英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

これは“謝罪”になるのか?

2018-06-22 16:57:18 | 時事
自民党の穴見陽一衆議院議員が、先週の衆議院厚生労働委員会で、参考人として出席したがん患者の男性が意見を述べている際に、「いいかげんにしろ」と発言(ヤジ)。
その件について、謝罪のコメントを出した。(『NHK NEWS WEB』の記事、参照


ヤジを飛ばす行為、そして、その内容も大いに問題あるが、その謝罪コメントも大きな疑問を感じる。

【謝罪文全文】
この度、去る6月15日に行われた衆議院厚生労働委員会において、参考人のご意見の際、私が「いい加減にしろ」といったヤジを飛ばしたという報道がありました。
まずは参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます。
もちろん、参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです。
とはいえ、今後、十分に注意して参りたいと存じます。
この度は誠に申し訳ありませんでした。

平成30年6月21日
衆議院議員 穴見陽一

 「心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます」と述べているが、“ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば”という但し書きがある
 つまり、≪不快な思いをさせたとのなら、謝ります≫と言っているのである


……これって、謝っていないよね。

 “不快な思いを与えた”とは認めておらず、“謝る意思がある”と予告しただけである。
 単に、「いい加減にしろ」と呟いたことを認めただけで、その言い訳を述べたに過ぎない。
 
 
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2018名人戦 第6局 (どなたか慰めてください)

2018-06-20 23:53:11 | 将棋
ずっと辛抱を重ね、ようやく逆転したかと思えた2日目の夜、羽生竜王が決めに出た△7七とを放置しての▲1三歩成が鮮烈だった……



“7四歩取らせ戦法”……飛車で歩を取らせその間に陣形的優位を築く
 しかし、持久戦模様となり単なる1歩損に終わりそうな気配で、秘策が空を切った感が………

 普通に指していたのでは、1歩得の歩を活かして攻め込まれるか、1歩足らない弱点を突かれて盛り上がられ“中押し負け”となってしまうか……1日目からずっと指しにくさを抱えていた羽生竜王が、普通に指し続けるという我慢を重ね、ビハインドを拡大させず維持し続けた。(先手の攻め筋を考えながら陣形を固め、中押し負けにならないように十数手先の僅かな反撃の筋を残して、8筋の歩を伸ばしつつ飛車銀を繰りかえる)
 その辛抱に、佐藤名人は先制攻撃をせざるを得なくなった。それは無理な仕掛けではなく、有効な仕掛けで4四に歩の楔を打ち込めたのは大きそう。それでも、羽生竜王が丁寧に対応し、ダメージを最小に留め、反撃のチャンスも出てきた。少なくとも、一方的に攻められたり、中押し負けはなくなった。
 その後も巧みに切り換えし、4四の楔を除去し、2筋の玉頭の攻めも緩和して、逆に中央を制圧する気配も出てきて、逆転ムード。
 ≪頃は良し≫と寄せに行ったのが△7八歩成~△7七とだった。

 ………しかし、△7七とを放置しての▲1三歩成が鮮烈だった。
 これが厳しさの点では△7七とを上回り、守勢に回らざるを得なくなってしまった。



 おそらく、図の▲1三香成を△同玉と取っておけば、形勢はまだ羽生竜王が僅かに良かったのだろうが、意に反して攻め込まれ、時間切迫、辛抱し続けた疲労の中では、勝つのは困難だった。(△1三同玉には▲2三歩成△同金▲1四歩△同玉▲1五歩△1三玉▲1四銀と先手の猛攻を受け続けなければならない)



 二日間耐え続けた疲労感、敗北の残念さ、名人位奪回ならずの虚脱感の腹いせ?ではないけれど、勝敗の分岐点として図を挙げさせていただく。

 ここで羽生竜王は△7八歩成としたが、△5六歩と取り込んだ方が良かったように思う。
 一見、角筋を通すと▲4四角と角交換され、先手の攻めに威力を与えてしまいそうだが、▲4四角の瞬間、△5七歩成▲同金△同桂成が利き、▲同玉に△4四金と手を戻せば、先手玉の危険度が半端ない。
 なので、△5六歩には▲同銀右と取ることになるが、そこで△5五歩と蓋をし、▲4七銀と下がらせる。一見無意味に思えるが、手順に先手の攻めのとっかかりである5六の歩を除去し4四の角が安定させておいて、△1五歩と手を戻しておけば、後手の勝ちやすい将棋だったはず……


 本局は名局と言ってよいのではないだろうか。
 名人位復位はならなかったのは非常に残念だが、フラストレーションがMAXの第4局、第5局のような敗局でなく、ここまで指して負けたのなら、仕方がない
 棋聖位防衛に向けての足掛かりになると思いたい。
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2018名人戦 第6局 1日目

2018-06-19 23:29:41 | 将棋
 今日は名人戦第6局の一日目。

 封じ手の局面では先手の佐藤天名人が指しやすいのではないかと言われている。“封じ手の局面”と言うより、“序盤早々”から佐藤名人名人の方が指しやすいと言われていた。8五にいる佐藤名人の飛車(歩越し飛車で窮屈)を捕まえに行く△2四歩を見送ったが、羽生竜王に誤算があったのではと見られている。


 2手目、羽生竜王が△6二銀と“注文を付けた”。さらに、△7四歩と突いて力戦に持ち込もうとした。

 この指し方は山崎八段や糸谷八段が良く指しており、先日もNHK杯戦で糸谷八段が採用していた。また、山崎八段も昨年度のJT杯準決勝で羽生棋聖(王座を失冠し一冠となっていた)にこの戦法を駆使して勝利していた。
 また、2手目△6二銀は羽生竜王も数局採用している(谷川名人相手のタイトル戦でも採用。王座戦だったと記憶しているが、自信なし)。

