英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

難し……

2013-02-28 18:02:28 | 時事
 福井県は小中学校の学力が高いと言われている。
 ただ、学力検査のための練習テストを行っているという噂があり、手放しで誇っていいものか、少々の疑問が存在する。

 それはともかく、遠い昔になるが、学生時代から社会人になってからも、家庭教師を10年近くしていた。
 私の中学時代が詰め込み教育のピークで、家庭教師をしていた頃にはかなり削られていた。しかし、ゆとり教育の旗のもとに、授業時間・内容の減少が一段と進んだのが、私の娘らの時代である。(最近、ゆとり教育を反省し、内容を増やしているらしい)
 しかし、姪や娘や息子の高校受験の際、数学を中心に理科や英語を教えたのだが、難しい。私の学力が落ちていることもあるが、それだけが原因とは思えない。どういう事かと言うと、一言でいうと「問題がひねくれている」のだ。
 スキーのスラローム(回転競技)に例えると、以前はターンの難しさなどのスキーの高い技術力を問うコースだったのが、最近は教える内容が削られているので高度なテクニックは必要ないが、コースの雪質が悪かったり、霧がかかっていたり、途中に障害物があるなど、悪条件の中でいかに滑ることができるかを問うコースになっている。
 最近は数学しか教えないので他の教科は分からないが、問題を解く道筋が見えにくく、見えたとしてもやたら計算が難しく、解くのに時間や労力が必要である。 昔は、解くのに必要な基礎知識が高かったが、問題を解く方針は立てやすく、解き始めるとそれほどストレスは堪らなかった。
 その傾向は県立高校の入試問題になると一層顕著になる。まるで、「難問を出すことがその試験問題の価値を高める」と勘違いをしているのではないかと?
 あまり難しいと批判を浴びるので、基本問題の割合も比較的高い。そして、難しい問題も多く、時間もかなりかかる。
 このことによって、どういう現象が起こるか?
 私の時代や家庭教師をしていた時代で80~85点取れていた生徒は70点ぐらい。しかも、難しくて時間がかかる問題が2~4問あるので、そこに捉われると時間を浪費して、全部の問題に手を付けることができない可能性も高い。下手をすると、50点台に落ち込む危険もある。一番、被害を被るのはこのレベルであろう。
 基本問題が多いので、50~65点レベルの生徒は40~55点ぐらいで収まる。
 それぞれのレベルの生徒が、それぞれの普段の実力を発揮し、その学力を検査するのが目的なのではないだろうか。
 有名私立高校の入試問題ならいいかもしれないが、受験生の学力の幅の広い県立高校の試験としては、あまりにも偏りがあるのではないだろうか?

 具体的にはどんな問題か?(昨年を例にとります)
 設問1は、基本の計算問題が6問(計26点)、難しくはないが、やや毛色の変わった問題が2問(計10点)、やや難しい作図問題が1問(5点)。この41点で普段の力を出せるかが大きなポイントで、毛色の変わった問題で平常心を失うと大変なことになる可能性もある。
 設問2は、確率の問題。これも毛色の変わった問題で、設定を理解するのが大変。問題をよく把握し冷静に向かえば解ける。配点は2問で4点と6点の計10点。10点か0点かに分かられ可能性も高い。
 設問3は、連立方程式。
 第1問はサービス問題で3点。しかし、問題の設定がややこしく、問2は連立方程式を立てるのが答で、一度混乱するとここで時間を浪費するかもしれない。(6点)
 問3は、問2で立てた方程式を解くだけ。やや計算は面倒だが、連立方程式を立てられる実力があれば問題はなさそう。(5点)3点と14点の生徒に分かれる可能性が高い。
 設問4は1次関数と2次関数のグラフを使い、その交点の図形の面積を問う複合問題。問1~4はかなり簡単。(計16点)しかし、問5は応用力はそれほど必要ないが、計算がかなり面倒。この問いの配点も4点なので、割が合わない。ここで時間を消費してしまうより、後回しにしたほうが得策。
 
 下に挙げたのが、設問5(最終問題)です。自信のある方は、チャレンジしてください。感想を頂けると、ありがたいです。

 問1は基本的な相似三角形の証明問題(何故か8点)。
 問2の(ア)は、すでに難問と言っていい。
 (イ)は超難問。応用力も必要だが、計算力が非常に求められる。
 出た答えが、計算ミスをしたのではないかという数値。
 正直言うと、(ア)だけで8分、(イ)は時間内に解けず、30分ぐらい考え、解法にたどり着いたが、途中で計算ミスをしていた。
 一応、60分の制限時間で挑戦したが、出来ない問題や計算ミスがあり85点だった。まず、時間内にすべての問題に取り組むのが至難の技のように思える。
 しかも、本番の緊張の極限状態で、まともに解けるのだろうか?
コメント (17)
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『相棒 eleven』 第17話「ビリー」

2013-02-27 23:58:39 | ドラマ・映画
一番おっさん(三浦さん)の名言
「女の泣き言に鋭い分析は要らん。
 黙って話を聞いてやって、≪大変だったな≫。
 男はそれだけでいいんだ」


 参考になります。覚えておきます。


被害者は、ネットの交流サイト「Facegood」を利用した結婚詐欺師……
………Facegoodの仕組み、偽のネットバンクサイト、動画、ゴミ箱に捨てられていた書面、靴、会員制バー  ……………情報が多すぎて、私の頭がついていかない。

 そのうえ、サイバー犯罪対策課の専門捜査官・岩月が登場させ、映画を意識したストーリーなので、更にややこしい。
 更にバーテンダーのフェイクを入れ、捕まえたのは、成りすましに利用されたタイトル名のビリー氏だった。(騙されました)
 ビリーが犯人である証拠は、現場に残された靴跡(ただし、逮捕時ではメーカーや種類やサイズが一致したという程度)、動画を削除依頼した事実、被害者がビリーを詐欺に利用したという状況ぐらい。
 しかも、犯行の状況もほぼ正当防衛。逃げずに救急車を呼べばよかったのに。
 そんなわけで、事件解決後は釈然としないものが残った。

 情報の氾濫と、フェイクが大きすぎたのと、映画の絡みがあり、すっきりとしないストーリーであったが、その他の登場人物の言動(本記事の冒頭に挙げた台詞など)面白かった。

女心分からないブラザーズの片割れ(伊丹刑事)の名言
「こちらの警部殿はいつも勝手な捜査をする。
 しかし、意味のない捜査を頼む人じゃない」


女心分からないブラザーズのもう片割れ(右京)の名言
「優秀な捜査一課の刑事さんと比べられても困りますよ。ふっふっふっふ…」

 別に、名言ではないけれど、右京さん、捜査一課を馬鹿にしてません?皮肉にしか聞こえなかった。

岩月と享の会話
「伊丹啓二が信頼するほどの警察官でしょうか?」
「まあ……一言で説明するのは難しいですけど、ちょっと付き合ってみたら分かりますよ」


 享が口にするには早い台詞だと思うが…

この他
非常に気の毒な女性たちであるが……いい味を出していた
 騙されたとわかった時の反応や、詐欺の経過における言動も、申し訳ないけれど爽快感に近いものを感じる。
 特に、後から登場した女性の振り込む前のウルトラマン登場のポーズや、ビリーの正体が尾藤だと告げられた瞬間の気絶の仕方は切れがありすぎだった。



