英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『GOLD』 第4話(+第3話補足)

2010-07-31 21:43:18 | ドラマ・映画
 このドラマ、いくつかの要素が混在している。
Ⅰ悠里の教育論・母親論(テレビの討論、インタビュー、社員や水泳スクール生徒への訓話)。その回におけるテーマでもある。(一つとは限らない)
Ⅱ悠里の人生論(リカをやり込める問答)
ⅢⅠのテーマを展開(実践・実証)する読み切りドラマ
Ⅳ悠里とその子供や周辺の者たちを巡る連続ドラマ


 先日、発覚した大阪の姉弟置き去り事件(インターフォンを鳴らすだけなら誰でもできる)を知り、『GOLD』を思い出した。

 第3話(前回)のテーマのひとつが「少子化=少親化」。現代の少子化問題は根本的には少親化と言った方が良い。親になれない者は親になるな!
 親になる資質、あるいは覚悟がない者が親になっても、その子どもが不幸なだけで、今回の大阪の事件はまさにそうである。
 すべての血縁的親に子ども手当をばらまくのは税金の無駄遣い。親になる資格のある者を厚遇したほうが効率的。そんな親が子どもをたくさん育てればいいのだ。

 第4話のテーマはイジメ。
 画一的な環境ではリーダーが育たない。いろんな種類の人間がいる中で育った方が、ドラマチックな体験ができるし、人間的成長もできる。ガキ大将は暴力もふるった(イジメもあった)が、しっかり子分を守った。秩序が構築されていた。「愛すべきボス猿」だと。

 今回はそのテーマで相馬幸恵(賀来千香子)が登場。
 幸恵はパチンコに熱中して息子を死なせてしまったという過去を持っていた。その過去が発覚し、エステ内で波風が立つ。
 「そんな過去を持つチーフの下では働けない」「お客にこのことが知れたらマイナスになる」
 幸恵の苦しみやエステシャンとしての努力を知っている悠里は悩むが、今後、社内や仕事(客)からの中傷を受けることが予測できた悠里は、彼女に辞めてもらう決心をする。
 その矢先、幸恵の目に触れるところに「焼けただれた赤ん坊の人形が置かれていた。それを知った悠里は、全社員を集めて講釈する。

・世の中が便利になり、文明が進歩しても、人間の心だけは進化しない。
 (便利になった分だけ、心は退化している気がする)
・他人の過去を暴いて集団でいたぶるようなことも多い。何を言っても仕方がない。なぜなら、そういうことをする人たちの本質は変わらない。
 (そう決めつけるのでは、悠里が普段講釈すること自体、意味がなくなってしまう)
・自分(悠里)の周囲では、そんなことは許さない
・幸恵の当時の事情を説明、罪の重さを糾弾、彼女の悲しみ、彼女の印象(自殺するだろう)、彼女をどうしたら自殺させないか、彼女のその後の苦労、などを熱弁
・幸恵を責任者として留める。そのことに異議がある者は辞表を提出しろ
・エステシャンは技術だけでなく、他人をいやす想像力こそが大切。他の社員、人間も想像力を持って心を進化させるべきだ
 (「想像力」という表現はピンとこないなあ。もっと別の言葉(「心の豊かさ」とか)が
よかったのでは)


 と、ここまで、啖呵を切ったのに、幸恵の辞表を最後には受理してしまった。
 
 幸恵の主張
①(「誰も悠里に異を唱えて辞表を出す者はいないだろう」という言葉に対して)「彼女(エステシャン)たちは一般社員とは違う。個々の実力があり独立を目指している者もいる。彼女たちをつなぎとめておくには、彼女たちの意見を多く取り入れておくことにある。

 なんだか他の社員は、従順で技量がないと言っているようだ。
 エステシャンは我儘だと言っていて、その我儘を認めてやれと進言しているぞ

②まして、お客に知れ渡りでもしたら、当然不愉快に思われる方もたくさんいるはず。

 まあ、ここは痛い事実だろうね。しかし、「まして」という言葉のつなぎは変。

③彼女たちがひとり去り、ふたり去り、やがて立ちいかなくなるのは、自分にとって一番つらいことなのだ

 そういうエステ社員ばかりしかいないの?そんな奴らにはさっさと辞めてもらった方が、悠里が目指すモノに近づけるのでは?

 それに対し悠里は
「(解雇は)無理、全社員の前で宣言したのよ」

 そう、あれだけ見えを切っておいて、撤回する方が、今後の会社運営に響くのでは?

