英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2016王座戦 第2局 その3「自然な手順だったが」

2016-10-28 23:59:06 | 将棋
非常に間が空いてしまいましたが
「その1」「その2」 の続きです。


 第12図の▲3三歩成はと金を作って当然の手に見えたが、△6四角に▲5五歩と応じた時に△3三桂と、せっかくのと金が取られてしまうので、▲2二歩の方が良かったと言われている(▲3三歩成で形勢が逆転したわけではなく、依然、先手優勢。)。
 もちろん糸谷八段もそれは承知で、△6四角に▲3四とが継続手。
 「▲3三歩成~▲3四と」は、「と金製造~と金活用」と自然な手で、≪これで“先手優勢”≫≪これで先手が悪いはずがない≫と誰もが判断するような手順だ。

 しかし、▲3三歩成△6四角▲3四と△3七歩成▲2九飛△3八と(第13図)まで進むと

 意外に難しい。
「と金を引いて銀を取りにいく手が遅かったです」という糸谷八段の感想もあるように、後手としては銀を取られても飛車を攻めつつ先手陣に迫れるのが大きく、釣り合いが取れている。先手は「▲3三歩成→▲3四と→▲3五と」と3手費やしている。
 第13図の飛車取りに対し▲2七飛と逃げるのは、以下△3七と▲2九飛△3八と▲2七飛△3七と▲2九飛…と千日手になる。この将棋の流れを考えると、先手番の糸谷八段は≪不本意≫、後手番の羽生王座は≪望むところ≫だろう。
 糸谷八段はノータイムで▲5九飛。しかし、以下△4七歩▲5八飛△4八歩成▲6八飛(第14図)までの手順は、やはり不本意だったのではないか。

 「低い位置ながらもと金の数は2対1と逆転」、「銀はまだ取られていない」、「6五の位も大きそう」、「△1九と香車を取れる」と後手の主張も増え、形勢互角と言ってもいいだろう。


 第12図に戻ってみよう。

 ▲3三歩成が最善手ではなかったとしても、この局面が互角とは思えない。
 実は、△6四角に対する▲3四とが問題の手だったのである。では、どう指せばよかったのか……

Ⅰ.▲2三と
 この▲2三とは、そっぽに行く感じが強いうえ、▲2三とに△1五飛と進むと、と金が置いてけぼりになってしまうように思える。
 以下▲2四と△3七歩成(変化図1)と進む。

 一見、先手のと金が間に合っていないように見えるが、ここで▲1四とが好手。


 これで飛車交換、または、飛車の成り込みが見込まれ、後手に自陣に不備があるので先手優勢。
 変化図1の▲1四とのところ、①▲2五飛もあるが1五の飛は紐付きなので、△4七ととと金を使われる分だけ損。また、②▲2五となら△1二飛と引かれると、▲2九飛と逃げることになり、この順は本譜の展開より損である。

 また、変化図1の△3七歩成では△2六歩と押さえ込みを図る手も考えられる(個人的には好きな手である)。
 以下▲2五と(▲2九飛もある)に△1六飛(変化図3)と根性を振り絞るが、

 以下▲3五と△3八と(△2七歩成も考えられるが、▲2五桂と捌かれそう。△3八とを先にしたのは、▲2五桂に△1九角成を用意するため)▲5九飛△2七歩成(変化図4)で、銀を犠牲に左辺を制圧できたかに見える。

 しかし、ここで▲4四歩が巧手。次に▲4三歩成△同金▲4四と△4二金に▲5五歩△同歩▲5四歩と絡みつく。△4二歩とそれを防いでも、▲5五歩△同歩▲4五とで絡みつかれてしまう。
 なので、後手はどこかで攻め合わなければならないが、後手の飛車がすんなり成り込めず、2枚のと金で攻めるのも、先手陣に大きなダメージを与えることは出来なそうだ。


Ⅱ.▲2九飛

 第12図から、△6四角▲3四との手で▲2九飛も有力だ。
 以下△3七歩に対し▲3四となら実戦と同じになるが、ここで▲2五桂(変化図5)が巧手。

 △2五同歩と取るのは▲同飛で飛車を捌かれてしまう。また、▲2五桂に△3八となら、▲2二と(変化図7)で飛車が捕まってしまう。飛車を助けるためには△3三桂▲同桂成(1三に飛車の逃げ場ができる)ぐらいだが、捕れそうな桂を取れずに成り込まれるうえ、2一の桂を差し出すというのはあまりにも悔しいし、次に▲1四歩と伸ばされると、再び後手飛車が危うくなる。

 また、▲2九飛で先に▲2五桂だと△1九角成とされてしまう。
 まさに手順の妙で、▲2九飛~▲2五桂でないと成立しないのである。
【続く】
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矛盾だらけの発言……日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長

2016-10-28 01:21:49 | スポーツ
 川淵三郎氏と言えば、元日本代表監督、Jリーグ初代チェアマンを経て、第10代日本サッカー協会(JFA)会長を務めた日本サッカー協会の功労者。また、サッカーのみに留まらず、日本トップリーグ連携機構代表理事会長、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会評議員、国際バスケットボール連盟JAPAN 2024 TASKFORCEチェアマン、日本バスケットボール協会エグゼクティブアドバイザー、さらに、実業界では古河グループの古河産業の取締役を務めるというスーパーウルトラスペシャルな活躍。
 当ブログの過去の記事で登場したことがある。この件では、氏に対する私の評価を大きく落としている(サッカーには疎いので、これまでの氏の業績はあまり知らないというのが正直なところである。申し訳ありません)

 で、昨日のNHKのニュースを見ていたら、川淵氏が
「見直し案に対して、我々としては、どうも納得ができない!」
「絶対に有り得ないと思います」
と声を大にして主張していた。
 NHKはこの他の氏の主張をキャスターがアナウンスしていたが、その根拠が全く紹介されていなかったので、私としては、逆に、全く納得できない川淵氏の主張だった。

 そこで、ネットで検索を掛けてみると、テレビ番組での川淵氏の主張と、会見のことが記されていた(この記事では2記事しか検証しませんが、手抜きをご了承ください)。本当は「王座戦第2局」を書いていたのですが、このニュースを見ていて納得できなかったので、こちらを先に書きました。


 まず、記事での氏の主張をそのまま紹介します。
『川淵三郎氏「夢がある場所を作るのがなぜ悪い?」有明アリーナの必要性を連日力説』
『Yahoo!ニュース』

 団体球技の活性化を目指す日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長(79)が27日、テレビ朝日系の情報番組 「ワイド!スクランブル」(月~金曜・前10時30分)に出演し、小池百合子都知事(64)率いる都政改革本部が、2020年 東京五輪パラリンピックのバレーボール会場となる「有明アリーナ」(江東区)の建設計画の見直しを検討していることに改めて異議を唱えた。
 お昼の茶の間に向けて、川淵氏がまくしたてた。有明アリーナは「日本にこれまでないようなアリーナを初めて作って、それをきっかけに これまでの古い『体育館』がそういった方向に行ことが地域社会に賛同されるし、たくさん作っていこうとつながる」と夢を語った。
 そして 「ここ(有明アリーナ)で五輪が開かれて、日本の選手が活躍した。ここでやりたいと思う子ども達がいっぱいいることは決まっているし、普通の選手もそうだし。ここでやることが世界に繋がるという夢を持つ場所を何で作っておかしいの?」と問いかけた。