【ストーリー】番組サイトより
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映画「相棒シリーズ X DAY」とのつながり
 3月23日(土)公開の映画『相棒シリーズ X DAY』に登場するサイバー犯罪対策課の専門捜査官・岩月彬(田中圭)がドラマにも登場する。伊丹(川原和久)はもちろん、特命係の右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)とも事件を追う。映画『相棒シリーズ X DAY』は2012年初夏に起こった事件なので、今回のドラマでは半年ぶりに岩月と伊丹がタッグ(?)を組む。
 今回の作品を見てから映画『相棒シリーズ X DAY』を見るとより一層、岩月と伊丹の関係性を深く知ることができるだろう。
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 独身で無職の男性・尾藤(桜木信介)の他殺体が発見された。尾藤は財布とは別に「東京明和銀行」の封筒に入った現金100万円を所持。なぜ、そんな大金を持っていたのか?犯人の目的は金ではなさそうだが…。

 尾藤がネットの交流サイトFacegoodで複数の携帯電話を使い、「ビリー・ヘンリー」などの名前で複数の外国人になりすましていたことがわかった。その相手である「フレンドリスト」は非表示になっており、見るにはIDとパスワードが必要だ。

 右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)らの指摘を受けた伊丹(川原和久)は、2012年初夏に起きた東京明和銀行員殺害事件を通して知り合ったサイバー犯罪対策課の岩月(田中圭)にID、パスワードの解析を依頼する。が、岩月と、同じサイバー犯罪捜査課の亜紀(関めぐみ)は、WABC(ワシントン・アトランタ・バンク)の偽公式HPの件で忙しいと、いい顔をしない。とはいえ、そんな言い訳が通用する伊丹ではない。しかも相手は“勝手知ったる”岩月だ。半ば脅迫まがいに岩月に仕事を押し付ける。

 殺害された尾藤とフレンドリストに入っていた人物たちの関係は? 伊丹とともに巨悪に挑んだサイバー犯罪対策課の岩月が、今回は右京、享らと複雑に絡み合った“サイバー事件”の謎に挑む。

ゲスト:田中圭 関めぐみ

脚本:櫻井武晴
監督:橋本一
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『ハンチョウ6 警視庁安積班』 第7話

2013-02-26 21:57:23 | ドラマ・映画
 第1話で、メモ書き程度の記事を書いたきりにしておきましたが、一応、視聴は続けていました。
 第1話で、思わせぶりな設定をちらつかせ、バスジャックで興味を引き第2話まで引っ張る。そして、その真相や解決が間延び感が強く、視聴中止を決めたのですが、念のため3話も観たところ、前シリーズよりは面白かったので、第4話も……という感じで視聴は継続していました。

 それでも、記事を書くほど内容ではないので、大人しく?していました。
 しかし、幸か不幸か、書きたいことが蓄積して、ガス抜きの今回の記事に至りました。

 どんなガスが溜まっているかというと、
 前シリーズからリニューアルした安積班はメンバーを一新し、安積(佐々木蔵之介)のほかは、尾崎(小澤征悦)、結城(比嘉愛未)、小池竜也(福士誠治)だけの少数精鋭(精鋭っぽくはない)。今シリーズは、なぜか安積班に上司・久米島刑事課課長(升毅)がついたが、この人は表向きは昼行燈の設定なので、捜査の役には立たない。

 予算カットの人員削減かどうかは定かではないが、第4話からは尾崎が外務大臣の警護、結城は八丈島警察署からの緊急要請によりまた異動となってしまい、現場は2人だけとなってしまった。もはや「班」ではない。
 しかも、第4話、5話、6話、7話と、実に4話もこの状態である。番組冒頭のオープニングで華々しく4人が登場するが、これでは詐欺に近い。
 ところが、第4話からの方が面白く感じた。これには次の理由が考えられる。

安積と小池コンビだけの捜査となりストーリーが分かりやすくなった。熱い心と冷静な目を持つ安積、正義感はあるがどこかお人よしの小池刑事の相性が良い。小池刑事は、『名探偵コナン』で言うと高木刑事、『相棒』で言うと尊(及川博之)のようなキャラで、優しさゆえ人に振り回されるタイプで、「あのねえ」と言いながらつき合ってしまう。
 それに、出向中の尾崎は頭は切れるが一匹狼的キャラ、結城も一途で暴走しやすいキャラで重複しており、暴走キャラが4人中2人もいては、ストーリーを展開させにくい。結城のキャラは比嘉さんには合わないように思えるし。
 そんなわけで、ストーリー展開に無理がなくなった。特に第6話の押上交番の寺田巡査長(林家正蔵)が逆恨みから子供を誘拐され犯人に振り回される回は、本来の安積班の人情モノの味が出ていて、よかった
 この寺田巡査長は今シリーズからの新キャラだが、この話までは「通りすがりの使えない警官」という印象であったが、この話では使命に燃える警察官に変身していた。


②2人になったことと関係はないが、今シリーズは押上分署として配属されたため、本庁の捜査一課とは繋がりが弱くなり、真山警視正(高島礼子)が出てこなくなった。
 彼女の演技が「どうこう」言うのではなく、彼女ほどの女優を使うとなると、それなりの意義や活躍を持たせなければならなくなり、ストーリーに無理が生じてしまう。この弊害がなくなった。

 さて、今回は安積班が追っていた横領犯が伊豆にいるとの情報があり、現地へと向かった。
 ここに至って、「班」でないだけでなく、「押上分署」でさえなくなってしまった。
 安積が押上地区にいないことから、新キャラの水沢医師(橋爪功)やおでん屋店主・徳吉(金田明夫)の出番なしかと思ったが、川口刑事部長(里見浩太朗)が久々に登場し、二人と絡むシーンがあった。
 川口刑事部長と久米島刑事課課長との会話によると、今回の安積班の真の使命は、地元民と警察の信頼関係を取り戻すこと。「15年間、閉ざされたものを開くこと」らしい。15年前に押上で、いったい何があったのか?
 水沢医師は警察に敵意に近いものを抱いている。徳吉が店を開いたのも15年前という。川口が回復しようとするモノと、彼らとは因縁がありそうだ。
 おぼろげながら、押上分署の目的が明かされたが、地元民との信頼関係と言っている割には、尾崎と結城は居ないし、今回は安積と小池さえも伊豆へ行ってしまう。まったく目的達成する意思がないのでは?
 安積が主人公の『ハンチョウ』というドラマ、前シリーズもそうであったが、こういう意味ありげな勿体ぶった余分な設定(小細工)は要らないと思う。安積のキャラ、安積班の魅力で押し通した方が良いと思う。