 問題の局面は第2図。

 ここで先手の8五の飛車を2筋に戻らせない△2四歩はなかったのだろうか?
 控室の研究や前例では、≪後手(羽生竜王)も指せる≫という見立てだったし、注文を付けた羽生竜王が、注文を取り下げてしまったように感じる。

 指し掛けの局面は、まだまだこれからの将棋だが、1歩損が大きい気がする。持ち歩が0対1というのが大きい。同じ1歩損でも、持ち歩が1対2に比べると、1歩の差が非常に大きい。
 横歩取りと同様に本局の“7四歩取らせ戦法”は、≪先手が歩を取るのに手数を費やし、その間に攻撃布陣を先に整え、主導権を握る≫のが主張点。
 なので、先手が飛車の動きに手を費やしている間に、金銀を盛り上げ飛車を圧迫していくのが、この戦法を採用した趣旨に沿っている。
 もちろん、佐藤名人も目算を立てて8五に飛車を移動させたと考えられ、▲6五歩の決戦策が見えている局面で角頭の歩を突くのは怖いところではある。
 それでも、△2四歩は突くべきだったのでは?と思ったが、△2四歩以下▲6五歩△7三銀に▲7五歩が好手で先手が少し良いようだ。
 指し掛け図は争点がなく、持ち歩のない後手からは仕掛けて行くのが難しい。局面がゆっくりになると、≪手が進んでいる≫という主張点がどんどん小さくなっていく。

 飛車の捕獲のような細かく際どい読みを要する特異な戦いは羽生竜王の土俵と言えるが、本局の進行のように駒の効率を活かして陣形を整えていくのは佐藤名人の得意とするところだ。佐藤名人ペースだ…… 
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『特捜9』 最終話「3つの時の殺人」

2018-06-14 16:57:10 | ドラマ・映画
5年前の宗方(寺尾聰)の苦い過去、1年前の9係が解散に追い込まれた経緯が明らかにされたが、なんだかパッとしない?禍だったなあ。
政治権力者と刑事部長と組織犯罪対策部第三課と暴力団が結託したとはいえ、宗方も9係もむざむざ嵌められてしまったというのは、だらしなかったというか残念と言うか…

 証拠隠匿や偽装工作、さらに自殺に見せかけて殺害(実行犯は暴力団員)を“組対”ぐるみで行なう……同僚を嵌めて汚名を着せて殺害って、腐りきっている。
 真犯人(政治家の息子)を庇っての悪行で、真犯人は野に放ったまま。継続捜査はしていないの?
 9係メンバーもそれでよかったの?同僚が汚名を着せられたまま、捜査も放棄させられたままで……
 特捜班で再集結したのに、1年前の事件を放置していたのもおかしい。


・今回の事件の偽装工作も杜撰。被害者が朝帰りであのジャケット(ジャージ)は変。(朝の散歩やジョギングなら分かるが)
・一度刺してから、ジャケットを着せ、ジャケットの上から傷跡をなぞって刺すという偽装工作は難しい気がする。
・新人君が見事に嵌められて誤認逮捕してしまう。しょげる新人君を、メンバーが慰める?シーンは面白かった。
・組対の安達(山下徹大)のスーツ(格子柄)はどうかと思う
・警視総監も組織・捜査・正義など言う前に、まず刑事部長(清水省吾)を何とかすべきなのでは?
・川勝幹事長役の大門正明さん、身体が大きくなったような気がする

脚本は私の中では“要注意脚本家”(警戒脚本家に格上げ間近)の深沢正樹氏。
今シリーズでは第1話第2話を担当。(第1話は酷かったなあ)


第1話「一万年の殺人」(初回拡大SP)
第2話「花嫁消失」
第3話「殺人都市計画」
第4話「床下の白骨死体」
第5話「殺人ハーモニカ」
第6話「赤い花の殺意」
第7話「殺しの紙幣」
第8話「無限大の殺人」
第9話「連続殺人犯X」

【ストーリー】番組サイトより
 高森徹也法務大臣(中原丈雄)が殺害されたという一報が入り、直樹(井ノ原快彦)ら特捜班は現場に急行する。ところが、刺殺されていたのは高森の妻・静江(藤井かほり)で、一同は混乱。しかも、そこへ組織犯罪対策部第三課=“組対”が荒々しく乗り込んできた。

 1年前の合同捜査で9係を解散に追い込んだ組対の安達芳男課長(山下徹大)は、早くも凶器と思われるナイフを発見。組織犯罪撲滅を推進する高森大臣を恨む暴力団関係者が、高森と間違えて静江を殺害したと結論づける。たしかに、静江は夫とお揃いのジャケットと帽子を身に着けており、高森もまた「妻は自分の身代わりで殺された」と涙ながらに世間に訴えていた。
 しかし、監察医・真澄(原沙知絵)の解剖と鑑識・佐久間(宮近海斗)の鑑定から、犯人の偽装が発覚。犯人は静江を刺し殺した後、ジャケットと帽子を遺体に着せていたことがわかったのだ。つまり高森と間違えて殺害したように見せかけ、最初から静江を狙っていたことになる。

 そんな折、直樹と宗方(寺尾聰)は神田川警視総監(里見浩太朗)から呼び出される。神田川は直樹の前で、宗方が5年前に警察を辞めるまでどんな任務に就いていたのかを明かす。これまで一切語られることのなかった、宗方の衝撃の過去とは…!? 
 その上で、宗方は今回の事件の真相に迫るには、自分が警察を辞めることになった5年前の事件、そして9係が解散させられた1年前の事件を調べ直す必要があると直樹に告げる。
 宗方によると、2つの事件は共に高森が関わっているというのだが、いったい5年前、宗方に何があったのか…!? そして9係の解散と高森の関係とは…!? 