 引き留めることが無理だと悟った悠里が泣き崩れるが、今までの悠里のイメージにそぐわない。


 幸恵の退職という結末は、妥当で面白くないし、悠里らしくない。というか、彼女の今までの主張・信念がぶち壊し。

 リカが幸恵を見送るシーンで、幸恵の手を握って一緒に歩く子どもの姿(まぼろし)を見るが、これはいらない演出。
 結果的に幸恵を救えなかった罪悪感を、幸恵の子どもが彼女を許していて寄り添っているシーンを見せて、その罪悪感や不幸さを軽減させるための演出で逃げてしまった
としか私には思えない。

 悠里の信念や教育論などに共感していたのだが、それが折れてしまったように思えて、残念な回だった。



 個人的には、Ⅱの悠里とリカのコントが減ってしまったのも残念。
 あと、晶やカメラマン宇津木や金メダル云々はどうでもいいです。
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インターフォンを鳴らすだけなら誰でもできる ~大阪子ども相談センター~

2010-07-30 22:41:55 | 時事
 大阪市西区のマンションで幼児2人の遺体が見つかりました。二人は寄り添うように倒れていて、死後1カ月以上経っていたそうです。
 母親(23)は「ご飯をあげたり、風呂に入れたりすることが嫌になった。子どもなんかいなければいいと思うようになった」と供述していて、置き去りにすれば死んでしまうと承知したうえで、子どもを放置してマンションを出たらしいです。
 同じマンションの住民によると、この部屋やベランダからは、ごみが腐ったような異臭がし、1~2カ月前まで、夜中に子どもの泣き声がしていたとのこと。
 幼い姉弟のことを思うと、涙が出てきました。許せない母親です。


 実は、異変に気付いた住民が大阪市こども相談センターに異変に通報がされていたそうです。
 今年の3月30日に匿名の女性から
「子どもだけで住んでいるようだ。夜中に「ママ」と言って泣いている」という内容でした。
 さらに、4月と5月にも同じ女性から
「子どもの泣き声がするが、大人の声などがきこえないので、放置されているのではないか」という通報があったそうです。

 子ども相談センターは5回マンションを訪問したが、インターフォンの応答はなく立ち入り調査は行わなかったそうです。
 取材に対して、センターの所長は
「緊急性がある場合は夜間であろうが休日であろうが行くのですが、この場合、子どもの泣き声ということで、夜間にまで行くというふうな、その時点での判断には至らなかった。結果的にこういった事態になったことについて重く受け止めている」
と述べています。

 子ども相談センターならば、子どもの泣き声を軽視しするのはおかしい、怠慢。今回の場合、「夜中に子どもが泣いていて、大人の気配がない」という通報が数回あったことを考えると、悠長に構える状況ではなかったと思います。
 5回も訪れ、インターフォンを鳴らすだけなんて、怠慢としか思えません。

 実は、もっと糾弾したかったのですが、児童虐待やネグレクト(育児放棄)などの相談件数が急増していて、大阪市では前年の1.7倍だそうです。
 「負担は増える一方。このままでは燃え尽きてしまう」―。府内に6カ所ある府子ども家庭センターに勤める虐待対応の児童福祉司が声を落とします。「担当ケースは100件を超えます。帰宅中の夜10時すぎに携帯電話が鳴り、一時保護などを行う緊急出動のため戻る。翌朝までかかる場合もあります」という現場の声です。
 そういう事情だからと言って、今回の事態に至った言い訳にはならないと思いますが、行政に頼らず、近隣が手を差し伸べる「情」が大切だと思いました。

 参考 増える相談 足りぬ人員 (2009年11月24日(火)「しんぶん赤旗)
     児童相談所職員の慢性的人員不足(きょういくブログ 2009/11/25 (水))
コメント (20)
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『警視庁継続捜査班』 第2話

2010-07-29 23:27:48 | ドラマ・映画
 初回が(班長役の余さんの出来も)「あまりの出来」だったので、視聴をどうしようかと思いましたが、前回と違う脚本家さん(今回は長坂秀佳氏、前回は吉本昌弘氏)なので、一応チェック。

 今回は「う~んの出来」。前回ほどではないけれど、「う~ん」と首を捻りたくなりました。

 「雨の日の悪魔」が今回の犯人?で、前回が「金曜日の絞殺魔」。ちなみに次回は「満月の訪問者」……『金田一少年の事件簿』ですね。まあ、それはともかく、突っ込みどころが満載でした。

