英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竹下国対委員長の破綻したコメント ~閉会中審査 稲田氏の出席応じず~

2017-07-31 23:56:50 | 時事
自民党と民進党の国対委員長会談に於いて、自民党の竹下国対委員長が

“民進党が求める稲田前防衛相の出席には応じられない考え”を伝え、その後の取材に対して
「一番重い責任の取り方は辞任です。その一番重い責任の取り方をされた」
「辞任した大臣を国会に呼び出すことは、やってはいけない」

という理屈を言い切っていた。

 当人が防衛大臣として責任を取るという形ならそうかもしれないが、
 自民党、あるいは内閣という視点で観れば、「罷免(解任)」が一番厳しい責任の取り方(取らせ方)であろう。
 それに、稲田氏の場合は、「隠蔽工作に加担した」疑い、国会に於いて「虚偽答弁をした」疑いがあり、そうだとすると大臣の辞任(罷免)に留まらず、議員辞職を求められて当然である。過失ではなく故意である。

 その重大嫌疑をはっきりさせるために、閉会中審査で当人に答弁を求めるのは至極当然で、議員や大臣としてそれに応じる義務がある。
 “辞任した大臣が、国会で審議を受けるということはあってはいけない”という理屈は私の理解の範囲を超えている。

 
コメント (2)

『遺留捜査』 season4 第1話SP

2017-07-16 21:25:05 | ドラマ・映画
桧山室長(段田安則)、甘い!甘すぎるぞ!
「あなたを罪に問えるかどうかは微妙ですが、これであなたの政治生命も終わりです。
「そうねぇ、あたしにとっては“死刑宣告”も同然だわ」
「そんな顔しないで。せっかく自由になれたんです。これからは好きに生きていけばいい。
 別の人生も悪くありませんよ」

 長部麗子(財前直見)はライバル・早坂(堀内正美)を陥れ、代わりに当選。ライバル一家を悲惨な目に合わせた上、その際、殺人をしてしまった黒沢雄大(東根作寿英)を強請るという極悪さ。まったく反省の色もなく、政治理念も全く持たなず、権力を握ることしか考えないクズ人間。
 極悪振りを断罪され、実際の“死刑宣告”を受けなければ、早川一家、黒沢に利用された挙句、殺害されてしまった森野静香(女優名がわかりません。どなたか教えてください)たちが浮かばれない!



【その他、些細な突っ込み】
・長部のスマホを手に入れる為に、船に爆弾を仕掛け、脅迫したが、エンジンルームを爆破するのは危険すぎる。脅迫の為のデモンストレーションなら空き倉庫で充分。
・その船に乗り遅れそうになった糸村(上川隆也)。乗務員も「切符がないと乗れませんよ」と冷たい対応。切符もそうだが、タイムオーバーなのも問題なのでは?糸村は乗船券代を長部に返したのか?
・爆破直後、エンジンルームに直行できる糸村は凄い
・森野の家の障子が破れ過ぎ

【ストーリー】番組サイトより
 神戸港を周遊する遊覧船で爆発が起き、乗員乗客を人質に取られる事件が起きた。犯人は陸上から船内の動きを監視していると無線を使って警告。犠牲者を出したくなければ、1時間以内に2億円を用意しろと、運航会社“黒沢興産”を脅迫する。
黒沢興産の本社が京都にあることから、特別捜査対策室も動き出す。その“特対”メンバー、神崎莉緒(栗山千明)は神戸港に急行。双眼鏡で遊覧船を確認すると、謎の男がデッキから自分に向けて手旗信号を送っていることに気づく。「あ、か、い、…?」
 実は、手旗信号を送った男こそ、警視庁月島中央署刑事の糸村聡(上川隆也)だった。糸村は旅行中に偶然この事件に巻き込まれたのだが、船上から見えたある“不審点”を莉緒ら捜査員に伝えようとしていたのだった。
 要求通り、時間内に黒沢興産から2億円が用意され、無事に解放された乗客たち…。その中から、手旗信号の男を見つけた莉緒は、彼が刑事だと知り、ビックリ。しかも、その男・糸村は爆発現場で燃えかけの細い和紙を拾ったから、科捜研にまわしてくれと頼んできた。捜査に役立つ遺留品とも思えず、糸村のことをかなりの変わり者だとあきれる莉緒。そして、京都府警に派遣されてきた科捜研係官・村木繁(甲本雅裕)は、紙片の鑑定を依頼され、「まさか、あの男? いや京都にいるわけがないし…」と糸村のことを思い出し、身震いしていた…。
 まもなく事件の指揮を任された特別捜査対策室室長・桧山亘(段田安則)は、黒沢興産と、遊覧船に乗っていた代議士・長部麗子(財前直見)の間に、知られざる繋がりがあるのではないかと睨み、特対刑事の佐倉路花(戸田恵子)や雨宮宏(永井大)らに彼らの周辺を探らせる。
 一方の糸村は、例によって遺留品の和紙の事ばかりを調べている始末だったが…、その線で辿りついた人物が、なんと黒沢興産の創業者である黒沢恒之助(伊東四朗)で…!?


