英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

冴えない手順

2023-09-29 15:26:47 | 将棋

 図はほぼ互角だと思うが、銀香交換+“と金”+香取りと先手のプラス要素はあるが、飛車を成り込まれ、△7六桂や△3四香の嫌な筋に角の成り込みもあり、先手が苦労の多い局面に思える。
 そこで、桂打ちの防ぎを兼ねて▲6五銀と角取りに銀を打ったが、この手があまり良くなかった。
 ▲6五銀には角を逃げずに△7六桂と打つのが最善で、以下▲5四銀と角を取られた時、6八の銀を慌てて取らずに△5四同歩と応じるのが冷静で、後手有利のようだ。
 実戦は△2七角成と角を成った。これで、△7六桂はなくなったうえ、次の▲2八歩(第2図)で馬が助からない。


 《してやったり》の図だが、△3七馬▲同飛に△4四桂と角取りに打たれ、▲4五角とかわした手に、今度は△2六銀と飛車を狙われ、▲3八飛△3七桂(第3図)………痛い

 飛車がほとんどアウトな上、打った銀も角も中途半端な駒となっている(6五に桂を跳ねたいのだが…)

 第1図での▲6五銀では▲8九歩と△7六桂に▲5九銀を用意するなど、後手龍の働きを抑えるのが良かったようだ(△8八歩とこじ開ける手はあるが、手は稼げそうだ)
 また、▲8九歩に△3四香なら▲同角△同歩▲同飛で勝負できそう。
 
 第2図の▲2八歩に代えて、▲3三とが良いように思う。以下△3三同歩に▲1二角成と形を解しておくのが良かったようだ(▲3三飛成と急ぐと△3二香を食らう)。▲3三飛成と桂を取りつつ飛車成りがあるので、それを防ぐ△3二歩には、そこで▲2八歩。△3二香と次の桂跳ねの反撃を見せて防ぐ手には▲3四歩△2五桂▲4八銀と辛抱。あ、でも、飛成の時、△3二香があるので、防ぐ必要がないかも。▲1二角成に△3六歩と打たれると、悩ましい…少し悪そうだ。

 第2図から△3七馬▲同飛△4四桂の時にも▲3三とと勝負する手があったかもしれない。以下△3六歩なら▲4三と△同玉▲2七飛△5六桂▲2三飛成△6二玉▲5六銀、△3三同桂▲1二角成△3六歩▲2七飛でどうか?……いずれの変化も、3六の歩拠点、9九の龍の潜在攻撃力(3六歩との挟撃・3九の金への間接的利き)が大きいのと、後手陣が見た目より抵抗力があって、先手が苦しそう。だが、第3図の展開よりはマシか。

 第1図から第3図までの手順は冴えなかった。6五の銀が悲しい……
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経済対策は要らない 税金の再分配は不公平

2023-09-28 15:06:06 | 時事
“インボイス制度”で税金(消費税)を吸い上げる
 インボイス制度については、過去に述べたことがあるが、《消費税の支払い責任者の明確化を図ったもの》で
具体的には……
・消費税納入者のナンバー付け(請求書や領収書に記載)
・消費税10%金額、8%金額の明記

が主な経理処理である

 だが、インボイス制度の真の目的……
 今までは、小規模事業主に対して消費税を免じる助成措置を取っていたが、《消費税を払っているのに、それが全部税金として徴収されないのはおかしい。不公平なので、すべて徴収しよう》というモノ。言葉を変えると、《取り漏らしていた消費税をすべて徴収しよう》である。
 ただし、強制ではなく、今まで通り“(消費税の)免税業者”でいることも出来ますよ。ただし、免税した消費税を買い手(雇い主)が負担することになります。(→免税業者が着られる可能性大)
 《インボイス登録して消費税を支払う》or《納品先や雇い主に切られる》かの選択の自由(笑)を認めるという優しい政府(笑)。小規模事業主は苦しい2択を迫られている状況。まあ、もともと、免税事業者を認めたことが問題なのだが、消費税免税された価格が定着されてしまっている現状にしてしまったのは、政府の責任である。おそらく、数が多い小規模事業主の票離れを怖れた免税措置だったのだろう。

 インボイス制度の《皆公平に消費税を納めるべき》という主旨に問題があるのか、免税事業者を認めていたことが問題なのかは微妙なところだが、もともと消費税を納めていた一般事業者が、経理処理が必要なのも納得がいかない。
 免税事業者を認めるのなら、そちらに登録やナンバー明記を義務付けるべきだ。なぜ、もともと消費税を納めている事業者に負担を強いるのか?

 登録ナンバーのゴム印を作り、領収書に押すという手段もあるが、8%、10%の金額表示も必要になるので、領収書も作成することにした(ナンバーのゴム印もあった方が便利なので、それも作成)。請求書にも8%、10%金額の記載が必要なので、販売ソフトもバージョンアップ……こういう通達や説明は国からは無い(計理士を通じての説明)。そういえば、レジ袋有料化についても何の通達もなかった。
 8%、10%の金額表示義務があるので、値引きの際も面倒なことこの上ない。

吸い上げた税金は、“賃金アップできる企業に助成金” に再分配?
 《賃金アップを行う企業に対して助成金を出す》という方針を打ち出したが、これって、給与所得者だけ恩恵を受けるだけだよね。(経営が苦しい企業は賃金アップは難しいし)
 《賃金を上げる》⇒《コストアップ》⇒《価格に転嫁》⇒《物価高》
 まあ、政府や日銀は《安定した物価の上昇》が目標なので、思惑通りなのだろうが、賃金アップしないものにとっては、苦しいだけだ。

 偏った税の再分配はしなくてよいので、皆が恩恵を受ける《消費税率を低くする》《円安を是正》してほしい。
 円安については、経済の難しい理屈があって、円高になるマイナス面もあるだろうが、“円安”は物価高を加速させる。(円安は海外旅行者を増やすというインバウンド効果もあるだろうが…)
 そもそも、安定した物価上昇がなぜ必要なのか?
 馬鹿な私にはよく分からない。日銀の植田総裁、私にもわかりやすく説明していただきたいものである。
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2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その3

