英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

新・東大将棋 無双

2009-07-30 16:28:07 | 将棋
 少し前になりますが、『新・東大将棋 無双』を購入しました。
 (発売日 2008年9月26日(金)   定価(税込) \13,440)

 レベルは最強モード「五段+++」で持ち時間は「30秒秒読み+考慮時間10分」で指しています。と言っても、時間が無いので、局数は少ないのでレビューを書くほど指していません。
 かなり強いと思います。穴熊志向が強い気がします。一番の不満点は、PCが敗勢になると、無意味な悪あがきしてくることです。まったくの時間の無駄ですし、興が冷めます。かなり不満です。
 将棋の強さのみを追及し、対局と詰みの有無などの検討するだけで、そっけないと感じるほど、いたってシンプル。20段階の強さがありますが、そんなに必要ないでしょう。


 それはともかく、今回の購入に当たり、非常に不満に感じたことがあります。
 駒音、秒読み、読み上げなどの機能があるのですが、これに不具合があり、駒音しか機能しません。
 で、ソフトの設定やPCの設定などをチェックしたり、再起動してみたのですが、症状は改善しません。

 そこで、メーカーにメールしました。以下が、その返信です。

***********************************

このたびは弊社ソフトをご購入いただきありがとうございます。
また、ソフトの不具合によりご不便をおかけしまして
誠に申し訳ありません。

お客様のPCで起こっている不具合に関してですが、
こちら、すでに何名かのお客様からも同様の問い合わせがあり、
すでに修正版にアップデートすることにより解決できるようになっております。

「新・東大将棋無双」を立ち上げていただいて
右上の「ヘルプ」から「毎日コミュニケーションズWEBページ」にいっていただいて
そこからアップデートファイルをダウンロードすることができます。

アップデートの仕方でご不明な点がございましたら
お手数ですが再度ご連絡いただければと思います。
注意点としてはアップデート中は一度「新・東大将棋無双」を
閉じていただくということです。

ご案内は以上です。お客様にはお手数おかけしまして
申し訳ございませんでした。

今後とも弊社ソフトをよろしくお願いいたします。



株式会社 毎日コミュニケーションズ

出版事業本部 編集第4部
アミューズメント編集課


*********************************

 このメールについて、皆さんはどう感じられたのでしょうか?
 一見、一般的な対応と思われますが、私は非常に不満を感じました。



 それで、その不満を、メールしました。

********************************

返信、ありがとうございました。
早速アップデートさせていただいて、不具合も解消できました。

今回、感じたことを率直に書かせていただきます。
第一に、と言うか、これがすべてと言ったほうがいいのでしょうか、
「ユーザーに不親切」
です。

不具合が発覚したのが、昨年と言うことです。

今回、ムラウチドットコムで購入した際は、「取り寄せ」でした。
これが貴社より取り寄せたのか、他所で取り寄せたのかが、はっきりしないのですが、

もし前者なら、貴社の怠慢と言わざるを得ません。

すでに卸業者に渡ってしまった製品については、多少、面倒かもしれませんが、
卸業者に欠陥状況や対処法を配布すべきです。
(これについては、もしかしたら、卸業者のほうに怠慢があるのかもしれません)

さらに、ホームページに症状や対処法の告知はすべきです。
(製品のヘルプからたどれる「毎日コミュニケーションズWEBページ」では説明がありますが)
今回の症例、私自身、再起動やコントロールパネルなどのチェックをし、非常に悩みました。
また、メールを送る際、できるだけPC環境を知らせるようにとの指示がありましたので、PC名やCPU名などいろいろ書き込みました。
すごく、手間と時間を浪費した感じがします。


さらに、
> お客様のPCで起こっている不具合に関してですが、
> こちら、すでに何名かのお客様からも同様の問い合わせがあり、
> すでに修正版にアップデートすることにより解決できるようになっております。
>

この説明も、
「対処してあるから、いいだろう」
という思想を感じてしまいます。


さらに

> 「新・東大将棋無双」を立ち上げていただいて
> 右上の「ヘルプ」から「毎日コミュニケーションズWEBページ」にいっていただいて
>
> そこからアップデートファイルをダウンロードすることができます。