 さて、唯一と言ってよい女性キャラの結城(比嘉愛未)が出張(副業)中ということで、伊豆で女性刑事・片瀬陽子(高野志穂)が活躍?
 連絡相談なしの単独行動と社会人としては失格ではないかと思われる暴走・自分勝手キャラ。
 登場直後、安積らの投げ飛ばし犯人逮捕の邪魔をしてしまう。安積ら弱すぎ。
 3年前の自分のミスに囚われ、それを挽回するのが第一という私情に走り、あとは疎かという税金泥棒。
 伊豆の署員も、安積もそれを咎めない。それどころか、
 ハイライトの逮捕シーンで、犯人の元刑事に
「あなたに憧れて、あなたを目標にしてきた刑事が今ここにいる。人の命を守る仕事を誇りにしている刑事が、ここにいるんだ。……銃を下ろすんだ」
と説得していたが、「え?そんな刑事、どこにいるんだ?」と突っ込みたくなってしまった。
 逮捕後、犯人(元先輩刑事)が
「いい刑事になったな」(無茶苦茶、ベタである)
と褒めるが、とてもいい刑事とは思えなかった。
 安積も、彼女の3年間の執念を褒めるし……
 

 そして、ぶっ飛んだのは、彼女の走り方。安積を投げ飛ばす武闘派で、服装も活動的。しかし、走りは上半身と下半身がバラバラ。一生懸命さは感じるが、力み過ぎで、推進力につながらない。遅い。すぐバテそう。この走りは、『CONTROL ~犯罪心理捜査~』の松下奈緒さんと互角の戦いができそうである。

 今回はストーリーも平凡な上、女性刑事・片瀬陽子(高野志穂)の活躍に無理があったので、とても残念でした。


【ストーリー】番組サイトより
横領事件で手配中となっている中田文彦(吉澤宙彦)の車が、伊豆で発見されたとの知らせを受け、安積(佐々木蔵之介)と小池(福士誠治)が現地へと向かった。六本木のナンバーワンキャバクラ嬢・矢野麻沙美(木村智早)に貢ぐために、経理係長だった中田が5千万を横領したものと見られていた。麻沙美の出身地は静岡県の伊東市で、事件発覚後と共に店を辞めていることから、中田が麻沙美を追って伊豆に現れる可能性は高い。
 伊豆東署へ訪れた安積と小池は、刑事課長の桐山隆三(田中隆三)と刑事・向井邦夫(スマイリーキクチ)らに事情を聞いたのち麻沙美と接触するが、中田の横領は知らなかったとしか証言は得られなかった。
麻沙美の自宅を後にした安積らは、麻沙美がどう言おうと中田が麻沙美を探しているのは間違いないとみて、麻沙美を張り込むことに……と、そのとき、中田らしき人物が現れた。声をかけようと安積らが近づくと、その人物は逃走。その後追う安積らに、突然、ある女性が立ちはだかると、安積らを倒してしまった。

 ほどなく、伊豆東署に戻った安積と小池。その2人の前には安積らの追跡を妨害した女性がいた。その女性とは、伊豆東署の女性刑事・片瀬陽子(高野志穂)だった。上司の桐山に雷を落とされ、平身低頭の陽子。3年前から追っている強盗殺人事件の主犯・海道武(渋谷謙人)の実の姉が麻沙美で、麻沙美が数日前に戻ってきたという情報を得て張り込んでいたところ、見知らぬ男たちが東京ナンバーの車で麻沙美を訪ねてきたので、海藤の関係者と間違えてしまったという。その話を聞いた安積は、追っている事件はそれぞれ別だが、マークする人物は一緒ということで、合同捜査を提案する。
 そんなある日、久米島(升毅)だけとなった押上分署に突然、川口刑事部長(里見浩太朗)がやってきた。ちょっと偵察に立ち寄ってみたという川口は、「安積班もそろそろこの町の住人と親しくなってきた頃では」と久米島に尋ねるが、久米島は「15年間、閉ざされていたものが、そう簡単に開くとは思えない」と答える。一体、2人はなにを話しているのだろうか……???
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『ビブリア古書堂の事件手帖』 第7話「UTOPIA 最後の世界大戦」

2013-02-25 22:35:32 | ドラマ・映画
どうして、サスペンスだとヒロインは人気のないところへ逃げるんだろう?…と思っていたら………

けっこうエグイ栞子といきなり鋭くなった五浦
 古書堂に展示したレプリカ、屋上で燃やしたレプリカ……二重のトラップ。栞子は笠井を怪しんでいて、最初の偽物で、2度目の偽物を本物と思わせた。屋上に逃げたのではなく、おびき寄せたとは……

 それにしても、『晩年』を命より大切なものと思っている笠井の前で、(偽物ではあるが)それを燃やし、それを屋上から捨てるとは、狂気じみた笠井相手とはいえ、残酷……燃やしたのは笠井をあきらめさせるため、屋上から捨てたのは偽物と気づかれないためとは言え、五浦が止めなければ笠井は命を落としていたかもしれないし、運が悪ければ、放火犯になっていたかもしれない。
 屋上から落ちていくストールを見て、「なんで逃げるのにストールなんか羽織るんだよ」などと非難していた私と違い、栞子の偽装工作を見破った賢すぎる五浦
 騙したことを謝る栞子に、なぜ相談してくれなかったと問いただす五浦だが、その訳を聞き「たかが本」と言ってしまったことを恥じて詫びる。
 ≪先週、「無神経」となじって悪かったごめん≫
 ≪賢くて素直で、病院まで自転車と互角近くに走ったうえ、屋上まで駆け上がり、笠井を助け、ダンスもうまい。脱帽だよ。剛力は持って行け……「いらないからテレビに映らないようして下さい」とお願いしたいが、今週の栞子はよかった。魅力を感じた≫

 と真相解明したら、この話は終わり。
 栞子が『晩年』を命より大切だという訳は明かされず、笠井もあっけなく退場。


後日、
買い取り希望の須崎(井浦新)がやってきて、「足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』はいくらで買い取るか」という言葉を残して立ち去る。

 須崎が思っていた善意の栞子の母の像は、虚像だった。
 『UTOPIA 最後の世界大戦』にまつわる、須崎の父と栞子の母との間で交わされた「とりひき」が明らかにされた……

