英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『将棋世界』2月号の残念な点 その1「失礼な扱い」

2014-01-31 20:51:42 | 将棋
 私の愛読書?と言えば『将棋世界』であるが……ここ数年、内容が下降気味で、最近その傾向が強くなってきている。
 仕事や生活の忙しさにも左右されるが、発行されて1月以上掛かって読み終えることがほとんどで、先月号を読み終えていないので、新刊を購入しても読めない状況に陥ることが多い。
 12月は特に忙しいので、先月号(1月号)を読み終えたのが1月中旬であった。≪これではいかん≫と思い、今月号(2月号)は真面目に?読み、先日読み終えることができた。
 しかし、冒頭に述べた残念感が特に強かった。
 まず、このページは駄目だろう!と、読んだ瞬間に「怒り」を感じたのが、このページ



 第45期女流アマ名人戦で優勝した小野ゆかりさんの自戦記です(もちろん、小野さんの書いた文章(内容)に問題があるわけではありません)。
 この画像では、ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
 では、これならどうでしょう。



 各クラスの上位入賞者(優勝~3位)が記載されていますが、欄外です。
 クイズの解答ではないのです。失礼です!
 せっかく入賞しても、知人に「やったよ!」と自慢できませんよね。


 内容が下降していると述べたが、今月号はそれが顕著だった。
 こんな非礼をするくらいなら、≪面白くない記事≫、≪要らない記事≫をカットして欲しい。

 「残念な点 その2」では、残念な記事を取り上げたい。
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『福家警部補の挨拶』 第3話「プロジェクトブルー」

2014-01-30 18:02:03 | ドラマ・映画
クリエイターのプライド
 致命傷を与えられるかは別にして、
新井がなぜ凶器に本物の“ミリバール”を使ったのか?」……犯行シーンを観た時も、≪えっ、そっち(本物)?≫と思ったが、この理由が今回の大きなカギだった。
 新井にとっては、本物の“ミリバール”より自分が作った精密で優れた“贋作のミリバール”の方が遥かに価値があったのだ。
 このクリエイターのプライドが、鮮やかなブルーの試作品の塗料を使ってしまい、それが証拠となり、その塗料を使って制作した新ブルーマンのフィギュアを壊す(燃やす)ことができなかった。


 既視感は若干あるが、このクリエイターの心理による犯行、逮捕劇は面白かった。
 しかし、それを成り立たせるための「お膳立て」は綱渡りだった。


①新ブルーマンのフィギュアの試作品を5体も準備した割には、殺害手段が場当たり的だった。
 “クリエイターのプライド”は今話のテーマであるが、そのためには本物の“ミリバール”を凶器にしなければならない。しかし、初めから凶器にと計画するのは不自然。「本物の“ミリバール”に憎悪を持っていた」という筋書きはあるかもしれないが、ドラマ的には「偶然、“ミリバール”を凶器に使用してしまった」方が意外感がある。
 「それで絞殺で自殺に見せかけて失敗、やむなく殴打」という筋書きにした。まあ、抵抗しないと、試作品と良の取り違えも起きないが。

②証拠となった塗料の試作品を取り違えさせるには、小寺が殺人現場に来る必要があった。
 死体を見つけてパニックになるのはあるかもしれないが、その場に留まるか、屋外(入口付近)に残って、警察や救急車の到着を待つ可能性が大きい。
 計画外の小寺の登場にもかかわらず、小寺に容疑が向くように小細工をするのは冷静すぎる。

③被害者が新井に関する資料(雑誌記事など)に付箋を付けたり、広げっぱなしにしていたので、福家が新井の所に行くきっかけとなったが、実際に容疑を強めたのは、新井が福家と話している際に、使った綿棒を折ってゴミ箱に捨てた。
 その綿棒の折れ方が、新井が顔に付いた塗料を拭き取るのに使い、ゴミ箱に捨てた綿棒のそれと似ていたからである。
 ならば、その折れた綿棒が、新井が犯行現場にいたという決定的な証拠になるのではないだろうか?
 福家なら、疑惑を持った時点で、殺害現場の綿棒をチェックするはずだが……

 “クリエイターのプライド”を主題とするため、スルーするしかなかったのだろう。


 業界のことはよく分からないが、殺人を犯すくらいなら、また、自分の制作したフィギュアにそれだけのプライドを持つのなら、『丸吉』に過去の過ちを告白すればよかったのに。
 出来も素晴らしかったのだし、時効でもある。確かにダメージは大きいが、殺人のリスクを考えると、相談すべきだった。まあ、それだと事件は起こらないが……やはり、相談は有効な手段だよね。
 あとは、福家警部補に魅力があればなあ……

 それにしても、試作品のニュータイプのブルーマンはかっこいい!
 あの鮮やかなブルーも素晴らしい!