ゲスト:伊東四朗、財前直見、南沢奈央、升 毅、野村宏伸、東根作寿英、金剛地武志 ほか

脚本:大石哲也
監督:兼崎涼介
コメント

0%でないということ

2017-07-14 23:55:01 | 日記
 今日は忙しかったです。
 しかも、追加注文や注文忘れの至急納品など、実り(儲け)の少ないものばかり。追加注文というと、ありがたいように思えるかもしれませんが、昨日の納品数が8000、追加は200。トータルで考えればいいのですが、気持ち的には、≪1回で済んだのに……昨日の労力は無駄だったなあ≫などと思ってしまいます。
 しかも、長距離ばかりで、この暑さ……いえいえ、暑いくらいで、文句を言ってはいけませんね。

 さて、この時期は、仕事以外でも忙しいです。
 ウィンブルドンテニスが大きな要因です(その少し前だとNBAプレーオフ、例年は将棋名人戦観戦)。深夜中継なので、大抵、録画したものを翌日に観るパターン。
 ストレスが多い一日でしたが、ウィンブルドンテニス観戦で、ストレス解消……
 女子の準決勝………録画できていませんでした。

 一瞬、固まって……≪何かの間違い?≫……現実を否定して、もう一度、録画リストを確認……やはり録れていませんでした。
 私の場合、スポーツ観戦は女性主体です。根がスケベということは否定しませんが、球技の場合、女子の方がラリーが多く、テニスやバレーボールの場合、サーブ側の優位も小さく、ゲーム展開に起伏が多く面白いのです。
 そんなわけで、女子の準決勝を観ることができないのは、非常に残念なのですが、今年の場合、ケルバーやラドワンスカなどお気に入り選手が残っていないのが救いでした。それに、男子の試合にはそれほど執着はないのですが、フェデラーの大ファンなので、フェデラーの試合を取り損ねていたら、絶叫していたかもしれません。
 さらに、慰め要因として、羽生三冠が竜王位挑戦者決定トーナメント準々決勝で勝利したこともあります。内容は良くなく、負けていたら、気分は深海の海底辺りまで沈んでいたかもしれません。

 ≪それだったら、わざわざブログ記事にしなくてもいいじゃん?≫と思われるかもしれませんね。
 それでも、女子の準決勝が録画できず、観戦できないことは残念です。(決勝なら、ハイライト番組で、ダイジェスト版を観ることはできそうです。)
 なので、こう書いておけば、≪録画したものを見せてあげよう≫と言ってくれる奇特な人が現れるかもしれません。
 もちろん、その可能性は0.001%より低いでしょう。でも、こうブログで嘆いておけば、可能性が0%ではありません。気分的には大きく違います。残念さを、ブログで記事にして発散させるという効用もあります。

 フェデラーの準決勝が始まりました。
 ジョコビッチは準々決勝で途中棄権、マレーも同じく準々決勝でフルセットの末、敗退。強敵、ナダルも4回戦で5時間近い激闘の末、散り、ワウリンカは初戦敗退と、フェデラーに風が吹いています。あと2勝。ウィンブルドンで彼の優勝する姿をもう一度観たいです。
コメント

2017年 4~6月ドラマ 一口感想 その2………やはり、いらない要素が多いなあ

2017-07-09 21:39:31 | ドラマ・映画
「2017年 4~6月ドラマ 一口感想①」の続きです

『警視庁捜査一課9係 season12』
 前記事(その1)で、書き漏らしていました。(『警視庁捜査一課9係 season12』(2017年) 感想 【追記あり】
 今シリーズは何と言っても、渡瀬さんと野際さんが他界されたこと。寂しい……
 渡瀬さんの死去は、時期的にも配役的にも相当影響があったようで、ストーリーがバタバタしてしまっていた。世界的有名な法医学者・竹中直人(役名略)も中途半端だった。
 ただ、そのせいだけでなく、長期継続によって、脚本を始め、いろいろな点での消耗を感じる。

『CRISIS ~公安機動捜査隊特捜班』
 アクションは楽しめたし、主役2人も魅力があり、他のキャラも面白く、各話のストーリーも練られていた。
 ただ、捜査班が5人と少なく、敵も小規模で、若干、こじんまりと尻すぼみという感がある。
 ラストエピソードでは、元自衛隊の特殊部隊とは言え、たったひとりに振り回されたのは、如何なものか?
 映画化、あるいは、続編の予定があるのだろうか。いろいろと含みを持たせた中途半端な終わり方だった。通常なら腹立たしさを感じるが、それほど感じなかったのは、ドラマ終盤辺りから、このドラマへの期待感が小さくなってしまったせいなのだろう。

