英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

NHK『羽生善治 天才棋士 50歳の苦闘』 その3「将棋が好きなんだなあ」

2021-02-28 10:23:20 | 将棋
「今年のクリスマスは豊島竜王と過ごすから、クリスマスが終わるまで帰れない」
と大根切ってる時、唐突に言われた時は脳がバグを起こしたな…(by 理恵ツイッター)


 …………牛乳ブフォッの場面だ。よく、指を切らなかったな。


12月25日 A級順位戦 対豊島戦
 大振り替わりの際、誤算があり、必敗形に。
 終盤での必敗形(自玉は寄せられる寸前、相手玉は安泰)で、幾ばくもなく投了に追い込まれそう。事実、評価値:豊島93%
 そこから、寄せられそうだったが決め手を与えず、徐々に豊島の指し手によどみが生じさせた。流れがおかしくなり、豊島に落手が……形勢逆転。その後、必勝に。
 しかし、今度は豊島が決め手を与えず、両者、時間が切迫。評価値は羽生の勝勢を示していたが、最善手を続けるのはかなり難しい。ボルダリング?(フリークライミング?)のスピード種目に例えると、《一歩リードしているが、ほんの少しの掴み損ねで逆転される》といった感じか。

「強い人と指しているのは楽しいですね、やっぱり
 将棋覚えたてで熱中して、将棋道場で時間を忘れて指すのと、気持ち的には同じだと思いますよ
 気がついたら3時間経ってたりとか、10局指していたとか…同じだと思います」


深夜の秒読みの中、羽生が間違え「羽生94%」→「豊島94%」に。
豊島も間違え、再び「羽生94%」に。
ところが、羽生は最善手を見つけられず、勝てる可能性があったのに、投了。

「あ~~そうかぁ」
正解手を指摘され、笑顔の羽生


 やっぱり、羽生九段は将棋が好きなんだなぁ
 苦しい将棋を耐え、ようやく逆転した将棋。
 まだ、負けていない(勝ちがあった?)のに、投了してしまった。
 15時間に及ぶ苦労が……
 ……正解手に納得し、笑顔とは!


研究パートナーの木村
「まだ、挑戦してタイトルを取れるとお考えなのではないでしょうか。
 なんとなくですが、そういうふうに感じます。
 そういったことを心に秘めて、指しているのではないかと思います」

「将棋は全く手つかずとか、全く発掘していない場所は、実はたくさんあるので、
 そこは未知の世界ですよね。
 全容解明するのは相当難しい事なので、自分のできることをやりきるというところですかねぇ」


(いつまで将棋を指すかは)
「いやぁ、全然決めてないです
 全然先のことを考えてないので、なるようにしかならないかな」


天才棋士、人生の中盤戦は、始まったばかりだ(ナレーション)

エンディングにゆずの『栄光の架橋』
いくつもの~♪日々を超えて~♪辿り着いた日々がある~♪
だからもうぉ♪迷わずに進めばいい~♪
栄光への 架け橋へと~♪




試行錯誤中の羽生。
苦しい情況だが、まだまだやれる。
タイトル獲得もあるぞ。

でも、まあ…羽生が楽しければ、それでいい。

羽生の将棋は面白い
羽生を観ているのは楽しい。
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NHK『羽生善治 天才棋士 50歳の苦闘』 その2「豊島……強いなあ」

2021-02-26 17:35:56 | 将棋
「ソフトの指摘する手も参考になるが、それだけだと偏るんじゃないか」
「50代であれば50代なりの将棋を指せていけたらいい」

 羽生九段の将棋研究におけるAI活用と対局に対する自身の姿勢を述べている。

 さらに、
「テニスのラリーをやっていたとして
 一番厳しいと打たれて返せた時が一番うれしい。
 一番厳しいコースに打ってくれないと、楽しくない
 ぎりぎりをつかれたところを返せるのが楽しい」


(返せないのも苦しいですよね?)という声に
「返せない時もあるので、そこは微妙なところです」(笑いながら話していた)

 棋士は皆そうかもしれないが、羽生九段は将棋が好きなのである。

豊島竜王・叡王の羽生九段の感触
「羽生さんは読んでる量が違う
 同じ変化であっても、何回も何回も繰り返して読んでいると思います」


………いえ、あなたも物凄く読んでいる
   豊島二冠に勝つのは、なんと大変なことか!

 少し前まで、羽生九段が言われていた評価(感想・感触)なのだが、悔しいが豊島二冠の強さを讃えるべきだろう。

 竜王戦第3局は、それを痛感させられた。
 豊島竜王が難解な将棋を、正確な押し引きで局面をリード、優位を拡大。
 しかし、豊島竜王の死角から飛んできた羽生九段の▲9一馬が、豊島竜王の混乱を呼び、混戦に。
 そこから羽生九段が正確な指し回しで、逆に優位に。豊島竜王も羽生玉の嫌味を突く寄り付き方で、楽にはさせない。評価値的には、羽生大優勢でも、人間的には羽生優勢は間違いないが、勝ち切るのは簡単ではないという局面が続いた。
 ……結局、勝ち切ることができず、逆転負け。

「局面が目まぐるしく変わる展開が続いていたので、まったく見通しが立たないまま、ずっと指していました
 疲れるというか………それは間違いないです」




 残念な敗局。非常に痛い敗局だったが、まだ、1勝2敗。
 まだまだ勝負はこれから……と思っていたところ。

『羽生九段の体調不良で竜王戦第4局が延期』の報。

「一昨日からほぼ寝られていない…
 しんど。
 申し訳ない申し訳ないです」

2020年11月11日 12:11 午後
 ←「12:11 午後」という表記は、昼?それとも夜?

 羽生九段の妻・理恵さんのツイッター。
 羽生九段が理恵さんのアカウントから発信したのか、理恵さんの代筆なのか分からないが、痛々しい言葉。

無菌性髄膜炎
《定義》
 種々のウイルスを中心とした病原体の感染による髄膜の感染症である。
《臨床的特徴》
 発熱、頭痛、嘔吐を主な特徴とするが、新生児や乳児などでは臨床症状が明らかではないことが多い。項部硬直、Kernig徴候、Brudzinski徴候などの髄膜刺激症状が見られるが同じく新生児や乳児などではこれらが明らかではないことも多い。
厚生労働省HPより】

 また【広島市のHPによると】
 髄膜(脳や脊髄を保護している膜)が炎症を起こす病気で、このうち髄液(脳や脊髄と髄膜の間を満たしている液体)の中に細菌が認められないものを無菌性髄膜炎という。
 髄液の中に細菌が認められる場合は、細菌性髄膜炎といいますが、一般的に無菌性髄膜炎は細菌性髄膜炎と比較して症状が軽いとされている。
 ほとんどはウイルスが原因で、特にエンテロウイルス(注)が全体の約85%を占めている。

