英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

ロンドン五輪 バスケットボール女子最終予選 対チェコ戦

2012-06-30 00:15:17 | スポーツ
47-53。世界ランク4位のチェコに大健闘、と言うより勝てた試合だった。

 チェコの高さを封じ込め、ターンオーバーを21生じさせた日本の厳しいディフェンスは素晴らしかった……この後の文章は、単なるボヤキです。奇特な方はおつき合いください。

①高田選手の反応鈍すぎ!フィジカル面の強さはトルコ戦に発揮したが、今日は体調が悪かったのだろうか?普段も反応速度が遅いが、今日はいつもにも増して遅過ぎた。ルーズボールやリバウンドの無反応さには苛立ちを感じてしまった。

②審判、笛を吹き過ぎ!チェコの選手に対するジャッジも厳しかったが、「え?これが反則なの?」という笛が多過ぎ。

③木林選手、無理なゴール下のシュートが多過ぎ

④矢野選手も動きが鈍かった。3点差に追い上げた時、ゴール下でパスをもらった時があったが、なぜ、シュートしなかったのだろう?シュートクロックが迫っていたのだから、シュートに向かうべきだった。ここで、点を取れなかったのが非常に痛かった

⑤吉田選手のディフェンスのしつこさ、厳しさは光っていた。パス回しも悪くはない。ただ、相手のマークが離れた時は、ロング(ミドル)シュートを打っても良いのではないか?後半は、吉田選手のシュートがないと決め打ちされたディフェンスをされていた。シュートを決めて、相手のディフェンスを迷わせる必要がある。

⑥動きで高さをカバーするため、息が上がるのか、フリースローの確率が悪かった

⑦藤原選手、田中選手の3Pシュートが決まったのは、明るい材料。この試合まで、なぜ、藤原選手がスターティングメンバーなのだろうと思っていた


 本当に惜しかった。出だしの0-13が痛過ぎ。
 代表権には2連勝が必要となり、厳しくなったが、今日のようなディフェンスが出来れば、可能である。
 内海ヘッドコーチの手腕は高いと思うが、今大会は選手起用に疑問が多い。選手の体調、調子や相手チームとの相性を考えた選手起用を期待したい。
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『鍵のかかった部屋』 最終話「硝子のハンマー 後編」

2012-06-27 11:52:34 | ドラマ・映画
 ラストに衝撃を受けてしまい、密室の謎解きや芹沢弁護士(佐藤浩市)の「出たよ~」の面白さも吹っ飛んでしまいました。

 確定はしていませんでしたが、榎本(大野智)の正体は泥棒(怪盗)だったと考えていいのでしょうね。原作では、この『ガラスのハンマー』が一作目で、榎本は泥棒で、青砥(戸田恵梨香)も正体を把握しながらも彼を利用したとのことです。続編が出たということは、好評だったのでしょう。作者も泥棒の設定にするんじゃなかったと後悔したかもしれません。
 この事件が初回だとすると、榎本の「最もてこずった密室でした」(表現は違うかもしれません)の台詞って笑えます。
 それはさておき、ドラマも原作の設定を尊重したのでしょう。原作未読の視聴者を騙したのは、故意なのか、結果的なのか?ただ、この続編(SPあるいは映画)を作るとなると、設定の変更も可能な終わり方ではありました。
 でも、最後の榎本のニヤリには思わず「嘘~!」でした。だから、盗品の隠し場所の心理に詳しかったのか~

「それでガラスは越えられたんですか?
 僕には、そうは見えません」


「君にはどう見える?」(椎名)

「前後左右、それから上下まで、ガラスに囲まれているように見えます。
 僕はガラスの箱に閉じ込められるのはごめんです。
 たとえ向こう側に行けないとしても自由でいたいんです」


 「罪を犯すと、それだけで心が見えない壁に囚われてしまう」という意味かと思ったら、ラストを見た後だと「私は捕まるようなヘボはしない」という意味に聞こえてしまう。ただ、「たとえ向こう側に行けないとしても」とあるので、「罪は犯さない」とも受け取れる。

 鴻野刑事(宇梶剛士)から榎本の疑惑を突きつけられたが、それを跳ね除けた芹沢、人を疑わない純真な青砥のショックは……オープニングで芹沢と青砥が「見えない密室を残して行ってしまった」と言ったのは、このことだったのか!

密室の解明
 青砥が芹沢張りの稚拙な推理を連発したと思ったら、芹沢がさえた推理を披露。
芹沢の推理
 介護ロボットは抱きかかえた人間(対象物)を落とすことはけしてないが、人間からすべり落ちた毛布(付属物)には気をとめない。
 なので、社長を寝ているカウチそのもの持ち上げたら(対象はカウチ)、すべり落ちた社長(付属物)に気を留めない。だから、社長を床に落とすことが可能だ。

 しかし、介護ロボットは奥行き70センチ以上の物を持ち上げることはできない(超肥満の人は無理なの?)ので、実現不可能だった。
 どや顔で推理を披露した芹沢が哀れだった。でも、実際のトリックより説得力はあったと思う。ただ、頭頂部に打撃を加えるのは難しいが。

榎本の推理(真相)
 介護ロボットで社長の頭頂部が窓ガラスに接するように設置し、その部分をボウリングの玉で強打。そのエネルギー(衝撃)を社長の頭頂部に伝播させたというものだった。

 ガラスが割れないかなと思ったが、かなり丈夫なガラスなので大丈夫?それでも、後ぐらいは残るように思う。それに、衝撃の反動もあって怖いなあ。試作品なので市販のリモコンで動くというのもやや疑問。

その他の感想
・副社長の穎原(鈴木一真)が、前回、怪しさオーラをプンプン発していたが、今週、いい人オーラをバンバン発しており、その豹変振りが面白かった。
・防犯システムをかいくぐるため、アルミ箔で体を覆う図は笑えた。実際に玉木宏に装着してほしかった。奇抜な発想だが、榎本は経験済み?
・目撃証言のリフトの上げ下げの矛盾を突くのは、右京さん並だと思った
・推理が外れたとき、芹沢さん、介護ロボットに謝っていた


 【ストーリー】(番組サイトより)
榎本径(大野智)が不在の中、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)は事件の検証を行う。そして、榎本は犯人ではない、と純子が断言したとき、榎本が解放されたと連絡が入る。「ベイリーフ」専務の久永(中丸新将)が犯行を自認したからだ。拘置所で純子と接見した久永は、睡眠中の無意識のうちに社長を殺害したのかもしれない、と弱気になっていた。


自由の身となった榎本は、副社長の穎原雅樹(鈴木一真)らに、死亡した社長が狙撃事件を自作自演したのは、社長室に隠した何かを守るため窓を防弾ガラスに交換させたかったからだろう、と話す。さらに、久永は無実だとも言った。

榎本は、自分のことを通報した犯人が自分と社長との因縁を知ったのは、社長室での自分と純子の会話を盗聴していたからだと推測。そんなことが可能な人物は誰か、考えを巡らせた榎本は、第一発見者の窓拭きのスタッフ・佐藤学(玉木宏)に会いたいと申し出た。

やがて、榎本と純子の前に佐藤がやってくる。純子は佐藤に、社長が倒れていた場所を尋ねる。佐藤がキャビネットの方を見やると、榎本は窓の外からだとそこは見えないはずだと指摘。佐藤は、ゴンドラが上がったときに見えた、と証言した。

榎本が検証を重ねた結果、社長は社長室にあった介護ロボットを使って殺害されたという結論に至った。そんな折、水城里奈(能年玲奈)から電話を受けた芹沢は、事務所にやってきた雅樹と面会。雅樹は、「ベイリーフ」の過去の経理を精査したところ、組織的な横領が見つかったと明かす。その額は6億円近くに及び、社長が関与していた疑いがあるという。