【あらすじ(番組サイト)】======================

貴志真奈美(木村佳乃)は、入院している父親・徳治郎(橋爪功)の見舞いに訪れ、「雨の日の悪魔」と呼ばれる殺人鬼の話を聞かされる。「雨の日の悪魔」は、十年前に4人の女性を殺害した。犯人の土蔵亀生は、事件当時、刑事だった徳治郎によって逮捕されて服役中に死亡し、事件は終わったはずだった。しかし、犯人が被害者女性たちの衣服から切り取った4つのボタンを発見できなかったことを、徳治郎は今もなお悔やんでいた。父の思いを目の当たりにした真奈美は、個人的に事件を調べようと決意する。

その矢先、「雨の日の悪魔」とまったく同じ手口の殺人事件が発生する。真奈美は事件現場に残された証拠からプロファイリングを行ない、今回の殺人には警察への抗議や挑戦の意志が込められていると分析する。そんな真奈美に対し、十年前に徳治郎と共に捜査にあたっていた刑事の福角恒男(矢島健一)は、土蔵は徳治郎の誤認逮捕だったと主張。潜伏していた真犯人が継続捜査班への挑戦として今回の事件を起こしたと言うのだが……。

果たして真犯人の正体とは? そして、失われた4つのボタンの行方は!?

===================================

ドラマとしての突っ込み
 これは視聴した多くの方が感じていると思いますが、主人公・真奈美の言葉によってしか捜査が動かない。家を解体したり、亀を解剖したり、10年前の証拠物を追跡したりして、前回のジョギングや屋上の雑談よりは改心しているようですが。
 一課が捜査しているかもしれませんが、鑑識の番号札の出どころとか、過去の現場をそっくり再現するにはかなりの時間を要するので目撃者をさがすとか、するべきことはあると思うのですが。

 さて、10年前と同一犯か模倣犯なのかが今回の焦点です。しかし、今回の犯人は鑑識の番号札まで再現しています。番号札を再現したのは、殺人予告の暗号に関係していたわけですが、真奈美自身も指摘していたように、「番号札を配置」「暗号」は警察への挑戦の意味合いを強く感じます。
 なので、10年前は単なる猟奇殺人、今回の殺人は挑戦性が高いと大きく異なっていて、両者は別モノに感じました。
 番号札を置いた方が事件の見栄えが良くなり、暗号も組み込めて面白さを増せます(こじつけの強い暗号でしたが)。しかし、それは表面的な面白さだけで、肝心な同一犯か模倣犯かの焦点がボケてしまいました。
 さらに「雨の日の悪魔」の再現なのに、雨の降らない日に犯行をする。多分、暗号で犯行予告をしたため、天候で犯行日を選べなくなってしまったからなのでしょう。だったら、10年前の犯行を雨に限定しなければいいのに。
 それとも、雨が降らなくて、無理やり雨の場面を作るのが難しいと前回で懲りたのかもしれません。

 今回の犯人の福角刑事の犯行動機も理解しがたいです。
 10年前、自分の意見を取り上げなかった真奈美の父を恨み、過去にふられたので容疑者親子を恨み、継続捜査班の班長になれなかったから班長や継続捜査班を恨んだとしても、刑事が連続殺人をするのはあまりにも人間として歪んでいる。仮にも刑事が何の恨みもない女性を手に掛けるなんて短絡的な脚本。「勧善懲悪」であるべきだとは言いませんが、あまりにも人の命が軽すぎます。
 それにしても、10年間もダミーの犯人をチェックしていたというのも不自然です。

 今回のもう一つの焦点「見つからなかったボタンの行方」ですが、
 10年前の犯人が飼っていた亀に食べさせていたわけですが(多くの視聴者は察しがついたと思います)、10年間も胃の中にあってあの程度の劣化で済むのでしょうか。だいいち、便として排出されてしまうように思うのですが……


 こうして書いていくうち、今回も「前回に劣らず……」という気がしてきました。
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『ハンチョウ ~神南署安積班~』 シーズン3 第4話

2010-07-27 20:33:26 | ドラマ・映画
 水戸黄門とローテーションを組む人情ドラマで、力を抜いて楽しんでみています。そんなわけで、取り上げることはめったにありませんでした。
 記事にするつもりで観ると、純粋に楽しめなくなりますからね。もともと、基本的には、記事にするつもりで観ているわけでなく、観ていてアラが目立ったり、感動したりして、キーを叩いています。
 『ハンチョウ』は、楽しみたいという気持ちと、特に目立ったアラがないという両面から、記事にすることは少なかったですが……

