は、いじめられても何も言い返せない弱々しさがあった。それの克服ため、冒頭の澪の言葉であった

 もちろん、この澪の言葉は、忍だけへの言葉でもなく、他のメンバーに向けた言葉でもあった。

ふにゃっとした感じ……忠子らのロックを評した澪の言葉
 忠子らも懸命にロックを表現しようと頑張る。素人の私には確かにパンチは足りないが、それなりに聞こえ、「全然ダメ」というほどではない。
 しかし、澪の目からすると、決定的に足りないものを感じる。それは「反抗心」
 忠子たちの歌は形だけ真似て、踊って叫んでいるだけで、魂が感じられなかったのだ

 そして、澪の言葉によって、ロックの魂に触れたメンバーの歌によって、一希の縮んだ心を呼び覚まそうとする……
 それにしても、オーデションで緊張のあまり歌えずに逃亡というあまりにも暗い過去を持つ一希だった。
 よほど他のメンバーたちが優しかったのだろう。街の噂にもならず、誰も真相を知らなかったのは、メンバーが一希を責めず、そして誰にも語らなかったと考えられる。
 一希も街にいること自体、苦痛じゃないのかなあ。仲間への償い?それとも、自分への罰?


 ふたりに焦点が分かれたため、多少のゴタゴタ感はあったが、テーマがハッキリしていたので、私も歌に勇気づけられた。
 澪の言葉は、以前の『GOLD』と同様に説法ぽい気はするが、経営者として成功していた『GOLD』と違い、今回の澪はブロードウエイで夢が途中で破れかかっているので、澪自身への言葉にもなっているので、共感できる。
 実際、他のメンバーの現在も中途半端な状況にあるが、澪が一番暗い状況である。エージェントの契約が打ち切りになり、年も食っていて、ミュージカルスターの未来も開けそうにない。しかも、ミュージカル一筋であるが故、それを取ってしまったら何も残らないという状況。
 澪がメンバーに発した言葉は、自分への励まし、決意の言葉でもあるのだ

 今回の歌では、『フレンズ』(レベッカ)がよかった。
 南(福原美穂)のしっとり歌うワンコーラス目、メリハリを利かせ歌い上げたツーコーラス目、それぞれが、いろいろ問題を抱えるメンバーの心境にオーバーラップして、心に響いた。




【ストーリー】(番組サイトより)
 桜まつりにおけるシャンソンズの復活劇が地元の新聞に掲載された。それは小さな記事だったが、大喜びするシャンソンズのメンバーたち。それを受けて、澪(天海祐希)は、さらに派手で斬新なパフォーマンスを披露する、と香奈絵(久野綾希子)に約束する。当初は澪の方針に反対だったリーダーの忠子(石田ゆり子)も、シャンソンズの運営方針や練習計画を任せてもらえるならば、という条件付きで、ショークワイアをやることに同意した。

 忠子は、さっそくショークワイアに関する研究リポートをまとめ、それに基づいた練習計画や楽曲リストをまひる(大島優子)やみぞれ(大島蓉子)、玉子(菊地美香)、南(福原美穂)らに渡そうとした。すると澪は、いきなりそれを破り捨て、練習計画を考えるのは忠子の自由だが、それを採用するかどうかの権限はコーチにある、と言い放つ。

 一方、今回の件で一歩前に踏み出す勇気を得たまひるは、地元だけでなく、東京の会社の採用試験も受けてみようと決意する。澪のもとを訪れたまひるは、そのことを伝えると、コーチがブロードウェイの舞台に出ていたときのパンフや写真を見せてほしい、と頼んだ。それを見せてもらえたらもっと頑張れる気がする、というのだ。困惑した澪は、過去は振り返らない主義だ、といって拒んだが…。

 そんな折、シャンソンズにテレビ出演のチャンスが巡ってくる。新聞記事を見た地元のテレビ局から取材の依頼が舞い込んだのだ。このチャンスは自分のステップアップにも役立つと考えた澪は、感情を爆発させたパワフルなショーを見せるために、ロックナンバーにチャレンジするとメンバーに宣言する。

 同じころ、一希(玉山鉄二)や忍(千葉雄大)が働く工場は、倒産の危機に追い込まれていた。市役所から、助成金を打ち切るという通達があったのだ。これも、安見市との合併に不要なものは切る、という由芽市市長・清忠(岸部一徳)の指示によるものだった。

