英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

夏の名残

2014-11-30 16:12:32 | 歳時
トサカケイトウ(10月16日撮影)


 9月9日の記事「キバナコスモスとケイトウ」で、ウモウケイトウをご紹介しましたが、こちらはトサカケイトウです。
 ケイトウというと夏のイメージを持っていたのですが、夏から秋にかけて咲くとのことで、記事タイトルとは少しズレるかもしれません。

マツヨイグサ(待宵草)(11月6日撮影)

 マツヨイグサの仲間には、マツヨイグサ(待宵草)、コマツヨイグサ(小待宵草)、オオマツヨイグサ(大待宵草)、メマツヨイグサ(雌待宵草)がありますが、私がよく見かけるものは「メマツヨイグサ」ではないかと推測しています(2012年9月10日の記事「メマツヨイグサ【8月2日撮影】」)。今回のものは、草丈が低いのでコマツヨイグサ(小待宵草)かもしれません(季節外れが原因で丈が低いのかもしれません)。
 アカバナ科マツヨイグサ属。北アメリカ原産の越年草で明治後期渡来の帰化植物で、花期は6~9月で、今回の写真のモノはかなり時期が外れています。(実際、今でも咲いているのを見かけます)

イモカタバミ(芋片喰)(11月12日撮影)


 当ブログにはこれまで何度も登場しています(2010年2011年2012年)。
 今年も5月13日記事「小さき花たち……和蘭耳菜草、烏野豌豆、蒲公英、芋片喰、そして…」で顔を見せてくれています。
 春になると見かけるので、春の花のイメージを持っていましたが、花期は4~9月だそうです。そう言えば、夏でも秋でも見かけます。
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『将棋世界』12月号  ~竜王戦展望対談……森下九段×中村太六段~

2014-11-30 01:11:32 | 将棋
「竜王戦七番勝負展望 森下卓九段×中村太地六段」
 「森内竜王、糸谷挑戦者の強さ、棋風、将棋観の分析」、「初タイトルの緊張感、重圧など」、「世代対決の考察」と興味深い話が続いた。
 ただ、世代交代の解釈に関して、森下九段は、
「谷川先生が四冠を達成した1992年は未だ中原先生と米長先生が健在で、新しい時代に移行したとは受け止められていなかったし、自分もそう思いませんでした。やはり(世代交代は)羽生さん以降でしょう。
 また、谷川先生の年に近い、55年組の先生方がタイトルを占めたこともありましたが、やはり新しい時代が来たとは思えなかった。もちろんすごいとは思いましたが、中原先生と米長先生の巻き返しがあるはずだと。
 ただ羽生さん以降が上からタイトルを獲ったときは巻き返せるという感じが全くありませんでした」

と述べていたが、≪それはちょっと違うんじゃないのかな?≫と引っ掛かりを感じた。
 確かに、両巨頭は新世代を跳ねのける強さを見せていたし、さらに大山名人も超人的な強さを維持していて、「“世代交代”が完了した」という印象がないまま、羽生七冠が登場してしまったという記憶がある。

 森下九段は先の発言の前に、「世代交代」の定義として
「今期の糸谷さんと豊島さんが勝っても、まだ羽生さんが三冠、渡辺さんが二冠ですよね。これでは世代交代とは言えません。
 七冠のうち5つ、できれば6つを若い世代が取って初めて世代交代と言えるのではないでしょうか。
 羽生さんが初めて名人を取った1994年度以降、中原先生と米長先生はタイトルを獲れなかった。そこまでいって初めて世代交代と言えます」

 これが適正な基準かはともかく、過去のタイトル戦を検証してみたい。
 

1983年度
名人 谷川-加藤(4-2)新名人誕生
棋聖 森安-中原(3-2)
    米長-森安(3-1)
王位 高橋-内藤(4-2)
王座 中原-内藤(2-1)
十段 中原-桐山(4-2)
棋王 米長-森安(3-1)
王将 米長-森 (4-1)

1984年度
名人 谷川-森安(4-1)
棋聖 米長-谷川(3-0)
    米長-中村(3-2)
王位 加藤-高橋(4-3)
王座 中原-森安(3-2)
十段 米長-中原(4-3)
棋王 桐山-米長(3-1)
王将 中原-米長(4-1)

この2年は、谷川が名人を獲得し、高橋が王位戦で続いたものの、翌年王位失冠。中村が米長棋聖に挑戦するも失敗と、まだまだ旧世代の壁が厚かった。

1985年度
名人 中原-谷川(4-2)
棋聖 米長-勝浦(3-1)
    米長-中村(3-0)
王位 高橋-加藤(4-0)
王座 中原-谷川(3-1)
十段 米長-中原(4-3)
棋王 谷川-桐山(3-0)
王将 中村-中原(4-2)

谷川が名人を失冠したが棋王位を奪取、高橋が王位復位、中村もタイトル3度目の挑戦で王将位に。新世代が3タイトルを保持。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中6人が新世代。


1986年度
名人 中原-大山(4-1)
棋聖 桐山-米長(3-1)
    桐山- (3-1)
王位 高橋-米長(4-0)
王座 中原-桐山(3-0)
十段 福崎-米長(4-2)
棋王 高橋谷川(3-1)
王将 中村-中原(4-2)

高橋が2冠(王位・棋王)を保持、中村も王将防衛の他、福崎が十段位に。7タイトル中4タイトルを新世代。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中6人が新世代。


1987年度
名人 中原-米長(4-2)
棋聖 桐山-西村(3-0)
     -桐山(3-0)
王位 谷川高橋(4-1)
王座 塚田-中原(3-2)
十段 高橋福崎(4-0)
棋王 谷川高橋(3-2)
王将  -中村(4-3)

谷川(王位・棋王)と南(棋聖・王将)が2冠、塚田(王座)、高橋(十段)と6冠を制覇。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中10人が新世代。
ここ3年で、新世代のタイトル保持数が3→4→6と着々と世代交代が進行し、この年度で完了したと見ることができる(“森下定義”もクリア)。



1988年度
名人 谷川-中原(4-2)
棋聖 田中- (3-2)
    中原-田中(3-2)
王位 森 -谷川(4-3)
王座 中原-塚田(3-0)
竜王  -米長(4-0)
棋王  -谷川(3-2)
王将  - (4-0)

十段戦が発展解消し、初代竜王に島が。谷川も名人復位。南が棋聖を田中寅に奪われ(後期で中原が奪取)、王位、王座と森、中原の逆襲にあったが、棋王、王将の2冠を南が保持。新世代が4タイトル(2大タイトルを含む)を保持。
タイトル戦登場棋士は、のべ16人中9人が新世代。