 放送の前日に行われた日本トップリーグ連携機構の会見でも
「五輪へ向け、世界に誇れるアリーナが、絶対に必要だと確信しています。レガシー(遺産)というのはお金の問題ではなく心の問題です」
と語っていた川淵氏。
 この日の放送でも同様の主張をし、横浜アリーナを改修して使用するという代替案については「東京五輪のレガシーとして使われることは絶対にあり得ない」と猛反論した。
 一方で経費については「小池知事が『コスト、コスト』と言われるのは 当然の話で、そういういいものを作るためにいくらお金がかかってもいいと僕も思ってはいません」と賛同。「小池知事が(コストについて)言っておられることは非常に価値がある。そういう意味では、(当初の計画時からの)値段の上がり方は意味分からない」と訴えていた。



>有明アリーナは「日本にこれまでないようなアリーナを初めて作って、それをきっかけにこれまでの古い『体育館』がそういった方向に行くことが地域社会に賛同されるし、たくさん作っていこうとつながる」と夢を語った。

 まさに“夢”を語っている。
 予算があればその夢を実現すればいいが、予算がないから“やり繰り”をしようと苦心しているのだ。
 氏の言う“日本にこれまでないようなアリーナ”という考えは、予定変更を余儀なくされた「新・国立競技場」を思い出させる。最初の完成予想図を見て、≪おお!かっこいい≫と思った人は多いはずだが、予算が膨らみ過ぎで断念。再考案に至っている。
 まさか、“スーパーウルトラスペシャル”な川淵氏がこの経緯を知らないとは思えないが……

 しかも、“古い体育館”から“これまでにないようなアリーナ”に向かい、“たくさん作っていこう”につながる
と語る。
 氏の言うアリーナをひとつ分の予算で、古い体育館がいくつ建つのだろうか?
 そんな立派なものを作っても、フル活用するほどの機会はなく、地方では負担になるだけ。ソフトバレーやスポーツ少年団の活動が出来る体育館が充分にある方が、地域社会に賛同されるのではないだろうか?



>「ここ(有明アリーナ)で五輪が開かれて、日本の選手が活躍した。ここでやりたいと思う子ども達がいっぱいいることは決まっているし、普通の選手もそうだし。ここでやることが世界に繋がるという夢を持つ場所を何で作っておかしいの?」と問いかけた。

 “ここ(有明アリーナ)”に変えて、“日本”に置き換えて、「“日本”で五輪が開かれて、日本の選手が活躍した。“日本”でやりたいと思う子ども達がいっぱいいることは決まっているし、普通の選手もそうだし。ここでやることが世界に繋がるという夢を持つ」としても充分に成り立つ。
 「なぜ、有明アリーナが必要なの?」と問い返したい



>放送の前日に行われた日本トップリーグ連携機構の会見でも「五輪へ向け、世界に誇れるアリーナが、絶対に必要だと確信しています。

 何を根拠に確信しているのだろうか?
 

>「レガシー(遺産)というのはお金の問題ではなく心の問題です」(放送の前日に行われた日本トップリーグ連携機構の会見)

 いや、お金の問題も大きい。
 それに、「心の問題」と言い切るなら、建物に拘るのはおかしい。



>横浜アリーナを改修して使用するという代替案については「東京五輪のレガシーとして使われることは絶対にあり得ない」と猛反論した。

 「絶対にありえない」と、どうして言い切れるのだろう?
 「レガシー」にするのは建物ではなく、人の思いや活動であろう!
 

 次にNHKサイトの記事について見てみよう(こちらは記者会見についてのみ)

『トップリーグ機構 川淵会長「新しいアリーナは大切」』
(NHK 『NEWS WEB』


東京都が4年後の東京オリンピック・パラリンピックの競技会場の見直しを検討していることについて、国内の球技のリーグが参加する日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長が会見し、「大会を機に新しいアリーナを作ることが大切だ」と訴えました。

東京大会の競技会場をめぐっては、都の調査チームがコスト削減のために小池知事に見直しを提案し、このうち、バレーボールの会場として新しく建設される「有明アリーナ」については既存の施設を利用すべきなどとしています。

これについて、バレーボールやバスケットボールなど国内の13の球技のリーグが参加する日本トップリーグ連携機構が26日に記者会見を開き、川淵会長は「『有明アリーナ』の建設に心から期待していたので、見直し案に対して納得することはできない」と述べ、予定どおり会場の整備を進めるよう訴えました。
そのうえで、首都圏の既存のアリーナは1年のうち8割近くがスポーツ以外に使われていることを指摘し、「既存の施設で大会を開催したとしても、その後のレガシーとして使われるということはありえない。東京大会を機に新しい、世界に誇るアリーナを作ることが大切だと確信している」と話しました。
さらに川淵会長は「コストだけが問題となっていて、新しい施設によってどれだけ収益を上げられるかという複合的な見方がされていない」と述べ、収益も含めた議論をすべきだと主張しました。

日本トップリーグ連携機構は、先週、小池知事や大会の組織委員会などに予定どおり「有明アリーナ」の建設を要望する嘆願書を提出しています。



>「『有明アリーナ』の建設に心から期待していたので、見直し案に対して納得することはできない」と述べ、

 おもちゃを欲しがる子供を思い出す。


>首都圏の既存のアリーナは1年のうち8割近くがスポーツ以外に使われていることを指摘し、「既存の施設で大会を開催したとしても、その後のレガシーとして使われるということはありえない。東京大会を機に新しい、世界に誇るアリーナを作ることが大切だと確信している」と話しました。

 “8割近くがスポーツ以外に使われている”のが現状で、だからこそ、有明アリーナを建設しても負の遺産になると言っているのである。「その後のレガシーとして使われるということはありえない」という言葉をそのままはお返ししたい。


>「コストだけが問題となっていて、新しい施設によってどれだけ収益を上げられるかという複合的な見方がされていない」と述べ、収益も含めた議論をすべきだと主張しました。

 まず、巨額を投じた建設費を回収できるのか?
 有明アリーナを建設すると、付近は余剰施設となり、ますます、収益が少なくなる。
 施設をフル活用できるプランを持っているのだろうか?