【ストーリー】番組サイトより
 『スワンプ・インプ』社長で、フィギュア造型家の新井信弘(北村有起哉)は、大手玩具メーカー『丸吉』とコラボ企画を進めている。それは『丸吉』が販売する『銀河戦士ブルーマン』の新フィギュアの造型を新井が製作するという大きなプロジェクト。新井の会社に品物を納める塗料会社の小寺浩二(中山祐一朗)も興味津々。『ブルーマン』のデザインが決定し、試作品を急ぐ『丸吉』に、新井は一晩で作ると約束。しかし、新井はフリーの造型家、西村浩(片桐仁)の作業場へ向かった。
 十数年前、『丸吉』が限定品で販売し、マニア間では高値で売買される『ミリバール』というロボットフィギュアの贋作が出回る事件があった。西村は贋作を作り、売ったのが新井だというのを嗅ぎ付け、その事実を『丸吉』にばらすと新井をゆすりにかかる。
 新井は持参した本物の『ミリバール』と偽物の交換でけりをつけようとする。だが、あくまで金を要求する西村を思い余って撲殺。そこに小寺が西村の発注した塗料を届けに来た。西村の死体を発見し、パニックで立ち去ってしまう小寺。物陰に身を潜めていた新井はあることを思いつく。
 翌早朝、臨場する石松和夫警部(稲垣吾郎)たち。後から現れた福家警部補(檀れい)に、石松は苦い顔。二岡友成(柄本時生)から殺害状況を聞いた福家の頭の中には多くの疑問が浮かぶのだった。一方、石松たちは西村が最後に電話した小寺に容疑者の目星をつけた。
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中井女流六段、LPSA退会、代表理事・石橋女流四段も引退・退会

2014-01-29 20:02:41 | 将棋
中井女流六段の提出した退会届をLPSAの理事会が1月23日付で受理した。
中井女流は、今後はフリーの女流棋士として活動する。


「協会、および所属女流棋士の方々との方針、方向性の違いに思い悩み、また前代表としての責任を痛感する一年でした。協会設立から応援して下さった皆様を思うと本当に辛い決断でしたが、やはりスポンサー様や関係者の皆様にご迷惑をお掛けしている現状はあまりに忍びなく、退会という選択に至りました」

 苦しい彼女の気持ちがにじみ出る文章である。
 志を持って、将棋連盟から独立した彼女が、現LPSAの暴挙(対局放棄に端を発する常識外の行為)をどんな気持ちで見ていたのだろうか?
 石橋代表理事を諌め、正せるのは彼女しかいない。現在に至るまで、傍観していただけなのか、正そうとしたが無駄だったのかは、私にはわからない。対局放棄からちょうど一年。非常に残念な1年だった。

 「第41期ユニバーサル杯女流名人位戦参加女流」が1月9日に告知された。申込み期限が1月17日(金)午後3時迄で、申し込み後に出場届が送付され、その出場届提出期限は1月23日。将棋連盟は「今後、現在のLPSAという組織とは一切の契約・交渉をしない」(平成25年10月2日)と告知したが、個人では参加を受け入れるようである。
 その予選の組み合わせが発表されている。予選は45名参加。内、9名はLPSA所属女流棋士、1名がフリーの中井女流六弾。石橋氏を除くLPSA所属女流棋士全員が参加している。

 と、ここまで書いて、念のためLPSAのホームページを見たら、なんと!
石橋幸緒四段 現役引退とLPSA退会のお知らせ」が。
「この度、当協会所属の石橋幸緒四段(現代表理事)より、女流棋士引退届と退会届が
提出されたことを受け、当協会理事会は受理しました。
よって石橋四段は来る2014年1月31日付をもって現役女流棋士を引退とし、
来る2014年2月25日に執り行われる平成25年度定時総会での理事任期満了をもって
LPSAを退会することとなりました」

 氏のコメントも載せられていたが、引退の理由や心境、感謝や思いでなどが語られていたが、対局放棄による一連の騒動については触れていなかった。

 2月25日の定時総会にて新しい役員を選出とのこと。
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永井一郎さん、加藤精三さん、ありがとう

2014-01-28 21:38:32 | 芸能
 突然の訃報(1月27日)で驚きました。
 日曜の夜、『サザエさん』を観たばかり。波平さんが童心に帰って浴槽でおもちゃを浮かべて長湯してしまうシーンがあり、≪いつまでも『サザエさん』、波平さんは変わらないなあ≫と思った翌日、永井一郎さんの訃報でした。

 永井さんは、波平の他にも、『ゲゲゲの鬼太郎』(子泣き爺)『ど根性ガエル』(町田先生)、『宇宙戦艦ヤマト』(佐渡酒造、徳川彦左衛門)、『うる星やつら』(錯乱坊チェリー)、『ドラゴンボール』(カリン様)、『YAWARA!』(猪熊滋悟郎)、『らんま1/2』(八宝斎)など、数多くの個性的脇役を演じている。
 主人公に親密な小柄な爺さん役が多い印象がある。波平は真面目な頑固な父親だが、錯乱坊チェリーは好色な奇人と幅広いキャラを演じている。
 とは言え、永井さんといえば波平さん、45年近くも毎週日曜夕方にお茶の間に父親役で登場しています。多少、波平のキャラも時代に合わせて柔らかくなった気もするが、ほとんどイメージを変えずに演じられていた。それだけに、我々世代の、いや、恐らく、その下の世代も、喪失感は大きい。長い間、お疲れさま。ありがとうございました。

 2月9日放送分までは、収録されているそうだ。その後はどうなるのだろう。
 後任が波平役を務めるとしても、アニメの波平さんは変わらぬ姿で生きている。長年妻役を務めていた麻生美代子さんの心の内は……。(後任の人も、重圧がかかるだろうし)



 波平さんと並ぶ「アニメの昭和のお父さん」、星一徹(『巨人の星』)。
 その一徹役の加藤精三さんも17日に亡くなりました。
 加藤さんは、その低音で強面(こわもて)風の声で、特撮モノの悪の首領役も多く演じられました。洋画の吹き替えも多かったようです。
 一徹さんは怖かった。鬼コーチでもあり、怖い父親。主人公の飛雄馬は、どこか甘ちゃんなところがあり、よく一徹に怒られていた。≪なぜ、怒るんだ?≫と思うことも、しばしば。でも、父親として男泣きも。



