英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season14 第3話「死に神」

2015-10-29 17:33:23 | ドラマ・映画
周囲の「冠城=“新相棒”」の認定を、頑なに“同居人”と否定する右京
今シリーズは「同居人⇒相棒」が大きなテーマのようである


 しかし、それに拘るあまり、ここまでの3話は事件の展開がお座なりになってしまっている

★事件関係者の不可解な心理や行動
☆中村(近藤公園)
・恋人の自殺をほう助(殺人)したことによる罪の意識から、自殺願望者の自殺を誘発していた。自殺を手助けしたことを当人から感謝されれば、過去のほう助を正当化されたような気になるという心理なのだろうが、“生きていることが死ぬより苦痛”であったとしても、生きるという選択肢を閉ざして死を選ばせるというのは、過去の罪を正当化させることよりも心の負荷が大きいように思う。まあ、精神が壊れていたと考えれば、不可解とは言えないかもしれない。
・自分が保管する毒物を使用させるのはリスクが大きすぎる。

☆雨宮(葛山信吾)
・確かに中村の誘発がなければ妹が命を絶つことはなかったかもしれないが、元々の元凶(いじめ?)の方に憎しみは行かないのだろうか?
・初めて中村のところへ訪れる直前に、偶然、美由紀(中島亜梨沙)が服毒死していて、それを発見、スマートフォンの中村へのメッセージを読み、咄嗟に中村を陥れる筋書きを組み立てるなんて、IT企業の社長ともなれば、脚本の才能もあるようだ。
・「中村がストーカーだった」という証言をするため、自分が美由紀の恋人に成りすまし、中村に自分の別荘に彼女の遺体を遺棄させるのもリスクが大き過ぎだろう。
 

★ドラマには偶然がつきものであるが…
・証拠品の返却の途中殺人現場に通りかかるって、山奥過ぎて偶然の範疇を超えている。もはや、死神。
・雨宮が中村を尋ねたのが初めてというのに、美由紀の遺体を発見してしまう…まあ、右京さんに比べれば「ドラマではよくあること」の範疇か。


★演出上の謎
・遺体発見現場で、芹沢や制服警官の口元がアップになってセリフを言うシーンがあったが、どういう意図での演出なのだろう?
 伊丹も顔がアップ気味のシーンがあった
・中村が保釈後に街を歩くシーンがあったが、大きめのカバンを肩から下げて歩くスーツ姿の女性と2度もすれ違っていた
・別荘に繋がる道が狭すぎ。その割には野次馬が多かった。


★ちょっと性格が…
 他人が運転する車に同乗するのが極端に苦手。
 米沢をからかい、芹沢にちょっかいを出す。
 「もう出世してます」と嫌みな言葉をシレッと言う。


【ストーリー】番組サイトより
 山中の別荘で服毒死とみられる女性の遺体が発見された。
 証拠品の返却のため、別荘の前を偶然車で通りかかった右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、さっそく現場検証に立ち会うことに。
 別荘の持ち主は、IT関連企業の社長・雨宮(葛山信吾)で、死亡した女性・美由紀(中島亜梨沙)と少し前まで交際していたという。右京が気になったのは、女性の手に残っていた観葉植物の葉と土、そして現場付近で見かけた“中村ケミカル工業”という会社名の入った不審な車だった。
 その後、美由紀が雨宮との交際について、ネットの掲示板に相談を持ち掛けていたことが判明。また、右京が現場で見かけた不審な車を運転していた中村ケミカル工業の社長・中村(近藤公園)が、親身に彼女の相談に乗っていたことが分かるのだが…!?

 女性服毒死の裏に隠された意外な真実とは?
 事件は二転三転の末、驚くべき結末を迎える!

ゲスト:近藤公園 葛山信吾

脚本:金井寛
監督:橋本一
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第63期王座戦 第5局 その2「△1五香で飛車が詰んでしまうが」

2015-10-29 11:52:37 | 将棋

 第5図の△2五歩に、▲3五桂や▲4四桂を利かすかどうかは別にして、1六に飛車が逃げるのは△1五香で飛車が死んでしまうので、飛車を2九に引くのを掘り下げる。しかし、今後の飛車の活躍が見込めなく、どうも良くないようだ(「その1」参照)。
 そこで、▲1六飛はどうかと読みを入れてみる……というのが、私の思考過程。

 もちろん、強い人は「△1五香と持駒の香車を使って、更にもう1手掛けて(都合2手)僻地にいる飛車を取るのは“イモ筋”」と考え、最初から▲1六飛の可能性を追求するであろう。実際、中継の棋譜解説や感想戦でも△1五香については、一切触れられなかった。

 さて、先手としては
①飛車を取らせる間に攻め込む▲3五桂を、まず考えたい。
 放置すると▲4三角成が厳しいので、後手も△4二金はやむを得ない受け。
(Stanleyさんの永瀬六段解説情報によると、△6一玉と早逃げしておいて、先手の攻めを置き去りにする指し方が示されたようです。以下▲2三歩成△1六香▲2二と△9九飛▲7九金が想定され、こう進めば先手玉が固いらしい。“先手良し”の意味?)

 3五の桂によって2三に利きが増えたので▲2三歩成を実行。

 ここで、後手の応手がいろいろ考えられる。
1.初志貫徹の△1六香
2.飛車を成り返り先手の攻めを牽制する△8九飛成▲7九金△8四龍
3.飛車を引いて先手の攻めを牽制する△8四飛
4.一旦△2三同金▲同桂成と清算して先手の攻めを右方向からに限定する


 3の△8四飛は2に比べて損のように思えるが、先手の金を7八に置いておく方が寄せやすい意味もあるし、反撃に出る場合△8九飛成が先手になる利点もある。半面、▲8五歩と押さえられた場合は生飛車なのではっきり損である。
 各変化、いずれも難解で、私の棋力も気力も足りない。


②素直に▲1五同飛と取り△同銀に▲2三歩成と攻める順もありそうだ。

 この順は、△2六香の時の▲1四飛△同歩▲2三歩成と成りこむ筋と比べて、手駒が銀でなく香なので損なようだが、これはこれでけっこう難しい。
 また、後手の対応として、▲1五同飛の時に飛車を取らず△8四飛と引く手もある。ここから▲1四飛(▲3五歩もある)△3四飛(△1四同歩もある)など、変化が多岐にわたり、私の棋力では訳が分からない。
 △1五香はイモ筋で最善手ではないと思われるが、「ない手」とは言えないようだ。
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第63期王座戦 第5局 その1「重い気持ちで」 【補足あり】

2015-10-27 21:26:04 | 将棋
 時刻は午後5時を過ぎたころ。
 友人の母親の通夜の為、着替えていた。友人の悲しみを慮っていた。しかし、不謹慎だが、思わしくなそうな局面を考えていた。


 △2五歩と飛車頭に歩を打たれ、先手の攻めが遮断された局面。
 直前の▲3四角は、4三と2三を睨み、更に▲4四桂と角・桂のコンビ攻めを見た好所の角打ちだが、不安定な角の位置、浮き駒、攻めた時の跳ね返りも受けそうで、頼りなげに見えた。更に飛車も2六にいるので、図のように先手で攻めを遮断されてしまう。

 図で飛車取りを放置して▲3五桂と勝負する手はありそうだ。△2六歩と飛車を取る手には、▲4三角成△4一玉▲2三歩成(変化図2)と斬り込めば、勝負将棋か。
 また、▲3五桂に△4二金には、後手の飛車成りを防ぎながら▲2三歩成を狙いにして▲2九飛(変化図1)と引いてどうか…


(変化図の番号の順番が逆になっていますが、気にしないでください)
 しかし、変化図を掘り下げて考えてみると、変化図1の▲2九飛以下、△8四飛と角取りに引かれてもよく分からないし、△7六飛(7八の金取り)▲7七歩(金あるいは銀)に△3六飛と急かされると、攻めの継続が難しそう。△7六飛に▲6六歩と3四の角の筋で7八の金に紐をつけるても考えられる(△6六同飛は、この瞬間が甘い)が、先手玉があまりにも危なっかしくて、勝つ気がしない。そもそも、▲2九飛は、飛車の攻撃参加が望めなくなる。

 5時15分、13分の考慮で▲1六飛。
 桂の打ち場所(3五や4四)決めず、▲1四飛△同歩▲2三歩成の攻めも見た含みの多い手だ。2九より飛車の活用度は高い。
 でも、飛車が狭い。実際、すぐ△1五香と打たれると詰んでいる。それに、△8九飛成(詰めろ)▲7九金△8四龍と角取りに引かれると▲3五歩と後手を引かされるしかないようだ(狙いの▲3五桂もなくなる)。
 △8九飛成に▲4四桂△4二玉を利かせて▲7九金とする手があるかもしれないが、やはり△8四龍で、先手の攻めは急かされている。

 重苦しい気持ちで、通夜の式場に向かう。
 式場で友人の顔を見て、不謹慎な考えは捨てて、焼香をし、着座してお経を聞いた。
 私の母とは2歳年下。どんな病気も避けてくれそうな、元気な人だったが、がんを患っていたと聞いた。
 「落ち着いたら、今度、また遊ぼう」と彼に声を掛けて、別れた。


【補足】
 △2五歩と飛車頭に歩を打たれた手に対し、「飛車取りを放置して▲3五桂と勝負する手はありそうだ。△2六歩と飛車を取る手には、▲4三角成△4一玉▲2三歩成(変化図2)と斬り込めば、勝負将棋か」と書きましたが、

「図以下、△同銀▲同桂成△4二金で先手ダメだそうです(永瀬六段の解説)」という情報をStanleyさんからいただきました。


 ▲2三桂成を取らずに△4二金は見えませんでした。
 永瀬図から、▲2二成桂△4三金▲6一銀は△4二金で受かっていますし、永瀬図から▲4二同馬△同玉▲2二成桂は、先手の攻めが途切れそうです。
 う~ん……でも、「ダメです」と断言されて、「はい、そうですね」と同意するのも悔しいので(人の意見は謙虚に受け入れるべきですが)、抵抗してみます。

 永瀬図から、▲3三成桂△同金左▲同馬と突撃してみます。3三の地点は後手の駒の利きが多く、△3三同金で後手の駒が残り、自爆のような手順ですが、△3三同金に▲4五桂と跳ねるのがしつこい食らいつき。

 ▲4五桂の金取りの対応が、意外と難しい。
 △3二金は▲4四桂、△4四金は▲3三銀(詰めろ金取り)、△4三金とかわすのが筋だが、▲3五桂と絡みつかれると、振りほどくのは難しそう。
 図から△4二玉と、先手に身を委ねるのはあるかもしれない。以下▲3三桂成に△同玉で判断不明図2。

 ここで先手の攻め方が分からない。後手玉がぼんやりし過ぎて、どの方角から攻めていいのかわからない。
 それに、話は戻るが、判断不明図(▲4五桂の局面)で、△9九飛▲7九金を利かせて、△7七角の攻防手が成立するかもしれない。

 補足と銘打ちましたが、分からないことが増えただけでした。
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「金メダル30個取れ」遠藤五輪相とスポーツ庁

2015-10-23 17:13:05 | 時事
「エリートアカデミー」(10月13日)の記事で、「続きは後日」と予告しておきながら、放置していました)

遠藤五輪担当相
「私は(金メダルを)30個取れと厳命している。取れなかったらクビになる人が出ると思っているが、そのくらいの気持ちがないと。どこかの政党じゃないが「2番でいい」なんて言っていたらダメだ。10月にはスポーツ庁もできる。長官(人事)の話は大体頭にあるが、言うと書かれるので今日は黙っているが、大体この人がいいな、と今思っている」(山形市の自民党山形県連会合で)

 本人は洒落たことを言ったと思っているのかもしれないが、巷で言われているように、「まず、あなたが辞めろ」と言いたい。
 だいたい誰に厳命したのだろうか?……選手たちに?各スポーツ団体のトップに?五輪組織委員会役員に?

 選手は五輪担当相や日本のメンツの為に頑張っているのではない。
 そもそも、「メダル獲得がすべて」のようなことを、五輪担当相が言って良いものなのか?
「選手を含めて頑張った人たちに、惜しみない拍手が受けられるような、そんな大会にしたい。
 大会を終えて、“また日本で五輪を楽しみたい”と思われるような運営をしていきたい」
と言ってほしかった。



『強化予算について、08年北京五輪で金メダル数1位だった中国は120億円、同2位の米国は165億円、同5位のドイツが274億円だったのに対し同8位の日本は25億円』
という実情について
「やっぱり少ないですね。確か今年度は70~80億くらいにしたはずなんですが、それでも少ないですね」と。

 お金を掛ければメダルが取れるわけではないし、メダル獲得のために巨額の予算を使うことが妥当なのだろうか?
 それに、50億増やして約3倍になっているのに、簡単に「少ない」と言って良いのだろうか?



文部科学省や厚生労働省など複数の省庁にまたがるスポーツ行政の関係機構を一本化するためスポーツ庁が設立された。
 ホームページのトップに謳い文句として 
『スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す』
とある。

 このスポーツ庁構想、一時期停滞していたが、東京五輪開催決定により、一気に実現した。
 なので、「東京五輪のための機関」というイメージが強いが、そうではないらしい。
 (例のTBS『ひるおび』では、“東京五輪の為の機関”という紹介がされていたような気がする。私の視聴力不足だったのかもしれないが)

 なお、このホームページ、おざなり感がいっぱい。
 5段階評価ならEランク、10段階評価ならJランクと迷いなく評価される出来である。
 ……大丈夫なのだろうか?

 就任した鈴木大地長官(48)は「スポーツ庁はトップアスリートのためだけにあるのではない」と強調し、施策の柱として「国際競技力向上」の次に「医療費抑制」を掲げた。
 11年成立のスポーツ基本法は「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利」と謳っている。庁創設はその理念実現が狙いである。(背景には高齢化社会への不安がある)

 鈴木氏は1988年のソウルオリンピック100m背泳ぎ金メダリスト。順天堂大学教授、日本水泳連盟会長(2013年-2015年)。体力的に苦しい日本選手が、トップレベルと互角に競っている現状を見ると、その手腕は評価される。
 「トップアスリートの為だけにあるわけではない」という理念も素晴らしい。
 しかし、施策の柱として「国際競技力向上」の次に「医療費抑制」を掲げており、やはり、「国際競技力向上」が最優先らしい。

 組織構造
定員は121人。長官の下に「スポーツ健康推進課(スポーツの普及や子供たちの体力向上などを担う)」「競技力向上課(選手強化や拠点整備を担う)」「スポーツ国際課(国際大会の招致や指導者海外派遣などを担う)」「オリンピック・パラリンピック課(2020年東京オリンピックの準備を担う)」「政策課(スポーツ政策を担う)」の5課が設置。
有識者による「スポーツ審議会」も開かれ、強化費の分配を通じて、各競技団体の組織改革も促していくことになるそうだ。


 継続的な強化費については従来通りJOCが配分するが、東京五輪に向けた強化費は、スポーツ審議会が審査して配分を決めるらしい。
 競技団体は、国際大会などの目標を設定し、その達成度などに応じて強化費を配分されることになるという。これにより、各競技団体に薄く広く分配するJOCより、メダル有望競技へ重点的な配分となる。
 継続的な強化費はJOCが配分するらしいが、東京五輪に向けた強化費が有力競技に重点を置くというのは、ホームページにも掲げてある『スポーツを通じて「国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営む」ことができる社会の実現を目指す』に反しているのではないだろうか?

「金メダル庁」と言われないよう、国民全体のための機関であってほしい。
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相棒 season14 第2話「或る相棒の死」

2015-10-22 21:38:05 | ドラマ・映画
 話のあらましは、埼玉県警の元刑事でジャーナリスト・千原の遺体が発見された。県警・埼玉中央署は、自殺と断定したが、彼の元同僚や娘が不審に思い、冠城に相談。右京も加わり調査すると、千原は警察の裏金作りを調べ、強請ったが、殺されてしまったのではないかと……

 冠城はフルフェイスのヘルメットの2人組に襲われたが、冠城は妨害も織り込み済みで、その暴行も県警を糾弾する証拠に逆用。
 冠城は、右京も引き込み、利用した。右京は、冠城の魂胆を知りつつ協力(右京は警察の不正を糾すのが第一である)


 まず、気になったのは、亀山が相棒だった頃、同じようなストーリーがあった気がする。
【轄署が隠ぺいしていた事実を、亀山が暴こうとした。人情と正義に揺れる亀山、刑事から妨害(暴行)に遭いながらも、右京らの助けを受け、不正を明らかにした】
 という話だったと思う。亀山は真っ直ぐで、冠城はしたたか(妨害も右京も利用)という違いはあるが……
 それと、協力者・刑事の早田が真犯人なのは有りがちだなあ。
 被害者の女性の名を県警本部長賞の万年筆に刻むというのは、右京にパスワードに到達させるためとはいえ、少し苦しい設定。(パスワードを被害者女性にして、犯人特定の拠り所にするのは良い)

 それはともかく、
冠城の右京への信用度
 「眼鏡、靴についた𡈽、置きっぱなしの鞄」……細かいところが気になる右京にだけ判るシグナルを送る。右京の洞察力・推理力・捜査力についての信用度は高いようだ

 「警察官の右京が、警察を摘発するか…それは賭けでした」と右京に告げる。
 もちろん、用意周到で、もし、冠城の身に何かあったら法務省の日下部事務次官に情報が届くように手配済みで、右京ごと摘発してしまえばいいと考えていた。
 ただ、
「あなたは必ず、警察官を摘発すると思っていました。
 ………あなたは、自分の相棒も逮捕した人ですから」
 と、辛辣な言葉を浴びせる。
 冠城が皮肉屋で、いわゆる“ツンデレ”か、(事情を知っていた上での)揶揄かとも思ったが、
 真顔だったし、お礼も右京の方を向かずに頭を下げていたので、今のところ、好意は持っていないと考えるのが妥当か。

 甲斐享を逮捕したのは当然だったし、相棒を強請ったり、殺してしまった今回の“或る相棒たち”の方が、遥かに下衆である。


相変わらず友だちのいない甲斐峯秋
 特命係を利用して、気に入らない副総監を追い落とす老獪さを見せたが、右京にも冠城にも無下に拒否されてしまう。今年も誕生日はひとり寂しくか……
 2度もお茶を拒否される場面に立ち会った大河内って……


人手が足りずに駆り出されたが
 県警追求のシーンで駆り出された、伊丹、芹沢、大河内。前回に続いて、右京にいいように使われてしまった捜一コンビだが、正義の燃えていて格好良かったぞ。 

埼玉中央署署長と副総監
 「警察官は警察を守る……それが、警察という組織だ」と言い切り、協力に現れた右京らの登場を喜んで迎え入れていたが、滑稽だった。埼玉県警には右京の情報は届いていないのかもしれない。
 「副総監には話が付いている」と強がっていたが、峯秋に嫌味を言っていただけで、何も圧力を掛けていなかったような。
 副総監は隠ぺい工作に加担したとして、追い落とされたようだが、とんだトバッチリである。初登場し、あっけなく退場してしまった。


 今回も事件の真相は見えていたし、亀山の葛藤などの心理描写も浅かった。
 相棒の出世を妬み刑事を辞めた千原。その辺りの心情、また、その後の人生の描写も薄かった。
父・千原の非道さを冷静に受け止め、「警察の中にも正義を全うする人がいる」と冠城をたしなめ、新たに歩みを進めていくって、強すぎ。

 冠城と右京の探り合いは面白い。



【ストーリー】番組サイトより
 首席監察官の大河内(神保悟志)が、峯秋(石坂浩二)を通じて、右京(水谷豊)に亘(反町隆史)の様子を問い合わせてきた。
 亘は最近、ある組織について調べているようなのだが、知っていることがあったら教えてほしいという。その場では亘を「単なる同居人」とそっけなく答えた右京だが、秘密裏に動いている彼の動向には興味をひかれたようで、周辺を調べ始める。
 そんな中、亘が2人組の男に襲われ、「余計なことは調べるな」と脅迫される事件が発生。その窮地を、尾行していた右京のおかげで逃れることができた亘は、事情を説明する。
 亘の旧友で、元埼玉県警の刑事・千原(関戸将志)の遺体が発見され、自殺で処理されたのだが、その死に疑問があるという。退職後、フリーのジャーナリストだった千原が、当時調べていたのが県警の所轄署。右京は、千原の元相棒で、今回の一件で亘に協力していた県警の刑事・早田(宅間孝行)に、「後は自分たちに任せてほしい」と告げ、亘と共に背景を探り始める。

 元刑事の死の真相を県警が隠ぺいしている可能性が浮上
 警察という巨大組織を揺るがす不都合な真実とは!?
 右京と亘、一筋縄ではいかない2人が衝撃の真相を解き明かす!

ゲスト:宅間孝行

脚本:真野勝成
監督:橋本一
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【歳時メモプラス】 虫の声

2015-10-22 19:08:47 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 8日連続、晴れの日が続いています。このまま、ずっと、秋だったらいいのに。
 灯油代も電気代も少しで済みますし。

 昼間の狩猟(いちごと散歩)中、草原でいちごが飛び跳ねます。バッタやコオロギと遊んで?いるのです。遊ばれている方は、迷惑そうなので、そっと彼らを安全圏に逃がしてあげます。
 そう言えば、虫たちはいつまでいるのだろう?
 夜の散歩中、草原から虫の声が絶え間なく聴こえてきます。ただ、以前とはステレオ感が乏しくなった気がします。
 落葉樹の緑に力がなくなり、落葉がチラホラ。
 哀愁をそこはかとなく感じています。
 もの悲しいのは、王将リーグで、羽生名人が糸谷竜王に敗れたせいです。
 糸谷竜王に負けると、悔しさが大きいのは、気のせい?

 ともあれ、王座戦最終局は勝って欲しいです。
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土曜ワイド劇場「警視庁捜査一課長~ヒラから成り上がった最強の刑事!」第5作

2015-10-21 13:06:22 | ドラマ・映画
「ヒラから成り上がった最強の刑事!」という触れ込みだが、刑事としての信念は讃えられるが、その技量はとても“最強”とは思えないダメっぷりであった。

 そう言えば、前作「夫に1億円の保険をかけた2人の美人妻!! カレーとタマネギのアリバイトリック」の感想記事でも、「すべてにおいて、相当ひどかった」と言及し、捜査一課長の大岩についても「ダメダメな捜査一課課長・大岩」と糾弾している。
 この前作でも、大岩が過去に捜査した事件が未解決のままだったことが、更なる事件を起こしており、今回も同様の失態だった。

 今回の事件の根源となった2年前の殺人だが、そのキーポイントとなったのが、死体発見現場と殺害現場が異なっていたこと。しかし、遺体の状況や現場の血痕の量などから、沢口靖子(科捜研の女)、名取裕子(法医学教室の事件ファイル)、六角精児(相棒)なら、遺体が運ばれてきたことなど一目瞭然であろう。


斉藤由貴さんの扱い
 殺害予告が多数者の目に触れるネットの掲示板に投稿されたことに疑問を持った平井真琴・警視庁捜査一課・現場資料班主任(斉藤由貴)の方が、鋭い。
 大岩も「大福(真琴の愛称)の勘は特別だ。頭に入れておこう」と尊重するが、斉藤由紀さんを尊重したシリーズを通しての気配りだろうが、大岩(内藤さん)にとっては気の毒な配慮だ。
 とは言え、番組サイトのあらすじに平井真琴(斉藤由貴)が登場しないのは、どういうことなのか……


サスペンスファンならば
 死体発見現場に水越絹香(黒谷友香)が身に着けていたミサンガと通信履歴から絹香に容疑が掛かったのだが、わざとらしく遺体のそばに置かれていたミサンガを見て、わざとらしく驚いた志村尚美(有森也実)が真犯人であることは、通常の視聴者なら察してしまうわざとらしさであった。


“見つけの山さん”の悲哀
 “見つけの山さん”こと、捜査一課庶務担当管理官・小山田大介(金田明夫)が、家宅捜索で証拠品のジョギングシューズを靴箱から発見し、皆に讃えられるのも気の毒。もっと、活躍させてあげなよ。一番最後に捜索開始した小山田のため、靴箱を残しておく一課の刑事たちは優しいなあ。


土曜ワイド得意の長~いサブタイトル
「美人容疑者が刑事と偽装結婚!?晴天なのに雨傘を持つ母娘のアリバイトリック…お洒落に散歩する死体の謎」
・実際は偽装結婚ではなかった。……しっかり「?」マークが入っている(笑)
・かなりドラマが進んだところでアリバイの検証。そして、すぐに真相解明。
・これもかなり最後の方で、スポットが当たり、犯行現場と死体発見現場とが違っていたというヒントに。
 ドラマ前半で提示しないと、視聴者にとっては「後出しジャンケン」にしかならない
 
不可解な絹香の行動
激しく納得ができないのは、浴衣美人コンテスト・花火大会の夜、事件の真犯人を教えてやるという河原茂樹(宮川一朗太)の誘いに、幼い娘をうっちゃって、ホイホイついていってしまい、朝帰りって、ありえない。
 あと、社長秘書・2年前の被害者の娘の東条沙知絵(岩田さゆり)が殺害された現場に絹香が居合わせたのは、結局、偶然だったのかなあ…

宮川一朗太さんの事情
 そう言えば、宮川一朗太さん、裏番組の『一千兆円の身代金』(フジテレビ)で宮坂管理官役で出演していたけれど……。ネット上では土曜ワイドの出演情報がきわめて少なかったのは、そう言う事情のせいなのだろうか?(河原茂樹の役名を調べるのに苦労しました)

捜査一課長の妻・小春の嘘
 捜査中に大岩は妻・小春(床嶋佳子)を見かけたが、小春は「そんな場所に行っていない」と言う。
 実は、体調に変調を感じ、診察を受けていたのだが、夫に心配を掛けないよう嘘をついたのだ。
 診察の結果は、「食べ過ぎ」………………………………


 サスペンスとしては粗があり過ぎだが、「土曜ワイドを楽しむ会」の会員としては、楽しむことができる(そんな会はありません)。
 ただ、大岩の過去の事件の不手際から事件が起きるというパターンはやめてほしい。



【ストーリー】番組サイトより
 大岩純一(内藤剛志)は、都内で発生した凶悪事件すべての捜査本部の指揮を執る、警視庁捜査一課長。最愛の娘を病気で亡くし、妻の小春(床嶋佳子)と2人暮らしをしている。
 早朝、ジョギング中だったアパレルメーカー社長秘書・東条沙知絵(岩田さゆり)が何者かに刺殺された。犯人の狙いは一緒に走っていた社長の志村尚美(有森也実)だったが、沙知絵が巻き添えとなって殺されたのだ。2人の会社のインターネット掲示板には2週間前から尚美の殺害予告が書き込まれており、現場に駆け付けた沙知絵の恋人でモデルの宇佐美祐介(竹財輝之助)と尚美は、相談していたのに有効な対策を講じなかった警察の失態を責め立てる。
 捜査一課庶務担当管理官・小山田大介(金田明夫)から連絡を受けた大岩は、逃走中の犯人を確保すべく緊急配備を指示し、臨場。現場に到着した大岩は、野次馬の中に過去の事件関係者の姿を見つけてハッとなる。その女性、水越絹香(黒谷友香)は「一課長なら、必ず犯人を捕まえますよね?」と挑戦的な眼差しで大岩をにらみつけた。
 実は、絹香は2年前、沙知絵の父・東条克典(金山一彦)を殺害した容疑で逮捕された過去のある女性だった。東条は高名な服飾デザイナーで、当時、絹香は東条のもとでデザインを学んでおり、2人は特別な関係にあったと周囲から噂されていた。当時の捜査員のほとんどが絹香を犯人とにらんでいたが、刑事の中で水越和行(デビット伊東)ひとりだけは、絹香の無実を主張。やがて証拠不十分で釈放された絹香は、その3カ月後に、刑事を辞めた水越と結婚し、現在は小学生になる絹香の娘・奈々(矢崎由紗)と共に3人で暮らしていた。
 一方、沙知絵を殺して逃げた犯人を追っていた小山田は、花火大会の会場に紛れ込んだ怪しい人影を発見し、周囲を包囲する。ところが次の瞬間に、会場で突然火災が発生。その騒ぎに乗じて、たまたま会場に来ていた絹香が、謎の男に連れ去られる事態に発展する!!

脚本:石原武龍
監督:猪原達三
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A級順位戦、全勝対決は佐藤天彦八段が制す

2015-10-20 22:25:13 | 将棋
 昨日の記事をアップした時点では、渡辺棋王優勢から怪しい雰囲気が漂い始めていた。
 渡辺棋王は好きな棋士、佐藤天彦八段も魅力のある棋士だ。ただ、「渡辺棋王は竜王戦の逆転負けから立ち直ってほしい」という思い、また、「佐藤天八段は、ここで敗れて、少しでも調子を落として王座戦最終局を迎えてほしい」という打算もあり、渡辺竜王に勝ちを願って、床に就いた。

 今朝、棋譜を並べてみて、改めて、≪佐藤天彦、恐るべし≫と感じた。
 残り時間が切迫する中、辛抱強く指し手が乱れない。特に、受けの踏み込みが強く、簡単には土俵を割らない。

 実は、いつもの如く、ダラダラと対局内容を書き始めたのですが、有料サイトの内容を日が経たないうちに、事細かに書いてアップするのはどうかと思い、一番印象に残った手だけを挙げることにしました。


 これは相当、辛い手だ。
 桂取りを甘受し、7五に金を打たれる手を防ぐ。先手玉周辺の強化を優先させたのだ。
 しかも、7六に打たれた歩は、直前に△3六角(第6図)と飛車取りに出られた際、後手が手にした歩だ。

 この手に対し、佐藤八段は飛車を逃げ、△7六歩に▲8六銀と受けたのだ。
 △3六角と出られた時には、佐藤八段の残り時間は5分。時間切迫の中、2分の考慮で飛車を逃げ、1分で銀を打ったのだ。ちょっと出来ない辛抱である。

 
 ただし、局後の感想では
「“▲8六銀は緩手だった”と佐藤。形勢はハッキリと後手がよくなった。“本局で最も差が広がった局面”と渡辺はいう」
 とある。
 しかし、この辛抱こそ、佐藤八段の強さである。
 
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A級順位戦 4回戦進行中

2015-10-19 23:27:56 | 将棋
 今期のA級順位戦、序盤は星が偏った。
 2回戦を終えて
1.行方 八段 2勝0敗(○久保、○佐藤康)
2.渡辺 棋王 2勝0敗(○広瀬、○久保)
3.久保 九段 0勝2敗(●行方、●渡辺)
4.広瀬 八段 0勝2敗(●渡辺、●佐藤天)
5.深浦 九段 1勝1敗(○郷田、●屋敷)
6.郷田 王将 0勝2敗(●深浦、●森内)
7.森内 九段 2勝0敗(○屋敷、○郷田)
8.佐藤康九段 0勝2敗(●佐藤天、●行方)
9.佐藤天八段 2勝0敗(○佐藤康、○広瀬)
10.屋敷 九段 1勝1敗(●森内、○深浦)

2回戦は 行方(1勝) - 佐藤康(1敗)
      渡辺(1勝) - 久保 (1敗)
      深浦(1勝) - 屋敷 (1敗)
      森内(1勝) - 郷田 (1敗)
      佐藤天(1勝)- 広瀬 (1敗)
 と、奇しくも「初戦勝者 対 初戦敗者」の組み合わせとなり、
 深浦-屋敷戦以外は、初戦勝者が勝ち、2連勝4人(行方、渡辺、森内、佐藤天)、2連敗4人(久保、広瀬、郷田、佐藤康)と成績の明暗が分かれた。1勝1敗は2人(深浦、屋敷)。
 それにしても、1、2回戦は、昨期のプレーオフ進出者(上位4人・行方、渡辺、久保、広瀬)同士の対戦が多い。

3回戦は 行方(2勝0敗) - 渡辺 (2勝0敗)
      森内(2勝0敗) - 佐藤天(2勝0敗)
      深浦(1勝1敗) - 久保 (0勝2敗)
      屋敷(1勝1敗) - 広瀬 (0勝2敗)
      郷田(0勝2敗) - 佐藤康(0勝2敗)という組み合わせ。
 何と、2連勝同士の組み合わせとなった。

結果は  ●行方(2勝1敗) - ○渡辺 (3勝0敗)
      ●森内(2勝1敗) - ○佐藤天(3勝0敗)
      ●深浦(1勝2敗) - ○久保 (1勝2敗)
      ○屋敷(2勝1敗) - ●広瀬 (0勝3敗)
      ●郷田(0勝3敗) - ○佐藤康(1勝2敗)
 3回戦を終えて
3勝0敗……渡辺棋王(2位)、佐藤天八段(9位)
2勝1敗……行方八段(1位)、森内九段(7位)、屋敷九段(10位)
1勝2敗……久保九段(3位)、深浦九段(5位)、佐藤康九段(8位)
0勝3敗……広瀬八段(4位)、郷田王将(6位)

 実力者ぞろいのA級棋士、どんな目が出ても不思議ではないが、新八段の佐藤天八段の3戦全勝が光る。相手は佐藤康九段、広瀬八段、森内九段と弩級が揃う。と言っても、A級は皆弩級なのは当たり前(特に今期は強力メンバー)。
 渡辺棋王は流石。順当と言うべきか。
 行方八段もここ2年(3位・6勝3敗、名人挑戦・6勝3敗)の充実ぶりをそのまま示している。
 森内九段も流石の成績だが、3戦目の敗戦で、2連勝後4連敗で寒い思いが心をよぎる。
 広瀬八段は後ろを見る必要はないと思われていたが、まさかの3連敗。


 4回戦も既に3局が消化されている。
▲広瀬八段(0勝3敗)-△森内九段(2勝1敗) 10月1日
 角換わり腰掛け銀から、後手の森内九段が右玉に変化。
 右玉の是非と言うより、森内九段の指し手にやや難があり、勝ちにくい将棋となってしまった。終盤、難しくなったかという局面もあったが、森内九段の勝ちの局面はなかったようだ。(この将棋の解説役だったのか、伊藤果七段のコメント(解説)がよく紹介されていたが、あまり当てにならなかった)
  ○広瀬八段(1勝3敗)
  ●森内九段(2勝2敗)


▲久保九段(1勝2敗)-△郷田王将(0勝3敗) 10月2日
 久保九段の角道を開けたままの向かい飛車。
 力戦、手将棋となり、押し、引き、ねじり合いの中盤が続いたが、辛抱強い指し手を続けた郷田九段が勝利。
  ○郷田王将(1勝3敗)
  ●久保九段(1勝3敗)