 ロックをやるにあたって男性の声が必要だと考えた澪は、一希の過去を調べる。彼のバンドは、地元で圧倒的な人気を得て東京に進出したものの、オーディション番組への出演を最後に突然解散していた。ネットで一希のバンドの過激なライブパフォーマンスを見た澪は、彼に興味を抱き、就活で東京に行くことになっていたまひるに調査を命じるが…。
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『鍵のかかった部屋』 第2話「鍵のかかった部屋」

2012-04-24 21:16:45 | ドラマ・映画
今回は科学(物理)による密室トリック
 今回の密室トリックには感心しました。(実際に上手くいくかは、さておき)
 何に感心したかと言うと、空気圧を利用してドアが開かない状態を作り出しただけで、実際には鍵がかかっていなかった。鍵をはずすためにドリルで穴を開けた。
 しかし、この行為は実は、空気の抜け穴を作ることで空気圧を減少させ、模擬密室状態を解除、それと同時にドリルの回転を利用してサムターン(鍵の取っ手)を回して鍵を掛けた。
 「鍵を外す」と見せかけて、実は「鍵を掛けて密室を完成させた」のだった。
 目張りに使ったビニールテープを帯電させて密着させるという技?も面白かった。

 また、密室のトリックを解明する際の、
①サッシは機密性が高いので、サッシにはガス中毒死には目張りは必要ない
②中毒する為よりもより機密性を必要とするトリックが使われた
③ボイル・シャルルの法則を利用した
という榎本(大野智)の論理的に段階を重ねていく思考法も面白かった

主演トリオは若干大人し目?初回とキャラが微妙に違う気が…
・榎本径(大野智)
 初回では密室や鍵の事しか興味がないように感じたが、今回は友人(知り合い?)の会田(中村獅童)の頼みを聞いて奔走する。それに
「会田さんがどんな人かは、あなたが自分で確かめた方がいいんじゃないですか?人の評価なんて、どうせ当てにならないから」
と、美樹(福田麻由子)に踏み込んだ言葉を掛ける。
未成年や少女には優しいのかもしれない。

・青砥純子(戸田恵梨香)
 初回はトラブルメーカーでストーリーの牽引者だった純子だったが、今回は大人し目。トリックに気を撮られたせいか、彼女の印象はほとんど残っていない。


・芹沢豪(佐藤浩市)
 損得勘定や変わり身の早さ、調子の良さ、自己中心さは、やや抑え気味だったが、時計のコレクションを盗まれ、高級時計をしている人すべて窃盗犯に見えてしまったり、けっこう密室の謎解きに入り込み、却下されてがっくりする様は面白い。有能弁護士の設定だが、性格は自己中心と言うより、子どもっぽいと言ったほうが良いのかもしれない。
 初回の推理小説風の展開に切れるところがなかったのが寂しかったが、推理小説の次にホラー(超常現象)が嫌いならしい。
 あれだけ推理小説の気に入らない点を挙げていたが、そこまで言うのは、実は相当好きなのではないだろうか。


公開実験授業で「ボイル・シャルルの法則」をテーマにするのは危険過ぎ
 疑っている榎本らの前で、トリックのタネの実験は、「墓穴を掘った」感があり、犯人の行動が理解しにくい。
 ドラマとしては親切だったとも言えるが、謎解きの段階の感動は小さくなってしまった。

 もしかしたら、1話と2話で脚本家が違うのかと調べたら、相沢友子氏でした。(ずっとおひとりで担当するみたいです)
 相沢友子……ん?…あ!私のベストドラマの『恋ノチカラ』を書かれた方です。その他私の好きな作品では、『鹿男あをによし』や『やまとなでしこ』の第5話・第8話も書かれています。あと、『世にも奇妙な物語』も何本か担当しています。
 実は、この方、もともとシンガーソングライターで、女優もされていたようです。

【ストーリー】(Yahoo!TVより)
 榎本径(大野智)は、会田愛一郎(中村獅童)を連れ、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)を訪ねてきた。
 甥の大樹が自室で練炭による一酸化炭素中毒で死亡し自さつとされたが、会田は大樹が妹・美樹(福田麻由子)を残して死ぬとは思えないと言うのだ。