 男の父の万引きを脅迫し、「善意の第三者」をでっち上げる小細工まで施した母を栞子は許せないらしい。その母は10年前、ある日突然いなくなった。

 栞子が五浦を信頼し母の真相を打ち明ける。
 五浦も栞子を理解する。
 いいムードのお二人ですなあ。

母・智恵子「わたし、ユートピアのことで分からないことがあるんです。是非、教えていただけませんか」(にっこり)
………「すべてを白状しろ」  怖いなあ。


【ストーリー】番組サイトより
 篠川栞子(剛力彩芽)は太宰治の『晩年』を抱えたまま、病院の屋上で笠井菊哉(田中圭)と対峙していた。駆けつけた五浦大輔(AKIRA)はふたりの間に割って入ろうとするが、笠井の手には鋭いハサミが握られていて身動きがとれない。笠井は、本は傷つけないが人間には容赦しないから『晩年』を渡せと迫る。
 半年前、文学館で『晩年』と対面して以来、再会できる日を夢見てきた、と言う笠井は、『晩年』を手に入れるためならどんな犠牲を払っても構わない、と鬼気迫る表情で栞子に詰め寄る。大輔が為す術もなくうろたえていると、栞子が言った。自分は笠井とは違う、自分には古い本よりも大事なことがある、と。そして、ライターを取り出すと、この本がすべての元凶だと言って、火を点けようする。
 後日、「ビブリア古書堂」に買い取り希望の須崎(井浦新)がやってくる。大輔が買い取り表を差し出すと、髪が短くて物静かな女性店員はいないか、と尋ねた。そこへ、栞子が戻ってくる。上から下まで栞子を見る須崎に、自分が店主だ、と栞子は言う。須崎は、足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』はいくらで買い取るか、と聞いた。その言葉に表情を変えた栞子に、鶴書房版の初版でしかも美本だと言う須崎。栞子は、実物を見た上だが、100万円単位になるのでは、と返す。すると、須崎は満足そうな表情を浮かべ、車を移動してくると言って外へ出て行く。しかしその後、何時間経っても須崎は戻ってこなかった。
 その後、栞子と大輔は買い取り表の住所を頼りに須崎を訪ねた。ふたりを部屋に入れた須崎は、膨大な古書漫画のコレクションを見せるとともに、栞子の母・智恵子(安田成美)と自分の接点を語りはじめ…。
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『八重の桜』 第8話 「ままならぬ思い」

2013-02-24 21:29:12 | ドラマ・映画
ままならぬ思い……
……………………八重、官兵衛、大蔵、時尾、そして頼母


 京・本陣では、得体の知れぬ壬生の浪士雇い入れたことを聴き、謹慎中の官兵衛は居ても立ってもいられず京に駆け付けようとするが、頼母に制止される。
 官兵衛の忠義心とままならない思いが、女であるだけで会津(殿・容保)や兄の役に立ちたい思いが成し遂げられぬ八重には痛いほどわかる。
 そして、官兵衛を制した頼母も、京都守護職を退任するよう容保に進言したが、蟄居を命じられてしまう。

容保VS頼母、第2ラウンド
頼母「御家訓のために、会津を潰してもよいと思召されますか。殿はあまりにも囚われておいでだ。御家訓にそうまで拘られるは、殿が他国より養子に入られたお方ゆえにござりましょうか!」
容保「お上は、ただひとりで国を担う重さに耐えておいでだ。一藩を懸けてでもお守りする。それが会津の義だ」

 禁句を口にしてまで諌めようとした頼母だったが、容保の忠義心は揺るがなかった。
 容保が口にした「お上」は、徳川家ではなく帝を思っての言葉であった。

届かぬ大蔵の思い………八重には恋心を受けるアンテナがなかった

八重「男だったらよかった」
大蔵「俺もそう思う。八重が男ならば、子どものころのように、競い合うことも、共に銃を取って戦うこともできた」
八重「はい」(頷く)
大蔵「京で会津を思う時には、きっと真っ先に、八重さんの顔が浮かぶ」
八重「えっ?」
大蔵「あなたは会津そのものだから」
八重「……」

(桜の木の上で)
八重「あれは…なんだったんだべ。おかしなこと言って……」

≪八重が男だったらよかった≫
ふたりの表面上の思いは一致していたが、八重にはおかしなこととしか思われなかった。大蔵の恋心は全く伝わらず。
もっと、わかりやすく言わねえと駄目だべ。せっかく、尚之助が気を利かしたのに。
まあ、八重に思いが伝わらなくて正解だったかもしれない。

会津は京都で何をしていたのか?
勝 「会津は都で何をしようってんだい。食い詰め者を抱え込んで人斬り一味でも仕立てるつもりかい?」
覚馬「治安は守らねばならぬ。ほかにやりようがありやすか?」
勝 「それを考えるのが、お主の役目だ!考えて考えて考え抜いてみろ!」

 容保と頼母が決死の喧嘩をしていたが、会津が上洛してから、都をウロウロしているだけで何もしていないような気がする。
 容保が怒って、厳しく処罰!と命を出したが、実行は壬生浪士に丸投げ。≪勝、もっと言ってやれ!≫

長州派の密談
「一番邪魔なのは、(壬生浪の)後ろにいる会津や。奥州の田舎もんと思っていたが、浪士を手勢に引き込むとは、思いのほか知恵もあるようや」
「会津の武力は侮れん」
 ……長州派の評価は高いようだ。

【疑問】
5月10日、下関で長州藩がアメリカの商船を砲撃
5月20日、姉小路公知卿が刺客に襲われる

事件の関与を疑われた薩摩が退けられ、朝廷では長州派が実権を握った。

とあったが、姉小路公知卿暗殺(朔平門外の変)が薩摩排除につながったのは理解できるとして、下関砲撃事件がどうつながるのかがわからない。


主な新登場
桂小五郎(及川光博)
近藤勇(神尾佑)
土方歳三(村上淳)
斎藤一(降谷建志)
真木和泉(島田久作)



【ストーリー】番組サイトより
 薙刀の稽古にいそしむ八重(綾瀬はるか)と幼なじみの時尾(貫地谷しほり)。そこで、2人は二葉(市川実日子)から弟の大蔵(玉山鉄二)の祝言が決まったことを知らされる。時尾は動揺してしまい、稽古中に足を痛めてしまう。時尾はひそかに大蔵に思いを寄せていたのだった。
 そのころ都では、倒幕を目指す攘夷派の不逞浪士を取り締まるため、剣が立つと評判の壬生浪士組を会津藩のお預かりとした。こうした動きに危機感を持った長州派の公家たちは、容保(綾野剛)たちを都から追い出すため孝明天皇(市川染五郎)の名をかたって偽の勅書を容保へ送る。しかし、その策謀を知った容保は、守護職への責任感をさらに強める。
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オリンピックが競技を歪める その3 「五輪競技としてのレスリング」

2013-02-24 17:29:52 | スポーツ
『オリンピックが競技を歪める その2 「IOC理事会の歪んだ構成と不思議な採決」』
『オリンピックが競技を歪める その1 「オリンピック偏重」』
の続きです。