1989年度
名人 谷川-米長(4-0)
棋聖 中原- (3-1)
    中原-屋敷(3-2)
王位 谷川-森 (4-1)
王座 中原-青野(3-2)
竜王 羽生 (4-3)
棋王  -大山(3-0)
王将 米長- (4-3)

新世代対旧世代は3対2で拮抗。タイトル数も谷川(名人・王位)、南(棋王)、中原(棋聖・王座)、米長(王将)と3対3。
しかし、ここで羽生が登場!島を破り竜王位に。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中6人が谷川世代。


1990年度
名人 中原-谷川(4-2)
棋聖 屋敷-中原(3-2)
    屋敷-森下(3-1)
王位 谷川佐藤(4-3)
王座 谷川-中原(3-1)
竜王 谷川羽生(4-1)
棋王 羽生 (3-1)
王将  -米長(4-2)

名人位に中原が復位。失冠した谷川は羽生から竜王を奪取。3世代対抗戦の様相だが、谷川が竜王の他、王位、王座と合わせ3冠。南の王将と合わせ、谷川世代が4冠。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中6人が谷川世代。


1991年度
名人 中原-米長(4-0) 
棋聖  -屋敷(3-1)
    谷川 (3-0)
王位 谷川中田(4-2)
王座 福崎谷川(3-2)
竜王 谷川-森下(4-2)
棋王 羽生 (3-1)
王将 谷川 (4-1)

谷川が4冠(竜王・棋聖・王位・王将)、福崎の王座と合わせて谷川世代が5冠。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中11人が谷川世代。
ここ数年、旧世代の逆襲や、羽生世代の台頭はあった。しかし、谷川の活躍、この年度は実らなかったが南の奮闘もあり、谷川世代の時代到来かと思われたが……


1992年度
名人 中原-高橋(4-3)
棋聖 谷川郷田(3-1)
    谷川郷田(3-0)
王位 郷田谷川(4-2)
王座 羽生福崎(3-0)
竜王 羽生谷川(4-3)
棋王 羽生谷川(3-2)
王将 谷川村山(4-0)

中原が名人を維持するものの、名人戦以外は「谷川世代VS羽生世代」の様相。その結果、羽生が3冠(竜王・王座・棋王)を保持、郷田の王位と合わせ、羽生世代が4と過半数。谷川は棋聖戦で郷田を連破、王将戦で村山を退けたものの、王位、竜王、棋王で敗れる。福崎も王座を羽生に奪われ、谷川世代のタイトルは2に減少。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中8人が谷川世代。


1993年度
名人 米長-中原(4-0)
棋聖 羽生谷川(3-1)
    羽生谷川(3-2)
王位 羽生郷田(4-0)
王座 羽生谷川(3-1)
竜王 佐藤羽生(4-2)
棋王 羽生 (3-0)
王将 谷川-中原(4-2)

名人戦は旧世代対決で、米長が念願の名人位に。
その他は羽生が4冠(棋聖・王位・王座・棋王)、佐藤が羽生を破り竜王。
谷川は棋聖戦で羽生に2連敗、王座でも羽生に敗れる。辛うじて王将を死守。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中、谷川世代は5人と減少。


 
1994年度
名人 羽生-米長(4-2)
棋聖 羽生谷川(3-1)
    羽生 (3-0)
王位 羽生郷田(4-3)
王座 羽生谷川(3-0)
竜王 羽生佐藤(4-2)
棋王 羽生-森下(3-0)
王将 谷川羽生(4-3)

羽生が名人と竜王の2大タイトルも手中、6冠を保持!
谷川が王将を死守し、羽生の7冠制覇を阻止。
タイトル戦登場棋士、述べ16人中、谷川世代は4人。


1995年度
名人 羽生-森下(4-1)
棋聖 羽生三浦(3-0)
王位 羽生郷田(4-2)
王座 羽生-森 (3-0)
竜王 羽生佐藤(4-2)
棋王 羽生高橋(3-0)
王将 羽生谷川(4-0)

羽生、7冠制覇!
タイトル戦登場棋士、述べ14人中(棋聖が1年1期に)、谷川世代は2人と、タイトル戦登場もままならない。


 この後、谷川が竜王や名人を羽生から奪還するなど意地を見せ、羽生7冠制覇以降、竜王2期、名人1期、棋聖1期、王位2期、棋王1期を保持したが、2003年度の王位、棋王を最後に、タイトル位から遠ざかっている。
 谷川以外の谷川世代?は、1991年度の南(棋聖)、福崎(王座)を最後にタイトル奪還はない。
タイトル挑戦も1997年の王座戦の島以来、遠ざかっている。



 1983年度、谷川新名人。
 1985年辺りから新世代が台頭し始め1987年6冠を占め「世代交代」の感が強くなった。
 この後、旧世代の逆襲、羽生、屋敷のタイトル獲得はあったものの、1991年度には谷川世代が5タイトルを占め、谷川世代が棋界をリードするかと思われたが、羽生が7冠制覇に邁進してしまった。
 羽生に続き、佐藤、森内、郷田、丸山が羽生を追いかけ、谷川世代を飲み込んでしまった。
 谷川はひとり踏みとどまり抵抗したが、力尽きた感がある。情けなかったのは、55年組。少し浮かれていたような気もするが、あまりにも羽生世代の波が早く到達し、その波高が高かったのは不運かもしれない。それにしても、淡泊だった。
 ここで、ひとつ、大きな分岐点に思えたのが、1992年度の名人戦。
 高橋九段が名人位に手が届きかけたが、中原名人が辛くも防衛。この時は実力以外の風が吹いたように感じた。
 それはともかく、ここで高橋名人が誕生していたら、流れは大きく変わっていたかもしれない。


 ここで注目すべきは、1986年~1991年の6年間は谷川世代が棋界をリードしている点。
 現在の時点から観ればたった6年間だが、その当時、それを実感した者にとっては6年間は決して短いものではないはずだ。
 まして、森下九段は若手バリバリの時期で、谷川世代を目標にしていた時期である。実際、1991年には谷川竜王に挑戦しているのである。
 そういう事実もさることながら、私が森下九段の言葉に抵抗を感じた一番の理由は、
一度もタイトルを取っていない棋士が、タイトルを何期も取った先輩たち実績を軽視した点である。



この対談は、最強世代について論じているのだが、ここで森下九段から信じられない言葉が飛び出したのである。(続く)
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夕景(昼景もあり)