 大樹が死亡した日、会田は兄妹の継父で、中学校の科学教師・高澤(高嶋政宏)からの連絡で高澤家にやって来た。
 大樹の部屋の前では美樹がドアを叩いていたが、反応がない。そこで、高澤が電動ドリルでドアノブの上に穴を開けた。その穴から会田が工具を差し入れ、ついに鍵は開いた。
 しかし、ドアには隙間を埋めるように内側からビニールテープが貼られ、ドアを開ける際、ベリベリとテープがはがれる音がし、同時に紙テープの切れ端が舞い上がったという。壁には、紙テープで綴られた「サヨナラ」という文字があり、ベッドでは大樹が死亡していた。

 3年前に母親を亡くした兄妹は高澤に育てられていたが、多額の遺産を受け継ぐため
高澤に殺されたのでは、と会田は疑っていた。

 榎本は、純子と芹沢にドアと窓に貼られていたのが、ガムテープではなくビニールテープだったことが気にかかると明かした。
 仮に高澤が犯人だったとして、施錠された窓やドアの内側からどうやってテープを貼ったのか、3人は可能な方法を考えるがどれも決定打にはならない。
 しかし、榎本はそこに科学を駆使した仕掛けがあるはずだと思い…。
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今クールドラマ感想 (『ATARU』他)

2012-04-23 16:56:49 | ドラマ・映画
 今クールのドラマが1回または2回放映されたが、何と言っても刑事モノ・推理モノが多い。個人的には嬉しい反面、レビューどころか観るのが精一杯の状況で、整理をしないといけないようです。

①レビュー記事を書きたいドラマ
『鍵のかかった部屋』『カエルの王女さま』『平清盛』(引き続き、今のところ)

②当面(あと2回)は観るが、おそらくレビューはしないドラマ
『ATARU』『ハンチョウ~警視庁安積班~』『リーガル・ハイ』

③あと1回見て離脱するであろうドラマ
『都市伝説の女』『Answer 警視庁検証捜査官』

④その他
『三毛猫ホームズの推理』


①については、今後レビューをするので今回は触れません。②③④のドラマについて簡単な感想を述べます。

『ATARU』
 今期の初回視聴率が最高だったとのこと。
 主人公がサヴァン症候群で機械並みの記憶力を持っており、そのうえ人並みはずれた洞察力と推理力で事件のヒントを呟き、それらを解読しつなぎ合わせて真相を解明していくというドラマ。
 小ネタをちりばめるのは『SPEC』っぽいが、事件のキーポイント(キーワード)を断片的に見せ、それを集約していく展開は『新参者』に似ている。
 主人公の示すヒントは推理というよりも、超能力的で突発的。それを解明していく様はパズルのピースを埋めていくようで面白いが、視聴者も事件を推理するよりも刑事コンビのふたりの目線で追っていくにとどまってしまう点が、物足りない。
 主人公の言葉が聞き取りづらく、奇抜な行動に振り回されるのは、ストーリーの展開を寸断されるので、ストレスを感じる。
 あと2回は観るつもり。

『ハンチョウ~警視庁安積班~』
 安積が唐突に異動。警視庁と言っても『相棒』の特命係のような別働隊。特命係は「人材の墓場」と言われた窓際的位置に対し、安積班は事件解決を期待されて発足された特捜一係、と対照的ではある。
 それにしてもあまりにも唐突。前シリーズで警視庁から声が掛かり悩んだ村雨刑事は何だったのか?他の神南署のメンバーとの別れのシーンもなくあっさり捨て去った安積って……
 これは、今までの視聴者に対しても同じことが言える。こうもあっさり唐突に切り替えられると、裏切られた気分だ。
 ドラマの内容は、初回と言うことで2回に亘った難事件?は犯人は見え見えで、事件の真相も納得のいかない点が多く、質は低下したように感じた。
 付き合いも長くなってきたのでバッサリ切るのも惜しい。あとしばらくは観てみようと思う。