純子は再び久永と接見し、社長が横領をしていたこと、その金を貴金属に換えて社長が隠匿していたことを認めさせた。芹沢は、社長がその貴金属を社長室に隠していたはずで、窓を防弾ガラスに換えたがったのは、窓からの侵入者=佐藤を警戒していたからではないか、と考える。


純子と芹沢が佐藤について調査をするうち、純子は佐藤の本名が椎名章であることを突き止めた。一方、芹沢は鴻野(宇梶剛士)から榎本に関する情報を得た。過去に美術館や宝石商で起こった複数の窃盗事件で、事件当日の終業間際、いずれの場所でも榎本の姿が監視カメラに映っているという。

そんな折、純子から介護ロボットの情報を得た榎本は、純子らがいた社長室にやってきた。そして、介護ロボットにキャビネットを持ち上げさせてくれ、と頼む。キャビネットの下に潜り込んだ榎本は、底部に作られた隠し扉を見つけた。しかし、隠されていたはずの6億円分の貴金属は、消失していた。雅樹らが愕然とするなか、榎本は強風のため小さくカタカタと音を立てる窓ガラスに気づく。意識を集中させ指をすり合わせると、やがて、思考の鍵が開いた。


翌日、榎本は、椎名が清掃作業をする場所へやってくると、事の発端は窓の清掃中に偶然、社長室でダイヤを目撃したことだろう、と切り出した。そして、それを盗むことを画策、盗聴器を仕掛け情報収集を行い、自分がシステム強化の工事に取りかかる前に盗んだのだろう、と話した。榎本の言葉に耳を貸さず立ち去ろうとする椎名に、榎本はダイヤを処分しに帰宅するのか、と言い、その隠し場所を言い当てた。驚愕する椎名に榎本は、社長の殺害方法を明かす。それは、睡眠薬で眠る社長を介護ロボットで窓際まで運び、窓に頭をつけさせ、窓の外から重量のある鈍器で頭をめがけて叩く、というものだった。社長は頭を手術したばかりだったので、ガラス越しに伝播する衝撃が致命傷となったのだ、と。


また、自分がそのトリックに気づいたのは、可動するよう細工が施された窓を見つけたときだ、と明かした。社長を手にかけた後、屋上に戻り仲間の清掃員と合流、その後、偶然遺体を発見したように装ったのだ、と指摘する榎本に、椎名は鈍器を見せろ、と迫る。榎本は、屋上の給水タンクのなかにボーリングの玉を見つけた、と答えた。すると、椎名はついに犯行を認めた。


そして、目的はダイヤではなく、社長を殺すことだったと明かした。社長は、昔、椎名の父親と共同経営を行っていたが、会社が傾くと会社の金を持ち逃げした。そのことが原因で、椎名の両親は心中していたのだ。榎本のことを調べたという椎名は、榎本になら自分の気持ちがわかるだろう、と言った。

後日、椎名は警察に自首、久永は正式に無罪が認められた。そんな折、純子と芹沢が所在不明となった榎本の安否を案じていると、純子の携帯に榎本から連絡が入る。榎本は空港にいて臨時収入が入ったので旅行に行く、と告げた。純子から電話を奪った芹沢が、椎名の部屋から見つかった6億円相当のダイヤのうち、1億円分は偽物だったと、榎本を疑うような口ぶりで話す。それを軽く否定した榎本は、フライトの時間だから、と言って電話を切ってしまう。そして、パスポートと搭乗券を手にし…。
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『ATARU』 最終話

2012-06-26 17:03:23 | ドラマ・映画
 ストーリーの本筋とは離れたことが気になってしまい………
まず、その点から。
 15年前の舞子の(栗山千明)の母・真理子(奥貫薫)の事故現場付近に咲いていた白い小さな花にひっかかっりを感じました。
 この花、パッと見はハルジオンやヒメジョオンに似ています。丈や茎の枝分かれ具合からすると、ハルジオンに近いです。花も良く似ています。しかし、花弁の細さ・数はマーガレット並みでハルジオンよりやや太く、数も少ないように見えました。
 葉もちょっと違うように見えましたが、ピントを合わせた画像は一瞬だったので、よく分かりませんでした。
 何より違和感を感じたのは、その分布です。野原のようなところにポツンポツンと生えていました。この花のような野草は、舗装道路のアスファルトの割れ目のようなな生育条件が厳しいところでなければ、もっと密に一面に繁殖するのが通常のように思います。なんだか、人為的に植えたような気がしてなりません。もしかすると、花自体も造花かもしれません。かなり気になりました。(もちろん、私が知らないだけで、そのような花が存在することも十分有り得ます)

 本題に入ります。
捨て山
 白い花と同じくらい気になったのは、やはり「捨て山」(しつこい)。
 中津川係長(嶋田久作)曰く、「事件性がない限り、事故か自 殺かを特定する義務は、警察にはありません」
 言い切っちゃっていいの?
 成績云々という刑事目線での「捨て山」ではなく、警察組織としての「捨て山」なんだね。
 残された遺族にとって重要なことだし、現実的には生命保険などにも関わってくる。記録(報告書)としては特定する必要はないのだろうか?もう少し、話の分かる人かと思ったが。

 舞子の辞職も理解できない。
 警察を辞めて権限がなくなり、その上、能力もない舞子に一体、何ができるのだろうか?
 警察に残って、しっかり捜査することが一番だと思う。捨て山ができないよう出世して権力を持つとか(無理か)、起動捜査隊に入って初動捜査をしっかりするとか、難しいとは思うが、警察を辞めるのは短絡的だと思う。実際、あの野崎刑事(千原せいじ)も舞子の影響を受けていたので、彼女の姿勢を貫くのが一番だったのではないだろうか。

かなり苦しい事件の真相
 ストーリーをややこしくするため、真理子の夫・達夫(利重剛)に疑惑を向けるため、前回に真理子の事故を模倣した殺人事件を作った。
 そのため、自 殺の疑いが強い事故→他殺→事故(脳出血が原因)と紆余曲折する事件の推理を展開しなければならなくなった。
 その結果、脳出血のため右手以外(顔面も)が麻痺して、異常を知らせるために窓を開け右手を出すことしかできなかった。しかし、大型車とすれ違った際、ブレスレットと一緒に中指だけ持っていかれてしまっただけだった。その後、目を開けたまま、ガードレールを突き破り、炎上、窓を開けていたため、ガソリンが中に入り、車内も炎上。
 脳出血、中指切断、全身打撲した上、焼死とは、惨い死に方だ。しかも、かなり製作サイドに都合の良い事故経過。
 こういう死に方になったのは、自 殺の可能性が高い事故死、他殺の可能性を浮上させる、アタルでしか解けないような微細な事象を元に解明、という厳しい条件があったせいだ。
 もう少し、条件を緩くして、たとえば、ドラマの流れにはそぐわないが、夫が真犯人とか、他殺を匂わせずに自 殺か事故かを解明するとかした方がスッキリしただろう。

 まあ、ドラマ全体を通じて、アタルの発する言葉を元に解明していくのだが、そのヒントから結果までの根拠や論理が難しすぎて、鑑識の渥見(田中哲司)の説明を聞いて判った気になるだけで、途中は置いてきぼり感が強かった。

チョコザイを巡る愛
・沢(北村一輝)の正義感、それに基づくチョコザイへの愛
・ラリー(村上弘明)のアタルの特性を活用しようとしたゆがんだ愛(悪い奴ではないようだが、かなり自分本位、ただ、日本に来てかなりアタルを見る目が変わったようだ)
・舞子の無条件の愛(途中、捜査に利用しようとしたところもあったが)