2014-11-29 15:54:58 | 歳時
同じような夕景ばかりで、申し訳ありません。
(私も、アップしながら、≪この写真は、アップしたのかな?まだだったかな?≫と混乱しました)

【10月10日撮影(午後5時41~45分)】
「画像テスト ~ jpgとpng ~」と同じ日のモノです。


一路移動して


また、戻ってきてもう1枚。


【10月16日撮影(午後2時13分)】

あまりに良い天気だったので。

【10月18日撮影(午後3時7分)】

 いつもの夕景の、(見かけ上)小山のふもと辺りです。
 左の写真の奥の方にススキが見えます。
 ススキとセイタカアワダチソウが見事に群生しているのですが、私有地で立ち入り禁止なので、ここまでです。
 右の写真は望遠にして撮りました。
 この日も良い天気でした。という訳で、夕焼けも撮りました(次の写真↓)

【10月18日撮影(午後5時40~42分)】



【10月19日撮影(午後5時49分)】


【10月25日撮影(午後0時21分、1時39分)】



この写真は、いつもの撮影地点から東(山より離れる方角)に移動した地点から撮りました。
だから、どうこういう訳でもありませんが(笑)

【11月4日撮影(午後5時16~27分)】


 たまには趣向を変えて、事務所の中から。
 窓枠を敢えて入れて、室内感を出してみました。
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画像テスト  ~ jpgとpng ~

2014-11-28 17:44:51 | その他
いつもはデジタルカメラの画像を、デジタルカメラ内でVGAサイズに圧縮してからPCに取り込んで
さらに画像編集ソフトでjpgやpng-24に変換(圧縮)して、gooブログの画像フォルダにアップロードしています。

PCに取り込んだ時の画像はjpg形式で 168324バイト


png-24に変換したpng画像は355164バイト


 画像ソフトのコマンドは「Web用に保存」でデータを圧縮したはず(つもり)ですが、サイズは大きくなっています。
 画像は、私の主観ですがjpg画像の方がメリハリがあるように思います。
 ということは、余計な作業をしていたことになるのかな?
 

ちなみに、サムネイル画像(jpg画像、png画像の順)

 画像本体がpng画像でも、サムネイル画像はjpg画像のようです。
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『すべてがFになる』 第5話&第6話「すべてがFになる」

2014-11-26 21:50:24 | ドラマ・映画
今回の最重要人物:真賀田四季………
………15年前、当時14歳だった四季は両親を殺害した容疑で裁判にかけられるが、心神喪失が認められ無罪となっていた。9歳でアメリカの大学に入学し11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなるなど、天才プログラマーとしてその名を馳せた四季の事件は、世間を大きく騒がせた。
 以来、四季は研究所に籠り(閉じ込められ)、一度も外出していない。
 ドラマ第1話の冒頭に登場し、モニター越しではあるが萌絵と会話し、「すべてがFになった時、会いましょう」という言葉を残している。


人間離れした頭脳と性格の四季が、再登場。
しかし、それは死体としてだった。しかも、両手足を切断された状態で。
侵入不可能な密室で殺人を犯し、
脱出不能な密室から、監視カメラモニターに映らず消えてしまった殺人者!


数多くの謎………
・「すべてがFになる」の示す意味は?
・なぜ、手足を切断されたのか?
・ウエディングドレスを着ていたのはなぜ?
・犯人はどうやって監視カメラに映らず脱出したのか?
・15年前、四季がつぶやいた「人形が殺した」という言葉の意味は?
・さらに続く殺人
・完璧なはずの管理コンピュータシステム「デボラ」のエラー


そして、最大の謎……
「1人しかいないはずの密室」=「存在できない殺人者」が
いかにして、犯行を行ったのか?


 こういう場合、通常(殺人という異常な状況で「通常」という表現はおかしいが)、自殺であることが多い。
 しかし、この事件の場合、手足が切り取られているので、自殺はあり得ない
 無理やり可能性を追求するとしたら、「運搬ロボットに乗ったまま、何らかの方法で手足を切断し、ミチル(ロボット)にダストシュートから手足を捨てさせた」となるが、不可能に近いし、そうする意味もない。
 死体の状況から、殺害した者がいなければならないが、部屋に侵入は不可能。
 最初は1人、犯行時は2人、しかし、外部から侵入はできない(1人を増やすことはできない)
 となると、「“最初は1人だった”という仮定が間違っている」、あるいは「部屋の中で、分裂して2人になった」ということになる………男性だと不可能、、
、。

 それにしても、14年間(15年間と言っていい)隠し通して、犯行を実行したとは、なんという遠大な計画!
 原作を読んだ時、私は全く考え付かず、確か、「四季は15年前に死んでいて、人工知能と映像で生きていると見せかけていただけ」とか「四季の妹の未来が協力した」とか「四季は初めから部屋にはいなくて、妹の未来を殺害し、妹に成りすまし、妹の遺体を自分の死体に見せかけた」などと、方向違いの推理を延々考えた挙句、降参してページをめくり、真相に衝撃を受けた。
 原作で未来はもう少し言動が多く、魅力的な女性だったように感じたような記憶がある。
 それで、≪あの未来が実は凶悪な姉が演じていた訳がない≫とか、葛藤していたような気もする。
 そのうえ、手足を切り落としたことも、運搬ロボットの積載重量以内にする目的の他に、意味があった(指紋照合を防ぐ、自殺ではないと断定させる)。さらに、死体を運搬ロボットに乗せて動かしたのも、脱出する細工であった。
 その他の防犯カメラの映像をごまかすトリックや、「すべてがFになる」の意味がラストで明かされ、こんがらがっていた糸が、綺麗に解けていく快感を味わえ、感動したのだった……


 それと、衝撃だったのは、
あの、「“人間離れした、何か、しでかしそうな四季”が、いきなり殺されてしまっていた」。しかも、衝撃的な死体で、とういことだ。たぶん、これで度肝を抜かれ、作者に翻弄されてしまったのかもしれない。

 ドラマでも、このシーンはなかなかシュールで衝撃的だったが、欲を言えば、もう少しインパクトが欲しかった。

 ラストで明かされる真の真相(変な表現)、最後も犀川を煙に巻いたのも面白かった。やっぱり、四季は犀川にキスをして欲しかったのかもしれない。


 ドラマ(映像)の辛いところは、肝心な部分も流れて行ってしまうこと。そして、粗が目についてしまうこと。
 いちいち、粗を取り上げなくてもいいように思うが、これも性分なもので……ご容赦を。