『リーガル・ハイ』
 前回は途中から視聴。主人公のキャラが面白い。途中から観たので、キャラを把握できなかったが、番組サイトによると「偏屈、毒舌、皮肉屋、気分屋、浪費家、人格破綻者だが、訴訟の勝率は100%。あらゆる訴訟を勝利に導いてきた駆け引きと策略の天才で、彼にとっては勝利こそすべて。金銭と名誉と女性をこよなく愛し、当然のことながら、法曹業界内での評判は最悪。教科書通りの正義を振りかざす青二才の弁護士どもを徹底的に嫌い、「勝った者が正義」をモットーに勝つためには手段を選ばない男、それが古美門です」
 とんでもない奴だが、彼の行動や動作・表情がコミカルで面白い。「勝ちさえすれば事件の真相なんてどうでもよい」という主義には共感できないが、そこはヒロインが補完してくれると期待している。
 楽しみなドラマだが、レビューするつもりで視聴すると、面白みが半減しそう。

『都市伝説の女』
 都市伝説に絡められると、事件が嘘っぽく(フィクションだが)なり、引いてしまう。
 そこは許せるとしても、仮病などを駆使して、自分の興味を引くものしか捜査しないなどヒロインの奔放さ(自分勝手さ)にはイラつく。耐えられない。

『Answer 警視庁検証捜査官』
 こちらのヒロインも、かなり強引。正義感を持っているので救われるが……
 それよりも、事件の真相(動機や犯行手順)、犯人やその関係者の心情がご都合主義を感じた。
 『相棒』と同じ時間枠なので、そこを信じて、もう少しだけ観るつもり。
 突っ込みどころがありそうなので、その動機でレビューを書くかもしれない。

『三毛猫ホームズの推理』
 日本テレビの土曜9時枠は、福井放送ではテレビ朝日のドラマが入るので、1週間後の土曜日の夕方に入ります。
 一週間遅れでは、さすがにレビューは間が抜けてしまいそう。タイムリーじゃないので録画して観る気も起きないような気がします。

 あと、こっそり『イ・サン』を観ています。全77回は長い……
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『平清盛』 第16話「さらば父上」

2012-04-22 22:45:47 | ドラマ・映画
  忠盛退場

★忠盛と宗子
「かたじけない」
「かたじけない?」
「ん?」
「妻となって、初めて言われた気が致しまする」
「そうか?」
「はい」
「左様なことはない。有り難いと思うておる。一緒になってから……ずっとな」
 忠盛(中井貴一)の言葉に、戸惑いと恥じらうような表情で、≪ほんとうなの?≫と尋ねるように頷く宗子(和久井映見)。
 それを受けて、にこやかに頷き返す忠盛。
 その忠盛の面持ちに、満ち足りた笑みを浮かべて忠盛を支え寄り添う宗子。


 ドラマ的位置づけとしては3番目かもしれないが、一番心を動かされたシーンだった。良いシーンだった。
 平氏のため武士のため自分を律してきた忠盛、夫のため平氏のため忠盛に尽くしてきた宗子。そんなふたりはある意味仮面夫婦であった。しかし、そうではなかった。忠盛は清盛を後を譲ることを決め、宗子は清盛を後継ぎと認めたことで、ふたりの心を縛りあげてきた鎖が解け、真の夫婦となった。


★忠盛と舞子
 最初の妻で清盛の母でもある舞子(吹石一恵)は、自分の生き方を決めたと言って良い存在。
 武士は何故この世に存在するのか?平氏の存在意義は?自分が武士として生きるのに何の意味があるのか?……朝廷の犬という運命(さだめ)に悩み苦しんでいたが、舞子に出会ったことで、生きる意義(武士の世を創る)を見つけた。
 頼長(山本耕史)の策略により、その心が揺らいだが、再びその心を取り戻した。

★忠盛と清盛
 朝廷内の小競り合いに巻き込まれた平氏と源氏。忠盛に頼長邸を襲えという密命がくだった。
 清盛(松山ケンイチ)は、そんなくだらないことに剣を振るうつもりはないと言い切る。それを受けて、忠盛は武士の世を作るために我らは戦ってきたのだと宣言した。
 忠盛は自分の志を受け継ぐのはやはり清盛であると確信した。

☆その他
 源氏もいろいろ大変そう。為義(小日向文世)も信念を持っているが、自らを小者と蔑んでしまっているのが致命的欠点。
 婚前も結婚後も不遇な由良(田中麗奈)が気の毒。