 チョコザイは沢と舞子を友達と思い、ラリーのことも嫌いではないようだ。特に舞子には、彼女のため(一応、沢のためでもあったようだ)に捜査をしたり、一番大切なネズミのぬいぐるみをプレゼントしていた。沢にはケチャップ(笑)。
 また、気持ちや考えをうまく表現できないだけで、アタルは強くて人を思いやるやさしさを持っていた。
 「泣いたら前が見えないよ。泣くのは見なくていい時だけだよ」
 「今は、泣いていいんだよ」


 事件(推理)は無理が多かったが、ドラマとしては面白かった。

その他の感想
・犬飼(中村靖日)が復活し、ラリーにとび蹴りを食らわせたが、視聴者の気持ちを代表してくれたように思う。ラリーも堪えてないようだし。
・タモリの出演はどうだったのだろうか?面白いサプライズだが、画面の雰囲気を変えてしまった気がする。

【ストーリー】(番組サイトより)
 15年前、機動捜査隊・初動捜査担当の新米刑事だった沢(北村一輝)は、舞子(栗山千明)の母・真理子(奥貫薫)が亡くなった事故を担当していた。現場検証の結果、居眠り運転か決意の自 殺…いわゆる“捨て山”だと判断された真理子の事故。Nシステムの映像を見る限り、真理子が自 殺するようには見えず、沢は腑に落ちなかったが、真理子が目を開けて運転していたこと、ブレーキを踏んでいなかったことから、決意の自 殺である可能性が高いという結論に達していた。
 自 殺するようには見えなかったが自 殺にした・・・舞子に負い目があったから捜査一課に引き抜いたと当時を思い出しながら舞子に話した沢。
 すると、アタル(中居正広)が「目を開けていた、居眠り運転、ブレーキ踏まなかった」と突然呟いた。沢が「もう調査はするな」と3回言ってもアップデートせず、「事件にもう苦しまなくていいんだ」と言い聞かせても言うことを聞かないアタル。舞子は沢に、母の死に父・達夫(利重剛)が関係しているのかと訪ねると、少なくとも宝井真美(広澤草)の殺人には関係しているかも知れないと言う。

 捜査一課を訪ねていた舞子に昇(玉森裕太)から連絡が入る。アタルが帝都医大にやってきて、「マリコ、お墓、どこ」と昇にたずねているというのだ。なぜアタルは舞子の母の名前を知っていたのか・・・。蛯名家のお墓で合流した舞子、昇、達夫、アタル。 すると、アタルは墓石から大きい骨壷を取り出し、骨壷の中の遺骨を出して並べ始め、「ありません、ありません」と言い始めた。すると、達夫が「母さんは、私が殺した!」と叫び走り去った。家に戻った舞子は、人の捨て山は平気で調べていたが、自分の捨て山を調べるのが怖くなったと涙を流した。その時、そばにいたアタルは・・・。
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『平清盛』 第25話「見果てぬ夢」

2012-06-25 09:29:28 | ドラマ・映画
清盛と義朝(平氏と源氏)
 清盛(松山ケンイチ)と義朝(玉木宏)、平氏と源氏を対比させることで、義朝の苦悩、決意を描き、義朝の心が平治の乱の動きに傾いていくのが主題であった。


殿上の闇討ち(第4話)での誓い
武士(平氏と源氏)の悲願は両者の父、忠盛(中井貴一)と為義(小日向文世)の代に起因している。内裏の渡り廊下で為義が忠盛を討とうとした際、忠盛は「源氏と平氏の勝負は武士が朝廷で力をつけてからでも遅くない」と為義に告げた。

②源平の待遇の差
 清盛が播磨守(はりまのかみ)、義朝は左馬頭。保元の乱以前の二人の地位を考えると、当然の待遇といえるようだが、保元の乱後も大宰大弐に就任するなど力を伸ばす清盛に対し、乱によって一族の多くを失い、その後も地位を伸ばせず、「父殺し」と蔑まれる義朝。精神的に切迫していく。

③由良御前の死
 由良御前(田中麗奈)の死は、義朝の心を更に暗澹たるものにしていった。
 義朝に冷たくされるが、義朝の成功を願い、正妻の勤めを毅然と果たす様には心を打たれる。現代の木村多江を思わせる(芸風ですよ)薄幸さであったが、面目を捨て清盛に宋国の薬を手配しようとし、「そなたの命には代えられぬわ」と言われ、義朝に看取られ、救われた気がする。(実際には昏睡状態に陥り、10日後に息を引き取ったとのこと)
 義朝の言葉に
「あれ、殿らしゅうもない。されど、うれしや」
そして、
「どうか、私を誇り高き源氏の妻として死なせて下さりませ」
と、最後まで健気だった。
 さらに
「……と……父が……(申しておりました)」
最後は「ツンデレ」?!

④好敵手への激励
 上西門院(統子)の殿上初めの儀にて、頼朝(中川大志)は清盛に酒を注ぐ際、こぼしてしまう。
 清盛は「最も強き武士は平氏じゃ、そなたのような弱きものを抱えた源氏とは違う」と一喝。
 その言葉に腹を立て清盛を睨む頼朝を、涼しい顔で笑う清盛。
 一見、小ばかにした清盛の態度であったが、清盛・義朝の若き頃(第3話「源平の御曹司」)の二人の馴れ初め(笑)があった。
 己の未熟さに打ちひしがれた清盛に、
「最も強き武士は源氏じゃ!
貴様のような情けないものを抱えた平氏とは違う!」

と言い放ち、負け惜しみ気味の言葉を吐いて立ち上がる清盛に、好敵手の再起を
感じ表情が緩んでしまったと、義朝は頼朝に語る。
 清盛の笑みはあの時の義朝と同じものだった。今回は、清盛がお返ししたのだった。

清盛と信西
 政治改革に奮闘する信西(安部サダヲ)。かなり強引に進めたせいで、あちこちから疎ましく思われていた。
 が、政治改革が功を奏し、民の生活もやや改善され、念願であった遣唐使に当たる制度の目処が立った。(算木で予算などを計算していたと思われるが、割り箸を並べて積み木遊び(ドミノ倒し)をしているようにしか見えず、そのすごさが理解できないのが残念)
 とにかく、信西の宋への思いが、妻・朝子(浅香唯)の宋の僧侶・淡海との対談の逸話が語られ、若き頃、清盛と共に宋への小船で向かう思い出(第5話「海賊討伐」)も再現された。
 死亡フラグが、本人の知らぬところでバンバン立ってしまっているが、信西本人は宋への思いで視野が狭くなり、自身の危機に無警戒。清盛に、熊野詣を命ずる始末。

平治の乱へ
 えっ来週なの?予告を見て思った。
 清盛の計り知らぬところで進んでいるため、唐突感が強いが、今回の話の流れからすると、当然の成り行きかも。
 と言えど、清盛の源氏への叱咤激励を感じたはずの義朝が下した決断が、信西排除の動きに同調することだったとは。あ、それで、平治の乱の唐突感がしたのか。
 ここ数回、非常に面白いのだが、やはり、こうした「いきなり決心」パターンに納得がいかない部分が大きい。


その他の感想
・清盛に一喝され、頼朝(中川大志)憎悪の目で清盛を睨んだが、清盛の笑みを見てその憎悪の表情が怪訝なものに変わっていった演技は素晴らしかった
・由良御前を演じた田中麗奈さんに、女性の真の美しさを見た
・統子内親王の愛原実花さんの声質・語調は格調が高い