 今回は、3年前に養子縁組した義理の親子(主に母と娘)の絆がテーマです。(あらすじは文末)
 母は何とか真の母娘になりたいと思っているが、無意識に昔亡くした娘の代わりとして見てしまっていた。娘もそれを敏感に感じ取り、心を開いていなかった。
 そんな母娘が事件に巻き込まれ、絆を本当のモノとしていくというベタ名展開でしたが、『ハンチョウ』らしくてとても良かったです。
 特に、母が娘を傷つけていたことを悟り、亡くなった娘のピアノも捨てるといったのに対し、「ダメだよ。大切なおねえちゃんの形見なんだから」と言ったシーンは、素直にジーンときました。

 しかし、ドラマの前半部分の強盗(店長の狂言で、被害額?は80万円)は、後の誘拐(身代金1億円)との、犯行上の必然性はまったく内容に思え、安積班を親子に絡ませるためのお膳立てとしか考えられません。
 もし、狂言強盗の意義がお分かりの方は、ご教授下さい。

 あと、娘と同じ施設で育った兄的存在の共犯者、最後まで主犯に逆らえなかったのも個人的には反対。せめて、最後の最後で、主犯に逆らって妹を助けてほしかったです。



【あらすじ】(番組サイトより)

 ある日、神南署管内のゲームセンターで、売上金80万円が盗まれるという強盗事件が発生した。現場に駆けつけた安積(佐々木蔵之介)らは、犯人が被っていたと思われる覆面を店の裏口で発見。店の裏口には防犯カメラが設置されていたが、そのカメラは実はダミーだとわかると、落ちていた覆面から犯人を追跡すべく、警察犬の出動を要請する。そしてほどなく、サブロー号という警察犬が現場へ到着。自分と同じ名前の警察犬の登場に戸惑う須田(塚地武雅)を尻目に、安積は訓練士の辰巳(陽月華)と一緒に犯人の追跡を開始する。
 覆面のにおいを追って犯人を追跡するサブロー号は、しばらくすると、繁華街を抜け高級住宅街のある家にたどり着いた。安積はその家に住む奈保子(斉藤慶子)に事情を説明し、捜査協力をお願いする。承諾を取り付け家の中に入ったサブローは、二階にある娘・七海(浅見姫香)の部屋の前で止まった。奈保子が七海を呼ぶと、七海は目の前に現れた見知らぬ安積に驚くこともなく、「誰もいないよ!」と言い放つ。その言葉を受け部屋を調べるが、彼女以外誰もいなかった…。
 安積が署に戻ると、サブロー号の捜査の経緯を聞いた金子課長(田山涼成)が、無関係の家庭にたどり着くなんて、引退間際の警察犬だからだと不満を噴出させていた。そう、サブロー号の年齢は11歳で、人間なら70歳という老犬だったのだ。
 その後の聞き込みにより、奈保子は有名な料理研究家で、巷でカリスマ主婦と呼ばれるセレブだということがわかった。そんな金持ちが、高々80万円の強盗事件に関わっているとは思えない…という桜井(山口翔悟)に、完全にシロだとわかるまで捜査するべきだと、村雨がたしなめる。一方、七海の態度が気になっていた安積は、再び七海へ会いに行く。
 しばらくすると、安積ら強行犯チームの捜査線上に、半年前にゲームセンターを解雇された藤岡という青年(兼子舜)が浮かび上がる。この藤岡は、七海と関係がある人物だった。その関係とは? 七海はなにかを隠しているのだろうか!?
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『警視庁継続捜査班』 第1話 その2

2010-07-24 22:16:22 | ドラマ・映画
 昨日は記事を書いている途中、襲われてしまい(睡魔に)、記事を中断してしまいました。

 このドラマ、木村佳乃演じる貴志真奈美はプロファイラーで、彼女が主人公なので、当然プロファイリングを中心とした捜査が行われてしまうようだ。
 しかし、この構造こそ、このドラマの最大の欠点であるように思える。
 なぜなら、プロファイリングは捜査を補助するもので主体となるべきものではないから。もし、プロファイリングが主体となると、たった一人のプロファイラーの判断によって捜査方針が決めらることになり、誤った捜査がなされる危険性が生じる。

 番組ホームページの解説には、「プロファイリングとは、心理学のエキスパートが、犯行現場に残された証拠の数々から、犯人の性格・職業・育ってきた環境などを推測する操作方法のこと。プロファイリングで容疑者に当てはまる条件を推測すれば、犯人像を絞り込んで効率的に捜査を行うことができる」と記されている。
 そう、あくまでも推測なのです。「こういう犯人像である可能性が高い」というだけで、それを根拠に捜査方針を決めるのは捜査が誤った方向に行く危険性がある。心理学を信用しない訳ではないが、心理学の見地からというのも、かなり危うい。あくまで、捜査の補助であるべきだ。

★ドラマにおけるプロファイリング捜査の問題点・疑問点等

①ネットに投稿された殺人シーンを6年前の犯人と同一犯かを分析するが、「同じ左利き、絞殺方法が似ている、遺体の発見現場、爪を切りそろえているかどうか」などは、プロファイリングというより、科捜研や刑事の判断なのでは?