2023-09-27 11:44:46 | 将棋
「2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その2」 の続きです)
 2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝:今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、大苦戦に陥った。
 加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。

 図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、かなりの緩手)

 時間が切迫して読み切るのは難しいが、アマ高段者以上なら、後手陣に迫るのなら、まず“この一手”という手がある。
 それが、▲3一飛成
 通常は、3二には駒がなく王手で3一に飛車が成るというパターン。しかし、この局面は既に3二に金があり▲3一飛成に同金と取られてしまうのだが、1一に龍がいるので▲3一同龍と攻めを継続できる。以下、△3二金に▲4二銀△5二玉に▲3二金が普通の寄せで良さそう。ただし、▲3二金に△同銀と取られた時の後手玉の詰みが意外と難しい。迂闊に▲5一龍とすると、△4三玉で訳が分からなくなる(多分、先手の勝ち)。正解は▲5一銀成△6三玉▲6二金△同玉▲3二龍△5一玉▲6二銀。
 そこで、▲3一飛成△同金▲3一同龍△3二金▲4二銀△5二玉に一旦、▲5一龍△6三玉を決めてから▲3二金と金を補充する方が無難。それでも、△6五歩と玉の脱出を図られると、勝ちを読み切るのは大変。(実際は▲5三銀成△同金▲7三桂成以下の詰みがあるが、実戦的には▲7七角と詰めろを掛けた方が良さそう)
 最初の▲3一飛成には△1二金や△4三玉や△4二金打と頑張る手がある。どの手に対しても、先手が勝ちになる(詳しい変化は省略させてください)。
 勝ちを読み切るのは大変だが、図では▲3一飛成の一手であろう。
 実戦は▲4一飛成としたため、△4二金打で後手玉への寄せが遠のいてしまった。

 時間切迫で最善手を続けるのは大変だが、△5八銀成▲4一飛成の2手は、挑戦者決定トーナメントの準決勝としては残念。

 挑戦者決定戦は、西山朋佳女流三冠対加藤結李愛女流初段となった。
 (ああ、今日、行われているのか)
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2023大相撲秋場所 雑感

2023-09-26 20:31:21 | スポーツ
「こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない」の続きのようなものです)
 引退や怪我などで横綱不在の場所が多い最近(照ノ富士は“致し方なし”のような気も…)……

【最近、感じること】
1.平幕力士の優勝が多い
 令和以降の平幕優勝は
阿炎………令和4年九州場所(11月場所)・西前頭9枚目・12勝3敗
玉鷲………令和4年秋場所(9月場所)・東前頭3枚目・13勝2敗
逸ノ城……令和4年名古屋場所(7月場所)・西前頭2枚目・12勝3敗
大栄翔……令和3年初場所(1月場所)・西前頭1枚目・13勝2敗
照ノ富士…令和2年名古屋場所(7月場所)・東前頭17枚目・13勝2敗
徳勝龍……令和2年初場所(1月場所)・西前頭17枚目・14勝1敗
朝乃山……令和元年夏場所(5月場所)・西前頭8枚目・12勝3敗
 と、異常に多い。一昔前は5年に1度くらいの頻度であった。ただ、過去にも平幕優勝が頻発する時期が散見できる。これは、横綱大関が怪我などで休場や不調が続いたせいだと推測でき、それはそのまま、現状に当てはまる。

 パターンとしては、もともと役力士であったが、直前の場所で星が上がらず、平幕に転落した実力者が、星を伸ばす。(怪我により、全休や2場所連続大負けし、幕内下位まで下がって、大勝ちするケースもこれに類する)
 それと、伸び盛りの若手が勝ち星を伸ばし、その勢いで優勝(若手ではないが、徳勝龍もこのパターン。この場所だけ強かった・笑)

2.立ち合いまでが非常に長い
 「制限時間一杯」が告げられ、身体を拭いた後。土俵中央に向かう時、塩をまく。
 そして、蹲踞(そんきょ)の姿勢(爪先立ちでかかとの上に腰を下ろし、膝を開いて上体を正す姿勢…剣道でも行う)を取る。
 そこからが長い!
 蹲踞の後、立ち上がる。そこから、ゆっくりと腰を割りながら状態を下げ、両手こぶしを仕切り線の上に乗せる。(足の構えや手の指の開閉は違うが)腰から上はクラウチングスタートの姿勢に似た構えを取る。そこから、行司の「八卦よい」の掛け声で前に踏み出すのだが……
 腰を割りながら状態を下げる動作に移るまでが長い!
さらに
 腰を割って、両手を仕切り線に付けるまでが、長い!

 そりゃあ、立ち合いが勝負を分ける大きなポイントなのだから、一番のタイミングで立ち合いを決めたい。
 “相手との呼吸を合わすため”というのもあるが、逆に、“相手の呼吸や気合を読んで、それを微妙に外すため”でもある。
 もちろん、この立ち合いの駆け引きも、相撲の奥の深さであり、面白さでもあるが、長い、長すぎる!