ゲスト:高森徹也………中原丈雄
    川勝雄太郎………大門正明
    安達芳男………山下徹大
   
脚本:深沢正樹
監督:杉村六郎
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第76期名人戦(2018年)第1局 その5

2018-06-12 21:01:40 | 将棋
サボっているつもりはなく、割りと真面目に記事をアップしているのですが、また、前回から間が空いてしまいました。
(羽生竜王に関して、芳しくない記事を書かねばならないのが、辛いところです)

「その1」「その2」「その3」「その4」 の続きです。


 先手陣の6筋の歩を取ると▲6四歩と絡まれる手が生じることを承知で、佐藤天名人が△6七角成▲6四歩△2七歩▲同銀△6五桂と踏み込んだ第7図。
 先手は△5七桂成▲3八玉△4九馬以下の詰めろが掛かっており、それを受けるには、①▲5八銀と②▲3八玉の2手段が考えられる。
 ①の▲5八銀は手堅い受けだが、金や銀を使って受けるのは小駒で攻められた場合は損なことが多い。交換になった場合に駒損になるし、清算(交換)されなくても、受けに駒を使った分だけ、攻め駒不足になる。
 なので、先手としては②の▲3八玉を選択したい。持駒を消費しなくて済むし、敵の攻め駒から遠ざかる利が大きい。例えば、5七の地点を突破するのに3枚の小駒を集中させた場合、受け側が5七に拘らず玉を逃がすと、5七の地点を突破したとしても、突破した駒以外の2枚の攻め駒が置いてけぼりになってしまう。(ただし、攻め駒が大駒の場合は機動力があるので、この限りではない)

 羽生竜王は▲3八玉!

 大丈夫なのか?………本局の場合、上記の但し書きの“攻め駒が大駒の場合”に該当する。
 ▲3八玉には△4九馬▲同玉△6七馬の攻め筋がある。△4九馬と切ることによって、先手玉を4九に引き戻し、せっかくの▲3八玉の1手を無効にできるのだ。

 実際、中継サイトの解説欄には
『驚きの声が挙がる。控室は▲5八銀が手堅いと見ていた。△4九馬▲同玉△6七馬▲5八合(▲3八玉は△4八金▲同玉△5七桂成で詰み)△5七桂成で先手が受けにくくなる。△5七桂成に後手玉に詰みがないとまずいが、まだ控室では見つかっていない。「いきなり終わるんじゃないか」という意見も出た』

 不安を抱えて見ていると、解説欄に
『検討の結果、どうやら途中の△6七馬に合駒するのが銀と桂どちらであっても、△5七桂成に後手玉に詰みはないようだ。しかし、△6七馬に▲5八桂△5七桂成▲6三歩成△同玉▲7五桂△6二玉▲6三歩△5一玉▲2四角△3三歩▲6二銀△4二玉▲5三銀成△同玉▲5七角△同馬▲5五飛△5四銀▲5七飛と、後手玉を追い回し、角と飛車を使って成桂と馬を抜く筋があるという。▲5七飛まで進めば「第2ラウンドです」と広瀬八段。』
 が加えられた。

 △4九馬▲同玉△6七馬とされると全く見込みがないという訳ではなさそうだ。しかし、後手に分があるような展開になりそうだ。やはり、手堅く▲5八銀とすべきだったのでは…
 局後の感想(中継サイト)では
『▲3八玉に代えて▲5八銀は△4五馬▲6三歩成△同玉▲6四歩△5二玉で、「何かありそうだけど、具体的な手が……」と羽生。』
とあるが、『将棋世界』の観戦記(小暮克洋氏)によると、後日の取材に対して
『「▲5八銀には△2八金▲5五桂△6四歩のときに、ヘタな手を指すと△5七桂成から詰まされてしまうのでダメだと対局中は思いました。あとから考えると、△2八金には▲6三歩成△同玉▲7五桂から王手を続ければ先手がよさそうですね」』とある。

 ちょっとした錯覚で▲5八銀を選択肢から外したのだが、『それにしてもこんな危なそうな玉寄りをわずか26分の小考で指せるとは……』と小暮氏が感嘆していたが、まったく同感。
 思うに、羽生竜王は▲5八銀のような手はあまり好きではないのかもしれない。

 対して佐藤名人は▲5八銀を予想していた。
『佐藤も(控室と同様)▲5八銀を予想していた。「▲5八銀以下、△4五馬▲6三歩成△同玉▲6四歩△5二玉▲3六銀に△5四馬と引いてうまく立ち回れれば、と。……(中略)……形勢は厳密には悪くても、先手の具体的な指し手も難しいと思いました」』(観戦記)


 佐藤名人は延々と考え続けている。何しろ▲3八玉は26分の小考だったのだ。
 ≪危険な玉寄りで変化も多いはずなのに、26分で指せるものなのか?……よほど自信があるのか?それとも、自分が見落としている変化があるのか……≫(勝手に想像)