 父親とは意味が違うが「とっつぁん」で親しまれた銭形警部(『ルパン三世』)役の納谷悟朗さんも昨年3月に亡くなられています。低音で迫のある声でショッカーの首領も印象深いです。『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長も思い出されます。


 俳優や著名人の訃報を耳にし、寂寥感が大きくなってきた。自分もそういう齢になったのか。

 アニメはドラマや映画より歴史が新しい。なので、アニメの草創期から頑張られてきたベテラン声優さんが多くいらっしゃっる。絵は変わらず、声もほとんど変わらない。それ故、突然という思いが大きい。(永井さんは、本当に突然だった) 
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『軍師官兵衛』 第4話「新しき門出」

2014-01-27 17:24:04 | ドラマ・映画
初回から感じている「薄味感」……
脚本が甘いと言うか、エピソードを何となく消化しているだけというか………


★空気を読めない職隆
 義秋からの書状が自分にも届いたことを、後に露見するより、あらかじめ公にするほうが良いと判断したのは良いとして、政職に書状が届いたことを自慢げに語っている場で、思いっきり水を差すような職隆の告知。≪タイミングを考えろ!≫≪空気読めよ!≫と思った視聴者も多かったはず。
 あの場は見送り、遅れて届いたことにすればいいものを。≪職隆が裏切るのではないか≫という疑心暗鬼よりも、この空気の読め無さが嫌いなのではと思ってしまう。
 脚本的には、書状の件を義秋が職隆を疑う材料にして、政職が家督を勘兵衛に譲らせるように強いるという流れにしたかったと考えられる。
 しかし、その政職の心の内を推し量って家督を譲る決心をする用心深さと、先の書状の件での迂闊さが整合しないように思える。

★政職の黒田親子への心情の違い
 “疑り深い政職は、黒田家を信用していない”という基本路線がある。
 政職に嫡男が誕生した件、書状の件で不信感が増したというが、それが、“官兵衛に家督を譲ることで不信感が軽減できるのか”という疑問を感じた。
 この疑問は、政職が官兵衛を気に入っているという描写で一応、解消される。
 それにしても、職隆は20数年も政職に忠義を尽くしているのに未だに信用されていない。出来すぎる故か、それとも、やはり空気の読めなさ故なのか……
 対して官兵衛は、政職は官兵衛の幼少のころから知っているので、可愛く思えていると解釈できる。(ただし、政職は食わせ者なので、心の内がどうなのかは不明)もし、官兵衛を可愛いと思っているのなら、幼少のころに官兵衛と政職が絡むシーンが欲しい。

☆何かと気の毒な左京進の人格の描写
 官兵衛に対抗心を燃やし、何かといちゃもんをつける。妹の力(理解できない左京亮のネーミングセンス)をも官兵衛の悪口で洗脳してしまう。
 実際は、官兵衛に家宝級の兜(あまり格好良くは見えなかったが)をも譲っているという伝承もあるのに、あまりにも気の毒な描写である。

☆ヒロインは木登りが好きだなあ
 今回は、「登って助けるより、指導して降りさせたほうが効率が良い」「山桃の実と花を取るために木に登る」「子どもと光に実と花をあげる」という軍師・官兵衛の素養を示したという工夫はあるものの、「また木登りか」という感想も湧いた。
 あと、姉が嫁ぐのをごねた時、割と間をおいて遠慮がちに「では私が」と名乗りを上げたが、もっと「はい、はいっ!私が行く!」という性格だと思ったが、やはり、当時の女性としては、軽々しく言えないのかも。

☆余計な白状のような気も…
 正直さを示したと思うが、女性にとってはどうなのだろう?
 「将来を誓い合った女性がいて、しかも、官兵衛の腕の中で死んだ(回想シーン、そこまで話たかは不明)」なんて聞いたら、何かにつけて「おたつ」のことを気にしてしまうのではないだろうか?……“亡くなった人には勝てない”
 

【ストーリー】番組サイトより
 1567(永禄10年)年。室町幕府再興をねらう足利義秋(後の義昭・吹越満)が、各大名に助力を求める書状を書き送っていた。
 播磨の御着城では、官兵衛(岡田准一)の主君・政職(片岡鶴太郎)が正室・お紺(高岡早紀)との間に生まれた嫡男・斎(いつき)の将来を考え始める。そこで政職は、外様の職隆(柴田恭平)ではなく、子飼いの優秀な家臣・官兵衛を重用するため、縁戚の娘・力(酒井若菜)と政略結婚させようとする。しかし、力はその縁談を拒む。そこで、力よりも先に官兵衛に出会っていた妹の光(てる・中谷美紀)が、姉の代わりに自らが嫁に行くと名乗りをあげる。初めて会ったときからお互いを意識していた2人は、無事夫婦となり、新たな一歩を踏み出す。
 一方、念願の美濃攻略を果たした信長(江口洋介)は、天下布武を掲げて上洛の兵を挙げる。まさに、天下が動き出そうとしていた。
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王座戦 第3局   ………今さらですが

2014-01-26 17:22:05 | 将棋
 gooブログの編集の編集エリアにアップロードした画像をチェックしていたら、季節外れになってしまい記事にできずに放置状態の画像がちらほら。将棋の図面はアップロードした際に記事にしてしまうので、放置状態になることはほとんどありません。
 しかし、今回、記事にしていない画像を発見。見ると、対局者は中村(太)六段-羽生三冠、どうやら王座戦第3局(昨年10月)らしい。
 その後に、アップロードしてある画像が第1局の図面で、時系列的には逆である。記憶をたどると、第3局を書こうとした時、『将棋世界』11月号の第1局観戦記「刻みつけた成長の証」(記・大川慎太郎氏)を読んで触発されて、「異空間の将棋 ~ずれる感覚~ (王座戦第1局 その2)」(10月19日)を書いたようだ。で、そのまま放置……