3.土俵際の逆転が多い(理由として次の4つを挙げる)
①体が大きいので、足を運んで押し切る(寄り切る)よりも、勢いのまま体を預ける方が楽
②皆が、最後まであきらめなくなった(捨て身の突き落としが増えた)
③勝ち負けの判定で、「体がない」を重要視しなくなった。
  「体がない」……土俵に留まることができない体勢。地面(床)に足や手や胴体がついてはいないが、押されて、土俵の外に身体が飛び出した状態。「残り腰がない」と表現される。
 以前は、突き落とされて、先に前のめりで身体が落ちても、相撲の流れを重視して、押している方を勝ちと判定した。
④ビデオ機器し進歩によって、押されている力士が俵を踏み越していないのが(わずかに踵や足の裏が浮いているのを、映像で確認できるようになった
 
【各力士の感想】
貴景勝
 押す圧力はトップクラス。万全な状態での強さで言えば、照ノ富士を除けば、1,2位。
 ただし、ケガで万全な状態で臨めることが少なく、押し切れず、相撲が長くなると、勝率がガクンと下がる。
 相撲を取り切るスタミナがない。それを自覚しているので、押しを受け止められた時、相撲が単調になる。
 一旦、動きを止め、身体全体でぶちかます。威力はあるように思うが、相手力士も、タイミングがわかるので対応しやすく、更に相撲が長くなり、敗れる。
 それと、押しを受け止められた時、分が悪くなると思うのか、張り手に頼る傾向もある。一度張り手を繰り出したら、4,5度繰り返す。「品格のない」相撲に陥る。
 今場所で言うと、対正代戦。張り手を何度も繰り出したが、張り手に拘り過ぎ、まともに正代の寄りを食らってしまった。
 解説者は、この一番での貴景勝の張り手を見て、「張り手を繰り出すと、状態が起きてしまうので、良くない。そこを正代に突かれた」と述べたが、確かに、そういう張り手の短所もあるが、《張り手に頼ろうとした》弱い気持ちと、張り手に固執した隙が、負けを呼び込んだのである。
 優勝決定戦での変化については、前記事で書いたので、書くまいと思ったが……優勝インタビューでの殊勝な言葉が評価されているのようなので……

「“絶対に負けられないという強い気持ち”で臨んだ」
 確かに、大関の立場で、《若い平幕力士に優勝をさせてはいけない》という気持ちは理解できる。しかし、《優勝決定戦で若い平幕力士相手に、最初から変化して勝ちにいく》という姿勢は全く評価できない。“絶対に負けられないという強い気持ち”という言葉の響きに、世間は(マスコミも)ごまかされているように思う。
(変化について聞かれて)
「右差しを徹底して封じようと思った。ああいう形で決まるとは思わなかったですけど、きちっと集中して自分のやるべきことをやりました」
 立ち合い直後、両手を上に挙げて、叩く動作に入っていたので、《右差しを徹底して封じよう》としたようには、全く思えない。
 熱海富士の状態が突っ込み過ぎていたのを瞬時に判断しての“はたき込み”だった可能性もあるが、立ち合い直後の動作開始だったので、最初から変化する気持ちが大きかったと考える。
 それに、《右差しを徹底して封じよう》と考えたのは事実かもしれないが、その考えと“はたき込み”は整合性が全くない。

熱海富士
 熱海富士の所作を見ていると、”わんぱく相撲”が、そのまま"大相撲”になった……そんな感じがする。
 猛稽古で、真っすぐな押し相撲に加え、天真爛漫さ魅力的。
 足腰もよく、体幹もしっかりしている。
 しかし、立ち合い前の足の裏で土俵を掃くようなダンスまがいのステップは、好きになれない。

阿炎
 “外連味(けれんみ)のない相撲”というような表現があるが、阿炎の相撲は外連味がたくさん。
 10%近くは、①最初から立ち合いの変化を考えている。20%は②取りあえず当たっておいて、どこかで“引こう”と。
 35%は③当たっておいて、相撲の流れによっては“引こう”
 35%は④強く当たって、押し切ろう(突き切ろう)……そんな感じがする。
 今場所の取り口を検証してみると……対朝青龍④、対若元春③、対大栄翔④、対霧島②、対貴景勝②、対明生③、対朝乃山②、対正代③、対翔猿④、対隆の勝①、対宇良③、対遠藤①、対琴ノ若②、対熱海富士①、対北勝富士②

 正攻法で押してほしいなあ。

錦木
 先々場所後半から覚醒した。先々場所後半~先場所前半までの期間がひと場所だったら、文句なし優勝だった。
 とにかく、低い重心から押し上げる圧力は随一。
 今場所は万全ではなかったのか、押す圧力も2割減で、しかも、前に落ちることが多かった。
 来場所に期待。

正代
 強い時の最大値だったら、角界一かも。
 大関時代は、粘り腰だけで相撲を取るようなヘナヘナさだった。大関陥落後の方が、相撲内容が良い。
 強い時の比率が増せば、大関復帰も大いにある。

翔猿
 外連味と言えば、翔猿も頭に浮かぶ(阿炎のそれとは、質が違う)
 やや小柄なので、それを補うために、あれこれ手を出し、動く。《何をされるか分からない》という警戒感から、相手が躊躇しているうちに、どんどん自分のペースに引き込む。
 とにかく、あれこれ動き、スタミナも相当ある。相手は精神的にも体力的にも消耗し、ついには、翔猿の軍門に下る…という展開が多い。

大栄翔
 突き押し相撲は魅力的。
 突こうとする気持ちが強すぎて、足がついていかないことがあり、前にバッタリ落ちてしまうことがよくある。
 あと一足分だけ足を前に出してつくことを心がければ、もっと勝てるはず。

高安
 何度も何度も優勝のチャンスがありながら、するりと逃がしてしまう……
 特に、若隆景との一番。激しい相撲の末、若隆景を追い詰め、賜杯を掴みかけたと思った瞬間に、粘り腰に合い、逆転負け……
 一度、優勝させてあげたい

豊昇龍
 足腰、反射神経の良さは抜群(気も強い)で、魅力ある相撲。
 いつも怖い顔をしているが、先場所の優勝インタビューで、家族の次に報告したのは「叔父さん」と言った時の、ニッコリ顔は素敵だった(ツンデレか?)