これも、不親切な説明で、なかなかわかりませんでした。


ついでに言えば、添付されているマニュアルも薄く、と言うか、
インストールマニュアルだけ。

製品「ヘルプ」からたどれるマニュアルはありますが、
やはり、マニュアルはあったほうが嬉しい。

いろいろ、不満を感じた今回でした。


*******************************


 私の感じたことはおかしいのでしょうか?
 ちなみに、このメールに対する返信はありません。

 「欠陥商品を平気で売り続け、それに対する対応はしてあるからいいだろう。うるさいクレームは無視」

 毎日コミュニケーションズの姿勢、大いに疑問を感じました。
 
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気まぐれ超初心者将棋講座「飛車と歩は同じ強さ?」

2009-07-24 21:58:23 | 将棋
 唐突ですが、思いついたので始めてみます。
 講座を開くほどの立場でもなく、大したこともできません。ただ、将棋を知らない人に少しでも興味を持ってもらいたいなあと思ったわけです。なので、「ルールをきちんと」とか、「強くなるには」とか、そんなことは全く考えていません。思いついたことを書いていきたいと思います。

 まず、駒の動かし方ですが、今回の表題にある飛車と歩だけ説明します。
 飛車は縦横に動くことができます。



第1図の飛車は縦横(前後左右)どこまでも動くことができます。棋譜(座標)で言うと、5一、5九、1五、9五の地点まで動くことができます。

しかし、実際は、盤上には他の駒があります。

 他の駒についてやルールについては『将棋のルールを覚えよう』『将棋のルール解説』をどうぞ。



2図のように飛車の行く手に障害物があると、それを飛び越えて、5一や9五に行くことはできません。(桂馬だけは例外で、飛び越えることができます)

ただ、障害物が味方の駒と敵の駒の場合ではなります。
まず、味方の駒の場合は、その手前の5四の地点までしか動けません。
障害物が敵の駒の場合は、それを取ることができるので、2図の場合は、8五の地点まで移動可能です。(「取る」という行為については、詳しく後述します)

次に歩です。
歩は前に1つしか動くことができません。



3図の歩の場合、5四に行けるだけです。


 こうして見ると、飛車と歩では大きく能力が異なります。飛車は移動箇所が最大16あるので、歩の16倍です。となると、飛車は歩の16倍強いということが言えそうです。ですが、それは一面では正しいのですが、正確には言い得ていません。
 と、その前に「駒を取る」ことの説明をします。
 駒の移動範囲に相手の駒があれば、その駒の代わりにその地点を占めることができます。感覚的に言うと、相手の駒をフォールしてその駒を撤去してその地点に居座るようなものです。
 そのフォールした駒は消滅するのではなく、自分の持ち駒として使うことができます。なので、正確には、敵の駒のところに行き、その駒を説得して味方につけると言ったほうがいいのかもしれません。



 もう一度、2図を見てください。



 5五にいる飛車は、5三の地点に行ってその駒をどかして(自分の味方にして持ち駒とする)その地点を占拠することができます。
 逆に、5三の歩は飛車のいる5五の地点には行けないので、飛車を取ることはできません。

 もっと、分かりやすい例を見ましょう。



 第4図、2八の飛車は2三まで障害物がないので2三の歩を取ることができます。逆に、2三の歩は飛車を取ることはできません。取るには、2四、2五、2六2七と進んでやっと次に取ることができます。
 でも、取られるまで飛車がボーとしているわけはなく、逆に歩を取ってしまうことも可能です。

 じゃあ、やはり、「飛車は歩よりはるかに強い」のではないか。そう思いますよね。

 飛車と歩の違いは「移動能力」です。「射程能力」ではありません。つまり、銃や弓矢や鎖鎌などの武器を使って、元の場所にいながらの攻撃ではなく、その場に行ってフォールしなければならないということが、大きな問題なのです。

 

 第5図。この場合も2八の飛車は2三の歩を取ることができます。でも、取ると2二の銀でその飛車を取られてしまいます。
 これが武器使用による攻撃なら、2八にそのまま居るので、2二の銀に取られることがありません。移動距離と射程距離は似て非なるものです。

 話を戻します。第5図のような場合、少し考えれば、歩を取れば、その飛車が銀に取られてしまうことが分かるので、実際には飛車で2三の歩を取ることは考えませんが、この場合、駒の性能の差は移動能力だけということが大きくかかわっているのです。
 つまり、駒の攻撃力や守備力(耐久力)に差がないということなのです。テレビゲームのシミュレーションゲームやロールプレイングゲームの場合、生命力や守備力や攻撃力などが決まっているので、敵が強いと一度の攻撃で倒せないことが多いです。将棋の場合は、歩も飛車も、攻撃力と耐久力が同じなので、一度の攻撃で必ず倒せるのです。
 この意味で「飛車と歩は同じ強さ」なのです。

 実際にも飛車が歩にいじめられることは起こり得ます。
 飛車の移動能力が高いので、初心者の頃はやたら飛車が前線に出てきて動き回ります。その結果、第6図の局面になりました。手番は後手です。



