赤児の手をヒネる如くに、プーチンの思い通りに交渉が終わった。日本からの投資を引き出すことが目的のロシア、日本は、もっとも期待を寄せていた領土については、何の成果も得られなかった。それどころか、この問題の解決はもうないと思われる状態さえ作り出した。
本来の問題の立て方からして、北海道の一部である歯舞、色丹と千島列島の択捉、国後を一緒にしたことから問題があるという。いずれにしても、領土問題は、国家の基本問題だが、交渉などでは、片がつかない、と思い知らされた。では、武力行動か、そんなことを考える向きもでてくるだろう。
トランプの登場で、事態が変わるとみて、プーチンは強気できている。ロシアに制裁さえどうなるかわからないなかで、経済的なつながりを持つことを、国際的にも容認されるとの見方が背景にあるのかもしれない。
制裁のなかで、日本だけがロシアを助けるような行為をすることを世界はどう見るかについて、そう考えているのだろう。今度のことで、何事か進展するとすれば、経済活動ということになるが、はたして、それが日本にとって、いいことなのかどうか、このまま、何も変わらないということになるのか、問題は続く。