 バレーボールに限って言うと、これまで、ワールドカップや世界選手権を数多く開催しており、従来の施設でも五輪を立派に運営出来得るのではないだろうか?「収容人員が五輪規定に満たない」ようだが、そんな、難易度の高い施設規定がおかしく、こちらを改正すべきであろう。
 そもそも、バレーボールの国際大会にしても、ジャニーズ頼りの集客や、日本以外の対戦カードを全く蔑ろにして、バレーボールそのものの魅力をアピールしていない。(テレビ局の責任もあるが)

 バレーボール協会さん(川淵さん)、あなた方が金を出すか、資金を捻出してほしいものである。
コメント (2)
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相棒 season15 第3話「人生のお会計」

2016-10-27 17:33:03 | ドラマ・映画
突っ込み処はあるけれど、ストーリーの核がしっかりしていて、意外性もあり、面白かった

余命宣告を受けた谷中(石井正則)は、人生の最後に“今まで、したくてもできなかったこと”をやろうと考える
       …………………………………「人のために生きよう」


その具体案が「山本の代わりに田島に復讐」というのが方向違いではあるが、
死を考え、人生を考え、生きる意味を考えた
・今までこれと言って何も為しえていなかった自分の人生
・娘を失った悲しみで、苦しんで生きてきた山本
・人の人生を狂わせておいて、のうのうと生きている田島 
         
・死ぬことはそれほど重要じゃない。どう生きるかが問題だ

そして………「殺すことで苦しめるのではなく、苦しみの中で生きる罰」を与えようとした
      …………………田島に自分を殺させ、殺人犯としての人生を歩ませる

 結局、右京に計画を阻止されたが(冠城は振り回されただけ)、
 山本にゆすられた田島が山本を殺害しており、谷中の思いとは違う形ではあるが「田島を殺人犯として苦しい人生を歩ませる」ことになった。


『相棒』の犯人の中には、誤解から殺人を犯してしまうパターンなど、「ラストシーンで“何てこったい!”という思いに突き落とされる」ことがが多い。
今回の谷中もそのパターンではあるが、不幸度は小さい。計画通りに命を失うよりは遥かに良さそう。


その上、図らずも、これまでの人生では得られなかった体験ができた。
・シャンペンタワーなどの豪遊(一晩で500万円)
・入れ墨を彫る
・拳銃を手に入れ、人に恐怖を味あわせる

しかし、「大きな散財」「公衆浴場には入れなくなる」「銃刀法違反」(ついでに「家宅侵入」「拉致誘拐」)という大きな副作用も。

ラストシーンでは、思いのほか経過(検査の数値)がよく、奇跡の回復の可能性が出てきた(これって、誤診?)


谷中の破れかぶれ的思い切りの良い行動や、死ぬことではなく生きることに価値観を感じた考察、他人に迷惑を掛けないというポリシー、良く練られた復讐手段や実行計画、皮肉な経過や結末など面白かった。

【細かいツッコミ】
・「素直に白状したら“まっすぐ帰る”と言ったじゃないか!」という組長に対して、“暇か課長”は「俺はそんなこと言っていないよ」ととぼけたが、「言ったのは冠城だよ」というセリフも欲しかった。さらに、冠城が立ち去る際、「では、お先に。まっすぐ帰ります」というセリフも欲しかった。


【その他のツッコミや疑問点】
・山本の身の上を聞き、代わりに復讐すると告げた直後に、山本が具体的に殺害手段を尋ねるのは、唐突。
・山本に田島の住所を教えたのは軽率
・田島が山本を殺害しゆすり取られたお金を持ち去る際、普通は銀行の封筒ごと持っていくのでは?

・山本がゆすり取ったお金を仏壇に供え拝んだのは、わざと背中を見せ、山本が殺害するよう誘ったのでは?
・田島が拉致された直後の田島邸だが、鑑識の人数多過ぎ
・谷中の熱意に負け、拳銃を売り渡した暴力団がやや気の毒(一度は追い返しているし)
・谷中が拳銃を持っていないことを知りつつ、場面を煽って、田島の自白を引き出していた。右京の白々しさが素晴らしい(笑)
・今後の生き方を問う余命宣告を受けた谷中に対して、「したくても出来なかったことをするとか」と横を向いて面倒くさそうに答えた医師の態度が冷たい
・崖があまりにも絶景で、行きたくなった
・過去に山本の娘さんが飛び降りているので、右京の説得はやや疑問
・谷中の落としたハンカチが、崖から落ちそうで落ちないのが気になった

 
【ストーリー】番組サイトより

殺人犯は余命宣告を受けた保険の営業マン!?
亘は“理想の上司”伊丹に弟子入りを志願


ある日、谷中(石井正則)という保険会社の落ちこぼれ営業マンが、医師から余命いくばくもないと告げられる。谷中は突然の宣告に戸惑いながらも、孤独な身の上をかんがみて、「今までしたくても出来なかったことをやろう」と思い立つ。そんな折、営業でたまたま飛び込んだアパートで、山本(十貫寺梅軒)という年配の男性が、自殺しようとしている現場に出くわす。行き掛かり上、自殺を思いとどまらせた谷中は山本から、娘を死に追いやった男に復讐したいものの、行方が分からないため人生に絶望したという話を聞く。

それから三週間後、山本が自室で殺害されているのが発見された。亘(反町隆史)は、どういう風の吹き回しか、「勉強させてほしい」と伊丹(川原和久)に取り入り、その事件の捜査を“見学”することに。一方、独自に動き始めた右京(水谷豊)は、被害者の仏壇に谷中の名刺が置いてあったことが気になり、勤務先の保険会社を訪ねる。するとそこに伊丹たちが乗り込んでくる。山本は最近、谷中の勧めで保険に入っており、受取人が谷中になっていたため、事情聴取で連行するという。ところが、その後、谷中に確かなアリバイがあることが分かり、一課は疑いを抱きながらも解放せざるをえない状況に。その頃、右京は、山本の娘が10年前、田島(渋江譲二)という男に貢ぐために横領事件を起こし、自殺したという情報を掴んでいた。一旦は捜査一課に帯同していた亘だったが、今回の殺人事件と田島の繋がりが気になり、右京と共に田島が勤めていたホストクラブに足を運ぶ。すると、数日前に谷中が田島のことを聞きに店を訪れ、なぜか数百万円もの大金を散財していたことが分かる。


10年前の女性の自殺と現代の保険金殺人に繋がりが!?
余命宣告を受けた落ちこぼれ営業マンの暴走の理由とは?
右京と亘がそれぞれの視点から奇妙な保険金殺人に挑む!