 「飛車を取りますよ」と△6五歩(6四にある歩を前に進める)と突きます。取られるのが嫌ですから▲5六飛と逃げます(飛車を1マス右に動かします)。この場合、6五の歩を飛車で取ることもできますが、そうすると7四にいる銀で飛車を取られます。
 さて、5六に飛車を逃げましたが、さらに△5五歩(5四の歩を進める)と突きます。と、また、飛車は逃げなくてはいけません。で、1六に逃げますが、△1五歩(第7図)と突かれて、とうとう飛車が召し取られてしまいました。1五の歩を取ると、1一の香車で取られてしまいます。



 ここで、指し手を再現する棋譜について少々。
 第6図からの指し手を棋譜にすると、△6五歩▲5六飛△5五歩▲1六飛△1五歩(第7図)です。
 最初の「△6五歩」ですが、△は後手(図の上側)を表します。次の6五は将棋の位置を示します。図に数字で1~9、漢数字で一~九まで書かれています。これは数学のグラフの座標みたいなものと考えてください。そしてその座標の後の駒は動かす駒を表します。「△6五歩」は「後手が6五の地点に歩を動かす」と言うことを表します。▲は表します。(▲も△も本来は駒の形です)


 思いのほか、長くなってしまいました。
 今回は、将棋の駒は「移動能力」が違うだけと言うのがテーマのつもりでした。
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『ハンチョウ ~神南署安積班~』 最終回スペシャル!安積班最後の戦い!

2009-07-21 23:33:04 | ドラマ・映画
 人情ものの刑事ドラマとして、力まずに見ていました。

 最終回SPでしたが、残念な出来でした。
 まず、何を根拠に最終回“スペシャル”なのでしょうか?……時間も通常(引き延ばせばいいというものではありませんが)、ゲストも特別という感じがしない(浅野さん、ごめんなさい)。安積班解体とか殉職(殉職すればいいというものでもありませんが)とか、最終回ならではの盛り上がりがあったわけでもなく、感動もありませんでした。まあ、それが『ハンチョウ』らしいのかもしれませんね。

 それに、どこが“最後の戦い”なのでしょうか?上にも書きましたが、安積刑事、あるいは、安積班の危機という感じでもありませんでした。


 さて、内容は青少年を救うため、毎夜、街を見回り、声をかけ続ける医師・玲子(浅野ゆう子)にまつわる話。(「夜回り先生」水谷脩氏をモデルにしているのでしょうか。メールのやり取りもありましたね)
 玲子は、救おうとした少女を警察を信じたために、死に至らしめてしまった(警察は少女の身より、手柄を優先させた)過去があり、警察を信じていない。その彼女と、安積班の関わりが一つのテーマだったと思えます。

 が、玲子の描き方が浅く、物語も浅くなってしまったように思います。

①ドラマ冒頭の、カツアゲを悪いこととしてとらえていない。ちょっと注意をしただけ。カツアゲされるほうは、たまったものじゃないです。

②子供たちのことを想って、毎晩、駆け回っている割には、若者はマサルの聞き込み(捜索)に冷たい態度。
 彼女がいつも気に掛けていた若者たちが、マサルを探し出すのなら納得できますが、交通課の速水(細川茂樹)のツテによるものだった。
 サボテンの話(一つのサボテンに話しかけると、世界中のサボテンに通じる)を出したのなら、尚更だと思います。
 細川茂樹の「送信・返信(変身)」ネタをやりたかったからかもしれませんが。

③「先生が守ってあげる」と少女を抱きしめたのに、あっさり警察に頼むのも軽いです。だいいち、薬物中毒ならまず病院収容だと思いますが。

④薬物(麻薬・覚せい剤)の恐ろしさが伝わってこなかった。
 「今井君にも、マサルを使うのはやめて、と言ったけど、ダメでした」って、薬物密売が「やめて」って言って、ダメだったで済む問題なのでしょうか?
 薬物を売るということは、売った分だけ、人がどん底に落ちていくということを、理解していないのでしょうか?


 残念な最終回でした。
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『将棋世界』7月号①

2009-07-19 20:26:06 | 将棋
★「終局10分前のドラマ」 名人戦第3局 観戦記 谷川九段

 谷川九段の観戦記は、序盤は過去の例などを挙げて説明することが多くて、実戦の局面が、過去の実戦や研究の積み重ねを経たものであるということが実感できる。
 また、目線が対局者に近いので、対局者の心理も分かりやすい。
 ただ、最近は終盤の開設に切れがなくなっているように感じる。