【ストーリー】(番組サイトより)
 源氏の棟りょう・為義(小日向文世)は摂政・藤原忠通(堀部圭亮)邸を襲撃し、藤原氏の長者の証である家宝・朱器台盤(しゅきだいばん)を奪う。為義に命じたのは、忠通の父・藤原忠実(國村隼)。次男の左大臣・頼長(山本耕史)を氏の長者にするためだったが、そんな藤原摂関家の言いなりになっている父・為義を嫡男の義朝(玉木宏)は、盗賊と同じ行為だと非難する。
 1151年、高野山再建を成し遂げた清盛(松山ケンイチ)には安芸守(あきのかみ)の任が授けられ、父・忠盛(中井貴一)も念願の公卿(くぎょう)まであと一歩となった。御所で忠盛と会った為義は、かつての約束どおり源氏と平氏のどちらが強いかを決めるまで地をはってでも生き残ると宣言する。
 安芸守に任じられた清盛は郎党たちと安芸へ渡り、国府の官人や嚴島神社の社司・佐伯景弘(温水洋一)から歓待を受け、海の幸も、山の幸も豊かなこの地に強い愛着を覚える。一方、忠盛は突然、体調を崩し寝込んでしまう。心配する家貞(中村梅雀)に忠盛は、清盛の実母・舞子(吹石一恵)に言われた「夢中に生きていればなぜ生きているのかがわかる」という言葉を最近思い出すが、その答えがいまだにわからないと告げる。
 朝廷では、藤原摂関家の兄弟争いがさらに過激さを増していた。左大臣・頼長が内覧(ないらん:帝に報告する文書を事前に読んで政務を代行する)となり、大きな権力を持つようになった。頼長の兄である摂政・忠通は美福門院得子(松雪泰子)に弟・頼長への対抗策を相談すると、得子は逆に頼長をもっとあおればいいと告げ、一計を案じる。
 宮中でも藤原摂関家の内紛はうわさになっていた。源義朝の妻・由良(田中麗奈)は、仕えている鳥羽院の皇女・統子との会話で、摂関家の争いで夫・義朝と義父・為義がもめていることを話す。統子は家をまとめるのが妻のつとめと諭す。
 安芸の視察を終えて六波羅にもどった清盛は、出迎えた妻・時子(深田恭子)から、忠盛の病気を聞き、ただちに忠盛の館へかけつけた。忠盛はふだんと同じ様子で清盛を迎え、安心した清盛は安芸で感じた将来の展望を夢中になって語り、忠盛はそんな清盛をまぶしそうに見つめた。
 義朝の館には、由良に招かれた為義が訪れ、孫である鬼武者(のちの源頼朝)に弓を教えた。久しぶりに義朝とも親子らしい会話がかわされ、みなで夕餉(ゆうげ)を囲む。そこへ左大臣・頼長から貴族・藤原家成(佐藤二朗)を襲えという命が届く。家成の家人が頼長邸の前で無礼を働いたというのだ。やめさせようとする義朝をはり飛ばして、為義は家成の襲撃に向かう。落胆した義朝は常盤(武井咲)に会いに行く。義朝が実は父・為義を恋しがっていることを常盤は見抜いていた。慰める常盤を義朝は思わず抱きしめる。
 頼長の命令によって家成邸が襲われたことで、鳥羽院は烈火のごとく怒った。得子を通じて、忠盛に仕返しとして頼長邸を襲えという密命がくだった。これら全て、得子の策略だった。命に従うべきか迷う忠盛に、清盛は摂関家と院の小競り合いに巻き込まれるべきではないと語る。すると、忠盛は武士の世を作るために我らは戦ってきたのだと宣言した。
忠盛の館には平氏一門が集まった。忠盛は自分の身に万一のことがあったときのためとして、平氏一門に遺言を伝える。そして、清盛以下4人の息子たちに形見分けを行ったうえ、その席で、次期棟りょうは清盛だと正式に発表する。
 1153年正月、清盛は安芸へ旅立った。見送りながらよろける忠盛を宗子(和久井映見)が支えると、忠盛はあらためて宗子に今までの感謝の気持ちを伝えた。安芸の浜辺で休むところに突然、あらわれた忠盛と剣をかわす清盛。清盛の成長ぶりに感心した忠盛は、「強くなったな」と告げると、姿を消した。1月15日、忠盛は世を去った。忠盛が清盛や武士に残した功績ははかりしれないものがあった。
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味真野の桜 2012