ゲスト:石井正則

脚本:櫻井智也
監督:兼﨑涼介
コメント (6)
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土曜ワイド劇場「おかしな刑事(14)」

2016-10-26 00:25:44 | ドラマ・映画
サブタイトルは
「完全密室の劇場でスポットライトを浴びた死体!女優が残した文字“ス1755”の謎とは?」


 “完全密室”……って、合鍵を使っただけ!
 “ス1755”……「17:55」…ほぼ、そのまんま! 「ス」は特急スペーシア(東京と日光・鬼怒川方面をつなぐ特急)


 上記のように、事件の真相が杜撰!さらに
・演出家のスマホを使ってメールを送り、被害者を呼び出したのは、一見、巧妙のようであるが、綱渡り的な要素も強い。目撃される危険性は相当高く、指紋は残らなかったのか?
・合鍵を準備したのは“周到”であるが、呼び出し方は場当たり的で、殺意も衝動的。犯人の立場で、合鍵を作ることは可能だったのだろうか?
・演出家・野口も問題あり(プロデュースする劇はつまらなく、主演女優に手を出す)だが、被害者女優の純潔さを主張しフェードアウト(あれだけ疑われたというのに)。


 鴨志田新一(伊東四朗)と娘・岡崎真実(羽田美智子)はのコンビは安定して面白いが、真実に恋人・五十嵐進(駿河太郎)が出現。しかも、若手の猪突猛進型の刑事という驚きの展開。
 本間京一管理官(中村俊介)は冷静で頭も切れるが、捜査方針などの勘は悪い。嫌な奴だが、失敗を犯した五十嵐を許すという面も。まあ、“9係”の青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)コンビに脅されてのことだが…


【その他のツッコミ】
・姉小路(石井正則)が務める法律事務所の代表・武井昭一(正名僕蔵)と女性事務員が将棋を指していたが、その局面が、許せないほどの有り得なさだった
・“横浜の叔母様”(田島令子)がやたら機嫌よかった
 

【ストーリー】番組サイトより
 鴨志田新一(伊東四朗)は、警視庁東王子署の警部補。別れた妻との間にもうけた娘・岡崎真実(羽田美智子)は警察庁刑事局のエリート警視だが、鴨志田と真実が実の親子だということは、2人の職場の人間は誰も知らない…。
 北区王子にある劇場で、劇団の人気女優・辻本マキ(中丸シオン)の死体が見つかった。犯人は小道具のブロンズ像で後頭部を殴打した後、遺体をあお向けに寝かせて照明を当てるという“演出”を加えており、まるで芝居のワンシーンのような現場だった。事件当夜、劇場は正面玄関にも裏口にも鍵がかかっており、現場は密室だったことが判明。被害者の携帯電話は犯人が持ち去ったらしく行方不明だったが、バッグからは本人のものではない血痕が付着したハンカチが見つかった。鴨志田たち東王子署の刑事たちは、劇団主宰者の野口啓吾(青山勝)ら関係者らのDNAを採取して血痕と照合するが、一致する人物は見当たらなかった。
 すぐに東王子署に捜査本部が設置され、警視庁から本間京一管理官(中村俊介)と捜査一課8係の刑事たちが乗り込んできた。本間は、劇団の公演に毎回足を運んでいるファンにまで捜査範囲を広げるよう指示。鴨志田は8係の若手刑事・五十嵐進(駿河太郎)とコンビを組んで、常連の観客たちからDNAを採取して調べることに。
 そんなとき、五十嵐が有力な情報を探し当てた。被害者のマキは大学時代に1本だけアダルトビデオに出演した過去があり、そのビデオを制作したプロデューサーの八田勇二(新納敏正)と事件の2日前に激しく言い争っていたという。しかも八田は現在、姿をくらましていた。
 五十嵐は八田が犯人だと信じて突き進むが、DNA鑑定は不一致だった上、物証も動機も浮かび上がらず、捜査は振り出しに…。突っ走った責任を問われた五十嵐は捜査本部から外されることとなるが、その矢先、鴨志田はマキがAVに出演していたという情報を五十嵐に教えたのは、ほかでもない真実であり、なんと2人が3カ月前からつきあっていたことを知って…!?

脚本:水谷龍二
監督:梶間俊一
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続・2016秋ドラマをいくつか…

2016-10-25 22:14:33 | ドラマ・映画
「2016秋ドラマをいくつか…」 の続きです。
『IQ246 華麗なる事件簿』…第2話
【感想など】
・主人公の法門寺沙羅駆(織田裕二)のキャラに慣れたのか、抵抗感は減った
・非合法的に犯人を追いつめる際に、和藤奏子(土屋太鳳)を絡ませなかった優しさは、なかなかよかった
・土屋太鳳はなかなかいい味を出している。“桁違いの愚かな推理”は清々しさを感じる
・沙羅駆を事件に介入させたくないなら、和藤奏子では到底無理。不可解な人選
・執事の賢正(ディーン・フジオカ)と犯人の前川公平(佐藤隆太)との格闘シーンは要らない
・今回の推理(トリック)は面白かったが、心理操作で毒薬を飲ませたのは強引。警察官に扮して密室を完成させるトリックを4回も成立させるのは難しそうだ
・今市刑事(真飛聖)と山田刑事(宮尾俊太郎)は“フェードアウト コンビ”と呼ぼう

『キャリア ~掟破りの警察署長~』…第3話
【感想など】
・主人公の金志郎(玉木宏)のキャラが気持ちよく、ストーリーも深みがあって面白かった
・“遠山桜”の如く、署長の証の警察手帳を振りかざし、犯人が慄くのは無理があり過ぎ
・捜査課が役立たず過ぎ。そのくせ、署長を敬わない。(第2話までと同じ)
 金志郎のおかげで、誤認逮捕をせずに済んだというのに、署長に礼も言わず、疑いまくった介護士・奥田百合子(奥菜恵)にも謝らない。刑事としても無能だが、人間的にも駄目であろう。

『Chef ~三ツ星の給食~』…第2話 
【ツッコミどころなど】
・面白かったが、このストーリーの造りでは、4~5話ぐらいが適当のように思う
・給食のルールを守り、かつ、自分のポリシーを貫き、子どもたちに「おいしい」と言わせた。しかし、基本的な料理法は、自分流を変えていない。それでいて、第1話では「まずい」、第2話では「おいしい」。この違いは何故?
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三浦九段不正疑惑、出場停止問題 「その3 明らかになった連盟の呆れた対応」

2016-10-22 20:37:17 | 将棋
「その1」「その2」 の続きです。
『週刊文春』『週刊新潮』の記事(福井は1日遅れの発売)、三浦九段の2度の反論文書を確認。
本記事はそれ以後に感じたことをまとめたもので、“三浦九段反論文書”以前の経緯は「その2」の方が詳しいです


★将棋連盟の対応……『週刊文春』やこれまで表面に現れた情報(事実と異なる可能性あり)
10月10日・七者協議
 離席の多さとタイミング、指し手のソフトとの一致率(渡辺竜王、佐藤天名人、羽生三冠、佐藤九段(棋士会長)、千田五段(将棋ソフトに精通)、谷川九段(連盟会長)、島九段(理事)が三浦九段の指し手を検証)で、将棋ソフトによる三浦九段のカンニング疑惑を深める。
 渡辺竜王の申し立て(連盟は「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」と13日の会見で示唆)によるもの。告発動機は「七番勝負が始まってから、疑惑が公になり、タイトル戦が中断になること。連盟がその疑惑事実を知りながら公にしなかったことが発覚すること」