『人は見た目が100%』
 水川あさみ(役名略)のボケが面白くて観ていた。ブルゾンちえみも頑張っていたが、喰われていた感がある。
 それにしても、化粧品会社とは言え、おしゃれの研究ばかり。仕事しろよ!
 クライマックスで、まさかの罪悪感なしの二股主義が発覚。
 「悪いところを含めて、キミのすべてを受け入れ、好きになった。だから、欠点を直す……自分を押さえて変わる必要はないんだよ(だから、自分の二股も認めてよ。二股を掛けるところも含めて好きになってよ)」
という理屈。
 このドラマのテーマは「おしゃれを研究して、綺麗に自分を変えよう」であり、そのことを貫き、彼とは別れ、自分を磨く(変える)ことを選ぶという結末だった。
 何とかまとめたようだが、やはり、「二股を認める」⇔「自分を変える」という図式は、おかしい。


『緊急取調室』
 シーズン1同様、天海祐希の魅力とおじさん4人(田中哲司、大杉漣、小日向文世、でんでん)が上手くマッチしていた。速水もこみち、鈴木浩介はシーズン1よりこなれてきていた。
 取調室が主なので、捜査による謎解き部分が少ないのが物足りなく感じる。最終話は2回(前後編)だったので、取調室中心だと間延び感が生じた。
 緊張感を出すため、「犯人の一人が真壁(天海祐希)の亡くなった夫そっくり」とか「緊急取調室、解体」という要素を織り込んだが、エピソードの内容で勝負してほしかった。
 時折、内輪もめの振りをするが、見え見えなので要らない。
 夫そっくりの犯人(眞島秀和)を登場させるなら、仲村トオルを出してほしかった。


今クール(4~6月)のドラマは低調だった。
 
 
コメント

2017年 4~6月ドラマ 一口感想 その1………いらない要素が多かったなあ

2017-07-09 09:56:29 | ドラマ・映画
完全に機を逸していますが……

まず、取り上げたことのあるドラマから
『小さな巨人』
 「敵は味方の振りをする」という決め台詞が足を引っ張った(こだわり過ぎ)ドラマタイトルも的確ではなかった。
 証拠のなさを「200%の覚悟」とか訳の分からない言葉と、顔芸でごまかしたドラマ。
(詳しくは「第1話~第8話 感想」「最終話 感想」

『警視庁・捜査一課長 season2』
 いろいろなお約束(コント)を楽しむドラマ(詳しくは「第1話~第9話 感想」
 最終回は、2時間SPということで、ストーリーを複雑化した。しかし、松下由樹(役名・略)の行動心理を一貫性のないものにし、斉藤由貴(役名・略)の父親の病気を理由に、“大福(斉藤のニックネーム)の勘”を外させるという楽な手法を採ったため、何の面白さもなかった。田中圭が斉藤由貴を庇って刺されたのも、強引だった。

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』
 面白かったが、蝶形骨に纏わるエピソードはつまらなかった。
 無理があり過ぎたし、最終回前に登場した林泰文(役名略)が黒幕というのも残念。蝶形骨で引っ張ったのなら、櫻子(観月ありさ)の伯父(柴俊夫)が真犯人であるべき。
 しかし、櫻子に影響を与えた伯父を狂人にするのは、原作そのものを壊してしまう。

『貴族探偵』
 最後までつまらなかった。
 「第1話~第8話 感想」でも述べたが、主人公に魅力がなさ過ぎる。
 武井咲(役名略)の師匠・井川遥(役名略)の死の真相が明かされれば、貴族探偵の魅力が少しはアップするかと思ったが、井川遥が死亡を偽装しなければならなかった理由に説得力がなかったので、で、魅力アップには繋がらなかった。
 ドラマを通して、井川と武井のやり取りもつまらなかった。井川遥が不要だった気さえする。そもそも、に貴族探偵が要らない。……いっそのこと、『愛香(武井咲)と3人の従者たち』した方が良かったのでは?