②遺体の頭部にポリ袋をかぶせたのは、髪の毛を濡らしたくなかったから、女性の髪の毛に執着(愛情)を持っているという点は、プロファイルしたと評価できる。雨・ポリ袋という共通点で、同一犯という可能性は高いが、断言するのは危険。

③ペンダントに映り込んだ被害者の姿を見つけて、犯行現場に鏡があったことを立証。これは、貴志の有能さを発揮させたのだと思われるが、投稿動画の解析度では無理だろう。それより、投稿動画から殺害現場の特定をするべきなのでは?

④ ③において「死体遺棄現場」に鏡があったことと、今回の「殺害現場」に鏡があったこととを共通項にするのはおかしい

⑤「鏡の役割」=「目」(←犯行を誇示する)という理論を展開。今回はより強力な誇示する道具のインターネットを得たことによって、鏡のかけらは必要なくなった。
 もっともらしい理屈だが、意味がよく理解できない。だいいち、あれだけ鏡にこだわったのに、鏡のかけらが要らなくなったって?

⑥遺体をマンションの屋上へ遺棄した点から、犯人はかなりの体力と推定した。確かにと言うか、得意げに話すほどではない。それよりも、目撃者を捜すべき。

⑦遺体発見の4日後、二人でジョギングとは悠長

⑧被害者の部屋の服から、殺害時の服装(ペンダント・ブラウス)は被害者の服ではないと断言……凄すぎる

⑨被害者に着せたブラウスとペンダントは6年前のモノだったことを突き止め、「近しい者の死、愛情を感じる、愛情をくれた者の死。被害者が着せられたものは、その女性の者だった」と推定。しかし、6年前死んだのは、犯人の母親なので、あのブラウスが母親のモノには見えない。

⑩いきなり、「犯人はカメラに精通している」と推定。根拠が薄い。

⑪ ⑩を受けて容疑者を断定する捜査陣も捜査陣である。もっと、地道に調査しろ!会議室にいて、貴志の思いつきを待っているだけなんて…

⑫牧口を犯人と決めつけ、逮捕の際、思い切り間違った決め台詞を言っていた彼女(貴志)って……

⑬牧口の状況証拠…6年間韓国にいた、優しい姉がいた、6年前カメラメーカーの野球部だった、左利き……凄い偶然というかこじつけと言うか。

⑭矢吹刑事(筒井道隆)に責められ、「(貴志のプロファイリングによって)罪のない高校生がなくなったのは事実、それに、今回も行方不明の女性を見つけられていない」と彼女は認めるが、「今回も間違えました」というべきだろう。

⑮ ⑭について新田刑事(井原剛志)が「人の命を救ったのは事実だ」と慰めるが、それって、「ヒョウタンから駒」というだけなのでは?結果オーライ?

⑯貴志と岩瀬刑事(平泉成)と屋上で雑談……そんな余裕はないだろう

⑰雑談中、「髪の毛」「鏡」のキーワードから「美容師」を思いつく…遅過ぎ!

⑱貴志の言葉で動き出す捜査班の面々、貴志が何か言わないと何もしないのか?

⑲犯人の妻の写真から監禁場所を特定したが、あの写真、後ろの倉庫がメインで妻は脇にいるだけ……非常に不自然

⑳監禁場所に踏み込む時、左腕負傷の女性と拳銃を撃てない刑事の組み合わせって、まずいのでは?

21)たいそうに三角巾をして、それが絡まって窮地に陥る主人公…不必要な見せ場


★その他の疑問点

①犯人が何故わざわざ第一発見者になったのだろうか

②余さんの演技がベタ過ぎ、刑事には向いていないのかなあ

③刑事モノの犯人は左利きが多い

④「6年前を思い出せ」というメッセージは、ミスリードのためのモノとしか思えない

⑤容疑者の牧口は、何故女性を監禁していたのだろう?それにしても、気の毒なほど狭い場所

⑥牧口家を捜査の時、それにリンクさせて真の被害者の様子を見せる演出はあざと過ぎ

 突っ込みどころがあり過ぎと思いませんか?
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『警視庁継続捜査班』 第1話 その1

2010-07-23 23:41:13 | ドラマ・映画
 書き応え(突っ込み応え)のあるドラマです。
 上戸彩の『絶対零度』がまともに見えました。

 内容に突っ込みを入れる前に、まず小手調べ。


 事件現場に到着した主人公・貴志真奈美(木村佳乃)が車から降りるシーン。
 事件解明のキーポイントのひとつが「死体遺棄~発見時の天候が雨」なので、激しく降っています。
 でも、妙に画面が明るいと思いませんか?

