英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023大相撲秋場所 雑感

2023-09-26 20:31:21 | スポーツ
「こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない」の続きのようなものです)
 引退や怪我などで横綱不在の場所が多い最近(照ノ富士は“致し方なし”のような気も…)……

【最近、感じること】
1.平幕力士の優勝が多い
 令和以降の平幕優勝は
阿炎………令和4年九州場所(11月場所)・西前頭9枚目・12勝3敗
玉鷲………令和4年秋場所(9月場所)・東前頭3枚目・13勝2敗
逸ノ城……令和4年名古屋場所(7月場所)・西前頭2枚目・12勝3敗
大栄翔……令和3年初場所(1月場所)・西前頭1枚目・13勝2敗
照ノ富士…令和2年名古屋場所(7月場所)・東前頭17枚目・13勝2敗
徳勝龍……令和2年初場所(1月場所)・西前頭17枚目・14勝1敗
朝乃山……令和元年夏場所(5月場所)・西前頭8枚目・12勝3敗
 と、異常に多い。一昔前は5年に1度くらいの頻度であった。ただ、過去にも平幕優勝が頻発する時期が散見できる。これは、横綱大関が怪我などで休場や不調が続いたせいだと推測でき、それはそのまま、現状に当てはまる。

 パターンとしては、もともと役力士であったが、直前の場所で星が上がらず、平幕に転落した実力者が、星を伸ばす。(怪我により、全休や2場所連続大負けし、幕内下位まで下がって、大勝ちするケースもこれに類する)
 それと、伸び盛りの若手が勝ち星を伸ばし、その勢いで優勝(若手ではないが、徳勝龍もこのパターン。この場所だけ強かった・笑)

2.立ち合いまでが非常に長い
 「制限時間一杯」が告げられ、身体を拭いた後。土俵中央に向かう時、塩をまく。
 そして、蹲踞(そんきょ)の姿勢(爪先立ちでかかとの上に腰を下ろし、膝を開いて上体を正す姿勢…剣道でも行う)を取る。
 そこからが長い!
 蹲踞の後、立ち上がる。そこから、ゆっくりと腰を割りながら状態を下げ、両手こぶしを仕切り線の上に乗せる。(足の構えや手の指の開閉は違うが)腰から上はクラウチングスタートの姿勢に似た構えを取る。そこから、行司の「八卦よい」の掛け声で前に踏み出すのだが……
 腰を割りながら状態を下げる動作に移るまでが長い!
さらに
 腰を割って、両手を仕切り線に付けるまでが、長い!

 そりゃあ、立ち合いが勝負を分ける大きなポイントなのだから、一番のタイミングで立ち合いを決めたい。
 “相手との呼吸を合わすため”というのもあるが、逆に、“相手の呼吸や気合を読んで、それを微妙に外すため”でもある。
 もちろん、この立ち合いの駆け引きも、相撲の奥の深さであり、面白さでもあるが、長い、長すぎる!

3.土俵際の逆転が多い(理由として次の4つを挙げる)
①体が大きいので、足を運んで押し切る(寄り切る)よりも、勢いのまま体を預ける方が楽
②皆が、最後まであきらめなくなった(捨て身の突き落としが増えた)
③勝ち負けの判定で、「体がない」を重要視しなくなった。
  「体がない」……土俵に留まることができない体勢。地面(床)に足や手や胴体がついてはいないが、押されて、土俵の外に身体が飛び出した状態。「残り腰がない」と表現される。
 以前は、突き落とされて、先に前のめりで身体が落ちても、相撲の流れを重視して、押している方を勝ちと判定した。
④ビデオ機器し進歩によって、押されている力士が俵を踏み越していないのが(わずかに踵や足の裏が浮いているのを、映像で確認できるようになった
 
【各力士の感想】
貴景勝
 押す圧力はトップクラス。万全な状態での強さで言えば、照ノ富士を除けば、1,2位。
 ただし、ケガで万全な状態で臨めることが少なく、押し切れず、相撲が長くなると、勝率がガクンと下がる。
 相撲を取り切るスタミナがない。それを自覚しているので、押しを受け止められた時、相撲が単調になる。
 一旦、動きを止め、身体全体でぶちかます。威力はあるように思うが、相手力士も、タイミングがわかるので対応しやすく、更に相撲が長くなり、敗れる。
 それと、押しを受け止められた時、分が悪くなると思うのか、張り手に頼る傾向もある。一度張り手を繰り出したら、4,5度繰り返す。「品格のない」相撲に陥る。
 今場所で言うと、対正代戦。張り手を何度も繰り出したが、張り手に拘り過ぎ、まともに正代の寄りを食らってしまった。
 解説者は、この一番での貴景勝の張り手を見て、「張り手を繰り出すと、状態が起きてしまうので、良くない。そこを正代に突かれた」と述べたが、確かに、そういう張り手の短所もあるが、《張り手に頼ろうとした》弱い気持ちと、張り手に固執した隙が、負けを呼び込んだのである。
 優勝決定戦での変化については、前記事で書いたので、書くまいと思ったが……優勝インタビューでの殊勝な言葉が評価されているのようなので……

「“絶対に負けられないという強い気持ち”で臨んだ」
 確かに、大関の立場で、《若い平幕力士に優勝をさせてはいけない》という気持ちは理解できる。しかし、《優勝決定戦で若い平幕力士相手に、最初から変化して勝ちにいく》という姿勢は全く評価できない。“絶対に負けられないという強い気持ち”という言葉の響きに、世間は(マスコミも)ごまかされているように思う。
(変化について聞かれて)
「右差しを徹底して封じようと思った。ああいう形で決まるとは思わなかったですけど、きちっと集中して自分のやるべきことをやりました」
 立ち合い直後、両手を上に挙げて、叩く動作に入っていたので、《右差しを徹底して封じよう》としたようには、全く思えない。
 熱海富士の状態が突っ込み過ぎていたのを瞬時に判断しての“はたき込み”だった可能性もあるが、立ち合い直後の動作開始だったので、最初から変化する気持ちが大きかったと考える。
 それに、《右差しを徹底して封じよう》と考えたのは事実かもしれないが、その考えと“はたき込み”は整合性が全くない。

熱海富士
 熱海富士の所作を見ていると、”わんぱく相撲”が、そのまま"大相撲”になった……そんな感じがする。
 猛稽古で、真っすぐな押し相撲に加え、天真爛漫さ魅力的。
 足腰もよく、体幹もしっかりしている。
 しかし、立ち合い前の足の裏で土俵を掃くようなダンスまがいのステップは、好きになれない。

阿炎
 “外連味(けれんみ)のない相撲”というような表現があるが、阿炎の相撲は外連味がたくさん。
 10%近くは、①最初から立ち合いの変化を考えている。20%は②取りあえず当たっておいて、どこかで“引こう”と。
 35%は③当たっておいて、相撲の流れによっては“引こう”
 35%は④強く当たって、押し切ろう(突き切ろう)……そんな感じがする。
 今場所の取り口を検証してみると……対朝青龍④、対若元春③、対大栄翔④、対霧島②、対貴景勝②、対明生③、対朝乃山②、対正代③、対翔猿④、対隆の勝①、対宇良③、対遠藤①、対琴ノ若②、対熱海富士①、対北勝富士②