『 15時、おやつが出された。佐藤はショートケーキ、アップルジュース。羽生はフルーツ盛り合わせ、ホットコーヒー、佐藤は席を外した。羽生はおやつにすぐ手をつける。戻ってきた佐藤、頭を座布団につけるほど前傾姿勢。15時11分、佐藤が起き上がり、ショートケーキを食べ始めた。羽生は席を外している。時折、佐藤はケーキを食べる手を止めて、小さくうなずく。15時16分、羽生がゆっくり座る。「いやぁ」と佐藤。15時19分、佐藤が考慮時間と残り時間を尋ねた。佐藤は現局面に41分考えており、残り時間は2時間15分。
 15時34分、佐藤の考慮時間は56分を超え、残り2時間を切った。名人が苦しんでいるのが伝わってくる。15時39分、佐藤はリップクリームを塗ってから、グラスにストローを挿し、アップルジュースをひと口飲んだ。「△4九馬以外の手は思い浮かびません」と阿久津八段。
15時56分、佐藤がまた時間を尋ねた。現局面の考慮時間が1時間17分、残り時間が1時間39分であることを告げられると、「そっかー」とつぶやく。羽生はいない。16時0分、佐藤はアップルジュースを飲みきった。数分して、羽生が対局室に戻る。今度は佐藤が席を外した。』
(中継サイト解説より)
 ちなみに羽生竜王の▲3八玉は14時38分の着手。

 阿久津八段が言うように、△4九馬以外の手はないように思える。
 渡辺棋王だったら、≪ここは“△4九馬の一手”。ざっと考え悪くはなさそうだが、変化が多すぎて読み切れない。ここで脳力と時間を消費するのは無駄。他に手はなさそうだし、そもそも、△4九馬▲同玉△6七馬の時、桂合いか銀合いかも難しい。ここはサッサと指して、相手に答えを出してもらおう≫と30分ぐらいで着手するのではないだろうか。


 さらに解説が付け加えられた。
『△6五桂の顔を立てるためには△4九馬の変化に飛び込みたい。だが、変化は膨大のようだ。例えば、△4九馬▲同玉△6七馬▲5八桂△5七桂成▲6三歩成△同玉▲7五桂に、△5二玉は▲6三角△4二玉▲5二飛△3三玉▲3二飛成(▲2四銀は△2二玉で詰まない)△同玉▲4一銀△3三玉▲2四金△4四玉▲4六竜から詰み。阿久津八段はこの詰み筋になかなか気がつかなかったという。また、途中の△5二玉に代えて△6二玉▲6三歩△5一玉▲2四角に△3三歩と△3三銀打、また仮に△3三歩として以下▲6二銀△4二玉に、例の成桂と馬を抜く筋を決行するにしても、▲5七角と▲5三銀成どちらを先に入れるか、比較が難しいという。』

 とにかく変化が膨大。佐藤名人がなかなか指さないのは読み切れないからなのだろう。勝負の行方はまだまだ分からないと考えよう。
 

 16時15分、△4九馬!
 1時間37分の考慮だった。
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バスケットボール女子 日本代表強化試合 チャイニーズ・タイペイ代表戦

2018-06-11 17:32:36 | スポーツ
 メンバーに吉田、渡嘉敷、大﨑(間宮)がいない……
 間宮は妊娠中、渡嘉敷は体調不良ということだったが(代表には選出)、吉田亜沙美は代表メンバーから外れたということだ。


 これはかなりの衝撃
 サッカーはあまり詳しくないが、W杯サッカー(1998年フランス大会)代表メンバーからカズ(三浦知良)が外されたと同じくらいの出来事だろうか?
 とにかく、長年、日本女子バスケットをけん引してきた吉田。それは“過去”扱いにできるものではなく、昨シーズンもJX-ENEOSサンフラワーズのポイントガードとしてWリーグ、全日本選手権優勝に多大に貢献しており、“(現在の)日本のナンバー1のポイントガード”と評しても、全く異論は出ないであろう(“日本女子バスケ史上最高のポイントガード”と評しても同様)。

 さらに、全日本の精神的支柱的存在は言うまでもなく、ポイントゲッター渡嘉敷のポテンシャルを最大限に生かすことのできるのは吉田である。渡嘉敷は有能な選手で、彼女単独やたのPGとのコンビでも相当な活躍が予想されるが、やはり、“吉田&渡嘉敷コンビ”は絶品である(ただし、国内レベルの話で、国際レベルでは通用しないことも考えられる)。

 このように、吉田を日本代表から外す理由はないように思われる
 納得しがたいので、ネットで調べると

『バスケット・カウント』5月30日記事
 代表を率いるトム・ホーバスは
「いろいろあったんですがコンディションが足りなかった」と2人の落選理由を説明し、
「あれぐらいの経験のある、吉田がいないのは残念です」とトムコーチも吉田不在を嘆くも、
「今の4人のポイントガードは全然悪くない。逆にチャンスがある」とネガティブに捉えず、下の世代のステップアップに期待を寄せた
とある。

また、“吉田の後継者”と目されている藤岡麻菜美(JX)へのインタビュー記事(6月1日)では
「正直に言うと、思っていたより早かったというタイミングだと思いました。ただ、リュウさんから代表から外れた気持ちはストレートに聞いています」
と後継のタイミングについては驚いた部分もあったと藤岡は言う。
とある。
 藤岡は昨秋のWリーグの開幕直後に骨盤の剥離骨折と腱断裂を負い、リーグ戦の出場はわず22試合のみで、現在も完調には遠い状態。吉田には怪我の事など、いろいろ相談しているらしい。


これらの記事から、いくつかの推論が浮上する(完全に独立しているわけでなく、関係し合っている)
【推論①】吉田が完調ではない
 ホーバスHCの「コンディションが足りなかった」という言葉通り、吉田が完調ではないという理由。
 ≪吉田が軽い故障や慢性的故障を抱えていて、その回復期間を設ける≫、≪フル活動させることによる、悪化や疲労の蓄積を避ける≫などの理由。
 さらに、吉田以外のポイントガードを起用し、各選手の特性を見極めるという目的も考えられる。

