英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

臨床犯罪学者 火村英生の推理 第7話「朱色の研究 -後編-」

2016-02-29 15:26:32 | ドラマ・映画
理解し難い殺害動機だった……

 直近の“夜明け前の殺人”……朱美の叔父・陽平(大高洋夫)が殺害
 2年前の“黄昏岬殺人事件”……朱美が慕っていたピアノ講師・夕雨子が殺害
 6年前の“真夜中の放火犯”……朱美の伯父・庄太郎が焼死(殺害された?)
これら3つの事件はつながっている(そう考えたくなるが、根拠は特に示されなかったような…)

今回のミソ(制作サイドの“イチ押し”)は、『夕雨子が二度殺された理由』と『夕雨子の死亡推定時刻の限定』『フェイクの朱美』『“夜明け前の殺人”の火村への罠”』『オレンジ恐怖症の克服』(「“イチ押し”なのに2つある」という突っ込みは却下)
1.夕雨子が二度殺された理由
 「夕雨子殺害の依頼者が衝動的に撲殺してしまい、その後、殺害請負者が予定通り石を投げ落とした」というのが真相
 これが「2度も殺害行為をしたという謎」を引き起こした。一般的に、「被害者が複数の傷(たとえば殴打された後、絞殺)は同一人物によるもの」と考えてしまい、複数の人物によって殺傷されたという可能性が見えなくなってしまう。(この現象は『科捜研の女』でよく利用される)
 でもね、≪崖の上から石を落として殺害する≫なんて相当不確実でもいいところである(的中の可否、致命度の深さ)
 さらに、夕雨子の殺害動機が理解不能だった。真犯人・六人部(山本博典)は朱美のことを“純粋に”好きだったが、夕雨子の誘惑にクラッとしてしまった。そんな自分をどうしても許せず、衝動的に夕雨子を撲殺。…えっ?何?この動機?
 有栖川が「きみは自分の心が壊れてしまうことを恐れて、夕雨子さんを殺した…」とフォローしたが、全くフォローしきれていないよね。
 犯行に加担していない正明(鈴之助)は真知(高橋ひとみ)は容疑者扱いされたうえ、わざわざ黄昏岬や別荘に呼び出され、芝居がかった火村の推理ショーに付きあわされたのだから、怒っていいはず。夕雨子が悪女だったわけでもないし。
 一万歩譲って、衝動的な殺害動機を理解したとしても、夕雨子の殺害を他人に依頼するなんてあり得ない。殺害を依頼するということは、熟慮した上での決断で、≪自分の不純さを許せずにその原因となった夕雨子を殺害する無茶苦茶さ……上述したように衝動的なら辛うじて理解できるかも≫≪他人に殺害を依頼することのリスク≫≪不確実過ぎる殺害手段≫など、“夜明け前の殺人”とは天と地ほどの計画性の違いだ。

2.夕雨子の死亡推定時刻の限定
 トラックの影が夕雨子にとって日除けになっていたことが、死亡時刻の絞り込みの根拠になったというのは、推理としては面白い。(≪今回の現場の検証は冬季、事件当時は夏季で、あまりにも太陽高度が違う≫という突っ込みは野暮ということにしておこう)
 しかし、鍋島刑事(生瀬勝久)が緒方刑事(阿南健治)の刑事魂にちぃて何度も追想していたので、緒方の捜査ノートを基に、詳細にアリバイ検証をすべきである。崖の上のサスペンス・クライマックス寸劇を2度流したり、火村の推理ショーに力を入れるくらいなら……。執念の捜査ノートが“チラ見せ”だけとは、緒方刑事も浮かばれない。
 それにしても、今回、“犯人からの挑戦だ”とか“私をここまで悩ませた犯人に敬意を表する”とか、寝坊して人を待たせたりとか、火村の“鼻持ちならなさ”が不愉快だった。

3.フェイクの朱美
 「“黄昏岬殺人事件”の犯人X“ロッド”は6年前の放火殺人を目撃していた」とのべ、あたかも≪朱美が犯人≫
であるかのように思わせる。夕雨子殺害時刻のアリバイもなかったし。
 この辺りは、うまく演出していたと思う。しかし六人部も放火殺人を目撃していたという根拠もそれらしき言動も全く描写なしというのは、反則に限りなく近い。
 さらに、そもそも朱美が、放火殺人の証言をしていれば、後の2事件は起こらなかったはず。このことを素通りした火村は主人公失格である。(右京なら、ネチネチ指摘したか、相手によっては激昂するかも)
 朱美は放火殺人犯の陽平を慕っていたというが、事業に失敗し庄太郎に厄介になっており、そのことでいびられたとは言え、焼き殺すという陽平の残虐な行為、さらに、放火殺人で脅されたとは言え、殺害を請け負い実行……放火事件の時に朱美が幼少ならともかく、高校生だったのだから、現実に向き合えると思うが。

4.“夜明け前の殺人”の火村への罠”
 前回のトリックが不確定要素が多く、失敗の可能性が高かったという欠点は、六人部の嘘ということで解消された。
「きみは私に挑戦状を送り、自らに疑惑を掛け、それを私に解決させ、容疑者圏外に出ようとした。
 まさに捨て身の見事な作戦だ。ブラボー!」
というものだったが、あまりにも六人部の出番が(心情描写)が多く、演じるのが山本裕典なので、怪しさ満杯だった。(前回、「犯人に仕立て上げられそうになった六人部だが、狂言かもしれない」と書いておいてよかった)

5.オレンジ恐怖症の克服
 回復の兆し……「良かったね」としか言うことがない。


 「火村の異常性」「異常者が溢れている世の中」の強調が鬱陶しい。
 原作はどうなのだろうか?


【ストーリー】番組サイトより
 朱美(山本美月)の叔父・陽平(大高洋夫)が殺害された“夜明け前の殺人”、2年前に朱美が慕っていたピアノ講師・夕雨子が殺害された“黄昏岬殺人事件”、6年前に朱美が遭遇した未解決の放火事件“真夜中の放火犯”。朱美の周りで起きた3つの事件はつながっていると考えた火村(斎藤工)は、アリス(窪田正孝)らとともに黄昏岬へ向かった。
 火村とアリスは、鍋島(生瀬勝久)ら警察と協力して黄昏岬殺人事件の手がかりを探す。夕雨子は、崖の下で撲殺された後、さらに崖の上から石を投げ落とされるという、残忍かつ不可解な方法で殺されていた。火村たちは、夕雨子が殺された時に現場近くにいた吉本(平泉成)に話を聞きに行く。吉本は、かつて京都府警の刑事だった。
 火村は朱美に話を聞き、6年前の放火以来、彼女がずっと悩まされている悪夢に秘められた深層心理を解き明かそうとする。朱美の夢に出てくるのは、放火で亡くなった庄太郎(田口主将)にガソリンを浴びせる陽平の姿だった。彼女は、自分が庄太郎を憎んでいたと火村に打ち明ける。火村は、朱美の夢の光景が実は夢ではなく、現実に見たものなのではないかと指摘する。

 朱美、朱美の従兄弟・正明(鈴之助)、正明の母・真知(高橋ひとみ)、正明の後輩・六人部(山本裕典)。火村は、すべての事件関係者を黄昏岬に呼び出す。彼は、事件関係者の中に犯人がいると断言し、まだ正体を現さない犯人に向けて“挑戦状”を突き付ける。
 これまで得た手がかりから、思考をめぐらせる火村。3つの事件のつながりの謎を紐解いていくにつれ、朱美への疑惑がどんどん深まっていき…。その結果、火村自身が戸惑うほどの思いがけない結論にたどり着く…。