 主な症状は、発熱・頭痛・嘔吐の3つ。
 また、首の後ろが硬くなり、前に曲げにくくなる(項部硬直)。
 そのほか、原因ウイルスによっては、のどの痛み、腹痛、下痢を伴ったり、発しんがみられる場合がある。



 重い風邪のような症状。「無菌性髄膜炎は細菌性髄膜炎と比較して症状が軽いとされている」という表記を信じたい。
 身体はしんどいと思うが、この際、将棋のことは忘れて(辛くて、考えるどころではないかも)、休んで欲しい……

 
 回復が早かったのは嬉しいが、ハードスケジュールが待っていた。
11月17日(退院3日後)対木村九段(王将リーグ)《勝ち》
11月20日対豊島竜王(王将リーグ)《負け》
11月23日対佐藤康九段(順位戦)《勝ち》

 佐藤康戦は、午前1時に及ぶ激闘。

「先日のA級順位戦から戻ったのは午前2時過ぎ。興奮冷めやらぬのか、コップ持つ手がフルフル震え、怖かった。
 今までも心身パーツがバラバラ状態で戻ってくる事はあれども、ここまででは無かった」
(理恵夫人)


 過酷な勝負の世界。
 でも、好きな将棋にどっぷり浸かり、楽しかったんじゃあないのかなあ……



ナレーション
AI を使った研究をしてみると、深いところまでどんどん掘っていける。
ソフトさえも悩むような局面から、人間が勝負を始めなくてはいけない
様々な点から研究に割く時間も増えているし、集中力を高めていかないといけない
研究競争は激しくなっている。


 シューズや水着の革新で、タイムが飛躍的に伸びた長距離走や競泳と同じようなAIを活用した将棋の技術のレベルアップ。
 釈然としないものを感じる私は古いかもしれない。
 将棋への愛を持たない技術者(プログラマー)に、将棋をズタズタにされたと思うのは、逆恨みか?



第4局も敗れ、羽生は1勝3敗。後がない第5局
 羽生九段の”やや良し”で進んだが、当然の利かしと思われた▲2四歩が緩手。
 手抜きで“と金”を作られたのが大きく、逆転負け。
「ちょっと良いかなと思っていた
 具体的に何をやればいいか、わからなかった」


 この局面に誘導し、羽生の緩手を咎めた豊島竜王……強し!

【終局直前】
評価値豊島の87% 
「もう投げると思う」
「99%になりました」
………控室の乾いた声

それでも▲7九金と指す
豊島の△8八銀に………「負けました」


「久しぶりの2日制でしたけど、自分なりには充実して指せたかなとは思います」
「自分がやってみようかなという作戦はできたので、そこは良かったのかな」
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NHK『羽生善治 天才棋士 50歳の苦闘』 その1「AI将棋の進化がもたらしたモノ」

2021-02-24 21:19:54 | 将棋
「羽生さんも本当に新しい将棋には苦労している
 ついていけないのか 年齢的なものか……
 羽生さんでも捉えづらくなっているのかな」(広瀬九段)

 ……かなり厳しい言葉だが、それをきっぱり否定できない羽生九段の現状………

 広瀬九段は羽生から竜王位を奪取、羽生九段のタイトル100期をも阻止した。
 その背景があるので、コメントを求められたのであろう。広瀬九段は番組の意図、質問者の雰囲気を察して、上記のコメントをしたのだろう。

AIの棋力が人間のそれを上回り、将棋の情況が多元的に変わってきている。
①棋士の存在価値……短絡的思考によるディスり(侮辱)「無料で公開提供されている将棋ソフトに及ばないプロ棋士」など
②AI評価値を表示した将棋の中継→「大逆転」「大差の将棋」などの安易な評価
③AIを活用した将棋の研究


 他の要素もあると思うが、③により、将棋の質が大きく変化した。AIの活用により、広域で深いところまで研究が及ぶようになったのだ。
1.事前研究が勝敗に直結
 研究の網が広域で深ければ、それだけで勝勢の局面に持ち込むことができる。もちろん、終盤の入り口あたりまで研究(探索)を深めても、形勢が互角に近い局面も存在し、トップ棋士はそのギリギリの局面で戦っている。
 研究を怠り、不利と結論されている指し手を着手したら、研究の網から逃れられず逆転困難な状況に陥ってしまう。研究がはまれば、事前研究のみで強敵を破ることさえ可能なのである。

2.新手も瞬く間に研究される
 将棋ソフトの進化以前に、ネット環境の発達により情報はとっくに高速化されており、新手の伝達はあっと言う間になっていたが、昨今はその新手をクリックするだけで、大まかな新手の評価が表示され。その対応策も示されてしまう。
 恐ろしいと言うか……味気ない時代である

3.人間がついていけない読みの深さ(評価値の罠)
 AIが検証し、最も高い評価値の指し手を「最善手」として示されるが、私はもちろんトップ棋士でさえ短時間では意味が分からないことも少なくない。(非常に難解な局面では、PCが10分以上かけないと正しい評価が出ないこともあり、迂闊に評価値を鵜呑みにしてはいけない)
 私は、最善手以降の想定手順を観て………《ああ、そういう意味だったのかぁ!》と感嘆するというパターン。
 なので、AIが最善手順を示しても、よほどのトップ棋士で時間を残していないと、その手順を踏襲することは困難。
 たとえば、「評価値+800(大優勢)」を示していても、その高レベルの指し手を読み切ることが困難な場合、人間にとっては「大優勢」ではない。
 対局者は自力で指し手を積み重ねる。当然、評価値など観ることはできず、互角と判断していれば、互角として局面を読むことになり、指し手の方向性も優勢での方向性とも違ってくる。まして、終盤になれば残り時間も少なく、疲労も蓄積されてきている。AIにとっては大優勢でも、人間的にはそうでない。
 さらに、同じ「評価値+800(大優勢)」でも、《候補手5つあって、1つだけが大優勢で、残りの4つは逆転される》という場合と、《候補手の1つが大優勢で、残りの2つは優勢、もう二つが互角》の場合では、相当、評価値が同じでも難易度が違う。
 前者の場合に最善手を選べずに敗れても、「必勝の局面を勝ち切れず、大逆転負け!」と評価を下すのは短絡的なのである。


4.人間の常識が覆された 
 AIに広く深く検討させることにより、人間では“ないとされていた”指し手や陣形が高評価されるケースが少なくない。人間の常識(定跡)が通じないことが増えてきたのだ。

5.AIがコーチやスパーリング相手に
 前項で述べたこれまでの常識を覆す新技法や問題局面での最善手をAIが提示してくれることは、非常に優秀なコーチを得たようなもの。さらに、存分に強い練習相手にもなってくれる。しかも、PCやソフトを揃えれば、電気料以外の報酬は求められない。時間の制約もない。

 
その結果
苦境に陥る羽生九段
  
Ⅰ.棋界全体の棋力の底上げされ、容易に勝てなくなった
 定跡などがより精密になり、良いコーチ・スパーリング相手を得たことで、これまでより棋力がアップした棋士が多い。
 羽生九段も同じ恩恵に与れるはずだが、もともとかなりのレベルにある羽生九段はにとっては、それ以上のアップは難しい。さらに、年齢的に衰えてくる部分もある。