 そこで、数秒、時間を遡ります。



 画面の左側、死体が遺棄された建物側は、激しく雨が降っていて、路面も濡れています。
 しかし、画面右上(野次馬がいる辺り)は路面は乾いていて、人の影もはっきり映っています。

 さらに、数秒、遡ります。



 その野次馬の前を通るシーンです。
 人の影も車の影も、くっきりと映っています。

 天気なので、仕方がないと言えば仕方が無いのですが、見え見えの人工雨、初回冒頭シーンとしては、あんまりな画でした。

 まあ、内容が面白ければいいんですけど、内容が良ければ……

     …………人工雨に引けを取らない内容でした(続く)
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『GOLD』 第3話

2010-07-23 21:43:20 | ドラマ・映画
 前回も書きましたが、いろいろな要素があり、見えない部分も多いので、評価はしづらいです。最後まで見ないと評価が出来ないと思いますが、果たして最後まで見ることが出来るのか?

 ドラマのテーマは母としての行き方(悠里の考え方)、家族愛ではないかと。(「今更何を」と突っ込んでください)

 前回の見せ場は、息子の元彼女の妊娠・慰謝料騒動に対する悠里の大岡裁き(男前裁き?)で、爽快感があった。(不満・疑問はあったが)
 今回は、蓮見コーチが抱えるトラウマ(悠里の兄に対する遠慮)解消でした。演説・説教ぽくて、爽快感はなかった。晶(悠里の長女)の危うさ一杯の恋愛問題も爽快感の無さに拍車をかけた。

 リカ(長澤まさみ)をやり込めるシーン、オチ(丸山(バツ山)君が電話帳登録から消されていた)は抜群に面白かった。
 ところで、2話3話を見る限り、長澤まさみは悠里の恋愛論・人生論を展開するため、また話を進めるための小道具に成り下がっている感がある。
 『天地人』でも長澤まさみは不遇であった。長澤まさみが演じた初音は原作では真田幸村の妹という設定だが、架空の人物。しかも、年齢設定がおかしいという指摘(幸村の妹とすると兼続と肉体関係を結んだ時、10歳以下ということになる)を受け、放送期間内に「妹」から「姉」に変更された。
 ドラマ中も神出鬼没のくの一ということで、変な格好(オランダ人風)をさせられたり、一貫性の無い行動を取らされたりと、視聴者にも不評だった。どなたかのブログで「初音」=「カステラ」と揶揄されていたときは、思わず吹き出してしまった。

 それはともかく、私は長澤まさみファンではないので、悠里とリカのやりとりには楽しませてもらっている。

 今回、スイミングスクールの生徒たちに、
「たったひとつ、自分の得意なモノを見つけなさい。
 命懸けでやりなさい」
「何でも良いから、人に勝てる力を持て」
と説く。

 「たった一つの得意なもの」「何でも良いから」と言いつつ、
 スイミングスクールの生徒は親がいないので、必然的に水泳をがんばらなければならないわけで、しかも、勝たねばならない。
 前回、スポーツマンは「夢」とか「他者への愛も」と散々いっていたような気がするが……。
 生徒たちの境遇を考えると、甘いことを言えないし、蓮見に
「絶対に勝ちを譲ったりするんじゃない」と言う台詞を言わせたかったのだろうが、
これでは、生徒たちの人生観歪んでしまうのではと心配してしまう。

 まだまだ、見えない部分があるので、ドラマはこれからかもしれないが、今後視聴するかは微妙。

おまけの突っ込み
 晶に蓮見への恋愛感情を持たせるのは、選手を育てる点では有効かもしれないが、母親として娘を育てる点としては、はなはだ疑問。
 
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『GOLD』 第2話

2010-07-19 00:15:54 | ドラマ・映画
 第1話を観ていないので、ドラマのテーマや設定が把握できていません(第2話もたまたま観ました)。そのことを踏まえた上で、お読みください。

