カンボジア経済

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カンボジア最低賃金 今後5年間の引上計画に合意

2013年12月27日 | 経済
 カンボジア政府は、縫製業等に適用される最低賃金を、これまでの80ドル/月から、今後5年間、毎年引き上げていくことを決定し、12月24日に発表しました。この計画では、2014年4月1日から95ドル(18.8%増)、2015年110ドル(15.8 %増)、2016年126ドル(14.5%増)、2017年143ドル(13.5%増)、2018年160ドル(11.9%増)と、毎年最低賃金を引き上げていく予定です。この合意は、政府代表、使用者側代表、労働者側代表の3者で構成する労働諮問委員会で合意されたものです。
 野党の救国党では選挙時の公約で150ドル、現在は160ドルへの即時引上げを求めており、労働組合の一部も今回の合意に満足せずストライキ等を行っています。救国党のサム・レンシー党首は、ベトナム国境近くのバベットのマンハッタン経済特区、タイセン経済特区で、賃金即時引上げを求めてストライキを続けようと演説し、これらの経済特区内の日系企業も生産停止等の大きな影響を受けつつあります。しかし、一度に賃金を倍増させるというのは現実的ではなく、5年間かけて順次引き上げていく明確な計画に政労使が合意した意味は大きいものがあります。
 日本貿易振興機構(JETRO)の最近の調査によれば、製造業・作業員の年間実負担額(本給、諸手当、社会保障、残業、賞与などの年間合計。退職金は除く。)は、カンボジアでは2013年時点で1764ドルとなっています。これは、中国7503ドル、タイ6936ドル、インドネシア4156ドル、フィリピン3922ドル、ベトナム3000ドル、ラオス2292ドル等の周辺国と比べてみても格段に低いものがあります。これらの周辺国でも賃金の急速な上昇が見られており、カンボジアの相対的な低賃金は引き続き優位性を維持するものと見られます。



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