第4期ヒューリック杯白玲戦
挑戦者の西山女流三冠が里見白玲を破り、四冠となった。
これで、西山女流が白玲・女王・女流名人・女流王将、里見女流が清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花と4冠ずつ保持することになった。
冠数は同じだが、序列1位は白玲なので西山四冠が序列1位となった。ちなみに、将棋連盟サイトのタイトル記載は、白玲・清麗・女王・女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花の順。西山四冠が1位、3位、5位、7位、里見四冠が2位、4位、6位、8位を保持。
全棋士におけるタイトル序列は、竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖の順。竜王と名人は別格で、タイトル保持数より竜王、名人の方が優先される(竜王が名人より優先)。
女流タイトルが、そういう慣例(例えば白玲一冠>女流三冠)になっているのかは、(私は)分からない。今後、里見女流四冠が西山女流四冠の保持するタイトル(白玲以外)のタイトルを奪取し、西山女流が白玲を維持した状態で里見女流のタイトル数が上回ることになれば、はっきりする。最短では女王戦でその可能性が浮上する。現在、ベスト8まで決まっていて、準々決勝は、上田女流四段-北村女流二段、堀女流1級-伊藤女流四段、大島女流初段-里見女流四冠、松下女流初段-加藤桃女流四段の組み合わせとなっている。
白玲戦の第7局(最終局)は、西山挑戦者の十字飛車の筋が炸裂し、西山女流が快勝。実戦では、里見白玲がその十字飛車を避けたものの、屈伏気味の手順を受け入れたため、勝負形に持ち込むことも出来なかった。素人見解だが、十字飛車を受け入れ、その代わり、十字に動いた飛車を捕獲する手で勝負したかった。銀をポロリと取られることになるが、その前に角銀交換になっていて、先手の飛車は角と刺し違えになる可能性大なので、“後手・飛車”対“先手・銀2枚”の2枚替えの駒損で済みそう。駒の振り替わりの後、後手は王手銀取りの駒損回復手段も残っている(それでも、先手が有利)
里見ファンとしては残念な結果だったが、捲土重来を待ちたい。
羽生情勢
前回記事(10月28日)より、3局対局進行。
10月29日 NHK杯2回戦(収録済) 対豊島九段
10月30日 王将戦リーグ戦 4回戦 対渡辺九段
11月 2日 銀河戦(収録済) 対藤井銀河 ⇐10月28(土)に無料プレミア公開で公開された(現在も公開中?)
一応、囲碁・将棋チャンネルの初回放送が11月2日なので、この記事では将棋内容や結果は書きません。
NHK杯トーナメントの対豊島戦は難解な攻防を潜り抜け、勝勢に。しかし、最近の羽生九段は、勝勢になってからも安心できない。詰みがあったり、寄せに行けば勝ちという局面でも読み切れず、決めそこなうということが多々。ただし、今回は自玉が受けなしなので、豊島玉を詰ますしかないので、方針ははっきりしている。とは言え、秒読み。しかも、通常の1分将棋ではなく、30秒将棋だ。
………最後の最後までヒヤヒヤしたが、豊島九段がきれいに頭を下げ、投了。
対豊島戦の勝利なので、ことのほか嬉しい。連敗を払拭する勝利だったが、よく考えると収録だった。収録日は9月25日とひと月以上前(NHK杯戦は対局後2か月後に放送ということもよくあった)。連敗前で復調の兆しでは全くない。
それはともかく、NHK杯戦の3回戦の相手は……永瀬九段。《また、永瀬かよ!》(呼び捨て、御免)
それにしても、《永瀬出現率、高くない??》、リーグ戦なので仕方がないが、王将リーグでも対局がある。