【ストーリー】(番組サイトより)
1159(保元4)年2月、後白河上皇(松田翔太)の姉・統子(むねこ)内親王(愛原実花)が上西門(じょうさいもんいん)という院号を授かり、源頼朝(中川大志)は蔵人に取り立てられる。病床の母・由良御前(田中麗奈)はその知らせに喜びながらも、平氏との差を埋められずに苦しむ義朝(玉木宏)を案じ、父を支えよと頼朝に言い聞かせる。

信西(阿部サダヲ)の政治改革は順調に進み、今度は官吏養成のための予算を捻出しようと奔走していた。その働きぶりに感心する清盛(松山ケンイチ)に、信西の妻・朝子(浅香唯)は信西の逸話を語る。淡海(たんかい)という宋の僧侶と会ったときだった。見事に宋の言葉で話す信西に驚いた淡海は、博識の理由をたずねると、信西は遣唐使が再開されたときに備えているためだと自身の夢を語ったという。清盛は信西の壮大な夢に驚く。

朝廷は即位した二条天皇(冨浦智嗣)の親政派と譲位した後白河上皇の院政派に分かれて対立していた。その中でも自分の意のままに政(まつりごと)を行う信西を二条親政派は疎ましく思っていた。また、後白河上皇から過剰な寵愛(ちょうあい)を受けている側近・藤原信頼(塚地武雅)は後白河上皇を通じて近衛大将の位をねだるが、信西は強く反対。信頼は信西に憎しみを抱いていく。信西は師光(加藤虎ノ介)を通じて白楽天の「長恨歌」の絵巻を後白河上皇にとどけた。それは唐の玄宗皇帝が楊貴妃にのめりこんで国を滅ぼした話であり、信頼にいれこむ後白河上皇への戒めだったが、上皇は喜ぶばかりで真意にまったく気づかなかった。

ある日、清盛はやつれた義朝を見かけ、病床の義朝の妻・由良御前のために宋の薬を渡そうとするが義朝は断る。意地をはりながらも自分のふがいなさを恥じる義朝に清盛はかける言葉がなかった。

2月、上西門院の殿上始の儀で、頼朝は初めて平清盛と対面することになった。清盛の杯に酒を供することになった頼朝は、その威厳に満ちた姿に圧倒されて酒をこぼしてしまう。悔しさと恥ずかしさでいっぱいの頼朝に、「やはり最も強き武士は平氏じゃ。そなたのような弱き者を抱えた源氏とは違う」と清盛は言った。怒りに震える頼朝が清盛をにらむと意外にも清盛は優しげな笑顔で頼朝を見ていた。頼朝が館に戻ると由良の容体が急変していた。義朝は宋の薬を求めて清盛の館へ走ろうとするが、由良がそれを制止。誇り高き源氏の妻として死なせてほしいと言い残して、息をひきとる。

程なく、信西に対して怒りを抑えきれない信頼は、同じく信西に対抗心を燃やす二条親政派の藤原経宗(有薗芳記)、惟方(野間口徹)を館に呼んでいた。信頼は、仕えるお方が違っても倒すべき敵は同じと言い、一同は打倒信西を誓う。
そのころ清盛は妻・時子(深田恭子)に信西のことを話していた。広く薄く税をとりたてる信西の政策により、重税に苦しんでいた都の民の暮らしが楽になってきていた。清盛は、信西の国づくりに協力していこうと決意する。そして、義朝がのぼってくるのを待ち、一緒に武士の世を気づく夢を語る。
一方、失意に暮れる義朝は常盤(武井咲)のもとへいくが、由良を失った寂しさは癒やせない。そんな義朝を呼び出した信頼は、自分と手を組み信西の首を取れともちかける。義朝はあまりの事の大きさに思わず断り、その場を離れた。

館に戻ると義朝は、頼朝から清盛とはどういう男なのかを尋ねられた。義朝は若いころ競べ馬で清盛に勝った日のことを語り、負けて落ち込む清盛に「最も強き武士は源氏じゃ」と挑発し、怒りで立ち上がった清盛のことがうれしかったことを告げた。その話を聞き、頼朝は対面したときの清盛の笑顔の意味にようやく気づいた。義朝も話していくうちに、今度は清盛の前に自らが立ち上がる番ではないかと思い始め、そしてある決意を固めた。

信西は宋との交流を復活させ、使節を送るという積年の夢を実現しようとしていた。清盛は信西から、大願成就のために熊野神社へ詣でるよう命ぜられ、旅立った。これを好機と、信頼の館には信西と敵対する貴族たちが集まり、そこへ義朝も加わっていた。ある夜、算木を使い予算を計算する信西は、突然、無数に並んだ算木が迫りくる地響きのために揺れ始めるの見て、恐怖に震えるのだった。
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将棋雑感 『将棋世界』6月号 その1

2012-06-24 13:55:41 | 将棋
 今更ながら、6月号(先月号)です。しかも「その1」……
★プレイバック2011
 毎年、この6月号で前年度を振り返り、「そうそう、すごい一局だった」とか「うん、この一局も外せない」とか、一年の感動がまさにプレイバックされます。棋士にアンケートとったり、大変な作業だと思います。有難いです。
 ベスト10は (タイトルや段位は当時のもの)
1位 王座戦第3局  渡辺竜王対羽生王座「二冠王誕生の名局」
2位 竜王戦第4局  渡辺竜王対丸山九段「渡辺、驚異の終盤力」
3位 名人戦第7局  森内九段対羽生名人「最高の舞台で生まれた名局」
4位 王将戦第1局  佐藤九段対久保王将「衝撃の空中玉」
5位 C級2組順位戦 船江四段対遠山五段「人が指すから、心を打つ」
6位 棋聖戦第2局  羽生棋聖対深浦九段「指し直しに名局あり」
7位 NHK杯決勝  羽生二冠対渡辺二冠「名誉NHK杯誕生の名局」
8位 日本シリーズ  深浦九段対佐藤九段「開幕戦は大熱戦」
9位 名人戦第6局  羽生名人対森内九段「相矢倉戦の名局」
10位 竜王戦1組   橋本七段対羽生二冠「ハッシー、2年連続で羽生に勝つ」
 羽生二冠が6局もランクインしているのは嬉しいが、1位と3位の記事を読むと、悔しさもプレイバックされてしまった。9位の名人戦第6局はもう少し上位でもいいと思う。
 サブタイトルにもう少しセンスを望みたい。タイトルから将棋の背景やハイライトシーンが想起されるものであってほしい。

★第18回升田幸三賞 第6回名局賞 選考会
 名局の定義は難しいが、両者が最善を尽くす高レベルで競り合った将棋であることが大きな要素だと思う。悪手や疑問手が少なくことも必須で、形勢の大きな揺れが何度もあるものは名局に入れるべきではない。
 もちろん、悪手、疑問手、勝負手が織り込まれ、手の善悪を超越した死闘を否定するつもりはない。「名局」という範疇にこだわっているだけである。
 と言っても、私の定義も緩やかで、大劣勢から粘りに粘って徐々に盛り返し、最後に逆転するのは名局に入れている。条件としては、逆転される側が錯覚や油断などから誘発される大悪手を指すのではなく、慎重に次善手以上の手を指し続けているにもかかわらず、なかなか決められず、徐々に形勢不明になっていくといったものは、名局に入れたい。
 2008年の名人戦第3局がこの条件に合致する。世間的には終盤森内名人が開き王手をうっかりして、打った銀を取られてしまい大逆転という注釈が付けられることが多いが、そこに至る羽生挑戦者の粘りが凄まじく、ポカが発生した局面はかなり形勢が接近していて、このポカも致命的なものではなかった。
 今期名人戦第3局も、この将棋の再現かと思ったが、残念だった。