・国枝助教の浜中(修士課程2年生・ゼミ幹事)に対する暴力(キック)。これは不快
・室内に子供が住んでいる痕跡(ブロックおもちゃなど)が残っていたのは不自然(わざとかもしれないが)
・『ガリレオ』に対抗するような犀川の推理集中シーンは不要のような気がする。犀川に「必死」は似合わない。
・犀川の「あの部屋に入ることはできない。方法はもう、一つしかないんだよ」の言葉から、
 「そんな…………うそです。信じられません。もし、それが本当なら、悲しすぎます」と、犀川が必死に考えた真相を察してしまう萌絵に、むかつく。

・ドラマ中の「真賀田四季博士」という台詞のイントネーションが変で、「真賀田博士」と聞こえてしまう


【ストーリー】脚本・黒岩勉
『前編』
 西之園萌絵(武井咲)と犀川創平(綾野剛)は、ゼミ旅行と称して真賀田四季(早見あかり)の研究所がある島へやってくる。
 15年前、当時14歳だった四季は両親を殺害した容疑で裁判にかけられるが、心神喪失が認められ無罪となっていた。9歳でアメリカの大学に入学し11歳で博士号を取得、12歳でIT企業の主任エンジニアとなるなど、天才プログラマーとしてその名を馳せた四季の事件は、世間を大きく騒がせた。以来、四季は研究所に籠り、一度も外出していないという。

 特別な許可を得て研究所を訪ねた萌絵と犀川は、不在の所長・新藤清二(冨家規政)に代わり副所長の山根幸宏(利重剛)から最新鋭の管理システムについて説明を受ける。そこへ、四季からの緊急コールが入った。地下にいる四季の部屋へと駆けだした山根に続き、萌絵と犀川も走り出した。
 四季の部屋の前室は、警報音が鳴り響きパニック状態に陥っていた。部屋に入りたいが、システムエラーで扉が開かないという。そこへ、清二の妻で四季の叔母の新藤裕見子(藤吉久美子)が現われる。扉を壊して進入するしかないと言うスタッフに、裕見子は清二の許可がいると躊躇する。
 そのとき、警報音が止んで照明が明滅し始める。主任プログラマーの島田文子(山田真歩)が確認するが原因はわからない。すると今度は、ロックが自動で解除されゆっくりと扉が開き始めた。暗闇の中、萌絵らが目を凝らすと、ウエディングドレスのような白い服を着た人影がいて…。

≪第五話 事件のおさらい≫
 萌絵(武井咲)と犀川(綾野剛)は、孤島にある真賀田四季(早見あかり)の研究所にやってくるが、そこで四季が両手足を切断された状態で発見される。四季は、15年前に研究所に籠って以来一度も外へ出ていないという。しかも、四季自身が開発した「デボラ」というシステムで管理された研究所のセキュリティーは完璧で、入退出の記録もすべて記録されている。この15年で、四季の居住スペースに入ったのは、四季の叔父で研究所所長の新藤清二(冨家規政)だけだった。
 ところが、その完璧なシステムにエラーが起り、通信機能が麻痺。事件のことを警察に連絡することもできずに、新藤の留守を預かる副所長の山根(利重剛)は動揺する。そんなところへ、アメリカにいる四季の妹の未来(早見あかり)が帰国。ヘリコプターで未来を迎えに行っていた新藤が戻ってくる。山根は、新藤に状況を説明し、ヘリの無線で警察に連絡してくれ、と頼む。それを了承した新藤は、山根に未来を託すと通信を試みるが、その新藤もヘリコプターのなかで刺殺されてしまう。
 入退出が監視されている要塞のような研究所のなかで、一体誰がふたりを殺害したのか。犯人はどこから来てどこへ隠れているのか。監視カメラの映像にも一切手がかりがないため、山根らは犯人が潜伏している可能性がある四季の居住スペースに入ることを決意。無機質な空間を見ていくが、そこには誰もいなかった。しかし、真賀田が使用していたパソコンを見ると、今日の予定のところに「すべてがFになる」というメッセージが表示された。
 するとその時、壁のなかから四季の声が聞こえてくる。萌絵が四季なのかと尋ねると、声の主は自分は「ミチル」だと答えた。それを聞いた所長の妻・裕見子(藤吉久美子)は恐怖に震え出す。隠し扉になっていたその壁を開けるとなかには…


『後編』
 萌絵(武井咲)と犀川(綾野剛)は、四季(早見あかり)を殺害した犯人が、コンピュータシステムで厳重に監視されている研究所の中にどうやって侵入し、どこへ消えたのか、手がかりを掴めずにいた。
 そんな折、主任プログラマーの島田(山田真歩)が、翌朝10時に記者が所長の新藤(冨家規政)を訪ねて来る約束になっていることを突き止める。記者は船で来るためその時間に港に行けば外部と連絡が取ることができる。しかし、副所長の山根(利重剛)は明日を待たずに、コンピュータのオペレーションを別のシステムに切り替え通信を復旧させることを決めた。そうすればすぐに警察にも通報できるのだが、山根は萌絵と犀川に四季が殺害されたことは黙っていてほしいと頼む。四季の死は研究所の死を意味するから、四季の妹の未来(早見あかり)を代役に仕立てることで、研究所を維持するつもりだと言う。
 その後、監視室のモニターで監視カメラの映像を見ていた萌絵があることに気づく。四季の遺体が台車ロボットに載って現われた時、エレベーターの階数表示は萌絵らがいた地下の「B1」になっていたが、その直後、システムの強制再起動が行われた時の映像では屋上を示す「R」になっていた。それはつまり、あの場にいた全員がパニックに陥るなか、誰かが四季の部屋を出て屋上へと向かった可能性を示していた。しかし、映像には誰も映っていない。そのことに萌絵は…。
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『軍師官兵衛』 第47話「如水謀(はか)る」

2014-11-25 22:01:52 | ドラマ・映画
「謀(はか)る」と「謀(たばか)る」
【旺文社 国語辞典より】
「謀(はか)る」……
(「計・図・謀」で一括りにされていて)
①企てる。計画する。くふうする。
②だます。あざむく。
「謀(たばか)る」……
①思いめぐらす。くふうする。
②相談する。
③あざむく。だます。


 「たばかる」の方が悪意が強いと思っていたが、ほぼ同じ意味。
 しかし、「たばかる」の「た」は接頭語ということ。ということは、「た」プラス「はかる」で「たばかる」になったのだろうか?となると、意味的には「たばかる」の方が意味が強いとも考えられる。
 「はかりごと」は「謀」の1字。意味は、「うまくいくように、あらかじめ考えた計画。計略」で思ったより建設的。
 これが、「謀略」となると、「人をおとしいれたり、国を滅ぼしたりするはかりごと。策略」で、かなりの悪意が内在する。
 「たばかる」に「相談する」の意味があるのは意外。