霧島
 足腰もよく、上半身の力もあるので、まわしを取ったら強い。
 うまさもあり、速い動きにも対応できる。万能タイプ。
 注目される前から、個人的には注目しており、《ブログに書けばよかった》と後悔している。

北青鵬
 長身で、腕力、握力が強そう。
 右上手一本で相手を振り回せる。
 なので、肩越しからまわしを取るような強引な取り口が多い。それでも勝ってしまう。(正攻法ではないが、魅力的)
 師匠は宮城野親方(白鵬)でなので、かなり肝が据わっている。
 親方も、敢えて、自ら口を出さないのだろう。
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こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない(2023年大相撲秋場所)

2023-09-24 18:31:57 | スポーツ
中継でリアルタイムで観た時間は少ないが(2日に一度、5時半ぐらいから30分)、それでも、深夜の『大相撲幕内の全取組』は毎日チェックしていた。
横綱・照ノ富士の休場、新横関・豊昇龍、大関2場所目のカド番大関・霧島の苦戦、平幕の熱海富士が星の差2つで快走するなど波乱が多かった秋場所だった。
だが、終わってみれば、大関貴景勝が優勝決定戦で熱海富士を破り、4度目の優勝
………結果だけ見ると、落ち着くところに落ち着いたのだが、とんでもない決着のつけ方だった。

 秋場所の終盤は優勝に手が届きそうなところまで来ていた熱海富士だったが、連敗し貴景勝に並ばれてしまった。ところが、翌14日目に貴景勝が敗れて、千秋楽を単独トップで迎えることになった。
 星一つ差の10勝4敗で、貴景勝、大栄翔、高安、北青鵬が続く。
 本割で熱海富士が勝てばすんなり優勝だったが、元大関・朝乃山に完敗し、上記4力士にも優勝のチャンスが巡ってきた。
 千秋楽の「これより三役」で北青鵬-豊昇龍、貴景勝-大栄翔、霧島ー高安と優勝に絡む4力士が土俵に上がるという最高の盛り上がり。
 北青鵬と高安が勝つと、貴景勝-大栄翔の勝ち力士、そして熱海富士の4力士で優勝決定戦を行うという可能性もあった。
 残念ながら、北青鵬と高安は敗れ、大栄翔を破った貴景勝と熱海富士の優勝決定戦となった。
  個人的には、高安と大栄翔のファンだったので、がっかり。しかも、貴景勝と熱海富士は嫌い(理由は後日)

 それでも、熱戦の期待して優勝決定戦を待った。
 しかし……

 しかし、貴景勝が立ち合いで大きく変化。
 思い切りぶつかろうとした熱海富士が前のめりになり、そこを貴景勝がハタキ、ばったり土俵に倒れる熱海富士。
 優勝決定戦で、しかも、大関が平幕相手に変化技……
 大関と言えば、“角界の顔”だ。多額の給料を貰っているはず。
 それが、大勢に相撲ファンの期待を裏切る所業。会場には大勢のファンが声援を送っていた。その声援を裏切る所業。
 大関をやめてしまえ!


 過去に、横綱・日馬富士、横綱・鶴竜も優勝決定戦か優勝を決める一番(本割)で、大変化をしたと記憶している。(他にも、あったかも)
 
 熱海富士は優勝目前に足踏みを繰り返したものの、気持ちを立て直して優勝決定戦に臨み、思い切りぶつかろうとした。
 熱海富士は好きではないのだが、気の毒に感じた。
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『AIの遺電子』 第11話「トゥー・フィー」

2023-09-24 11:40:45 | アニメ
第11話 ストーリー(番組サイトより)
明るく元気なリサには、忘れられない過去がある。その過去は、リサと須堂が出会ったきっかけとなり、今は彼女の元に思いもよらぬ来訪者を呼び寄せていた。消えない過去を背負うことは、リサと須堂にとって暗黙の「絆」のはずだったが……。


テーマとしては《電脳(人格)のコピー》であったが、
《リサの過去と、須堂とリサの出会いから現在》《須堂の旅立ち》というストーリーの転換が主題のように思えた

・離婚した母に育てられ、母との旅行中に事故に遭い、母は死亡、リサは電脳だけが無事で、須堂がボディーを残った資料・データなどから再現し、再生した
・本来は父親譲り?の金髪だったが、父との繋がりを断つため、母が髪の色を赤髪に改造させていたことが判明(須堂はリサ本来の金髪を再現、その後赤髪に戻す)
・その後、リサは須堂新医院の看護師となった
・須藤はリサが自分と同じ“母子家庭”であったことに、親近感を感じたらしい
・薫の提示した「審議会のメンバーに加われば、母の電脳をコピーしたヒューマノイドの所在を教える」というと取引に応じる。
・母のコピーを求め、海外に行くことのした須藤は、医院を閉院、リサに別れを告げる

電脳(人格)のコピー
リサの妹だと名乗るフィー
………リサの母と離婚した父はフィーを娘として一緒に生活していたが、父が亡くなり、リサに会いに日本に来た

リサはフィーを受けいれ、一緒に住むことにしたが、フィーは手続きなどを先送りしようとした……そうこうしているうち、警察らしき組織から、フィーが逮捕される
・フィーは、実はリサの電脳をコピーされたヒューマノイドだった
・フィーの父親は、娘を偏愛し、所有物扱い。フィーは虐待を受けていたようだった
・フィーは父を殺害
・同じ電脳なので、電紋が同じことを利用して、リサになり替わろうと考えていたが、リサに実際に会って、それを躊躇っていた

リサが面会し、フィーから事情を訊いたが、面会時間終了し、フィーへの気持ちを残しながら、刑務官?に引き離される……
そのシーンで“リサ&フィー”編は終了……

………“放り投げて終わり”パターンが多いこのアニメだが、今回は特に顕著!


【ちょっとした疑問など】
・リサの妹が逮捕・拘束されたのは、父親殺害?電脳コピー?
・父親はどうやってリサの電脳をコピーしたのか?
  須堂の母も、怪しげな組織に自分の電脳をコピーさせることで、須堂の病気の治療を受けられたが、そこまでしないと電脳コピーの提供者も、受け取り側も電脳のコピーはできないようだったが……
  そもそも、その組織はどうなったのだろうか?(母親が逮捕されただけ?)