 主人公の早乙女悠里(天海祐希)は完璧な女性。厳しいですが優しさも兼ね備えています。厳しさが前面に出るので、付き合うにはしんどそうです。
 これを軽くするのが、新倉リカ(長澤まさみ)の立ち位置。甘ったれた若い女性のキャラで、長澤まさみはややミスキャストのようには感じます。榮倉奈々の方がイメージに合います。(正直に言うと、途中まで榮倉奈々だと思って見ていました)
 それはともかく、リカの考えが、悠里の理論に屈服していく様は面白いです。脚本家の好み(狙い)なのでしょうが、この部分は、余分に感じる方が多いかもしれません。
 悠里がリカちゃん人形マニアで、リカにアフレコさせるシーンも演出家(脚本家)の方針だと思いますが、流石に引いてしまいました。ギャップ萌えを狙ったのかもしれませんが。

 第2話のメインは、息子の別れた彼女が妊娠したと言って、父娘で慰謝料を求める。悠里は嘘と見抜くが、父娘の要求に応じ、1000万円の小切手を切り、彼女に差し出す。すんでのところで、彼女が嘘だと打ち明ける。
 悠里は、そういう嘘を娘につかせた父親の人品の低さを責め、彼女に父娘の縁を切るなら援助をすると提示。娘は「父は優しい人、今回は魔が差しただけ」と庇い、援助を断る。

 悠里はこうなることを予測していた。いろいろな対処法があるが、自分の家族を守るだけでなく、みんなを幸せにするというのが悠里のモットーで、芝居を打ったのだ。

 いやあ、見事な「大岡裁き」です。『離婚弁護士』を思い出しました。『新参者』のような人情ドラマだったのか。
 第1話を観ていないので、悠里、悠里の子どもたちが何故金メダルを目指すのかがわかりませんが、「金メダルを目指す設定って、必要なの?」とさえ思ってしまいました。

今週のいちゃもん
 「別れ際をきっちりして、素敵な恋愛にするのも大切」とリカに進められて、悠里の息子が彼女を追いかけ「ありがとう」と言うシーンがありました。
 その考えには反対はしません。しかし、父親にそそのかされたとはいえ、「妊娠した」と偽り慰謝料を請求したのは、父親と同罪です。別れた理由は知りませんが、そんなひどいことをした彼女に、「素敵な恋」で終わらせるのは甘過ぎ!
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『グッジョブ』

2010-07-18 22:41:55 | ドラマ・映画
 3月に録画しておいたのですが、先日やっと観ることができました。
 この記事を書くにあたり調べたところ、2007年に放送されていたそうです。松下奈緒の主演する『ゲゲゲの女房』が開始されるのを記念(番組宣伝?)しての再放送だったらしいです。
 3年前のドラマですが、違和感は全く感じませんでした。携帯電話や話に登場するOA機器に詳しい人ならば古いと感じたかもしれませんが。

 ドラマは「中堅の建設会社である「佐嶋建設」本社の営業二課が舞台である。「ハイパーOL仮面」と呼ばれる主人公・上原草子と周囲の人たちの関わりを快活に描いている」(ウィキペディアより引用)
 男性上位の古い会社の体質の中で、ヒロイン上原草子を中心としたOLの悩みと活躍を描いている。
 会社の存続や登場人物の人生を左右するような大きな出来事はなく、OL(営業補佐)日々直面する問題(ストレス)を解消していく様が心地よい。私が見ても男性上位の会社で、登場する女性たちは、男性社員の不注意や我儘な要求に振り回されることも多々。それでも、彼女たちはプロフェッショナルで業務をこなし、問題を解決していくのである。
 ちょっと出来過ぎのOL達、とくに主人公の草子は気配り満点、仕事も完璧過ぎで、視聴者視線で見るとスーパーオフィスレディで、「あり得ない感」が大きい。

 社内の人間関係をテーマとしたドラマといえる。私は会社勤めの経験がないので、すごく新鮮に感じた。
 新人OLに対し、いろいろ注意をするベテランOL。しかし、それが新人OL達には、嫌味な小言にしか受け取られない。30歳を過ぎると「口うるさいお局様」と揶揄されてしまう。
 煙たがれることを恐れ、新人OLの斉藤直を注意をしないでおく営業2課のベテランOL村田真子。しかし、それが直のためにも課のためにもならないと気づき、「注意しなかった自分が悪かった」と直に謝る。注意しないでおくというのは、新人のスキルが上がらないということもあるが、なによりその人を信用していないということだとも。

