白鳳と云っても角力の白鳳ではなく、腿の白鳳だ。
そもそも角力のほうの白鳳は、横綱としてみっともない張り手やかちあげの立ち合いをして嫌いだった。
話しは古いが、柏戸が先代の琴桜の頭からのぶちかましを、まともに胸を出して受け、取り組みが終わった後に、真っ赤になっている胸を観るのが相撲の醍醐味だった。
話しは今夕着いた桃の白鳳だ。
名古屋の会社で上司だった人が定年後野菜や果物を作っていて、冬に僕が送るワインとの交換のように、毎年この時期一箱送ってくれるのだ。
小振りの白鳳が20個ぐらい入っていて、母がいた頃は桃好きだったので、かなり母が食べていたが、僕以外の家族は余り果物を喰わないから、ここ数年は、もっぱら僕がいただいている。
早速一個食べて、感想を云いながらお礼の電話を掛けた。
僕が平取だった頃、専務をやっていて気が合ったものだから目を掛けてくれた。
会社の前に「じゅんちゃん」という美味い魚を出す小料理屋があり、そこで良く奢ってもらった。
10歳上だが、毎日野菜と果物の手入れや収穫をやっていて元気とのことだ、きっと僕より足腰は達者だろう。
早寝早起きで、昔のように酒を飲まなくなったとのことだから、あと10年は農業を続けそうだ。
同級生の作った米を食べ、先輩の作った桃を食べられるのは幸せなことだ。
春先がんの手術をして心配したが、その弟が作る枝豆で飲む酒も実に美味いものだ。