『フランケンシュタインの恋』
 これも最後まで面白くならなかった。
 いや、主人公・綾野剛がフランケンシュタインになる前の先代ヒロイン・二階堂ふみとのエピソードの方が面白かった。
 現代ヒロイン・二階堂ふみは、“不治の病でこの先長くない”を理由に訳の分からない理屈・行動をとり、主人公を振り回す。魅力が薄く、主人公が魅かれるというのも納得できなかった。
 現代ヒロインが不要……と言うより、キャラ設定を間違えた。
 ドラマも主人公・フランケンのキャラは良かったが、それの活かし方を間違えた。(「第1話~第7話 感想」はこちら
コメント

新・情報7daysニュースキャスター(TBS)での あやふやな解説

2017-07-09 09:16:59 | 芸能
 昨夜(7月8日)の『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS)をたまたま見ていたら、将棋が語源の一般用語について、北野たけし氏が解説をしていた。
◆「必死」……将棋用語としては「必至」が正しいとされている
 まず、「詰めろ」を次に玉を詰ます手であると説明した後、「必死」はどう対策を取っても詰みが逃れられない、「必ずそうなってしまう」状態と説明していた。
 「ひっし」の説明としては、ほぼ的確であったが、「必死」ではなく「必至」が正しいはず。
 子どもの頃に読んだ将棋の入門書には「“必至”(“必死”とも書く)」と記述されていた。

 で、この記事を書くに当たって、国語辞典(旺文社)を引いてみた。
「必至」……必ずそうなり、避けることのできないこと。必然。
 思っていた通りの意味だが、「将棋用語」という記述はなかった。
 そこで、念のため「必死」を引いてみた。
「必死」……
①必ず死ぬこと。
②死を覚悟して行うこと。死にものぐるい。決死。「――の努力をする」
③将棋で、次の手で必ず詰めになるような形。「――をかける」

 え~!こっち?(辞典が“1985年重版”となっていて、現状には則していないことも生じてきているのだろう……きっと)

◆「結局」
 将棋の終局が語源という主旨の説明をしていたが、その際、「将棋を打ち終える」という表現をしていた。
 しかし、正しくは「将棋を指し終える」である。

 ちなみに、辞典では
1.[名詞]終わり。最後。
2.(副詞)つまり。終わりに。
【語源】囲碁を打ち終えることから出た語

となっている。

 北野氏は用意されていた説明ボードを見ながら解説しており、あやふやな説明が北野氏に起因したものなのか、説明ボードを用意したスタッフが原因なのかは不明。
 この件について、TBSに問い合わせのメールを送ったが、おそらく返事はないであろう。


 
コメント

歴史ヒストリアの放送変更について

2017-07-07 20:19:34 | 芸能
 今夜(7月7日)の『歴史ヒストリア』が急遽、ウィンブルドンテニス錦織選手の試合に変更になりました。
 「世間の要望に、臨機応変に応じる」という姿勢は良いことだと思います。しかし、それが度を過ぎるのは考え物です。度を超えたとしても、その際の心配りを充分にしてくれれば、問題を感じないのですが……
 以下の内容を、メールで送りました。NHKのメールフォームにも問題があります。勢いに任せて送ってしまうと、こちらに原文が残らないし、制限字数が400というのも少なすぎます。

  ==========================================
 7月7日の歴史ヒストリアが、突然と言っていいほど、急にウィンブルドンテニス錦織選手の試合に切り替わりました。世間の要求に臨機応変に応えるのは、非常に良いことだと思います。私もスポーツ観戦好きなので、どちらかというと歓迎です。
 しかし、今回の場合は、ほぼ、前触れもない変更(ネットやレコーダー(録画機)の番組表では察知は可能)で、テニスファンにとっては「テニス中継を知らずに見過ごしてしまった」。歴史ファンにとっては「楽しみに帰宅してテレビを点けたらテニスをしていた」となってしまいます。
 しかも、「ヒストリアは中止となりました」と1回テロップが出ただけ。さらに、今日予定の回の放映日は未定。
 誠意や責任を感じない今回の変更でした。
  ==========================================

・歴史ヒストリア放送中止(延期)のテロップは少なくとも3回出すべき
・その際、謝罪の言葉を入れるべき
・中継の契約金を渋ったため、衛星放送枠では放映権(中継権)をWOWOWに独占されてしまった。なのに、地上波でこういう通常放送に支障をきたすことを、平気で行うのは如何なものか
コメント

藤井四段の29連勝に思う その3「対 増田四段戦②」

2017-07-06 15:18:53 | 将棋
(『藤井四段の29連勝に思う』 その1「要因」その2「対 増田四段戦①」の続きです)


 図は△2七角に対し3六の飛を3九に引いて、飛車金両取りを受けたところ。
 ここで、角を切って飛車を召し上げる手が見える(△4九角成▲同飛△3八金)。
 いわゆる俗手で、先に角金交換の駒損をするので、金で飛車を取っても、実質は飛車角交換である。しかも、その結果、先手は角と金を手駒に加わることになるので、感触はよくない。
 実際、角を切らずに△2六歩と力を溜め、次に△4九角成▲同飛に△2七歩成を目指した方が良かったという感想がある。