原作:「朱色の研究(KADOKAWA)」収録

脚本:佐藤友治
演出:明石広人
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将棋界の一番長い日、終了

2016-02-28 21:26:17 | 将棋
A級順位戦、佐藤天彦八段が最終戦を勝利し、8勝1敗で1位となり名人戦への挑戦権を獲得した。降級は、郷田王将(3勝7敗)と久保九段(2勝6敗)。

【概況】
 22時34分、佐藤九段が投了。
佐藤 康光九段(5勝4敗)●-○渡辺 明 竜王(6勝3敗)
 「作戦が無理でしたね。ひどい将棋ですみません」と佐藤九段の弁。
 佐藤九段の強引な動きに的確に対応した渡辺竜王の勝利。6勝3敗の渡辺竜王は3位が確定した。

 23時45分、屋敷九段が投了。
屋敷 伸之九段(5勝4敗)●-○郷田 真隆王将(3勝6敗)
 反撃覚悟の屋敷九段の突進を冷静に2枚角で応酬し、屋敷玉をがんじがらめに絡め取った郷田王将の勝利。
 郷田王将は3勝目を上げ、残留は深浦-広瀬戦の結果に委ねられた(広瀬八段の敗局が条件)。

 日付が変わった0時33分、深浦九段が投了。  
深浦 康市九段(3勝6敗)●-○広瀬 章人八段(3勝6敗)
 深浦九段が主導権を握っていたが、勝負処で踏み込みを欠いて劣勢に陥る。
 敗れれば降級の広瀬八段、不退転の気持ちが勝利に到達させた。
 勝った広瀬八段は3勝6敗となり、順位の関係でA級残留が決まった。
 また、3勝6敗で残留の望みが残っていた郷田王将だったが、広瀬八段が3勝目を上げたことにより、広瀬八段と久保-森内九段の勝者より下位になることが確定し、降級が決まった。
 順位の関係で残留が決まっていた深浦九段も3勝6敗に終わり、来期の順位は8位となった。
 この段階で、残る一人の降級者は久保-森内戦の敗者となった。

 0時56分、久保九段が投了。
久保 利明九段(2勝7敗)●-○森内 俊之九段(4勝5敗)
 森内九段が優勢に進めていたが、決め手を逃して混戦模様となったが、▲9六銀が“詰めろ逃れの詰めろ”になっておらず、敗局。1路違いの▲8六銀なら“詰めろ逃れの詰めろ”で、勝負はどう転んだか分からなかった。(時間切迫と深夜の激闘を考えると、勝敗の行方は指運、あるいは執念の強さによるかも)
 久保九段の降級が決まった。

 0時59分、行方八段が投了。
行方 尚史八段(6勝3敗)●-○佐藤 天彦八段(8勝1敗)
 模様の悪い行方八段が終盤逆転したが、佐藤天八段が踏み止まり、再逆転。
 佐藤天八段のぶれない強さの勝利だった。
 “熱き男”…行方八段、最後は燃え尽きた。あっさりした投了も、行方八段らしい。行方八段は6勝3敗で終え、来期順位は2位。
 佐藤天八段が名人挑戦権を獲得。8勝1敗は堂々たる成績だ。
 現在、羽生名人は郷田王将に挑戦中(現在2勝2敗)、佐藤天八段も渡辺棋王に挑戦中(現在1勝1敗)。両者がタイトルを奪取して4月の名人戦で激突すれば、盛り上がるであろう。
 とにかく、王将戦、棋王戦が更に面白くなった。(白状すると、盛り上がらなくてもいいので、羽生名人に勝って欲しい)


【最終順位】
1位 佐藤 天彦八段(8勝1敗・今期順位9位)……挑戦
2位 行方 尚史八段(6勝3敗・今期順位1位)
3位 渡辺 明 竜王(6勝3敗・今期順位2位)
4位 佐藤 康光九段(5勝4敗・今期順位8位)
5位 屋敷 伸之九段(5勝4敗・今期順位10位)
6位 森内 俊之九段(4勝5敗・今期順位7位)
7位 広瀬 章人八段(3勝6敗・今期順位4位)
8位 深浦 康市九段(3勝6敗・今期順位5位)
9位 郷田 真隆王将(3勝6敗・今期順位6位)……降級
10位 久保 利明九段(2勝7敗・今期順位3位)……降級


 余力があれば、最終局についてもう少し言及したいのですが……
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将棋界の一番長い日(午後11時現在)

2016-02-27 23:10:59 | 将棋
今日はA級順位戦の最終局の一斉対局。
所謂、“将棋界の一番長い日”である。


 土曜日なので、少し忙しい。
 それでも、午後はちらちら観ることができた。
 夕方から忙しくなって、午後10時過ぎになって、ようやくパソコンを開くことができ、今、一通り観てからこれを書き始めたところ。

 最終局を前にしての状況は……(「A級順位戦(2015年度)8回戦 結果」を再利用)
【最終局の組み合わせ】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)
▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)


 降級に関係する対局は、屋敷-郷田戦、深浦-広瀬戦、久保-森内戦の3局。
 郷田王将は、最終局に勝っても広瀬八段が勝つと陥落する(久保-森内戦の敗者より上位になるが、勝者より下位になる)。
 広瀬八段は、最終局に勝てば残留できる(郷田王将が最終局勝っても広瀬八段よりも下位、また、久保-森内戦の敗者より上位になる)。負けると降級。
 森内九段と久保九段は勝てば残留(広瀬八段、郷田王将が最終局勝っても久保-森内戦の勝者よりも下位)。最終局に敗れた場合、広瀬八段と郷田王将がともに敗れれば残留できる。
 郷田王将以外は自力残留。

 各対局が五分五分とすると、残留確率は森内九段と久保九段が5/8、広瀬八段が4/8、郷田王将が2/8。郷田王将は大ピンチ。

 この記事では、いろいろ御託を並べた後、こう予想している。
▲行方 尚史八段-△佐藤 天彦八段○
▲佐藤 康光九段-△渡辺 明 竜王○
▲屋敷 伸之九段-△郷田 真隆王将 (予測不能)
○▲深浦 康市九段-△広瀬 章人八段
○▲久保 利明九段-△森内 俊之九段

 予想できないのが屋敷-郷田戦。将棋の調子を重視すると屋敷九段、対戦成績の13-2を考えると郷田王将となる。(深浦-広瀬は対戦成績を加味しても深浦勝ちの予感)
 他の対局予想が的中すると仮定すると、
郷田王将勝利の場合は、森内九段と広瀬八段が降級、
郷田王将敗北の場合は、郷田王将と広瀬八段が降級となる。
……と書いている。

  
【本日午後のパッと見の形勢】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)

 横歩取り(空中戦)。佐藤天八段の方が模様が良さそう。佐藤天八段が冷静に指し回している。

▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
 横歩取り(空中戦)。後手の渡辺竜王が△2四飛と飛車をぶつけた手に対し、佐藤康九段が▲同飛と応じ開戦。
 香を吊り上げ1一に飛車を打ち込むが、渡辺竜王がその飛車の封じ込めを図る。佐藤九段の飛車の活用が難しそうだ。

▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
 矢倉模様から、屋敷九段が例によって銀を中央に繰り出したが、やや無理っぽい。郷田王将が冷静に受け止め、隠居状態であった2二の角を△1四歩と突き1三への活用し、郷田王将が優勢。

▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
 矢倉戦から「▲3五歩早仕掛け」を敢行。
 深浦九段の積極性が目立つが、広瀬八段は自然に対応。形勢はわからない。

▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)
 相振り飛車。後手の森内九段が先手陣に圧力を掛ける。
 圧力負けしそうな久保九段だが、“捌きのアーティスト”らしく、9筋に飛車を展開し戦端を開く。
 これに対し、森内九段、今度は久保九段の攻撃陣に圧力を掛ける。
 これを食い破ろうとする久保九段だが、若干攻めが細くなりつつある。


【午後11時前の形勢】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)

 模様の良い佐藤天八段が≪そちらから来なければ、次に攻めますよ≫という圧力を掛ける指し手。
 急かされるように行方八段は攻めるが、無理気味なのは否めない。その後もあれこれ手を出すが、佐藤天八段が冷静に応じ、じわじわ優位を拡大。そろそろ、佐藤天八段が攻勢に転じそう。

▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
 22時34分、78手で佐藤康九段が投了。
 渡辺竜王が佐藤九段の攻めをきっちり余しての勝利。渡辺竜王6勝3敗で3位が確定。佐藤九段は5勝4敗で終える。

▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
 屋敷九段が詰めろを掛けたが、郷田王将は先手玉を攻めることで先手の攻めの主軸の龍を消去。
 詰めろが解除できたので、あとは必至を掛ければよいという状況。
 (さらに局面は進み)屋敷玉は5五の地点で四面楚歌状態。しかし、後手の持駒も桂と2枚の歩。先手の屋敷九段は豊富な持駒(飛飛角金金銀歩歩歩歩)で攻めながら詰めろを外すことができるかという局面だが……

▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
 駒が激しく振り換わった後、二度目の中盤から終盤に差し掛かったところ。
 捻じりあいが続いており、長くなりそうで、深浦九段ペースとも言える。残り時間は深浦九段1時間3分に対し、広瀬八段は18分。

▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)
 勝負手連発の久保九段に対し、森内九段も一歩も譲らず応戦。まだまだヤマがありそうだが、上部が開けている森内九段が勝ちやすそう。


 現在の形勢からそのまま勝敗に向かうとすると、佐藤天八段の名人挑戦権を獲得。
 降級は久保九段と広瀬八段となるが……
【一旦終了】
 
コメント (2)
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スペシャリスト 第7話

2016-02-26 22:29:36 | ドラマ・映画
病院に送られてきた怪文書――病院の7不思議――
 宅間が調べてみると、犯罪や悪戯などを示唆したものだった
・「整形外科でリハビリを受けると金運が下がる」……振り込め詐欺などの為の情報収集
・「眼下には目玉の神様がいて、常に見張っている」……盗撮(プロパーが売り込みの為の情報収集)
・「産婦人科にはお産の時に亡くなった妊婦の例がいる」……妊娠偽装(三角関係のもつれによる)
・「消化器内科で死んだ患者は翌月生き返る」……私文書偽造による年金の不正受給(一か月分をごまかす)
・「泌尿器科ではトイレのヤギコさんが紙を食べる」……トイレットペーパー泥棒
・「小児科では夜中にいないはずの子供が泣く……子どもの悪戯(ぶーぶークッション)
・「玄豊会病院にはカルテのない患者がいる」……カルテ改ざんによる水増し請求
しかし、この七番目の怪文書だけは「玄豊会病院に恐ろしいものが撒かれる」と七不思議とは異なるものだった。

 自慢のセキュリティも宝の持ち腐れ。宅間でなくとも、少し気をつければわかりそうなモノ。
 事務長・山本茂文(袴田吉彦)が偉そうにしていたが、無能そのもの。まあ、この事務長は今回の黒幕で、自分の金儲けにしか興味がないので、致し方なし……

 7つ目の怪文書は、スマートトレンディー社の創始者の大城滋夫を恨む犯行予告だった。
 ただし、送ったのは事務長で、大城の入院を公けにして、株価操作で儲ける企みだった。

 こういう黒幕の存在は、『スペシャリスト』では常套手段。
 しかし、黒幕を作ると、実行犯がしょぼくなるのも、『スペシャリスト』の悪癖。
 あれだけ、セキュリティを完全にコントロールしたというのに、最後に大城会長を襲う時は、「おおしろ~!」とかなり離れた地点からナイフを振りかざすなんて、「止めてくれ!」「逃げてくれ」と言っているようなものだった。

 復讐するだけなら、大城が病室を出る時、襲えばいいだけ。停電や閉じ込めなど、多くの人に迷惑(病院の停電は命に係わる)を掛けるし、犯人(実行犯)にとっても必然性がない。
 視聴者の裏をかこうとするあまり、ストーリーに粗が生じるのは残念だ。基本的には面白いんだけど…


【一番面白かったこと】
ぶーぶークッションに驚いた真里亜(夏菜)の素敵なリアクション


【その他の感想】
・病院案内ボランティアの小百合(小柳友貴美)が、「ウィルス」「テロ」とあまりに見事に大騒ぎするので、犯人の仲間かと思った(その割に患者たちはパニックにならなかった)
・セキュリティ責任者の梶村さん、そのセキュリティは普段、活かされずに犯罪が横行し、悪事に気づいてしまったばかりに事務長に殺されてしまった。殴られ方も痛そうだった。


【ストーリー】番組サイトより
 「玄豊会病院に恐ろしいものが撒かれる」という怪文書が送られ、宅間善人(草剛)、我妻真里亜(夏菜)、野方希望(和田正人)の3人が玄豊会病院にやってくる。怪文書はすでに7通も送られているものの、“撒かれる”日時も、具体的な金銭等の要求もなく、捜査一課は総合事犯対応係(仮称)に捜査を任せた形だった。
 同じ頃、松原唯子(芦名星)と堀川耕平(平岡祐太)は、梶村隼男(黒岩司)という男性が撲殺された現場に臨場。物盗りではなく、怨恨の線も薄いことから、何らかのトラブルか事件に巻き込まれた可能性を探るが、宅間は玄豊会病院の怪文書と梶村の撲殺事件が繋がっていると言い出す。なんと梶村は、玄豊会病院の最新セキュリティシステムの開発者だったのだ!

 玄豊会病院では、事務長の山本茂文(袴田吉彦)と外科部長の高沢憲一(池田政典)が宅間たちの応対をしていた。これまで送られてきた6通の怪文書と、7通目の内容があまりに違うもので、しかも不吉な文面だったため、山本は徹底的に調べてほしいと依頼。だが高沢は「わざわざ警察の手を煩わせることでもない」と、捜査介入に難色を示す。
 宅間はこれまでの6通の怪文書はブラフで、今回こそ本当に何かが撒かれるのではないかと推測。その言葉に、高沢もしぶしぶ院内の捜査を認めるのだった。
 院内捜査を始めた宅間たちは、案内ボランティアの女性・馬場小百合(小柳友貴美)たちと出会い、そこで“玄豊会病院の七不思議”について耳にする。その内容が、6通目までの怪文書と一致したことから、宅間は看護師の鳥塚蕗子(逢沢りな)に案内役を頼み、院内の“検査”を開始。すると、七不思議に見せたさまざまな犯罪が明るみになり…!?