永瀬九段だけでなく、豊島九段、藤井八冠、それに、渡辺九段、佐々木大七段らとの対局も多い気がする。今年度は対永瀬戦3局(1勝2敗)、対藤井戦2局(1敗1未確定)、対豊島戦3局(2勝1敗)、対渡辺戦2局(1勝1敗)、対佐々木戦2局(2敗)。藤井八冠と最近のタイトル保持者、タイトル挑戦者との対局が、今年度の7か月で12局(4勝7敗、1未確定)は多いのではないだろうか。豊島九段とは、今後叡王戦でも顔が合いそうだ。
王将戦リーグの対渡辺九段は、相横歩取りの空中戦。互いの玉は中住まい。飛車は相振り飛車(向かい飛車)の配置。先手は8筋、後手は2筋を攻め突破を目指すという展開。中盤の形勢はやや羽生有利。羽生九段が7六に歩を設置している分だけ、勝ちやすいように思えた。
終盤の入り口、渡辺九段が▲8三歩と銀取りに歩を打ち、後手陣突破を図った手が厳しい手に思われたが、羽生九段は構わず△2七角成。これが、▲8三歩を上回る厳しさで、はっきり後手の手勝ちとなり、その後短手数で渡辺九段が投了。
珍しく、終盤のドキドキ感はなかった。うん、ドキドキなしの勝利は嬉しい。
これで王将位挑戦決定リーグは10月30日現在
永瀬九段(ランク3位) 3勝0敗
近藤誠七段(ランク4位) 2勝1敗
菅井八段(ランク5位) 2勝1敗
羽生九段(ランク1位) 3勝2敗
豊島九段(ランク2位) 2勝2敗
佐々木勇八段(ランク5位)1勝3敗
渡辺九段(ランク5位) 0勝4敗
(リーグの現状の成績はこちら)
2敗の羽生九段、豊島九段も挑戦の可能性があるが、全勝もしくは1敗の3棋士が2敗以上になるのが条件なので、挑戦権争いは、永瀬九段、近藤誠七段、菅井八段に絞られたというのが妥当だろう。(尚、渡辺九段のリーグ陥落が確定した)
……とは書いたが、そのくらいであきらめる私ではない(私があきらめなくても、挑戦権には何の影響はないのだが)。次の2点に望みを託す。
・羽生九段が永瀬九段戦を残している
・王将リーグはA級順位戦より厳しいメンバーなので、誰もが五分の星を残すのは難しい
現に多少調子を落とし気味とはいえ、あの渡辺九段が4戦全敗なのだから(昨年も1勝5敗でリーグを陥落している)、残りを近藤七段、菅井八段が3戦全勝で終えるのは難しい。
ただし、ここまで3勝0敗永瀬九段は、残り2勝1敗でよい(羽生九段にとっては、永瀬九段が2敗してくれないとダメ)。そこで、羽生九段-永瀬九段戦が残っているのが大きい。この一戦に、羽生九段が勝利すれば、永瀬九段も残りを1勝1敗なら羽生九段が追い付くことができる。
とはいえ、3棋士の内、1棋士でも3勝0敗や2勝1敗で切り抜けてしまうと、羽生九段の王将位挑戦は泡と消える。
……羽生九段の挑戦権獲得、または、プレーオフ進出は、悲観的に考えれば、厳しいが、楽観的に考えると、十分あり得る。まだ未消化の3回戦(実質4回戦)の菅井-佐々木勇戦で佐々木勇八段が勝つと、希望がやや大きくなる。
5回戦の永瀬-近藤戦は、挑戦権争いの大きな一局。どちらかが必ず1敗することになるが、どちらかが1勝を上げ挑戦権に近づくことになり、羽生ファンにとっては、“痛し痒し”だ。でも、永瀬九段が勝つと挑戦権に大きく近づくので、近藤七段が勝った方がありがたいと考える。
とにかく、陥落が決まってしまった渡辺九段と1勝3敗で挑戦の目はなくなってしまった佐々木勇八段には頑張っていただきたい(渡辺九段には近藤七段、佐々木八段には菅井八段、永瀬九段に黒星を付けてほしい)
私の願望はさらに強くなり、次のような妄想を抱いてしまった。
挑戦権やプレーオフが厳しい状況にもかかわらず……羽生九段の最終局・対永瀬戦に勝利すれば、他の勝敗具合によっては、羽生九段の単独1位の目もある!