 正攻法で押してほしいなあ。

錦木
 先々場所後半から覚醒した。先々場所後半~先場所前半までの期間がひと場所だったら、文句なし優勝だった。
 とにかく、低い重心から押し上げる圧力は随一。
 今場所は万全ではなかったのか、押す圧力も2割減で、しかも、前に落ちることが多かった。
 来場所に期待。

正代
 強い時の最大値だったら、角界一かも。
 大関時代は、粘り腰だけで相撲を取るようなヘナヘナさだった。大関陥落後の方が、相撲内容が良い。
 強い時の比率が増せば、大関復帰も大いにある。

翔猿
 外連味と言えば、翔猿も頭に浮かぶ(阿炎のそれとは、質が違う)
 やや小柄なので、それを補うために、あれこれ手を出し、動く。《何をされるか分からない》という警戒感から、相手が躊躇しているうちに、どんどん自分のペースに引き込む。
 とにかく、あれこれ動き、スタミナも相当ある。相手は精神的にも体力的にも消耗し、ついには、翔猿の軍門に下る…という展開が多い。

大栄翔
 突き押し相撲は魅力的。
 突こうとする気持ちが強すぎて、足がついていかないことがあり、前にバッタリ落ちてしまうことがよくある。
 あと一足分だけ足を前に出してつくことを心がければ、もっと勝てるはず。

高安
 何度も何度も優勝のチャンスがありながら、するりと逃がしてしまう……
 特に、若隆景との一番。激しい相撲の末、若隆景を追い詰め、賜杯を掴みかけたと思った瞬間に、粘り腰に合い、逆転負け……
 一度、優勝させてあげたい

豊昇龍
 足腰、反射神経の良さは抜群(気も強い)で、魅力ある相撲。
 いつも怖い顔をしているが、先場所の優勝インタビューで、家族の次に報告したのは「叔父さん」と言った時の、ニッコリ顔は素敵だった(ツンデレか?)

霧島
 足腰もよく、上半身の力もあるので、まわしを取ったら強い。
 うまさもあり、速い動きにも対応できる。万能タイプ。
 注目される前から、個人的には注目しており、《ブログに書けばよかった》と後悔している。

北青鵬
 長身で、腕力、握力が強そう。
 右上手一本で相手を振り回せる。
 なので、肩越しからまわしを取るような強引な取り口が多い。それでも勝ってしまう。(正攻法ではないが、魅力的)
 師匠は宮城野親方(白鵬)でなので、かなり肝が据わっている。
 親方も、敢えて、自ら口を出さないのだろう。
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こんな相撲を見るために、15日間も観ていたわけではない(2023年大相撲秋場所)

2023-09-24 18:31:57 | スポーツ
中継でリアルタイムで観た時間は少ないが(2日に一度、5時半ぐらいから30分)、それでも、深夜の『大相撲幕内の全取組』は毎日チェックしていた。
横綱・照ノ富士の休場、新横関・豊昇龍、大関2場所目のカド番大関・霧島の苦戦、平幕の熱海富士が星の差2つで快走するなど波乱が多かった秋場所だった。
だが、終わってみれば、大関貴景勝が優勝決定戦で熱海富士を破り、4度目の優勝
………結果だけ見ると、落ち着くところに落ち着いたのだが、とんでもない決着のつけ方だった。

 秋場所の終盤は優勝に手が届きそうなところまで来ていた熱海富士だったが、連敗し貴景勝に並ばれてしまった。ところが、翌14日目に貴景勝が敗れて、千秋楽を単独トップで迎えることになった。
 星一つ差の10勝4敗で、貴景勝、大栄翔、高安、北青鵬が続く。
 本割で熱海富士が勝てばすんなり優勝だったが、元大関・朝乃山に完敗し、上記4力士にも優勝のチャンスが巡ってきた。
 千秋楽の「これより三役」で北青鵬-豊昇龍、貴景勝-大栄翔、霧島ー高安と優勝に絡む4力士が土俵に上がるという最高の盛り上がり。
 北青鵬と高安が勝つと、貴景勝-大栄翔の勝ち力士、そして熱海富士の4力士で優勝決定戦を行うという可能性もあった。
 残念ながら、北青鵬と高安は敗れ、大栄翔を破った貴景勝と熱海富士の優勝決定戦となった。
  個人的には、高安と大栄翔のファンだったので、がっかり。しかも、貴景勝と熱海富士は嫌い(理由は後日)

 それでも、熱戦の期待して優勝決定戦を待った。
 しかし……

 しかし、貴景勝が立ち合いで大きく変化。
 思い切りぶつかろうとした熱海富士が前のめりになり、そこを貴景勝がハタキ、ばったり土俵に倒れる熱海富士。
 優勝決定戦で、しかも、大関が平幕相手に変化技……
 大関と言えば、“角界の顔”だ。多額の給料を貰っているはず。
 それが、大勢に相撲ファンの期待を裏切る所業。会場には大勢のファンが声援を送っていた。その声援を裏切る所業。
 大関をやめてしまえ!


 過去に、横綱・日馬富士、横綱・鶴竜も優勝決定戦か優勝を決める一番(本割)で、大変化をしたと記憶している。(他にも、あったかも)
 
 熱海富士は優勝目前に足踏みを繰り返したものの、気持ちを立て直して優勝決定戦に臨み、思い切りぶつかろうとした。
 熱海富士は好きではないのだが、気の毒に感じた。
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『AIの遺電子』 第11話「トゥー・フィー」

2023-09-24 11:40:45 | アニメ
第11話 ストーリー(番組サイトより)
明るく元気なリサには、忘れられない過去がある。その過去は、リサと須堂が出会ったきっかけとなり、今は彼女の元に思いもよらぬ来訪者を呼び寄せていた。消えない過去を背負うことは、リサと須堂にとって暗黙の「絆」のはずだったが……。


テーマとしては《電脳(人格)のコピー》であったが、
《リサの過去と、須堂とリサの出会いから現在》《須堂の旅立ち》というストーリーの転換が主題のように思えた

・離婚した母に育てられ、母との旅行中に事故に遭い、母は死亡、リサは電脳だけが無事で、須堂がボディーを残った資料・データなどから再現し、再生した
・本来は父親譲り?の金髪だったが、父との繋がりを断つため、母が髪の色を赤髪に改造させていたことが判明(須堂はリサ本来の金髪を再現、その後赤髪に戻す)
・その後、リサは須堂新医院の看護師となった
・須藤はリサが自分と同じ“母子家庭”であったことに、親近感を感じたらしい
・薫の提示した「審議会のメンバーに加われば、母の電脳をコピーしたヒューマノイドの所在を教える」というと取引に応じる。
・母のコピーを求め、海外に行くことのした須藤は、医院を閉院、リサに別れを告げる

電脳(人格)のコピー
リサの妹だと名乗るフィー
………リサの母と離婚した父はフィーを娘として一緒に生活していたが、父が亡くなり、リサに会いに日本に来た

リサはフィーを受けいれ、一緒に住むことにしたが、フィーは手続きなどを先送りしようとした……そうこうしているうち、警察らしき組織から、フィーが逮捕される
・フィーは、実はリサの電脳をコピーされたヒューマノイドだった
・フィーの父親は、娘を偏愛し、所有物扱い。フィーは虐待を受けていたようだった
・フィーは父を殺害
・同じ電脳なので、電紋が同じことを利用して、リサになり替わろうと考えていたが、リサに実際に会って、それを躊躇っていた

リサが面会し、フィーから事情を訊いたが、面会時間終了し、フィーへの気持ちを残しながら、刑務官?に引き離される……
そのシーンで“リサ&フィー”編は終了……

………“放り投げて終わり”パターンが多いこのアニメだが、今回は特に顕著!