 タイトルを「五輪競技としてのレスリング」としましたが、その辺りを分かりやすく述べられている記事が2つありましたので、その記事に即して書いていきたいと思います。
(携帯の機種や設定によって文字の色表示が反映されない方もいらっしゃるかもしれませんが、以後、引用文を青色で表示します)

五輪としての競技の分かりやすさ(勝敗や優勢の分かりやすさ)、種目数と男女比
『ZAKZAK』の「レスリング除外危機の真相、根は深く以前から潜行 五輪開催地の問題も事態を複雑化」

除外候補決定は唐突なことではなかった。国内の関係者は「レスリングは以前からIOCの要請に応じず、委員たちの印象は悪くなっていた」という。
 JOCやレスリング関係者にとって、今回の決定は“寝耳に水”の状態であったが、
「レスリングには上半身のグレコローマン、全身のフリースタイルの2種類があり、それが男女で18階級もある。競技の肥大化を嫌うIOCは、15年も前から変革を求めていたんです。しかし、レスリング側は逆に女子の階級を増やして合計21とすることを求めていた」
 補足すると、女子の階級は世界選手権など通常は7階級設けられているが、五輪は4階級のみなので、レスリング側は増やすよう求めていた。
 また、女子はフリースタイルのみで、日本男子もグレコローマンの上半身のみの競い合いという特質上、グレコローマンは苦手で、過去のメダリストもほとんどがフリースタイルだった。世界的に見ればグレコローマンの人気度は分からないが、グレコローマンの廃止か、グレコとフリーの融合を求められていたようだ。
 しかし、グレコローマンはその語源「ギリシアとローマの」が示すように、古代のギリシアやローマのパンクラチオンに由来するモノであるという自負があったのだろう。

古代ギリシャから続く伝統競技というプライドがネックとなったのだ。同じ伝統格闘技である柔道は近年、青い道着を導入し、ルールまでも変更。ヨーロッパ型の「JUDO」に変化して生き残りを図ったが、レスリングはそれができなかった。

 レスリングも細かなルール変更(試合時間や得点など)はかなり行われていた。しかし、それが改善になっているかは疑問。特に、同点の場合のクリンチ方式は攻める側が有利なようで公平ではない。

 さらに、日本のお家芸である女子レスリングが“除外”の一因になった面もあるという。
 「女子は04年のアテネ五輪で種目となってからも競技人口が増えず、その対策も見えていませんでした。各階級の平均参加国は30カ国で、これはテコンドーの47と比べても少ないのです」(関係者)

 参加国の伸び悩みには、女性が肌をさらして組み合うことに抵抗が強いイスラム圏の不参加が大きく影響している。しかも、20年の開催地としてイスラム圏のトルコ・イスタンブールが決まった場合、「トルコに女子選手はいるものの『厄介なことになる』というIOC側の意見は根強かった」(関係者)。
 「過去の世界選手権では、イスラム圏の男子選手が『女子と同じマットで試合はできない』と棄権したこともありました。強く反発する宗教指導者もいて、かりにイスタンブール開催なら過激な抗議デモなどに発展する恐れもあった」


 陸上競技はもっと軽装だが、肌を隠すユニフォームも可能である。体操や新体操も体線を強調するユニフォームだが、個人競技で対戦競技ではない。確かに、宗教上や貞操感の抵抗は強いかもしれない。

IOCの評価報告と五輪の商業主義化
『livedoor スポーツ』「やっぱりカネ!? レスリングが五輪から除外された背景」

 IOCがまとめたロンドン五輪実施26競技の評価報告で、レスリングは低い評価だった。ロンドン五輪での人気度は10段階の5を下回り、テレビ視聴者数やインターネットのアクセス数、メディアによる報道も少なかったと判定された。

 しかし、この判定が「その2」で述べたように、客観性が高いものかは疑問が残る
 この記事にも、
 IOC委員や理事の出身国も影響したとみられる。レスリングが強いのは東欧、中東、米国、日本といったところで、IOC委員の3割強がレスリングの普及が遅れている西欧出身。ロゲ会長を含む理事15人のうち、9人は欧州出身だが、レスリング強豪国の出身者は一人もいない。
 当初、除外されるのは近代五種かテコンドーが有力ともいわれていたが、両競技の関係者が理事のなかにおり、ロビー活動(政治的な働きかけ)にも熱心に取り組んだ。次期韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏は韓国発祥のテコンドー存続のため、ロゲ会長に直訴もした。一方、レスリングは「除外されるはずがない」との慢心から、ロビー活動はしていなかった。


とある。

 また、
 五輪の商業主義化も、大きな要因だろう。IOCは国際レスリング連盟(FILA)に対し、これまで、男子で実施しているグレコローマンが「動きが少なく見映えしない」点や、ルールの複雑さを指摘してきた。つまり、「テレビ向きではない」ということだ。
 すなわち、競技自体が見ていて、面白みに欠けルールも難解
とあれば、世界的にスポンサーも付きづらく、チケット販売収入、放送権の獲得や、その権料の金額にも影響する。早い話、商売になりづらいレスリングが、除外されたということだ。強豪国の日本国内でさえ、注目度が高かった吉田沙保里や浜口京子の出場試合こそ、視聴率も高かったが、その他の選手の出場試合は低かったのが現実。
 復帰を目指す野球は試合時間が長く、テレビ放送に適さないため、7回制にすることを検討するなど、なりふり構わぬ姿勢を見せている。

 ロンドン五輪では、テコンドーは電子機器の使用やポイント制も大きく変更しており、4年ぶりに視聴したせいもあるが、全く別物に見えた。

 やはり、五輪の商業主義化も大きな要素であろう。それが採用競技の選考に加味されるのは仕方がないが、判断を下す理事会の構成が少数で偏りがあり、ロビー活動に大きく左右されるのは許されない。


ここからは、私の主観です。
ヨーロッパ本位のスポーツ運営

 テコンドーが疑問視されているが、私は近代五種の方が不思議に思えた。この競技はヨーロッパ以外は人気が低い。
 フェンシング、水泳、馬術、射撃、ランニングの5種目のうち、フェンシングと馬術と射撃は裕福でないとできない競技ではないだろうか?
 ただ、ウィキペディアによると
「近代五種競技で使用される競技施設は全て個別種目との併用がされており、この競技だけを削減したところで削減できる施設が皆無でありむしろ開催期間中の施設の効率的利用の観点からは有効であることや、個人競技であることなど、削減議論の俎上に上げられた他種目と比較しての設備投資・参加人数などからの競技削減で想定されるコストメリットの大小や、上述した事情からオリンピック競技からの除外が少なからぬ国で競技それ自体の存続に関わってくるなど幾つもの要素がある。だが、近代五種競技に限って言えば、何よりもこの競技自体がクーベルタン男爵の考案・提唱によって創始された近代オリンピックに由緒の深いものであり、競技人口や普及率・知名度などに問題を抱えていても、近代オリンピックの歴史や伝統という側面を鑑みればこの由縁を安易に無視して削減することができないという側面が大きいとみられる。」
 とあり、その理由に納得できる部分も大きい。
 しかし、今回レスリングが除外されたので、将来はさらに危うくなるのではないだろうか。