英の妄想リーグ戦(あくまでも私の妄想です) 赤字の勝敗は私の願望
挑戦者の西山女流三冠が里見白玲を破り、四冠となった。
これで、西山女流が白玲・女王・女流名人・女流王将、里見女流が清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花と4冠ずつ保持することになった。
冠数は同じだが、序列1位は白玲なので西山四冠が序列1位となった。ちなみに、将棋連盟サイトのタイトル記載は、白玲・清麗・女王・女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花の順。西山四冠が1位、3位、5位、7位、里見四冠が2位、4位、6位、8位を保持。
全棋士におけるタイトル序列は、竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖の順。竜王と名人は別格で、タイトル保持数より竜王、名人の方が優先される(竜王が名人より優先)。
女流タイトルが、そういう慣例(例えば白玲一冠>女流三冠)になっているのかは、(私は)分からない。今後、里見女流四冠が西山女流四冠の保持するタイトル(白玲以外)のタイトルを奪取し、西山女流が白玲を維持した状態で里見女流のタイトル数が上回ることになれば、はっきりする。最短では女王戦でその可能性が浮上する。現在、ベスト8まで決まっていて、準々決勝は、上田女流四段-北村女流二段、堀女流1級-伊藤女流四段、大島女流初段-里見女流四冠、松下女流初段-加藤桃女流四段の組み合わせとなっている。
白玲戦の第7局(最終局)は、西山挑戦者の十字飛車の筋が炸裂し、西山女流が快勝。実戦では、里見白玲がその十字飛車を避けたものの、屈伏気味の手順を受け入れたため、勝負形に持ち込むことも出来なかった。素人見解だが、十字飛車を受け入れ、その代わり、十字に動いた飛車を捕獲する手で勝負したかった。銀をポロリと取られることになるが、その前に角銀交換になっていて、先手の飛車は角と刺し違えになる可能性大なので、“後手・飛車”対“先手・銀2枚”の2枚替えの駒損で済みそう。駒の振り替わりの後、後手は王手銀取りの駒損回復手段も残っている(それでも、先手が有利)
里見ファンとしては残念な結果だったが、捲土重来を待ちたい。
羽生情勢
前回記事(10月28日)より、3局対局進行。
10月29日 NHK杯2回戦(収録済) 対豊島九段
10月30日 王将戦リーグ戦 4回戦 対渡辺九段
11月 2日 銀河戦(収録済) 対藤井銀河 ⇐10月28(土)に無料プレミア公開で公開された(現在も公開中?)
一応、囲碁・将棋チャンネルの初回放送が11月2日なので、この記事では将棋内容や結果は書きません。
NHK杯トーナメントの対豊島戦は難解な攻防を潜り抜け、勝勢に。しかし、最近の羽生九段は、勝勢になってからも安心できない。詰みがあったり、寄せに行けば勝ちという局面でも読み切れず、決めそこなうということが多々。ただし、今回は自玉が受けなしなので、豊島玉を詰ますしかないので、方針ははっきりしている。とは言え、秒読み。しかも、通常の1分将棋ではなく、30秒将棋だ。
………最後の最後までヒヤヒヤしたが、豊島九段がきれいに頭を下げ、投了。
対豊島戦の勝利なので、ことのほか嬉しい。連敗を払拭する勝利だったが、よく考えると収録だった。収録日は9月25日とひと月以上前(NHK杯戦は対局後2か月後に放送ということもよくあった)。連敗前で復調の兆しでは全くない。
それはともかく、NHK杯戦の3回戦の相手は……永瀬九段。《また、永瀬かよ!》(呼び捨て、御免)
それにしても、《永瀬出現率、高くない??》、リーグ戦なので仕方がないが、王将リーグでも対局がある。