脚本:戸田山雅司
監督:細川光信
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2014年度棋士活躍度ランキング(11か月ほど遅れましたが)

2016-02-25 23:25:56 | 将棋
 今年は年度替わりの時期が忙しくて集計ができず、≪そのうちに≫と思っているうちに、4月があっという間に過ぎ去り、“あっという間”の経験を既に11回も味わってしまいました。
 昨日、突然やる気になり、『今さら』という言葉すら使いにくい状況なのですが、記事をまとめています。
 私の年代になると、1年前と2年前の記憶が混ざり合っています(私だけではないですよね)。そのことを、集計していて強く実感させられました。
 昨年度の名人戦~竜王戦は、2期前をピックアップすべきなのですが、うっかり今年度を集計しそうになりそうになりました。

 おそらく、この記事を読む方の中にも、そんな混乱が生じるかもしれません。我慢しておつきあいください。

算出基準==================================
 タイトル挑戦して奪取20点、タイトル防衛15点、タイトル挑戦して失敗10点、タイトル失冠は名人、竜王が5点、他の5タイトルを3点。(2012年度ランキングより改正。こちら
 ただし、名人位と竜王位は他のタイトルと重みが違うので獲得点を増やす。竜王挑戦・獲得は30点、同防衛は20点、同挑戦・失敗は15点。
 名人挑戦に関しては、4~6月の七番勝負進出のためのA級順位戦は前年度なので、ポイントには加えず、名人に挑戦し獲得した場合は15点、挑戦し失敗した場合は0点、名人防衛は20点、A級優勝(名人挑戦権獲得)は15点。
 さらに、A級2位と竜王挑戦者決定戦(敗退)は8点(1組優勝者の場合は4点)、竜王挑戦準決勝進出(敗退・1組優勝者は除く)は4点とする。 A級残留はかなりの難易度なので5点。
 順位戦各級の昇級もクラスで差をつけるのが妥当と考え、B1→A級は7点、B2→B1は5点、C1→B2、C2→C1は4点。
 竜王戦昇級の評価については、各クラスの昇級人数が4人と多いのと、クラス別の差別化などを考えると複雑なので、1組優勝者は6点、準優勝者は4点、2組以下は均一に優勝者5点、準優勝者3点。昇級者決定トーナメントを勝ち抜くと、かなり勝ち星を稼げるので昇級に対する加点はなし。

 棋戦(全棋士対象)優勝10点、棋戦準優勝6点、
 参加棋士限定棋戦(新人王戦、日本シリーズ、大和証券杯)優勝7点、同準優勝4点。

 あと、挑戦者決定戦で敗れたり、棋戦3位などの評価をしないのも誤差が生じそうだが、そこまで勝ち進めば勝ち星が多いはずなので、1勝=1点とすれば反映できる。
 ==================================


 【参照】
『放電日記的 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年3月31日)
『修正版 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年4月19日)
『放電日記的 2009年度棋士活躍度ランキング』(2010年4月2日)
『放電日記的 2010年度棋士活躍度ランキング』(訂正あり)(2011年4月4日)
『放電日記的 2011年度棋士活躍度ランキング』
『2012年度棋士活躍度ランキング 「渡辺竜王・棋王・王将vs羽生王位・王座・棋聖」編』
『2012年度棋士活躍度ランキング』
『2013年度棋士活躍度ランキング』


 今年もベスト20の下位から発表していきます。
18位 33点 八代四段(昨年度19点)
 年度成績33勝13敗。
18位 33点 佐々木勇五段(昨年度39点、7位)
 新人王準優勝4点、年度成績29勝18敗。
18位 33点 澤田五段(昨年度30点、19位)
 B級2組に昇級4点、年度成績29勝15敗。
16位 34点 西尾五段(昨年度13点)
 竜王3組2位3点、年度成績31勝15敗。
16位 34点 松尾七段(昨年度22点)
 銀河戦準優勝6点、年度成績28勝13敗。
15位 35点 千田五段(昨年度36点、12位)
 C級1組に昇級4点、(その他…王位挑戦者決定戦敗退0点)、年度成績31勝11敗。
12位 36点 藤森四段(昨年度17点)
 竜王6組1位5点、(加古川青流戦準優勝)、年度成績31勝14敗。
12位 36点 佐藤天八段(昨年度28点)
 A級昇級7点、(銀河戦3位)、年度成績29勝11敗。
12位 36点 広瀬八段(昨年度34点、14位)
 A級残留5点、竜王3組2位3点、年度成績28勝16敗。

ベスト10です。(10位は2名)
10位 37点 横山六段(昨年度13点)
 C級1組に昇級4点、竜王4組2位3点、年度成績30勝11敗。
10位 37点 木村八段(昨年度22点)
 王位挑戦失敗10点、年度成績27勝18敗。
9位 39点 阿部光五段(昨年度34点、14位)
 新人王優勝7点、竜王6組2位3点、年度成績29勝18敗。
8位 45点 豊島七段(昨年度38点、8位)
 王座挑戦失敗10点、(その他…朝日杯3位)、年度成績35勝21敗。
7位 50点 菅井六段(昨年度29点)
 B級2組に昇級4点、竜王5組2位3点、(新人王3位)、年度成績43勝11敗。
6位 51点 森内九段(昨年度82点、3位)
 名人位失冠5点、竜王位失冠5点、棋聖位挑戦失敗10点、NHK杯優勝10点、A級残留5点、(その他…達人戦優勝)、年度成績16勝27敗。

いよいよベスト5!
5位 53点 行方八段(昨年度42点、6位)
 第73期名人位挑戦権獲得(A級順位戦1位)15点、竜王位挑戦者決定準決勝進出4点、竜王戦2組1位5点、NHK杯準優勝6点、年度成績23勝17敗。
4位 55点 郷田王将(昨年度55点、4位)
 王将位奪取20点、竜王位挑戦者決定準決勝進出4点、A級残留5点、年度成績26勝22敗。
3位 65点 糸谷竜王(昨年度30点、19位)
 竜王位奪取30点、竜王戦3組1位5点、年度成績30勝9敗。
2位 72点 渡辺棋王(昨年度84点、2位)
 棋王位防衛15点、王将位失冠3点、銀河戦優勝10点、朝日杯準優勝6点、A級残留5点、日本シリーズ優勝7点、年度成績26勝14敗。
1位 133点 羽生名人・王位・王座・棋聖(昨年度130点、1位)
 第72期名人位奪取15点(A級順位戦1位は前年度、今期は名人のため参加せず)、棋聖位防衛15点、王位防衛15点、王座防衛15点、棋王位挑戦失敗10点、竜王位挑戦者決定戦進出4点(通常8点だが1組優勝者のため4点)、竜王1組優勝6点、朝日杯優勝10点、日本シリーズ準優勝4点、(その他…王将リーグ・プレーオフ敗退、銀河戦3位)、年度成績39勝15敗。