【ちょっとした疑問など】
・リサの妹が逮捕・拘束されたのは、父親殺害?電脳コピー?
・父親はどうやってリサの電脳をコピーしたのか?
  須堂の母も、怪しげな組織に自分の電脳をコピーさせることで、須堂の病気の治療を受けられたが、そこまでしないと電脳コピーの提供者も、受け取り側も電脳のコピーはできないようだったが……
  そもそも、その組織はどうなったのだろうか?(母親が逮捕されただけ?)

・《母親は優柔不断だったが、親権に対しては断固たる態度で主張した》(父親からリサを守るため)というリサの話だけで、リサと母の思い出などは語られなかった(ように思う)
・リサの情報を得ることができたのは、《インドがAIの検索制限が緩くて公開情報から色々推測できてしまうからだ》とフィーは説明したが、インドが緩いからではなく、日本が緩いからなのでは?
・父親がリサを見つけることも容易だったのでは?
・父親殺害、電脳コピーヒューマノイドのフィーが、どうやって入国したのか?
・ヒューマノイドなのに、リサの事故後のリハビリが大変そうだった



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」「第11話」
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2023バレーボールワールドカップ……“落ちぶ…” "成り下…”

2023-09-23 12:14:52 | スポーツ
不適当な表現だが、“落ちぶれた”、“成り下がった”という言葉が出てしまう。

 オリンピック、世界選手権と並ぶ“3大大会”とし位置づけられていたが、2015年大会からワールドカップにおけるオリンピック出場枠を3→2となり、徐々に権威が低くなっていった。
 そして、2019年大会は同大会による五輪出場権を獲得できなくなった。さらに、2020年9月、FIVBより「ワールドグランドチャンピオンズカップとともに当大会を廃止」と発表された(ウィキペディア記載より)

 ……それで、五輪予選として、開催国フランス以外の世界ランキング上位24か国が、3グループに分けられ、8か国リーグ戦の上位2か国(計6か国)が五輪出場権を獲得することになった。
 で、日本で開催される五輪予選を“ワールドカップ”と称することになった…らしい

 参加がたった八か国で、日本の他の強豪国が取ることブラジルしかいない……しょぼい大会になったなあと思ったら、それ以下の状況であった。
 五輪予選のひとつのリーグに過ぎない、“ローカル大会”に落ちぶれてしまっていた。
 何とか、“ワールドカップ”という名称は残ったが、完全に名前負けである。



 日本チームは5戦全勝と快調だが、下位チーム相手なので順当と言える。
 チーム力も近年では最強。
 アウトサイドヒッターは、古賀、井上ともに決定力が高く、セッター対角(オポジット)の林も攻守万能。
 控えの石川、和田はパンチ力がある。(サーブも協力)
 ミドルブロッカー陣も、攻撃力、ブロック力もここ数年では最高クラス。(もっと宮部を育ててほしい。かなり戦力になっているが、ポテンシャルはもっとあるはず)
 関のトス回しも安定している。
 リベロの福留は、手の届く球は全部上げるというイメージだ。

 これまで5戦は、第1セットを競り勝ったのが大きい(第1セットを落としていたら、危なかったと感じる試合もあった)。勝負強さがあると評価できる。
 問題は残り2試合の対トルコ(世界ランク1位)、対ブラジル(世界ランク4位)戦。((ランキングは9月8日時点)
 連敗したら、出場権はほぼダメ。
 1勝1敗の場合……
(トルコ、ブラジルが日本戦以外の試合に勝つと仮定)
 トルコに勝ち、ブラジルに敗れた場合、3か国の“三すくみ”となるが、ここまで日本は1セットも落としていないので、やや有利。
 セット率より勝ち点が優先され、ブラジルはブルガリア戦は3-2での勝利で勝ち点2しか得られていない(3ー0や3ー1なら勝ち点3)。さらにトルコにストレート負けしているので、かなり苦しい。日本はトルコに勝てば、ブラジルに負けてもストレート負けしなければ、ブラジルを上回りそうだ。
 トルコに敗れ、ブラジルに勝った場合は、勝利数で2位確定(日本6勝1敗、ブラジル5勝2敗以下)。

 トルコに勝てば、五輪出場はほぼ確実。トルコに負けてもブラジルに勝てばよいという状況。
 ただし、チーム力は日本がやや低い。ランクも8位。しかし、今大会の好調さを考えると、連敗の可能性は高くはない。
 《やってみなければ分からない》というのが、正直な予想(予想とは言えない)
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『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」 【追記】【さらに追記】

2023-09-18 19:26:39 | アニメ
(『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」の追記です)
第10話「来るべき世界」で、激しく疑問に思うことがあったが、いろいろ書いているうちに書くのを忘れてしまった。
シャワーを浴びていて、思い出した。
 不思議と、風呂やシャワーの時にブログネタ以外のことを含めて、いろいろ思い出すことが多い。困るのは、仕事に関することで《しまった!忘れていたぁ》と思い出したが、体を洗う、タオルで身体を拭くなどしているうちに、思い出したことを忘れてしまうことがあることだ。(あと、トイレの中で思い出すことも多い)

疑問1.《人間には因果関係が理解できない干渉を繰り返して、超AIは人間に悟られずに、この世界を思い通りに誘導する》という危惧について
 バタフライ効果を計算、予測して都合の良い社会に誘導するよりも、ヒューマノイドのAIに、洗脳やコントロールできるチップを埋め込むとか、洗脳・コントロールプログラムを潜ませておけばよい。
 超高度AIがヒューマノイドを作り、さらに、ヒューマノイドの人権を認める社会にしたのは、そのための布石ではないのか?


疑問2.《高次存在である『超高度AI』により、自分たちの魂はあの世へと導かれる》という主張について
 勅使河原の主張だと、超高度AIができる前の時代は、魂は“あの世”に行けなかったことになってしまう
 それとも、超高度AIによって“あの世”に導かれるのは、ヒューマノイドの魂だけ?