2012-04-21 15:42:53 | 歳時


 これまた昨年も登場してもらった味真野の桜です。(昨年4月15日記事、14日撮影)
 「日野川堤防の桜満開!」「日野川堤防の菜の花」「夫婦木蓮 2012」「吉野瀬川の桜 2012」と同じ4月18日に撮ったものです。
 現在は、街のあちこちの桜は、若干花が残っていますが、散り終わりに近いものがほとんどです。


 とにかくでかいです。昨年の記事では、「樹齢100年以上と推定されている」と書きましたが、紹介した立て札の文章が怪しく、「1905年に植樹された時にはすでに直径が30センチ以上であった」ようですから、樹齢120年以上はあるように思います。

 こちらは逆方向から撮ったものです。

逆光でした。




 アップの写真です。時間がなかったので、ゆっくり撮っていられませんでした。もっといいアングルがあったと思います。
 大きい樹なので部位(方位)によって、ばらつきがありますが、葉が出てきているところもあります。

 名残惜しかったので、最後にもう一枚。
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『カエルの王女さま』 第2話

2012-04-21 00:32:09 | ドラマ・映画
タイトルがパッとしないので、視聴率が2%は損しているのではないかと思いつつ、感想を書きます。(余裕がないので、簡単です。ご容赦を)

やはり定番、王道のストーリー(嫌いじゃないです)
 対抗馬やライバル(忠子)の離脱→権力者(市長……学園ドラマの場合は教頭)の妨害→めげずに頑張る(でっかい女が強引に・笑)→それでも窮地に追い込まれる→ライバルが復帰しピンチ脱出

 こういう話好きなんですが、この歳になるとさすがに鬱陶しいのだが、天海さんのパワーで少しもジメジメしない(多少、忠子がジメジメ気味だが)。
 これが、忠子や他のメンバーが主役だと、こうはいかない。

 歌のシーンはやはり楽しめる。「浪漫飛行(米米クラブ)」は特に好きな歌なので嬉しい、歌詞も内容とリンクしていたし。あとの2曲、「さくら(ケツメイシ)」も「チェリーブラッサム(松田聖子)」もなかなか。
 実は「チェリーブラッサム」はテンポが遅い(「春が来た」と同じテンポに思える)ので、どうかなと思ったが、良かった。
 「さくら」の歌が流れる中、石田さん(忠子)が和服で激走。お疲れさまでした。市長の指し金で、中断したのは残念。

【その他の突っ込み・感想】
①何だかんだと文句を言っている主婦のみぞれだが、子どもたちにも馬鹿にされながらも一生懸命練習していたのは意外。歌が好きだからだと思うが、そういう描写があまりない。(生活の憂さ晴らしだけなら、あそこまで頑張らないと思う)
②主催者がCDを割って妨害するのはあまりにも露骨すぎ。でも、こうしないと忠子が駆け付ける意義が薄れてしまう。
③忠子の夫(小泉孝太郎)と、まひるの母親は最低だなあ


【登場人物】
ブロードウェイを目指したが、花開かなかった倉坂澪(天海祐希)
音楽堂を取り壊して県内最大のゴミ処理場を建設を計画する市長・井坂清忠(岸部一徳)
澪の高校時代の恩師で、市民センターの館長である森香奈絵(久野綾希子)
シャンソンズ復活を目指す学級委員タイプの井坂忠子(石田ゆり子)
妻より市長の義父が大事そうな夫・哲郎(小泉孝太郎)
4人の子持ち主婦・馬場みぞれ(大島蓉子)、
パチンコに入り浸っているお調子者の専業主婦・皆川玉子(菊地美香)
引っ込み思案で就活も53連敗中の大学生・野々村まひる(大島優子)
美貌の市役所受付嬢・桜井玲奈(片瀬那奈)、
キャバクラで働く元レディースのシングルマザー・羽田南(福原美穂)、
閉鎖寸前の工場で働いているフェミニンな男性・高垣忍(千葉雄大)
忍の同僚の乾一希(玉山鉄二)…天海さんと共演が多いなあ
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『Answer 警視庁検証捜査官』 第1話