10月11日・常務会
 三浦九段に聴取。
『「将棋会館内の他の部屋で休んでいた」などの三浦九段の説明に常務会が納得できないとしたのに対し、「疑念を持たれたままでは対局ができない」と三浦九段が竜王戦への出場辞退、休場の意向を示した。同連盟では12日午後3時までに休場届を提出するよう求めたが、届が出なかったため、出場停止を決めた。』(『YOMIURI ONLINE』)

10月12日・会見
 三浦九段の出場停止処分、竜王戦挑戦者変更を発表。
 処分理由は、休場届を期限までに提出しなかったこと。出場停止処分は年内。(不正行為を処分したのではない)

10月13日・会見
 三浦九段から改めて事情を聴く考えはないことを明らかにした。
 島常務理事は「(出場停止が明ける)年明けの対局で範を示してほしい」と語り、これ以上の処分は科さない意向を示唆した。「5人前後の棋士から不正調査依頼があった」「常務会に際しては、材料を十分準備して臨んだ。ここでは多くを語れない」とも説明

10月14日・竜王戦前日
 対局者の金属探知機による手荷物検査を実施。
 前夜祭で谷川会長が騒動について謝罪。

10月21日・棋士への説明会(非公開)、ソフト不正疑惑や処分の経緯について
 「三浦九段の不正の有無について調査する」「三浦九段から提出されたパソコンについても調べる」「来週から顧問弁護士を中心とした調査チームを立ち上げる」などの方針を示した(説明会後の島理事の記者への説明による)。


★三浦九段の動き……連盟発表の伝聞、反論文書、インタビュー、取材コメントなど
10月11日・常務会
 疑惑を否定。「疑惑をもたれたままでは将棋を指せない」と発言(連盟発表)

10月12日・処分発表後の取材に対して
 「不正行為はおこなっていない。弁護士に任せているので、それ以上のことは言えない」

10月18日・反論文書を報道機関に公表
 不正行為を否定、連盟の処分は不当と主張し、
・保有するノートパソコン2台、デスクトップパソコン2台、スマートフォンの全アプリを撮影した画像を提出したが、それを精査せずに処分を決定した
・離席が多いことやコンピュータとの一致率が高いことを示す証拠を書面による提出を求めたが、為されていない
・離席中は将棋会館内の休憩室である「桂の間」などで横になるなどして体を休めつつ次の指し手を考えていた
・将棋ソフトを活用し研究すれば、指し手の一致率は高くなる
・連盟の調査には最大限協力する。それで、嫌疑が晴れることを信じている

10月18日・NHKのインタビュー
 要旨は反論文書とほとんど同じだが、竜王戦の辞退を申し出たとする連盟の説明に対し、「竜王戦は将棋界最高峰の棋戦で挑戦するだけで大変な名誉だ。辞退するわけがない」と反論
・「決して不正はしていないので、処分を受けるいわれはない。対局中に絶対にソフトを使っていませんし、そもそもスマートフォンに分析ができる将棋ソフトが入っていません」
・席を離れた理由については、「私はもともと離席は多いほうだと思う」としたうえで、特に多かったと指摘された7月26日の対局について、「体調がすぐれなかったので、休んでいた時間が長かった」と説明。
・休場届を出さなかったことについては、「やましいことは全くないので出す必要はない。そういうことで休場届は提出しないと決めた」

10月21日・2度目の反論文書を報道機関に公表
報道されている内容の事実と異なる点を主張
・「常任会に渡辺竜王の同席を求めた」とあるが、「渡辺さん(明・竜王)はこれから戦う相手なので呼ばないでください」と伝えた(竜王戦での対局に影響が出るから)。
・「三枚堂四段が三浦九段から“スマホでパソコンを遠隔操作する方法を教えてほしい”と依頼された」とあるが、「(三枚堂四段が実際に遠隔操作しているのを見て)「私は、そんなことができるのかと驚き「どうやっているの」と聞きました。彼は、私がパソコンに疎いことを知っていたため、詳しい説明はしませんでした」「もちろん、遠隔操作するソフトをインストールもしたこともない」
・「対局中にスマートフォンを操作したことはない」
・「私はスマートフォンの提出を拒否した訳ではない。そもそも、連盟はスマートフォンのみならずパソコンの提出すら望んでいなかった」
・「スマートフォンと4台のパソコンを信頼のおける調査会社等に提出し、過去にインストール及びアンインストールされたソフトの内容や、電源のオンオフの日時などの解析を行ってもらおうと考えている。調査会社等の選定については、連盟が協議に応じてくれるのであれば、連盟と共に選定したい。家族の機器も調査対象にする」

★棋士個人の見解・意思
渡辺竜王
 竜王七番勝負中の騒動や“連盟が不正を隠した”と思われるような事態を避けたいと、問題提起。
 理事会の棋士への説明会では、「疑念がある棋士と指すつもりはない。タイトルを剥奪(はくだつ)されても構わない」と、連盟幹部に強く対応を求めていたことを明らかされた。

羽生三冠
 文春記事では「三浦九段の処分に同調した」ような印象の記事に対して妻の理恵さんのツイッターで、『「灰色(疑わしい)」と発言したのは事実だが、白の証明も黒の証明も難しく、“疑わしきは罰せず”が大前提だと思っている』と表明(訂正)。
 叡王戦の対局後のインタビューでは、「まだ現在進行形で動いている状態なので、自分なりに出来ることを…出来ないことの方が多いと思いますけど、ファンの皆さんを失望させないように棋士一同で頑張っていかないといけないと思います」と。

丸山九段
 「三浦九段との対局で不審に思うことはなかった。一連の経緯には今も疑問が残っている。七番勝負の対局には、全力を尽くしたい」(説明会後のコメント)

橋本八段
「個人的にも1億%クロだと思っている。奴が除名になるかどうかは知らないけど、俺は二度と戦う気しない。以前からソフト指し、モラル、カンニング、再三警鐘を鳴らしてきたつもりだが、最悪の形になりただただ残念だ。これでも潔白を信じるという人はどうぞご自由に」(ツイッター、後に削除)



★連盟の対応の拙さについて
近年、将棋ソフトやネット解説などによる不正行為が可能になってきている状況で、以前からその防止策を指摘されながら、何の対策も講じなかった甘さ
・離席の多さとタイミング、ソフトとの一致率の検証で疑いを深めたとしても、世間一般が納得できる証拠(スマホの使用履歴、対局中のスマホ使用の映像)なしで処分を下し、対局者を変更したのは、明らかに無理攻め
 三浦九段に「離席の多さは疑惑を生む」と注意し、スマホ持込み禁止(所持品検査)の前倒しを実施し、不正行為防止を強化すべきだった
・「“不正行為”が行われた」ことを事実として認知したくなかったのかもしれないが、「不正行為」ではなく「休場届の不提出」を処分の対象としたのは、明らかに筋違い、大局観を大きく誤っている
 三浦九段を「クロ」と断定し、≪休場届不提出による軽い処分≫で済ませておけば、三浦九段も抵抗はしないだろうという甘い読み筋。
 たとえ三浦九段が「クロ」だったとしても、棋士生命を絶たれるような重大疑惑に抵抗しないわけがない。
 棋士生命を左右するような嫌疑を公表したことの重大さを全く認知していなかったとしか思えない。

・13日の会見で「改めて事情を聴く考えはないこと」と述べたので、よほどの確証でもあるのかと思ったが、機器の解析さえしようとしなかったとは!
 不正行為を行っている画像を握っていたが、盗撮によるものなので公表ができないだけという可能性も考えたが…
その会見で「これ以上の処分は科さない」とは!竜王挑戦者を変更の際、「不正行為」を示唆しながら、その真偽を明らかにせず、追及しないとは!
 「将棋連盟が“いい加減な組織”」であることを、自ら宣言したような愚挙!

