対位法芸術の極み、バッハの白鳥の歌、未完のフーガの技法には2つの厄介な問題がついてまわる。
総譜で書かれ、演奏楽器の指示なく、更に楽章配列の問題がある。
そんなことから現在、オーケストラ、オルガン、チェンバロ、ピアノ、弦楽四重奏による演奏が存在する。
数々の演奏からチェンバロのレオンハルト、評判のいいソコロフ(Sokolov)、更にエマーソン弦楽四重奏団まで手を伸ばし聴いていたが、
最近はリゲティの賛辞はともかくとしてコロリオフのピアノを聴くことが多かった。
時間を持て余している最近、カビ臭いLPを引っ張り出し聴くことが多い。
そんな時、見つけた驚愕の一枚、半世紀前のLP、ライオネル・ロッグ(Lionel Rogg)のフーガの技法。
透明、荘重、荘厳な響きに感激、当時、オルガンだったらヴァルヒャ(Walcha)に見切りをつけたではないか。
そう思わせたLionel Rogg、お気に入りのLPだったのだ、全く忘れていた。
ロッグの素晴らしいこのフーガの技法もCD化されているようだが、WalchaのCDは入手できても、今ではLionel Roggはおそらく無理だろう。
残念なことだ。
ライオネル・ロッグのフーガの技法、右手、左手、足鍵盤、オルガンの複雑に絡み合う音の連なりを一音一音分解し、 再び頭の中で組み直し、繰り返し注意深く聴いている今、フーガの技法はオルガンにとどめを刺す・・・と思う。 Helmut Walcha (1956年オランダ アルクマールにて録音)Lionel Rogg フーガの技法 1969年ジュネーブ 聖ペーター教会にて録音
このお気に入りのディスクは1970年8月29日 銀座ヤマハにて購入(ライナーノーツに書かれた記録から)
当時 相当音にこだわって造られたLPと知れる カッティングマシンはノイマンSX-68 +PTS(Pinchless Tracing Simulator)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます