キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

9月3度目の二日酔い

2017年09月23日 | Weblog
今日もすっかり二日酔いだ。
陸奥から友人2人が訪ねて来てくれて、それに横浜の知人と大磯の友人カップルが加わり、茅ヶ崎でナイトクルージングをしたためで、酒、ワイン、ハイボール、ビールといわゆるチャンポンで呑んだが、今、やや冷静に振り返ってみると、酒は5勺、ワインは1本半、ハイボール3杯、ビール2杯くらいだったような気がする。
先週金曜日に大井町で痛飲して1週間が経っているものの、最近痛飲する頻度数が上がっている。
年を取って浅はかなことだなあと思うが、年を取ると酒に弱くなるから、二日酔いの程度も弱くなっていて、しかも具合が良くなるまで寝てればいいから、くらくらする頭を抱えて仕事に向かうこともなく、ある意味酔った状態を二日続けて楽しんでいれば良いから、否定的な意味合いが少なく、字義通り二日酔いなんだなこれが。

孔子が思うところにしたがいて法を超えずと言ったのは幾つをさしたのか定かでないが、60だったかなあ、酒を呑んでドンチャン騒ぎをして法を超えなかったら本当の自由になり理想的だが、中々そうはならず、恥ずべきことの多い還暦である。
日本は酒呑み天国であったが、近頃はつまらねえルールが出来てきて四六時中緊張を強いられる社会になっていて、そのガス抜き部分で考えられないような犯罪があったり、イジメが陰湿化しているような気がする。
その因果関係は分からないが、緩やかな規制の社会のほうが人とのつながりが多くなり、その分当然軋轢も多いが無用な孤独が回避されているのではないか。

まあ、印象だけで物事を断定してはいけないが、近頃根拠を示さなくては何にも言えなくなっていて、それが現実を上手くとらえているかと言うとそうでもないんだな。

ナイトクルージングの前に茅ヶ崎BOでたっぷりと時間を使い、本の渉猟を楽しんだ。
河盛好蔵訳編「フランス小咄大全」筑摩書房 昭和43年新版1刷 昭和49年16刷、ずいぶんと売れた本のようだが、私が10代のころには小咄の一つも出来なければ無粋な人と思われ、皆さんこの手の本を読み漁ったように思う。
とくにお色気咄の多いフランス小咄は人気だったのではなかったか。
河盛好蔵はフランス文学の翻訳者として認識していたが、洒脱なエッセイも残していて、堅いばっかりの学者じゃなかったんだと近頃エッセイを入手して認識を変えたばかりだ。

山本七平「参謀学孫子の読み方」日本経済新聞社 昭和61年、会社を辞めてからこういった内容の本に全く興味がなくなった。
在野にいたため全くアカデミズムで評価されなかったが、広い範囲で研究を重ね、わかりやすい言葉で本を書いていて、橋爪大三郎などは大変高い評価をしている。
幾つかの著作を読んだことはあるが、全容を掴むにはなるべく多くの本に当たるべきだ。
私の山本七平のシーズンがいつやって来るかは知れないが、その時に周章てないようにしたい。

金子光晴「じぶんというもの」中公文庫 2016年 780円+税、去年出たばかりの本が108円で売られていた。
出た時に買っているはずだが、出たばかりで、しかもいい状態の金子光晴の本が108円で売られる謂れがない。
金子光晴をバカにしているような気がして、こんなところに置いておけるかと憤慨し買ってしまった。

大竹伸朗「カスバの男モロッコ旅日記」集英社文庫 2004年1刷 2013年4刷、絶版にならずに増刷しているのがすごい。
単行本は世界の大都市の広場にSHARP、FUJI、SONYの看板があった1993年にモロッコへ行き、1994年に出している。
思えばそれから23年が経ち、1つの会社が倒産し、もう1つの会社は本業のフィルム製造から、化粧品、カメラ製造に鞍替えして生き残り、最後の会社はヒット商品が出ず、事業縮小をしながら生き延びている。
当時モロッコにはこれらの看板がない辺境であったが、今も幸せなことにこれらの看板はないだろう。
この人の本は、数年前に単行本を買ったが、それは娘が宇和島へ風呂屋にある彼の作品を観に行ったことから、風変わりなことをやる面白そうな人だなあと気になったからで、さもなくば一生スルーしていただろう。
角田光代があとがきで、この本を読んで直ぐに旅行会社へ行き、モロッコまでの1ヶ月のオープンチケットを買ったと書いているが、それでこの本がどんなものか分かるだろう。
それが文章の究極だとおもう。

しかし頭がガンガンする。
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