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新コミュニケーション論

2012年12月14日 | 人間関係
一般的にコミュニケーション能力(communication ability)とは、

「他者とコミュニケーションを上手に図ることができる能力」を指し、


これに対してコミュニケーションスキル(communication skill)とは、

人と人の間でコミュニケーションをとる方法・手法・テクニックを理論付けし、

検証を行い技術または知識としてまとめたものである。


つまり、コムにケーションスキルはコミュケーション能力を高めるための手段。



それには、話し方、聴き方などの手法として


「相手の話の内容や感情に理解を示す」とか

「相手が受け入れやすい伝え方」

「伝わる話し方」

相手に納得・合意してもらう「説明力」を身につけるなどといった

抽象的方法論が多い。




これらは日本人同士では有効かもしれない。


だが、多様性を持ったグローバル社会においては通用しないことが多い。


へりくだった言い方や、

持って回ったような回りくどい言い方では

曖昧模糊として何を言いたいのかが相手に伝わらない。


相手を気遣った建前論だけではなかなか通じないのだ。



日本語でのコミュニケーション技法と

英語によるそれとでは大きく異なる。


英語で話す場合は、日本語に比べてストレートな表現が多い。



いきなりとは言わないが、まず本音で語ることだ。

自分の心、本心を吐露することが案外効果的だ。


意外とプライベートなことを述べる方が相手の心を打つ場合が多い。

それには自分の恥を包み隠さず話すことだ。


人に恥をさらすことは非常に勇気のいることだが、

誰しも同じような悩みを抱えているものだ。


だからこそそうした気持ちを抱く人に共感を覚える。



交渉ごとは強気で攻めまくることもいいが、

時には弱音をポロリとはくと、相手の心に響きやすい場合がある。



だから、

困ったことは困ったとはっきり言おう。

出来ないことは出来ないと言おう。


ただ、それでもなんとかしたいと思ったら、その気持ちを正直に伝えよう。


感動したら少しオーバーなくらいに表現しよう。

苦しかったら、その苦しい胸の内をとつとつと語ろう。


こちらから胸襟を開き相手の心に訴えかければ、相手の心の扉も開いてくるだろう。


そのあためには、話す(speach)、喋る(tell/say)というより、「語(talk)」るといった方が適切かもしれない。


そうした本音の会話こそが、多様性の壁を打ち破ってくれる。



たとえ、考え方が違おうと、文化が違おうと、習慣が違おうと、

宗教観が異なろうと、人間は本質的には同じだと思う。


そうした英語のストレートな表現方法を身につければ

日本語の会話力、コミュニケ―ション能力も自ずと高まってくるものではないだろうか。



まずは自ら「心を開く」ことだ。




【補足】

コミュニケーションにかかわらず、

どんな能力においても

スキルだけを磨いても、相手の心に届かないことが多い。


何かにつけスキルアップを身に着けようとセミナー漬けの人がいるが

いくら受けてもさほど効果を上げることは少ないだろう。


技術的理論をいくら学んだところで

感情の動物である人間の本質を知らなければそれは画餅のすぎない。


人は機械やロボットではないのだから。



【補足の補足】

感情を表す方がいいのか否か。


喜怒哀楽といった感情(emotion)には

相手に受け入れやすいものとそうでないものがある。

あの人は感情的だと言われる時、

あまりいい意味では使われない。


つまり怒りっぽい、ヒステリックだという意味合いが強い。

怒りや嫉妬、憎悪、怨念といった感情は抑えた方がいい。


ただ、悲しみや苦しみといったものはさりげなく伝え、

喜びや感謝の気持ちは体いっぱいで表現する方がいい。



弱みや恥をさらすことは決して恥ずかしいことでない。

むしろシャーデンフロイデ(注釈1)といった感情を相手に与える。


同時にサウダージ(注釈2)といった気持を呼び起こすこともある。



ただし、気分(mood)屋だと言われてはならない。

同じ現象でもその時によって感情が左右されるようでは、

信用されることはないだろう。


コミュニケーションの基本には、「信用」、「信頼」そして「尊敬」といった根幹が横たわっている。



(注釈1)シャーデンフロイデ:

他者の不幸、悲しみ、苦しみ、失敗を見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。

ドイツ語で「欠損のある喜び」「恥知らずの喜び」の意味である。

日本語で言う「様を見ろ」の感情であり、

日本でのシャーデンフロイデの類義語としては

「隣(他人)の不幸は鴨(蜜)の味」、

同義の「メシウマ((他人の不幸で)飯が美味い)」が近い物として挙げられる。




(注釈2)サウダージ:

サウダージ(Saudade)は、ポルトガル語で、

郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合いを持つ。