 ただ、ここまでの手の流れ(一旦、角を4二に引いたあと、8六で角交換を果たし、その足で飛車を8五に引いて銀取りで先手を取り角を打ちこむ)からすると、角切りに手が動くところだろう。
 ともあれ、△4九角成▲同飛△3八金▲5九飛△4八金と飛車を詰める。


 第6図、確かに上述の感触の悪さはあるが、飛車を排除することで斬り込んできた2四の銀は後押しを失い、脅威を感じない(5一の玉からも距離がある)。また、先手の持ち駒の2枚の角も有効な使い道がなさそうだ。
 対して、後手は飛車を打ち込めば先手の桂香を拾えそう。それに、いつでも好きな時に飛車を取ることができる。また、8五飛の潜在能力も期待できる(二段目に飛車の利きが通っているときに、△8七飛成が決め手となれば理想)。
 控室では「互角」「意外に先手も指せる」「後手が指せそう」と判断が分かれていたが、総じてやや「後手を持ちたい」棋士が多かったようだ。


 第6図より、▲2二歩△同金を利かして、▲7七桂と飛車取りに跳ねたのが第7図。
 8九に飛車の打たれるマイナスがあるが、プロ的には8九に飛車を打ちこむのはイモ筋らしい。8九は現在8筋にいる飛車が進む場所であるべきというのだ。

 それはともかく、△8二飛に▲6五桂で、第6図よりほぼ1手で8九の桂が6五に跳ねたことになる(8二に引いた飛車が後手玉の守りに働く可能性もあるが)。
 第7図になってみると、▲3一角の手段が生じており、5三の地点の薄みが露わになってきた。
 そこで、△6二銀と薄みをカバーするが、▲7五角と打たれてみると、5三を狙いつつ▲3一角成を見られて、なんだか雲行きがおかしい。
 幸い5三に打ち込むのに適した駒がない(角しかない)ので、▲3一角成を防いで△3二金と寄ったが……再度の▲2二歩!


 △2二同金は▲3一角成とされてしまうし、3二に戻したばかりの金を再び2二に追いやられるのは悔しい。
 そこで、△3三桂と逃げたが、こうなってみると、「2一にと金ができそう」「取り残されそうだった2四の銀が少なくとも桂と交換できる」というプラスの見通しが増えてきた。

 藤井四段は▲3三銀成△同金を決めてから▲1五角を放つ。

 ▲1五角は3三と4八の金の両取り。後手は好きな時に飛車を取れば良いはずだったが、強制的に取らされてしまった感がある。頭の丸い駒しかなかった先手だったが、手順に金を持駒に加えることができた。
 さらに、3三の金取りが残っているので、△3二銀と手を戻さなければならず、手番は藤井四段に。第6図以降、ずっと藤井四段だけが好きな手を指している。さらに▲5三桂打と畳み掛ける。


 打ち込んだ駒が桂なので、一見、緩く思われたが、▲3三角成△同銀▲4一金の詰めろ。
 玉の可動範囲を広げ、角切りに備えて3三の地点をフォローした△4三金上と受けたが、玉の近衛兵として守っていた5二の金が4三に離れていくのは正調とは思えない。
 ▲2一歩成!…△4三金を横目に見ながら、2二の歩が“と金”に昇格。


 第11図。先手は2枚の角と2枚の桂と歩(と金)で後手玉を包囲。角と桂と歩だけでは玉を寄せるのは難しいはずなのだが………しかも、持駒に金を保有している。
 増田四段も≪こんなはずでは……?≫と思っていたのではないだろうか?(感想戦では、△4九角成では△2六歩、最初の▲2二歩に対しては△3三桂、2度目の▲2二歩に対しては△6四歩と指した方がよかったとされた)

 以下、第12図の△6八歩など惑わす手を繰り出すが、藤井四段は正確に指し続け、着実にリードを広げていった。




 この将棋、おそらく中盤では増田四段がリードをしていたはずだ。
 そこからの藤井四段の指し回しが素晴らしく、あれよあれよと思う間に並びかけ、抜き去さってしまった。
 古い話になるが、『ビートたけしのスポーツ大将』のカール君が、挑戦者を抜き去った後、一気に置き去りにしたシーンを思い出してしまった。
 強い!
【終】
コメント (4)

藤井四段の29連勝に思う その2「対 増田四段戦①」

2017-07-03 14:37:24 | 将棋
『藤井四段の29連勝に思う その1「要因」』の続きです)
 世間であれだけ騒がれると、それに乗せられないように、連勝風景を横目で“チラ観”するに留めていた。忙しかったこともあるが、天邪鬼なのである。それでも、さすがに記録更新の一局は“ガン観”であった。
 前局・28戦目の澤田六段、本局の増田四段、そして、次局の佐々木五段と難敵が続く。