 さて、また、前置きが長くなってしまいましたが、この名局賞の選考では、「プレイバック」での1位と2位の一騎打ちの情勢となった。
 甲乙付けがたい両局であったが、飯島七段「大震災の被災地、福島でこうした名局が指されたことも評価したい」、西條氏(読売新聞)「被災地の福島のファンを勇気づけた点を今回は評価したい」という意見を重視し竜王戦第4局が選ばれた。
 確かに、勝負や対局者の抱える時代、歴史、人生の重さの中で名局を指すということは、大変なことであり、評価もされるべきであるが、それを決定の拠り所にするのはおかしい。
 もちろん、対局の舞台というのも名局の重要な要素ということは大いに肯定できる。タイトル戦の大舞台と1次予選では、同じ内容だったとしても、名局としての価値は前者が高いのは間違いない。ただ、今回は勝負の重みではなく、被災地という場所が決定の要因だったことに、引っ掛かりを感じる。対局地は対局者が関与しない件なのだから。
 また、記事には「読者投票では、王将戦第1局が18票、竜王戦第4局とNHK杯決勝が11票、王座戦第3局が10票で、王将戦第1局は升田賞で評価されているので除外し、竜王戦第4局に1票」とあるが、升田賞は棋士に対しする評価なので、名局賞は別物なので関係ないし、もし、升田賞受賞で除外するなら、NHK杯決勝と同票なので0.5票とするべきである。

 かなり疑問を感じた選考過程であった。
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『週刊将棋』3月21日号 詰将棋入門 解答における1手詰

2012-06-24 11:14:38 | 詰将棋
6月6日記事、『週刊将棋』3月21日号 詰将棋入門
6月17日記事、『週刊将棋』3月21日号 詰将棋入門 解答における1手詰の解答です。

初図は

で、正解手順や変化手順は上記リンクをたどって下さい。

まず、変化1図。

 これは、初図より▲3三角と捨てた手に対し、△3三同飛と取った変化です。
 この図では、▲1二金と打てば綺麗に詰みます。

 初図でいきなり▲1二金と打っても、△3三玉と逃げられて詰まず、角を捨てて3三に飛車を呼び込んでおいて▲1二金と打てば3三に逃げられないという寸法でした。


次は、第4図。

 初手に角を捨て、筋悪く玉の下から金を打ち、2二に居た玉をわざわざ3三、さらに4三と逃がし、持ち駒も使い果たし、これで大丈夫か?という図です。
 しかし、ご安心してください。
 ▲2五角!

 これにて、玉はどこにも行けません。合駒も無効です。角の特性と筋悪く打った金が玉をがんじがらめにしています。玉方の飛車と歩が皮肉にも玉の行く手を邪魔しています。
 以前、『馬弾の射手』 中田章道七段作をご紹介しましたが、この作品の詰め上がりも同様の詰め上がりです。
 不利感を伴う詰め筋に利用されやすい詰め上がりなので、短手数の詰将棋に応用されることが多いようです。中田先生の詰め将棋を解くことが圧倒的に多いので感じるのかもしれませんが、中田先生はこの筋が好きなような気がします。
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『カエルの王女さま』 最終話

2012-06-22 20:35:11 | ドラマ・映画
 予想通りの結末であったが、これについては文句をつけるつもりはないし、澪(天海祐希)のキャラや「歌の力」を強調してきたことを考えると当然の結末で、こうならなかったら、今まで観てきた苦労?が水泡と帰してしまうと憤慨するかもしれない。
 しかし、その「歌の力」を蔑ろにした展開にはがっかりしてしまった。

 中盤から最終話までの、大まかな流れは、中盤までは各メンバーの抱える問題の克服→【第6話】澪の過去の露見、再団結→【第7話】新たな挑戦(オリジナル曲へ)+忠子夫妻の2度目の式→【第8話】苦境からの蘇生、そして県大会(オリジナル曲披露)→【第9話】解散もなんのその、市長の凍った心の融解→【第10話】ブロードウェイか、シャンソンズか…澪の選択→そして、最終話……
 振り返ると、予定調和な展開だと改めて感じる(しつこいが、これはこれで良いと思う)が、各話のエピソードが、ショークワイアを挿入する制約があるせいか、浅く感じられたりご都合主義だったりした(解散を有耶無耶(うやむや)にしたなど)。そして、エピソードを消化しなければならないため、シャンソンズの成長過程が描かれていなかった。猛練習や壁や行き詰まり感がなく、「歌の力で」と力説されても説得力がなかった。
 それでも、個人的にはショークワイアの部分は楽しめた。散々文句を言ってきたが、この予定調和で浅い展開だからこそ、猛特訓などの重さもない展開だからこそ、歌が楽しめたのかもしれない。

 しかし最終話はかなり納得がいかない。

 市長の出した音楽堂存続の条件(ことば)は
「そんな甘い精神論で、何かを変えられると思っているのかねえ。
 つくづく君たちはアマチュアだな。
 コンサートがどんなに盛り上がったとしても、所詮、一夜の夢。
 そんな感傷で、財政赤字を生む音楽堂をこのまま残すわけにはいかない。
 君たちが行ってきたのは、金を取らない、アマチュアショー。
 だが、音楽堂で一回の公演の採算を合わせるためには、最低でも1枚2000円の1000の客席を埋める必要がある。

 それも一夜限りでは意味がない。
 その一夜が起爆剤になり、定期公演に繋がると同時に、各種音楽イベントを誘致し、将来に亘って採算を取れる可能性が見出せるもの」

 つまり、「音楽の力で町の未来を変えられるか」であったのに、新たな敵、安見市市長を談合による利権を目論む悪のラストボスに仕立て上げ、「シャンソンズ対安見市市長(安見重建)」=「コンサートをゲリラ開催できるか」に焦点をすり替えてしまった。
 歌の力で町を変えるどころか、1000人の集客も有耶無耶。知人や縁者に頼ってチケット販売では、恒久的に採算の取れる可能性は見出せない。
 恒久的なものを目指すなら、澪がブロードウェイで成功して、音楽堂が全国的に注目されないと無理。その意味では、まひるがテレビ局を巻き込んだのは評価できる。
 公演開催日を早めても集客が何とかなるというのは、狭い世界での話。さらに、先週(第10話)で稽古していたとは言え、練習期間がさらに短くなり、その上ゲリラ開催のために手を取られると、ほとんどぶっつけ本番状態になったのでは、「歌の力」が感じられない。

 個人的な考えだが、最終話は「澪の葛藤と選択」と「コンサートの成功」に絞ればよいと思う。もっとコンサートが観たかった。館長の病気、安見重建は要らない。

★最終回のサプライズ
①地味な役割だった皆川玉子(菊地美香)の身体の柔らかさとダンスの上手さ
②先週、只者ではないピッチの速さの走りを見せた桜(濱田マリ)の筋肉と前方転回

★最終回の疑問と残念
①みぞれ(大島蓉子)が開演直前に腰を痛めた描写があり、公演中は姿が見えず、ファイナルになってやっと登場。メンバーもまったくスルー。私は、最後の最後に無念のリタイヤかと、それが気になってステージに集中できなかった。
 ダンスの稽古が上手くいかなかったのかな?
②澪の最後のあいさつではシャンソンズの縁の下の力持ちの「藤岡君」にお礼を言って欲しかった。


【ストーリー】(番組サイトより)
澪(天海祐希)たちシャンソンズは、音楽堂での公演に向けて準備を進めていた。ところがその矢先、何の予告もなしに音楽堂の解体工事の準備が始まってしまう。音楽堂に駆け付けた澪や忠子(石田ゆり子)、一希(玉山鉄二)らは、現場監督に詰め寄り説明を求めた。現場監督は、解体工事が明後日に繰り上がった、とだけ答えると、文句があるなら元請けの安見重建に言え、と澪たちに告げる。