 1位の羽生三冠は、何といっても名人位復位(活躍度の得点としてはA級順位戦1位と同じ15点)。3タイトルを防衛の他、棋王位挑戦(失敗)、竜王位挑戦者決定戦敗退、朝日杯優勝、日本シリーズ準優勝など、前年度を凌ぐ活躍。ランキングの得点が前年と3点しか増えていないのは、順位戦の勝ち星がなくなったため(8勝)。
 2位の渡辺二冠、前年度に比べ、王将位を失冠したマイナス分だけ後退(マイナス12点)。銀河戦優勝、日本シリーズ優勝、朝日杯準優勝、A級プレーオフ進出と並の棋士なら大健闘と思われるが、“物足りない”と評価すべきだろう。
 3位の糸谷竜王は、竜王位奪取が大きい。30勝9敗は素晴らしい成績だが、それ以外はパッとせず、順位戦昇級も逃した。
 4位の郷田九段は、前年度と同じランキング。前年度はNHK杯の初優勝を始め、1年を通して活躍したものの、棋聖、王座、竜王と挑戦者決定戦で敗れる無念を味わい続けていたが、今年度はフルセットで王将位を奪取。
 5位の行方八段は、A級順位戦四者プレーオフを勝ち抜き、名人位初挑戦を決める。前年度もランキング6位(王位挑戦、A級2位)で、地力はA級上位と言って良いだろう。
 6位の森内九段は、名人位、竜王位と続けて失冠。しかし、NHK杯優勝で立ち直りの兆し。失冠点の5点×2、棋聖位挑戦(失敗)の10点、など、このランキング的には得点を上げたので6位に踏みとどまった。年度成績は16勝27敗と散々だが、タイトル戦1勝11敗を除けばほぼ5割。(でも、5割は情けないとも言える)
 43勝11敗と勝ちまくった菅井六段が7位
 王座戦挑戦の豊島七段が8位。「期待を裏切る」と言われ続けている“序盤中盤終盤の隙のない”豊島七段だが、2008年度17位、2009年度5位、2010年度7位、2011年度4位、2012年度6位、2013年度9位、2014年度8位という成績は見事としか言いようがない。
 この年度A級昇級を果たした佐藤天八段は12位(36点)。銀河戦3位しか目立っていないが、29勝11敗と高勝率で、躍進の兆し。
 
 ベスト20以外のA級棋士は、屋敷九段(21位32点、21勝19敗)、佐藤康九段(23位30点、25勝17敗)、深浦九段(25位29点、棋王位挑戦者決定戦敗退、NHK杯3位、24勝17敗)、久保九段(27位27点、日本シリーズ3位、19勝15敗)。
 期待された中村太六段(前年度40点・7位)、永瀬六段(前年度5位・43点)は、それぞれ25点、24点と振るわなかった。
 
以下は、各棋戦ごとに、まとめたもの
 竜王戦
奪取30点・糸谷竜王 防衛失敗5点・森内九段 挑決4点・羽生名人(1組優勝者のため8→4点) 準決4点・郷田王将、行方八段
  1組1位6点・羽生名人 2位4点・屋敷九段  2組1位5点・行方八段 2位3点・三浦九段
  3組1位5点・糸谷竜王 2位3点・西尾六段  4組1位5点・中村太六段 2位3点・横山六段
  5組1位5点・高見四段 2位3点・菅井五段  6組1位5点・藤森四段 2位3点・阿部光四段

 名人戦
奪取15点・羽生名人 防衛失敗5点・森内九段 
  A級1位15点・行方八段 2位8点・久保九段 残留5点・渡辺、広瀬、深浦、郷田、森内、佐藤康 降級・三浦、阿久津
  B1→A級7点・佐藤天八段、屋敷九段  降級・藤井九段、飯塚七段
  BⅡ→BⅠ5点・稲葉七段、先崎九段  降級・泉八段
  CⅠ→BⅡ4点・菅井六段、澤田五段  降級・脇八段、
  CⅡ→CⅠ4点・横山六段、千田五段、村田五段  降級・増田六段、石川七段、西川慶七段


 王位戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・木村八段 挑戦者決定戦0点・千田五段
 王座戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・豊島七段 挑戦者決定戦0点・丸山九段
 棋王戦
防衛15点・渡辺棋王 挑戦失敗10点・羽生名人 挑戦者決定戦0点・深浦九段
 王将戦
奪取20点・郷田王将 防衛失敗 3点・渡辺棋王 挑戦者リーグ2位0点・羽生名人
 棋聖戦
防衛15点・羽生名人 挑戦失敗10点・森内九段 挑戦者決定戦0点・村山六段

NHK杯 優勝10点・森内九段 準優勝6点・行方八段 3位0点・深浦九段、橋本八段
朝日杯  優勝10点・羽生名人 準優勝6点・渡辺棋王 3位0点・豊島七段、伊藤真五段
銀河戦  優勝10点・渡辺棋王 準優勝6点・松尾七段 3位0点・羽生名人、佐藤天七段

大和証券杯  2013年度より開催されず
日本シリーズ 優勝7点・渡辺棋王 準優勝4点・羽生名人 3位0点・久保九段、丸山九段
新人王    優勝7点・阿部光四段 準優勝4点・佐々木勇五段 3位0点・菅井六段、阿部健五段

【獲得点なし】
加古川青流戦 優勝・石田四段 準優勝・藤森四段 3位・石川泰三段、西田三段
【非公式戦】
達人戦   優勝・森内九段 準優勝・高橋九段  2013年度に参加棋士が10→6人に縮小

2014年度 勝数ランキング
勝数ランキング
1 菅井達也  43    10佐々木勇気  29
2 羽生善治  39    10阿部光瑠   29
3 豊島将之  35    14広瀬章人   28
4 矢代 弥   33    14松尾 歩   28
5 西尾 明   31    14斉藤慎太郎 28
5 千田翔太  31    17木村一基   27
5 藤森哲也  31    18渡辺 明   26
8 糸谷哲郎  30    18郷田真隆   26
8 横山泰明  30    18稲葉 陽   26
10 佐藤天彦  29    18村田顕弘  26
10 澤田真吾  29


 最後に、ランキングをもう一度。
2014年度活躍度ランキング
 1位 133点 羽生名人・王位・王座・棋聖(昨年度130点、1位)
 2位 72点 渡辺棋王(昨年度84点、2位)
 3位 65点 糸谷竜王(昨年度30点、19位)
 4位 55点 郷田九段(昨年度55点、4位)
 5位 53点 行方八段(昨年度42点、6位)
 6位 51点 森内九段(昨年度82点、3位)
 7位 50点 菅井六段(昨年度29点)
 8位 45点 豊島七段(昨年度38点、8位)
 9位 39点 阿部光五段(昨年度34点、14位)
10位 37点 木村八段(昨年度22点)
10位 37点 横山六段(昨年度13点)
12位 36点 広瀬八段(昨年度34点、14位)
12位 36点 佐藤天八段(昨年度28点)
12位 36点 藤森四段(昨年度17点)
15位 35点 千田五段(昨年度36点、12位)
16位 34点 松尾七段(昨年度22点)
16位 34点 西尾五段(昨年度13点)
18位 33点 澤田五段(昨年度30点、19位)
18位 33点 佐々木勇五段(昨年度39点、7位)
18位 33点 八代四段(昨年度19点)
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相棒 season14 第17話「物理学者と猫」【補足あり】

2016-02-24 22:24:07 | ドラマ・映画
「シュレディンガーの猫」
 ……確率が50%で毒ガスが発生する中が見えない箱に猫がいて、蓋を開けなければ猫が生きているのか、死んでいるのか分からない。ふたを開ける前は、「猫が生きている世界」と「猫が死んでいる世界」が重なり合った状態。
 ふたを開けた時、例えば猫が死んでいれば「猫が死んでいる世界」が確定したことになるが、「猫が生きている世界」もどこかに存在している
……といった説明だったと思う。