 増田四段は藤井四段が誕生するまでは最年少棋士(現在、10代棋士は両対局者のみ)。
 独自の棋理による主張を基に、固定概念や形に囚われない。読みが深く、“強い将棋”という印象がある。非公式戦ではあるが、「炎の7番勝負」で対局し、敗れている。本局には期するものがあるようだ。
 昨年度の新人王優勝。通算成績は82勝34敗(勝率0.707)。昨年度成績は34勝16敗(0.680)。本年度成績は8勝3敗(0.727)。


 角換わり腰掛け銀の出だしから、後手の増田四段が角道を止め、角交換を拒否。
 これに対し先手の藤井四段は、3七銀と早繰り銀を選択し、▲3五歩と突っ掛け戦端を開く。
 増田四段の陣立ても独特。「矢倉は戦法としては終わっている」というような発言をしていたらしいが、その言葉通り銀を4三に配し、雁木で迎え撃つ。雁木の定義は割と曖昧で、4三銀・5三銀・3二金・5二金型が基本形だが、5三の銀がいない形でも雁木と呼ばれる。私は、この基本形の雁木に美しさを感じる。居角のままで角も攻撃に参加でき、柔軟かつ破壊力も備えているので、よく採用する。しかし、5三の銀は攻め駒で、場合によっては5二の金も出撃。つまり、戦いが進むにつれどんどん薄くなり、玉も4一に居るため反撃を食らいやすい。
 その上、ゆっくりしていると、薄い2筋を突破されてしまう……………けっこう辛い思い出が多いように思う。

 それはともかく、△6二銀より△5二金右を優先させたのは、先手からの急攻を意識しており(6二銀型は壁形)、第1図は想定した局面と思われる。棋譜中継解説には、先後の違い(先手番で後手の陣形なので端歩を突いた1四歩型、5二金に代えて6二銀となった将棋を経験しているとのこと。
 ▲3五歩△同歩▲4六銀に、△3六歩とすれ違いの手筋で応じる。
 以下▲2六飛△4二角に▲2四歩△同歩▲3五銀と進んだのが第2図。この辺りは他にも指し方があるらしい。例えば△4二角では△4五歩と真っ向から迎え撃つ手も有力だったようだ。

 本譜の△4二角は△8六歩と飛車先の歩や角交換を見た手ではあるが、その先には、先手の早繰銀に対する側面攻撃を目論んでいた。
 第2図以下、△8六歩▲同歩△同角▲同角△同飛▲8七歩に△8五飛と引く(第3図)。

 第3図の△8五飛では、△8二飛や△7六飛なども有力だった。△8五飛は先手の3五の銀取りだが、▲2四銀を促しておいて△2五歩と飛車の横利きで△2五歩と先手の飛車を押さえるのが真の狙い。

 さらに増田四段は、▲3六飛に△2七角と打ち込む。(第4図)

 先手の早繰銀からの攻勢に対し、側面から反撃。手順を尽くしたカウンターだ。
 △2七角は飛車銀両取りだが、▲3九飛(第5図)で一応受かっている。

 第5図、攻め好きな人は、ある攻め筋が頭に浮かぶのではないだろうか?

「その3」に続く
コメント

藤井四段の29連勝に思う その1「要因」

2017-07-03 00:18:47 | 将棋
(“今さら”という気もしますが、ssayさんから圧力がかかり、いえ、後押しされて、書き始めた次第です)

 凄いことになっている。
 もちろん、29連勝、しかも、デビュー以来無敗というのは、とてつもない記録である。
 しかし、それよりも凄いのは、世間のフィーバーぶりだ。対局の日には、一日中、話題に取り上げられ、クリアファイルなどのグッズも瞬く間に完売。将棋教室も希望者が増え、盤駒の売れ行きも激増らしい。かく言う私も、しょっちゅう、「藤井くんって、すごいね」と話し掛けられる。

 藤井四段のグッズを買い求めている映像を見たが、とても将棋に興味があるとは思えない中年女性だった。マスコミが作った社会現象の性質が強く、“熱くなりやすく、冷め易い”世間の風潮を考えると、藤井四段が敗れた後は潮が引くように冷めていく気がしないでもない。
 しかし、今回のフィーバーで、将棋に関心を持たれたことは嬉しいし将棋界にとってもプラスである。また、将棋を始めた人(子ども)も多いようで、未来につながる大きな財産である。