・21日に「調査チームを来週立ち上げる」
 極秘、つまり非公式の七人協議で三浦九段の不正行為と判定したのも問題だが、ようやく調査チームを立ち上げるとは!しかも“来週”!
 せめて説明会で調査チームのメンバーを紹介し、総会ではない非公式な説明会ではあると言え、そのメンバーを承認を受けるくらいでないと。

・三枚堂四段の証言についても、しっかり確認したのだろうか?

★三浦九段の印象
・反論文書は説得力があった
・「スマートフォンによるPCの遠隔操作について、三浦九段に尋ねられた」という事象は、不正の為か興味本位からなのか、現情報では判断がつかない。(『週刊文春』の記事は、「尋ねた」という事実をふくらませた可能性もある)
反論文書の公表やNHKインタビューの時期が遅い
 竜王戦の開幕までの猶予がなくて反論の準備ができなかったということもあるかもしれないが、
「辞退するわけがない」と言うのなら、 「不正はしていない」 「“将棋を指せない”というのは、単に心境を述べただけで、“疑惑が解けて正常に将棋を指せる環境にならないと、将棋を指せない”という意味だった」「休場届を出すことは、不正を認めたことになる。休場届を出すわけがない」 「休場届を出すとは言っていないし、“翌日に休場届を出す意思があるか”の確認もなかった」
など、その日か翌朝のうちに声明を出し、竜王戦出場の意思を示すべきではなかったのか?
 「理事会が決定的な証拠を持っているかを見極めたかったのではないか」「証拠隠滅に時間が必要だった」とも考えられる。

★渡辺竜王について
 氏の危惧は当然のもので、“七者協議”での検証も同意したい。
 しかし、「99.9%クロ」だと確信しても、確固たる証拠がないのだから、対局を拒否、処分の方向に走るのは、指し過ぎだった。
 不正が起こらない環境を整備して、七番勝負で真の実力差を示す気概を持って欲しかった。


★橋本八段について
 「1億%クロ」と言い切り、糾弾するのなら、その論拠を示してほしい。

★羽生三冠について
 「“疑わしきは罰せず”が大前提」は流石の見識。
 しかし、“七者協議”の場に居たのだから、渡辺竜王をたしなめ、理事会(島理事)の暴走を止めてほしかった。


 もうこの際、
「渡辺竜王対三浦九段」、「渡辺竜王対丸山九段」の五番勝負を並行して行い、その勝者で七番勝負をして竜王位を争えばいい!
 もちろん、対局料の半分を理事会持ち!
コメント (10)
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土曜ワイド劇場「西村京太郎サスペンス 鉄道捜査官 (16)」 富士河口湖・同窓会ツアー連続殺人!【補足あり】

2016-10-21 17:58:39 | ドラマ・映画
あまりにも不合理さが目立つドラマだったので、備忘録として
 ちなみに、サブタイトルは
「富士河口湖・同窓会ツアー連続殺人!
 山梨側から静岡側へ瞬間移動!?富士山縦断ダイヤトリック」【2016年10月8日(土)放送】

【ツッコミどころ】
・マウンテンバイクで女性が山道(遊歩道…けっこう険しく普通の自転車では無理)を走り下りるのは目立ち過ぎ。人が歩いていたら苦情が出そう
・マウンテンバイクのトリックは何のために行ったのか、不明。亜矢子の犯行に見せかけるためなら、トリックを使って時間的に犯行が不可能にする必要はない
 トリック失敗(女装がばれる、転倒、マウンテンバイクの準備撤収の不審さ)やその手間を考えると、不合理極まる。
・後妻・みどり(高橋かおり)の動機も弱い。望んだ結婚ではなく、黒幕の義理の息子の章一(川野太郎)と不倫関係にあったにせよ、もう少し我慢すれば夫の遺産を相続できるというのに
・章一の犯行の一因となった過去の空き巣も、不自然だった(父親にかまってほしかった……って?)

【補足】
・“山梨側から静岡側へ瞬間移動!?富士山縦断ダイヤトリック”……車掌のコスプレをして写真を撮っただけ!
 風景や富士山の形ですぐばれると思っていたら、すぐばれた。
 警察や視聴者を舐めとるんか?



深沢正樹氏要注意脚本家の候補の仲間入り(現段階は“候補”) (こう明記しておくと、後々便利なので)

【ストーリー】番組サイトより
 警視庁鉄道捜査隊東京駅分駐所に所属する鉄道捜査官・花村乃里子(沢口靖子)は、高校時代のテニス部仲間6人で河口湖へ日帰り旅行に出かけることになった。
 だが、待ち合わせ時刻を過ぎても、メンバーのひとり、平山亜矢子(とよた真帆)が姿を見せない。亜矢子は大物国会議員・平山義昭(竜雷太)の娘で、現在、働く女性たちを支援する事業を営んでおり、マスコミからも注目を集めている人物だった。旅行を企画した雑誌記者の立木由美(古村比呂)が亜矢子に電話をかけたものの応答はなく、乃里子たちは後から追いかけてくることを信じて、先に“特急かいじ”や“富士急行線”を乗り継ぎ、目的地に向かった。
 しかし、奇妙なことに乃里子たちは“河口湖駅”で亜矢子のパスケースが落ちているのを発見。いったいどういうことなのか、一同は首を傾げる。その後、何度も由美や乃里子が電話をかけるが、亜矢子が出ることはなかった。
 ロープウェイに乗って“天上山公園”にやって来たとき、由美に急な取材の依頼が入り、乃里子たちはこのまま山に残るという彼女を置いて帰京した。結局、その日一日、亜矢子とは連絡が取れないままだった。
 ところがその夜、山梨県警から乃里子に電話が入り、なんと由美が天上山公園で刺殺死体となって発見されたという。公園では、ロープウェイの係員が夕方、帽子にマスク姿の謎の女と由美が登山道に入っていくところを目撃していた。山梨県警は、旅行をすっぽかした亜矢子を怪しみ、その帽子の女こそ亜矢子ではないかとにらんでいた。
 すぐに県警の富樫刑事(阪田マサノブ)と共に、亜矢子の自宅を訪ねた乃里子。そこには、亜矢子の父・平山、その後妻・みどり(高橋かおり)、兄・章一(川野太郎)、弁護士・三田村弘(中村ゆうじ)がおり、亜矢子は昨日の早朝に家を出てから連絡がつかない状態だと告白。さらに、亜矢子が帽子にマスク姿で出かけたと話したため、山梨県警はますます亜矢子への疑いを強めていく。乃里子はまた富樫から、亜矢子の秘められた過去を知らされて驚く。亜矢子は平山の実の娘ではなく、30年前、つまり中学時代に平山家に養子に入ったのだという。
 学生時代から正義感の強かった亜矢子が人を殺めたとは思えず、思い悩む乃里子…。そんな姿を見かねた分駐所課長・野川一郎(筧利夫)は、山梨県警の捜査に全面協力することを決断。乃里子は後輩の捜査官・立花広太郎(金子昇)、内海早苗(大塚千弘)と共に、事件が起きた河口湖に向かって出発する。しかし、捜査をはじめた乃里子に「いますぐ東京に帰りなさい。従わなければもう一人死ぬことになる」という謎の脅迫電話が入って…!? 
 乃里子の学生時代の友人、亜矢子はいったいどこにいるのか…!? その後、第二、第三の事件も発生! 友人を救うために奔走する乃里子が、衝撃の真実を突き止めていく…!