「確定」と「可能性」………
・いくつにも重なり合っている世界が存在し、確定された世界を選択するだけだ
・可能性がいくつもあるが、どの可能性を選ぶかは、本人の意志である



――堀井准教授に広がるいくつかの世界――
1.山嵜麻美准教授を殺害し、恩師成田教授の復讐を果たした世界
2.右京の機転により、山嵜麻美准教授殺害が未遂に終わり、事なきを得た麻美との会話から、堀井が成田教授の夫が、妻に殺意を抱いていたことを知り、成田・夫を殺害する
(成田・夫が堀井に麻美殺害を消し掛けていた)。
 1との【分岐点】、猫の位置が少し違っていて、猫の落とした資料を見た右京が、堀井の計画に気づいた。
3.(右京が成田に警告したことにより)成田が抵抗して、堀井が返り討ちに遭う。その際、「成田が妻を殺害しようとした時には、すでに死んでいた」という告白を聞く。
 2との【分岐点】、猫が受話器を落としたことにより、成田・夫が堀井と一緒にいることに右京が気づく。

 堀井が死ぬ間際の言葉
「僕にはどんな世界が選べたんでしょう。
 ≪麻美を殺す世界≫≪成田・夫を殺す世界≫≪復讐せずに苦しみを抱え続ける世界≫……
 ……どれも同じ…(成田)先生はもういない。
 どれだけ足掻こうが、僕にあるのは……こんな不幸な世界だけです」

4.成田教授の発見には誤りがあり、成田教授は自 殺だったことが判明する
 【分岐点】、右京たちが遺留品を持ってきたが、堀井が留守だと判断し他へ行こうとしたのを、猫が呼び止めた。

 堀井教授の遺品ノートの最後に『RT』という表記があるが、『RT』の意味は、「もう一度考え直す」であり、成田教授の発見は誤りがあり、自 殺に至った。
 そのことを右京に教えられ、麻美殺害を取りやめる。
 成田教授の発見は、堀井の理論が根本にあり、恩師の死の責任は自分にあると考え、毒薬を飲もうとする。(右京たちが制止)

 右京が「堀井の才能を守りたかった。未来を託したかった」という成田教授の真意を告げ、
「あなたには別の世界が存在するのではないですか?
 ≪成田先生の意志を受け継いで、研究を完成させるという世界≫もまた存在するのではないですか?」


【補足:今話の解釈】
 4つのパラレルワールドが展開されたが、
「成田・夫が、成田教授の殺害計画を立てたこと」
「成田教授の発見に誤りがあって、実際は教授の自 殺であったこと」
「成田・夫が“麻美の殺害”を堀井にけしかけたこと」
という過去の事実は固定されていた。
 その上で、「分岐点が3つあり、その分岐によって、堀井准教授が知る事実に差が出て到達点が変わった」ということなのだろう。
 堀井(あるいは右京)が正しい分岐を選んで真実を知り、教授の意志を受け継ぐ“TRUE END”にたどり着くというのが、通常のアドベンチャーゲーム(サウンドノベル)式展開なのだが、今話の場合、猫が行動を変えて分岐選択を行っている。
 猫(成田教授の分身)がパラレルワールドを作り、3度やり直して“TRUE END”にたどり着き、堀井が意志を受け継いだことに安心して、猫(成田教授)は姿を消したのではないだろうか。【補足・終】


 
「物理学者と猫」というタイトルだが、「成田教授の猫」のような気がする。

「思考はそれ自体が目的なの。
 あなたは考え続けなさい、この先も」


『RT』は「もう一度考え直す」ではなく、「考え続ける」という意味かもしれない。



面白かったです。


【ストーリー】番組サイトより
ループする時間と一変する事件の結末
“物理学の迷宮”に迷い込んだ特命係の運命は!?

 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、遺留品の返却で帝都大学を訪れる。次世代機器として注目を集めている量子コンピューターの核となる実験に成功した成田知子(大沼百合子)という物理学者の遺留品だった。
 彼女は、実験中のアクシデントで死亡し、警察ではそれを事故死として処理していた。道すがら遺留品の中にあった古いノートを見ていた右京は、数式のかたわらに『RT』という文字が書かれているのが気になる。そこで、知子と交流のあった准教授・堀井(正名僕蔵)から話を聞いてみようと研究室を訪ねると、中には一匹の黒猫の姿も。
 物理学者と猫という組み合わせに、『シュレディンガーの猫』という現代物理の考え方を連想した右京。それは、猫を中が見えないケージの中に入れた場合、「猫が生きている世界」と「死んでしまった世界」の両方が同時に存在し、蓋を開けた瞬間にどちらの世界になるか決まるという考え方。
 右京、亘、そして堀井がそんな話をしていた午前9時20分。突然、学内の非常ベルが鳴り、右京たちは“ある人物が死んでしまった世界”へと進む。しかし、その世界は、“午前9時20分を境に同時並行的に存在する世界”のひとつに過ぎなかった。


繰り返される世界は、妄想か、異世界か、それとも時間遡行か!?
ノーベル賞級の発見をした女性物理学者の死の真相とは?
迷宮を抜け出した先に驚きの真実が待ち受けていた!


ゲスト:正名僕蔵 中丸新将 大沼百合子

脚本:徳永富彦
監督:兼涼介
コメント (2)
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ポンプ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号(図面直しました)

2016-02-23 21:39:13 | 詰将棋
『将棋世界』2016年1月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第3問)です。


 ミーナさん、持駒の間違いのご指摘ありがとうございました。
コメント (2)
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臨床犯罪学者 火村英生の推理 第6話「朱色の研究 -前編-」

2016-02-22 22:32:02 | ドラマ・映画
――8階と9階を混同させたトリック――
 806号室に死体を置いておき、六人部を906号室に誘導しフェイクの犯人に仕立て上げるというモノだった


【トリックのお膳立ての痕跡】=解明のヒント
1.不可解な六人部への指示
  ・非常階段で13階まで昇らせ、エレベーターを使用して8階の806号室に行け
  ・部屋に指紋を残すな
2.架空の「フクロウ逃亡」の貼り紙
3.空き部屋が多い
4.806号室には、六人部の使っている香水と同じにおいが残っていた(容疑者4人とも所持)
5.906号室に六人部の髪の毛が発見された(火村の指示)
     ↓
【トリックの種】
・エレベーターのスイッチのパネルに細工、
・「フクロウの貼り紙は注意をそらすため
・9階の部屋番号プレートを8階の部屋番号に変えた
     ↓
【結果】  
 エレベーターに細工して六人部に9階を8階と思い込ませた

 かなり失敗の可能性が強いトリックだった。
 強引なトリックの割には、階段を上らせた時点で見当がついてしまったが、火村の推理は冴えなかった(解明できたのが、坂下刑事とほぼ同時)。
 火村と有栖川のやり取りの妙も時絵のミニミステリー(ヒントタイム)もなかった。
(そう言えば、先週もなかったような)



 3件の殺人は同一犯と考えられているようだが、本当にそうなのか?
 犯人に仕立て上げられそうになった六人部だが、狂言かもしれない。
 鍵となる“黄昏岬殺人事件”の捜査は次回。現時点では、この事件の詳細が分からず、データ不足。
 朱美の夢(身体が燃えている伯父に、叔父の陽平がガソリンをぶっ掛ける)は、事実なのか?
 “黄昏岬殺人事件”を担当し、昨年病死した京都府警捜査一課・緒方警部(阿南健治)は、事件に関わりがあるのか?……関係ないとしたら、単なる“尺伸ばし”?


