カンボジア経済

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環状3号線着工 中国からの借入で

2019年01月30日 | 経済
 1月14日、プノンペンの郊外をぐるりと取り囲む形の道路となる環状3号線の起工式がフン・セン首相も参加して開催されました。この事業は、総工費2億7300万ドルのうち、2億5900万ドルは中国政府の借款により賄われます。建設は中国の上海建工集団が建設を請け負うとしています。今回の事業は、延長約53キロメートル、片側2車線、コンクリート舗装の計画です。工期は42カ月の予定ですが、2021年末の開通を目指すとしています。
 環状3号線は、国道1号線の新プノンペン港付近からスタートして西に向かい、バサック川を越えて国道21号線と交差し、ワールドブリッジ経済特区の南を通り、国道2号線と交差、北西に向かって国道3号線と交差した後、北に向かい国道4号線を越えて、ロイヤルゴルフコースの前を通って向きを東に変え、国道5号線に連結し、プレックプノウ橋でトンレサップ川を渡り、ガーデンシティゴルフコースの前を通過して国道6号線に至る道路となる計画です。このうち国道4号線~国道5号線部分は片側2車線への拡張・コンクリート舗装工事が最近ほぼ完了しました。また、国道5号線~6号線部分も一応の整備が完了しています。今回、中国が対象とするのは南側の1号線から4号線までの部分になります。
 なお、新プノンペン港近辺からメコン河を渡る橋を建設し、対岸の「プノンペン~ベトナム高速道路」の起点と連結する計画もあります。
 現在、渋滞対策の観点から朝5時から夜9時まで大型車のプノンペン中心部への進入を禁止しています。環状3号線は、拡大を続けるプノンペンの外側を通り、プノンペン市内への流入量を削減してプノンペン市内の渋滞を抑制するとともに、主要国道とプノンペン新港を連結する観点からも重要な道路になるものと見られます。また、プノンペン都では、プノンペン市内の工場や倉庫を将来的に環状3号線外側に移転していくという意向を表明しています。
 しかし、本事業の実施には、相当の土地取得が必要で、多くの住民移転も見込まれます。中国の支援であることもあり、環境保全や住民移転計画等が、事業主体であるカンボジア政府によって精査され、十分な配慮をもって実施されることが望まれます。


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