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カンボジア経済

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海上自衛艦 カンボジアのリアム海軍基地に初寄港 中国を牽制

2025年04月28日 | 経済
  4月19日、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」と掃海艦「えたじま」は、カンボジア南西部のリアム海軍基地に寄港し、歓迎式典が開かれました。4月5日に、リアム海軍基地の改修工事の完工を記念する式典が開催された後で、初の外国艦艇の寄港となります。
 リアム海軍基地では、中国支援による改修工事が2022年から行われていました。カンボジア側は、今回の工事は、同基地の「近代化」を念頭に置いたものであり、乾ドック、埠頭、船台といった設備の建設・改修を行うものとしています。他方、米国等は、カンボジアと中国がリアム海軍基地の利用に関して秘密合意を行っていると批判しており、中国軍の拠点拡大の兆候として警戒しています。
 現状では、直ちに中国海軍の軍事拠点となっているとは言い難いものの、中国海軍の艦船がほぼ常駐しているのが実態です。このリアム基地はタイ湾の湾口を押さえる重要な戦略拠点となりうる場所にあり、万が一にもこの基地が中国の手に落ち、中距離ミサイル等を配備された場合、タイや周辺諸国との海上サプライチェーンの安全保障に重大な脅威となりかねません。また、3300メートル級の滑走路を有する空港が近いこともあり、航空輸送で展開可能な電子戦部隊の進出等も危惧されます。
 フン・マネット首相は、「リアム基地で一緒に訓練をしたいと望むすべての友好国を歓迎する」「いかなる隠された意図もない」と強調していました。カンボジアは、米国の疑念を少しでも晴らすために、日本の海上自衛隊の早期寄港を要望していました。日本の岩屋外務大臣も、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を実現していく方針の下、リアム海軍基地が、世界に向けて開かれた基地になる一助となるということを期待している」としています。
 カンボジアとしては、中国軍進出疑惑の払しょくを目論んでいるものと見られますが、米国トランプ政権は、関税政策でもカンボジアに非常に厳しい態度をとっており、リアム基地の取扱いはカンボジアにとって非常に重要なものとなりかねません。米中対立激化の中で綱渡り外交を続ける小国カンボジアにとって、慎重な対応が必要な状況と見られます。
(写真は、リアム海軍基地に寄港した海上自衛艦。海上自衛隊のXより)

海上自衛隊のX
https://x.com/JMSDF_PAO/status/1913759531756302767


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