五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

夏休みの思い出

2008年07月30日 | 第2章 五感と体感
先日、カトリック茅ヶ崎教会の神父さんが私の所属する教会に来られました。そのときの説教で、私の放浪癖の一片がワラワラと蘇りました。

それは、私のこの性格は今に始まったことではない!証拠というべく夏休みの思い出です。

小学生の6年弱、私は茅ケ崎に住んでいました。

父の転勤先の福井から越してきたのが、1年生の夏休み。
9月に茅ヶ崎の小学校に転校しました。
そのころ、日差しの少ない北陸にいたせいで、肌の色が白く、茅ヶ崎というさんさんと陽の注ぐ場所に住む先生から見れば、私は虚弱体質と見えたらしい。

確かに、いつもどこか具合の悪い子供であったことは確かですが。

そんな私を心配した先生が、放課後私を誘い校庭を何周か走ってくださいました。

でも、環境は、私を変えてくれました。
そんな周囲の心配をよそに、私は見る見るうちに真っ黒になり、自転車をかっ飛ばして、海や山を巡り、心底楽しい茅ヶ崎ライフを過ごしました。

立派な松林の中にある茅ヶ崎図書館も私の遊び場の一つでした。自転車をこぎ、汗をかきながら図書館の中に入ると、窓を開け放した館内に、海の香りと夏の湿気が本の香りと混じり、なんともいえない好みの香りがぷぅーんと漂ってきます。静かな空間がとても神聖でした。
週に一度は必ず通い、涼を楽しんだものです。

そして、その図書館の前に、カトリック茅ヶ崎教会がありました。

私の概念に「行ってはいけない場所」というのがあったかどうか定かではありませんが、好奇心にかられ、誰もいない教会に入って、しばらく聖堂の隅に座り、ぼーっとすることもありました。

そんなある日、ふと目にとまった教会学校のサマーキャンプの手書きのポスター。

信徒でない私が、急に思い立ち、母に頼み、何故か参加する許可もおり、初めてのキャンプを体験したのです。
その時の内容は、あまり覚えていないのですが、バンガローに泊まり、夜は、カレーを作り、ハンゴウでお米を炊きました。
初めて会う人たちに混じり、なんの違和感もなく、すんなり楽しく過ごしました。

そうなのです。
茅ヶ崎教会の神父さんの説教は、まさしく毎年恒例の教会学校サマーキャンプの話題だったのです。
今年は例年になく、子供たちが信徒でない友達を連れてきたものだからいつもよりもはるかに多い参加者だったそうです。引率者はくたくただったそうですが、子供たちが口々に、友達が増えて楽しかった!と感想を述べたそうです。

かれらも、私のように、いつの日か、大人になって、また、ふと教会に足を運ぶかもしれません。

夏休みの思い出は、将来の道しるべ。

知らない場所、知らない人、知らない環境での出合いは、自分の持つ小さな世界からさらに広がる、何かのきっかけとなっていきます。

その時、気づかなくても、むしろあとになって、その意味に気づくことのほうが大きいように思います。

茅ヶ崎の神父さんは、去年天国に逝った神父さんと親しい間柄。
思わず、ミサ後に、神父さんにそのお話をさせていただきました。

「I神父さんが、引き合わせたんでしょうね。彼らしい。」

さらに、頂いたこのコメントに、ますます出会いの意味を感じずにはいられませんでした。

36年くらい前の出来事が、「今」に引き寄せられた一日の出来事。

人生、これだから楽しい。

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