デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

ふくろこうじソロ公演『出口あり』

2007-09-27 14:03:16 | 観覧雑記帳
公演名 ふくろこうじソロ公演 『出口あり』
作・演出・出演 ふくろこうじ
観覧日 2007年9月27日午後7時半から(終演午後8時40分)
会場 plan B

こうじ5年ぶりのソロ公演。5月に会ったときにplanBを9月に抑えているという話しは聞いたのだが、どんな内容になるのか、まったく知らないままチラシが届いたのが、1週間前。相変わらずのマイペースである。
このところフール祭のオムニバス、フールBでずっと椅子をテーマに取り組んできたこうじが、椅子から離れて取り組んだのが、今回の『出口あり』である。ホームレスの主人公が、「靴」、「ペットボトル」、「段ボール」、「ロープ」、「ぬいぐるみ」、「板切れ」、「カン」などを相手に、不思議な空間をつくっていく。相変わらずモノをつかわせるとうまい。発想の転換と飛躍、それが「遊ぶ」精神の中から生まれている。そしてクラウンにとっては重要な「笑い」の文法ともいうべき、自ら困難を招き、それをどう克服するのかを丁寧に演じていた。身体も思い切り使っていた。あっという間の1時間ちょっとであった。『出口あり』というタイトル通り、椅子の呪縛から解き放たれ、自由に演じる中で、ひとつの道を見つけたのではないか。
椅子という存在の単純さ、しかしそれがステージにあるだけの重さ、それをテーマにするなかで、その存在を説明、あるいはそれをどう使うのかという状況をつくることの難しさに、ずっと向き合ってきたのだと思うが、今回の作品では、ステージに乱雑におかれたモノとどう遊ぶかだけに専念できたことが大きかったのではないだろうか。ホームレスの家というだけで、状況がすでにあった、状況をつくらなくとも良かったというのが、出口を見つけるヒントになったのではないかと思う。

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三雲いおり稽古を見る

2007-09-27 11:04:11 | お仕事日誌
横浜市内のスポーツセンターで来月16・17日シアターΧでソロ公演をする三雲いおりの稽古を見る。公演まで2週間以上あるので、作品自体はまだ練っている最中かと思っていたのだが、通しでやって見せてくれた。ほぼできあがっていた。この公演をサラの状態で見たい人がたくさんいるだろうから、あえて内容については触れない。でもいい作品になるそんな手応えは、感じた。演じる三雲自身もそれは感じていると思う。構成自体がすっきりしているので、笑わせるポイントが明確になっている。前回のフール祭のオムニバスとか、フールBで20分程度の作品をつくっていたときは、笑いをつくりだす状況設定を説明するのにずいぶんと回り道してしまい、肝心のどこで笑わせるかというところが、ともすればぼけてしまったところもあったが、今回は状況設定の説明をしなくても、ストレートに笑いに入ることができる。ひきこもりの息子、ちょっと乱暴でアクティブな母、そして酔っぱらいの父と三つのキャラクターがはっきりと設定されていることが、シンプルな構成になり、より笑いの核心へ迫っていくことができたのではないかと思う。
エンディングとかつなぎとかで、まだ工夫は必要だし、ネタによっては、もっともっと突っ込んでやってもいいものもあるし、それはこれからの稽古でどんどん厚みを増してくるに違いない。
いまの時点で、いろいろステージものをつくってきた三雲の集大成になるような気がする。ぜひ多くの人に見てもらいたい作品である。

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