 今回、密度が低かったので、次回に期待したい。


【ストーリー】番組サイトより
 朱美(山本美月)から、2年前に知人が殺されて未解決になっている事件を調べてほしいと頼まれた火村(斎藤工)。
 ある日の早朝(ドラマでは翌朝となっていた)、火村宛てに謎の電話がかかってくる。電話を受けたのは、アリス(窪田正孝)。謎の電話は「今すぐオランジェ橘の806号室へ行け」とだけ言って切れた。オランジェ橘は、火村が朱美から依頼された事件の関係者が住んでいるマンションだった。謎の電話を自分に対する挑戦状と受け取った火村は、アリスとともにオランジェ橘へ向かう。
 オランジェ橘は空き部屋ばかりで、不気味な雰囲気だった。マンション内に入ろうとした火村とアリスは、若い男とすれ違う。アリスは、その男が付けている香水の香りが気にかかる。
 火村とアリスは、806号室へ。部屋には少し前まで誰かがいたらしく、残り香が漂っていた。その匂いは、マンションに入る時にすれ違った男から匂った香水と同じものだった。火村は部屋の中を探るうち、男性の遺体を発見する。

 火村は朱美を事件現場に呼び、朱美が遺体の確認をすることに。遺体の男性は、朱美の叔父・山内陽平(大高洋夫)だった。この殺人は、朱美が火村に調査を依頼した2年前の事件と関係していると見られた。
 2年前の事件とは、“黄昏岬殺人事件”と呼ばれる未解決事件。ピアノ教師の女性・大野夕雨子(上野なつひ)が殺害され、黄昏岬という崖の下で遺体が発見された。彼女は、黄昏岬近くの別荘に遊びに来ていた。彼女と一緒に別荘にいた人々に容疑がかかるものの、全員に確実なアリバイも動機もなかった。
 その人々とは朱美、陽平、朱美の従兄弟・宗像正明(鈴之助)、正明の母で陽平の姉・宗像真知(高橋ひとみ)、正明の後輩・六人部四郎(山本裕典)だった。

 火村とアリスがマンションの前ですれ違った男は、六人部と判明。六人部に陽平殺害の容疑が強まるが…。



原作:「朱色の研究(KADOKAWA)」収録

脚本:マギー
演出:明石広人
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相棒 season14 第16話「右京の同級生」【追記あり】

2016-02-21 15:01:03 | ドラマ・映画
「……………あなた……杉下君?」
「杉下右京です。…お久しぶりです」


「でもよく覚えてたわね。
 杉下君と一緒のクラスだったの、5年生のほんの数日だけよ」
「そうでした。あなたは2学期が終わる3日前に転向してきて、冬休みの間に、また、引っ越してしまいました」
「…ええ……杉下君、昔から記憶力抜群だったわよね」
「いえいえ、小峰さんが印象的だったんですよ」
あの事件があったから」

 道でうずくまっていた外国人男性・マリオを連れて行った先の個人病院の医師・小峰律子は右京の同級生だった。
 昔を懐かしむ会話であるが、短い中に、ふたりが、“いつ”“どのくらいの期間”“どんな関係”“どんな感情”だったのかを、簡潔に表し、右京の尋常でない記憶力を律子さんが念を押し、ラストで律子の決断を後押しする要素(あの事件)をほのめかすという、密度の濃い会話だった。
 それを説明的会話と感じさせないのは、竹下景子さんの味であろう。
まあ、右京の記憶力も凄いが、竹下景子さんも『クイズダービー』の第2エースだったので、彼女が右京の事を覚えていたのも当然の事としておこう。

 さらに、「律子とマリオの本のやり取りに、今回の事件の本質に係わることが内包されていた」ということは、相棒ファンならピンとくるところであるが、「下巻」を返してもらってから「上巻」を貸すというのは、竹下景子にしては迂闊だった。
 その直前に、右京がちらっと見ただけで、マリオの入館証から職業を推察し、律子自身も右京の観察眼の鋭さに感服していたというのに。

 律子が貸した本は『はてしない物語』で、ドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童向けファンタジー小説(1979年刊)であるが(ウィキペディアより)、児童向けファンタジーとは言え、外国人が日本語を勉強するのには向いていないと思う(私は小説の内容は知りません)。摘発情報のメモが挟まれていたのだ。
 私もこの本には何かあると凝視し、本のタイトルと作者名が外国人であることや、その体裁から、難しそうな印象があり、そこに右京も疑惑を持つと踏んだ。しかし、もっと具体的な矛盾点があったとは!
 カメラワークも巧妙で、マリオが返した下巻ははっきり映し、その後に渡された本は、マリオがそそくさとポケットに入れてしまい「はてし……」という題名がわずかに見えただけだった。まあ、本の雰囲気で同シリーズだったと察知し、最初の本が「下巻」であるところまで読み取れれば、右京の域に近づけたと言えるが、凡人には無理である。



オーバーステイの不法就労に纏わる正義のすれ違い―――
(実際の外国人労働者の雇用状態については、詳しく知りません)

「どんな法も規範も、人を救えなければ“正義”の名には値しないと私は思うの。
 杉下君の考える“正義”とはきっと違うわね
「はい。違います」
(きっぱり)


右京も律子の心情は理解していた
 闇の底に落ちていく外国人就労者を放っておくことはできなかったという律子に対し
「変わりませんねぇ、あなたは。
 弱い者に寄り添い、権力と戦う。
 心情においては理解できます。しかし、同意はできません」

 その理由として
「人が殺され、野坂さんは罪に問われる。
 それは、あなたの違法行為と無関係ではないのですから」
(律子も、この杉下の意見に同意したが、反論も。上記の「どんな法も規範も…」に続く)
 
律子も右京のやさしさを理解していた
 あの事件で、クラスメイトに距離を置かれ、冬休みにまた急に転校が決まる。
 「ここでは誰とも友達になれなかったと思っていたら、ひとりだけ見送りに来てくれた、杉下君だけが」と。
 お互いに、当時を振り返り、柔らかい表情になる。
 いいシーンだった。
 (“律子は右京の初恋の人だったのか”という問いには否定、“同級生”だったと)


冠城のモヤモヤ―――
 摘発の情報漏えいの心配はなくなったと落着したと考える日下部に対し不満を感じ、右京にも
「良かったんですかね、これで。
 本当の悪党は裁きをすり抜けたのに、
 弱い者への同情で法を犯した野坂さんや律子先生は罪に問われる」
「不正は不正として裁かれなければなりません。
 たとえそれがどんなにやりきれない思いを伴うとしてもです」


 まあ、こういうやるせなさは過去の相棒、亀山薫や神戸尊も何度も味わってきた(甲斐享は含まず)。
 ただ、今回、右京の言葉に説得力は感じない。
 何しろ、悪の根源である国際ディスパッチ協会理事長・犀川武彦(桜木健一)にエルドビアに逃げられてしまったのだから。


【事件の背景の整理】
国際ディスパッチ協会……外国人労働者の悪徳ブローカー
「私たちは法を守り、正規就労の外国人を仲介している」(理事長の弁)
人材の架け橋(右京の表現)と見せかけているが、実態は弱い立場の外国人就労者から金を毟り取る輩だった。
入国の際の手数料、就業斡旋料の他にも、上納金徴収しや労災の支給金もピンハネしていた。売春まがいの行為も強いていた。