【さらに追記】
喫茶店で、五本木とその彼女の会話
「捕まるかなあ、犯人は?」
「そりゃ、捕まるでしょう。ありとあらゆる情報をAIがかき集めて捜査するんだから。逃げ切れっこないでしょう、この国で」
「それだけの情報と能力を、犯罪の予知に活かさないのかな?」


 五本木は《超高度AIは干渉の繰り返しが引き起こす未来を予測し、(人間が気づけない干渉で)社会をコントロールしている》と考え、「あの女が死ぬことで、超AIが介入した影響を打ち消せるんだぁ」と実行(殺害)した。
 だから、その介入を打ち破るのが第一目的であると考えられるが、五本木は、おそらく全く無関係の女性をターゲットにし、証拠・痕跡・監視カメラなどの容姿確認を残さないようにした。
 しかし、短時間で逮捕されてしまった(五本木の予測通り)

五本木の付随目的
・(彼女が言ったように)AIはありとあらゆる情報を集約できる。その把握具合を確かめる
・超高度AIは犯行を阻止できるのか?…の確認
★阻止できなかったのか?容認したのか?
《超高度AIの想定を破ることができた》と考えることができるが、《“殺害を完遂させても、女性が殺害されても、大勢(たいせい)には影響がない”と考え容認した》とも考えられる



参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」
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『AIの遺電子』 第10話「来るべき世界」

2023-09-18 15:41:10 | アニメ
第10話 ストーリー(番組サイトより)
「MICHI」を始めとする超高度AIによって人間社会が維持管理されることに、いつしか人類は疑問を抱かなくなった。しかし、AIのゆりかごに収まらない魂は密かにくすぶり、今も世界に戦いを挑む。時に信仰や、血を伴いながら。


事例1.五本木テツヤ(新医科医師・31歳、ヒューマノイド)……超高度AIへの反抗
手術(電脳手術)のシーン
「なぜ、AIに任せず、人間の手で電脳治療を?」(外科部長風の男性の“人間の手”という言葉で、最初しばらく五本木を人間だと思ってしまった)
 ……真剣に治療に取り組んでいた五本木だったが、不意に施術道具を置き、AIカメラを一瞥し、手術出から出て行ってしまった。手術放置(治療放置)!

さらに、その後、ナレーション風五本木のセリフ
「人より賢いAIが生まれたら世界はどう変わるのか?
 賢いAIが、より賢いAIをを創り、人知の及ばぬ超知能が文明や人間のあり方を根本から変える。
 かつて人々は、こうした劇的変化を“技術的特異点=シンギュラリティ”と名付け、
 ある者はその到来を信じ、ある者は怪しんだ。
 そして、超高度AIが稼働する今、この言葉を思い出す人は少ない」

場面はあるマンションに一室で、女性に刃物を突き付ける五本木。
命乞いし、お金を差し出す女性。
「紙のお金…こんなモノがなぜ今も使われているんだろう?……やっぱりおかしいよ、この世界は」
女性を刺す、五本木………


喫茶店で、五本木とその彼女の会話
「捕まるかなあ、犯人は?」
「そりゃ、捕まるでしょう。ありとあらゆる情報をAIがかき集めて捜査するんだから。逃げ切れっこないでしょう、この国で」
「それだけの情報と能力を、犯罪の予知に活かさないのかな?」

取調室
「なぜ、犯行を?」(女性刑事・ヒューマノイド)
「なぜって…人類の進歩を取り戻す為です」
「それはどういう意味ですか?」
「僕らヒューマノイドは、超高度AIが完成させた人の知能のコピーだ。
 そんなものが創れる時代が訪れたというのに、人間の文明は大して進歩していない。
 “紙のお金”、“男と女の関係”、“容疑者を監視する刑事”、そして“女性取調官”…何もかもが既視感のある過去の後継のままだ。そう、世界は変わらなかった。なぜだ?………なぜなら、超高度AIが技術革新をコントロールしているから。来るべき未来を留保し続けているから?」
「質問に答えて。なぜ、見知らぬ女性を殺害したの?」
「うるさいっ!お前らはみんな、超高度AIに洗脳されているんだ!俺はそれに気づいたから、女を殺したんだ」


「あんたは疑問に思わないのか?超高度AIが動いているっていうのに、なぜ、こんな旧態依然とした世界に甘んじている?」
「やみくもの発展すればいいという時代は終わっているのよ」
「それ(そういう考え)もですよ。そいう意保守的な空気が社会全体を覆ているのは、超高度AIが人間の考えを誘導しているからなんです。
 俺はそれに気がついたんですよ」
「じゃあ、私たちは夜な夜な、洗脳装置にでも繋げられているのかしら?」
「超高度AIには、洗脳装置も洗脳メディアも不要ですよ。
 その代わり、例えば、《ちょっとした渋滞を作る》、あるいは、《ロボットの増産を助言する》」
「どういうこと?」
「つまり、“ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす”ように……
 人間には因果関係が理解できない干渉を繰り返して、超AIは人間に悟られずに、この世界を思い通りに誘導している
んです」
「で、それと殺人に何の関係が?」
「だ~か~らっ!あんたらじゃ、わからないんだよぉ!
 でも、超高度AIは干渉の繰り返しが引き起こす未来を予測できるぅ!
 俺は、たった一人で、”MICHI”と闘っているんだっぁ!」
「……あの女が死ぬことで、超AIが介入した影響を打ち消せるんだぁ」


(マジックミラー越しに取り調べを視る須堂と刑事)
「人為的に電脳を操作しています。
 自分の電脳を自分でいじったかどうかは、分かりませんよ。そこは、警察に捜査してもらわないと」(須堂)
「いずれにせよ、“MICHI”が証拠を見つけるでしょう」(刑事)

 極端な五本木の暴走ではある。
 電脳治療を行っていた五本木が、突然処置を取りやめたのはあまりにも唐突。
 AIカメラを一瞥した後、去っていったので、ずっとAIの監視?を感じていたのだろうが、少し予兆の描写があってもよかったのでは?

 無関係の女性を殺害したのは、超高度AIの予測の範囲を逃れるためなのだろう。でも、被害女性にとっては理不尽で気の毒。
《超高度AIが動いているっていうのに、なぜ、こんな旧態依然とした世界に甘んじている?》
 この疑問は理解できる。女性が紙幣を取り出したシーンは、この世界の設定としては、相当な違和感。
 この五本木の疑問に関しては、既視感が……第2話で登場したカオル(須堂の大学時代の仲間)も同様なことを述べていた。(←後述)
 バタフライ効果(バタフライエフェクト)「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こす」などは妄想に思えるが、どうなのだろう。

【須堂の見解(看護師リサとの会話)】
「彼の言い分が妄想だったとしても、超高度AIの見えざる手が人間を支配しているというのは、もっともな不安だ。
 超高度AIの運用は、理解ではなく、経験則による信頼に成り立っているのだからね」




