雪 2018年1月24日
寒気と雪。雪国は雪や寒冷地のためのインフラ整備が成されていますが、雪が滅多に降らない地域は、当然のことながら、雪や極度の寒冷の整備は手薄です。
街の道路はぐちょぐちょ、つるつるなのでいつもとは違った歩き方をし、雪かきにも慣れておらず、今日あたりは、筋肉痛で目覚めた人も多いのではないでしょうか?
5歳から7歳まで雪深い福井県大野市に住んだ経験のある私は、あまりの生活習慣の違いのおかげで、記憶に深く刻み込まれています。
人は、違和感という記憶の方が、当たり前のように満たされた記憶よりも記憶に残るようです。
妹がまだ赤ちゃんだったため、歩いて15分ぐらいの幼稚園に雪の中、徒歩で一人で通っていた時の記憶は、まるで金剛流のみが演ずる能「雪」なのです。
一面真っ白で僅かにわかる道を辿りながら雪の中にぽつんと建っていた幼稚園に辿り着くまでの過程は、とても美しく印象が深いものでした。
怖いとか、寂しいとか、そういうことは考えたことが無く、ただただ白く広がる異界の世界に魅了されながら歩いたものです。
そんな美しい世界と命の果てを、5歳の頃は考える由もありませんでしたが、それでも、永平寺の雲水が寒空の中托鉢をしながら我が家の玄関先にやってくるのは、雪と同時に待ち遠しさの象徴だったように思います。
あの世とこの世の境界を思わせる一面の白は、自然界の究極の美しさと云えるかもしれません。幼い子供が、それを感ずるのだからきっとそうなのでしょう。
奇しくも、先週末に、舞台近松心中物語を観ました。
私の幼少期に体験した風景と重なり、一面の白い世界でのラストシーンは、さすが宮沢りえさん、、、と、思いつつ、彼女の感情移入を楽しんだのでした。
もし、自分が痴ほう症になって、幼き頃の自分と混同するようになったら、たぶん、住んでいた「大野市の家の雪の季節」がかなりの確率で蘇ってくるであろうと今から公言しておきます。「雲水さんがやってくるからお金を用意しておかなくては、」と、言ったら、永平寺の雲水さんでありましょう。
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