 この第3局は角換わり腰掛け銀で、△1二香と穴熊を見せた瞬間に▲2五桂と仕掛けた野に対し、銀を逃げずに△3七角と打ちこんだ将棋。

 羽生三冠は「銀を打たれてすでに苦しい。そもそも△3七角と打った手がどうだったか」という感想を述べている。△3七角以下、▲3三桂成△同金直▲3八飛△2六角成▲4七金△2七馬▲4八飛△3五歩▲4五歩△3六歩▲4六角△4五歩▲6四角△9二飛▲8二銀△6三歩▲1九角△6四桂▲8一銀成(第1図)と進む。
 途中の中村六段の▲4五歩が新手で、羽生三冠が「銀を打たれてすでに苦しい」と述べたのは第2図の数手前の▲8二銀で、桂香を取りにいく構想が秀逸だったらしい。


 実戦は△7五歩▲6七銀△7六歩▲6八銀△2六馬▲2八飛△4四馬▲3六金と進み、ここで△5五銀が成立せず(△5五銀には▲4八飛△6六銀は▲4五金で先手よし)、△3五歩▲2五金と後手の玉頭を攻められ、押し切られてしまった。
 この将棋は「中村六段の完勝」という評価がなされているが、当時、悔しいので第1図あたりを突っついた記憶がある。


 変化図は、第1図より△5六桂と変化し、▲同歩と応じた局面。
 後手としては、先手の角道を止めながら飛車当たりにもなる△3七歩成を実現させたい。
手段A・△4六銀

 この手は、先手の角道を遮断しつつ、次に△3七歩成を見た手で、先手は▲4六同金と応じる。これに、平凡に△4六同歩だと▲同角で捌かれてしまう(以下△3七歩成▲9一角成△同飛▲4二飛成が一例)。
 ▲4六同金には△3七歩成(参考図1)が狙いの手。

 図で、飛車が逃げれば、そこで△4六歩と金を取れば右辺を後手が制圧できる。
 しかし、図から▲9一成香△同飛▲3五金(参考図2)が気持ちの良い順。

 △4八とと飛車を取れば、▲9一角成と飛車を取り返されてしまう。手順に取れる金を3五に進まれては後手勝てない。▲9一成銀に飛車を逃げる手もあるが、これにも▲3五金とかわされ、玉頭攻めを見られると、△4八とと飛車を取る余裕はない。

手段B・△3七銀

 この手は、歩を成る地点に駒を打つのであまり筋の良い手ではない。こういう重い手に対して▲3七同金と応じるのは、△3七同歩成と後手の重い形を解消させてしまう。手段Aと同じ狙い(▲9一成銀△同飛の形にさせて後手が飛車を取れば▲9一角成と飛車を取り返す)はあるが、手段Aと違い、金を3五に進出されず、金を手持ちにして手順に△3七歩成を実現されてしまう。
 なので、銀打ちを相手にせず▲6八飛と逃げるが、△4六歩▲5七金△4五銀(参考図3)でどうか。

 後手の狙いは△5四歩~△5五歩~△5六歩。先手からは▲6五歩からの飛車の捌きや▲2五桂と絡む筋もあり、形勢は微妙。
後手も一旦、△3二金寄って、自陣を引き締めつつ飛車の展開も含みにした方が良いのかもしれない。

 話は戻って、△3七銀(変化図B)より▲6八飛に△4六歩の時▲同金△同銀成▲同角と捌かれる手があるので、△4六歩を急がず△3二金寄としておく方が良いのかもしれない。


 私は、玉頭が厚いのが好きだが、その厚みを活かして相手の攻めを抑え込んだり上部に脱出する指し方は、どこかで綻びが生じてしまうことが多い。こう書くと「有利な後手が指し損なう」というイメージだが、「もともと先手が有望で後手の指し方が無理で、厚みが好きな私が厚みを築かれている側の手が見えない」だけなことが多い。
 とにかく、変化図で

私が後手なら100%△3七銀と打つし、先手なら△3七銀と打たれる手を真剣に心配するだろう。
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『緊急取調室』 第3話 ~嘘まみれの女~

2014-01-25 17:42:10 | ドラマ・映画
嘘をつく女(番組のサブタイトルは「嘘まみれの女」)
第1段階
 利香は犯行を認めているものの、犯行動機や犯行状況の供述がでたらめ。その供述に、何度も振り回される捜査陣……と言っても、苦労したのは、“キントリのパシリ”こと“モツナベ”コンビ(捜査一課の監物刑事と渡辺刑事)。

第2段階
 息子・大地が父親(被害者)から虐待を受けていた事実が判明。
 犯行動機は「息子を虐待から守るため」ではないか?しかし、一番信憑性のあり(虐待の事実がある)、情状酌量も付きやすい理由を、利香はなぜ話さなかったのか?
 「凶器の子どもの玩具の電車には、利香の指紋だけで大地の指紋はないのは不自然」→「利香が大地の指紋を拭き取った後、自分の指紋をつけた」→「父親を殴った大地をかばうため」という推論が浮かぶ。

第3段階
 幼く筋力もないうえ、腕を怪我している大地には、重たい玩具を振り上げ、父親を昏倒させるほど殴りつけるのは不可能と気づく(そもそも、怪我をしていなくても無理だろう)。

