英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2022王将戦リーグ 羽生九段5連勝とし挑戦権目前

2022-11-01 16:01:13 | 将棋
 昨日(2022年10月31日)に永瀬王座ー羽生九段戦が行われ、羽生九段が勝ち、リーグ戦成績を5勝0敗とした。
 中盤以降、両棋士共に《自信がない》局面が続いたようで、難解なまま終盤に突入。
 評価値では羽生九段が有利から優勢へと勝利に近づいていたようだが、非常に難解。人間的にも上位棋士にとっても、勝ちに結び付けるのは、容易でなかったようだ。(評価値的には優勢でも、《そんなの読めないよ》という指し手が多い)
 終盤、永瀬王座が馬で銀を取る手が詰めろになっているかどうかが、勝敗の分かれ目。実際には、後手玉への詰めろとなっていたようだが、永瀬九段は詰めろではないと判断し、直接、後手の守備金へ働きかけた。しかし、これが、逆に有効打となっておらず、羽生九段が勝勢となったようだ。
 この判断ミスは、不運と思われる手順だった。永瀬王座の思惑通りに詰めろを掛けながら手順に金を取ることができた。この間、後手は玉の横に歩を2枚2段目に打つ。守備力の低い歩を2枚打っても、しかも、後手を引きながら、金を取られながら自陣に歩を打つのでは、簡単に受けなしになりそうだ。しかし、逆に、先手が後手玉をすぐに寄せる手がなく、後手の羽生九段の勝ちになった。


前回記事(10月27日記事)より、3局が消化されており(青字部分)
1渡辺名人 1勝3敗  ●近藤 ●服部 ○永瀬 ●羽生 豊島 糸谷
2永瀬王座 2勝2敗  ○糸谷 ●渡辺 ○豊島 ●羽生 近藤 服部
3羽生九段 5勝0敗  ○服部 ○糸谷 ○近藤 ○渡辺 ○永瀬 豊島
4近藤七段 2勝2敗  ○渡辺 ●豊島 ●羽生 ○服部 永瀬 糸谷
5豊島九段 2勝1敗  ○近藤 ●永瀬 ○糸谷 渡辺 服部 羽生
5糸谷八段 0勝3敗  ●永瀬 ●羽生 ●豊島 服部 渡辺 近藤
5服部五段 1勝2敗  ●羽生 ○渡辺 ●近藤 糸谷 豊島 永瀬
 羽生九段を除く1敗以下は豊島九段のみとなった。
 羽生九段は残り1局なので、最終局に負けても1敗。(2敗にはならない)
 よって、挑戦権獲得は羽生九段と豊島九段に絞られた。(前回記事の、連敗した場合、挑戦権獲得云々は無駄な作業となったが、嬉しい誤算)
 最終局は、この両棋士の対局なので、豊島九段が残り3連勝すれば、豊島九段に敗れることとなり、両者5勝1敗でリーグを終えることになり、プレーオフ。
 なので、豊島九段としては勝ち続けることで挑戦権を獲得できる、いわば、自力状態。
 よって、羽生ファンとしては油断できない。と言っても、最終局までの、豊島ー服部、豊島―渡辺戦のどちらか一局でも落としてくれれば、挑戦が決定するというかなり有利な状況。

 羽生九段が挑戦を逃がすケースは……
羽生九段が 最終局(対豊島戦)●、プレーオフ(対豊島戦)●
  かつ
豊島九段が 対服部戦○ 対渡辺戦○ 最終局(対羽生戦)○ プレーオフ(対羽生戦)○
  の時のみ
最終局とプレーオフは直接対局なので、豊島九段視点で見ると、豊島九段4連勝の場合、「豊島挑戦権獲得」となってしまう
勝ち負けが五分(50%)だとすると豊島九段がプレーオフに持ち込む可能性は、3連勝の確率 0.5×0.5×0.5=0.125 つまり12.5%(羽生九段がプレーオフにならずに挑戦権獲得の確率は87.5%)
(もし、直接対局が済んでいての羽生5勝0敗、豊島2勝1敗なら、豊島3連勝かつ羽生敗局が条件となり、0.5×0.5×0.5×0.5=0.0625 6.25%(プレーオフなしの羽生九段挑戦権獲得の確率は93.75%)となるのに。)

さらに、プレーオフになって、更に豊島九段が勝つ確率も 0.5×0.5×0.5×0.5=0.0625 6.25%(←羽生九段にとって最悪のシナリオ)となる。

数字の上では相当羽生九段が相当優位なのだが、服部五段と渡辺名人には頑張っていただきたい。

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