 市長の清忠(岸部一徳)は、哲郎(小泉孝太郎)から、音楽堂の解体工事を始めとするゴミ処理施設建設に関わる孫請け業者が、由芽市の業者からすべて安見重建の関連会社に変わっているとの報告を受ける。安見重建の経営者は、安見市市長・鴻池(ミッキー・カーチス)の息子だった。談合の可能性を感じ取った清忠は、哲郎とともに鴻池の元へ押しかけた。しかし鴻池は、由芽市の業者は審査基準に達していなかった、などとうそぶき…。

 清忠とともに桜(濱田マリ)の店『Singers』にやってきた哲郎は、今回の合併話は、最初から鴻池らが私腹を肥やすために仕組んだものではないか、と澪たちに話す。そこで清忠は、日時を繰り上げてコンサートをやるよう澪たちに提案する。続けて清忠は、安見重建のことは自分が何とかするから、音楽堂を1000人の観客で埋めて未来への可能性を見せてほしい、と澪たちに告げる。清忠の思いも受け止めた澪は、取り壊し工事の前にゲリラライブを行うと宣言し、チケットを買ってくれた人たちへの連絡、歌とダンスの習得、さらには会場や衣裳の準備などを1日でやり遂げよう、とシャンソンズのメンバーに告げ…。


【登場人物】
ブロードウェイを目指したが、花開かなかった倉坂澪(天海祐希)
音楽堂を取り壊して県内最大のゴミ処理場を建設を計画する市長・井坂清忠(岸部一徳)
澪の高校時代の恩師で、市民センターの館長である森香奈絵(久野綾希子)
シャンソンズ復活を目指す学級委員タイプの井坂忠子(石田ゆり子)
妻より市長の義父が大事そうな夫・哲郎(小泉孝太郎)
4人の子持ち主婦・馬場みぞれ(大島蓉子)
パチンコに入り浸っているお調子者の専業主婦・皆川玉子(菊地美香)
引っ込み思案で就活も53連敗中の大学生・野々村まひる(大島優子)
美貌の市役所受付嬢・桜井玲奈(片瀬那奈)
キャバクラで働く元レディースのシングルマザー・羽田南(福原美穂)
閉鎖寸前の工場で働いているフェミニンな男性・高垣忍(千葉雄大)
忍の同僚の乾一希(玉山鉄二)…天海さんと共演が多いなあ
澪の古くからの友人で、澪の居候先のカラオケバーのママ・熊園桜(濱田マリ)
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NBA プレーオフ

2012-06-20 18:58:36 | スポーツ
 NBAも大詰め、今日はプレーオフ・ファイナルの第4戦。これを書いている時点では、結果が出ているはずですが、私はそれを知りません。録画したものを今夜観るつもりなので、情報が入ってこないように努力しています。
 情報が溢れている現在、油断をすると頼みもしない情報を受け取ってしまいます。バスケットボールの場合、日本ではメジャーではないので、その点では助かります。

 さて、ファイナルに触れる前に、準決勝を振り返ってみます。
 何と言っても、イースタンカンファレンスの1回戦での第1シードのブルズの敗退が大番狂わせ。と言っても、大エースのローズが故障欠場したのが痛過ぎ、それを考えると、順当な結果かもしれない。
 また、昨年チャンピオンのマーべリックスもウエスタンカンファレンスの1回戦で敗退。こちらはチーム状態が悪く、レギュラーシーズンの後半の戦いぶりも悪く、順当な結果と言える。(相手が第2シードのサンダー)

 カンファレンスファイナル(全体では準決勝に相当)は、東地区がヒート対セルティックス。西地区がスパーズ対サンダーとなり、順当な顔合わせと言え、激戦となった。
 カンファレンス戦は上位シードチームから見て、ホーム・ホーム・アウェイ・アウェイ・ホーム・アウェイ・ホームという方式で戦う。観客の声援、微妙な判定はホーム寄りのジャッジという有利さがあり、どの程度かと言うと、将棋の先手番のようなもの(名人戦の先手の絶対性は例外)。

 西地区、スパーズは勝率第1位、上位の常連で1990年からプレーオフに出場できなかったのは1回だけ。この間、4回の優勝を誇る(1999年、2003年、05年、07年)。
 ガード陣のパーカー、ジノビリの突破力とシュート力は強力、断簡も堅実なプレーで支えている。この3人はずっとスパーズを支えてきたが、やや衰えも見られ、ここ3年は1、2回戦で敗退している。
 ただ、今年は充実していて、レギュラーシーズン終盤から続いている連勝を、プレーオフ1回戦、セミファイナルでも4戦全勝と伸ばしている。
 サンダーは第2シードで西地区の本命。若いチームで昨年から急成長しカンファレンスファイナル進出。
 3年連続得点王のデュラント、攻撃力抜群のポイントガードのウエストブルック、最優秀シックスマン賞を受け、優れたハンドリング能力とシュート力でゲームを打開できるハーデン。イバカの守備力、ミドルシュート力も侮れない。さらに、要所でベテランのフィッシャーがゲームをコントロールする。
 プレーオフは、昨シーズンの覇者マーべリックスをストレート、強豪レーカーズにも競り勝ち、文句なしのカンファレンスファイナル進出。
 1、2戦ホームのスパーズが、ジノビリ、パーカーの突破力で制し、連勝を伸ばし、このままファイナル一直線かと思われたが、第3戦ではインサイドのイバカが大活躍、パーキンスも地道に役割をこなし、スパーズの攻撃力を封じ込めた。
 私はレギュラーシーズンを見ていないので、サンダーというチームをよく知らなかった。デュラント、ウエストブルック、ハーデンの攻撃力は知っていたが、プレーオフを見ると、守備力が素晴らしい。イバカのシュートブロックやリバウンド、パーキンスのゴール下の存在感(攻撃力は期待できない)、セフォローシャのクレバーでしつこい守備、デュラントのジャンプ力、ウエストブロックの運動量とこの守備力を相手に、48分攻め続けるのは至難の技である。
 特に7戦シリーズのプレーオフでは消耗が激しく、ゲームを重ねるにつれ、スパーズの動きが重くなっていった。特にペネトレイト中心のスパーズは動きが鈍くなるのは致命傷で、ゲーム後半で攻めが通用しなくなっていった。結局スパーズは2連勝後4連敗で敗退した。
 対する若いサンダーは第4クォーターに入っても動きが衰えず、そこで爆発して勝利するというパターンが多いようだ。
 特筆すべきは、デュラント。やや細身だが体幹も強く、スピード、ジャンプ力、空中のバランスも素晴らしく、スタミナもあり、その上、ロングシュートも正確。精神的にも強く冷静だ。黒豹を思わせる俊敏さとしなやかさと強靭な筋力で、目一杯感を感じさせず、第4クォータでその能力をフルに発揮する。
 西地区の決着がついた時は、東地区はセルティックスが3勝2敗と優位に立っていたが、セルティックスでは勝てないと感じた。