 ところで、デビュー以来の連勝を11に伸ばして、これまでの記録を更新した時、ここまで記録を伸ばすとは全く予想していなかった。(羽生三冠や渡辺竜王のデビュー連勝は「6」)
 もちろん、注目はしていた。詰将棋選手権では、小学6年生の時から3連覇、四段昇段も史上最年少記録。しかも、三段に昇段したのが10月だったため、およそ半年間の足踏みがあっての記録だった。
 それでも、「そのうち負けるだろう」と思っていた。その理由は、三段リーグの13勝5敗という成績。立派な成績と言えるが、傑出した記録ではない。
 とにかく、三段相手に5回も負けているのだ。それが四段以上相手に勝ち続けるなんて考えられない(段位が棋力に比例していないのは、重々承知している)。

 …………どういうことなのだろうか?
 その要因は?(……と、ここまで書いていたら、藤井四段の敗色が色濃くなってきた)

Ⅰ.対局環境
 四段昇段で棋士となり、100%プロという立場で対局に臨める。この精神的充実が好影響を与えている。それに、プロの対局なので、対局環境(スペースなど)も奨励会の時に比べ、格段と良くなった。

Ⅱ.持ち時間
 NHK杯戦など早指しの対局もあるが、多くは奨励会の時より持ち時間が長い。
 詰将棋選手権3連覇のスペックは、持ち時間が短い方がより有利に働くようにも思われるが、読みのスピードだけでなく読みの量や正確さも兼ね備えているので、持ち時間が長い方が実力を安定して発揮できると考える。

Ⅲ.成長
 14歳の頭脳は、まだまだ、発展途上。対局を積み重ね、頭脳をフル回転させることが、脳力アップにつながる。
 精神的にも強くなり、経験値も増え、更に強くなった。(『炎の7番勝負』の経験も大きかった)

Ⅳ.将棋ソフトの活用
 スパーリング的使用をしているとしたら、それにより、基本的棋力(スポーツで言う筋力)がアップ。
 さらに、これまでの概念にとらわれない将棋の指し手や考え方を吸収した。

 定跡の研究や指し手の検証にも役立ち、戦型や局面の整理も容易になった。

Ⅴ.対局相手
 三段陣と公式戦の相手の棋力も検証しなければならない。

 『将棋連盟 棋士別成績一覧』というサイトがある。
 「棋士ランキング」のページを見ると、7月2日現在、
1 佐藤天彦名人 1883
2 豊島将之八段 1865
3 羽生善治三冠 1861
4 稲葉陽八段  1846
5 菅井竜也七段 1836
6 久保利明王将 1834
7 渡辺明竜王  1832
8 斎藤慎太郎七段 1815
9 永瀬拓矢六段 1811
10 糸谷哲郎八段 1796
となっている。
 羽生三冠の最高点は2003点(2014年7月5日、棋聖戦第3局で森内竜王を下し、3-0で防衛を決めた。これより少し前、森内名人を4-0で破り、名人位を奪取している)。ちなみに、2015年度終了時点では1912点(この後、佐藤天八段(当時)に敗れて名人位失冠し、大スランプに陥った。スランプではなく、棋力が衰えたという見方もある)。2016年度終了時点では1851点。

 このランキングには、「奨励会員」「アマ棋士」「女流棋士」も参考資料として算出している。すべての奨励会員(三段とは限らない)を一人の棋士として見なし、公式棋戦での棋士(四段以上)の対局を対象にして、奨励会員のレーティングを算出している。(同様に、アマ棋士、女流棋士のレーティングを算出)
 それによると、奨励会員は1547点で、83位伊奈祐介六段(1550点)と84位の真田圭一八段(1545点)の間に位置している。
 最下位が160位の1264点で、奨励会員より下位に位置する棋士が77人いることになる(48%)。ちなみに、アマ棋士は1400点で137位と138位の間、女流棋士は最下位より89点低い1175点。
 藤井四段の7月2日時点でのレーティングは1694点で34位。1500点からスタートし、194点も増やしている。本日(7月2日)、佐々木勇気五段に敗れ、1700点から6点マイナス。