脚本:深沢正樹
監督:村川透
コメント (4)
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2016秋ドラマをいくつか…

2016-10-20 15:24:14 | ドラマ・映画
『IQ246 華麗なる事件簿』
 主人公・法門寺 沙羅駆(織田裕二)のキャラ・口調はポアロ(『名探偵ポアロ』)を模しており、ストーリーの造りは『古畑任三郎』タイプ。BGMも『古畑』をパロッている。どことなく『相棒』風味も漂わせている。
 既定のドラマと似てしまうのは仕方ないが、キャラクター、ストーリーもイマイチで残念な出来だった(今のところ、あと1、2回視聴予定)
【ツッコミどころなど】
・寿司職人殺人(犯行・花屋)、アシスタント殺人(犯行・CMクリエイター)についての決定的な証拠は提示せず、犯人を嵌めて解決
・料理に集中しており、背後から襲うにしても、包丁を手にしている相手を襲うのは危険。しかも、犯行者は女性。
・アシスタント(被害者)が、CMのセリフの最初に自分の名前を挿入していたことに、気がつかなかったなあ(1本取られた)

『キャリア ~掟破りの警察署長~』
 警察署長・遠山金志郎(玉木宏)が、気になることがあると自ら街に出て事件を解決する。
 犯人たちが警察署長と気がつかず、クライマックスで『遠山の金さん』の桜吹雪のごとく、警察手帳で身分を明かすというのがミソらしい。(金志郎の正体を知った犯人たちが、恐れおののくというの無理を感じるが)

 金志郎の洞察力に人情味と正義感、新米刑事の相川実里(瀧本美織)の奮闘、それらに反感を抱きキャリア嫌いの刑事課係長・南(高島政宏)との衝突などが見所。
【ツッコミどころなど】
・捜査課が役立たず過ぎ。そのくせ、署長を敬わない。
・瀧本美織の髪型(ショートボブ風)とネクタイ(男性タイプ)はアンバランス。

『Chef ~三ツ星の給食~』
 高飛車な天才シェフ・星野光子(天海祐希)が策謀に嵌められ、学校給食に挑戦する……『カエルの王女さま』を思わせるストーリー。
 天海さんが輝きすぎて暴発することも時ににはあったが、脇を遠藤憲一を固めるので安定感を感じる。
【ツッコミどころなど】
・今のところ、給食補助員に魅力を感じない(荒川良々、池田成志、市川しんぺー、伊藤修子)
コメント (2)
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相棒 season15 第2話「チェイン」

2016-10-19 22:50:29 | ドラマ・映画
題材となったシガーの煙のように、モヤモヤした話だった。
 捜索を依頼した羽賀(音尾琢真)と桜子(大谷みつほ)
 殺人事件を起こし逃亡し、死体で発見された野中(原田健二)
 姿をくらました工藤(青山勝)

 エピソードの主要関係者が4人もいて、シガーのブレンドの隠しテイストも絡んだので、4人の人物像が描き切れておらず、ただ事実関係を追っただけの話になってしまった。
 キャラが掴めていないせいなのかもしれないが、4人の行動が不可解に思われ、シガーの風味をドラマに漂わせようとしたが、ドラマとしては味気なく感じた。


脚本の真野勝成氏は、『相棒』においては、風変わりな視点や捌き方が多く、微妙な作品も多い。“要注意脚本家”候補に昇格?

真野氏の過去の作品……「右京さんの友達」「死命」「サイドストーリー」「ストレイシープ」「苦い水」「ファンタスマゴリ」「英雄~罪深き者たち」「陣川という名の犬」 

【ストーリー】番組サイトより
特命係に配属された亘が“最初の事件”に挑む!
煙のように消えた男と傷害致死事件の関係とは!?

ある日右京(水谷豊)は、幸子(鈴木杏樹)の紹介で、羽賀(音尾琢真)という男から人捜しを頼まれる。対象は、シガーバーで偶然出会い、特徴的な香りを放つ自家製シガーを吸っていた“工藤春馬”という男。その香りに魅せられた羽賀は、一本分けてもらったことをきっかけに交流を持つようになったのだが、工藤は1年程前に突然、煙のように姿を消してしまったという。いっぽう、亘(反町隆史)も桜子(大谷みつほ)という女性から、工藤を捜してほしいという依頼を受けていた。別ルートから同じ人物の捜索依頼を受けた2人は、その捜索過程でばったり遭遇。“手掛かりはシガーの香りだけ”という雲を掴むような難題に対し、行動を共にすることに。同じ頃、伊丹(川原和久)たち捜査一課が1年前から追っていた傷害致死事件の被疑者の遺体が山梨県の山中で発見される。遺体は、一課が追っていた野中(原田健二)という男と思われたが、伊丹たちは現場の状況から事件性なしと判断。しかし、遺体のかたわらには、羽賀と桜子の2人がそれぞれ所持していた“ある物”が落ちていた。

右京と亘が追う工藤春馬という謎の男の正体は?
捜索を依頼してきた男女と傷害致死事件にも繋がりが…!?
特命係が香りだけを手掛かりに連鎖する事件の真相を解き明かす!