Ⅱ.丸裸にされる羽生将棋
 棋譜データの環境が整ったことで、容易に羽生九段の棋譜を検索・分析できるようになった。それによって、ある程度想定局面を絞ることができ、AIによって対策を練ることができる。
 羽生将棋を解析することで、今まで見えてこなかった弱点も見えるようになった。絶対的な強さだと思っていたが、《強いけれどそこまで強くないのでは?》という疑問が生じた。
 これまでは《羽生は強い。間違えない》という圧力から、疑心暗鬼やあきらめが生じていたが、《羽生の指した手に対抗できる手がある》《あきらめるのはまだ早い》という心理に変われば、指し手も大きく変わってくる。
 《粘っていれば、そのうち間違える》と思っている若手棋士もいるかもしれない。
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相棒 season19 第16話「人生ゲーム」

2021-02-23 14:11:33 | ドラマ・映画
《やられたぁ…》……いや、《不覚だった》と言うべきか……

不覚を取る原因となったのが……息子が誘拐されたと思われる父親・小峰裕司(鎌倉太郎)から「誘拐など起きていないと全否定された」と冠城から聞いた右京のセリフ。
「それは妙ですねぇ。
 普通、子どもが誘拐されたら、どれほど犯人に脅迫されようと通報するものです。
 自分たちだけで、恐怖に耐えきれるものではありません」
「警察に介入されたくない理由でもあるのでしょうか?」



 決めつけ過ぎなのでは?
 警察が把握していない誘拐事件は多数あるかもしれない。「警察に通報したら、子どもの命はない」と言われたら相当悩むはずだ。実際?第12話「欺し合い」では、警察が介入していたが、その裏で、親は犯人に身代金を払っていた。
 それに「自分たちだけで、恐怖に耐えきれるものではありません」と言うのも変だ。恐怖というよりは、《不安・心配・息子を喪失するかもしれないという悲しみの混じった恐れ》という感情であろう。ただし、精神医学的には“不安”は「対象のない恐れの感情」と定義され、“恐怖”は「対象がある場合」に用いるようで、一概には“変”とも言い切れない。とにかく、悲しみを中心とする負の感情が入り混じった心情で、“恐怖”の一言で言い切ってしまうのには抵抗を感じた。
 そんな訳で、このセリフから《子どもが誘拐された親の心情を決めつけ過ぎる下手な脚本だぜ》(←最近、観ている『ジョジョの奇妙な冒険』東方仗助風に呟いてしまうのだった)

 特命係が誘拐を察知したのは……
 顔に殴られたアザのある少年・影山将(山城琉飛)を見かけ声を掛けたところ、「友だちが悪い奴に……友だちを助けて下さい!」と訴えられたのが発端。
 そこで監禁するアジトになると思われる安村(今野浩喜)のアパートを張っていたところ、レンタカーから安村と小峰翔太(加藤憲史郎)が降りて安村の部屋に入っていく。部屋に入ると翔太は布団に入り、二人はひと言ふた言、会話。……拉致監禁というより軟禁。

 妙な誘拐だが、二人が旧知の仲で、翔太は誘拐されているとは思っていないのかもしれない。
 誘拐を感知した特命係も、《翔太が安村の部屋に遊びに来ただけ》という可能性、あるいはそう言い逃れられる可能性を考え、様子を見ているのかもと……
 でも、営利誘拐を実行させなくても。


 この後も右京は、肉屋や公園で安村に声を掛ける。捜査と言うより、安村の人となりを探っているようだ。
 和菓子職人としての矜持はあるが、商売の才覚がない安村。
 「もう一度、一からやり直せればいいんですが」という安村に
 「今なら、まだ間に合うんじゃありませんか?」と右京。

 一方、冠城は小峰が裏リベートで得た裏金を自宅に隠し持っていることを聞き出す。
「なるほど、裏金を違法に……だとすれば、小峰さんが通報しない理由もわかりますねえ」(右京)
 でも、数十店舗のスーパーのオーナーなら、1億なら裏金を使わなくても何とかなるのでは?

「問題は(誘拐の主犯の)大槻健太(西興一朗)がどうやってその事実(裏金を隠し持っている)を知ることになったのか?」(右京)
………というわけで、右京は更に安村と大槻の身辺調査を。安村の和菓子屋の潰れた事情や、安村と大槻の関係、大槻が塾の講師をしていたことなどを突き止める。
 さらに、塾での大槻の素行も知り、大槻と翔太の仲も知る。
 まあ、大槻と翔太の繋がり云々は、逮捕後でも良いという気がするが、ドラマの脚本としては丁寧なつくりか。

 事件は、大槻が身代金をコインロッカーに入れさせ、それを回収しようとしたところで確保・逮捕。
 一方、安村は翔太になぜ狂言誘拐をしようと思ったのかを聞く。


 誘拐の真相と、翔太の性悪さが露見。自分本位の人の尻を叩くだけの父親にして、この息子だ。
(小峰の激安スーパーもオフィスも安っぽいし、裏金を作るなど、ドラマ冒頭で息子に大口を叩くほどの人物ではない)
 この息子も「おじさん、トロそうだ」と馬鹿にするような生意気なガキだった。
 翔太の言葉に安村がキレそうになったところで、特命係登場(参入)

 ところで、この期に及んでも、私は真相に気づいていなかった……
安村と将との回想シーン
・陸橋で身投げしたい衝動の二人、シンパシーを感じる
・人生ゲームに興じる二人、その中で、将が父親から受けたDVを改めて知る(階段から子どもを突き飛ばすクソ義父)
  でも友達なら、虐待の実態を児童相談所などに通報しろよ。あれだけ顔に傷があるのなら、担任も気づかないと。
・安村は、人生ゲームのボードのマス目の不幸なイベントを楽しいイベントに書き換えていた
・将は、安村が大槻から誘拐の共犯の誘いを受けている会話を聞く
・将は安村に悪事をやめるように訴えるが、安村は《犯罪者になる自分と将が友だちであってはいけない》と将と別離する。


聴取後、
「安村さん、一からやり直しましょう。あなたの大福、食べたい人が大勢いると思いますよ」と右京。
 公園での言葉と同様に優しい右京だが、だったら、誘拐事件が成り立つ前に、安村を止めろよ!


「親友ができる100万ドルもらう」とマス目に張った紙のラストシーンも良かった。



“ああ見えて、人情味あふれる人”……暇か課長(見かけ通り人情に厚いと思うが)
義父の部屋(家)から将を助け出し、
「きみの友だちのことも、あの二人が必ず何とかしてくれる。
 きみはいい男たちと出会った。運が良かったよ」(微笑む)


取り調べ中に将を安村に会わせた暇か課長に右京が
「これは、かなりのルール違反ですよねえ」
「お前に言われたくねえわっ! いつもルールを破ってばっかいるくせにぃ」と課長が反撃。
 冠城が同意し、それに右京はちょっと心外な顔をするが、納得顔に。



………
 最初は、“下手な脚本家”と思っていた。……冒頭に述べた右京の思い込みのようなセリフ、外堀を埋めるような捜査で誘拐阻止や人質救出に踏み切らない特命係など。
 そして、いつもより優しい右京、いつもに増して人情味あふれる暇か課長、いつもより特命係に協力的な捜一トリオと青木……太田愛氏か?