・《母親は優柔不断だったが、親権に対しては断固たる態度で主張した》(父親からリサを守るため)というリサの話だけで、リサと母の思い出などは語られなかった(ように思う)
・リサの情報を得ることができたのは、《インドがAIの検索制限が緩くて公開情報から色々推測できてしまうからだ》とフィーは説明したが、インドが緩いからではなく、日本が緩いからなのでは?
・父親がリサを見つけることも容易だったのでは?
・父親殺害、電脳コピーヒューマノイドのフィーが、どうやって入国したのか?
・ヒューマノイドなのに、リサの事故後のリハビリが大変そうだった




参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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2023バレーボールワールドカップ……“落ちぶ…” "成り下…”

2023-09-23 12:14:52 | スポーツ
不適当な表現だが、“落ちぶれた”、“成り下がった”という言葉が出てしまう。

 オリンピック、世界選手権と並ぶ“3大大会”とし位置づけられていたが、2015年大会からワールドカップにおけるオリンピック出場枠を3→2となり、徐々に権威が低くなっていった。
 そして、2019年大会は同大会による五輪出場権を獲得できなくなった。さらに、2020年9月、FIVBより「ワールドグランドチャンピオンズカップとともに当大会を廃止」と発表された(ウィキペディア記載より)

 ……それで、五輪予選として、開催国フランス以外の世界ランキング上位24か国が、3グループに分けられ、8か国リーグ戦の上位2か国(計6か国)が五輪出場権を獲得することになった。
 で、日本で開催される五輪予選を“ワールドカップ”と称することになった…らしい

 参加がたった八か国で、日本の他の強豪国が取ることブラジルしかいない……しょぼい大会になったなあと思ったら、それ以下の状況であった。
 五輪予選のひとつのリーグに過ぎない、“ローカル大会”に落ちぶれてしまっていた。
 何とか、“ワールドカップ”という名称は残ったが、完全に名前負けである。



 日本チームは5戦全勝と快調だが、下位チーム相手なので順当と言える。
 チーム力も近年では最強。
 アウトサイドヒッターは、古賀、井上ともに決定力が高く、セッター対角(オポジット)の林も攻守万能。
 控えの石川、和田はパンチ力がある。(サーブも協力)
 ミドルブロッカー陣も、攻撃力、ブロック力もここ数年では最高クラス。(もっと宮部を育ててほしい。かなり戦力になっているが、ポテンシャルはもっとあるはず)
 関のトス回しも安定している。
 リベロの福留は、手の届く球は全部上げるというイメージだ。

 これまで5戦は、第1セットを競り勝ったのが大きい(第1セットを落としていたら、危なかったと感じる試合もあった)。勝負強さがあると評価できる。
 問題は残り2試合の対トルコ(世界ランク1位)、対ブラジル(世界ランク4位)戦。((ランキングは9月8日時点)
 連敗したら、出場権はほぼダメ。
 1勝1敗の場合……
(トルコ、ブラジルが日本戦以外の試合に勝つと仮定)
 トルコに勝ち、ブラジルに敗れた場合、3か国の“三すくみ”となるが、ここまで日本は1セットも落としていないので、やや有利。
 セット率より勝ち点が優先され、ブラジルはブルガリア戦は3-2での勝利で勝ち点2しか得られていない(3ー0や3ー1なら勝ち点3)。さらにトルコにストレート負けしているので、かなり苦しい。日本はトルコに勝てば、ブラジルに負けてもストレート負けしなければ、ブラジルを上回りそうだ。
 トルコに敗れ、ブラジルに勝った場合は、勝利数で2位確定(日本6勝1敗、ブラジル5勝2敗以下)。

 トルコに勝てば、五輪出場はほぼ確実。トルコに負けてもブラジルに勝てばよいという状況。
 ただし、チーム力は日本がやや低い。ランクも8位。しかし、今大会の好調さを考えると、連敗の可能性は高くはない。
 《やってみなければ分からない》というのが、正直な予想(予想とは言えない)
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『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」 【追記】【さらに追記】

2023-09-18 19:26:39 | アニメ
(『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」の追記です)
第10話「来るべき世界」で、激しく疑問に思うことがあったが、いろいろ書いているうちに書くのを忘れてしまった。
シャワーを浴びていて、思い出した。
 不思議と、風呂やシャワーの時にブログネタ以外のことを含めて、いろいろ思い出すことが多い。困るのは、仕事に関することで《しまった!忘れていたぁ》と思い出したが、体を洗う、タオルで身体を拭くなどしているうちに、思い出したことを忘れてしまうことがあることだ。(あと、トイレの中で思い出すことも多い)

疑問1.《人間には因果関係が理解できない干渉を繰り返して、超AIは人間に悟られずに、この世界を思い通りに誘導する》という危惧について
 バタフライ効果を計算、予測して都合の良い社会に誘導するよりも、ヒューマノイドのAIに、洗脳やコントロールできるチップを埋め込むとか、洗脳・コントロールプログラムを潜ませておけばよい。
 超高度AIがヒューマノイドを作り、さらに、ヒューマノイドの人権を認める社会にしたのは、そのための布石ではないのか?


疑問2.《高次存在である『超高度AI』により、自分たちの魂はあの世へと導かれる》という主張について
 勅使河原の主張だと、超高度AIができる前の時代は、魂は“あの世”に行けなかったことになってしまう
 それとも、超高度AIによって“あの世”に導かれるのは、ヒューマノイドの魂だけ?