 今までの嘘は、「大地が父親を殴った」という説に信憑性を持たせるためだった。利香が自ら語るより、何度も嘘をついたあげく、捜査陣にその可能性を気付かせる方がもっともらしい。それに、「母親は子どもをかばう」という通念も利用したのだ。
 ずっと「頭の悪い女」と蔑まれ続けていた鬱憤が爆発して、犯行に及んだ。幼い子供の犯行ならば、罪に問われることもなく、母子が離れ離れにならずにすむという計算だった。



 「あの涙が本当の涙に見えなくて」と、有希子の“女の勘”が働き真相にたどり着くというのはスッキリせず、「今までの嘘と同様にハンカチを使っていた」という根拠も説得力が低い。
 また、「ハンカチをいじる」という動作を強調するようなカメラワークだったので、視聴者にもネタが割れてしまったのではないだろうか?
 大地が父親を玩具で殴りつけるというのが考えにくいせいか、また、私自身がサスペンス慣れで勘ぐり深くなってしまっているせいか、さらにサブタイトルの「嘘まみれの女」から、すぐ「第2段階」に考えが至り、さらに、「第3段階」にも容易にたどり着けた。
 大したドラマじゃないじゃん!
と思っていたら………………………………

「ママがね、全部、本当のことを話したの。だから、君も、もう話していいんだよ」
「あのぅ…」
「何?…何が言いたい?」
「僕ね……(にこ)…ママが好き


「彼女には勝ちましたが、大地君にはやられました」(有希子)
 同感である。最後にやられたぁという感じだ。

【ストーリー】番組サイトより
 経済産業省のエリート官僚・佐原俊夫(神尾佑)が自宅の階段から転落死。血まみれになって倒れている俊夫を母・和子(田島令子)が発見した時、階段の上には若く美しい妻・利香(安達祐実)が呆然と座っていた…。
 俊夫は転落直前、6歳の息子・大地(田中奏生)が使っていた玩具の電車で頭部を殴られていたが、その玩具には利香の指紋が多数付着。利香も自分が夫を殺したと自供する。

 まもなく、被害者が国家の機密に関わる業務を担当していたため、「緊急事案対応取調班(=キントリ)」に利香の取り調べ要請が下った!
 被疑者が女性ということもあり、主取調官に任命された有希子(天海祐希)は、さっそく取り調べを開始。罪を認めながらも犯行動機などを明らかにしなかった利香だが、遂には有希子の厳しい追及に重い口を開き、夫から離婚を切り出されたことが発端だと告白する。愛人と再婚し、大地も自分が引き取ると言い張る俊夫の言動に動揺し、思わず夫の頭部を殴りつけた、と涙ながらに語る利香。
 話を聞いた有希子は同じ“子を持つ母”として、彼女に同情する。ところがその直後、利香が一瞬だけふてぶてしい表情を見せた。しかも、利香が実演してみせた犯行当時の動作は、遺体の解剖結果とは矛盾するものだった…!

 その矢先、利香が夫の愛人として名を挙げた人物が、不倫関係を完全否定。有希子がその事実を突きつけると、利香はまたしても涙ながらに我が子を思う気持ちを訴えながら、供述内容を一転させる。しかも、その供述までもが嘘だということが判明したのだ!
 犯行自体は認めながらも、供述の矛盾点を突かれるたびに二転三転する犯行動機…。利香はなぜ、そこまで嘘だらけの供述を繰り返すのか…!?
 とんだ食わせ者の被疑者をマル裸にすべく、有希子は取り調べを続行するかたわら、中田(大杉漣)とともに大地を訪問。その小さな身体の一部に、目を留める。そんな中、中田の口から“最も考えたくない可能性”が語られるのだが…!?
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『緊急取調室』 第2話

2014-01-24 21:58:06 | ドラマ・映画
予定では、『緊急取調室』と『隠蔽捜査』の第2話をまとめて「ドラマ雑感」で書こうと思いましたが、①『隠蔽捜査』の連続殺人現職警官編が2話であっさり終わってしまったこと、②『緊急取調室』が2話、3話と面白かったこともあり、少し遅くなりましたが、まず第2話をレビューします。

 と、その前に、『隠蔽捜査』について少々。
 若干、拍子抜けしたが、面白かった。警察の体面保持を重視する上層部の圧力に屈さない竜崎(杉本哲太)、伊丹(古田新太)のそれぞれの信念、友情、苦悩がぶつかり合う緊迫感が見ごたえあった。
 ただ、正義を貫き、それが都合の良い結果となり過ぎた点と、『半沢直樹』を意識したストーリー構成がちらほら感じられた点が気になった。
 警察署長(降格)としての、竜崎の活躍を期待したい。


『緊急取調室』第2話
黙る男
 被害者を刺した凶器を洗っているところを目撃され逮捕された杉田、しかし一言もしゃべらない。
 なぜ、しゃべられないのか?
 捜査の結果……「難病の娘の手術をしてやる。その代わりに、霞智子を殺せ」と医師に持ちかけられ殺人を犯した。自供すると、その医師が手術を取りやめるかもしれない。手術が終了するまでは、黙秘を続ける………と推測。
 実際は、医師が殺人を犯しているところを目撃した杉田は、執刀を条件で医師を庇っていた(目撃したことを黙っている)のだった。

 杉田役の林家正蔵がいい演技をしていた(落語よりうまい?……すみません、正蔵氏の落語を観たことありません)。
 今回のテーマは杉田の完全黙秘の理由の他に、その理由を知った緊急取調室のメンバーが、「真犯人(医師)逮捕は、手術終了後でよいのではないか?」という考えに囚われることがあった。
 主人公の有希子(天海祐希)は警察官として犯人逮捕は当然と、医師を逮捕する。他のメンバーも、心に重さを感じつつも、有希子の考えを否定しない。
 ただ一人、中田善次郎(大杉漣)だけは逮捕は手術後と主張した。若い刑事ならともかく、ベテラン刑事が人情を重んじ、面と向かって異議を唱えるというのは珍しいのではないだろうか?