【推論②】トム・ホーバスHCの目指すバスケットに吉田はマッチしない
 ホーバスHCの目指すスタイルのひとつに「全員が3ポイントシュートを決められる」があり、吉田は3Pシュートを含むジャンプシュートがやや苦手である。
 しかし、選出メンバーには吉田より苦手な選手はおり、吉田も若手時代はもっとジャンプシュートを決めていたので、ジャンプシュートのセンスに欠けているという訳でなく、今後の練習で充分スキルアップが見込まれる。
 とは言え、私がホーバスHCのバスケット理論を把握しているわけではなく、≪氏の目指すバスケットに吉田が向いていない≫という説は否定はできない。

【推論③】ふたりの相性が悪い(あくまで推論)
 バスケットに対する理論やスタイルが異なることも考えられる。
 もちろん、吉田選手の方が折れると思うが、吉田選手ほどの選手となると、HCとしてもそう再々意見を異にはしにくく、気を使わなければならない。
 吉田選手は他のチームメイトへの影響力が強いので、どこかギクシャクした空気があると、チーム全体もまとまりが悪くなる。

【推論④】2年後の吉田選手の衰え
 吉田選手をメンバーに入れた場合、当然、吉田がスターティングメンバーで、吉田主体のオフェンスや起用プランになる(吉田のプレータイムが長い)。
 今年一年ならともかく2年後となると、吉田のパフォーマンスが落ちてくることが考えられる。吉田の場合、10%マイナスとなったとしても、並の選手よりも上だと思うが、能力が漸減傾向にある選手を主力に据えてのチーム作りをするのは合理的ではない。
 2年後を見据えて、吉田には引いてもらった。

 推論④のような気がするが、①の休養(療養)を経て、吉田のパフォーマンスの低下を避け、他のポイントガードの特性を見極めるというような複合的事情なのではないだろうか。吉田の代表復帰もあり得る。



★4人のポイントガード
 藤岡麻菜美(JX)、町田瑠唯(富士通)のアジアカップ優勝メンバー、リオ五輪代表の三好南穂(トヨタ自動車)、ここにきて成長著しい本橋菜子(東京羽田)の4選手がメンバーに入っている。
 藤岡選手は“吉田の後継者”と期待され、その期待に応えるようなプレーをしていたが、上述したように故障の回復途上の段階で、不出場。
 スターターは町田選手。リーダーシップ(ガッツと冷静さ)、視野の広いアシスト、高いオフェンス能力など藤岡選手と遜色ないポイントガード。強化試合もまずまずの内容だった。
 本橋選手も良いプレーをしていて(16分の出場でチームトップの12アシスト)、控えのポイントガードの役割を果たせそう。

 三好選手は3Pシュートが得意(昨シーズンの3ポイントシュート王)。強化試合では2本の3Pシュートを決め、10得点。7本中2本と成功率は低いが、ベンチからはとにかく打つことを求められているそうだ。だったら、シューティングガードで良いと思うが……
 まず自分が攻撃することを第一に考えているようで(求められている?)、ボールを持つと気持ちがアシストよりリングに向かう。もちろん是が非でもシュートというのではないが、リングに向かうのが難しくなった時点でパスを出すというシーンが多い(“ディフェンスを引き付けておいてパス”という性質ではない)。
 なので、パスを出す時にはディフェンダーに接近されているので。パスコースも限られて、苦しいパスになってしまう。他の選手も、第2オプションでパスが来るので、タイミングも合わせにくい。1試合観ただけで、判断するのは早計とは思うが……

★他の選手
 町田の他のスターターは、髙田真希(デンソー)、長岡萌映子(トヨタ自動車)、宮澤夕貴 (JX)、水島沙紀(トヨタ自動車)。
 高田はアシストも巧く、シュート力もドライブ力もある1番から5番ポジションをこなせるのではないかと思える万能選手。長岡も宮澤も3番、4番ポジションどちらでも行ける。宮澤は3Pシュート力が高く、かと思えばドライブでゴールに切れ込むスピードや巧さもある。守備力も高い。(水島選手は良く分からなかった。ごめん)
 控えのメンバーでは、馬瓜エブリン(トヨタ自動車)が目立った。3Pシュートがいつもより決まったらしく、宮澤タイプの選手になりそう。インタビューの受け答えも面白かった。
 オコエ桃仁花(デンソー)はポテンシャルは高いが、プレーが雑。赤穂姉妹も柔らかい動きができる。


 リオ五輪の時も強かった(抽選運が良ければベスト4は望めた)。
 五輪に出られなかったロンドン五輪当時も強かった(予選敗退はベンチの采配ミス)。
 しかし、現チームはさらに強力だとは思う。ホーバスHCによってさらに飛躍するかもしれない(墜落の危険性もある)
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「羽生くん、少し怒っていいよ」 2018棋聖戦第1局

2018-06-10 00:09:00 | 将棋
“羽生くん”と馴れ馴れしく声を掛けてしまったが、豊島八段の収束手順を観て、こんなセリフが浮かんでしまった……


 図の羽生棋聖の△3九飛は形作りの一着。
 残り時間5分の豊島八段だったが、4分の考慮……1分将棋になるまで考えて5三に金を打った。
 詰めろ。しかも必至だ。羽生棋聖の△6二金は“受けてみただけの手”で、▲5二角成△同銀▲4二金打の筋は防いでいるが、▲4二金打以下の詰みは逃れていない。
 △6二金を指さずに投了もあったが、とどめを刺してもらおう(詰めてもらおう)と首を差し出したのだ。

 △6二金に▲4二金打△同銀と進み、

……………▲6二金!