 ともに後手番を勝利し、一勝一敗で迎えた第3局、後手番の羽生名人は2手目に△3四歩と突き、横歩取り8五飛車戦法に進んだ。

 羽生名人は松尾流(松尾図)を選ぶ。



 最初この手を見た時は驚いた。アマチュアなら、逆に5五にいる飛車を8五に逃げるかもしれない。観戦記によると、10年前から指されている定跡とある。そうか、この手が指されて10年経っているのか。図で▲5五同角なら△同角▲8八銀△4四角打がある。
 松尾図より▲4五歩△5四飛▲3三角成△同桂▲6六歩△7五歩▲8三角と進み、羽生名人は△4五桂の丸山新手(丸山図)を採用。



 この手について、谷川九段は観戦記で次のように書いている。
「丸山新手の局面は本局が7局目だが、初出は平成13年の名人戦第7局。(先)谷川-丸山戦である。
 私にとってはあまり思い出したくない将棋だが、△4五桂と飛ばれたときの衝撃だけは忘れることができない。
 直前の▲8三角に77分考えたのだが、この手は全く見えていなかった。桂損をした上に急所に桂を跳ばせ、その代償は1九の香を取ること。
 (▲4五同桂△4六角▲5八金)△1九角成とした局面の後手陣は見るからに危険で、例えば本譜封じ手の▲2三歩に△同銀なら、▲同飛成△同金▲3五桂でそのまま寄ってしまう。
 ただし、△2五歩から飛車先を止められること、△4六馬や△5五馬の味が良いことなど、後手にも楽しみがある。」

 後手からは選ぶのに抵抗を感じる丸山新手(△4五桂)であるが、後手もそれなりに指せるらしい。BS中継の解説では、△1九角成以下、▲2三歩△3一銀▲3五歩△5五馬▲5六角成(羽生新手直前図)△4四馬と進め、やや先手持ちのニュアンスだった。



 ここで、羽生名人は新手△5六同馬を着手。せっかく作った馬だが、相手の馬と相殺なのであり得る手だ。以下▲5六同歩△2五歩▲3六飛△5二玉と羽生名人らしいやわらかい手順を駆使する。以後、徐々に将棋は羽生ペースになっていった。
 この手順、実は裏話がある。(詳しくは女流棋士誕生35周年記念パーティ⑪ 《終》)


 指し手は進み夕食休憩図。



 少し前(68手目)の△7六歩が疑問手で、谷川九段は「混戦に」と表現し、夕食休憩図でも「依然均衡は崩れていない」と記している。しかし、BS中継解説では、かなり羽生名人が良いというニュアンスだった。

 夕食休憩図以下、△4六桂▲5九金△3八飛▲6七玉△7七香▲6九銀△8四飛▲8六香(つまづき図)。



 観戦記では
「▲6九銀に手順に△8四飛と回り、△3五金と銀取りに引く手も味がよい。ようやく後手よしが見えてきたが…」
 とある。

 ここで、疑問が。
 夕食休憩図からつまづき図まで、観戦記では後手は最善の手順、先手の手にも疑問手の指摘はない。となると、夕食休憩図の評価か、つまづき図に至る解説のどちらかに誤りがあることになる。

 さて、つまづき図で羽生名人は△6四飛と指すが、
「ここでは平凡に△8五歩が正着だった。羽生名人は▲4四歩を気にしたが、△3五金▲4三歩成△同玉▲4四歩△3二玉▲4三角△4一玉▲7六角成△4五金▲4三歩成△4二歩(参考図①)で、後手はっきりよしだった」 らしい。



 本譜は先手に手順に8三に成香を作らせてしまった。仮に、つまづき図の△8四飛で単に△6四飛と回ったとすると、そこから先手が▲8六香▲8三香成と2手連続で指したことになる。

 つまづき図より△6四飛▲8三香成△7九香成▲7三成香△8四飛▲9六角△6九成香(逆転図)と進む。



 「△7九香成では△3五金が優ったし、▲9六角に対する△6九成香でも、△8八飛成としなければいけなかった」
 羽生名人変調で、あまり先手玉に迫っている感じがしない。対する先手は成香が7三にまで行き、9六の角は攻防に光っている。


 逆転図より郷田九段、「▲6三成香△同銀▲7三馬が必殺の順」(観戦記)。
 確かに、「一閃」の寄せ。羽生陣がグラッと揺らいだように見えた。羽生名人も△8五銀とこらえるが、▲5五桂△6二歩▲6三桂成△同歩を利かし、▲8四馬と飛車を取り勝利は目前。
 羽生名人の△3七飛成(ドラマ図)は俗に言う“最後のお願い”に見えた。


 「(ここで指した)▲7八玉は後手玉が詰めろと錯覚した痛恨の一手。△9六銀と角を取られ▲6四桂としても△同歩▲6三銀△同玉▲8三飛△5二玉▲5一馬△同玉▲5三飛成△5二歩(参考図②)でわずかに詰まない。