 あと、単独種目としての馬術射撃もどうだろうか?
 競技者は両競技とも、競技者は非常に限られる。特に馬術は馬の輸送だけでも大変だと聞く。 

 五輪絡みではないかもしれないが、ノルディック複合は日本が勝ちにくくなるように改正された。ジャンプも長身選手が有利になるようにスキー板の長さの規定がある。もはや存在しないかもしれないが、五輪の根本にあるスポーツマンシップを尊重してほしいものである。

スポーツ本来の面白さ
 テレビ中継の都合で、試合時間の短縮化や見栄えの良さや分かりやすさに走らないでほしい。
 私の主観かもしれないが、バレーボールのラリーポイントは改悪である。試合時間は読みやすいが、サーブレシーブ側の有利さがあるので、ラリーポイントだと終盤の逆転が起こりにくく、「あっけなさ」が大きい。
  
 その点、サッカーは凄い。
 試合が始まれば、CMを挿入できるのはハーフタイム時だけ。バスケットボールは4クォーター制の上、タイムアウトも多く、さらにオフィシャルタイムアウトもある。バレーボールもCM挿入しやすい。
 得点も多くて4点ぐらい。得点の動きとしては起伏が少ない。それでも、そのスピードや技術や迫力で緊迫感が途切れず面白い。
 テニスも男子だと3時間を超える試合は多く、4時間を超す試合もある。
 NBA(バスケットボール)は商業主義だが、そのゲームは五輪の決勝より遥かに面白い。

 面白いスポーツは五輪と関係なく支持される。
 もちろん、競技の魅力だけでは成り立たない部分は大きいが、これだけIOCの尊重の風潮が強いと、各競技が結束して五輪ボイコットをしても面白いんじゃないかと、無責任なことを考えてしまう。
 オリンピックやテレビ中継の都合で、その競技・スポーツ本来の面白さが変質したり、損なわれるのは悲しい。
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最強寒波ということですが

2013-02-22 19:43:18 | 気象
「今夜から日曜日にかけて、最強寒波が日本列島にやってくる」そうです。
 ただ、この表現は少々不正確。
 まず、何が最強かと言うと、寒気の芯が上空5500mで-48℃ということ。(テレビのニュースを観ただけなので上空5000mかもしれませんが、上空5000mで-48℃だと強すぎるので、おそらく上空5500m)
 確かに強い寒気ですが、南下の程度はそれほどでもなく極寒・大雪は北日本中心だと思われます。
 下図は上空5000mの寒気の様子です(5500mではなく5000m)。

 この図の不満な点は、-36℃より低い寒気の芯が分からないことです。
 それはさておき、左図は今夜9時の様子。右図(PCによっては下に位置しているかもしれません)は1月18日のもの。今夜の寒気の規模は大きいのですが、南下の程度はそれほどではないのが読み取れます。


 今日の午後3時の天気図です。
 冬型の西高東低の気圧配置は、数日前から緩んできており、ただ、寒気が抜けないので緩み切らず、北日本は等圧線が混んだままです。この状態のまま、超一級の寒気が襲来するので北日本は大変です。
 ここで気になるのは日本海北部の低気圧。ちっぽけに見えますが、1月28日の寒冷渦の例もあるので油断ができません。

 今回は、全体的に冷たい空気に覆われているので(暖かい空気と混ざって対流する要素が小さい)、極端に渦状に発達することはないと思いますが、寒気が強いので不規則に発達する可能性があります。
 この低気圧も、今回は北寄りに進むので、福井に直接影響する可能性は低いと思われます。(と書いていたら、風が出てきて荒れてきました)

今日の記事を書いたのはは、もともと、「最強寒波が日本列島に襲来」という不正確な表現が気になったからです。注意を喚起するというより、興味を引くための煽り文句に感じたからです。
 「北日本は大変(福井はそれほどでも)」という自分中心の書き方になってしまいました。青森県の酸ヶ湯では昨日5m15cmと過去最高を記録しました。北日本の方は、本当に大変だと思います(信州も今年は大変と聞いています)。あと少しで3月です。今回の寒波は来週の火曜日には抜け始めると予想されています。北国の春は遅いですが、もう少しです。頑張ってください。
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『相棒 eleven』 第16話「シンデレラの靴」

2013-02-21 20:23:19 | ドラマ・映画
言葉遊びだけ?……「アポロン(電機)」「(それがあなた=美枝 の)アキレス腱」「シンデレラの靴」「襷は無事つながったみたいですね」


動機が弱い
 被害者の高木は教え子をドーピングの罠に嵌めて支配したり、将来性豊かな女子高生ランナーを暴力団と繋がりがあるよう捏造したりと、確かに、殺意を持たれても仕方がない最低の男だった。
 しかし、彼の毒牙に掛かっていた美枝が殺人を犯すというストーリーは短絡的すぎで、右京が言うように、他に方法があったのではないだろうか。
 そもそも、ドーピングの罠に嵌められ、冷凍保存した血液をネタに脅されていたが、高木がその血液を所持していること自体が不自然で、脅迫の証拠にもなるはずだ。
 仮に、それが実証されなくても、教え子がドーピングしていたという事実が明らかになれば、その原因が高木の仕業であることが明らかになる可能性もあり、原因が解明されなくても、コーチ(監督)としての責任を問われるのは避けられない。
 また、捏造された南条遥と暴力団の繋がりを示す写真も、事実関係を調べれば、コーチと暴力団の関係が明らかになるはず。
 今回は、冷静に考えれば、コーチの方が滅ぶ可能性の方が高いと気づくはず。「殺す価値さえもない最低な男を、善人が殺して罪人になってしまった」というパターンであったが、その必然性が全くない、別の意味で残念なストーリーであった。
 だいいち、こんな卑劣な男が長年実業団の監督でいられるはずがない。

アリバイトリックも弱い
 メール自動送信によるアリバイ工作であったが、これだと麗子が殺害現場に残る(居る)必要がない。自動送信で事が足りるのなら、美枝ひとりで偽装工作が可能であるし、咄嗟に玲子が思いつくようなトリックなら、簡単に見破られるだろう。実際は、麗子の怪我(捻挫)に気がついた後だった。

麗子の空白の1時間について
 「死亡推定時刻は午後8時から6時の間」(鑑識・米沢の言葉だが変な言い方だ)
 捜査一課(特命係も)は麗子のトレーニングメニューとしてランニングしていた7時28分から8時31分にしか注目しなかったが、その前は、実際の犯行時刻には街にいて美枝からの電話を受け、被害者の自宅に到着。アシスタントコーチのメールが届いたのが7時。アシスタントコーチへのメールの自動送信を7時45分に設定し、ジムに行き、ランニングに出掛けたふりをした。
 とすると、ランニングできない麗子はどこに身を潜めていたのだろうか?本筋とは関係ないが、気になる。