…………脚本は瀧本智行氏だった。
過去脚本は第11話(元日SP)「オマエニツミハ」第6話「三文芝居」(いずれも今期)。なるほど……

 翔太の様子から普通の誘拐ではないとは思っていたが、将の言う“友だち”が安村というのに気づかなかったのは迂闊。
 将は《翔太が共犯の狂言誘拐》という内容の会話を聞いていたので、特命係もその辺りまで知っていたと思われる。
 私は、《翔太を誘拐する計画がある》ことまでしか特命係は知っていないと思っていて、このズレも見誤った原因か。でも、やはり、冒頭に挙げた右京のセリフが最大の因と言い訳させてほしい。

 それにしても、人生ゲームの使い方が秀逸。
 秀逸なストーリーだった。



第1話第2話第3話第4話第5話第6話第7話第8話第9話第10話第11話(元日SP)第12話第13話第14話第15話

【ストーリー】番組サイトより
誘拐事件をいち早く察知した特命係
“仲間たち”と協力して動き出すが…


 顔に殴られたアザのある少年を見かけ、声を掛けた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、思い掛けず「友だちを助けて下さい!」と頼まれる。
 そんな中、近年急激に成長している激安スーパーの創業者・小峰(鎌倉太郎)の小学生の息子が誘拐される事件が発生。ところが、小峰は警察に介入されたくない理由でもあるのか、一向に通報する様子がない。それでも、異変を察知した右京と亘は、伊丹(川原和久)や角田(山西惇)らの協力をあおぎ、手分けして捜査を始める。誘拐に荷担していると思われる男・安村(今野浩喜)をマークする右京。
 沈黙を守っている小峰家の動向を探る亘。事件発生に半信半疑ながら“容疑者”の一人を注視する伊丹たち。そして、アザのある少年の保護者に会い、怪我の理由を問い質す角田。さらに、青木(浅利陽介)までもが張り込みに駆り出される。
 それぞれが独自の動きを見せる中、事件は思ってもみない方向に転がっていく!

アザのある少年と誘拐事件の関係は?
“チーム特命係”が一丸となり
意外過ぎるカラクリを解き明かす!


ゲスト:今野浩喜

脚本:瀧本智行
監督:東伸児
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天国と地獄 ~サイコな2人~  第3話

2021-02-19 23:17:21 | ドラマ・映画
『太陽と月が入れ替わった伝説』
…………2つの星があって、《シヤカナローの花が咲いた方が太陽に、咲かなかった方が月になる》という約束をした。
ところが、咲かなかった星が咲いた方の星から花を盗んでしまい、本当は太陽になるはずだった星が月に、月になるはずだった星が太陽になった。
2つの星の運命が入れ替わってしまった…………


 日高が入れ替わりの伝説について話していたこと、奄美大島の半券を持っていたことから、上記の伝説にたどり着く彩子(身体は日高)と八巻。
 《シヤカナローの花を手に入れれば、入れ替わって元に戻れるかもしれない》と考えるが、《日高が犯人である決定的な証拠となる日高の捨てた手袋が警察の手に入れば、(日高の身体の)彩子は逮捕されてしまう》という差し迫った問題がある。
 《日高が捨てた手袋と同じ手袋を用意し、手袋が発見され警視庁に持ち込まれた時点ですり替える》という役目を八巻に押し付け、彩子は奄美大島へ行くことにする。


≪鋭い日高(身体は彩子)≫
・自分の捨てた手袋と別物だが、あのカーキ色は期間限定なので、かなりの偶然になる
・手袋を入れた袋のラベルには左と書かれていたのに、中に入っていたのは右用だった
《誰かがすり替えたのでは?誰かというのは彩子ではと考えるが、彩子がすり替えるのは不可能に近いので、内部に協力者がいるのでは?》と日高は考える。
 そのことを彩子に告げ、反応を確かめる。八巻の態度がぎこちないことを考えあわせ、日高は確信する

【奄美大島サイド】
 奄美大島の博物館で、実際にその伝説があることは確認できたが、館長らしき人はシヤカナローの花など詳しいことはほとんど知らない。それでも、展示物の写真が凶器の石とそっくりだったので、その石のありかを知ることができた。
 その石のある海岸で彩子は既視感が湧き出る(彩子自身は《これ…どこかで?》と訝(いぶか)る程度。映像は初回冒頭シーンの彩子が佇むシーンと日高の身体の彩子が佇むシーンがオーバーラップされる)
 凶器の石を思い浮かべながら海岸の石を拾い上げるが、地元民に「その石は持っていると呪われる」と忠告される。

 呪われる石について考えながら脱衣して、彩子は旅館の浴場に入ろうとする……お約束通り、女湯で……
 旅館の主人に聴取されるも一応、不問となった。そのロビーに、日高のスナップ写真が貼られており、当時、日高が緋美(あけび)集落を訪れたことを聞き出す。
 
 ”何もない所”というのは旅館の主人の言だが、緋美(あけび)集落は本当に何もないところだった。
 一軒のうらぶれた廃屋があったが、中を窺おうとしたところで、様子を見に来た旅館の主人に声を掛けられ、中断。
 シヤカナローの花について訊ねる。入れ替わり伝説の花ということは知っているらしいが、「“シヤカナロー”という言葉は聞いたことがない。自分は勝手に“サガリバナ”だと思っている」「夏にしか咲かない」と言う(生息地の言及はなかった)

 
【警視庁サイド】 
 新たな容疑者・後藤文弥(被害者の経営する店でアルバイト。前科あり)が浮上する中、カーキ色の手袋は発見されず、日高は捜査の本線から外される流れに。河原(北村一輝)はあきらめず、深夜、画像のチェックをしていた。
 収集された手袋を調べる鑑識を手伝うなどしていた日高は、捜査の進展を冷静に見ていた。鑑識を手伝ったのは、自分が捨てた手袋を搾取するためかもしれないが、焦ったそぶりは全く見られず、余裕さえ感じられる。
 手袋の捜索は行き詰ったかに思われたが、「片手袋ばかり集めたハッシュタグがあるから、インスタグラムを見てみたらどうか」という日高(身体は彩子)のアドバイスで、該当する手袋の画像が見つかる。
 回収した手袋に付着した指紋と日高の指紋が一致し、日高の手袋と確定。その手袋から被害者のDNAが採取されるかどうかは、科捜研に回された。

 そのことを聞いた彩子は、「科捜研に忍び込めば、すり替えることは可能だ」と言うが、「回収された手袋は右手用で、手元にあるのは左手用だから無理」と八巻。
 「じゃあ、盗んでよ!」と無茶を言う。
 そんなの無理という八巻に、「このままだと私、何もしていないのに、殺人犯になる。だいたい左右を間違えたのは、あんたのミスじゃない!」と大声!……と、ここまで言って、言い過ぎたと気づき、「ごめん、八巻は親切で手伝ってくれているだけなのに」と謝る。
 結局、手袋を入れ間違えたのは自分のミスだからと、朝一番でやってみると言う。「既に、手袋から資料が採取されていたら、どうにもなりません。その時は、本当にごめんなさい」と……八巻、本当にいい奴!