 ドラマ図では合駒するしかなかった。ただし、△9六銀と取られて簡単ではない。
 控室は▲5七桂△9六銀▲4四歩で先手勝ちと即断していたが、これは△5九成香▲4三歩成△同玉▲4四銀△4二玉(参考図③)



で後手玉が妙に詰まない。

 ▲5七銀△9六銀▲9二飛が最有力か。以下△6二桂に▲7四桂(参考図④)



から6二の地点をしつこく攻めていけば、先手に分があったはずである」

 巷では、「郷田九段が簡単な勝ちを逃した」という評価だが、実際はかなり難しかったようだ(羽生ファンとしてはここが肝心)。
 簡単に結論付けないのは、さすが谷川九段だが、「最有力か」「先手に分があったはずである」は切れの良くない表現だ。
 それにしても、夕食休憩後から羽生名人の足取りがかなり乱れ、逆に時間切迫の郷田九段の指し手は冴えわたっていて、相当差がついた感があったが、まだ難解だったとは。
 きっと、郷田九段もこういう感覚があったはずで、苦しい時間が長かったのと、時間切迫もあって、最後の錯覚につながったのではないだろうか。

 終盤はともかく、中盤の羽生名人の指し回しは見事で、羽生名人の快勝譜になるはずであった。
 終盤のふらつきを時々見せるのは、ファンとしては心配だが、王将戦、名人戦、棋聖戦とカド番を跳ね除けての防衛。これは大きなプラス要素。夏場の王位戦での消耗がない分、是非とも竜王位への挑戦権を獲得して、昨年の雪辱を果たしてほしい。
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イチロー、大統領に「WHAT’S UP?」 【追記あり】

2009-07-16 13:12:03 | 時事
 大リーグのオールスターゲームの始球式をオバマ大統領が行った。
 その試合前に、ロッカールームを訪れ、イチロー選手と対面。

 当初、イチローは「WHAT’S UP?」(調子はどう?)とタメ口をたたこうと思っていたらしいが、用意していたボールが大統領の足元に転がって行っってしまい。それを拾いあげた大統領が、「サイン、欲しいか?」というようなことを言ってくれたので、「ノー」とも言えず、「Nice to meet yuo sir」まで言ってしまったらしい。とても「WHAT’S UP?」という雰囲気ではなかったとのこと。イチローをして「圧倒された」という大統領の貫録と言うべきか。

 でも、ボールにサインをする大統領に「WHAT’S UP?」とか、「ボールに落書きしちゃ駄目だよ」と言ってほしかった。

【追記】
 またたびさんによると、「What's up?」はかなりくだけた(ラフな)表現で、言わなくて、正解だったようです。
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『新・警視庁捜査一課9係』 第3話「殺意のロザリオ」

2009-07-16 10:21:39 | ドラマ・映画
 ミスリードや伏線の張り方が巧みで、徐々に見えてくる事件の背景、それらのバラバラの糸が螺旋を描きながら真犯人に収束していく巧妙さが光る話だった。


まずは事件の発端、(番組サイトあらすじより) ============

 教会の裏で焼死体が発見された。教会の奥山(金田明夫)によると豊川という男が一昨日から行方不明だという。豊川はもともと仕事を失い住む家もなく教会にやってきたところを奥山に拾われた。豊川は信者の間でも評判は良かったらしい。
 さらに、真澄(原沙知絵)の解剖の結果、胃に末期のがんがあることがわかった。奥山の証言どおり、死体は豊川と見て間違いなさそうだが、同時に刺し傷も見つかり、倫太郎(渡瀬恒彦)らは殺人事件として捜査を開始する。

===================================

Ⅰ.被害者(焼死体)に関する事実
 ・教会の助祭の豊川が行方不明
 ・焼死ではなく、刺殺後焼かれたもので、末期がんであったことが判明
 ・豊川はホームレスだったが、まじめに教会の仕事をこなし、評判は良かった
 ・青柳刑事が、死体発見現場で不審な男・天草を見かける。男は覚せい剤密売の過去があった

Ⅱ.豊川の人物像
 ・信者の筧(東根作寿英)の証言より、豊川に付きまとっていた美容師・坂井みゆき(麻乃佳世)が捜査線上に浮上
 ・坂井には犯罪歴があることが判明

Ⅲ.反転する豊川の人物像
 ・青柳刑事らの捜査で、天草と豊川が組んでワシントン条約に反する絶滅危惧動物を密輸していたことが判明。しかし、天草は殺人に関してはアリバイがあった。
 ・坂井みゆきのアパートに行くと、凶器のハサミが残されてあり、すでに自殺を図り、救急車で運ばれた後だった。
 ・救急車を呼んだのは司祭の奥山だった。【奥山犯行説が浮上】
 ・加納(渡瀬恒彦)の推理と奥山の証言により、豊川は坂井が犯した犯罪の主犯で、坂井は豊川(与田)を恨んでいたことが判明。奥山が彼女を諌めるために彼女のアパートを訪ねた時には、彼女はすでに自殺を図っていたと証言。