 
 東地区、ヒートは2006年の覇者で、昨年もファイナルに進出、おしくもマーべリックスに敗れたが、その戦力は健在。レブロン、ウェイドの2大エースに加え、昨シーズンから加わったボッシュの「スリーキングス」は昨シーズン以上に充実。ポイントガードのチャルマーズは3人をうまくまとめ、得点力もある。また、バティエは相手の先を読む冷静なディフェンスと要所で決める3ポイントシュートが武器。
 しかし、カンファレンス・セミファイナルでボッシュが脇腹を痛め欠場。その穴をレブロン、ウェイドが奮闘、また、チャルマーズが積極的に攻撃に参加する等、その穴を埋めた。
 セルティックスは優勝17回の名門。1990年代は低迷したが2000年に入り復活。2008年にはピアース、ガーネット、アレンの「ビッグスリー」を形成し優勝。2010年にも優勝。この時は3人に加えて、ポイントガードのロンドの活躍が大きかった。今や「ビッグフォー」、いや「ロンドがリードするチーム」と評価されつつある。その代わり、ビッグスリーにやや衰えも。センターのジャーメイン・オニールの負傷欠場が痛い。
 4戦までは両チーム、ホーム戦をキープしたが、第5戦、アウェイのセルティックスが試合巧者ぶりを発揮し、さらにガーネットの26点の活躍やベンチメンバーの奮起により、勝利。ホームの第6戦のを勝てばファイナル進出となり優位に立った。
 ここまでセルティックスが互角以上に戦えたのはロンドの大車輪の活躍によるものが大きい。ヒートは苦境に立ったが、第5戦よりプレータイムは短いがボッシュが復帰。第6戦以降にプラス材料。
 第6戦は、後のないヒートのレブロンが初めから全開(前半だけで30点)で前半を55対42と大きくリード。マッチアップしたピアースはファウルトラブル。結局、98対79でヒートが快勝。レブロン45点に対しピアース9点と両エースの出来が大きかったが、全体的にセルティックスの動きが重く、最終戦がアウェイなので勝ち目は薄いと見た。さらにボッシュの使えるめどがついたのも大きい。
 結果的に、オーバータイムの大激戦の第2戦を落としたのが痛かった。アウェイゲームだったが大きくリードしていただけに惜しい敗戦。長期戦になればなるほど苦しくなるので、ここで勝ち切るのが必須だった。

 セルティックスもスパーズもプレーオフを勝ち進むには、あと1枚半、駒が足りないと感じた。
 余談になりますが、私の贔屓のチームはセルティックスとスパーズで、両チームとも敗れた。奇しくも名人戦7番勝負が並行して行われていて、森内名人が防衛を決めた第6局の直前の時点で、スパーズの敗退が決まっており、セルティックスも3-2ながらも旗色が悪く思えて、羽生名人の敗局を予感してしまっていました。


 さて、応援していた2チームがともに敗れたが、最高の組み合わせとなった。
 若さ爆発のサンダー対充実のヒート、さらにデュラント対レブロンのスーパーエース対決である。
 デュラントについては先述したので、ここではレブロンについて。
 レブロンもデュラントに劣らないスーパーエース。突破力、パワー、シュート力はまったく引けを取らない。筋骨隆々で身体の幅は随一で、例えは悪いがゴリラを彷彿させる。
 両者のポテンシャルはほぼ互角。ペネトレイト(ドリブルイン)能力に注視して比較してもほぼ互角。しかし、そのプレースタイルは違っている。デュラントはそのスピードとジャンプ力でディフェンダーの上からダンクシュートなどねじ込むシュートが多い(かと思えば、無理せず軽くジャンプシュートを決めたりもする)。レブロンはその体格から強引に押しのけるペネトレイトを想像するが、意外と身体を横に流しての巧みなシュートが多い(ノーマーク時のダンクやアリュープは迫力そのもの)。
 精神的には、第4クォーターに弱気になって味方にパスをする事が多々あったが、今プレーオフでは、それも影を潜めている。また、ヒートには逆に第4クォーターに強みを発揮するウェイドもいるので死角はない。

 まず、経験はヒートが豊富、サンダーは経験豊富なフィッシャーがいるがやや不安。
 両チームの戦力を比較すると、互いにレブロン&ウェイド、デュラント&ウエストブルックのコンビは強力。ただ、コンビネーションはレブロンコンビの方が上かもしれない。
 第3の男、ボッシュとハーデンも甲乙つけがたい。かなりタイプは違い、ボッシュは攻撃の第3オプションとして機能、守備ではリバウンド能力が高い。ハーデンは自らが切り開くタイプ。プレースタイル的にはボッシュの方が安定して働きそう。ただ、故障上がりの不安もある。しかし、疲労していないとも考えられる。
 他のメンバーもポテンシャルが高く個性も豊富、甲乙つけがたいが総合的にはヒートがわずかに上回っていると思う。しかし、サンダーの守備力は強力でヒートと言えど手こずりそう。7戦フルに戦うとなるとサンダーに分があるように思う。実際、第4クォーターの動きはサンダーが上回っており、第3戦はゲームを通してヒートの攻撃は重たかった。(内容はサンダーの方がよい)
 これを書いている時点で、ヒートが第2戦のアウエーゲームを勝利し、2勝1敗で優位に立っているが、ホーム3連戦で3連勝するとは思えず、第6戦に持ち込まれるとサンダーが有利になる。(ファイナルは上位シードから見ると、ホーム、ホーム、アウェイ、アウェイ、アウェイ、ホーム、ホームでサンダーが上位シード)
 しかし、負け星が先行する精神的プレッシャーも大きい。

 まったくの互角に思えます。これから、第4戦を観ます。
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『鍵のかかった部屋』 第10話「硝子のハンマー 前編」

2012-06-19 21:51:29 | ドラマ・映画
 最終話ということで、前後編の2話仕立て。(前編だけなので、簡単に書きます)
 かなりシリアスで芹沢弁護士(佐藤浩市)が大人し目だったのは物足りなかったのは残念だったが、真犯人?(玉木宏)がゴンドラで登場し、エレベーターの扉が閉まって榎本(大野智)が退場するラストシーンは気分が盛り上がった。
 最終回前に主人公、或いは、準主役が犯人だと疑われるありがちなパターンで、若干の引き延ばし感があるのはやや残念。最終話らしい難解な密室にあれこれ苦しむ榎本の姿や推理の過程(試行錯誤)が見たい。
 また、密室にこだわるという制約があるので、凶器の特定がされないのも不自然。

★今週の芹沢
・猿にビビる
・青砥(戸田恵梨香)に馬鹿にされるような推理のダメ出しを、2回もされ、腐る(しょげる)

★こちらの警視庁
 あちこちのドラマで捜査のずさんさ、強引さが目立つ警視庁・捜査一課。
 こちらの一課は、いかにも怪しげなタレこみの情報源を疑いもせず、動機があるということだけで「お前ならできる」の一言で連行する強引さ。[by鴻野刑事(宇梶剛士)]
 また、事件発生直後にも「あなた以外に犯行は不可能なんですよ」と連行[by萬田刑事(丸山智己)]

☆その他の感想
・相変わらず、いかにも怪しい鈴木一真さん
・相変わらず、ワンマンで傲慢な役の佐々木勝彦さん
・相変わらず、嫌な感じの丸山智己さん
・社長と専務には秘書がついて、副社長にはつかないの?