さて、如水の「謀(はか)る」の真意は?……

★今回の「我が道を行く」如水の動き
Ⅰ北政所に西の丸を家康に譲るよう勧める
 表向きは家康が大坂城にいつまでも居座るのは、豊臣陣営を挑発するため。北政所が自ら西の丸を譲れば、豊臣方も振り上げ掛けた拳を下ろさなければならない。
 真の目的は、家康が我が物顔で西の丸に居座ることで、豊臣方を苛立たせること。

  それにしても、北政所は鋭すぎる。表向きの理由も、真意も見抜くとは。
  せめて、「家康殿が同じ城にいては、淀殿はさぞ嫌がるでしょうね」のあと……ハッと気づくぐらいでないと、官兵衛の思惑が分かりにくい。


Ⅱ来たるべき日に備えての下準備
・中津にいても中央の情報を迅速に掴むため、九郎右衛門に手筈を整えさせる
・この先、三成が各大名の妻子を人質に取ることを予見し、善助、太兵衛に指示を出しておく
・各国の動きをシミュレーション
  自分のために策を練る如水は楽しそうだ。
  光の「天下をお取りなさいますか?」の問いに「はははは、それも良いのぉ」と。真意は?


Ⅲ長政の意志を確認
「天下の為にも、黒田家が生き残るためにも、徳川に付くしかない」と長政。
 幼い秀頼では、天下はまとまらないと分析し、「官兵衛が秀吉を天下人にしたように、自分も家康を天下人に押し上げたい」と語る。

  長政の成長を喜び、「当主のお前の好きにしろ」と(自分も好き勝手するとも)。
  しかし、長政は家康にいいようにたぶらかされているようにしか見えないのだが……
  「家康の道具にされるぞ」ぐらいの忠告をしてもいいのでは?
 

Ⅳ三成を訪問
『上杉に挙兵させ、出陣した徳川軍の背後を突き、挟撃する』策を教授する。
しかし、それは家康は見通しており、待ち受けていると、やめるよう正す。
「策を立てるのと、まことの戦では、まるで別物」と最後の忠告。

  せめて、挟み撃ちの策ぐらい、三成に発案させてあげればよいのに。
  あくまで、『三成が関ヶ原の戦いを誘導した』という流れにしたいようだ。
  “忠告”と断ってはいたが、指差していたから、挑発だよな
  “策と実戦は別物”というのは、“三成は人望がないので、思い通りには事が運ばない”ことを示唆しているが、  三成は“嫌われている”自覚はあるのだろうか?
  官兵衛としては、挑発だけでなく忠告して、戦の均衡を保つ意図もあったのかもしれない。


Ⅴ毛利を偵察
 (久々に恵瓊登場)
 恵瓊……我ら(恵瓊と官兵衛)が築いた豊臣の天下を守りたい
 輝元……「大老職を全うするだけ」(人は良いが煮え切らない)
 吉川広家……三成が嫌い

  小早川隆景のようなまとめ役がおらず、分裂必至
  “隠居の身”は便利。今後の動向を訊かれても(三成の時も)、“隠居の身”と、煙に巻く。



Ⅵ「双方、潰し合えばよい」
 上杉に謀反の気配(疑い)
 ≪家康が討伐に動き、三成も動く≫、更に、≪三成の動きを承知して、自らが動き、三成を誘う≫と予見
 (実際に、そのような動きになる。長政、珍しく、家康の意図を察する

長政、糸を離縁、家康の養女・栄と婚姻(6月6日)

6月16日、家康率いる上杉討伐軍が出陣(長政も同行)
三成、発つ。総大将は毛利輝元(恵瓊が確約)。奉行衆連名の『家康弾劾状』を作成。     
 「(西軍メンバーは)毛利、宇喜多、小西、島津、長宗我部、小早川、西国の諸将はほとんどすべて。
  大義はこちらにある。数もこちらが優っている」……(あんたは嫌われてるんだってば)

Ⅶ「いよいよじゃ。九郎右衛門、兵を挙げるぞ」
  中津にはわずかな兵しか残っていない……官兵衛の秘策は?


今話を単独で観ると、面白い!しかし……
 前々回、≪秀吉に『天下泰平』が願いで、野望はない≫と断言。
 前回、≪天下に大乱を起こし、敵味方を分別整理し、天下を取る家康は許せない≫

 しかし、≪今回、自らが大乱を誘発し、それに乗じて天下を取る≫   
 官兵衛の心の転換の早さに、非常に抵抗を感じるのだが……

綺麗事で済まそうとする長政の再婚
 糸を心の病にさせ、円満離婚の趣に……
 家康の天下取りの為、栄と政略結婚。

「生き残るために選ばれた道でございましょう
 大殿が思われている以上に若殿は、しっかりなさっているようで」
(by九郎右衛門)

 官兵衛の項Ⅲでも述べたが、長政は単に家康に踊らされているだけなので、糸との離縁も強引に断行した方がすっきりする。



「味方はどれほど集まる?」…大谷吉継、登場したが……
 演じるのは村上新悟さん。ほとんど無名に近い方だと思うが、いい声だった。
 でも、配役(俳優の格)からすると、あまり活躍の場はなさそう。
 仮面(マスク)で顔を隠すので、俳優としては敬遠される役かもしれない。


言いたい放題の侍女、“くノ一”りら、当身の一発でも食らわせろ!
 以前も、長政が不用意な言葉で糸を傷つけてしまった際、長政から冷たく菊を取り上げてしまった侍女。
 今回も、長政に冷たく当たったうえ、別れの際、差し出がましくも、光を非難。
 何をぼ~としている侍女頭(阿知波悟美)、何のためにテーマ曲の俳優クレジットで16人目に登場しているんだ?(栄姫の次で、2人列記では一番最初。「毛利輝元、吉川広家、大谷吉継」なんて3人列記だぞ)
 くノ一・お道(福島リラ)も、何のために怖い顔をしているのだ!
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国際千葉駅伝 ~日本、5年ぶりの優勝、しかし、勘違いをしてはいけない~