 ここまでで、奥山(与田)を恨んでいた坂井が奥山を殺し自殺したという結論が導かれた。【コマーシャルに切り替わる】


Ⅳ.真相
 【コマーシャル後、いきなり場面は空港に】
 真相は、過去を再び清算するため、筧を殺害し彼を自分(豊川)に仕立て、坂井を毒殺し、「坂井が奥山を殺害し自殺」という計画だった。


 2転3転するストーリーで、清心な司祭奥山の言動が却って推理を混乱させた。
 隠れテーマとして
・密輸していた蛇が脱皮する如く、過去を脱ぎ捨てる犯人
・過去の犯罪を懺悔しした二人の男、奥山と豊川の対比
・沈黙によって守られた犯人が、自ら証拠品を所持していたこと

 実に巧妙なストーリーだった。
 しかし、奥山が豊川と同じ経緯だったというのは、個人的には余分だったように感じる。いつの間に、加納は奥山の過去を調べたんだろう?

 また、豊川が筧になり替わろうとしていたという事実を隠すため、豊川に関する回想シーンがなかったので、豊川の装っていた誠実さが感じられなかった。
 2重のどんでん返しは面白いが、それはなしにして、豊川の猫っかぶりに重点を置いてもよかったように感じた。
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『ハンチョウ~神南署安積班~』 第14話

2009-07-14 19:49:39 | ドラマ・映画
 今回はあまり面白くなかった。

 須田刑事(塚地武雅)が、恋人らしき女性・幸子(清水美沙)の夫(会社社長)殺害の容疑で逮捕された。指紋や目撃証言などが挙がるが、幸子が須田を目撃したと証言したと聞き、須田は黙秘してしまう。
 須田が犯人であるはずがなく、班の仲間も須田をまったく疑うことなく信じて捜査するというのは、このドラマらしい。
 焦点は、「須田がなぜ黙秘しているのか」だった。真相は、須田が少年時代犯してしまった失敗により、幸子の父親が亡くなり、それによって、幸子が不幸になってしまった。その贖罪だった。

 とにかく須田の行動が中途半端だった。
 幸子が犯人だと思ってかばったわけではなく、幸子が須田が自分を不幸にした少年だと知っていて、自分を許していないことを知っての贖罪だった。
 しかし、ただ黙っていることが贖罪になるのだろうか?もちろん、自分が犯人だと罪をかぶることが贖罪になるわけではない。
 須田はわけもわからずに逮捕されたようなので、当然、事件の真相は知らない。
なので、まず、事件の真相を明らかにして、彼女が犯人であろうがなかろうが、そのあと、しっかり彼女を支えてあげることこそ、贖罪と言えるだろう。
 しかも、安積(佐々木蔵之介)に尋ねられて、「自分は刑事です」と無罪であることをほのめかすって、おい!

 刑事なら、捜査しろよ!心配する黒木刑事(賀集利樹)たちに打ち明けろよ!それが仲間っていうもんじゃあないのかよ!(『ごくせん』調でお読みください)

 不幸のどん底だと思っている幸子に、「自分は少年時代からついている」と言い切ったら、そら彼女は切れるよな。

 ☆些細な突っ込み
 2カ月ぐらい前の回想シーンが出てくるが、その頃って、須田刑事、足をけがしていて、杖をついていたのでは?
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「ゲームと勝負」「直感とヤマ勘」など

2009-07-14 16:55:51 | 将棋
7月13日の『将棋世界』6月号④の夕焼けさんのコメントに関連しています】

★一手にかける時間。これってどこまでがゲームでどこからが勝負なんでしょうか

 「ゲーム」や「勝負」の言葉の印象が、人によってさまざまだと思うので、まず、その定義を考えてみます。
 「ゲーム」というと、日本語的には、将棋やチェスなどのボードゲームをさすことが多いですが、最近はテレビゲームをイメージする人も多いかもしれません。
 それと、「所詮ゲームじゃないか」というような使われ方の場合、「お遊び」という意味で使われることもありますね。
 英語では、「ゲーム」はスポーツなどの「試合」を指します。

 「勝負」というと、「大勝負」という意味で「重大な分かれ目」とか「雌雄を決する」という意味で使うことがあります。(「雌雄を決する」という言い回しは、「男女共同参画」や「男女平等」という観点からすると不適切かもしれませんが、見逃してください)
 また、もっと広い意味では、単純に「勝ち負け」が決まるものを指します。
 「試合(将棋)に勝って、勝負に負けた」ということがあります。この場合、内容では勝っていたが、結果は負けだったという意味ですね。