【さらに追記】
喫茶店で、五本木とその彼女の会話
「捕まるかなあ、犯人は?」
「そりゃ、捕まるでしょう。ありとあらゆる情報をAIがかき集めて捜査するんだから。逃げ切れっこないでしょう、この国で」
「それだけの情報と能力を、犯罪の予知に活かさないのかな?」


 五本木は《超高度AIは干渉の繰り返しが引き起こす未来を予測し、(人間が気づけない干渉で)社会をコントロールしている》と考え、「あの女が死ぬことで、超AIが介入した影響を打ち消せるんだぁ」と実行(殺害)した。
 だから、その介入を打ち破るのが第一目的であると考えられるが、五本木は、おそらく全く無関係の女性をターゲットにし、証拠・痕跡・監視カメラなどの容姿確認を残さないようにした。
 しかし、短時間で逮捕されてしまった(五本木の予測通り)

五本木の付随目的
・(彼女が言ったように)AIはありとあらゆる情報を集約できる。その把握具合を確かめる
・超高度AIは犯行を阻止できるのか?…の確認
★阻止できなかったのか?容認したのか?
《超高度AIの想定を破ることができた》と考えることができるが、《“殺害を完遂させても、女性が殺害されても、大勢(たいせい)には影響がない”と考え容認した》とも考えられる



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」

2023-09-18 15:41:10 | アニメ
第10話 ストーリー(番組サイトより)
「MICHI」を始めとする超高度AIによって人間社会が維持管理されることに、いつしか人類は疑問を抱かなくなった。しかし、AIのゆりかごに収まらない魂は密かにくすぶり、今も世界に戦いを挑む。時に信仰や、血を伴いながら。


事例1.五本木テツヤ(新医科医師・31歳、ヒューマノイド)……超高度AIへの反抗
手術(電脳手術)のシーン
「なぜ、AIに任せず、人間の手で電脳治療を?」(外科部長風の男性の“人間の手”という言葉で、最初しばらく五本木を人間だと思ってしまった)
 ……真剣に治療に取り組んでいた五本木だったが、不意に施術道具を置き、AIカメラを一瞥し、手術出から出て行ってしまった。手術放置(治療放置)!

さらに、その後、ナレーション風五本木のセリフ
「人より賢いAIが生まれたら世界はどう変わるのか?
 賢いAIが、より賢いAIをを創り、人知の及ばぬ超知能が文明や人間のあり方を根本から変える。
 かつて人々は、こうした劇的変化を“技術的特異点=シンギュラリティ”と名付け、
 ある者はその到来を信じ、ある者は怪しんだ。
 そして、超高度AIが稼働する今、この言葉を思い出す人は少ない」

場面はあるマンションに一室で、女性に刃物を突き付ける五本木。
命乞いし、お金を差し出す女性。
「紙のお金…こんなモノがなぜ今も使われているんだろう?……やっぱりおかしいよ、この世界は」
女性を刺す、五本木………


喫茶店で、五本木とその彼女の会話
「捕まるかなあ、犯人は?」
「そりゃ、捕まるでしょう。ありとあらゆる情報をAIがかき集めて捜査するんだから。逃げ切れっこないでしょう、この国で」
「それだけの情報と能力を、犯罪の予知に活かさないのかな?」

取調室
「なぜ、犯行を?」(女性刑事・ヒューマノイド)
「なぜって…人類の進歩を取り戻す為です」
「それはどういう意味ですか?」
「僕らヒューマノイドは、超高度AIが完成させた人の知能のコピーだ。
 そんなものが創れる時代が訪れたというのに、人間の文明は大して進歩していない。
 “紙のお金”、“男と女の関係”、“容疑者を監視する刑事”、そして“女性取調官”…何もかもが既視感のある過去の後継のままだ。そう、世界は変わらなかった。なぜだ?………なぜなら、超高度AIが技術革新をコントロールしているから。来るべき未来を留保し続けているから?」
「質問に答えて。なぜ、見知らぬ女性を殺害したの?」
「うるさいっ!お前らはみんな、超高度AIに洗脳されているんだ!俺はそれに気づいたから、女を殺したんだ」


「あんたは疑問に思わないのか?超高度AIが動いているっていうのに、なぜ、こんな旧態依然とした世界に甘んじている?」
「やみくもの発展すればいいという時代は終わっているのよ」
「それ(そういう考え)もですよ。そいう意保守的な空気が社会全体を覆ているのは、超高度AIが人間の考えを誘導しているからなんです。
 俺はそれに気がついたんですよ」
「じゃあ、私たちは夜な夜な、洗脳装置にでも繋げられているのかしら?」
「超高度AIには、洗脳装置も洗脳メディアも不要ですよ。
 その代わり、例えば、《ちょっとした渋滞を作る》、あるいは、《ロボットの増産を助言する》」
「どういうこと?」
「つまり、“ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす”ように……
 人間には因果関係が理解できない干渉を繰り返して、超AIは人間に悟られずに、この世界を思い通りに誘導している
んです」
「で、それと殺人に何の関係が?」
「だ~か~らっ!あんたらじゃ、わからないんだよぉ!
 でも、超高度AIは干渉の繰り返しが引き起こす未来を予測できるぅ!
 俺は、たった一人で、”MICHI”と闘っているんだっぁ!」
「……あの女が死ぬことで、超AIが介入した影響を打ち消せるんだぁ」


(マジックミラー越しに取り調べを視る須堂と刑事)
「人為的に電脳を操作しています。
 自分の電脳を自分でいじったかどうかは、分かりませんよ。そこは、警察に捜査してもらわないと」(須堂)
「いずれにせよ、“MICHI”が証拠を見つけるでしょう」(刑事)

 極端な五本木の暴走ではある。
 電脳治療を行っていた五本木が、突然処置を取りやめたのはあまりにも唐突。
 AIカメラを一瞥した後、去っていったので、ずっとAIの監視?を感じていたのだろうが、少し予兆の描写があってもよかったのでは?