2014-11-24 19:49:23 | スポーツ
 5年ぶりの優勝だが、日本が強かったと言うより、外国チームがメンバーを揃えて来なかったというのが実情だろう。
 事実、男女混合形式になってからの優勝チーム(優勝タイム)は
2007年 日本      2時間05分56秒
2008年 エチオピア  2時間05分27秒
2009年 日本      2時間05分58秒
2010年 日本学生選抜 2時間07分52秒
2011年 ケニア     2時間04分40秒
2012年 ケニア     2時間05分06秒
2013年 ケニア     2時間03分59秒
2014年 日本      2時間05分52秒

 レースコンディションの影響もあるかもしれないが、日本チームや学生選抜の優勝タイムは他国が優勝した時のタイムより遅い。
 要するに、他国がメンバーを揃ええてこなかった時や、駅伝に慣れておらずペース配分を間違えてパフォーマンスを発揮できなかったというようなアクシデントなどにより、優勝タイムが下がった時でないと優勝できないと言える。
 もちろん、日本チームも毎回ベストチームと言えるメンバー構成ではなく、それなりの選手が実力を出し切って好成績を挙げているのは評価できる。
 しかし、外国陣営にとっては、男女各3人の選手を揃えるのはもっと難しい。「駅伝」が世界的種目でなく、どういうモチベーションで来日してくるのだろうか?

 今回も、1区の村山兄以外は、良い走りをしての優勝であったが、対抗馬のケニアの不出来によるモノが大きかった。(1区の村山は8位と順位が低かったが、トップと12秒の遅れとそれほどではないので、最低限の仕事はしたといって良い)
 参加メンバーの現在の走力で言うと、ドーピング違反期間が明けてやる気満々のキソリオ以外は実力やコンディションに疑問符が付いた。
 そもそも、駅伝を知らず、たすきをもらって猛ダッシュ……区間後半、足が重くなり失速というパターンを繰り返していた。特に、アンカーのキバルスは、たすきを受け取るとトラックのリレーのように全力疾走。案の定、ペースが鈍り萩原に追い抜かれると、あわててもうスパート。やはり、これも息切れして、もう一度追い抜かれると、抜き返す余力は残っていなかった。もう、素人としか言いようのない走り方であった。
 ロシア、ニュージーランド、オーストラリア、カナダなども、良い走りをする選手もいたが、6人そろえることは難しかったようだ。持ちタイムが良くても、明らかに調整不足の選手も見られた。

 まあ、そういう事情はともかく、日本チーム、学生選抜(3位)はよく走ったと思う。
 しかし、アンカーの萩原選手の優勝インタビューは、はしゃぎ過ぎで、
「勘違いするなよ」と言いたくなり、この記事を書いてしまった。
 彼女の走りは左手を横に振り、足も流れぎみで、大人数で走るとかなり迷惑なランナーと言える。
 31分41秒80で日本人女子10000m今期トップのタイムを持っており、文句は言いにくいが、私としては彼女がトップという事実に、がっかりしている。日本女子の長距離のレベルが落ちてきている。
 実際、彼女の記録は歴代30位ぐらいの記録にすぎず、日本記録の渋井陽子30分48秒89や、福士、新谷らと比べて約50秒も遅い。

 アジア大会女子10000mで銅メダルだったが、あの納得のいかないレースプランで「金メダルを狙っていた」と悔しがったこと、今回のレース前、レース後のハイテンションのインタビューを見て、もう少し現実(二線級のレースでの優勝)をしっかり理解して欲しいなあと感じた。

 確かに、弁が立ち面白いので、インタビューに関しては金メダルなんだろうけれど。
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NHK杯将棋トーナメント 松尾七段×丸山九段戦 その2

2014-11-24 11:38:56 | 将棋
本日、既に「畠山鎮七段×熊坂五段」が放映され、旬を過ぎてしまいましたが(一週間が早過ぎます)
「NHK杯将棋トーナメント 松尾七段×丸山九段戦 その1」の続きです。


 第5図は後手の丸山九段が2三に馬を引いたところ。先手の松尾七段の▲6六歩~▲6七銀の動きに呼応した指し手と思われたが、ある狙いを秘めていた。
 第5図より▲6七銀に△6二金寄!(第6図)

 そう、次に△5一飛と引いて馬を追い詰めるのである。馬を助けるには▲1二香しかないが、全く働きのない香を打つのは耐えられない。
 なので、飛車を引かれる前に▲2二香と打つ手が考えられるが、歩を打っても同じ効果なので、香を打つのは抵抗が大きい。
 実戦も、▲2五歩△同歩▲4五歩とアヤを付けておいて、△5一飛に

▲3三馬と馬を切った。しかし、駒損の代償がほとんどない……というより、飛車も捌けず、玉の堅さも劣り、5筋の歩も謝らされているなどマイナス点の方が多く、この後は、丸山九段の着実な指し回しに、勝機をまったく見出せなかった。


 しかし、実は第5図の2手前の△7四歩が問題の一手で、この手自体は先手の桂頭を攻めを見た急所の手だが、馬の捕獲と関連がないうえ、玉のコビンを開けるマイナスもあり、疑問に感じた。実際、丸山九段も感想戦で、「一貫性がなかった」と△7四歩を後悔していた。
 実際、第5図から▲2二香と打つ手は有力だったようだ。
 あらかじめ香を打たれると、飛車を一段目に引いても▲2一香成で馬取りは受かるうえ、成香や馬を2二に引く手も生じるので、△5二飛と二段目に引いておき、△5三銀と飛車を二段目に利かせて馬の動きを抑制する方が有効である。
 ところが、▲2二香△5二飛▲2一香成△5三銀に▲3五歩(変化図2)と突いておかれると

▲2二香と暴れる手が成立しそうだ。玉のコビンが開いているのと、2二で清算した後に▲3四歩と突く手が厳しいので、完全に受けきることはできない。馬を苛めるのなら、△7四歩は不要だったのだ。
 松尾七段は、△6二金寄とされて狙いに気づき、NHK杯としては長考に沈んだのだが、▲2二香も見えなかったようだ。この日の松尾七段は冴えなかった。対して、丸山九段の慎重さ(感想戦でいろいろな筋に気を配っていいることが分かった)を改めて感じた。


 さて、ここからが本題。
★解説者・高橋九段の“えへえへ”、“あはあは”笑い
 高橋九段の将棋は、読みの踏み込み深いが、慎重。まず玉の安全度を重視し、戦いながら玉を固めるのが得意。“固める”と表記したが、相対的に玉の安全度を高めるのに長けていると表現したほうが良いのかもしれない。思い出すのは2010年度A級順位戦最終局の対藤井九段戦。

 角交換四間飛車の後手藤井九段に仕掛けの周辺でやや誤算があり、△1五歩と飛車の捌きの▲1六飛を防ぐ辛抱をした局面。やや先手の高橋九段が良いようだが、まだまだこれからと思われていた。しかし、ここからの3手が渋かった。
 ▲1九歩△同馬▲2八歩!