 氷川神社まで走ったかの検証で、享が実地検証。1時間で走れるかという検証だったが、あれでは飛ばし過ぎで1時間も持たない。それを2時間も走り切った享は凄い。このシーン、享の存在意義を発揮したが、話としてはありふれていたが、それが徒労に終わってしまったのは面白かった。

南条遥について
 遥にずば抜けた素質も情熱も感じられない。
 麗子から遥に託されたシューズ。これを襷に例えるのは良いとして、靴とシューズで一応関連があるとしても、シンデレラとはかけ離れているように思う。
 確かにシンデレラも地道に努力(家事)をしていたが、どちらかというと魔女の助け(魔法)で王子に見初められたというイメージが強い。

麗子の最後の言葉について
「私が銀メダルを取れたのは美枝さんのおかげなんです。でも、その功績を…感謝の言葉を公に口に出すことはできなかった。(口に出せばいいじゃん!)
 高木さえいなければ、南条選手を育てることができたのに!(いや、自分の勤める大学でも可能だし、銀メダルの実績があるのなら、他の企業でも可能だったはず)

 個人的には、相当残念なストーリーだった。

【ストーリー】番組サイトより
 アポロン電機陸上部の監督・高木(国枝量平)が自宅で血まみれの遺体で発見された。事件の前日、享(成宮寛貴)が偶然スポーツクラブで同陸上部の次期監督候補になっていた、マラソンの元銀メダリストである桂馬麗子(中山忍)を見かけていたことから、右京(水谷豊)は享とともに事件に首を突っ込むことに…。

 捜査一課の伊丹(川原和久)らに煙たがられながらも、右京らは現場を物色し冷凍庫の取っ手の指紋が消されていることに疑問を抱く。美枝(萩尾みどり)ら陸上部のスタッフによると、アポロン電機を辞めた後に銀メダルを取る活躍をした麗子が出戻ってきて監督に就任することを、アポロン電機社内でも快く思ってない人がいたようだ。なかでも殺害された高木監督は麗子が次期監督になることは絶対にない、と断言していたという。

 周囲の声にもかかわらず、監督就任に前向きな麗子。その麗子が監督になることはないと言い切っていた高木の根拠は何だったのか? 元銀メダリストにかけられた殺害容疑。監督就任にまつわる謎が解明されたとき、スポーツ界を揺るがす闇が明らかに…!

ゲスト: 中山忍

脚本:ハセベバクシンオー
監督:近藤俊明
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将棋界(順位戦)の歪み その8 「試案Ⅱとその検証」

2013-02-20 22:32:35 | 将棋
『将棋界(順位戦)の歪み その7 「試案Ⅰとその検証」 +「その6」の補足』
『将棋界(順位戦)の歪み その6「棋界全体の実力分布(年度成績~分析~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その5「棋界全体の実力分布(年度成績~概況~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その4「棋界全体の実力分布(通算成績~下位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その3「棋界全体の実力分布(通算成績~上位棋士~)」』
『将棋界(順位戦)の歪み その2「昇級争いにおける対戦相手の分析とC級2組の実力分布の偏り」』
『将棋界(順位戦)の歪み その1「菅井悲劇をもたらした棋界の現状」』の続きです。

試案Ⅱ 年度勝率4割未満が5年で3回以上
 今までも述べてきたが、私は「10局指したら4勝6敗(負けた1局を勝っていたら5割)がボーダーライン」と考えている。だから、それをボーダーラインとしたのだが……

 実際に、その線に沿って過去5年間を検証してみた。
 昨年度に引退した6棋士(昨年度対局数は2以下)も含め166棋士を対象にしたところ、該当棋士は46棋士と全体の27.7%であった。内訳は5年連続勝率4割未満が11人、4回が20人(うち4人は対象期間4年の引退棋士)、3回が15人(引退棋士1人)。
 昨年度引退棋士6人のうち4人が4年連続、1人が3回、1人が2回記録しているので、引退もやむなしであろう。今年度引退した石田九段も4回4割未満だった。
 年度別の4割未満の人数は、2007年度が52人、2008年度が49人、2009年度が49人、2010年度が53人、2011年度(昨年度)は50人(他に引退棋士6名のうち5名が0勝2敗か0勝1敗)。
 実際に検証してみて、該当者の多さに驚く。通算勝率だと昨年度末時点で4割を切るのは3人のみ。ギャップがありすぎる。

 ちなみに、5年連続勝ち越しているのは、渡辺竜王、羽生三冠、飯塚七段、山崎七段、阿久津七段、飯島七段、広瀬七段、佐藤天七段、豊島七段、糸谷六段、戸辺六段、横山六段、村山六段、高崎六段、金井五段、村田顕五段の16名。上位棋士は渡辺竜王と羽生三冠のみ、中堅棋士の飯塚七段が光っている。
 指し分け以上とすると、木村八段、長沼七段、小林裕七段、松尾七段、矢倉六段、佐藤紳六段、西尾六段、中村太六段、佐藤和五段、中村亮五段、瀬川五段が加わる。
 また、四段になって5年未満の棋士では、稲葉六段が4年連続勝ち越し、指し分け以上が吉田五段が4年連続、阿部健五段、澤田五段が3年連続、菅井五段、船江五段が2年連続。

 試案Ⅰ「通算負け越し50」が該当者が28人、「負け越し80」とすると該当者は17人に比べて、該当者が46人で3割近いというのは厳しすぎるかもしれない。
 そこで、ボーダーラインを.333(1勝2敗)未満に下げてみる。……≪試案Ⅱ-2≫
 該当者が27人(うち5名は昨年度引退棋士)。5年連続.333未満が2人、4回が10人、3回が15人(対象期間4年の引退棋士5人を含む)。
 わたし的にはボーダーが.333は甘いような気がするし、3割台が5年連続でもセーフというのは許せない。3割台が5年続くような棋士だと、5年中3回.333未満の成績になるように思えるが、5年連続3割台であったにもかかわらず、.333未満は1度だけという棋士もいる。試案Ⅱ-2に加えて、「5年連続4割未満」という条件も加えておきたい。

 次回がおそらく最終回になります。
 総括的な内容になると思いますが、低勝率の棋士について少し触れたいと思っています。ただ、相当不名誉な数字なので、わざわざここで取り上げて貶めるようなことをする必要があるかと迷っています。
 ここまで読んで下さった方はとても奇特な方だと思いますが、奇特ついでに、ご意見をお聞かせ下さるとうれしいです。
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オリンピックが競技を歪める その2 「IOC理事会の歪んだ構成と不思議な採決」