ゲスト:音尾琢真 大谷みつほ

脚本:真野勝成
監督:兼﨑涼介
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“連続テレビ小説”考

2016-10-18 17:01:56 | ドラマ・映画
連続テレビ小説…通称“朝ドラ”の『とと姉ちゃん』が終了した。

 『とと姉ちゃん』に関しては、「公開商品試験」のエピソードの第24週「常子、小さな幸せを大事にする」と最終週「花山、常子に礼を言う」の他は5~6話ぐらいで、たかだか20話しか観ておらず、全156話の13%弱である。他の朝ドラの私の視聴率は、もっと低くなる。1話か全く観ていない朝ドラだってある。
 そんな不良朝ドラ視聴者が、朝ドラについて語るのはおこがましいが、懇意にさせていただいている(と私が勝手に思っている)ブロガーさんの記事を読んで、触発されてしまったという次第である。


 その記事は手厳しいもので、寄せられたコメントも厳しい意見が多かった。
 私は、面白いと思って観ていたが、部分的にしか視聴していないし、記事の内容もなるほどと思うことが多く、大筋も「同感」と言ってよいものだった。
 今回の『とと姉ちゃん』……

と、ここまでで、書きかけのままになっています。(10月4日の稿)
 “今回の『とと姉ちゃん』の後に何を続けるつもりだったのか、まったく思い出せません(笑)

 この後、体調を崩して書けずにいて、ようやく回復傾向になり、続きを書こうとしたら、例の「三浦不正疑惑」……
 どんどん、書きたい記事が溜まる一方なので、多少端折って書きます。(さすがに記事の主旨は覚えています)



では、【本題】です。

 ドラマの評価の要素はいろいろあり、業界においてのそれは“視聴率”であろう。
 では、視聴者にとっては何かというと、“面白さ”である。
 他にも、“俳優の演技”“ストーリーなどの整合性”“映像美”など色々要素が考えられるが、それらをまとめるのは乱暴な気もするが、“熟練度”と呼ばせていただく。
 この3つは独立したものではなく、密接に関連している。面白く、熟練度が高ければ、当然、視聴率も高くなる傾向が強いが、「視聴率は低いが、面白かった」とか「面白いが、突っ込み所が多い」という場合も良くある。(視聴率は放映時間や曜日、キャスト、裏番組の強弱などに左右されることが多い)
 特に、大河ドラマや朝ドラはにおいて、その評価が分かれることが多いように思う。
 例えば、酷評され視聴率も低かった『平清盛』はドラマ後半は非常に面白かった(当然、私の主観)。『八重の桜』は後半は全く面白くなかったし、『天地人』序盤からつまらなくて、上昇の気配がないので視聴離脱。『軍師官兵衛』はつまらなくはなかったが、納得のいかないところが多すぎた。今年の『真田丸』は、むちゃくちゃ面白い(いずれも私の主観、視聴率は“悪くない”という程度)。(本当は、それぞれの大河ドラマについて、視聴率や世間(ネット)の評価と私の感触を比較検討したいところですが、端折らせてください。朝ドラについても、視聴率や世間の評価(面白さ)についての検証は省かせていただきます)

 で、本題の朝ドラですが、印象的な事例だけ挙げます。
『マッサン』
マッサン(政春・玉山鉄二)の母・早苗(泉ピン子)の臨終のシーン………
 危篤を知り、駆けつけたエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)。早苗は、最初こそ認めていなかったが、イロイロあった後(すみません、視聴していません)エリーの花嫁姿に喜ぶまで心を通わせた嫁と姑。
 しかし、容体が悪化し、今際の際(漢字で書くと変ですね)に「世界一の嫁だ」とエリーを認めた言葉を贈る。その直後、北海道から駆け付けたマッサンが到着。
 「お前のウイスケはまずい」という言葉を吐く。そのあと、エリーに「サンキュウ、グッドバイ」と言って息を引き取る。

 場面の転換としては、エリー→マッサン→エリーは順当であるが、親子の絆を考えると、マッサンへの言葉で締めるべきだろう
 「まずい」と評価したのは、早苗が密かにマッサンのウイスキーを飲んでいたことを示す演出なのだが、≪最後の言葉がそれかあ≫と思うと同時に、それならなおの事、この「まずい」を最後にしなければならない。


そして、もっと許せなかったのが、その次の回………
 「まずい」という早苗の評価にがっくりしているマッサンに、エリーが「それは“がんばれ”という意味だ」と諭し励ます。
 これって、逆じゃない?
 いくら心を通わせたと言っても、いくら聡明だと言っても、エリーが早苗を暮したのはほんの数日のはず。
 エリーが「まずい」という言葉に疑問を持ち、早苗の息子のマッサンが自ら真意を気づいて立ち上がるのが、本筋であろう。


 このドラマ、時々目にする程度だったが、
≪情けなくて駄目な亭主・マッサンを、エリーが支え、引っ張る≫シーンばかりだったという印象しかない。

『あまちゃん』
(このドラマも、本当にかじる程度しか視聴していないので、「それは違うぞ!」という指摘は甘んじて受けます)
 海女を目指していたと思ったら、“ローカルアイドル”活動をしていて、上京してアイドルを目指し、山あり谷あり(谷ばかり?)の苦闘、失意を乗り越えたところで、東日本大震災が発生。ローカルアイドル活動を決意する。
 時折、しかも、浅くしか視聴していないので、ローカルアイドル活動を観た時には≪“海女さん”活動は何だったんだ?≫と思ったり、失恋したり、東京編でもいろいろな状況に追い込まれていたりと、展開に全くついていけない状況。
 海女さんを目指していたところをチラっとしか観ておらず、どういう心境でヒロインが海女をしていたのかとか、ローカルアイドル活動→上京しアイドルを目指すという経緯も知らない私が悪いのだが、≪ヒロインがあっちフラフラ、こっちフラフラしている≫としか思えなかった。

 2作しか例を挙げずに言及するのは手抜きだが、朝ドラの私の印象は
①ヒロインがスーパーウーマン(『マッサン』の他、『あさが来た』『とと姉ちゃん』が思い当たる)
②人生の起伏や転換が多い


 ①については、まあ、≪ヒロインが主人公だから≫(←日本語としては変かも)仕方ないかも。
 ②については、1週間6話を半年(26週)156話(『とと姉ちゃん』の場合)の長丁場なので、山あり谷ありでないと視聴者を引き付けられないという理由がありそう。

 そして、その長丁場であるが、15分×6日×26週という独特の構成がストーリーに制約を与えている。
 初回放送は朝の忙しい時間帯なので、15分の短い中にも視聴者にある程度の満足感(見ごたえ)を与えなければならず、1週間(6話)の単位でも見ごたえが求められる。『とと姉ちゃん』で言えば“製品テスト”の私の視聴は、そういった制作サイドの罠に陥ってしまったのであろう。
 なので、長期的なストーリーの整合性には齟齬が生じている場合が多いのではないか?本気所の冒頭に挙げた言葉で言えば、「熟練度が低い」傾向が強いのである。
 そして、そういった粗に目が行ってしまうと、ドラマを冷めた目で見てしまう。

 その結果、朝ドラの評価にバラつきが大きくなるのであろう。
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