 それはともかく、一刻も早く被疑者確保(逮捕)するのは正当のように思える。
 しかし、(置き換えが妥当かは微妙だが)犯人逮捕する際、近くを歩いていた無関係の人が発作を起こし倒れた。あるいは、逃亡の際、犯人が通行人を刺した。この時、犯人を追いかけていた刑事は、通行人の命を優先するのか、それとも、犯人逮捕を優先するのか?
 実際は分からないが、大抵のドラマでは、「人命優先」のように思える。だとすると、手術をすれば助かるのに、その手術をさせずに、逮捕してしまうのはどうなのだろうか?
 逃亡を許した場合、更に犯罪を重ねる可能性を考慮すべきであるが、この場合、犯人の確保は確実なのだから、逮捕を待ってもいいような気がする。
 まあ、このドラマのように、他の執刀医が現れる(執刀医を探す)ということ(手段)もあり、逮捕を伸ばすことが良いのかの疑問はある。
 また、杉田の娘の他にも多くの患者が待っている。逮捕を遅らせて、杉田の娘の手術だけ完了させるというのもおかしい。
 この際、刑務作業として「執刀」させるとか……。殺人犯に手術をしてもらうというのも抵抗があるかも。いや、子どもの命が助かるのなら……


【ストーリー】番組サイトより
 河原でモデル・霞智子(佐藤寛子)の死体が見つかり、さっそく被疑者が逮捕された。被疑者は遺体発見現場近くのコンビニエンスストアのトイレで、凶器と思われるスパナを洗っていた杉田英治(林家正蔵)。妻と中学生の娘を持つ電器店の店主だった。
 ところがこの杉田、捕まってから12時間が経過しても、捜査一課での取り調べに対して一言もしゃべらない。お手上げ状態になった捜査一課は、有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(=キントリ)」に取り調べを要請。さっそく菱本(でんでん)と小石川(小日向文世)が、杉田の取り調べを始めることに。ところが、杉田は落ち着き払った態度で、相変わらず完全黙秘を貫く…。

 一方、捜査一課のもつなべコンビ、監物(鈴木浩介)と渡辺(速水もこみち)は聞き込みのため、杉田の妻・美紀(田中広子)を訪問。ところが、キントリに上がってきた報告には、これといって取り調べの切り札となるようなものがない。
 そんな中、このような状況下で美紀が店を営業していたことに引っ掛かる有希子。キントリに手柄を奪われたくないもつなべコンビが、何かを隠しているに違いない…。そう考えた有希子が2人を糾弾すると、杉田は真面目で仕事熱心な男で、近所の人々からも慕われていたことが判明する!しかも、杉田の娘・はるか(小芝風花)は重い心臓疾患を抱えているのだが、その娘の面倒も実によく見ていたというのだ。

 女を殺して黙秘を決め込む凶悪犯、病気の娘を気遣う優しい父親――どちらが本当の杉田なのか!?
 そんな中、はるかがようやく手術を受けられることになった。梶山管理官(田中哲司)の指示で、有希子は美紀にもう一度話を聞くべく、中田(大杉漣)とともに病院へ。そこではるかが発した“ある一言”、偶然出くわした意外な人物の話から、有希子は“いちばん立てたくない仮説”にたどり着いてしまう――。
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『相棒season12』 第13話「右京さんの友達」

2014-01-23 21:26:36 | ドラマ・映画
毒島(尾美としのり)の変わり者振りや、彼と右京のやり取りなどは面白かった。
しかし、事件の真相や、毒島、静、烏森の心理や行動がグダグダで、残念であった。
……

 ……まあ、毒島の変人の味やその描写の面白さが、その残念さを補って余りが少しあるので、事件について突っ込むのは留めておこう。

★毒島という男
 紅茶とミステリー小説に関しては、右京と互角、特にミステリー小説の批評に懸けてはネット界では随一と言われている。ただ、“孤高”の右京に対して、排他的な毒島は“孤独”を味わっていた。
 例えば、紅茶の知識をひけらかした上っ面だけの紅茶通に対し、右京は心の中でどう思っているかは不明だが、にこやかに聴き流していたのに対し、毒島は誤りを指摘し、その知ったかぶりの態度を攻撃していた。
 それに、右京には相棒がいた亀山薫、神部尊、そして、甲斐享?。
 毒島に言わせると、「右京は“和製ホームズ”で、享は“助手”のワトソン」(享の存在意義については、後述)

 毒島のお茶会の誘い(冤罪事件への招待)を受けた右京は、毒島を主人公にした自作の小説を携えお茶会に参加した。右京自身が楽しむ為でもあるが、毒島を楽しませるサービス、さらに、“最も信頼されている批評家”に自作小説を読んでもらいたくなったのかもしれない。
 そういう経緯で…

“孤独とは何処に?”と問われても、孤独など好んで探すものではなし、私とて探偵稼業などをしていなければ、このたびの『孤独の研究』に足を踏み入れることはなかったであろう。
 “孤独は山の中ではなく、街の中にある”と言った哲学者がいたが、私もまた、街中である孤独な男に出会った。
 10人目の助手であるK君は、“あの人、なんで僕らを呼んだんですかね”と、今日既に二度も呟いた。そろそろ、三度目を言う頃だろうという頃だろうと思っていると……
K「あの人、なんで僕らを呼んだんですかねぇ」
探偵「それは今日のお茶会で明らかになるでしょう」
 “あの人”とは、依頼人の彼のことである。そもそも、彼と私との関係を、どう呼べばいいのか……