 詰まさなかった。
 持時間を全部使った疲労の上、1分将棋ということもあるとはいえ、豊島八段なら容易な詰みである。それに、直前の▲5三金の時に読みを入れているのである。
 複雑なところがあるのならともかく、これでは、差し出した首を斬らず、刀を握っている腕を切り落としたような指し手だ。

 もちろん、大事な一局、“石橋をたたいて渡る”慎重さは理解できるし、否定も非難もするべきではない。しかし…………………

 で、記事タイトルの「羽生くん、少し怒っていいよ」となったわけである。
 あくまで怒るのは“少し”。(他の方は分からないが、私は“少し”怒っているときの方がよく読めるような気がする。怖い変化も踏み込めるし。もちろん、“頭に血が上る”ほど熱くなっては駄目なのは言うまでもない)
 

 将棋を振り返ろう。
 角交換相腰掛け銀で今流行の「2九飛・4八金型(8一飛・6二金型)から、先手番の豊島八段の▲6六歩型に、羽生棋聖が△4四歩と追従せず△6五歩と先攻し、豊島八段が▲6五同歩△同銀に▲5八玉と柔軟に対応、以下△3五歩▲同歩△4四銀(第0図)と積極的に動いた。

 しかし、“前のめり”気味。
 以下▲4五桂△8六歩▲同歩△5六銀▲同歩△6五桂▲6六銀△4五銀▲同歩△3六桂と先手陣に斬り掛かるが、ますます“前のめり”感が強くなった。
 これに対し、豊島八段は素直に応じる。そして、△3六桂に手抜きで▲6三歩!(第1図)

 △3六桂は金取りなので、金を躱しておきたいところだが、放置して手裏剣を飛ばす。これが絶好のタイミング。“一閃”という言葉がぴったり当てはまりそうな▲6三歩だった(△6三同金は▲7二角がある)。
 △3六桂も▲6三歩も同じ金取りで、先に打った△3六桂に優先権があり、しかも王手になるので優位性がありそうだ。≪△4八桂成▲同玉≫と≪▲6二歩成≫と進んだ時の厳しさは後者の方が強い。駒の損得は後者に利があり、何よりと金が残るのが大きい。
 なので、△4八桂成と金を取っても、自陣の金取りに手を戻さなければならない。それなら、先に▲6三歩に対処し、△4八桂成と形を決めずに金取りを残しておいた方が先手も対応しにくい。
 そこで羽生棋聖は△5二玉と躱したのだが、さらに手抜きの▲7三角が攻守に睨みを利かす絶大な存在となった。6二のと金造りを見せると同時に、4六、3七の地点をカバーしている。
 △6三金と角当たりで先手を取りつつ、と金づくりを防ぐことは出来るが、▲4六角成で馬の存在が大きすぎる。そこで、羽生棋聖は△4八桂成▲同玉に△3六歩と垂らす。次に△3七角と打って7三の角を消す狙いだ。
 しかし、またこの瞬間に▲3四桂を利かされてしまった。

 △3一玉と逃げたいが、▲6二歩成△3七角に▲5八玉△7三角成▲5二とが痛すぎる。そこで、▲6二歩成に△3七角が利くように△4一玉と逃げる(▲5八玉△7三角成▲5二とに△同玉と取れる。とは言え、▲3四桂と楔(くさび)を打ち込まれた上、4一に玉を躱さなければならないのは辛すぎる。

 戻って、▲7三角には△9三角▲7五歩△8二角の方が、まだ良かったらしい。
 「7筋の歩を突かせたほうが、後手が飛車を使うときには利いてきそうです。以下▲同角成△同飛▲5五角(と金づくりを見て▲7三角もあるが△8六飛が6六の銀当たりになる)△8六飛▲8七歩に△8五角で歩合いが利かないといってどうか。しかし桂が先手に渡ると▲3四桂が厳しすぎますからね」(斎藤慎七段)【中継解説より】

 とにかく、前のめりの仕掛けの反動が大きかった。

 この後、豊島八段の▲4六銀が手厚さを求めすぎてやや変調で、△6三金に▲5五角成(4六に銀がいて深く引けない)に、

馬当たりで△5四金と出られて(手順に▲7二銀の両取りを回避)一瞬難しくなったか思われたが、▲5四同馬△同歩▲5三銀が3四の桂と連動して厳し過ぎた。


 感想戦では
「金を出てからはダメですね」(羽生)
代えて△3七銀▲同銀△同歩成▲同馬△3三桂(変化図)がまさった。

以下(A)▲4六銀△5四金▲3六馬に△3七歩で、▲6九飛という手はあるものの「こちらもかなり嫌な変化ですよね」と豊島。また(B)▲3六銀とひとつ隣から打つのは、△5四金▲2四歩△同歩▲2三歩△4五桂▲同銀△同金▲4二歩△5二玉が一例。
「このほうがよかったですね。△3七銀と打って勝負すべきでした」(羽生)

 とあるが、変化図以下の変化では後手に勝機があるとは思えない。
 繰り返しになるが、後手の仕掛けが前のめり過ぎた将棋だった。

※局後の感想※
「正確に指せれば、という局面が続いた将棋でした」(豊島)
「元々の仕掛けがやりすぎていたのかもしれません」(羽生)


