極めるということ

どんな分野でもいいのだが、極めることができれば、これは強い。絶対に負けないツールを持っているとすれば、人生において完全に勝利者である。

その分野での競争になれば、必ず勝てるのであり、その土俵に相手をのせさえすれば勝てることになる。その意味で、密かに腕をみがき、とんでもない分野で、まだ見ぬ敵を待ち構える。

その土俵に、相手が登ってきたときがチャンスである。どんな分野、どんな手法にも対応するスキルを準備しているとすれば、絶対に相手に勝てる。

そういう勝負は、しょっちゅうやるわけにはいかない。肝腎要の時にやるのである。ところで、どんな分野にそれは存在するだろうか。

特技というものは、上には上がいて、自分が一番だと思って、名乗りを上げると、得てしてとんでもないのがいたりする。

そして、自分が一番などということは、まずないとみていい。従って通常は、謙虚にしているのである。絶対に自分が勝てるとなれば、人は、媚びたりしないし、愛想笑いもしない。

そのかわり、本当に強くなった場合は、徹底的に優しくなれるのでないだろうか。戦うべき相手がいないのだから、保護する側に回るほかない。その人は、そこ以外にいる場所はない。

従って、本当に、優しい人を見れば、それは、本当に強い人であるということなのだ。こうして、人を見極めることができる。