 さて、夕焼けさんの場合、「ゲーム」は遊びで、「勝負」は真剣という意味合いだと思われます。
 これは私見ですが、将棋について言うと、遊びの場合、持ち時間を決めず、「待った」も認め、禁手(反則)も許してあげる。
 勝負(重たい意味に限らず、試合として行う場合)の場合、反則や「待った」は認めず、持ち時間もきっちり決める。これは、10秒将棋でも持ち時間9時間でも、同じだと考えます。つまり、持ち時間を決めるということは、競う条件をそろえるということですから、「試合」と考えます。
 将棋の場合、持ち時間を決めるという場合、時計係を頼むか、対局時計を置くことになりますから、時計係=審判みたいなものですから、その時点で試合(勝負)になってしまうでしょう。
 対局時計がない場合は、お互いに「1,2,3…」と時間を読み合う「10秒将棋」をすることがありますが、これは秒の読む速度が不正確ですし、10秒では指し手を読む頭脳勝負という将棋の本質とは離れているように感じます。


>その持ち時間なりの強さ、戦い方、考え方があろうかと思うんですよね。でも考える時間がまるっきりないと「勝負」というより「ギャンブル」的な要素が入ってくるんかも。「運」といってもいい

 おっしゃるとおりだと思います。基本的には、持ち時間をきっちり決めれば(反則、待ったなし)、勝負(試合)と考えますが、相手の指し手を考え、その対策を練ったり、工夫して仕掛けるといった指し手に考慮(意思)がないと、「将棋」とは別のもののように思います。


 あと、NHK杯のような持ち時間が短い将棋と名人戦などのタイトル戦のような長時間の将棋とでは、持ち時間が長い、特に2日制の将棋で負けたほうがダメージは大きいでしょうね。短時間の将棋で強いのは、思考の反射神経があると誇れますが。


★直感とヤマ感の違い

>直感なんて努力の積み上げた者のみが覚醒して出来るもんだと思ってます

 まさに同感です。このことは羽生名人本人もおっしゃっています。

>同僚から「もっと急いで打ってくれ」とクレームをつけられました。ワタクシの考える時間が長いようなんですよね。と言っても10秒たらずなんですが

 私の想像ですが、同僚の方は、オセロをトランプの「ババ抜き」や「ページワン」と同じように捕らえているのではないかと。
 もちろん、相手の表情や、場に捨てられているカードを見て切るカードを決めるということもありますが、引くカードは運や勘に左右されます。
 同僚の方は、オセロの手は読むものでなく、勘で決め手、その手がいい手か悪い手かは運で決まるモノと考えているのではないでしょうか?


★上達するには

 多少個人差があると思いますが、閃きだけで指す子ども(人)は、強くなりません。
 ある程度考えて、その決定した手が意思を持たないと、経験や技の積み重ねになりません。
 その意思が間違っていてもかまいません。「相手の角頭が破れそうだ。攻めてみよう」というのと、「とにかく攻めてみよう」と攻めるのでは、結果が同じでも、得られる経験地が違います。
 相手がただで駒を捨ててきた。「取るとどうなるか、考えたがわからないけれど、取ってみよう」というのと「罠かもしれない。取らないでおこう」というのでは、たとえ取って相手の策に嵌っても前者のほうがいい経験をしたと言えます。

 中には長考する子がいます。すごく読んでいる場合はいいのですが、初心者の場合は、「何をしたらわからない」か「複数の候補手が浮かぶが、決められない」ということがほとんどです。この場合は、経験が少なくて手の判断基準が無いと考えられので、その場合は、とにかく、勘でいいから指すよう勧めます。

 ある程度、棋力がつけば、子供の頭の回転は速いので、着手が早くなります。この場合は、放っておきます。負ければ、自然に考えるようになります。


 ただ、最近の子どもは、PCや先生に負けるのは気にしないのですが、友達に負けることを極端に嫌います。これが悩みの種です。
 あと、じっくり考えることができないという傾向が強いようです。 
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『将棋世界』6月号④

2009-07-13 17:40:18 | 将棋
★「ねじり合いを制す」 リレー自戦記 佐藤康光九段
              竜王戦1組 対 木村一基八段



 第1図は後手の木村八段が△3一玉型のまま△7四銀と上がったところ。これを佐藤九段は「木村八段工夫の一手」と評している。

 実は、同じ6月号の『熱局探訪』でも野月七段がこの将棋を取り上げている。こちらでは、
「木村八段が早めに△7四銀とたったのが疑問らしく、佐藤棋王のペースで序盤戦が進んだ。
 なんでも、早めの△7四銀は佐藤棋王が奨励会のころ島九段に「この銀を上がってはいけません」と教わったらしく、あまり昔のことだから木村八段は知らないだろうな…と思いながら指していたらしい」
と、記されていて、佐藤棋王の「木村八段工夫の一手」という評価とは違っている。
 ただ、この後指し手が進み木村八段は△3四銀と受けたが、「△3四銀と受けるのなら早く△7四銀と出る必要はあまりなかった」と言及している。