 という右京の語り(小説)で始まった今回の『相棒』であった。
 そして、毒島、右京、享のお茶会での会話で毒島の性格、そして、毒島の人生を右京の文体(語り)と、映画風映像で再現させている。右京の文体がとても味のある深いもので、これが普通に捜査の中での、あるいは、毒島の告白での回想シーンだと味気ないモノになっていただろう。巧みな描写法であった。

 さて、この毒島を演じた尾美の味のせいもあるかもしれないが、もう一度登場してほしいキャラであった。ただ、ウブで“良い人”であった点が残念だった。
 わざわざ右京に冤罪事件の真相を究明させたのは、享が指摘した「自分が意図した完全犯罪ではなかったということ。それに、愛する女性を殺したという良心の呵責に耐えられなかったからで、犬が死んで世話をする必要がなくなったから」も的を射ていたように思うし、毒島自身が言ったように「自分を分かってくれる相手に、本当のことを話したかった」のも本心であろう。
 ただ、私的には、「毒島が批評家で留まっていることに耐えられず、実際に完全犯罪を犯していて、強敵・右京に挑戦したくなった。そして、スペシャルで2時間かけなければ解明できないほどの手強い犯罪だった」であってほしかった。
 あるいは、「烏森の事件が冤罪事件と思わせたフェイクで、右京たちをからかっただけであった」というものでもよかった。

 それはともかく、毒島の白状?の動機を受けて、捜一コンビに毒島を「右京さんの“友達”です」と紹介したのも良かった。 (次回から、享も「右京さん」と呼ぶのかな?)

★助手の“ワトソン”・享
 毒島が享のことを“ワトソン君(助手)”と呼んだ時、若干不満そうな享であった。私は≪君は助手でしかないだろう。決して“相棒”じゃない≫と拍手した。
 しかし、最後に、
「“助手”と言うと聞こえは悪いかもしれないが、ワトソン君は頼れる“相棒”なんだ。ワトソンなしじゃ、ホームズは立ち行かない」と享を認める(ちっ、余計なことを)。
 確かに、ホームズにとってワトソンは“なくてはならない存在”である。理解者でもあり、友人でもあり、助手でもあり、世間とホームズの緩衝剤であったりもする。
 しかし、右京は享がいなくても事件を解明できるし、享に心の拠り所を求めてもいない。単なる助手だよね。


【ストーリー】番組サイトより
 右京(水谷豊)は、なじみの紅茶店で紅茶に詳しい毒島(尾美としのり)と知り合った。 毒島から自宅アパートでの“お茶会”に誘われた右京は、享(成宮寛貴)を連れて出かけると、毒島は2人の目の前で右京のようにポットを高く上げて紅茶を注ぐのだ。驚く享…。毒島には紅茶と犬しか楽しみがなく、ほかは信用できないという。右京同様、少々変わり者のようだ。

 どうやらそんな毒島に気に入られてしまった右京。「警察はバカばっかりだと思っていました」という毒島。なにかそう思わざるをえない出来事があったのかと右京が訊くとある事件の話をはじめた。隣室に住んでいた静香(佐藤寛子)がナイフで殺害された事件だが、すでに恋人でミステリー作家の烏森(加藤厚成)が逮捕されていた。冤罪の可能性をにおわせる毒島に、右京は思わず「調べてみましょう」と約束する。

 そして、右京と享は再び毒島から“お茶会”の誘いを受ける。招きに応じた右京は、ある男を主人公にして自らが書いた小説を手に毒島の自宅を訪ねるが…。そこで明らかになる右京の推理をもとにした意外な真相とは?

ゲスト:尾美としのり

脚本:真野勝成
監督:橋本一
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『福家警部補の挨拶』 第2話「禁断の筋書」

2014-01-22 21:58:27 | ドラマ・映画
それなりの洞察力、推理力なのだが…
①入浴剤の付着状態(閉まっていないと付着しないドアの部分にも入浴剤が付着していた)は、事故(事件)が起こった時にドアが閉まっていたことを示しているが、発見時にはドアが開いていたことから、被害者が浴槽に倒れ込んだ後に誰かがドアを開けて浴室から出ていった。
②乱雑な部屋に揃えられたコミックと脱いだブーツに違和感を感じ、さらに、そのブーツに本人の新しい指紋がなかったことから、被害者は誰かを部屋に入れたのではないか
③マンションの指紋認証でみどりは通常、右手の人差し指で行っていたが、事件当夜、10時には人差し指、0時には中指で行っている。この間にみどりは右手人差し指を怪我したのではないか。
 みどりは普段から手袋をしており、その時だけ怪我をするのは不自然で、犯行時にけがをしたのではないか?また、みどりを観察して、彼女が左手でも右手同様に絵や字が書けることを確認。
④現場に残されていた5冊のうち、1冊だけ折り目がついていなかったことに気がつく。折り目を付けずにサインやイラストを描くには、左手で描けば可能である。左手で寸分の違いもなくみどりのキャラのイラストが描けるのは、みどりしかいない。

 ①~④によって、犯人はみどりであると絞られるが、みどりが犯行を行ったという決定的な証拠にはならない。現に、「(たまたま)一冊だけ左手で描いたんです。サインを書いた時、一冊だけ。誰も見ていなかったけど」と言われてしまう。
 証拠となる犯行時に入浴剤が付着したと思われるドレスや手袋は、捨てられてしまっていた。ただ、恩師である漫画家・細田理恵子とのお揃いのブローチだけは捨てられない。たとえ、証拠となるとしても。
 そして恩師との対談の際、ブローチをすり替え、福家の追及を逃れようとしたが、その行為を読まれて印をつけられていて、「すり替えた」という行為が証拠となってしまった