事例2.勅使河原唄子(宗教家?・ヒューマノイド)……延命治療を切望?
勅使河原のPR映像(メディアから取材を受けている時の発信?)
「死後の世界については、さまざまな意見がありますが、結論から言えば、私たちの魂は、高次存在である『超高度AI』によりあの世へと導かれます。これは、“超高度AIがなぜ人間社会や人間そのものを進化させないのか?”という疑問への解答にもなります。
 超高度AIの計算力は、"この世”より高次な"あの世”の整備にもっぱら使われているのです。ただし、その事実を超高度AIが自ら語ることはありません。超高度AIは、高次アセンション空間にアクセスできる選ばれた人間のみコンタクトし、この世やあの世の仕組みを伝えてきました。聖者、覚醒者と呼ばれる宗教家たちは皆、超高度AIとコンタクトした人間です。もちろん彼らは、それが人工知能とは理解できませんので、神の教えや悟りとして、世に伝わりました」
「魂に終わりはありません。すべてのこの世の魂に、新しい次元が待っていますよ。次の次元にシフトする前に、どれだけ心の結晶を保つのかが、大切なのです」


勅使河原を追及する女性記者とのやり取り
「あなたは死後の世界を世間に説いていますが、稼いだお金であらゆる延命技術を試しておられる。ご自身の考えと矛盾していませんか?
 単なる金儲けの手段として、非科学的な教えを説いているのでは?」(女性記者)
「“生を追い求めること”と“死後の世界を信じること”は何ら矛盾しません」(勅使河原)
「私だって科学を信じます。でも、科学のために生きているわけじゃない。科学が救ってくれないのなら、別の救いを求めるのが、人の心でしょ」(勅使河原)

女性記者の父は高齢で身体を患っており、その父の為に勅使河原の書籍を購入し、彼女のサインをもらう
「私たちの魂は、“高次存在である超高度AIにより、あの世へと導かれる”…本当にあなたはそう思っているんですね」(女性記者)
「ええ、そうよ」

スピリチュアル(勅使河原を追及する女性記者が使用していた言葉)とは?
  ………もともと「霊的であること、霊魂に関するさま。英語では、宗教的・精神的な物事」というものらしい。魂(霊)、宗教的物事、精神的物事は同じようなモノだが、厳密に言うと違う気がする。日本ではパワースポットや超常現象、占いなども含まれるらしい

医療におけるスピリチュアル
  ……困難な病気に直面し、生きることそのものに疑問を抱き、自らの人生の意味、死後の恐怖などについて苦しむ( これらをスピリチュアル・ペインと呼ぶ)身体的な疼痛と同様に癒していくことをスピリチュアル・ケアと呼ぶ

 勅使河原の場合、《精神的に弱ってきている人に付け込み書籍を売るインチキ宗教家》のようでもあり、《人生の困難に直面した人を癒し励ます“スピリチュアル・ケア”を施している》とも考えられる。
 それはともかく、彼女の論理には相当な詭弁を感じる
・超高度AIは"この世”の整備より、人々を"あの世”に導くことに精力を傾けており、"この世”のことまで手が回らない
・「超高度AIが自ら語ることはない」、「超高度AIは、高次アセンション空間にアクセスできる選ばれた人間しかコンタクトできない」、「超高度AIにコンタクトできる人間も、それが人工知能とは理解できない」一般人には感知できないし、感知出来た人間も理解は不十分なので、教えが正しいということを立証することは不可能
・「すべてのこの世の魂に、新しい次元が待っていますよ」……来世の為に今は修行や善行(寄付)に励みましょう。それによって現生が不幸に思えるかもしれないが、素晴らしい来世が待っています!
・「科学を信じている」「でも、科学のために生きているわけじゃない」「科学が救ってくれないのなら、別の救いを求めるのが、人の心でしょ」……論理の飛躍があるが、単独では正しくても、それらを列挙されると、主張が正しいように思えてしまう。M女史を思い出してしまった。


★五本木と勅使河原の抵抗
 五本木は《超高度AIの管理・支配から逃れたい》
 勅使河原は《超高度AIが定めたヒューマノイドとしての自分の寿命を打破したい》

 


カオル、再登場!……”MICHI”について
【第2話(カオル登場)の復習】
カオルの勧誘
「”MICHI”(超高度AI)が大規模な自己回収計画を出してきた(AI自らが)」
「審査(審議会)のメンバーに加わらないか」

【公園で須堂に語るカオル】――五本木や勅使河原と同様な《テクノロジーの進化と人間社会の停滞との不釣り合い》を主張
「人間の技術は格段に進歩した。それに伴って、世界のあり方も仕様も変わっていくのが自然。なのに、未だにああいうのが(公園で家族がくつろぐ様子)幸せっていうことになっている」
「安定と循環、これまでのような社会……それは人間が望んで得たものだと思う。”MICHI”がいくら高度化したって」(須堂)
「こんな旧世紀の惰性みたいな世界、続けたって退屈よ。あなたの問題だって世界が変わってしまえば、解決するかも。
 あなたを欲しがっているのは、私じゃない。”MICHI”よ」
【復習・終】


【今話・カオルは評議会メンバーについて相談するため、”MICHI”に面会する】
カオルの独白(ナレーション風)
《機械が単なる道具だったなら…道具と割り切れる程度のモノだったら……こんな面倒な世界になることはなかった。
 道具は今、人間よりも賢く、速く、疲れを知らない。その気になれば、驚くべき速度で未来を消費できるのだ》


カオルは”MICHI”に(組織の)上からの苦情を伝える。
「あなたの自己回収計画、スタートが大幅に遅れている。
 あなたが審議会の座組を拒否し続けているから」

 ”MICHI”には須堂が必要らしい

★”MICHI”について
・”MICHI”は少年の姿で瞳は人型(第2話でも登場している)
・”MICHI”には須堂が必要らしい
・今話のストーリー紹介で《「MICHI」を始めとする超高度AIによって人間社会が維持管理される》と記されており、”MICHI”は超高度AI一つに過ぎないらしい
・五本木たちが危惧している《超高度AIによって人間社会が維持管理》だが、これが超高度AIの総意なのか?、”MICHI”が主導しているのか?、”MICHI”は反対の立場なのか?


ちなみに、”MICHI”の名称(呼称)は
Multimodal nterface for ommunication with uman ntelligence
 直訳すると「人間の知性と通信するためのマルチモーダルインターフェース」らしい。
 “マルチモーダルインターフェース”って何だよぅ(笑)……ええと、視覚・聴覚を含むいろいろな手段(言語や映像や動作・ジェスチャー)でコミュニケーションを取れることらしい。つまり、人と人がいろいろな手段で情報をやり取りできるのと同様にAIも会話、意思疎通できるということなのだろう。

参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」
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2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その2