 また、佐藤九段はこの戦形の思い出として、15年前の第7期竜王戦第2局の羽生名人戦と似ていて、当時のことを思い出したらしい。(3五、7五と互いに角で府を交換し合う。ただ、このときは先手の羽生名人が先に3六に銀を上がり、早囲いのまま、銀を3五→2四と繰り出し銀交換をしている)



 さらに進んだ第2図。ここでは先手の佐藤九段の作戦勝ち。
 この局面を佐藤九段は取り上げ
「この局面は昭和62年の王将戦、島六段-高橋棋王戦と同一局面で、私が記録係だった。すでに四段だった私がなぜ記録を取ったのか良く覚えていない。感想戦でも研究された局面で、後手があまり面白くないという結論になった。自分なりにも研究し十分指せる感触を持っていた」
と述べている。
 野月七段の記したことは、このことを誤って受け取ったのかもしれないし、2つの出来事とも事実だったかもしれない。

 この後、佐藤九段ペースで進むが、木村八段が強い受けを放ち盛り返す。しかし、佐藤九段が木村八段の受けきれるという見切りの上を行く強襲で寄せきっている(厳密に言えば、木村八段の受け損ないで、実際は難解な形勢だったらしい)。
 中終盤は、お互いの持ち味が遺憾なく発揮され、佐藤九段がタイトルをつけた通りの「ねじり合い」の面白い将棋だった。


★「衝撃の一局」 リレー自戦記 稲葉 陽四段
           新人王戦 対 里見倉敷藤花

 何だか、稲葉四段が意識し過ぎ(ビビリ過ぎ)で、自滅したように思える。



他にも、取り上げたい記事あるのですが、遅れているので6月号はこれまでです。

 
 
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『将棋世界』6月号③

2009-07-12 23:03:03 | 将棋
★「会心の構想で初戴冠」棋王戦第5局 観戦記 伊藤能五段

 久保八段の名局でした。初タイトル奪取を決めた一局ということもあって、久保新棋王にとっては忘れられない将棋になるでしょう。
 伊藤五段の観戦記も、分かりやすかったです。まず、手の評価や局面分析を述べたあと、その理由や詳細を付け加えています。一局を通してのポイントの絞り方も適切で、大平五段と並ぶ書き手だと思いました。


 何と言っても、伊藤五段が「1人時間差の角」と小見出しに付けたほどの、久保八段の角打ちからの構想が素晴らしかった。

(その指し手の巧妙さを観戦記で分かりやすく書かれていて、それを引用すべきなですが、長くなるので抜粋して説明します)



 △3三角(第1図)は、先手玉が8八ではなく7八にいるので脅威を感じる手ではない。とりあえず先手からの▲2四歩を防いだだけの凡手に映る。
 佐藤はその角をめがけて、▲3六歩△9二香▲3七桂と右桂を活用する。
 ところが、久保はそこでスッと△4二角(第2図)と引く。久保の狙いは端攻めにあったのだ。



 第1図の△3三角ですぐに△4二角と打つと、▲5二銀という手がある。△5二同飛は▲4一角の飛車金両取り。△8一飛は▲5四角で、いずれも後手がまずい。
 ところが、第2図で▲5二銀は△同飛▲4一角△6二飛▲3二角成に△1五角が馬桂両取りで後手が良くなる。


 だそうで、
「まるで1人時間差攻撃のような角の動き」と評している。佐藤棋王にも「▲3六歩~▲3七桂が自然なようで問題でしたか」と言わしめている。一本取られた感じだ。

 しかし、佐藤棋王も簡単には土俵を割らない。意地の張り合いのような派手な応酬を見せる。
 第2図以下、▲6六銀△9五歩▲同歩△9一飛▲9六銀(第3図)



△9七銀(第4図)



▲7五歩△9五香▲同銀△同飛▲8六角(第5図)



△同銀不成▲9五香△9六角(第6図)と進む。




 第5図では久保八段優勢だが、佐藤棋王も猛烈に追い込み、形勢混沌かと言われる局面まで持ち込む。が、久保八段も踏み止まり、最後に佐藤棋王に痛恨の桂打ちの悪手が出て、久保八段の初タイトルの獲得となっている。
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