外国人就労者を雇用する会社
 低賃金で過重労働を強いる

外国人労働者
・渡航の際、高利で多額の借金をしている
・低賃金で借金を返せず、オーバーステイに陥る
・特にオーバーステイなど不法就労者は、低賃金で過酷な労働条件を強いられ、労災事故の補償も受けられない
 労災が下りても、協会がピンハネ

入国警備官・野坂と女医・小峰律子
 オーバーステイの外国人就労者を救うため、摘発情報を得て逃がしていた。




“消火器詐欺”を働く右京
あんたらぁ、ほんとに 国際ディスパッチ協会から来たの?」(金属加工会社社長)
ええ
しらっと答える右京、確かに嘘はついていない

(その後もいろいろ訊くので疑問を強めた社長)
「ん?あんたらぁ、ディスパッチの人だろ?」
「おやおや、誤解させてしまいましたか。我々は“ディスパッチの方から来た”と申し上げたつもりだったんですが」(右京)
「さっきまで御じゃましていたんです」(冠城)
「もしかして、おたくら、入管?労働基準局?」
いえ、どちらも違います。ニコラさんの怪我を診察した医者が心配していたものですから」(右京)
これも嘘ではなく、事実だ(笑)。

 あくまで身分を明かさず、雇用の実態を聞き出す特命係だった。


律子の想い出の「あの事件」とは
 【右京が振り返る】
 筆箱の紛失があり、家が貧乏なクラスメイトに疑いが掛かった。
 担任も犯人扱いした。
 律子だけが
「先生、何の証拠もないのに、疑うなんて、先生は間違っています」
 筆箱はすぐに右京が見つけた。


 ≪理科室から戻った時に紛失者は筆箱を持っていなかった≫という事実を右京が思い出して解決。
「誰も気づかなかった。取られたと思い込んで」
「僕も思い出せなかったかもしれません。もし、あなたが“疑っているのは間違っている”と声を上げなければ」

 ハッという顔で律子が右京の顔を見つめ、視線を合わしてなかった右京も律子の方に向き直り、律子の決心を促す。しばし見つめ合った後、律子がすべてを話す決心をする。


あの時と若干状況が違うと思うが、≪教師に間違っているとキッパリ指摘した律子なら、摘発から逃れる不正行為をするのではなく、ディスパッチ協会らの不正を暴く努力をするだろう≫と右京は示唆したかったのだろう。


国際ディスパッチ協会理事長・犀川武彦について
 今回の悪の根源であるが、設定上はともかく、右京から逃げ切れるほどの大物感はなかった。
 犯人逮捕の際、ついでに悪事が暴かれ摘発される中規模の会社社長というイメージだった。
 右京は空港で摘発宣言をしたが、“負け犬の遠吠え”にも聞こえた。
 それなら、もっと大物俳優を配してほしかったなあと。
 大物俳優なら、再登場もあり、スッキリさせてくれると期待できるのだが……


 ところで、演じたのが、あの『柔道一直線』の主人公を演じていた桜木健一さんであった(『刑事くん』も有名)。ちょっと、びっくり。


今回の脚本家は山本むつみ氏
 山本むつみ氏は過去に、season12 第15話「見知らぬ共犯者」season13 第13話「人生最良の日」を担当している。
 過去記事において私は酷評しているが、今回は面白かった。良かった。
 マイナス点は国外逃亡を許したことと、野坂が国際ディスパッチ協会と癒着していたのではなく、不法就労者を助けようとしていたという真相が見えやすかったこと。
 「人生最良の日」で要注意脚本家に入れるべきだったと後悔していた(『八重の桜』も低評価)が、認識を少し改めなければならない。


【追記】
冠城はテレポーター?
~トイレで野坂がマリオに摘発情報のメモを渡すシーン~
便器を掃除しているマリオと入れ替わるように、野坂がトイレに入る(もちろん周囲に注意を払いながら)。
用を足すふりをしながら、メモを渡そうとマリオの方に手を伸ばす。
その腕をついたて(仕切り版)の陰にいた冠城が、ハシッと掴む。

い…いつの間に?
 マリオが冠城たちと示し合わせていたのなら可能だが、マリオも驚いていた様子。

 そもそも、手を伸ばして渡すのは目立つので、便器付近ですれ違う時に渡すほうが機能的。



【ストーリー】番組サイトより
右京が小学校時代の同級生と再会
外国人労働者をめぐる事件に潜む巨悪とは?

 ある夜、道でうずくまる外国人男性を見つけた右京(水谷豊)は、彼に請われるまま、小さな個人病院へと担ぎ込む。そこは、小峰律子(竹下景子)という女性医師が一人で切り盛りする病院で、偶然にも右京と律子は小学校時代の同級生だった。
 助けたのは、マリオ(広瀬剛進)という日系三世のエルドビア人で、現在はビル清掃の仕事をしているという。マリオは以前から律子に世話になっているらしく、この夜も律子の適切な処理で体調を回復させた。
 数日後の朝、雑居ビルの路地で変死体が発見される。被害者は、高井(神農直隆)という男性で、外国人労働者の派遣業を営む団体の職員だった。マリオがその雑居ビルの清掃を担当していることに気づいた右京は、気になって独自の捜査を開始。
 一方、亘(反町隆史)は、日下部(榎木孝明)からの“秘密指令”を受け、法務省の内部部局である入国管理局の情報漏えい問題を追っていた。入管では最近、摘発の失敗が相次いでいて、内部からの情報リーク疑惑が浮上しているため真相を探れとの指令だった。早速、入管に勤める先輩官僚・野坂(春田純一)に探りを入れた亘は、彼が持っていたマッチが問題の雑居ビルに入る飲み屋のものであったことに気づく。
 外国人労働者のマリオ、入国警備官の野坂、そして殺された人材派遣業の高井。奇妙な繋がりと対峙することになった右京と亘は、共同戦線を張って捜査にあたるが…!?

外国人派遣業者の変死と入管の情報漏えい問題
これらの出来事を繋ぐ鍵は、同級生の女医・律子!?
弱きを助け強きをくじく右京と律子、二つの正義がぶつかり合う!?

ゲスト:竹下景子

脚本:山本むつみ
監督:池澤辰也
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「面目ござらぬ(桂馬の詫び)」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-02-20 20:56:23 | 詰将棋
「面目ござらぬ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年12月号」の解答です。


 初手▲1八歩は“打ち歩詰の禁”。
 そこで、△1八同桂成とできるように3四の桂馬を2六に呼ぶことが浮かびます。

 しかし、本作の場合、▲2六角と▲2六銀の2手段があります


 角を捨てる方が詰将棋らしいので、角捨てから考えましょう。
 ▲2六角△同桂(第2図)


 これで▲1八歩が可能となりました。


 △1八同桂成に▲5七飛で詰みとなります。


 導入部は“打ち歩詰解消問題”ですが、実質は“逃げ道封鎖問題”です


 さて、初手▲2六銀でも同様に5手目の▲5七飛まで進めて詰みそうですが


 ここで、△3七に合駒をする巧手があって(歩でなくても可)

▲3七同飛(▲3七同角は王手にならない)に、△2六玉で失敗します。



 作品のタイトル「面目ござらん(桂馬の詫び)」は、出題記事でのじゅんいちさんのコメントが“言い得て妙”でしたので、アレンジさせていただきました。


詰手順……▲2六角△同桂▲1八歩△同桂成▲5七飛まで5手詰
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