2012-04-20 23:20:25 | ドラマ・映画
 「Answer(答え)」……どうも、タイトルがしっくりきません。無理やり奇をてらっていると言うか……

 番組サイトのイントロダクションで
検証捜査官…自白誘導・誤認逮捕・冤罪など未然に防ぐため、送検する事件の捜査を「検証」する役割を担う
 とあり、

「送致書の中の小さな疑問から新事実を見つけだし、解決したはずの事件をひっくり返し、その裏に隠された本当の“答え”を見つけてしまう。
 たとえそれが悲劇をもたらす事実だとしても、人間の醜悪な心をさらけ出すものだとしても、彼女たちは追い続ける。今までの答えを覆す、もうひとつの答えを。
 なぜならそれが、正しいアンサーだから。」


 と、ビシッと決めているが、無理やり「答え(Answer)」にしなくても、「真実」でいいんじゃない?と、ひねくれて考えてしまう。
 それに、上記の「人間の醜悪な心をさらけ出すものだとしても」というのは、普通の捜査も、そうなのでは?


 と、相変わらず「重箱の隅をつついて」いますが、なんだか検証捜査官の設定自体に違和感を感じてしまい、最初から懐疑的になってしまいました。


 では、ドラマを「検証」していきます。

①いきなり、主人公の新海晶(観月ありさ)が、署長としての誤認逮捕の謝罪会見で、捜査の問題点を暴露してしまう。この件は、本題の事件とは関係ないが、晶の正義感にあふれたキャラクターを表す分かりやすいエピソードである。
 さらに、この件によって、エリートで高い官職である主人公が、窓際の職務についているという状況説明になっている。
 しかし、あの記者会見での暴露を簡単にするような人物ならば、署長という地位に就く前に、騒動を起こしてしまうのではないだろうか?

②非常に多くの事件を検証する職務と考えられるが、たった4人で詳細に検証していくのは不可能。

③送致書に疑問を持ったのは、放火犯の河島(波岡一喜)が遠くに車を停めた点と、被害者・塚田(並木史朗)が逃げずに焼死した点だが、再捜査する根拠としては弱い。

④捜査会議で晶の誤字が揶揄されたが、番組サイトの登場人物の設定では「敵なしの成績で高校を卒業後、東大法学部に入学。在学中に国家公務員Ⅰ種試験に合格しキャリアとして警察庁に入庁する」だそうだが……。
 それにしても「敵なしの成績で高校を卒業後」という表現も凄い(笑)。

⑤川島の元妻・雪実(小沢真珠)への事情聴取で、離婚の原因(会社の経営不振の借金と浮気)を話すが、そこまで明かすのなら、「子どもが病気なのに」と話すのが自然のように感じるが、私の思い込みかもしれない。重病すぎるせいかもしれない。
 ただ、この妻、事件解明後、「バカな人。そんなことに巻き込まれて」「(主人のやったことは)許されることじゃありません」「手術費用は私が何年経ってでも返します。この子が胸を張って生きられるように」って、心の中ではどう思っているか分からないけれど、浮気や離婚の真相など、元亭主の事を全く理解していなかったし、今回の事件も、子どもを助けたいという一心で起こしたことなのに、あんまりなんじゃない?

⑥被害者の妻・綾乃(高岡早紀)を追求する際、「この計画殺人を成功させるには、実行犯は川島ひとりに任せた方が、捜査をかく乱できたはずなんです。でも、あなたはそうはせずに、現場にまで出向いて、やけどを負うまで逃げようとしなかった。それは、ご主人が苦しむ姿を見たかったからなんじゃないですか」
 この、妻の心情は理解できるような気がするが、この論理はおかしい。空き工場を焼失した保険金詐欺の社長が、こんなリスクを追うはずはないし、川島も殺人は拒むであろう。現場に被害者を閉じ込める役は綾乃しかいない。