永瀬九段だけでなく、豊島九段、藤井八冠、それに、渡辺九段、佐々木大七段らとの対局も多い気がする。今年度は対永瀬戦3局(1勝2敗)、対藤井戦2局(1敗1未確定)、対豊島戦3局(2勝1敗)、対渡辺戦2局(1勝1敗)、対佐々木戦2局(2敗)。藤井八冠と最近のタイトル保持者、タイトル挑戦者との対局が、今年度の7か月で12局(4勝7敗、1未確定)は多いのではないだろうか。豊島九段とは、今後叡王戦でも顔が合いそうだ。
王将戦リーグの対渡辺九段は、相横歩取りの空中戦。互いの玉は中住まい。飛車は相振り飛車(向かい飛車)の配置。先手は8筋、後手は2筋を攻め突破を目指すという展開。中盤の形勢はやや羽生有利。羽生九段が7六に歩を設置している分だけ、勝ちやすいように思えた。
終盤の入り口、渡辺九段が▲8三歩と銀取りに歩を打ち、後手陣突破を図った手が厳しい手に思われたが、羽生九段は構わず△2七角成。これが、▲8三歩を上回る厳しさで、はっきり後手の手勝ちとなり、その後短手数で渡辺九段が投了。
珍しく、終盤のドキドキ感はなかった。うん、ドキドキなしの勝利は嬉しい。
これで王将位挑戦決定リーグは10月30日現在
永瀬九段(ランク3位) 3勝0敗
近藤誠七段(ランク4位) 2勝1敗
菅井八段(ランク5位) 2勝1敗
羽生九段(ランク1位) 3勝2敗
豊島九段(ランク2位) 2勝2敗
佐々木勇八段(ランク5位)1勝3敗
渡辺九段(ランク5位) 0勝4敗
(リーグの現状の成績はこちら)
2敗の羽生九段、豊島九段も挑戦の可能性があるが、全勝もしくは1敗の3棋士が2敗以上になるのが条件なので、挑戦権争いは、永瀬九段、近藤誠七段、菅井八段に絞られたというのが妥当だろう。(尚、渡辺九段のリーグ陥落が確定した)
……とは書いたが、そのくらいであきらめる私ではない(私があきらめなくても、挑戦権には何の影響はないのだが)。次の2点に望みを託す。
・羽生九段が永瀬九段戦を残している
・王将リーグはA級順位戦より厳しいメンバーなので、誰もが五分の星を残すのは難しい
現に多少調子を落とし気味とはいえ、あの渡辺九段が4戦全敗なのだから(昨年も1勝5敗でリーグを陥落している)、残りを近藤七段、菅井八段が3戦全勝で終えるのは難しい。
ただし、ここまで3勝0敗永瀬九段は、残り2勝1敗でよい(羽生九段にとっては、永瀬九段が2敗してくれないとダメ)。そこで、羽生九段-永瀬九段戦が残っているのが大きい。この一戦に、羽生九段が勝利すれば、永瀬九段も残りを1勝1敗なら羽生九段が追い付くことができる。
とはいえ、3棋士の内、1棋士でも3勝0敗や2勝1敗で切り抜けてしまうと、羽生九段の王将位挑戦は泡と消える。
……羽生九段の挑戦権獲得、または、プレーオフ進出は、悲観的に考えれば、厳しいが、楽観的に考えると、十分あり得る。まだ未消化の3回戦(実質4回戦)の菅井-佐々木勇戦で佐々木勇八段が勝つと、希望がやや大きくなる。
5回戦の永瀬-近藤戦は、挑戦権争いの大きな一局。どちらかが必ず1敗することになるが、どちらかが1勝を上げ挑戦権に近づくことになり、羽生ファンにとっては、“痛し痒し”だ。でも、永瀬九段が勝つと挑戦権に大きく近づくので、近藤七段が勝った方がありがたいと考える。
とにかく、陥落が決まってしまった渡辺九段と1勝3敗で挑戦の目はなくなってしまった佐々木勇八段には頑張っていただきたい(渡辺九段には近藤七段、佐々木八段には菅井八段、永瀬九段に黒星を付けてほしい)
私の願望はさらに強くなり、次のような妄想を抱いてしまった。
挑戦権やプレーオフが厳しい状況にもかかわらず……羽生九段の最終局・対永瀬戦に勝利すれば、他の勝敗具合によっては、羽生九段の単独1位の目もある!
英の妄想リーグ戦(あくまでも私の妄想です) 赤字の勝敗は私の願望