 名人戦第4局(対佐藤天名人)、王座戦決勝トーナメント1回戦(対深浦九段)、名人戦第5局(対佐藤名人)、王位戦挑戦者決定戦(対豊島八段)、棋聖戦第1局(対豊島八段)と5連敗。内容も良くない。
 ここ数年、時折見られる“低迷期”に入ったのかもしれない。永世7冠を達成した安堵感もによるものかもしれない。でも、5連敗もしたのだから、そろそろ終息すると期待したい。
 この将棋の収束に少しだけ怒って、復活して欲しいものだ。
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『特捜9』 第9話「連続殺人犯X」

2018-06-08 17:03:36 | ドラマ・映画
今回のテーマは
Ⅰ 同一犯による連続殺人事件だと思われたが、実は無関係な殺人事件だった(第三者の偽装工作によって思い込まされた)
Ⅱ 被害者とその周辺を丁寧に検証するのが、捜査の基本


 ……テーマについては面白かったと思うが、そのテーマを推し進めようとして、強引な展開・設定が多く見られた


①同一犯による犯行に見せかけるために偽物の警察バッジを口に含ませ、腕に切り傷を刻んだが、最初の犯行が1年前、第2の犯行が半年前……気の長い偽装工作だ
②第2の偽装により“連続殺人”とミスリード出来たが、第1の犯行の時点に於いては思い込みがないので、死体の移動の工作が完璧であったとしても、銃殺なので暴力団にたどり着けそうだ。
 まあ、署長がたどり着かないように誤誘導したと考えられるが……
③2つの事件を未解決の状況にもかかわらず、まったく悪びれず偉そうな所轄の捜査陣
④班長のヒント(米国のミステリー小説云々)によって、いきなり閃く浅輪(井ノ原快彦)だったが、“同一犯による犯行”についての違和感をもっと顕わにしてほしかった。例えば、「犯行手段がバラバラ」とか(一応、プロファイルではもっともらしい理屈をつけていたが)、「警察に対する挑戦(警察バッジを口に含ませる)にしては、犯行間隔が長い」とか…
⑤テーマⅡを強調するため、新人の新藤(山田裕貴)の心理や行動を利用したが、おかげで“イラツキ度”が倍増してしまった
⑥偽装工作を実行犯の前で行うのは、署長にとってリスクが大きすぎ

第1話「一万年の殺人」(初回拡大SP)
第2話「花嫁消失」
第3話「殺人都市計画」
第4話「床下の白骨死体」
第5話「殺人ハーモニカ」
第6話「赤い花の殺意」
第7話「殺しの紙幣」
第8話「無限大の殺人」

【ストーリー】番組サイトより
 板橋区内の公園で、75歳の女性が後頭部を殴打されて殺害されているのが見つかった。臨場した直樹(井ノ原快彦)は、遺体の口が不自然に膨らんでいるのに気づく。なんと被害者の口の中にあったのは、ニセモノの警察バッジ。犯人は警察を挑発しているのだろうか…!?
 実は、この管内では被害者の口から警察バッジが見つかる殺人事件が過去2件、発生していた。そのため、見村岳(笠兼三)をはじめとする所轄署の刑事たちは同一犯による犯行と見て、“連続殺人犯X”を追いはじめる。

 直樹ら特捜班は捜査の応援に入るが、見村たち所轄は特捜班には非協力的。署長の佐野真一郎(伊藤洋三郎)によると、前回の事件の際、本部からやってきた管理官の指揮に従ったせいで初動捜査が出遅れた苦い経験があるという。佐野はノンキャリアながら実力だけで警視まで昇進した人物で、そんな彼から改めて協力を依頼された直樹らは、過去の2件の事件も含め、手分けして一から捜査を行うことにする。
 3件目の事件を追う直樹と新藤(山田裕貴)は、身寄りのない被害者が孤独にひっそりと暮らしていたことを確認するが、部屋の中で気になるものを見つけて…!?
 また、志保(羽田美智子)と村瀬(津田寛治)は2件目の女性殺人事件を、青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)は最初に起きた男性の殺人事件をそれぞれ洗い直す。

 連続殺人事件として捜査をしない特捜班に、人のいい佐野もさすがに苛立ちを見せはじめるが…やがて直樹ら特捜班の地道な捜査が衝撃の真実にたどり着く!

ゲスト:佐野真一郎………伊藤洋三郎
    見村 岳………笠 兼三
   
脚本:徳永富彦
監督:細川光信
コメント (2)
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2018王位戦挑戦者決定戦 (「まだまだっ! これからっ!」) の【補足】 

2018-06-07 17:16:22 | 将棋
「まだまだっ! これからっ! (2018王位戦挑戦者決定戦)」の補足です。


 第7図以降、豊島八段が攻めを繋いで羽生玉を追い詰め、100手過ぎには勝勢を築いた。終盤ややもたついた感はあったが、大勢に影響はないだろうとスルーしたのですが、実は、羽生竜王にチャンスが巡っていたらしい。
 問題の局面は第8図。


 実戦は▲5四飛寄(一応、5七に利かせて先手玉の詰みを防いだ攻防の一着)だったが、ここで▲6六角(変化図1)と打つ手があったらしい。

 この手も▲5四飛寄と同じく、5七に利かせた攻防の一着だが、より後手玉に迫っている。
 豊島八段は、「▲6六角には以下△3三桂▲7一飛上成(詰めろ)に△6一歩(変化図2)で大丈夫と見ていたが

 変化図2以下、▲6二竜△同歩▲3四桂という順がある。


 ▲3四桂を△同金は▲2三歩からの即詰み。また▲3四桂に△1三玉は▲1一飛成△1二金(△1二銀合は▲2二銀以下詰み)▲同竜△同玉▲1一金(変化図4)の捨て駒から後手玉が詰む。