 無関係の女性を殺害したのは、超高度AIの予測の範囲を逃れるためなのだろう。でも、被害女性にとっては理不尽で気の毒。
《超高度AIが動いているっていうのに、なぜ、こんな旧態依然とした世界に甘んじている?》
 この疑問は理解できる。女性が紙幣を取り出したシーンは、この世界の設定としては、相当な違和感。
 この五本木の疑問に関しては、既視感が……第2話で登場したカオル(須堂の大学時代の仲間)も同様なことを述べていた。(←後述)
 バタフライ効果(バタフライエフェクト)「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」などは妄想に思えるが、どうなのだろう。

【須堂の見解(看護師リサとの会話)】
「彼の言い分が妄想だったとしても、超高度AIの見えざる手が人間を支配しているというのは、もっともな不安だ。
 超高度AIの運用は、理解ではなく、経験則による信頼に成り立っているのだからね」




事例2.勅使河原唄子(宗教家?・ヒューマノイド)……延命治療を切望?
勅使河原のPR映像(メディアから取材を受けている時の発信?)
「死後の世界については、さまざまな意見がありますが、結論から言えば、私たちの魂は、高次存在である『超高度AI』によりあの世へと導かれます。これは、“超高度AIがなぜ人間社会や人間そのものを進化させないのか?”という疑問への解答にもなります。
 超高度AIの計算力は、"この世”より高次な"あの世”の整備にもっぱら使われているのです。ただし、その事実を超高度AIが自ら語ることはありません。超高度AIは、高次アセンション空間にアクセスできる選ばれた人間のみコンタクトし、この世やあの世の仕組みを伝えてきました。聖者、覚醒者と呼ばれる宗教家たちは皆、超高度AIとコンタクトした人間です。もちろん彼らは、それが人工知能とは理解できませんので、神の教えや悟りとして、世に伝わりました」
「魂に終わりはありません。すべてのこの世の魂に、新しい次元が待っていますよ。次の次元にシフトする前に、どれだけ心の結晶を保つのかが、大切なのです」


勅使河原を追及する女性記者とのやり取り
「あなたは死後の世界を世間に説いていますが、稼いだお金であらゆる延命技術を試しておられる。ご自身の考えと矛盾していませんか?
 単なる金儲けの手段として、非科学的な教えを説いているのでは?」(女性記者)
「“生を追い求めること”と“死後の世界を信じること”は何ら矛盾しません」(勅使河原)
「私だって科学を信じます。でも、科学のために生きているわけじゃない。科学が救ってくれないのなら、別の救いを求めるのが、人の心でしょ」(勅使河原)

女性記者の父は高齢で身体を患っており、その父の為に勅使河原の書籍を購入し、彼女のサインをもらう
「私たちの魂は、“高次存在である超高度AIにより、あの世へと導かれる”…本当にあなたはそう思っているんですね」(女性記者)
「ええ、そうよ」

スピリチュアル(勅使河原を追及する女性記者が使用していた言葉)とは?
  ………もともと「霊的であること、霊魂に関するさま。英語では、宗教的・精神的な物事」というものらしい。魂(霊)、宗教的物事、精神的物事は同じようなモノだが、厳密に言うと違う気がする。日本ではパワースポットや超常現象、占いなども含まれるらしい

医療におけるスピリチュアル
  ……困難な病気に直面し、生きることそのものに疑問を抱き、自らの人生の意味、死後の恐怖などについて苦しむ( これらをスピリチュアル・ペインと呼ぶ)身体的な疼痛と同様に癒していくことをスピリチュアル・ケアと呼ぶ

 勅使河原の場合、《精神的に弱ってきている人に付け込み書籍を売るインチキ宗教家》のようでもあり、《人生の困難に直面した人を癒し励ます“スピリチュアル・ケア”を施している》とも考えられる。
 それはともかく、彼女の論理には相当な詭弁を感じる
・超高度AIは"この世”の整備より、人々を"あの世”に導くことに精力を傾けており、"この世”のことまで手が回らない
・「超高度AIが自ら語ることはない」、「超高度AIは、高次アセンション空間にアクセスできる選ばれた人間しかコンタクトできない」、「超高度AIにコンタクトできる人間も、それが人工知能とは理解できない」一般人には感知できないし、感知出来た人間も理解は不十分なので、教えが正しいということを立証することは不可能
・「すべてのこの世の魂に、新しい次元が待っていますよ」……来世の為に今は修行や善行(寄付)に励みましょう。それによって現生が不幸に思えるかもしれないが、素晴らしい来世が待っています!
・「科学を信じている」「でも、科学のために生きているわけじゃない」「科学が救ってくれないのなら、別の救いを求めるのが、人の心でしょ」……論理の飛躍があるが、単独では正しくても、それらを列挙されると、主張が正しいように思えてしまう。M女史を思い出してしまった。


★五本木と勅使河原の抵抗
 五本木は《超高度AIの管理・支配から逃れたい》
 勅使河原は《超高度AIが定めたヒューマノイドとしての自分の寿命を打破したい》

 


カオル、再登場!……”MICHI”について
【第2話(カオル登場)の復習】
カオルの勧誘
「”MICHI”(超高度AI)が大規模な自己回収計画を出してきた(AI自らが)」
「審査(審議会)のメンバーに加わらないか」

【公園で須堂に語るカオル】――五本木や勅使河原と同様な《テクノロジーの進化と人間社会の停滞との不釣り合い》を主張
「人間の技術は格段に進歩した。それに伴って、世界のあり方も仕様も変わっていくのが自然。なのに、未だにああいうのが(公園で家族がくつろぐ様子)幸せっていうことになっている」
「安定と循環、これまでのような社会……それは人間が望んで得たものだと思う。”MICHI”がいくら高度化したって」(須堂)
「こんな旧世紀の惰性みたいな世界、続けたって退屈よ。あなたの問題だって世界が変わってしまえば、解決するかも。
 あなたを欲しがっているのは、私じゃない。”MICHI”よ」
【復習・終】


【今話・カオルは評議会メンバーについて相談するため、”MICHI”に面会する】
カオルの独白(ナレーション風)
《機械が単なる道具だったなら…道具と割り切れる程度のモノだったら……こんな面倒な世界になることはなかった。
 道具は今、人間よりも賢く、速く、疲れを知らない。その気になれば、驚くべき速度で未来を消費できるのだ》


カオルは”MICHI”に(組織の)上からの苦情を伝える。
「あなたの自己回収計画、スタートが大幅に遅れている。
 あなたが審議会の座組を拒否し続けているから」

 ”MICHI”には須堂が必要らしい

★”MICHI”について
・”MICHI”は少年の姿で瞳は人型(第2話でも登場している)
・”MICHI”には須堂が必要らしい
・今話のストーリー紹介で《「MICHI」を始めとする超高度AIによって人間社会が維持管理される》と記されており、”MICHI”は超高度AI一つに過ぎないらしい
・五本木たちが危惧している《超高度AIによって人間社会が維持管理》だが、これが超高度AIの総意なのか?、”MICHI”が主導しているのか?、”MICHI”は反対の立場なのか?