 ▲1九歩の角取りに是非もない△1九同馬。
 馬を呼び込んでおいて▲2八歩!……これで後手の馬と角を封じ込めてしまった。
 以下、藤井九段は△3四桂と飛車を取りに行ったが、高橋九段は見向きもせず後手玉に迫り

 いくばくもなく藤井九段を投了に追い込んだ。

 最終局に敗れた藤井九段は無念の降級。上図の後手の馬角桂桂の“置き去り感”が痛々しかった。
 高橋九段は5勝4敗で3位を確保。前期の2位に続いて堂々たる成績。高橋九段は当時“新人類”と言われた『55年組』の一人。(中村九段、南九段、島九段、塚田九段らとともに、タイトルを奪取して、谷川名人を筆頭として新時代突入を思わせていた)
 高橋九段はどちらかというと、敗局後や対局前にはピリピリとしたものを感じさせる前世代の趣があったが、私生活ではテニス愛好者でプレー姿も将棋誌で紹介されたこともあり、漫画・アニメなども好きという現代性も見せていた。
(私の主観、偏見かもしれないが、聞き手の女流棋士が可愛いと機嫌が良いように感じる)
 それはともかく、解説者の立場だと対局者としての勝ちやすさ優先がなくなるので、さらに正確な形勢判断や読みが生かされ、解説の質は高い。
 しかし、“照れ”があるのか、解説の度に「えへえへ」「あはあは」などの照れ笑いが頻発。せっかくの解説が、非常に聞き苦しい。残念である。


★丸山九段について
 解説中の高橋九段が丸山九段について
「プロですよね、ふぇっはは、ほぉほ…もう、すべての行動が」
「行動すべてが、徹底していますよね。………学ばなくてはいけないプロも多い後輩と…ふぉほほ…」
(「たとえば、どういうところに?」清水女流の問いに)
「彼ね、意外と対局以外の仕事って受けないです。あまり解説とか少ないんですよね。イベントとはね」
「ファンの方に聞いたら、“もうちょっと姿、見たい”と言う人がいたんですけど」
「本人が断っている姿、見たことあるんですけど…おぅほほ」
「対局最重点主義、他のことはやらない。徹底しているんですよ」
「(普段は)明るくてね、よくしゃべってね…」
 “見習わないと”と言いつつ、批判のニュアンスである。

 こういった丸山九段の対局重点主義については、観戦記者も記していた。
 観戦記を書くに当たって、分からない変化があったので後日、丸山九段に尋ねたところ、「その手は指さないから、(解説しても)意味がない」(←大意)と、語らなかったと記していた。
 本人にとって意味がない変化でも、観戦記としては重要だと判断して聞いているのだから、対局者としてそれにこたえるのは義務に近いと思うのだが、どうなのだろう?(序盤の作戦的なことなら極秘事項もあるかもしれないが、確か、終盤だったと思う。ちょっと、記憶があいまい)
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「のらりくらり」(中田七段作詰将棋)の解答 【訂正あり】

2014-11-21 23:04:16 | 詰将棋
「のらりくらり ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年4月号」の解答です。



 一見すると、4一の銀が玉の両側を、また、上部は5五の銀と3六の桂が待ち構えているので、普通に攻めれば詰みそうです。
 ですが、玉が5一、3四、2二への逃走経路が残されているうえ、持駒は仮名駒枚と豊富なのですが、金が一枚なので、意外と玉を捕まえきれない状況に陥る危険性があります。

 初手は、▲5一銀、▲4三銀、▲3三銀などが浮かびます。
 試しに▲5一銀を考えてみましょう。

 上部に逃がすようですが、5一への逃走手段を消し、玉の行動を限定させる効果もあります(△5一同玉と取ると▲5二金で詰み)。
 △4三玉は▲4四金で詰むので、△3三玉と逃げます。

 順調のようですが、この3三の玉は3四と2二への2つの逃走経路があるため、片方を防ぐともう片方に逃げられてしまうというジレンマに陥ってしまっているのです。
 ▲4四銀は5五の銀を活用して効率の良い手です。

 △3四玉ならば▲3五金(銀)でも▲3三金でも詰むのですが、
 △2二玉と逃げられると

 1筋の逃走を防げません。
 そこで、試行図2で

▲3二金と2二への逃走を防ぎますが、
△3四玉と逃げられると

やはり、捕まえられません。
 △3三玉と逃げられた時、2二と3四の二か所をフリーにしておくのは、まずいようです。


 初手は▲4三銀。

 この手は、△4三同玉とされた場合は初手▲5一銀より、5一銀が残らない分だけ劣るのですが、▲4四銀打で、△3四玉なら▲3五金で、また、△4二玉には▲5二金で詰みます。

 また、初手▲4三銀に△同桂と取るのには、桂がいなくなった場所に銀を打つ▲3一銀がぴったりの手になります。

 取るのは▲3二金で簡単なので△3三玉と逃げますが、
 3一の銀が2二への逃走を許さないので▲4四銀で大丈夫です。

 仕方なく△3四玉と逃げます。


 さて、あとは簡単と、▲3五金と打ってしまうと△3五同桂と取られて、飛び上がることになります。
 ここは慌てず、▲3三金が正着で詰みます。

【訂正です】
 ▲4三銀△同桂▲3一銀△3三玉の時、▲4四銀△3四玉▲3三金までの詰みと書きましたが、単に▲4四金で詰みます(shiroさんよりご指摘がありました。ありがとうございました)


 というわけで、初手▲4三銀には△3三玉と最強の逃げ方をします。

 この局面が悩ましいのです。
 ▲3二銀行成、▲3二銀引成、▲3四金、▲3四銀打、▲2四銀、▲4二銀不成など多数の手段が考えられます。
 しかし、どれもうまくいきません。
 他にもいろいろ考えたのですが、うまく行かず、初図に戻る……
 そして、何度目かの第2図を考えた時、突然、▲3二金が浮かびました。

 
 この金は打ちにくい。何しろ、▲3二銀行成や▲3二銀引成で済むところをわざわざ金を打つのですから。
 しかも、△4三玉と銀まで取られてしまいます。


 しかし、ここで▲4四銀打として


△3四玉に▲3三金で詰んでしまいます。



 3手目の▲3二金が打ちづらく(候補手にも上がらない)、さらに▲3三金の詰上がりも浮かびにくいのです。
 3三には通常、玉方の桂の利きがあるのが頭にこびりついているからかもしれません。