≪八神のヘマ≫
・手袋をすり替える際、右手用と左手用を間違える(上述)
・日高(身体は彩子)の鎌かけにあっさり引っかかる
 「今まで卵焼きは薄味の出し巻きが好きだったんですよ。それがなんだか全然おいしいと思えなくなって……なんでだと思います?」
 「味覚は身体に引っ張られるから、望月さんの好みになるっていうか…」
 「やっぱり、そういうことなんですねぇ」(完全にバレた!)
・(日高が捨てた手袋が発見されて)
 「望月さん、やばくないですか?これじゃ、日高が犯人になっちゃいますよ!」
 「それのぉ、何がまずいんですかぁ?」
 「だって……(ハッ!)」
 完全にダメ押し。と言うか……日高、完全に八巻を弄んでいる(笑)


急展開!
 彩子と八巻が電話で相談していたころ、帰途の日高(身体は彩子)は、今後どうしたものか思案。ふと陸橋の壁に目をやり、やや驚愕。
 ……赤の数字の「4」と大きくペイントされていた!

  …………「そうですか……終わりじゃなかったんですか…」

 しばらく数字を凝視した後、夜空(新月?)を見上げ、数字を背に歩き始める。

 帰宅し、陸の「バイトが入った。帰りは朝になる」というメモ書きを見て、
「ラッキーですね、これは」とつぶやき、ペットボトルのミネラルウオーターを一気飲み。
 その頃、陸は陸橋の数字を消していた。



 翌朝、八巻は朝一番で忍び込もうとしたが、既に河原が到着していて(寝ていたが)、手袋を盗むことはできなかった。
 しかし、手袋はバクテリアが分解してしまったのか、DNAは検出されなかった。(稀にあるケースらしい)
 八巻は「日高がバクテリアを混入させたのでは」「危険要素を排除するため、手袋を見つけ出しておいて、危険因子をつぶしたのかも」と指摘するが、《そんなことはないだろう》という結論に。

 ほっとした彩子と八巻だったが、彩子のもとに映像が送られてきた。
 吊り下げられた人間(既に死亡?)の頭部をゴルフクラブで滅多打ちしていくシーンだった。
「これでももう、もう元に戻ろうが、戻るまいが、あなたは殺人犯。どっちでも同じになっちゃいましたね」
「あなたは私で、私はあなたです。どうかお忘れなく」

 絶望感に打ちひしがれる彩子………………ドアホーンが鳴る


 バイトから朝帰りの途中、出されたごみをチェックする陸。
 ゴミの中から、血が付いた白い作業着が……
 「これ、何なの?……彩子ちゃん…」……呆然とする陸。




「4」の謎
 「4」を見て、日高は「終わりじゃなかったんですか」と呟いた。
 《連続猟奇殺人が続く》という予告、あるいは、《連続猟奇殺人が続けろ》という命令と考えられる。

 ただし、「3」ではなく、「4」。判明している殺人は2件。ということは、発覚していない殺人があるのか?


日高の余裕と思惑
 八巻の手袋に関する考察は当たっている気がする。
 余裕があったのは、手袋が発見されても、何とかできるという目算が立っていたからかもしれない。
 余裕の理由はもう一つ考えられる。日高が入れ替わりを行えるとしたら、不味い状況に陥ったら、他の人間と入れ替わればいい。
 ただし、超能力のように能動的に行えるのではなく、「“新月”、“奄美大島の石を所持”などの条件」プラス「何らかの行為」というモノ。
 日高が一度入れ替わりを経験しているとしたら、今回の彩子との入れ替わりで、入れ替わりの法則が分かったのかもしれない。もちろん、日高の所持していた漫画や、探っていたと思われる伝説も関係がありそうだ。

 あの映像を見ると、日高がシリアルキラーのようだが、殺人の事後処理を任されているだけかもしれない。あの映像がフェイクという可能性もある。
 彩子たちと付かず離れずのような関係を保っているのは、「4」を書いた人物と対決するのに、彩子が利用できると考えているのかもしれない。


陸の周辺
・陸に「4」を消す依頼をしたのは誰なのか?
・深刻な顔をして「4」を消していた陸。単に、《こんな夜中に嫌だなあ》と思っていただけかもしれない。
 しかし、作業をしている陸に、バイト仲間の湯浅(迫田孝也)が、「何やってんだ、お前」と声をかけていたので、仕事ではなく、個人的なつながりで命令されて消していたのかもしれない。かなり、追いつめられた表情で必死に消していたし。
・帰路の途中でゴミ袋に駆け寄り、中身をチェックするのは不自然。ただし、いつも彩子がちゃんと分別をしないので、チェックしただけのように思える。出てきた血の付いた防護服を見て、驚いていたし。

 防護服を見つけた陸は、どう動くのだろうか?


【その他の疑問・感想など】
・科捜研で検査対象の手袋を盗むのは無茶なのでは?
・八巻君、実行できなくてよかったね。すり替えるのならまだしも、盗むのは大騒ぎになって、ICカードでの入室履歴で即ばれてしまうだろう
・(見かけ上)素人同然の彩子(心は日高)に鑑識や科捜研の手伝いをさせるのは、あり得ない
・《片手だけの手袋の画像サイトってあるの?》と思ったが、実際に片手袋研究家がいらっしゃって、『片手袋研究入門』という著書も出しているらしい

第1話第2話第3話


【ストーリー】番組サイトより
 彩子(綾瀬はるか)と日高(高橋一生)の魂が入れ替わったことに八巻(溝端淳平)が気づいた。味方ができた日高<彩子>は、藁にもすがる思いで今後どうするかを八巻に相談する。
 まず急がなければいけないのは、日高が捨てた革の手袋を河原(北村一輝)ら警察よりも先に手に入れることだ。もしも手袋から日高の指紋と被害者のDNAが検出されれば、自分が捕まってしまう。
 そこで、警察が手袋を見つけた段階で、八巻がこっそり別の手袋とすり替える作戦を立てる。入れ替わってもなお日高を捕まえることを諦めない彩子。しかし、彩子<日高>はそんな日高<彩子>の考えなど見抜いていたようで…。
 警察では、河原が拾得物の中から革手袋を集めていた。そして、集まった大量の手袋を鑑識部屋に持ち込むと、そこにはなぜか彩子<日高>の姿が。鑑識の新田(林泰文)を手伝いに来たというが、はたして真の狙いは…。
 そんな中、「太陽と月の入れ替わり伝説」に出てくるシヤカナローという花を見つければ、自分も元に戻れるかもしれないと考えた日高<彩子>は、その伝説が言い伝えられている奄美大島へと渡る。そして、その奄美で日高に纏わる意外な足跡をつかむ。