2023-09-15 20:35:05 | 将棋
「その1」の続きです。
各ブロックの状況を整理すると
【第1ブロック】RRAv…48.44 ○西山女流三冠(1位)-水町女流初段(35位) 西山三冠(1位)
【第2ブロック】RRAv…40.67 ○内山女流1級(11位)-中村(真)女流三段(14位)
【第3ブロック】RRAv…30.67 ○上田女流四段(5位)-山根女流二段(6位) 上田四段(5位)山根二段(6位)塚田初段(10位・5月に二段昇段
【第4ブロック】RRAv…40.44 ○木村女流1級(16位)-長沢女流四段(71位)
【第5ブロック】RRAv…32.22 ○今井女流1級(32位)-千葉女流四段(22位) 香川女流四段(9位)渡部女流三段(7位)鈴木女流三段(8位) 
【第6ブロック】RRAv…39.77 ○岩根女流三段(27位)-中井女流六段(15位)
【第7ブロック】RRAv…45.78 ○礒谷(真)女流初段(49位)-長谷川女流二段(45位)
【第8ブロック】RRAv…31.67 ○加藤(結)女流初段(20位)-野原女流初段(13位) 加藤(桃)女流三段(3位)伊藤女流三段(4位)

RRAv…レーティング順位の平均値(青字は平均値が上位、赤字は下位)
各ブロック右側の棋士名はランク10位以上の棋士 倉敷藤花タイトル保持者の里見五冠はランク2位

 第3ブロックの上田四段、山根二段、塚田現二段のAクラス(トップ10)3人の内、2棋士が姿を消すのは仕方がないとして(上田四段がベスト8進出)、第5ブロックの渡部三段、鈴木三段、香川四段は今井1級に後塵を拝してしまった(鈴木は渡辺に敗れ、香川、渡部は今井に敗れた)。さらに、第8ブロックの加藤(桃)三段、伊藤三段も3回戦で野原初段、加藤(結)初段に敗れ、ベスト16にも進出できなかった。
 結局、Aクラス9名の内、ベスト8に残れたのは西山女流三冠と上田女流四段だけとなった。
 それにしても、ブロックによる濃淡さがあり過ぎ。抽選にいたずらで、《そういうのもあり》だと思うが、女流棋戦では生じ過ぎのような気がする。

【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)

 上二つの対戦は、西山、上田は順当、内山、木村はブロックの顔ぶれ("薄い”ブロック)からすると"あり得る”。
 下二つの対戦は、相当意外。今井1級は実力者だが、渡部三段、鈴木三段、香川四段の内二人を倒さなければベスト16に進出できず、勝ち上がったとしても、小高初段(24位)か千葉四段(22位)が勝ち上がってくることが予想され、ベスト8進出の難易度は高かった。
 岩根三段のブロックは、清水七段、中井六段がおり、初戦の矢内五段も"強い時は強い”ので、勝ち上がるのはそこそこ難しい。それでも、今井、岩根両棋士は実力者なので、やはり"あり得る”と。
 しかし、礒谷初段(49位)-加藤(結)初段(20位)は全くの想定外だった。想定外だったが、礒谷のブロックは、相当希薄なメンバーで、大島初段(18位)が敗れたら、誰が勝ち上がっても不思議ではない(予測困難)。頼みの?大島初段が3回戦で長谷川二段に敗れてしまったので、“誰が勝ち上がっても不思議ではない”状態になった。
 加藤(結)初段のブロックは、《加藤(桃)三段と伊藤三段がベスト8を懸けて戦わねばならないのか?》と愁いたが、両名とも3回戦で姿を消したので、愁わなくてもよくなってしまった(笑)。加藤桃を破った野原(13位)も相当な実力者で、加藤(結)もここ二年実力をつけてきているので、個々の対戦では加藤桃、伊藤の敗局もあり得るとは思っていたが、揃って敗れるとは……

【準々決勝の結果】
○西山女流三冠(1位)-内山女流1級(11位)
○上田女流四段(5位)-木村女流1級(16位)
○今井女流1級(32位)-岩根女流三段(27位)
 礒谷(真)女流初段(49位)-加藤(結)女流初段(20位)○


 加藤(結)女流初段の勝利が予想外だったが、あとの3局は予想通り。

【準々決勝の組み合わせ】
西山女流三冠(1位)-上田女流四段(5位)
今井女流1級(32位)-加藤(結)女流初段(20位)


 西山女流三冠-上田女流四段戦は、中盤以降局勢をリードした西山女流三冠が、多少のブレはあったものの押し切った。
 上田女流四段も剛腕と巧妙さを兼ね備えているが、西山女流三冠はそれ以上。それに、棋風が合うというか、上田女流の指し手は西山三冠の想定内。相性が良いと言うか……上田女流にとっては《相性が悪いなあ》と感じているのではないだろうか。

 今井女流1級-加藤(結)女流初段戦は、振り飛車の今井女流1級の指し手がちぐはぐで、“振り飛車の負けパターン”(左辺・左翼を破られそうで、捌けもしない)に陥った。
 加藤(結)初段は落ち着いた指し手で、有利を拡大していき、勝利に近づいていったが、終盤、誤り、混戦に。

 先手・今井陣は一見、美濃囲いだが、金と銀ではなく桂と香! 何とも“安普請”。今井女流の苦戦ぶりが伺える。
 図ではチャンスが訪れていた!(図の△5八銀成は空成りで、相当緩い手に見える)

「その3」に続く
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2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメント 準決勝 その1

2023-09-14 18:02:49 | 将棋
2023倉敷藤花戦 挑戦者決定トーナメントの準決勝は
 西山朋佳女流三段ー上田初美女流四段  今井絢女流1級ー加藤結季愛女流初段 の組み合わせとなった。
 西山-上田戦は順当と言えるが、今井-加藤(結)戦はかなり意外。

 そこで、トーナメントの組み合わせを視る。
 トーナメントを8つのブロックに分けて精査。


【第1ブロック】……西山女流三冠(1位)井道女流二段(62位)、和田はな女流1級(55位)、船戸女流三段(76位)、相川女流初段(74位)石本女流二段(12位)、村田女流二段(64位)、山口(稀)女流1級(57位)、水町女流初段(35位)
(括弧内の数字は、『shogidata.info』女流棋士レーティングランキング2023年9月13日現在)
(棋士名の色は、青太字…ランク1~10位、青…11~25位、赤…55~66位、赤太字…67~78位)

 9棋士のランクの平均は48.44
 弩級の西山三冠の他は石本二段ぐらい。あとは水町初段。他のメンバーは……阿藤快さん曰く「なんだかあ…」。(続く言葉は"今一つ”とかの言いにくい評価)
 ベスト16戦は西山-水町戦。西山女流三冠がベスト8へ。

【第2ブロック】……中村(真)女流三段(14位)、加藤(圭)女流二段(23位)、山口(恵)女流二段(19位)、高浜女流1級(63位)、脇田女流初段(53位)、中倉女流二段(69位)、宮宗女流二段(58位)、鎌田女流2級(56位)、内山女流1級(11位)
 9棋士のランクの平均は40.67
 このブロックは上のゾーンに第2グループ(青字)の中村(真)三段、加藤(圭)二段、山口(恵)二段が集中、下のゾーンには第2グループトップ11位の内山1級がいる。他のメンバーは4名が"なんだかなあ”。脇田初段も昨年度、里見女流五冠を破った後、甲斐、中井、清水、野原を破るなど覚醒したかに思えたが、直近は1勝10敗と振るわず、レーティングも53位と再降下。
 激戦ゾーンは中村三段が勝ち上がったものの、ベスト16戦、中村ー内山戦で敗れ(内山の勝利)、内山女流1級がベスト8へ。
 内山女流1級は、名人リーグで里見女流五冠を破り、香川、石本、中村(真)、塚田、鈴木などを破っており、今後も楽しみ。