 少しくどくなりますが、初手▲5一銀と▲4三銀の差を考えます。

 この両図の違いは、4三の銀の有無です(厳密には5一の銀の有無)。
 この4三の銀は、▲3二金と打っても取られるだけですが、いないと失敗図2のように

△3四玉と逃げられて失敗しました。
 4三の銀は、取られてしまいますが、一時的ですが3四に玉を逃がさないという非常に大きな働きをしていたのでした。

 詰手順……▲4三銀△3三玉▲3二金△4三玉▲4四銀打△3四玉▲3三金まで7手詰
 
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相棒 season13 第6話「ママ友」

2014-11-21 00:15:05 | ドラマ・映画
今回のテーマは
人間の裏側

 本性や本音は、よほど親しい間柄ではないと見せない。親しい間柄(家族など)に対しても、怒りや悲しみなどは見せても、もっとドロドロした欲望や嫉みなどは、見せたくないのではないだろうか。
 そんな内面(裏側)は、社会性やプライドで隠したり、抑え込んだりして、普段は綺麗な表側しか見せない。

 タイトルになっている「ママ友」は、「表向きの面だけ見せて仲良くやっている間柄」なのかもしれない。

(「ひど~い、英さん、そんなことないわよ」と反論されそうですが、もちろん、本当に心から信頼し合っているママ友さんたちも多いと思います。まあ、≪今話の『相棒』で登場したママ友たちに関しては、そうだったなあ≫ということで、上記については、追及しないでください)

 今回のママ友たち、表面上は楽しく仲が良さそうだったが、裏側では格差(いじめ)があったり、裏で不倫や裏口入学の不正をしたりしていた。
 そんなママ友たちに転居して仲間に加わった女性翻訳家・広子が加わり、親密さが増していった中で、事件が勃発した……


 行方不明になったと見られた女性翻訳家は、特命係に相談をした雅代によると“いい人”だったらしく、彼女のことを親身に心配していた。
 特命係の捜査(聞き取り調査)では、彼女は4人にプレゼントまで贈るほどの親密な間柄であったらしい。
 ただ、B子は不倫、C子は裏口入学の件を広子に知られていたのではないかという可能性があり、広子を殺害する動機と考えることもできる。
 実際に、広子が行方不明になった推測される時刻に、B子もC子もアリバイはなかった。
 まあ、アリバイ工作は被害者に変装し、遠景で目撃させるというありふれた手法であり看破されてしまう

 「有りがちなアリバイ偽装」というのは、今回の主眼ではないので、スルーするとして、この偽装を暴くのがドラマのかなり後半というのが、右京にしては遅すぎるというのが不満ではある。ただ、「その工作によりアリバイができたC子こそ犯人である」という論法でC子が目を付けられてしまうのは、面白い。(有りがちではありますが)

 さて、この広子の裏側が並のモノではなかった
 翻訳家ではなく元キャバクラ嬢なのは想定内だが、3億円の横領犯を殺害してその金を横取りしていた。しかも、床下に死体を隠す。
 でも、もっと驚いたのは、かなり高い崖から転落したにもかかわらず深手を負わず、最後は伊丹、芹沢、プラス一課の刑事と互角以上の乱闘を繰り広げ、最後は芹沢と相討ちの川(池?)に転落。タフさと強さに唖然……


 裏側が凄まじかった広子であるが、裏を隠すのが上手すぎたため、思わぬ勘違いをされてしまった。
 C子の息子(実は養子)を可愛がったため、≪広子が実の母親で、息子を取り返しに来たのではないか≫と疑念を持ち、それが爆発してしまった。
 殺意はなかったが、「あなたの正体、目的は分かっているのよ」と言ったため、それを今度は広子が≪殺人がばれている≫これまた勘違いし、C子を襲いかかる。もみ合って、広子が転落。

 というわけで、今回のもう一つのテーマは「勘違い」であった。
 

 今回の脚本家は、“要注意脚本家”の一人、金井寛氏。
 「人間の裏側」「勘違い」をテーマによく練られていたと思う。(原案が藤井清美氏ということで、どこまでが藤井氏で、どこまでが金井氏の脚本かは不明)

 しかし、疑問に感じる点も多かった。
①ママ友4人組を避けるのは却って詮索されてしまうと、それなら親密になったほうが良いと考えたという。しかし、あれだけ親密になったら、却って、訪問されたり、あれこれ聞かれたりするのではないだろうか。「収入は?」とか「翻訳って何語?」とか「じゃあ、この言葉は何て訳すの?」とか
②「広子が階段で転落した」と雅代が嘘をついた訳が、明かされなかった。
 嘘が判明し、それで、ママ友間にいじめがあることが分かるという意味はある。
 いじめ(差別)されて、その恨みから、≪彼女らの誰かが犯人であってほしい≫と考えた。あるいは、≪そんな差別をする彼女達なので、広子に何か危害を加えた可能性が高い≫と考えたという想像はできる。
③どうやって死体を運んだのだろうか?

 横道に逸れるが、ある程度の間柄で、職業を偽るのはけっこう難しいのではないかと思った。
 私なら、「棋書のゴーストライター」かなあ……

【ストーリー】番組サイトより
 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、東京郊外の新興住宅地に住む雅代(岩崎ひろみ)という主婦から奇妙な話を聞く。一昨日、数組の家族で行ったバーベキューの最中に、一人の女性が突然、行方不明になってしまったという。
 バーベキューの参加者は近くの公園で知り合ったママ友4人とその夫や子供で、消えたのは半年前に引っ越してきた広子(三輪ひとみ)という独身女性。彼女は、写真を撮ると言って一人で山に入ると、そのまま戻らなかったといい、雅代はママ友の中に広子に危害を加えた犯人がいるのではないかと疑っていた。
 手掛かりは、参加メンバーみんながバーベキュー中に撮っていたスナップ写真。その写真を時系列に沿って並べると、ママ友にはそれぞれ、会場から姿を消した“空白の時間”があるというが…!?

表面上は仲良く見えるママ友たち。
しかし、その裏には危うい嫉妬や知られたくない秘密が!
さらに、行方不明の女性の意外な一面が明らかになって…!?
ママ友をめぐる不協和音が、驚がくの結末へと繋がっていく!

ゲスト:岩崎ひろみ

脚本:金井寛 原案:藤井清美
監督:橋本一
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