2013-02-19 21:39:35 | スポーツ
オリンピックが競技を歪める その1 「オリンピック偏重」の続きです。相変わらず前置きが長く、記事本体にたどり着いていませんが、よろしければおつきあい下さい。

 前回は、「五輪偏重やメダル絶対視がスポーツ中継や競技そのものも歪めてしまっている現状があり、そこからから離れてほしい」という願望が主旨らしい(まとまりのない文章なので、書いた本人もよく分からない)。 
 今回は、先般のIOC理事会の決定に関する考えを述べるつもりでしたが、前回言い足りないことがあったので、それをまず述べさせてください。

 それは、柔道の女子日本代表の監督やコーチの暴力やパワーハラスメント問題の件。
 評論家やコメンテーターは「五輪の金メダル獲得と暴力行為は全くの別問題」と述べている。確かに、金メダル獲得という目標があっても、暴力が許されるものではなく、別次元の問題である。
 しかし、まったく別問題と言いきって、その実情を無視してしまっては、解決にはならない。金メダルを取る使命感が強くても、それが暴力に結びつくかは、監督やコーチの資質にも依るが、金メダル至上主義が暴力を誘発した一因になったと考えられる。特に、お家芸である柔道は、その家元としての誇りと、国民からの期待を背負っている。
 マスコミも暴力の有無や程度、指導体制、人間関係などの局所的な取材だけでなく、その根底にある「オリンピック偏重、金メダル絶対視」の風潮を問題視してはどうだろうか?
 この件を考えている間に、暴力とは直接関係ないが、福井県では次のような事項が報道された。
 『福井国体重点強化に22校40部 指導者固定、強化費を助成』(2013年2月8日)
 「ジュニア、高校生選手育成に向け指導者配置や強化費助成などが受けられる「重点強化校」に高校18校33部、中学4校7部、「強化推進校」に高校27校60部、中学36校68部を認定した。13年度から強化をスタートさせる。
 強化推進校は、強化の成果が見られた学校や競技会場市町周辺の学校などにも配慮し年度ごとに見直し、重点強化校に昇格する。重点強化校、強化推進校ともに遠征費、合宿費などの強化費が部活動の規模に応じて助成され、13年度当初予算案に盛り込まれる。
(抜粋)
 国体を開催することによって、「県民のスポーツの意欲が高まり、また、施設等の充実もなされ、県民がスポーツを楽しめるようになる」のが望ましいのではないだろうか(きれい事ではありますが)。
 それはともかく、国体を開催するのなら、充実したものにするため、役員や審判、補助員の充実、競技場・体育館や宿泊施設や交通機能の整備が第一なのではないだろうか。(関連記事を読むといろいろやっているようです)
 今回の高校バスケット部の体罰問題や、柔道の暴力行為と同じ臭いを感じてしまう。

 さて、ようやく、今日の本題です。
 レスリングを中核競技から外すことを決定したIOCの理事会であるが、たった15人で構成され、どの競技を行うか(外すか)をその少人数で決定してしまうこと自体、おかしい
 さらに、そのメンバー構成に偏りがある。
 国籍は、ベルギー、ドイツ、モロッコ、シンガポール、スコットランド、オーストラリア、南アフリカ、スウェーデン、台湾、スイス、アイルランド、ドイツ、スイス、グアテマラ、ウクライナで、15人の内8人が西欧が占めており、その他はアフリカ2人、アジア2人、オセアニア1人、中米1人、東欧1人となっている。
 また、競技別ではロゲ会長はセーリングとラグビーで、他のメンバーはフェンシング、陸上2人、バドミントン、ボート、ラグビー、バスケットボール、柔道、フェンシング、近代五種で、ウィリー・カールシュミット・ルファン氏は野球とボクシングの2競技、ガニラ・リンドバーグ氏は不明。
 中核競技を外れる有力候補であった近代五種の副会長のアントニオ・サマランチ・ジュニア(スイス)がメンバーに含まれることが、非常におかしい。
 この理事会が始まる段階で、全競技が外れる対象になっている状態ということを考慮すると、近代五種の副会長が決定メンバーにいることだけを問題視するのはおかしく、上記の競技すべてが有利な立場にいると言える。
 だから、理事会の始まる段階で全競技が対象となっていることが問題だと考える。IOC総会とか、個人の意思が反映されにくい理事会よりもっと多人数の選定委員会などで候補競技を絞り、絞った段階で該当競技を除いた理事で協議・採決するのなら公平であろう。

 採決方法やその経過も疑問がある。(会長を除く14人が投票)
 第1回では全競技対象に投票し、レスリングと近代5種が各5票、ホッケーが2票、テコンドーとカヌーが各1票だった。
 2回目からはこの5競技に絞って投票し、過半数を取る競技が出るまで、最少得票の競技を除きながら繰り返し実施。2回目はレスリングが7票、近代五種が4票、ホッケー、テコンドー、カヌーが各1票で、ホッケー、テコンドー、カヌーの中で外すべき競技を決選投票し、ホッケー6票、テコンドー5票、カヌー3票で、カヌーが最初にセーフ。

 しかし、この2回目の投票結果とやり方に大いに疑問。1回目の投票で各理事が除外と判断した候補がすべて残してあるので、通常ならば、1回目の結果と違う結果が出るのがおかしいので、2回目の投票する段階で最少得票だったテコンドーとカヌーを外すべきだ。
 しかし、2回目の投票結果は1回目と票が動いた。票を変えた理事は、よほど迷っていたのか、判断に確固たるものがなかったか、誰かに説得されたか。
 また、1票の3競技で決選投票したのも変。最少得票の3競技を外して、次の投票に進んでも、採決の目的に大きな影響があるとは思えない。「丁寧に採決した」という証拠作りか、説得工作をするための時間稼ぎと思えてしまう。
 3回目の投票はカヌーを除いた4競技で実施され、レスリング6票、近代5種5票、ホッケー3票、テコンドー0票。ここでも、2回目でカヌーに入れた1票がどこかに入るだけの変化のはずが、あっちこっち動いている。2回目にテコンドーに入った1票はどこに行ったのか?
 この状況は最終投票も変わらず、何と信念のない投票か!
 あちこちの記事で、「近代五種の票が5→4→5→3と変動。最後の投票で1回目より2票も減る不可解な結果」と記されているが、レスリングの票の動きも含めて、すべての投票が不可解だったと言える。

【補足】
 「レスリングの票の動きも含めて、すべての投票が不可解」と述べたが、1回目から2回目の投票で、レスリングに近代五種とホッケーから各1票移った(この動きもおかしい)と考えられる。この結果、レスリングが5票→7票、近代五種が5票→4票となった。
 3回目の投票では、2回目でレスリングに票を移した2人の内1人が改心?して近代五種に変え、レスリング6票、近代五種5票となった。
 これで危機感を募らせた近代五種派が説得工作をし、最後の投票で2人を改心させ、レスリング6票→8票、近代五種5票→3票となったという推測ができる。
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