 では、実際の対局相手を検証してみよう。レーティングは対局当時

1.12月24日 対 加藤九段1236(竜王戦6組)  
2.01月26日 対 豊川七段1436(棋王戦予選)
3.02月09日 対 浦野八段1344(竜王戦6組)
4.02月23日 対 浦野八段1340(NHK杯予選)
5.02月23日 対 北浜八段1661(NHK杯予選)
6.02月23日 対 竹内四段1544(NHK杯予選)
7.03月01日 対 有森七段1417(王将戦1次予選)
8.03月10日 対 大橋四段1555(新人王戦)
9.03月16日 対 所司七段1336(竜王戦6組)
10.03月23日 対 大橋四段1547(棋王戦予選)
11.04月04日 対 小林七段1594(王将戦1次予選)
12.04月13日 対 星野四段1527(竜王戦6組)
13.04月17日 対 千田六段1792(NHK杯1回戦)
14.04月26日 対 平藤七段1503(棋王戦予選)
15.05月01日 対 金井六段1508(竜王戦6組)
16.05月04日 対 横山アマ1442(新人王戦)
17.05月12日 対 西川六段1591(王将戦1次予選)
18.05月18日 対 竹内四段1536(加古川青流戦)
19.05月25日 対 近藤五段1705(竜王戦6組決勝)
20.06月02日 対 澤田六段1773(棋王戦予選決勝)
21.06月07日 対 都成四段1609(チャレンジ杯)
22.06月07日 対 阪口五段1505(チャレンジ杯)
23.06月07日 対 宮本五段1612(チャレンジ杯)
24.06月10日 対 梶浦四段1585(叡王戦予選)
25.06月10日 対 都成四段1608(叡王戦予選)
26.06月15日 対 瀬川五段1571(順位戦C級2組)
27.06月17日 対 藤岡アマ1419(朝日杯1回戦)
28.06月21日 対 澤田六段1762(王将戦1次予選)
29.06月26日 対 増田四段1712(竜王戦決勝トーナメント)

30.07月02日 対 佐々木五段1779(竜王戦決勝トーナメント)

 四段昇段後は、予選の一番下層から始まるので、当然、棋力が低い棋士と当たることが多く、奨励会員より下位の赤字の棋士の割合が多い。最初の12局では、北浜八段がやや手強い程度。
 各棋戦一年単位だが、予選スタートの時期が違うので、今後も予選の下層の対局もあるが、ここ最近は竜王戦予選決勝や決勝トーナメントなど、かなり手強い相手と当たるようになってきている。
 対局相手の内訳は、奨励会員より下位の棋士が29人中14人。極言すると15連勝と言える。
 手強い相手は千田六段、近藤五段、澤田六段(2局)、増田四段ぐらいだった。

 とは言え、29戦全勝。無敗というのは凄い。
 現行の学校は1クラス25人か30人かは分からないが、隣のクラス全員をやっつけてしまったことになる。
 まるで、仮面ライダーがショッカー隊員を次々に叩きのめしているようだ(失礼な例えで申し訳ありません)。


 残念ながら30連勝はならなかったが、長く続いたフィーバーから解放されて良かったような気がする。30年来の連勝記録の更新も出来たことだし。
 敗れた直後、各局の番組で速報テロップが流れたようだ。NHKの選挙速報でもテロップが流れ、その後、選挙速報を中断して、武田アナウンサーが記事を読み上げていた。やはり、社会現象(お祭り騒動)だなあ。

 願わくば、竜王戦以外の対局で敗れて、竜王位挑戦者決定トーナメントは落ち着いた状況で戦わせたかった。
 阿久津八段(1組5位)、久保王将(1組4位)、松尾八段(1組優勝)をなぎ倒して、挑戦者決定三番勝負を羽生三冠と戦うことになったら、無茶苦茶、盛り上がっただろうに……


【参考】羽生善治三冠の22連勝の記録(1992年)
1.04月10日 対 西川慶二六段 竜王戦2組ランキング戦
2.04月14日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
3.04月27日 対 森下卓六段 全日本プロトーナメント決勝五番勝負
4.05月01日 対 児玉孝一六段 王座戦本戦
5.05月29日 対 中村修七段 竜王戦2組ランキング戦
6.06月05日 対 内藤國雄九段 順位戦B級1組
7.06月12日 対 脇謙二七段 天王戦七段戦
8.06月17日 対 青野照市八段 王座戦本戦
9.07月03日 対 大内延介九段 順位戦B級1組
10.07月10日 対 佐藤康光六段 竜王戦2組ランキング戦
11.07月17日 対 桐山清澄九段 王座戦本戦
12.07月28日 対 郷田真隆四段 王将戦2次予選
13.07月31日 対 桐山清澄九段 順位戦B級1組
14.08月01日 対 安恵照剛七段 早指し戦本戦
15.08月03日 対 中原誠名人 竜王戦決勝トーナメント
16.08月13日 対 米長邦雄九段 王座戦挑戦者決定戦
17.08月20日 対 神崎健二五段 王将戦2次予選
18.08月24日 対 村山聖六段 竜王戦決勝トーナメント
19.08月28日 対 富岡英作七段 順位戦B級1組
20.08月30日 対 大山康晴九段 JT将棋日本シリーズ 
21.09月01日 対 福崎文吾王座 王座戦五番勝負
22.09月03日 対 瀬戸博晴五段 全日本プロトーナメント

× 09月05日 対 桐山清澄九段 棋聖戦決勝トーナメント

【その2】「対増田四段戦①」に続く
コメント (6)