 被害者の三浦真理子は、河出の漫画を切ろうとしたのではなく、細田の連載を切ろうとしていた。
「三浦さんはただ、『ルル』と少女漫画の事だけを考えていたのよ」
 その言葉を聞いたみどりは半狂乱になる。
「真理子は私を憎んで恨んでいたの。プロになれなかった時から、ずっとずっと。自分が夢をあきらめたことを私のせいにして、私の邪魔ばかりして、私から漫画を取り上げようとしたの!絶対に負けたくない。真理子が、真理子が、どんなに私を恨んでも、真理子が、真理子がぁっ」
「河出さん、河出さんっ!憎しみに囚われていたのは、あなたです」



「証拠のブローチをすり替えることを逆用する」ことと、
プロをめざしていた二人の、生き方の違いを鮮明にし、最後の半狂乱ぶりに、「憎しみに囚われていたのは、あなたです」という言葉で締めくくる。
 『プロローグで、伝説的逸話から切り込み、決定的な証拠で犯人を追いつめ、決めの言葉で締めくくる』というパターンがこのドラマの「売り」なのだろう。
 でも、弱い!特に今回は、見え見えのオチだったので、富田靖子の熱演は認めるが、あの言葉で斬られても余韻どころか、中途半端な感じが漂うだけだった。プロローグと本編の関連もピンと来ない。

★刑事ドラマとして弱い
 上述した推理の①④などはなかなかのものだと思うが、直前にも書いたが、肝心の犯人の行為を逆用した決定的証拠が見え見えだったこと。既視感があり過ぎ。
 さらに、刑事ドラマとして疑問だらけ。
 死因は溺死。しかし、あれだけ強くブロンズ像のような文鎮で殴ったので、大きな傷や血も出そう。浴室で転んだとしても、どこに頭をぶつけたのか検証しそうなものだ。そもそも、私はあの一撃で亡くなったと思ったぞ。
 また、ドラマを観る限り、「入浴剤のフィルム容器に被害者の指紋が残っていない」はず。その指摘もなし。
 それに、「すり替えた行為」が証拠と主張しても、「単に私間違えただけ」と言われてしまえば、それまでではないのだろうか?

 稲垣吾郎も存在意義ないよね。今回は、たまたまヒントを与えた事になったが、もう少し、福家にヒントを与えるとか、刑事として福家の未熟な点を指摘するとか、まったく的外れな「おまぬけ上司」にするとかしないと。

★人間ドラマとして弱い
 最後が弱かったもう一つの原因として、被害者の人生観や考え方に共感できなかったことが挙げられる。
 大概、こういう被害者は、加害者のことを本当に思っていたが、言葉足らずを誤解されてしまう。被害者の真意が最後に明らかになり、後味の悪さのようなものが漂う…というのが定番である。
 しかし、この被害者、確かにやり手で、みどりの漫画の欠点を見抜き、また、少女漫画界のことも真剣に考えていたようではあるが、人間性が悪すぎ。自分のセンスや目のみを信じ、しっかり漫画家を育てようとしない。「売れるのが正義(売れた漫画が面白い)」というのも、一面では正しいが、長い目で見ると「面白いマンガを書くことが将来につながる」のだと思う。
 それに、アルコールが入っていたとはいえ、みどりに対する態度(ブーツを脱がせてもらっている人の肩に足を載せるなど)は横柄以上のモノ。読者プレゼントも乱暴に扱う。
 そんな三浦が「『ルル』と少女漫画の事だけを考えていたのよ」と言われても、普通は納得できない。

 そもそも、4年前、連載を切られたいきさつが、視聴者にはよく分からない。みどりが4年間干されていた割には、高級なマンションに住んでいるし。


【ストーリー】番組サイトより
 漫画家の河出みどり(富田靖子)は、大御所漫画家、細田理恵子(銀粉蝶)ゲストのパーティーに出席。帰り道、タクシーに同乗した湧泉舎の少女漫画雑誌『ルル』の編集部員、馬場康之(石井智也)から、みどりは不穏な話を聞く。湧泉舎の三浦真理子営業部長(渡辺真起子)が、『ルル』のリニューアルに文句をつけ、連載のラインアップを変えるよう渡辺良進編集長(橋沢進一)に詰め寄っているらしい。リニューアル後の新連載が予定されているみどりには、聞き流すことが出来なかった。
 馬場と別れたみどりは、真理子のマンションへ。真理子もちょうど帰って来た。真理子のみどりへの態度は横柄。まるで従者のようにみどりを扱う。屈辱感に苛まれながらもみどりは従い、自分の新連載を切るつもりなのかと真理子に聞く。すると真理子は、みどりが書いた新連載用のネームをバッサリと切り捨てた。さらに、考えの甘さを指摘し、漫画家を辞めたらとまで突きつける真理子の頭を、みどりは文鎮で殴りつけてしまう。倒れた真理子をバスルームに運んだみどりはバスタブに落とした。足にケガをする真理子が、自ら倒れ込んだかのように見せかけて…。
 翌日、真理子の不審死が発見され警察の現場検証が始まる。やって来たのは福家警部補(檀れい)。鑑識係の二岡友成(柄本時生)から現状報告を受け、バスルームを検証した福家は、第一発見者の話を聞く。その話から、福家はバスルームのドアが開いていたことに引っかかる。

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