(先週でレビューは最後のはずでしたが)
解ける(ほどける)心
薩摩出身のリツは、八重が会津の者と知り、かたくなに拒む。
最初は「朝敵の会津」として嫌っていたのかと思ったが、戊辰戦争の際、父を会津で亡くした。しかも、“女の鉄砲撃ち”に撃たれたとのこと。
結核で倒れたリツを必死に看病し、リツの心もほどけていく……このシーンは良かった。非常に良かった(今回のレビューを書く要因)。残り回数が少ないせいか、打ち解けるのが早すぎだとは思ったが。
しかし、会津戦争終結から10年、リツの身の上を知り、初めて自分の犯した罪に気付くというのはどうかと思う。シーン的には、このリツを看病する時が最適だと思うが、人生として考えた場合は、あまりにも遅すぎる。
前話の西南戦争の際にも感じたが、「朝敵と扱われてしまった会津の無念さや薩摩・長州への恨みを八重が心の整理をしていない」点と同様に、今回初めて「戦とは言え、人の命を奪うことの罪」について、八重が初めて向き合うという不自然さを感じた。
会津戦争での八重の諸々の心の傷を、ドラマの進行に合わせて解消していくことに、私はどうしても抵抗を感じてしまう。
【追記】
前話において、西南戦争勃発を聞いた八重が、「日本人同士が、また銃を撃ちあうなんて」と戦争することの愚かさを嘆いていましたが、そこに至るには、本人の行為(鉄砲で人を撃った)を顧みていなければなりません。
コメント欄で、かみしろさんが
「なんだかカリキュラムを消化する感じで、あまり葛藤している風に見えないですよね。
人間一通りのことが終わった後は、大体葛藤を経て原点を再確認したり元の地点に戻ってきたりするうちに、螺旋階段を登るように少しずつしか進めないものなんですが、そういう感じがしないです」
と仰いましたが、うまい表現でその通りだと思います。
【追記2】
リツは架空の人物らしいです。
また、史実では八重は薩摩出身者を冷遇したとあります。
わざわざ架空の人物を出して、八重を美化するのに、嫌気を感じた。
肉親を八重に撃たれたという架空の人物を出すなら、もっと早い時点で登場させて、八重に戦の罪と向き合わせてほしかったです。
★番組サイトの解説(以下の青字の部分)は違うと思う
同じ痛みを持つ者として…
戦争で父と弟を失った八重。同志社女学校にやってきた薩摩出身の女学生・リツもまた、同じく会津戦争で肉親を亡くしていて…。怒りと悲しみを抱えながら生きる彼女に、八重が伝えた思いとは?
八重自身もドラマの中で、リツと自分は違う。リツは薩摩にいたというだけで普通の人、自分は鉄砲を撃って人の命を奪った。しかも、リツの父の命を奪っていた。
親の仇を「同じ痛みを持つ者として」としてしまわれたら、激怒であろう。
この番組サイトの製作者は細心の注意を払わない(無神経)とよく感じる。
【ストーリー】番組サイトより
八重(綾瀬はるか)と襄(オダギリジョー)の念願がかない、女子教育の場となる同志社女学校が誕生した。しかし開校後まもなく、リツ(大後寿々花)という名の薩摩出身の女学生が結核にかかってしまう。
八重はリツを自分の家に移して献身的に看病をするが、10年前の会津戦争で父を亡くしたリツは八重をかたくなに拒む。八重は自分の過去を責めて落ち込むが、あきらめずにリツを看護し続ける。その結果、2人は互いの心の内をさらけ出し合って打ち解け、リツの容体も安定していく。
一方、覚馬(西島秀俊)は同志社女学校の新校舎の土地を手に入れるため、京都府顧問の職を退任。新しい学校づくりへ向けて、襄たちと共に動き出す。
解ける(ほどける)心
薩摩出身のリツは、八重が会津の者と知り、かたくなに拒む。
最初は「朝敵の会津」として嫌っていたのかと思ったが、戊辰戦争の際、父を会津で亡くした。しかも、“女の鉄砲撃ち”に撃たれたとのこと。
結核で倒れたリツを必死に看病し、リツの心もほどけていく……このシーンは良かった。非常に良かった(今回のレビューを書く要因)。残り回数が少ないせいか、打ち解けるのが早すぎだとは思ったが。
しかし、会津戦争終結から10年、リツの身の上を知り、初めて自分の犯した罪に気付くというのはどうかと思う。シーン的には、このリツを看病する時が最適だと思うが、人生として考えた場合は、あまりにも遅すぎる。
前話の西南戦争の際にも感じたが、「朝敵と扱われてしまった会津の無念さや薩摩・長州への恨みを八重が心の整理をしていない」点と同様に、今回初めて「戦とは言え、人の命を奪うことの罪」について、八重が初めて向き合うという不自然さを感じた。
会津戦争での八重の諸々の心の傷を、ドラマの進行に合わせて解消していくことに、私はどうしても抵抗を感じてしまう。
【追記】
前話において、西南戦争勃発を聞いた八重が、「日本人同士が、また銃を撃ちあうなんて」と戦争することの愚かさを嘆いていましたが、そこに至るには、本人の行為(鉄砲で人を撃った)を顧みていなければなりません。
コメント欄で、かみしろさんが
「なんだかカリキュラムを消化する感じで、あまり葛藤している風に見えないですよね。
人間一通りのことが終わった後は、大体葛藤を経て原点を再確認したり元の地点に戻ってきたりするうちに、螺旋階段を登るように少しずつしか進めないものなんですが、そういう感じがしないです」
と仰いましたが、うまい表現でその通りだと思います。
【追記2】
リツは架空の人物らしいです。
また、史実では八重は薩摩出身者を冷遇したとあります。
わざわざ架空の人物を出して、八重を美化するのに、嫌気を感じた。
肉親を八重に撃たれたという架空の人物を出すなら、もっと早い時点で登場させて、八重に戦の罪と向き合わせてほしかったです。
★番組サイトの解説(以下の青字の部分)は違うと思う
同じ痛みを持つ者として…
戦争で父と弟を失った八重。同志社女学校にやってきた薩摩出身の女学生・リツもまた、同じく会津戦争で肉親を亡くしていて…。怒りと悲しみを抱えながら生きる彼女に、八重が伝えた思いとは?
八重自身もドラマの中で、リツと自分は違う。リツは薩摩にいたというだけで普通の人、自分は鉄砲を撃って人の命を奪った。しかも、リツの父の命を奪っていた。
親の仇を「同じ痛みを持つ者として」としてしまわれたら、激怒であろう。
この番組サイトの製作者は細心の注意を払わない(無神経)とよく感じる。
【ストーリー】番組サイトより
八重(綾瀬はるか)と襄(オダギリジョー)の念願がかない、女子教育の場となる同志社女学校が誕生した。しかし開校後まもなく、リツ(大後寿々花)という名の薩摩出身の女学生が結核にかかってしまう。
八重はリツを自分の家に移して献身的に看病をするが、10年前の会津戦争で父を亡くしたリツは八重をかたくなに拒む。八重は自分の過去を責めて落ち込むが、あきらめずにリツを看護し続ける。その結果、2人は互いの心の内をさらけ出し合って打ち解け、リツの容体も安定していく。
一方、覚馬(西島秀俊)は同志社女学校の新校舎の土地を手に入れるため、京都府顧問の職を退任。新しい学校づくりへ向けて、襄たちと共に動き出す。