【ストーリー】(番組サイトより)
榎本径(大野智)は、青砥純子(戸田恵梨香)、芹沢豪(佐藤浩市)とともに芹沢が顧問弁護士を務める介護サービス会社「ベイリーフ」にやってくる。


同社の社長室が空気銃で狙撃されるという事件が起こったため、社長室や役員室が入る会社最上階のセキュリティ強化を依頼されたのだ。社内を調査した榎本は、社長の穎原昭造(佐々木勝彦)らに必要なシステムを説明、後日、工事が行われることとなった。

ところが数日後、榎本が工事にやってくると、穎原が社長室で死んでいた。連絡を受け駆け付けた純子と芹沢に、穎原の甥で副社長の穎原雅樹(鈴木一真)は、穎原の死因が頭頂部打撲による脳出血であることを明かした。刑事の萬田(丸山智己)は、密室だった社長室に唯一入出可能だったという理由で専務の久永篤二(中丸新将)を警察署に連行。しかし、久永が犯行を否認したため、芹沢は榎本に事件の調査を依頼した。

榎本が検証を続ける間、純子と芹沢も事件について考察を重ねた。そんなふたりを、古びたスニーカーを履いた男が付け狙う。


やがて、社長室の狙撃事件の画像を見ていた榎本が、気になることがあると言って純子を「ベイリーフ」社の屋上へ連れていく。そして純子に、ワイヤーに吊るしたゴムボールを宙に向かって投げさせた。すると、ボールは放物線を描いて落下、社長室の窓に命中した。何かに気づいた榎本は、雅樹に連絡を取ってくれと純子に頼む。

同社社長室に集まった雅樹らを前にした榎本は、社長室の狙撃事件は、外部からの犯行ではなく、殺害された社長の自作自演だったと話す。それを聞いた雅樹は、社長が窓を防弾ガラスに交換するよう執拗に要請していたことを明かした。なぜそこまで、警備を徹底したかったのか、一同が考え込むなか、榎本が口を開く。


するとそのとき、秘書の制止を振り切って萬田と鴻野(宇梶剛士)が入ってきた。鴻野は、5年前に榎本が社長の自宅のセキュリティシステムの設置を請け負ったことがあっただろう、と切り出した。榎本はシステムの設置を終えたが、その後社長宅に窃盗犯が侵入、疑われた榎本は警察に事情聴取をされたり、同僚から白い目で見られたり、と憂き目にあった。そのことを恨み、社長を殺したのではないか、と鴻野は言う。それを聞いた純子が榎本のアリバイを主張するが、警備システムを調べ尽くした榎本にならできただろう、と譲らない。そして、警察署への同行を求めた。榎本がそれを受け入れ歩き出したとき、気配を感じ窓の方を見やると、上昇してきた窓掃除用のゴンドラに乗った男(玉木宏)が現れた。窓越しに榎本を見た男は、不敵な笑みをたたえているようにも見えた。そして、足元には、あの古びたスニーカーを履いていた。榎本はじっと男を見つめるが、鴻野に促されて部屋を出ていった。

そんな榎本の後を純子と芹沢が追ってきた。しかし、ふたりの眼前で、榎本を載せたエレベーターの扉は閉まり…。
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『ATARU』 第10話

2012-06-19 17:29:06 | ドラマ・映画
今回の事件は……はて?何だったっけ?というくらいの視聴後の印象の薄さだった。

チョコザイの症状の真相、アタル親子の愛情、ラリーのアタルへの愛情、沢の正義感(沢の例え解き方を知らない魔法使いの弟子が掛けた魔法が、大変な事態を招くは、絶妙だった)、そして何より、舞子の母の死の核心に近づいたこと、それらの印象が強くて、事件がかすんでしまった感がある(製作サイドも事件については力が入っていなかったように思う)。

 好みが分かれると思うが、チョコザイの謎が徐々に明かされて、チョコザイの心がおぼろげに理解でき、決して不幸ではなかったようだという人間模様的展開は好きである。
 チョコザイの症状の真相(今回分)
・睡眠導入剤入りのケッチャップを摂取しなくなったので眠れなくなった
・以前はラリーがこまめにチョコザイの爪を切っていたから、手のひらに傷がつくことはなかった
・シャボン玉が好きだった

 チョコザイがラリーのことをどう思っていたのか?事件解明は苦痛だったのか?涙のわけは?……などが、最終回に明かされるのだろうか?(犬飼と一緒に拉致された女性がどうなったのかも気になる)

 で、事件の真相は……かなりの無理を感じた。
①ABSが働いているとブレーキ痕が残らない?
 ABSが稼動するまでのブレーキ痕が残りそう。さらにABSが働きタイヤがロックしなくても、制動力は作用しているので、何らかの痕は残りそう
②クロロホルムでタイヤが劣化
 クロロホルムによるタイヤの劣化がどの程度か分からないが、そんな急激なものなのだろうか?
③殺意の異常性
 事件解明時の話によると、殺意は急激なものらしい。その割には、クロロホルムやガソリンを準備するなど、かなり計画的。
 しかも、別れ話が成立していて、被害者が未練により、わざと忘れ物を残していったという小細工しただけなのに、今回の計画殺人、しかも、事故を起こして怪我をしている被害者にガソリンをぶちまけ火を着けるのは、異常としか言えない
④10年前の事例が通用するのか?
 10年前の客の話を覚えていて、それを実行するのも異常だし、同じ車種だとしても、10年も経てば、車体やシステムなどは、かなり変容しているはず。
⑤携帯電話を開く用途
 携帯電話を開く用途は、通話やメールだけでなく、ネットの情報やメモを見ることもある。

やはり引っかかりを感じる「捨てヤマ」
 首を吊っても、事件性がなければ、遺書の筆跡も調べない?
 首を吊ること自体、事件だ(警察にとって自 殺は事件ではないのか?)。

 実際も、こんなずさんな捜査なのだろうか?
 このドラマに限らず、ずさんな捜査や、組織の腐った現状がネタにされるが、警察方面からクレームがつかないのかな?それとも、実情が反映されている?

 今更、「捨てヤマは、新たな捨てヤマを作る」と野崎(千原せいじ)が言っても、まったく共感できない。

【その他、気になった点】
・被害者の双子の姉と元恋人の咳払いが気になった。何か意味があるのかと思ったが、意味はないようで、聞きづらいだけだった(たぶん、多くの視聴者が思ったはず)
・「夏色のナンシー(早見優)」「宿無し(この頃は世良公則&ツイスト)」のネタは分からない人のほうが多い

【ストーリー】(番組サイトより)
昏睡状態で病院に運ばれたアタル(中居正広)を心配する沢(北村一輝)、舞子(栗山千明)、アタルの父・誠(市村正親)、ラリー井上(村上弘明)らが病院に詰めかけた。母・ゆり子(原日出子)は、アタルのために思い出のおにぎりを持ってきたがアタルに変化はなく、このまま目覚めなかったらと心配は募るばかり。病院にいる間に舞子は、アタルの両親から小さい頃のアタルの様子、ラリーとの出会い、何故アメリカに渡ったかなど詳しく知る。

そんな時、小暮桃香(安倍なつみ)という女性が運転していた車が電柱に衝突し炎上、車内で死亡したという連絡が入った。現場に駆けつけた沢たちに、交通捜査係の警官は「何故、捜査一課が来ているのだ」と不信感を表し、野崎(千原せいじ)ともめる。彼らの見立ては、居眠り運転からの事故か、決意の自 殺ということであった。だが、沢は自 殺の可能性があるなら動機ぐらいは調べようと言い出し、遺体を解剖したいと中津川係長(嶋田久作)に頼むが大反対される。そこに突然舞子が現れ、「この事件には何かあるとチョコザイ(=アタル)が言っている」と伝えた。しかし、実はアタルは目覚めておらず、桃香の運転していた車が、亡くなった母と同じ車だったから気になって来たと舞子は沢に白状した…。

衝突した車を調べるため自動車解体工場へ行った舞子は、飛行機事故の時に出会った事故鑑定人の公原(平岡祐太)と再会。そして、公原の依頼人と言う綾香(安倍なつみ・二役)を見て唖然とした。綾香は亡くなった桃香の双子の姉だったのだ。公原は、事件性がないと思うと被害者が双子だったことも調べないと警察を批判。綾香は、警察は事故か自 殺にするつもりらしいが、妹は自 殺する動機もなく、婚約者がいたと舞子に伝えた。

一方、沢は桃香の婚約者・森洋一(西興一朗)に話を聞く。桃香とは三日前に別れたという森がいたところは、真美(広澤草)という女性のアパートで、事故があった場所はそのアパートと桃香のマンションの間で…。
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