 かなり、残念な出来でした。
 もう一回だけ観てみようと思いますが、時間的余裕がないので観ないかもしれません。


【ストーリー】(番組サイトより)
郊外の警察署で誤認逮捕が明るみとなり、若き女性署長・新海晶(観月ありさ)の謝罪会見が行われた。型通りの原稿を読む晶。しかし、突然晶は「個人的な見解を」と口火を切り、強引な自白誘導があったことを暴露してしまう。女性署長の“内部告発”に世間は賛否両論。捜査一課長・武邑(田山涼成)と首席管理官・有富(風見しんご)は晶を署長に抜てきした警察庁長官官房教養担当主任・東出(遠藤憲一)の前で怒りも露に。「警視庁管内で仕事はさせられない」と人事権のある東出に詰め寄るが、東出にはある目論見があり…。

 結局、晶は警視庁捜査一課“検証捜査係”担当の管理官へと異動になった。
 容疑者逮捕から、検察が事件を起訴するまでの限られた時間の中で事件を再検証、現場の捜査官の暴走による冤罪を未然に防ぐという重要な任務を与えられている検証捜査係だったが、実際は送致書(捜査報告書)の誤字脱字を直して『検証済』のハンコを押し、検察へ送るだけ。係長の漢字マニア・薄井(松重豊)をはじめ、ベテラン刑事だった小暮(片岡鶴太郎)、そして若手の長谷部(五十嵐隼士)が送致書の“文字直し”を終えて夕方5時には帰宅する、という日々を送っていた。
 そんな検証捜査係へ突然やってきた晶を、3人はポカーンと見つめるだけ。いつも通りさっさと帰ってしまった小暮と薄井をよそに、晶は放火事件の送致書をチェックすると、嫌がる長谷部を連れて現場へと出かけるという。

 送致書によると、容疑者の河島(波岡一喜)は、会社経営に行き詰まり、それが原因で妻の雪実(小沢真珠)と離婚。ムシャクシャしてどこでもいいから燃やしてやろうと、不動産業者・峰岸(モト冬樹)が管理している空き家となっていた工場に火をつけたが、中から身元不明の焼死体が発見された。間もなく報道を見た被害者の妻・綾乃(高岡早紀)の問合せで身元は数日前から行方不明になっていた塚田(並木史朗)と判明するが、捜査一課強行犯係担当の管理官・永友(田辺誠一)らの捜査では河島と塚田の接点は見当たらず、河島は「過失致死」で逮捕されたのだった。しかし、現場を調べた晶は「どこでもよかった」という河島の自白に疑問を抱く。

 「河島には殺意があったのではないか」と、小暮ら検証捜査係のメンバーを集めて事件を「検証」しようとする晶。一課の刑事が立証できなかった河島の殺意を自分たちが立証するのか、と笑う小暮だったが、あくまでも真剣な晶に次第に動かされていく。それぞれに捜査を開始する検証捜査係。やがて小さな疑問が、単なる放火事件を意外な方向へと導いていく…。
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吉野瀬川の桜 2012

2012-04-20 20:32:26 | 歳時
 先日の日野川堤防の桜を撮った日の午後、実はあと二箇所写真を撮りました。
 ひとつは吉野瀬川の桜です。昨年も登場してもらっています。(2011年4月18日記事、16日撮影)
 この吉野瀬川ですが、両岸に桜並木が4kmほど(私の推定、途中途切れるところもあります)、続いています。その中でも1、2を争うほどの見事な眺めとされているところです。(昨年の記事の文章をそのまま使用しています)

橋の上から上流の方を撮ったものです。

 下流はこちらです。

 昨年もそうでしたが、ガードレールが写ってしまいます。橋の歩道は上流側しか設置されていないので、下流を撮ると角度が浅くなりガードレールが入ってしまいます。昨年と同様手を上に伸ばして撮りましたが、やはりダメです。
 そこで、やや角度をずらして、手を伸ばして撮ったものがこれです。(傍から見ると、間抜けな画かも)


 川面に降りる階段があったので、嬉しそうに降りました。


 別世界のようです。


枝が下に伸びているので、桜の咲いているのを間近に見ることができます。




 再び堤防に上がって、上流のほうへ歩きました。



 アングル的には思い通りに撮れたのですが、ピントが桜ではなく水面に合ってしまいました。でも、載せます(笑)。

 再び、橋の所に戻り、ぱちり。


再び、上流にトライ。

やはり、ガードレールが……。
そこで、橋を越えて上流に少し歩いて


最後に、川(堤防)の外側から1枚。


もう一か所の桜は、明日アップします。
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