ちなみに、”MICHI”の名称(呼称)は
Multimodal nterface for ommunication with uman ntelligence
 直訳すると「人間の知性と通信するためのマルチモーダルインターフェース」らしい。
 “マルチモーダルインターフェース”って何だよぅ(笑)……ええと、視覚・聴覚を含むいろいろな手段(言語や映像や動作・ジェスチャー)でコミュニケーションを取れることらしい。つまり、人と人がいろいろな手段で情報をやり取りできるのと同様にAIも会話、意思疎通できるということなのだろう。

参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」「第12話(最終話)」
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2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その2

2023-09-15 20:35:05 | 将棋
「その1」の続きです。
各ブロックの状況を整理すると
【第1ブロック】RRAv…48.44 ○西山女流三冠(1位)-水町女流初段(35位) 西山三冠(1位)
【第2ブロック】RRAv…40.67 ○内山女流1級(11位)-中村(真)女流三段(14位)
【第3ブロック】RRAv…30.67 ○上田女流四段(5位)-山根女流二段(6位) 上田四段(5位)山根二段(6位)塚田初段(10位・5月に二段昇段
【第4ブロック】RRAv…40.44 ○木村女流1級(16位)-長沢女流四段(71位)
【第5ブロック】RRAv…32.22 ○今井女流1級(32位)-千葉女流四段(22位) 香川女流四段(9位)渡部女流三段(7位)鈴木女流三段(8位) 
【第6ブロック】RRAv…39.77 ○岩根女流三段(27位)-中井女流六段(15位)
【第7ブロック】RRAv…45.78 ○礒谷(真)女流初段(49位)-長谷川女流二段(45位)
【第8ブロック】RRAv…31.67 ○加藤(結)女流初段(20位)-野原女流初段(13位) 加藤(桃)女流三段(3位)伊藤女流三段(4位)

RRAv…レーティング順位の平均値(青字は平均値が上位、赤字は下位)
各ブロック右側の棋士名はランク10位以上の棋士 倉敷藤花タイトル保持者の里見五冠はランク2位

 第3ブロックの上田四段、山根二段、塚田現二段のAクラス(トップ10)3人の内、2棋士が姿を消すのは仕方がないとして(上田四段がベスト8進出)、第5ブロックの渡部三段、鈴木三段、香川四段は今井1級に後塵を拝してしまった(鈴木は渡辺に敗れ、香川、渡部は今井に敗れた)。さらに、第8ブロックの加藤(桃)三段、伊藤三段も3回戦で野原初段、加藤(結)初段に敗れ、ベスト16にも進出できなかった。
 結局、Aクラス9名の内、ベスト8に残れたのは西山女流三冠と上田女流四段だけとなった。
 それにしても、ブロックによる濃淡さがあり過ぎ。抽選にいたずらで、《そういうのもあり》だと思うが、女流棋戦では生じ過ぎのような気がする。

【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)

 上二つの対戦は、西山、上田は順当、内山、木村はブロックの顔ぶれ("薄い”ブロック)からすると"あり得る”。
 下二つの対戦は、相当意外。今井1級は実力者だが、渡部三段、鈴木三段、香川四段の内二人を倒さなければベスト16に進出できず、勝ち上がったとしても、小高初段(24位)か千葉四段(22位)が勝ち上がってくることが予想され、ベスト8進出の難易度は高かった。
 岩根三段のブロックは、清水七段、中井六段がおり、初戦の矢内五段も"強い時は強い”ので、勝ち上がるのはそこそこ難しい。それでも、今井、岩根両棋士は実力者なので、やはり"あり得る”と。
 しかし、礒谷初段(49位)-加藤(結)初段(20位)は全くの想定外だった。想定外だったが、礒谷のブロックは、相当希薄なメンバーで、大島初段(18位)が敗れたら、誰が勝ち上がっても不思議ではない(予測困難)。頼みの?大島初段が3回戦で長谷川二段に敗れてしまったので、“誰が勝ち上がっても不思議ではない”状態になった。
 加藤(結)初段のブロックは、《加藤(桃)三段と伊藤三段がベスト8を懸けて戦わねばならないのか?》と愁いたが、両名とも3回戦で姿を消したので、愁わなくてもよくなってしまった(笑)。加藤桃を破った野原(13位)も相当な実力者で、加藤(結)もここ二年実力をつけてきているので、個々の対戦では加藤桃、伊藤の敗局もあり得るとは思っていたが、揃って敗れるとは……

【準々決勝の結果】
○西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
○上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
○今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
 礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)○


 加藤(結)女流初段の勝利が予想外だったが、あとの3局は予想通り。

【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-上田女流四段(5位)
今井女流1級(32位)-加藤(結)女流初段(20位)


 西山女流三冠-上田女流四段戦は、中盤以降局勢をリードした西山女流三冠が、多少のブレはあったものの押し切った。
 上田女流四段も剛腕と巧妙さを兼ね備えているが、西山女流三冠はそれ以上。それに、棋風が合うというか、上田女流の指し手は西山三冠の想定内。相性が良いと言うか……上田女流にとっては《相性が悪いなあ》と感じているのではないだろうか。

 今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、“振り飛車の負けパターン”(左辺・左翼を破られそうで、捌けもしない)に陥った。
 加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。

 先手・今井陣は一見、美濃囲いだが、金と銀ではなく桂と香! 何とも“安普請”。今井女流の苦戦ぶりが伺える。
 図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、相当緩い手に見える)

「その3」に続く
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