近鉄電車の路線のうち、三重県四日市市内を走る「内部線」と「八王子線」が、今月(3月)末日をもって近鉄本体から経営分離されることになっています。
平たく言えば、近鉄の〝路線廃止〟ですが、電車運行の存続は決まっており、4月1日から同線の運営は新会社「四日市あすなろう鉄道」に継承されます。
◎近鉄から経営分離される線区
・内 部 線(うつべせん) 近鉄四日市~内部間、5.7km
・八王子線(はちおうじせん) 日永~西日野間、1.3km
※内部線の「近鉄四日市」駅は、4月1日から「あすなろう四日市」駅に改称される予定だそう。
↑再掲画像。
近鉄内部線・八王子線の電車。一昨年の秋に西日野駅で撮影したもの。
いま、近鉄の総営業距離は、何km?
内部線5.7km+八王子線1.3km=計7.0km が、今月末で近鉄線から分離されるのです。
これでまた、近鉄電車の総営業キロが短くなってしまうわけやね。
◇ ◇ ◇
ところで、現在、近鉄日本鉄道の総営業キロは何kmあるのでしょうか?
近畿日本鉄道のホームページを見ると、508.1kmと出ています。
これが正式な総営業キロです。
いつの間にか、近鉄線はずいぶん〝小さく〟なってしまったんやね~。
私が中学生になったのが昭和60年(1985年)のことですが、その当時の近鉄線の総営業キロは585.0kmでした。
そして、昭和61年に当時の線名「東大阪線」が開業し、生駒~長田間10.2kmが近鉄線に加わりました。
585.0km+10.2km=595.2km
っていうのが、中学・高校生のころの私が〝しっかり暗記していた〟近鉄の総営業キロでした。
『近鉄は、路線の距離が日本一の私鉄なんやで』
『へぇ、何キロぐらいあるの?』
『595.2km、やがなー!』
(そこまで細かく訊いてへんのに)
…と、思われていたかどうか分からないけど、当時の私は、この営業キロは迷うことなくスッと言えてましたね。
けれど、その595.2kmが、歳月を経て、今では508.1kmにまで〝縮小〟してしまっているんやね
ほんまに、『いつの間に、近鉄はこんなに小さくなったんだろう…』って思います。
【備忘録】
かつて595.2kmだった営業キロが、現在の508.1kmに至った経緯(過程)を書き留めておきたいと思います。
・1986年(昭和61年)10月
東大阪線(当時の線名)10.2kmの開業により、近鉄の総営業キロは595.2kmになった。
・1992年(平成4年)10月
大阪線で線形改良により営業キロ改定。0.1km短縮。(新玉手山トンネル使用開始等)
・1993年(平成5年)1月
生駒線で線形改良により営業キロ改定。0.2km短縮。
・1993年(平成5年)9月
志摩線で線形改良により営業キロ改定。0.7km短縮。
・1997年(平成9年)10月
養老線で線形改良により営業キロ改定。0.1km短縮。
・2003年(平成15年)4月
北勢線〔西桑名~阿下喜間、20.4km〕を分離(廃止)。線路・車両は三岐鉄道へ譲渡され、電車運行は現在も継続。
・2006年(平成18年)3月
けいはんな線(京阪奈新線)生駒~学研奈良登美ヶ丘間、8.6kmが新たに開業。
・2007年(平成19年)10月
伊賀線〔伊賀神戸~伊賀上野間、16.6km〕を分離。伊賀鉄道へ移行。
・2007年(平成19年)10月
養老線〔桑名~揖斐間、57.5km〕を分離。養老鉄道へ移行。
・2009年(平成21年)3月
南大阪線で線形改良により営業キロ改定。0.1km短縮。(大阪阿部野橋駅、改良)
以上より、
595.2km-0.1km-0.2km-0.7km-0.1km-20.4km+8.6km-16.6km-57.5km-0.1km=508.1km
と、なります。
↑再掲画像。
この4月からは「四日市あすなろう鉄道」に転換される、内部・八王子線。
内部線と八王子線を合わせて7.0kmです。このぶん、4月1日から近鉄線の営業キロはまた〝小さく〟なります。
今年4月1日以降、近鉄電車の総営業キロは、
508.1km-7.0km=501.1km になります。
ギリギリ500km超え~