五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

平経正の琵琶

2012年03月17日 | 第2章 五感と体感
京都の御室に仁和寺があります。
仁和寺に纏わる能といえば「経正」。

清盛の弟、経盛の長男です。三男が敦盛。

敦盛は、一の谷の合戦において熊谷次郎直実に首を取られます。
17歳でした。熊谷は、我が子の事と重なり深い罪悪感から後に出家します。

そして、経正も一の谷において自刃し武蔵国児玉党・庄ノ四郎高家によって首を取られます。

大河ドラマにおいても彼らの父となる経盛は、感受性の豊かな優しい弟として演出されています。その子供達も父の血を引き感性豊かに育ちます。(実際にお会いしたわけでもありませんが^^;)

経正は、琵琶の名手でありました。

一の谷の前、北陸出陣の際にも立ち寄った竹生島で仙童という名の琵琶を奏でます。出陣の前に立ち寄る等、部将としてはほってのほかな行為でしょうが、清盛が世をとってから20数年という時の中で、しかと公達としてのアイデンティティが備わっているわけで、戦乱を生き抜いてきた父とは違うわけです。

そして、御室の君「仁和寺の法親王」から幼少の頃から寵愛され、琵琶の名手でもあった彼は、宮から琵琶「青山」を拝領されていました。この青山は北陸出陣の前に御室を訪れ返上したそうです。そして、経正の首は、仁和寺に引き取られ葬られたと云われています。

敦盛の笛、経正の琵琶。

奏でる響きは、如何なるものであったか。仁和寺の境内を歩きながら耳を澄ましましたが想像に至らず、それでも背後に迫る小高い山々をかつては見たであろう古の人を想い、雰囲気を味わうことは微細ながらできたようです。

屋島から出陣した二人の公達の兄弟愛を想うと、八百年を経た時を生きている私の心の中にも奏でる音色が聴こえてきそうです。

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