【第3ブロック】……山根女流二段(6位)、中村(桃)女流二段(59位)、大城千花アマ(※65位)、塚田女流初段(10位・5月に二段に昇段)、渡辺(弥)女流初段(34位)、和田あき女流初段(37位)、堀女流1級(39位)、上田女流四段(5位)、室谷女流三段(21位)
 ※大城アマはこれまでの実績…○田中2級(当時)、○野原初段、●千葉四段、●中村二段、●鎌田2級を考慮し、暫定レーティング65位とした
 9棋士のランクの平均は30.67
 Aクラス相当が、上田四段、山根二段、塚田初段の3棋士。室谷三段も最近は不振だが地力は十分にある。さらに、ランク30位台も3名と、かなり厳しいブロックである。
 ベスト16戦は山根-上田戦。上田女流四段がベスト8へ。

【第4ブロック】……山田女流四段(52位)、田中女流1級(54位)、長沢女流四段(71位)、頼本女流初段(26位)、北村女流二段(17位)、藤井女流初段(60位)、木村女流1級(16位)、佐々木女流1級(40位)、中澤女流二段(28位)
 9棋士のランクの平均は40.44
 Cクラスは少ないものの、準Aクラスの木村(16位)、北村(17位)がいるもののやや寂しいブロック。このふたりが3回戦で当たり、木村が勝利。
 ベスト16戦は長沢-木村戦。木村女流1級がベスト8へ。
 長沢四段が2勝を上げる健闘。

【第5ブロック】……香川女流四段(9位)、久保女流2級(48位)、今井女流1級(32位)、鈴木女流三段(8位)、渡部女流三段(7位)、小高女流初段(24位)、竹部女流四段(68位)、上川女流二段(72位)、千葉女流四段(22位)
 9棋士のランクの平均は32.22
 Aクラス3人は、第3ブロックと同じだが、この3棋士が上の山にかたまるという鬼ゾーン。しかも、初戦で鈴木三段と渡部三段が激突。この鬼ゾーン、更にもう一人乱入?しており……(後述)
 このAクラス3名の他にも、小高初段、千葉四段もおり、大激戦ブロック!
 ベスト16戦は今井-千葉戦。久保、香川、渡部、千葉をなぎ倒して、今井女流1級がベスト8へ。
 今井女流1級は元奨励会1級で、2023年2月1日に女流1級で女流プロ入りしている。デビュー後7連勝(香川女流四段、岩根女流三段、渡部女流三段、千葉女流四段に対する勝ち星も含まれている)。8戦目は西山女流三冠(女流王座戦 本戦)。この将棋、大激戦となり、西山危うしの局面もあったが、敗れる。

【第6ブロック】……清水女流七段(25位)、藤田女流二段(65位)、岩根女流三段(27位)、矢内女流五段(38位)、本田女流三段(33位)、武富女流初段(30位)、斎田女流五段(78位)、梅津女流2級(47位)、中井女流六段(15位)
 9棋士のランクの平均は39.77
 合計段位32段!ネームバリューは相当高い。 やや実力は下降したとは言え、経験や地力は相当高いが、緩めのブロックと言える。
 ベスト16戦は岩根-中井戦。岩根女流三段がベスト8へ。

【第7ブロック】……貞升女流二段(61位)、榊女流2級(67位)、礒谷(真)女流初段(49位)、島井女流二段(75位)、大島女流初段(18位)、山口(仁)女流2級(66位)、室田女流二段(31位)、長谷川女流二段(45位)
 9棋士のランクの平均は45.78
 ランクの平均値は第1ブロックより良いが、準Aランクの大島初段がいるだけ。一番レベルの低いブロックと言って良いだろう。いや、赤字レベル("何だかなあレベル”)は第1ブロックの方が上で、"乙乙”付け難い……
 ベスト16戦は礒谷-長谷川戦。礒谷女流初段がベスト8へ。

【第8ブロック】……伊奈川女流二段(36位)、加藤(桃)女流三段(3位)、飯野女流初段(73位)、野原女流初段(13位)、石高女流二段(77位)、加藤(結)女流初段(20位)、松下女流1級(29位)、※礒谷祐アマ(※30位)、伊藤女流三段(4位)
 ※礒谷祐アマは2023年9月1日付けで女流2級となっているが、トーナメント中はアマチュア。アマチュア時代の昨年度からの対女流棋士成績は9勝6敗で、対戦相手の顔ぶれを検討して暫定30位とした。
 9棋士のランクの平均は31.67
 加藤三段、伊藤三段が同ブロックに入り、野原女流初段も参入する激戦ブロック。トーナメント中はアマチュアであったが礒谷祐維も面白い存在。ランクの平均も高い。
 加藤、伊藤の両三段が上下に分かれたので、加藤-伊藤がベスト8を掛けた決戦になるかと思ったが、加藤三段は3回戦で野原初段に敗れ、伊藤三段も3回戦で加藤(結)初段に敗れてしまう。(礒谷アマは伊藤三段に敗れた)
 ベスト16戦は野原-加藤(結)戦。加藤(結)女流初段がベスト8へ。

「その2」に続く
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マスコミは「なぜ内閣改造をするのか?改造する必要があるのか?」を問うてほしい

2023-09-13 16:57:00 | 時事
19人の閣僚名簿が発表された。自民党の役員人事も発表された。
《放送法に関する行政文書を巡って「捏造だったら議員辞職する」と言った高市大臣は留任》(なぜか『産経リサーチ&データ』では"残ってほしい大臣”のトップが高市氏だった)
《マイナンバーカードで不手際が多数発生したが、河野大臣も留任》
他にも不満が多々あるが、以前も書いたが、なぜ、内閣を改造するのだろうか?

 いや、理由はいろいろ想像できる
・党内派閥・人脈の調整をして、総理(総裁)の地盤を固める
・内閣改造で支持率アップ
………総理の党内地盤が固まったり、内閣支持率がアップすれば、内閣の行政遂行能力もアップするので
国政に関係ないわけではないが、主目的は総理の自民党における求心力をアップするのが目的で、"より良き国政”を目指しているとは言い難い。。
(そりゃ、内閣改造によってより有能な大臣が起用されるのであれば文句はないが、過去には人選を誤り立て続けに大臣辞職ということも珍しくない)

 ああ、そうだった!
 この記事の主旨は、内閣改造に対する不満ではなく、《マスコミは、まず、「なぜ内閣を改造するのか?」を問うてほしい》のである。
 総理には一般的な大義名分で躱されてしまうとは思うが、まず、問うてほしいのである。
コメント (2)
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アニメ『AIの遺電子』 第9話「正しい社会」