▲行方八段(2勝1敗)-△屋敷九段(2勝1敗) 10月8日
 矢倉模様から後手番の屋敷九段が、最近多用している銀2枚を前線に繰り出す急戦に(玉形が薄くて、真似をする気にはならない)。
 機敏に動いた屋敷九段が局面をリードし終盤に。
 屋敷九段に緩手が出て、形勢逆転するも、斬り合いの手勝ちと見た行方八段に誤算があり、屋敷九段の勝利。
  ○屋敷九段(3勝1敗)
  ●久保九段(2勝2敗)
 屋敷九段は降級候補かと思っていたが、初戦の敗局後3連勝(3勝1敗)と、挑戦権争いに加わってきた。御見それしました。


▲佐藤天八段(3勝0敗)-△渡辺棋王(3勝0敗) 10月19日(本日)
 3戦全勝同士の大一番。
 3回戦が準決勝で、本局が決勝戦のような巡り合わせ。
 渡辺棋王は糸谷竜王に挑戦中(現在0勝1敗)、佐藤八段は羽生王座に挑戦中(現在2勝2敗)。
 似た状況だが、渡辺棋王は4連敗中(王将リーグ2敗、JT杯、竜王戦第1局)、佐藤八段は4勝1敗(直近で葉王座戦第4局での敗戦)。
 角換わり腰掛け銀で、先手の佐藤八段が先攻したが、渡辺棋王が銀桂交換(駒損)で得た桂を攻めに使い反撃。激しい戦いとなったが、終盤の入り口で、渡辺棋王が斬り合いを選ばず、自陣に手を戻す。
 やや妥協した手順で、駒の損得は先手に利があるが、自玉の安全度を重視したようだ。
 この後、自玉の安全度を増した後、再び寄せを目指す渡辺棋王に対し、攻め合いに成算が持てなかった佐藤八段が受けに回る。
 23時20分現在、87手、残り時間、佐藤天八段2分、渡辺棋王1時間9分。
 粘りに出ている佐藤八段だが、2分の残り考慮時間が、苦しさを反映しているようだ。


▲佐藤九段(1勝2敗)-△深浦九段(1勝2敗)は、21日に行われる。
 1勝2敗同士、裏の大一番。
 勝てば挑戦権争いにも加われるが、敗れると少し背中が寒くなる。
 ただ、既に1勝3敗が久保九段(3位)、広瀬(4位)、郷田王将(6位)と3人いるので、まだまだこれからという状況だが、深浦九段(5位)、佐藤九段(8位)と順位が高くないので、敗れると暫定で降級圏内に陥ってしまう。
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第28期竜王戦(糸谷哲郎竜王 対 渡辺明棋王) 第一局 感想

2015-10-19 11:53:56 | 将棋
第28期竜王戦(糸谷哲郎竜王 対 渡辺明棋王) 糸谷竜王が先勝
 戦前の予想は“渡辺有利”だったが、糸谷竜王が第1局を制した。しかも、後手番の横歩取り戦で。
 糸谷竜王用意の作戦だったらしいが、「序中盤でだいぶ苦しくしてしまった」という感想。渡辺棋王も優勢を感じていたが、終盤、受けを間違えてギリギリの将棋になってしまい、最後は競り負けた格好。
 序中盤は有利に進めていたとはいえ、横歩取りの将棋を落としてしまったことは、予定外の敗戦。今後も横歩取り戦も視野に入れて準備をしなければならなくなったのは、誤算(負担)か。
 それにしても、糸谷竜王の差し脚は鋭い。「後方から一気に追い込み、しばらく併走後、相手を後方に追いやる」……そんな感じだ。
 思い浮かぶのは、今期のNHK杯の井上九段戦。≪これは勝ったやろ≫と井上九段が思ったところ、糸谷竜王の角打ち。苦し紛れの受けに見えたが、この角打ちで自陣の急な寄せがなくなり、さらに、相手玉の急所を睨んでいた。急転直下の逆転。
 おそらく、井上九段の猛攻を受けている中、攻防の角が放てる局面を描き、誘導していたのではないだろうか……

 糸谷竜王は不利になっても決定打を与えない。それも、≪一見、ありがたい≫と思える変則的な手が多い。実際、わずかに差が広がることが多いような気がする。そんな手が数手あり、対局相手は、≪かなり、良くなった≫という感触がある。しかし、その感触ほどは開いておらず、その形勢判断、局面分析のズレが、指し手を狂わせるのではないだろうか。
 第1局の場合、△6二角がそれで、糸谷竜王の主張点である“持ち角”の優位性を手放す角打ち。1筋の攻めを見た手だが、先手にはそれを上回る手段がいくつもある。
 後で考えると、≪渡辺棋王に動いてもらおう≫という開き直りの手で、片美濃の玉形の補強を意図した角打ちだったように思う。
 そして、終盤、△3五角と要所に飛び出し差し脚を発揮!おそらく、角を打った時、おぼろげに△3五角と飛び出す手を見ていたのではないだろうか。


 渡辺棋王にして、糸谷竜王の術中に嵌まってしまったかのような逆転負け。
 映像を観ていないので何とも言えないが、糸谷竜王と長時間、相対していると、ペースが乱れてしまうのだろうか?
 封じ手の際のちょっとしたハプニングがあったらしいが、その他に、指し手のタイミング、着手の手つき、対局姿勢……何か、心が揺らめく要素がちらつくのだろうか?
 
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