脚本:森下佳子
演出:青山貴洋
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天国と地獄 ~サイコな2人~  第2話

2021-02-16 14:58:16 | ドラマ・映画
「このまま出頭して日高陽斗として殺害容疑の取り調べを受け、一生塀の中で過ごしますか?
 それとも、私と協力して容疑を晴らし、無罪放免になる道を選びますか?」

“容疑晴らす”って、あんた殺ったんでしょ
 ……あなた殺したのよね?
 ”容疑を晴らす”ていうのは、やってない人の使う言葉よ
 やってないの?ひょっとして…」

「とっとと選べぇっ!」
…………容疑を晴らす…方向で」


 “容疑晴らす”という表現には引っかかりを感じた。彩子も同じで、問い詰めるが、日高(身体は彩子)に彩子の声で凄まれ、商談?成立……家宅捜索と取り調べへの打ち合わせをする。
 証拠物件が入っている段ボール箱の受け渡しの段取りやスマホの見られたくないデータなどの削除。その間、彩子は自分が殺人事件の容疑者になってしまっている事実を思い知りながらも、何とか、事件に関する日高の思惑を聞き出そうとするが、日高ははぐらかす。
 今後、日高が裏切り、彩子が逮捕される恐れもあるが、とにかく、今は逮捕されないことを最優先に、彩子の信念に反することになるが、証拠隠匿を行う……


………何とか家宅捜索や取り調べを乗り切り、二人は互いの身体と立場を取り換えて過ごす。
日高(身体は彩子)サイド
 態度や雰囲気の違いを「路線変更です」と言って、やり過ごす。
 何故か上手にメイクができ、本人より女性らしい日高(身体は彩子)
「なんか彩子ちゃん、今日、天使みたいなんだけど」は同居人(居候)の陸の言葉。
  ………………彩子の身体を堪能したようだし……

彩子(身体は日高)サイド
こちらはコメディ風
・中身は殺人鬼の彩子と二人きりになる陸の身を案じるが、日高の身体ではどうしようもなく(スマホは自分のではなく、鍵もない)、歯がゆさに身もだえる
・初勃起体験
・ちんぷんかんぷん状態の会議中、思わず「ダメだぁ!」と叫んでしまう。その声に、会議のメンバーはうろたえる…
・間違えて女子トイレに
・手汗がすごい

陸も彩子に違和感を感じたが、八巻(溝端淳平)も彩子の所作や態度に疑問を持つ
【溝端の彩子への疑問】
・ずっと敬語
・化粧している
・机の上を片付けている
・「絶対犯人は日高だ。手柄を上げる」と言っていたが、そんなに固執していない
・“セクハラ”が(北村一輝)のあだ名であることを忘れている
・耳たぶを触る癖に違和感



そんな中、お互い、ある思惑をもって対峙する
彩子は《あの陸橋の階段から二人で転げ落ちれば戻れるかも》と考え、実行するが元に戻れず。
日高の身体が重度のナッツアレルギーであることを利用して、《彩子(見かけは日高)を自殺に見せかけて殺害しようとする》も、彩子の非常ボタンを押すという脅しで難を逃れた。

日高には日高としての人生への執着がなく、日高の身体が逮捕されることもが命が絶えることも厭わない(実際、ナッツアレルギーで殺害しようとした)
自分は彩子の人生を切り離すことができないので、自分には勝ち目はない。

………どうしようもない窮地が身に沁み、悲嘆にくれている中、インターホンが…
  ………彩子の変貌に違和感を感じ、ある妄想に近い発想を確かめるために、八巻が来たのだ。

 彩子の職員番号や同僚のあだ名や癖などを彩子(身体は日高)に言わせる。
 その結果、「彩子と日高が入れ替わっている」という結論に達する!
 「今までで一番のお手柄だよ」とドアホン越しに“いい子いい子”する彩子。地獄を味わっている彩子に、八巻は天使(救世主)に見えたかもしれない。 

 船の半券と八巻が日高(身体は彩子)から聞いた話から、奄美大島にまつわる入れ替わり伝説が何らかの関係があり、日高は何か知っていることが判明。(次話は奄美大島か)


 やはり気になるのは、”容疑を晴らす”という言い回し
 彩子が言うように、”容疑を晴らす”というのは、やってない人の使う言葉
 だとすると、日高はそのシリアルキラー(過去の類似事件の犯人?)を追っていて、殺人現場に残されていた凶器の石を回収したという可能性もある。
 しかし、現場で使用された匂いのない業務用の特殊洗浄剤は日高会社のごく一部の者しか入手できない。さらに、もし、パチンコ玉に付着していた組織片が日高が捨てた皮手袋のモノだったとしたら、やはり、日高が犯人という可能性が非常に強い。(洗浄剤については、五木樹里(中村ゆり)や営業取締役の富樫義貴(馬場徹)の可能性もある)

 日高が日高の人生に執着しないのは、彩子の身体に入った日高自体が本来の日高ではなく、“月と太陽伝説”を利用した何らかの方法で日高と入れ替わっていた別人なのかもしれない。
 今回、ナッツアレルギーで彩子(身体は日高)を殺害しようとした非情さを見せた(もしかしたら、彩子への脅しだけで、ギリギリの時点で処方薬を投与するつもりだったのかもしれないが)


【その他、気になったこと】
・病院でのやり取りの際、彩子のスマホのロケーション履歴をONにしていたが、あの時、そこまで気が回るのなら、日高のスマホのロケーション履歴もチェックするのでは?
・あの漫画は誰が書いたものなのか?

第1話第2話第3話


【ストーリー】番組サイトより
 捜査一課の刑事・彩子(綾瀬はるか)と殺人事件の容疑者・日高(高橋一生)は、階段から転げ落ちた拍子に魂が入れ替わってしまった…。
 彩子<日高>は日高<彩子>に「出頭して一生を塀の中で過ごすか、それとも自分と協力して容疑を晴らすか」と二者択一を迫る。仕方なく後者を選択した日高<彩子>は、彩子<日高>の指示通り、家宅捜索が入る前に日高のマンションからダンボール箱をこっそり持ち出す。中に入っていたのは連続殺人の証拠となり得る品々だった。身体が入れ替わってさえいなければ大手柄なのだが…。
 なんとか家宅捜索を乗り切った日高<彩子>は、そのまま河原(北村一輝)の事情聴取を受ける。そして、その様子を別室で見つめる彩子<日高>と八巻(溝端淳平)。八巻は彩子の雰囲気がいつもと違うことを変に思って尋ねるが、「路線変更です」と煙に巻かれてしまう。
 警察は日高が犯人である確たる証拠を見つけられないまま、秘書・樹里(中村ゆり)の素早い根回しで日高<彩子>を釈放。マンションに戻った日高<彩子>は、居候の陸(柄本佑)のことを考えた。一緒に暮らしている陸なら、きっと本物の彩子ではないことに気づいてくれるはずだ。
 ところがその頃、陸は彩子<日高>と仲良く食卓を囲んでいて…。

脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗
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天国と地獄 ~サイコな2人~  第1話 【追記:ドラマ冒頭について】

2021-02-14 12:26:54 | ドラマ・映画
今更ですが、第1話です。
昨夜、ようやく第1話を視聴。本日(2月14日)に第5話が放映されるというのに、“乗り遅れ”もいい所です。
遅ればせながら、レビューを書いていくのですが、第2話以降の展開はほぼ知らないので、既に第4話(もしかしたら第5話)まで視聴された方は、《的外れなことを書いているなあ》と呆れてしまうかもしれません。


望月彩子(綾瀬はるか)
・努力家で正義感が強く、上昇志向も強いが慌てん坊な刑事。思い込んだら一直線で失敗も多いため、周囲の刑事たちからは煙たがられている……番組サイトの「あらすじ」や「人物相関図の人物紹介」より
・「~であるべき」という主張が強いので、幼いころから“ベッキー望月”と呼ばれていた……彩子自身の独白より
・法規を遵守する理論(口先)だけでの風紀委員。手柄を欲しがるあまり、犯人を捕まえることだけに固執している(犯行を防ぎ、これ以上の犠牲者を出さないというような思いが薄い)……河原三雄(北村一輝)の言
・“ガツガツした人間”……私の印象
・洞察力・考察力はそれなりにある
・猛進型で周囲への注意を怠ることがある
・感情や思考が顔に出る
・嗅覚に優れ、においに敏感
・「彩子(あやこ)」は「サイコ」とも読める

日高陽斗(高橋一生)
・創薬ベンチャー企業「コ・アース」代表取締役社長。若くしてベンチャー企業を立ち上げたやり手の経営者で、大手食品企業サンライズフーズの御曹司……「人物相関図の人物紹介」より
・頭の良い人間にありがちな「上から目線」などまったくない超スマートな好人物。しかしその裏には、類まれな頭脳と知識を駆使したサイコパスな殺人鬼……「あらすじ」「人物相関図の人物紹介」より
・サイコパスでシリアルキラーで悪魔……第1話終了時の彩子の印象
・あれだけリッチなのに、電車を利用?

河原三雄(北村一輝)
・警視庁捜査第一課・主任
・彩子の先輩であり天敵。刑事としての能力は高く、結果も出すが、そのためのやり方は何でもありという危険な匂いの漂う人物……「人物相関図の人物紹介」より
・彩子は“捜査のためには何でもあり”というやり方を認めることができない……「人物相関図の人物紹介」より
・彩子からは「セクハラ」と呼ばれているが、「パワハラ」ではないのか?

遺体の口内にパチンコ玉を詰める猟奇的殺人
日高陽斗が最重要容疑者!

【容疑の根拠】
・犯行時刻前後に日高が付近にいるのをタクシーの車内レコーダーや自転車シェアリング(レンタサイクル)の防犯カメラで確認
・現場に残された匂いのない業務用の特殊洗浄剤と日高の会社の製品の試供品と成分が一致した
・日高は過去にボストンで連続強姦殺人の容疑を掛けられたことがある
・被害者の口に入れられたパチンコ玉の一つから、カーキ色の皮手袋の組織が検出された


 そんな訳で、日高の容疑は真っ黒!。しかも、番組サイトには「サイコパスな殺人鬼」と言い切られているし……
 ただし、巷では「日高は本当に犯人か?」という疑惑が上がっているらしい。

 犯人が残した謎の血の刻印の意味や類似点のある過去の殺人事件も気になる。
【気になった点】
・あれだけの捜査陣なのに、被害者の人物関係やスマホなどの履歴など具体的な捜査の情報がなかった。他の容疑者が一切挙がらないのは、手抜き。
 彩子が言及しなければ、日高が捜査線上に上がることはなく、初動捜査の状況を会議で上げてほしかった。

・電車内や病院など公共性の強い場所ではマスクを着用していたが、捜査会議など警視庁内ではマスクは皆無。その他、街内でもマスク着用の頻度は低かった。
 でも、あまりマスクが目立ってしまうと、現実感が強すぎて、ドラマにのめり込めないので個人的にはOK

【追記:ドラマ冒頭について】
 ドラマの冒頭は意味深で重要(特にサスペンスにおいては)
➀ある海岸(奄美大島)で佇む彩子。夜空を見上げる。
②漫画の1シーン…「今宵は新月」「月は無い」「世界は生まれ変わる」…少し不気味な登場人物の少年
③床に落ちる10数個ほどのパチンコ玉。
 死体の口にたくさんのパチンコ玉を挿入する人物
 「大好きなんだろう、金が」「大好きな金を食らい死んでいくお前は幸せ者だ」
(③のシーンは、実写、漫画、アニメが混在)
④パチンコ玉を口に詰めていた人物が、血で染まった丸い石を拾い上げる
⑤海岸に佇む彩子が丸い石を拾い上げるが、不意に後ろから来た人物に意思を奪われ、殴られかける
⑥その瞬間、彩子は目を覚ます。


 単なるこれから起きる出来事(ドラマ)を暗示したシーンなのか?
 海岸のシーンは、彩子が忘れている過去の記憶を夢で具現化されたのか?予知夢か?あるいは、今後のシーンを脚本家が予告したのか?
 死体のシーンは、彩子たちが捜査している殺人事件


第1話第2話第3話


【ストーリー】番組サイトより
 望月彩子(綾瀬はるか)は、努力家で正義感が強く、上昇志向も強いが慌てん坊な刑事。思い込んだら一直線で失敗も多いため、周囲の刑事たちからは煙たがられている。そんな彩子はある朝、出勤時間ギリギリに起床。朝からバタバタと急ぐあまり、電車内でうっかり自分だけマスクをしていないことに気付く。すると、偶然乗り合わせた男性(高橋一生)から自社製品のサンプルだというマスクを譲り受ける。
 そんな中、とある殺人事件が発生。管理官が刑事たちに現場へ急行するよう指示するが、なんとその時、捜査第一課に居合わせたのは、過去の失敗で謹慎中の身であった彩子のみ。彩子は、刑事として挽回する願ってもないチャンスの到来に、「絶対に手柄を立ててやる!」と息を巻いて現場へ急ぐ。向かった先には、遺体の口内にパチンコ玉が詰められた、猟奇的殺人現場が広がっていた。しかしその猟奇的惨状の反面、掃除されたばかりのような清涼感を感じる現場に違和感を覚える彩子──。
 そんな彩子の違和感を解消したのは、彩子の能天気な同居人・渡辺陸(柄本佑)。清掃現場でアルバイトをしている陸によると、匂いのない業務用の特殊洗浄剤がこの世に存在することが分かる。その洗浄剤の製造元は創薬ベンチャー企業のコ・アース社。あろうことか、そのコ・アース社、社長の日高陽斗は、なんと数日前彩子に電車内でマスクをくれたあの男だった──。