 変化図4以下は、△1一同玉▲3三角成以下詰み。(以上の変化は、中継解説より)


 ▲6六角と打った局面(変化図1)は、先手が勝ちのような気がする。▲6六角に対して△5五銀は、持駒の銀を一枚使い先手玉の危険度が減る上、△6六銀と角を取る手は回りそうにない(逆に質駒にもなっている)。
 おそらく、第8図の3手前の△3五銀が問題の一着(△3五銀に▲5一飛△2二玉で第8図)。3四に空間を作ったことにより、▲3四桂が生じてしまった。
 また、変化図1以降の変化(▲6六角~▲7一飛上成)が悪いとしたら、▲5一飛には先手玉の詰めろが消えるので打ちたくはない金ではあるが、△4一金とすべきだったのかもしれない。
 今になって考えると、7九角&6八金の形も効率が悪すぎる。

 もし、変化図1が先手勝ちなら、羽生竜王は大逆転勝利を逃したことになる。
 誰か真相をご教授願います。


 それにしても、変化図1の▲6六角は王手の攻防手なので、取りあえず打ちそうなのになあ……
コメント (2)
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まだまだっ! これからっ! (2018王位戦挑戦者決定戦)

2018-06-04 23:45:53 | 将棋
王位戦挑戦者決定戦、羽生竜王対豊島八段は豊島八段が制して、菅井竜也王位への挑戦権を獲得。

 仕掛け後に、羽生竜王の指し手が変調で形勢を損ねたが、羽生竜王の強気と辛抱を織り交ぜた指し手に対し、豊島八段が大事を取った指し方をしたため、羽生竜王が持ち直し混戦に。
 勝負の流れは羽生竜王かと思われたが、豊島八段が辛抱した後、羽生陣に斬り込む勝負手を繰り出し、羽生陣に襲い掛かり、攻めを繋ぎ続け、押し切った。



 羽生名人としては、豊島八段の斬り込みに対して、一歩も引かずに攻め合いを選んだが、彼我の玉の危険度を読み違えた感がある。

 第5図辺りで控室では、羽生優勢と見ており、≪豊島八段の△7四桂に対してどのように決めに行くか≫という方向で検討をしていたようだ。おそらく、羽生竜王も自分に利がありと見て、≪自然に応じれば勝利に近づける≫という方針で指し手を読んでいたのではないだろうか?
 第5図より、▲7五銀△8五飛▲7四銀と指し進めた。先手の8五の桂と後手の7四の桂との交換だが、僻地(8五)に跳ねさせられた感のある盤上の桂と、後手が敢えて打った桂との交換は先手に得があるように思え、さらに▲7四銀は飛車当たりの先手である。自然で最強の応手と思えた。

 しかし、▲7四銀に対し△7五飛と切り返された第6図は、容易ならざる局面だった。

 第6図で、羽生竜王は▲6四飛と、更に自然、且つ最強の応手を続けるが、豊島八段の△7七歩が思いの外、厳しかった。

 第6図では▲8五銀打と持たれて指した方が良かったかもしれない(以下△9三桂なら▲4四角や▲8四角)。第5図でも、他の指し方があったかもしれない。


 劣勢から互角以上に盛り返した終盤の入り口。この棋勢の好転の度合いが大きかったため、実際の形勢よりプラスに形勢を判断したのではないだろうか?
 第5図より少し前の局面に遡ろう。



 第1図の少し前の羽生竜王の指し手が変調で(おそらく▲2二歩と打った周辺)、図の▲5八金は劣勢を自覚して、≪4五の桂は取られても仕方がない≫と辛抱した一手だった。
 それが第2図では、先手の4五の桂と後手の8五の桂が振り替わった形となり、さらに▲7六歩と自陣の修復も果たし、何とか持ちこたえることができた。

 打った7六の歩はタダだが、△7六同飛と取ると▲7七銀で飛車の逃げ場所が悩ましいと思われていた。


 △7二飛は▲7三歩がある。△7一飛は▲6四飛△6三歩▲8四飛と回れる。△7四飛には▲6六桂の飛車銀両取りが掛かる。
 しかし、豊島八段は△7六同飛!
 以下、▲7七銀△7四飛▲6六桂△8四飛▲5四桂△同歩と、こう進めば先手がいいのではないかという手順が展開された。
 更に、▲4五歩と歩を補充し拠点を作った手に対し、△4二歩!

 歩を取られた手に対し、4二に歩を謝る……これは“出入り”が無茶苦茶大きいと思えた。
 第4図からの▲8六銀も何となく気分の良い手で、以下△8八角成▲同玉に△7四桂と打ったのが冒頭の第5図。
 
 第1図から第5図まで望外の展開で、気分の良い指し手が続いた。羽生竜王が形勢判断を誤ったのも無理はないだろう。

 第7図となっては先手がまずそうだが、▲7九金と耐える手はないのだろうか?(▲3二歩を利かしてから▲7九金かも)



 名人戦は先手番を落としての2勝3敗。
 王座戦は本戦(挑戦者決定トーナメント)1回戦で深浦九段に敗れ、敗退。
 そして王位戦。タイトル復位を目指していたが、挑戦者決定戦の大きな一番で敗れる……


 流れも内容も良くない……
 しかし、≪まだまだっ! これからっ!≫

 2004~05年に掛けて、対森内戦で、竜王戦、王将戦、名人戦と3連続失冠。
 2008年、3連勝後4連敗で渡辺竜王に敗退。
 2011-13年、森内名人に3期連続敗退……などなど苦境は何度もあったじゃないか!

 まだまだ、これからである。
 
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