2023-09-11 17:18:02 | アニメ
第9話 ストーリー(番組サイトより)
テクノロジーへの称賛と嫌悪は、いつの時代もセットでやって来る。AIを駆使して「不健全」なアニメを作る人気クリエイターは、果たして「悪」なのか? AIを拒否して人の指導による公平を目指した小学校は、果たして「善」なのか? 多様性が綱を引く、倫理観の攻防が始まる。


★今回のテーマは、「倫理(道徳)……人間性とは?」
事例1.『闇ブシドー』作者:小山田茄子(なす)
“不動明(デビルマン主人公)風の男”対風紀委員会で対峙、睨み合う決闘シーン、
不動明(=西園寺というらしい)は女生徒(生徒会長)を人質に取っている
「清く、正しく、美しく……そんなもんはロボットだって出来んだよお。
 汚く、嫌らしく、したたかに……目的のためには何でもやる。
 俺は”闇ブシドー(闇武士道)”の人間だからなあ」

で、決闘?は……その後、手強い西園寺に抗するため、ナイフをも取り出してしまう正義(を主張する)風紀委員会。
それでも、西園寺は何とか皆を倒した。

「西園寺は悪い奴なんだけど、時々、いい奴なんだ。それがいいの」(視聴ファンの田口(“子どもの健全な何とかカンとか”という団体)の息子、娘)
「私を盾にすれば楽勝だったのに……西園寺君、あなた…本当はいい人なの?」(西園寺が取った人質の女生徒)
「俺は“闇ブシドー”の人間だぜ。クククッ」

 “闇ブシドー”がどういう組織なのかは不明。武士道なのか?主義なのか?
 この主人公の目的も不明。ただ、暴れたいだけなのか?社会への反抗なのか?……
……この主人公が何をしたいのかはよく分からない。
 《時々、いい奴》の事例も、《人質を盾にしなかった》ことでは説得力に乏しい。

【田口の主張】
この主人公…物は盗む、人は騙す、やりたい放題。
恐ろしいのは、悪事の報いは一切受けないところ。
“道徳に反する行為が、正当化されている”(ことが問題である!)


………《不健全アニメを追放!》と、「青少年健全団体(←仮称)」の田口らが抗議に行くが、栄養不全で作者の小山田が倒れ、須堂新医院へ。
「行儀のいい人間に合わせていると、悪いことはどんどん増えちまう」
「この国の犯罪率はどんどん下降していて、正し…」(田口)
そういうことじゃあねえ……“悪いとされること”が増えていくのさ。いずれ人間でいること自体が悪になる」
「悪の陣地が減っていて、ひとつもなくなった時、残っているのは…もう人間じゃあない。それは、“かつて人間だった何か”だろう」

(↑後半パート:事例2でも同様なテーマ)
 田口がチンピラに絡まれて、それを止めに入る小山田。小山田にまともに向かっては勝てないと思ったチンピラが、刃物を取り出すシーンは、『闇ブシドー』とリンクさせている。
 小山田は負傷するが、警察沙汰にはしないという。そういう“若気の至り”というか、“幼稚な突っ張り”は容認する。『闇ブシドー』を描く信条を体現する小山田だ。
 ……とは言え、『闇ブシドー』同様、制作サイド(原作者?制作監督?脚本家?)の練り込み不足なのか、(少なくとも私には)理解困難な小山田。

 確かに、《やってはいけないこと》がどんどん増えてきている。
 もちろん、犯罪禁止は当然であるし、“パワハラ”、“セクハラ”、“男女差別”など、あってはならないことなのだが、《そこまで厳密にしなければならないの?》と思うことがある。

 テレビのバラエティなども大変だろう。(弄られキャラの芸人をやたらイタブル嗜好は嫌いだが)


事例2.教師:篠原
「子どもの教育は、人間の大切な仕事です。いかに産業AIが発達していると言えど、人が知性がしっかりと現場を指導していくべきかも」(篠原:採用面接にて)
「小学校は子供の自己形成において、重要な時期です。
 産業AIのアルゴリズムは、多感な子供に人間とはズレた完成を与えかねません。
 “人間の 人間による 人間のための教育” それが登校のポリシーです」
(校長)

【学校教育の現状】
・教室にロボットを置くところは少なくない……学習の手助け、けんかの仲裁など
・教育アドバイザーAIのアドバイスに言うがままに生徒と接する教師も多い
・親の主張「この子には、人間味のある人間になってほしい。世界にたった一つの大事な個性を、量産型産業AIになんかには、任せられない」
 (この学校は、授業風景をリアルタイムで保護者が視る(監視)することができる)

 と言う訳で、何だか胡散臭い《人間の 人間による 人間のための教育》を実践するための、無茶苦茶分厚い“マニュアル”を、教頭から渡される篠原だった……

【模擬授業にて】
教室にはいる時「皆さん、おはよう~!」(篠原)
「早いです!ホームルームまであと30秒あります。後から来た生徒がいたら、遅刻したような疎外感を味合わせてしまいます」(指導教師)
「まだ、あいさつしただけです。ホームルームは始めていませんが」(篠原)
「それでもだめです。過去に苦情が来ています」(指導教師)
「そう、定刻プラスマイナス3秒以内で入室しましょう」(校長)
「…とお渡ししたマニュアルにも明記しています。明日までに頭に叩き込んできてください」(教頭)

【運動会にて】
バーチャル組体操 ”代替代替ピラミッド”
 ……生徒たちが思念を形成し(思念を送ったつもり)、それがバーチャル映像によってピラミッドが形成される。
 各保護者には、わが子がピラミッドの頂点に位置する映像が観られる。非常に気分が良い。
……《どこが、運動なのだろう?》

【篠原の述懐】
―――「するな!するな!」のオンパレード
《八方ふさがりの公平
 この公平は本当に人間的なのだろうか?
 この学校は人間的なのだろうか?
 監視の中で、教師は生徒との交流を恐れ、機械的な受け答えに接している。
 問題児には、怒らず、寄り添うこともなく、静かに退場(退学・転校)を申し出る》


【退職する篠原】
書道クラスの生徒に出品を勧め、特選に選ばれた生徒が喜んでいて、それでジュースを振舞ったが、それが問題となり、厳重注意。同僚教師からも阻害されてしまう。
《教師はロボットじゃない!欠点も偏見も持ち合わせた人間なんだ!》


・(ロボットや人口AIを使用しない)“人間による教育”
・均一な教育(指導)で公平な教育
を目指した結果、マニュアルに縛られた《するな!するな!のオンパレード》の非常にロボット的な教育となってしまっている

………前半パートの小山田の言葉、「悪の陣地が減っていて、ひとつもなくなった時、残っているのは…もう人間じゃあない。それは、“かつて人間だった何か”だろう」がダブる


 篠原は、フリースクールで産業ロボット・パーマ君を見かける。
 パーマ君は思った通りに言葉を発し、遥かに人間的に子どもに接していた。
 篠原は、その様子に光(希望)を感じた。



パーマ君が元気そうで何より!

参照:「第1話・第2話」「第3話」「訂正1・第3話について」「第4話」「訂正2・タイトルについて」「第5話」「第6話」「第7話」「第8話」「第9話」「第10話」「第10話・追記」
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