 自分だけが知る重要参考人に、何か運命めいた物を感じた彩子は早速日高のもとへと会いに行く。しかし、その時はまだ、表向きは若くしてベンチャーを立ち上げた敏腕経営者・日高が、裏の顔は類まれな頭脳と知識を駆使したサイコパスな殺人鬼であることは知る由もなかった──。

脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗
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新型コロナウイルス その92「大阪府の宣言解除要請の判断の合理性に疑問」

2021-02-10 17:54:31 | 時事
大阪府は緊急事態宣言について
①直近1週間の新規陽性者数が1日平均で300人以下の日が7日間続く
②重症患者用の病床の使用率が60%未満の日が7日間続く

 この2条件のどちらかを満たした場合、専門家の意見を踏まえたうえで国に解除を要請するかどうかを判断する


 この基準を府が発表した時、《「かつ」ではなく「または」なんだ》と思った。
 この2条件は感染状況の危機度を判断する上で、非常に重要な要素で、この両条件を満たさないと、緊急事態宣言の解除などできないはず。



 一応、この変な条件を満たしたため対策本部会議を開いたが、
 メンバーの専門家からは「現段階では緊急事態宣言の解除要請は時期尚早だ」という意見や「中途半端に宣言を解除すれば十分に下がりきらない状態から拡大へと転じる可能性がある」といった指摘が相次いだ。
 これを受けて会議では、医療現場の状況などを慎重に見ていく必要があるとして、現時点で国に解除の要請を行うことは見送る方針を決めた。

 吉村知事は
「基準として甘いとは考えていない。専門家の意見を聞いて、病床の使用率を見るべきだと判断して来週中に会議を開く判断をした」
「こうした判断基準を作らずに、国がいうことをやり期間が終わるまで黙って何も作らないというやり方もあると思うし、そのほうが批判もされず楽だと思う。ただ、僕自身は宣言の副作用や犠牲を考えたとき、一定の基準を作りながら専門家の意見も聞くという基準のもとで、きょうの判断をしたということだ」

(NHK 「NEWS WEB」より)

 宣言を延長した国を牽制したかったのだろう。

 無駄な会議のように思える……
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森喜朗会長の女性蔑視発言問題② ~~40分間の発言の中での言葉……あの発言は、一体、どの口が言ったのだろう?~~

2021-02-10 16:50:03 | 時事
 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が都内で定例会見に出席し、東京五輪組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視とみられる発言について言及した。
 「今回の女性蔑視と受け取れる発言は、いかなる種類の差別も認めないという五輪の根本精神に反するものである。私は極めて不適切だったと改めて強調したい」と語る一方で「森会長もこれを認めて撤回、謝罪しております。この発言自体の是非については改めて述べる必要はないと思っている」

『スポニチ』2月9日記事」より】

 山下氏も森氏の発言に対して「極めて不適切」と述べているが、森氏が撤回し謝罪しているので、これ以上追及しないらしい。
 まあ、運営側としては、諸々の事情により森氏が退場してしまう事態は避けたいのだろう。山下氏でなくても、辞任を勧告するのはかなりの決断が必要だろう(勇気も必要。あの会見での「不適任だ」と答えた記者は偉い!)
 でも、もう収まりがつかない状況なので、今が辞任を勧告するタイミングだろう。(前記事でも書いたが、これまでのゴタゴタの責任も取って欲しいし)

「森氏があの発言をした際に、山下会長も同席されていたのに、なぜ咎めなかったのか?」という記者の質問に対して
 「あの時、森氏が約40分間の発言をされた。その中の半分すぎたくらいのところで、“女性差別”と取られる発言があったが、その後もいろいろ話題が変わり、いさめる機会を逸してしまった」(←意訳)と説明。

 1回の発言で、40分間も!
 40分間もの発言の最中に「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と述べるとは!

 “棚に上げる”とか“どの口が…”とか、会議のメンバーは思ったのでは?

「森喜朗会長の女性蔑視発言問題」
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森喜朗会長の女性蔑視発言問題 ~~「(辞めるのは)みんな納得しない」……皆というのは誰を言うのか?~~

2021-02-09 15:59:29 | 時事
 東京五輪組織委員会の森喜朗会長が、女性理事を増やす方針を受け「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「女性を増やす場合は発言の時間もある程度は規制しておかないと、なかなか終わらないので困る」などの発言が、“女性蔑視”だと大バッシングを浴びている。
 さらに、謝罪会見での氏の応答や態度がさらに傷を深めた。



 問題となった発言があった翌日の四日午前、「(辞任の)腹を決めた」という森氏に対し、組織委幹部(武藤事務総長、遠藤副会長等)「とんでもない。みんな納得しない」などと説得、森氏は翻意したという(中日新聞「森会長 “辞任するつもりだった” 組織委幹部ら慰留で翻意」

 「みんな納得しない」というのは“周囲1メートルか?”と今日の『とくダネ!』で誰かが言っていたが、森氏の周囲の組織委員会の幹部たちだけが納得しないのだろう。世論を無視する“政治家の論理”だ。
 今回の発言で、森氏だけでなく組織委員会全体が“女性を蔑視する組織”と批判されているというのに……


 組織委員会だけでなく、二階氏も「辞任の必要はない」と擁護。自民党の幹事長の二階氏が擁護するということは、自民党に意思と解釈できる。
 菅総理は森氏の発言を「あってはならないこと」と言及したが、この「あってはならないこと」という言い回しは、やや受動的な表現で、糾弾の意思を緩めた印象がある。(この「あってはならないこと」という表現はなかなか便利なようで、組織のトップの使用頻度は高い)
 IOCも森氏が発言を謝罪し撤回したことで「この問題は終了と考えている」と回答したという。森氏の発言は問題あったとしても、謝罪したのだから、これ以上はとやかく言わないという意味だろう。(その後、森発言を非難する態度へ手の平返し)
 世間では「五輪憲章の精神に反している」と非難されているが、巨大スポンサーである米国放送局の意向を尊重して、決勝種目を午前中(米国ではゴールデンタイム)に行う五輪に、五輪憲章の精神を求めても仕方がないのかもしれない。


 そもそも、問題発言前の段階で、森会長が続投しているのに不満を感じていた。
 これまで「エンブレム問題」「国立競技場、再設計問題」「予算の大幅オーバー問題」「マラソン会場変更におけるゴタゴタ」などで、氏の責任を追及されることはほとんどなかった。(上手に都知事に振っていた)
 森氏は都や国から資金を出させる手腕に長けていた……

 このままでは、日本は女性を蔑視する国と見なされてしまう(実際、その傾向が強いのかもしれないが)。
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