 第1話では、仙台支社から転勤してきたやる気満々の男性社員・黒木(徳重聡)が話の中心。黒木はOL(女性)は「男性社員に従えばいい」という古いタイプの人間。
 その彼に対し、草子は、仕事を頼む時は「お願いします」、仕事をしてもらったら、「ありがとう」というのが職場のルールで当たり前のことだと諭す。
 徐々に変わっていく黒木が面白かった。
 全5話で、黒木中心の話は1話と5話だけだったので、もう少し彼の出番(変化)が描いてほしかった。黒木と草子の絡みは面白い。

 その黒木、彼の担当した仕事でハプニングが起こる。
 着工日も決まりほっと一息ついていた彼のところに、工事の下請けの社長が怒鳴りこんできた。施主が下請けの会社を勝手に変更したのだ。施主の社長の娘婿が建築会社の社員だったのが変更の原因らしい。
 黒木は娘婿が建築会社の社員だったこと、そしてそれによる勝手な変更は施主に原因があり、自分は運が悪かっただけだと考えた。
 しかし、上司は
「着工期日が決まった後も施主のところに足を運んでいれば、こういう事態にならなかった。施主の専務や課長と世間話をしていれば、縁談の情報が得られたかもしれない。それに、下請け変更が避けられなかったとしても、怒鳴りこまれる前にこちらから謝りに行けたのではないか」
「君のミスだよ」

 いやあ耳が痛いです。
 私、「不運」という言葉で済ませがちです。
 失敗、ミスはいけないが、ミスをした後の分析・反省が大切ですね。


 このドラマ、社内(課内)の雰囲気、人間関係が重要だと説いている。
 一般的には、社員の能力。契約数などの業績、プレゼン能力や資料作成技能などが評価されるし、そういった優秀な社員が多ければ、その会社の業績もアップすると考えられがち。
 しかし、長い目で見ると、社内(課内)の人間関係や雰囲気が良ければ、こごの能力も発揮され、スキルもアップしていき、人間関係が重要だと思えてくる。



 3年も経っているので続編の可能性は低いですが、続編を希望します。
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参議院選挙結果感想

2010-07-16 22:03:07 | 時事
 「あ~あ、あの人、当選しちゃったよ」
 予想はしていましたが、実際に当選されると、がっかりです。当人についてもあれこれ言いたいのですが、それよりも当選させた有権者にがっかりです。

 それはさておき、「民主大敗」という評価。
 しかし、私の感覚では「思ったより負けなかった」です。鳩山首相の退陣のころは、内閣支持率はぼろぼろ、民主党にも不信感だらけでした。
 で、首相交代で、支持率は回復、その勢いで選挙に突入。
 ただ、そのままでは、普天間基地問題を筆頭に、衆議院選挙時のマニフェストの実現度の低さ、またマニフェスト自体も疑問視されてきていました。さらに金と政治の問題も大きなマイナスでした。
 そこで、管首相の持論「消費税率アップによる財政の立て直し」を持ち出したのです。折りしも、自民党も「消費税率10%」を提唱したので、これに便乗したのです。
 ライバルである自民党と同じ方針を打ち出せば、自民党には大敗はしない。国債の大量発行の現状を憂う声も多いので、そのことに真剣に取り組む姿勢を示せば、ある程度の賛同を得られるし、八方美人の鳩山総理との違いも表現できる。
 金と政治、普天間基地をはじめとするマニフェストの諸々のマイナスポイントを背負って選挙に臨むよりはるかに得策と考えたのでしょう。それに、選挙である程度の支持が得られれば、将来、諸費税率アップが実現できると。
 
 民主の敗因の大きな要素として、管総理が消費税アップを口にしたことが挙げられ、党内からも批判を浴びていますが、私は功を奏したと見ています。消費税率を争点にしなければ、もっと大敗をしていた可能性も大きいです。
 追い風要因として、サッカーのワールドカップや大相撲の野球賭博問題で、参議院選挙への関心が薄れ、マスコミの参議院選の取り上げ方も小さい。そのせいか、論点としては「消費税」のみに絞られていたようです。
 それでも、民主党があれだけ負けたのは、先に挙げた政権交代後の民主党のマイナス要素が大き過ぎたことによると考えられます。あと、「消費税率アップ」を打ち出した後の、管総理の発言に一貫性がなかったことも要因です。
 さらに、管総理の読み違いとしては、批判の対象としては「普天間基地問題」>「消費税率アップ」であるが、得票の影響力は「普天間基地問題」<「消費税率アップ」だと言うことです。沖縄県以外の者にとってみれば、「普天間基地問題」は他人事という者が多いのですから。(沖縄の皆さんごめんなさい)
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